JP2511085Y2

JP2511085Y2 - 交通信号灯用遮光レンズ

Info

Publication number: JP2511085Y2
Application number: JP2373490U
Authority: JP
Inventors: 博司加藤
Original assignee: Koito Industries Ltd
Current assignee: Koito Industries Ltd
Priority date: 1990-03-12
Filing date: 1990-03-12
Publication date: 1996-09-18
Anticipated expiration: 2005-03-12
Also published as: JPH03116498U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、車両用及び歩行者用の交通信号灯における
擬似点灯防止技術に係り、特にこれ等交通信号灯の前面
レンズと点灯用光源の透光面間に配置する遮光レンズに
関するものである。

〔従来の技術〕

従来から、例えば道路交差点や横断歩道等に配設する
交通信号灯は、それぞれ機能別に青、黄、赤等の異なっ
た色のフィルター作用を為す透光性前面レンズを被着し
て所定の信号色に発色している。しかし、このような交
通信号灯は、第11図に示すように、灯器本体51を信号機
筐（図示していない）に収容すると共に、例えば路側に
植設した支柱の上方に支承して使用するものであるた
め、太陽光や各種車両のヘッドライト光等の外光Ｌがそ
の前面レンズ52を透過して灯器本体51内に侵入すると、
該灯器本体51内に構成した放物面反射鏡53により反射さ
れ、再び灯器本体51外へ出射するため、恰も交通信号灯
の光源54が点灯しているかのような所謂擬似点灯現象を
生ずることが知られている。

そこで、従来からこの種の擬似点灯現象を防止する手
段として、第12図に示すように、灯器本体51の前面開口
を被蓋する前面レンズ52と該灯器本体51内に放物面反射
鏡53及び点灯用の光源54を構成し、該前面レンズ52と光
源54との間に前面レンズ52の面方向へ多数のフィン55,5
5…を横列配設して成るルーバー56を介装し、該ルーバ
ー56により外光Ｌの侵入を遮断すると共に、光源54の照
射光をルーバー56に構成したフィン55,55間の隙間Ｓか
ら灯器本体51外へ出射するように構成した交通信号灯が
提案されている。

また、電圧をかけると不透明になって光を遮る液晶の
性質を利用したシャッターを透過性前面レンズの前側に
取り付け、交通信号灯を点灯するときだけ電圧を遮断し
てシャッターが開くように工夫した交通信号灯も使用さ
れている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記ルーバー56を用いた交通信号灯は、上記
の如く所定の形成幅を有する多数のフィン55,55を一定
間隔Ｓだけ離間して前面レンズ52の面方向へ並設して灯
器本体51外から照射する外光Ｌを遮断をする構造に成る
ものであり、外光Ｌによる擬似点灯現象の発生を防止す
ることはできるものの、逆に点灯用の光源54による内部
からの出射光をも遮断するため、該遮光分だけ光源54に
よる放射光の有効利用が阻害されるという問題を有して
いた。

また、液晶をシャッターとして利用した交通信号灯
は、液晶自体の寿命が極端に短く、しかも通常の交通信
号灯に比較してコスト高に成るという問題を有してい
た。

本考案は、上記問題に鑑みて創案されたものであり、
放物面反射鏡の前方に配置した遮光レンズにより外部か
ら入射する太陽光等の外光に対する遮光性を確保すると
共に、内部点灯用光源の照射光に対しては透過率を低減
させることのない交通信号灯用遮光レンズを提供するこ
とを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係る交通信号灯
用遮光レンズは、裏面側に形成した凸状シリンドリカル
な集光レンズ素子によって収束した出射光を透過させる
表面側透過部に凹状シリンドリカルな拡散レンズ素子を
形成すると共に、上記透過部間に裏面方向へ延出し、少
なくともその下面側が灯室内に対する反射面として機能
する遮光縁を構成することを要旨とするものである。

前記遮光縁は、レンズの肉厚内に楔状に食い込む切欠
溝で形成し、またレンズ裏面からその後方へ突出する庇
状の突縁として構成することもできる。

尚、遮光レンズを内側レンズと外側レンズの二枚構造
により構成し、内側レンズの表面又は裏面に前記集光レ
ンズを形成すると共に、外側レンズの裏面に前記遮光縁
を形成することもできる。

〔作用〕

上記構成によれば、外側レンズの表面側に照射する太
陽光等の外光は、遮光レンズに構成した遮光縁により遮
断され、灯器本体内への侵入が阻止される。また遮光縁
間から灯器本体内へ入射した外光は、後壁内面に構成し
た放物面反射鏡により反射した後、上記遮光縁により光
路が遮断され、反射光の多くは外側レンズからの出射が
規制されるため擬似点灯現象の発生防止作用を為す。

放物面反射鏡内に担持した点灯用の光源からの放射光
は、放物面反射鏡により遮光用レンズの裏面側へ偏向屈
折し、該レンズに形成した集光レンズ素子によって収束
された後、遮光縁間に形成した拡散レンズ素子を透過し
て該レンズ外へ拡散出射する。而して、灯器本体内に装
着した点灯用の光源に対する出射光の透過率を低下させ
ることはない。然も、灯器本体内から直射光として出射
する非平行光束は、上記遮光縁の下面に形成した反射面
において灯器本体前方への有効な照射光として屈折出射
し、信号灯の光度を向上させる作用を為す。

〔実施例〕

以下、本考案に係る交通信号灯用遮光レンズの実施例
を図面に従って説明する。

第１図乃至第４図は、本考案に係る遮光レンズを車両
用交通信号灯に実施した第一の実施例を示すものであ
る。

本考案に係る遮光レンズ１は、無着色透光性材料で成
形してあり、機能別に所定色の発色をするように着色さ
れた透光性材料で成る前面レンズ２と点灯用の光源３の
間に介装し、外周部1aを上記前面レンズ２の外周部2aと
共に、底部に上記点灯用の光源３を装着するためのソケ
ット４を固設し、かつ内面を放物面反射鏡５とした灯器
本体６のフランジ6aに対し、固定枠７により挟持一体化
する構造に成るものである。本実施例において、上記前
面レンズ２は、その裏面に光束制御機能を有するレンズ
スップ2bを形成した構造に成っているが、本考案におい
ては、出射光の光度を向上するために該レンズスップ2b
を形成しない着色透光性材料で成る前面カバー（図示し
ていない）を用いることもできる。また、上記光源３
は、灯器本体６の内面に形成した放物面反射鏡５の焦点
Ｆ部分に担持してその放射光を該放物面反射鏡５により
その照射面方向に偏向屈折し、略平行光束として出射す
るように成っており、該平行光束を照射面前方に位置す
る前記遮光レンズ１の後面へ照射するように構成する。

上記遮光レンズ１は、その裏面に所定形成幅W1に成る
凸状シリンドリカルな集光レンズ素子8,8…を同心円状
に形成したものであり、該集光レンズ素子8,8…に対応
し、該集光レンズ素子8,8…により収束された光束が透
過する表面側を所定形成幅W2の透過部9,9…とし、該透
過部9,9…間に遮光レンズ１の肉厚内にレンズ裏面方向
へ向かって楔状に食い込む切欠溝10,10…を延出形成
し、該切欠溝10,10…内に遮光膜11を被着して遮光縁12,
12…を形成したものである。該遮光縁12,12…は、それ
ぞれ光軸ｆ側に位置する一面が光源３に対する反射面13
を為すように構成してある。

而して、遮光レンズ１の表面側に照射する太陽光等の
外光Ｌは、該遮光レンズ１に遮光縁12として構成した切
欠溝10,10…内に被着した遮光膜11により吸収され、灯
器本体６内への侵入が遮断される。また、遮光縁12,12
…間から灯器本体６内へ入射した外光Ｌは、灯器本体６
の内面に形成した放物面反射鏡５により反射した後、該
遮光レンズ１の遮光縁12,12…により光路が遮断され、
該反射光の多くは遮光レンズ１からの出射が規制される
ため擬似点灯現象の発生を防止する作用を為す。

また、放物面反射鏡５内に担持した点灯用の光源３か
らの放射光L1は、該放物面反射鏡５により遮光レンズ１
の裏面側へ偏向屈折し、該遮光レンズ１の裏面に形成し
た集光レンズ素子8,8…によって収束された後、遮光縁1
2,12…間に形成した拡散レンズ素子14,14…を透過して
灯器本体６外へ拡散出射する。而して、上記遮光レンズ
１が灯器本体６内に装着した点灯用の光源３に対する出
射光の透過率を低下させることはない。

また、灯器本体６内から直射光として出射する非平行
光束L2は、上記遮光縁12,12…に形成した反射面13にお
いて灯器本体６の前方へ偏向出射し、有効な照射光とし
て信号灯の光度を向上させる作用を奏する。

第５図乃至第９図は、上記遮光レンズ１の構造に関す
る他の実施例を示すものであり、上記第一の実施例と異
なる部分についてのみ説明する。

これ等の実施例においては、遮光レンズ１は、対向配
置した無着色透光性材料で成る外側レンズ1Aと内側レン
ズ1Bの二枚構成に成り、内側レンズ1Bの表面又は裏面
（実施例図面においては「裏面」）に前記集光レンズ8,
8…を形成すると共に、外側レンズ1Aの裏面にその後方
へ突出して庇状の突縁と成る遮光縁12,12…を形成した
ものである。

即ち、先ず第５図及び第６図に示す第二の実施例に係
る遮光レンズ１は、内側レンズ1Bの裏面に所定形成幅W1
に成る凸状シリンドリカルな集光レンズ素子8,8…を同
心円状に形成したものであり、該集光レンズ素子8,8…
に対応し、該集光レンズ素子8,8…により収束された光
束が透過する外側レンズ1Aの表面側を所定形成幅W2の透
過部9,9…として、該透過部に上記集光レンズ素子8,8…
に対応して出射光を灯器本体６外へ拡散出射させる凹状
シリンドリカルな拡散レンズ素子14,14…を形成し、か
つ該拡散レンズ素子14,14…間における該外側レンズ1A
の裏面にその後方へ向かって突出し、縦断面形状が庇状
と成る突縁を形成し、該突縁の表面に遮光膜11を被着し
て遮光縁12,12…と為し、かつ、これ等の遮光縁12,12…
において、少なくともその下面側を灯器本体６内に対す
る反射面13として構成したものである。

また、第７図に示す第三の実施例においては、上記第
二の実施例において、遮光縁12,12…が形成された外側
レンズ1Aの表面側に遮光膜15を被着して該部を完全な不
透過部に構成すると共に、外光Ｌに対する完全な遮光部
を構成したものである。

このように外側レンズ1Aの表面に遮光膜15を被着する
と、灯器本体６内への外光Ｌの入射率が小さく成り、更
に擬似点灯防止効果を向上することができる。

第８図に示す第四の実施例は、上記第二の実施例にお
いて、遮光縁12,12…を形成した外側レンズ1Aの表面側
対応部位に凸状シリンドリカルな集光レンズ素子16,16
…を形成したものであり、また第９図に示す第五の実施
例は、上記第二の実施例において、外側レンズ1Aの裏面
において、遮光縁12,12…間の透過部に凸状又は凹状の
シリンドリカルなレンズ素子17,17…を形成したもので
ある。

而して、このような構成により外光Ｌに対する遮光性
を向上すると共に、出射光量を増加し、信号灯としての
光度を高めることができる。

本考案に係る遮光レンズ１を交通信号灯器に実施する
場合、第10図に示すように、灯器本体６を信号機筐18内
に収容すると共に、該信号機筐18の前面にフード19を付
設した構造にすることにより、昼夜使用時における前面
レンズ２の明度差を大きくすることができる。

本考案において、遮光縁12,12…の形成幅W3は、遮光
レンズ１に形成した集光レンズ素子8,8…の焦点距離に
対応して形成した拡散レンズ素子14,14…の形成幅W2と
の関係により、また集光レンズ素子8,8…と拡散レンズ
素子14,14…の離間距離（即ち、遮光レンズ１の肉厚、
又は遮光レンズ１を構成する外側レンズ1Aと内側レンズ
1B間の離間距離）に応じて適宜設計変更することが可能
であり、例えば集光レンズ素子8,8…の焦点距離を短く
すれば、遮光レンズ１の肉厚や、外側レンズ1Aと内側レ
ンズ1Bとの隙間を小さくすることができ、また両レンズ
1A,1B間の隙間を可変調節することで遮光膜11の形成幅W
3を広狭設計変様することができるものである。

上記各実施例においては、遮光レンズ１から出射する
光束L1が同心円状に形成したレンズ素子8,14,16,17の光
束制御作用により、鉛直方向から水平方向までの全照射
領域に対して光軸ｆと平行に成る光束L1を出射するた
め、前面レンズ２に対して従来の交通信号灯器と同様な
配光を得ることができる。

更に、本考案に係る遮光レンズ１に形成するレンズ素
子8,14,16,17を、横配列平行又は縦配列平行に形成し、
各レンズ素子8,14,16,17間に無反射加工に成る遮光膜1
1,15を塗着又は付着して構成することができ、また、本
考案に係る遮光レンズ１は、例えば歩行者用交通信号灯
のような略角形状に形成した灯器本体に対応して略角形
状に形成し、上記レンズ素子8,14,16,17部を同心円状
に、また横配列平行又は縦配列平行に形成することも可
能である。

尚、上記遮光レンズ１を外側レンズ1Aと内側レンズ1B
の二枚構成のレンズ構造で形成した実施例において、遮
光膜11を外側レンズ1Aの裏面に付着構成したレンズ構造
による場合には（第６図，第８図及び第９図参照）、該
外側レンズ1A自体を信号灯器機能色に発色する色レンズ
として成形し、上記前面レンズ２を省略した構造にする
ことも可能である。

〔考案の効果〕

本考案に係る交通信号灯用遮光レンズは、以上のよう
に構成したから、太陽光等の外光による擬似点灯防止効
果があり、交通信号灯や鉄道信号灯の西日対策として有
効であるばかりでなく、信号灯器の点灯時における点灯
用光源の照射光の有効利用が可能となり、信号灯器の照
明効率を低下させることがない。

然も、出射光に対する遮光縁の反射機能により非平行
光束を灯器本体外へ有効な照射光として偏向出射し、信
号灯の光度を向上することができる等、本考案実施後の
実用上の効果に優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は第一の実施例に係る遮光レンズを装着した車両
用交通信号灯の側断面図、第２図は遮光レンズの正面図、第３図は同背面図、第４図は同遮光レンズの要部拡大側断面図、第５図は第二の実施例に係る遮光レンズを装着した車両
用交通信号灯の側断面図、第６図は同遮光レンズの要部拡大側断面図、第７図は本考案に係る遮光レンズの第三の実施例を示す
要部拡大側断面図、第８図は同じく遮光レンズの第四の実施例を示す要部拡
大側断面図、第９図は同じく遮光レンズの第五の実施例を示す要部拡
大側断面図、第10図は本考案に係る信号灯器を信号機筐に収容した状
態を示す側面図、第11図は従来の交通信号灯を示す側断面図、第12図は同じく擬似点灯防止構造を構成した従来の交通
信号灯を示す側断面図である。１……遮光レンズ、２……前面レンズ 1A……外側レンズ、1B……内側レンズ３……光源、５……放物面反射鏡６……灯器本体、８……集光レンズ素子９……透過部、11……遮光膜 12……遮光縁、13……反射面 14……拡散レンズ素子

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】裏面側に形成した凸状シリンドリカルな集
光レンズ素子によって収束した出射光を透過させる表面
側透過部に凹状シリンドリカルな拡散レンズ素子を形成
すると共に、上記透過部間にレンズ裏面方向へ延出し、
少なくともその下面側を灯室内に対する反射面として機
能する遮光縁を構成したことを特徴とする交通信号灯用遮光レンズ。
【請求項２】前記遮光縁がレンズの肉厚内に楔状に食い
込む切欠溝で形成したものであることを特徴とする請求
項１記載の交通信号灯用遮光レンズ。
【請求項３】前記遮光縁がレンズ裏面からその後方へ突
出する突縁であることを特徴とする請求項１記載の交通信号灯用遮光レンズ。
【請求項４】遮光レンズが内側レンズと外側レンズの二
枚構成に成り、内側レンズの表面又は裏面に前記集光レ
ンズを形成すると共に、外側レンズの裏面に前記遮光縁
を形成したことを特徴とする請求項１記載の交通信号灯用遮光レンズ。