JP2510451B2 - 魚肉チ―ズ嗜好食品の製造方法 - Google Patents
魚肉チ―ズ嗜好食品の製造方法Info
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- JP2510451B2 JP2510451B2 JP4100706A JP10070692A JP2510451B2 JP 2510451 B2 JP2510451 B2 JP 2510451B2 JP 4100706 A JP4100706 A JP 4100706A JP 10070692 A JP10070692 A JP 10070692A JP 2510451 B2 JP2510451 B2 JP 2510451B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たら等の魚肉擂潰物を
主原料とする魚肉シートと乳製品のチーズとからなる嗜
好食品の製造法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
ソフトなやわらかい食感を有し、包装された製品を開封
し空気中に放置してもただちに硬化することのなく、長
期に柔軟性を保持し得る魚肉シートとチーズからなる嗜
好食品の製造方法に関する。
主原料とする魚肉シートと乳製品のチーズとからなる嗜
好食品の製造法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
ソフトなやわらかい食感を有し、包装された製品を開封
し空気中に放置してもただちに硬化することのなく、長
期に柔軟性を保持し得る魚肉シートとチーズからなる嗜
好食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たら等の魚肉は比較的低廉にして漁獲し
易い材料として最近とみに多く使用されており、これを
主材料として、例えば、さきいか類似品、チーズたらな
どをはじめ多くの珍味嗜好食品が製造されている。
易い材料として最近とみに多く使用されており、これを
主材料として、例えば、さきいか類似品、チーズたらな
どをはじめ多くの珍味嗜好食品が製造されている。
【0003】特に、魚肉加工品とチーズとは風味がよく
調和し、両者を組み合わせた食品が数多く開発されてい
る。例えば、特開昭59−85273号公報(特公平1
−13340号公報)には、魚肉擂潰物を薄板状に成形
し、このシートの間にチーズをはさんで食品素材を形成
し、この食品素材を上下より加熱されたロースター板で
適宜に加圧しチーズの上下表面部を融解させてチーズに
魚肉シートを付着して、これを水分含有率約33〜38
%になるまで冷却した後、所定形状に裁断して製品と
し、これを脱酸素剤とともに包装する嗜好食品の製造法
が開示されている。この方法は、魚肉シートとチーズと
は、製品の水分含有率を高く維持することによってソフ
トな食感を有すると共に、製品の包装に際して脱酸素剤
を同時に封入して製品包装袋内の酸素を除去せしめ、か
び等の細菌が発生するのを防止することによって製品の
保存性をより高めて嗜好食品を製造しようとするもので
ある。
調和し、両者を組み合わせた食品が数多く開発されてい
る。例えば、特開昭59−85273号公報(特公平1
−13340号公報)には、魚肉擂潰物を薄板状に成形
し、このシートの間にチーズをはさんで食品素材を形成
し、この食品素材を上下より加熱されたロースター板で
適宜に加圧しチーズの上下表面部を融解させてチーズに
魚肉シートを付着して、これを水分含有率約33〜38
%になるまで冷却した後、所定形状に裁断して製品と
し、これを脱酸素剤とともに包装する嗜好食品の製造法
が開示されている。この方法は、魚肉シートとチーズと
は、製品の水分含有率を高く維持することによってソフ
トな食感を有すると共に、製品の包装に際して脱酸素剤
を同時に封入して製品包装袋内の酸素を除去せしめ、か
び等の細菌が発生するのを防止することによって製品の
保存性をより高めて嗜好食品を製造しようとするもので
ある。
【0004】この製品は、他の製品と比較して、比較的
ソフトな食感を有し、包装製品としての保存性も高いも
のとなっている。しかしながら、チーズを乾燥魚肉シー
トにはさみ、これを上下から加熱されたロースター板で
加熱するので、この工程でチーズ中の水分が乾燥魚肉シ
ートに移行し、さらに加熱によって水分が蒸発し、チー
ズが本来のその水分含量である42%前後より低くな
り、その結果、チーズの風味が濃厚なものとなる。ま
た、包装製品を開封し、そのまま空気中に放置しておい
た場合、急速に表面部位が硬化し、ソフトな食感を失っ
てしまうという問題点を有している。
ソフトな食感を有し、包装製品としての保存性も高いも
のとなっている。しかしながら、チーズを乾燥魚肉シー
トにはさみ、これを上下から加熱されたロースター板で
加熱するので、この工程でチーズ中の水分が乾燥魚肉シ
ートに移行し、さらに加熱によって水分が蒸発し、チー
ズが本来のその水分含量である42%前後より低くな
り、その結果、チーズの風味が濃厚なものとなる。ま
た、包装製品を開封し、そのまま空気中に放置しておい
た場合、急速に表面部位が硬化し、ソフトな食感を失っ
てしまうという問題点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、このよう
な状況を踏まえ、魚肉擂潰物のシート(以下、魚肉シー
トという)とチーズとの本来の状態及び旨味を保有し、
全体にソフトで魚肉擂潰物及びチーズの本来の風味を有
すると共に、包装製品を開封し空気中に放置してもソフ
トな食感ができるだけ損われず、しかも長期にわたりソ
フトな食感を維持できる新しい製品を開発することを目
標として鋭意研究を積み重ねた。その結果、魚肉シート
の間にチーズを挟んでサンドイッチ状に形成し、これを
蒸気で処理すると共に、製品の水分含有率を41〜44
%に維持することによって所期の目標を達成し得ること
を見い出し本発明を完成するに至った。
な状況を踏まえ、魚肉擂潰物のシート(以下、魚肉シー
トという)とチーズとの本来の状態及び旨味を保有し、
全体にソフトで魚肉擂潰物及びチーズの本来の風味を有
すると共に、包装製品を開封し空気中に放置してもソフ
トな食感ができるだけ損われず、しかも長期にわたりソ
フトな食感を維持できる新しい製品を開発することを目
標として鋭意研究を積み重ねた。その結果、魚肉シート
の間にチーズを挟んでサンドイッチ状に形成し、これを
蒸気で処理すると共に、製品の水分含有率を41〜44
%に維持することによって所期の目標を達成し得ること
を見い出し本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、魚肉シートとチーズ
との本来の状態及び旨味を損なうことがなくソフトな食
感と豊かな風味をもつ魚肉チーズ嗜好食品の工業的な製
造方法を提供することを目的とするものである。
との本来の状態及び旨味を損なうことがなくソフトな食
感と豊かな風味をもつ魚肉チーズ嗜好食品の工業的な製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】さらに、本発明は、包装製品を開封し空気
中にそのまま放置しても硬くなりにくく比較的長期にわ
たりソフトな食感を保持し得る魚肉チーズ嗜好食品の工
業的な製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
中にそのまま放置しても硬くなりにくく比較的長期にわ
たりソフトな食感を保持し得る魚肉チーズ嗜好食品の工
業的な製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明の構成は、以下のとおりのものである。
まず、魚肉擂潰物を形成する。そして、擂潰した魚肉、
澱粉、調味料等からなる魚肉原料を混練(本発明では、
このようなものを魚肉擂潰物という)し、シート状に成
形する。このシートは加熱し、乾燥して魚肉シートとし
てもよく、また軽く乾燥してシート状としたものであっ
てもよい。一般にこの工程で一度加熱乾燥しておくと魚
肉のうま味が発現されるので、好ましい。また低温乾燥
では魚肉の本来の風味が発現する。乾燥は水分含量17
〜20%程度がよい。この該魚肉シートの間に適宜厚さ
のチーズを挿入してチーズをサンドイッチ状に挟む。チ
ーズとしては、プロセスチーズ、チーズフード等が用い
られる。このようにして得られた魚肉チーズサンドを蒸
気で加熱してチーズと魚肉シートとを密着させる。この
密着は、上下2枚のネットコンベアー及びその所々に上
下ローラ設け、ネットコンベアーの間に魚肉チーズサン
ドをはさみ、上下ローラとネットコンベアーにより押圧
しつつ搬送すると共に蒸気で加熱してチーズと魚肉シー
トとを密着させ、冷却を行うことによって行なわれる。
このようにして水分含有率41〜44%に調整する。こ
の水分含有率は、チーズ本来の水分含有率かあるいはそ
れより僅かに多めの水分含有率である。このような水分
含有率にすることによって、魚肉シートに水分が付与さ
れて軟らかさが生じ、またチーズの味が濃厚となること
がなく、ソフト感が生ずる。この点については、上記公
報にみられるように従来、約33〜38%の水分がよい
とされていたのが、僅かに水分を多めとすることによっ
て得られる製品がやわらかくなり、まろやかな風味が付
与され、ソフト感が生ずるのは全く驚くべきことであ
る。本発明の水分含量41〜44%の付与は、魚肉シー
トが通常乾燥されており、チーズの水分が移行するので
生蒸気を用い、生蒸気によって魚肉シート及びチーズを
加湿し、同時に生蒸気の熱によって両者を密着させるこ
とが望ましい。又、加熱蒸気と併用しても良い。次に、
これを適宜の形状に裁断製品とする。また、必要により
包装する。包装のさい、脱酸素剤あるいは不活性ガスと
共に包装すると製品を長期間変質することなく保存する
ことができる。
るための本発明の構成は、以下のとおりのものである。
まず、魚肉擂潰物を形成する。そして、擂潰した魚肉、
澱粉、調味料等からなる魚肉原料を混練(本発明では、
このようなものを魚肉擂潰物という)し、シート状に成
形する。このシートは加熱し、乾燥して魚肉シートとし
てもよく、また軽く乾燥してシート状としたものであっ
てもよい。一般にこの工程で一度加熱乾燥しておくと魚
肉のうま味が発現されるので、好ましい。また低温乾燥
では魚肉の本来の風味が発現する。乾燥は水分含量17
〜20%程度がよい。この該魚肉シートの間に適宜厚さ
のチーズを挿入してチーズをサンドイッチ状に挟む。チ
ーズとしては、プロセスチーズ、チーズフード等が用い
られる。このようにして得られた魚肉チーズサンドを蒸
気で加熱してチーズと魚肉シートとを密着させる。この
密着は、上下2枚のネットコンベアー及びその所々に上
下ローラ設け、ネットコンベアーの間に魚肉チーズサン
ドをはさみ、上下ローラとネットコンベアーにより押圧
しつつ搬送すると共に蒸気で加熱してチーズと魚肉シー
トとを密着させ、冷却を行うことによって行なわれる。
このようにして水分含有率41〜44%に調整する。こ
の水分含有率は、チーズ本来の水分含有率かあるいはそ
れより僅かに多めの水分含有率である。このような水分
含有率にすることによって、魚肉シートに水分が付与さ
れて軟らかさが生じ、またチーズの味が濃厚となること
がなく、ソフト感が生ずる。この点については、上記公
報にみられるように従来、約33〜38%の水分がよい
とされていたのが、僅かに水分を多めとすることによっ
て得られる製品がやわらかくなり、まろやかな風味が付
与され、ソフト感が生ずるのは全く驚くべきことであ
る。本発明の水分含量41〜44%の付与は、魚肉シー
トが通常乾燥されており、チーズの水分が移行するので
生蒸気を用い、生蒸気によって魚肉シート及びチーズを
加湿し、同時に生蒸気の熱によって両者を密着させるこ
とが望ましい。又、加熱蒸気と併用しても良い。次に、
これを適宜の形状に裁断製品とする。また、必要により
包装する。包装のさい、脱酸素剤あるいは不活性ガスと
共に包装すると製品を長期間変質することなく保存する
ことができる。
【0009】次に、図面にもとづいて本発明をさらに詳
細に説明する。魚肉、例えば、たらの擂潰肉に澱粉、卵
白、食塩、化学調味料、味淋を加えて混練し、該混練物
を圧延成形機により約1〜2mm厚のシート状に成形
し、該シートの品温が78〜86℃になるように加熱、
焼成する。当該シートは全体に黄色ないし乳白色を呈
し、表面部分には焼け焦げがつく。次に、長方形に切断
して28〜44℃の温風乾燥機で乾燥し、水分含有率約
18〜25%に乾燥し、1〜2mm厚の魚肉シート1を
得る。
細に説明する。魚肉、例えば、たらの擂潰肉に澱粉、卵
白、食塩、化学調味料、味淋を加えて混練し、該混練物
を圧延成形機により約1〜2mm厚のシート状に成形
し、該シートの品温が78〜86℃になるように加熱、
焼成する。当該シートは全体に黄色ないし乳白色を呈
し、表面部分には焼け焦げがつく。次に、長方形に切断
して28〜44℃の温風乾燥機で乾燥し、水分含有率約
18〜25%に乾燥し、1〜2mm厚の魚肉シート1を
得る。
【0010】上記魚肉シート1の上に魚肉シート1と略
同形にして4〜6mm厚にスライスされ、水分含有率約
44〜45%のプロセスチーズ2を載せ、更にチーズ2
の上に前記と同様にして処理された魚肉シート1を載
せ、両魚肉シート1,1’の間にチーズ2をサンドイッ
チ状に挟んだ魚肉チーズサンドを形成する。この魚肉チ
ーズサンドは、蒸気加熱機3によって加熱する。すなわ
ち、循環駆動する上下のネットコンベアー5,5’の間
に挟持されつつ、蒸気加熱機3内を搬送する。加熱源4
の蒸気によるネットコンベアー5,5’への加熱温度は
ネットコンベアー5,5’の表面が約85〜98℃の温
度となるものとし、また蒸気加熱機3内を搬送する時間
は約2〜4分間とする。魚肉チーズサンドはネットコン
ベアーの所々に設けられた上下ローラー6,6’により
適宜押圧されつつ、約85〜98℃の温度にて約3〜4
分間加熱される。加圧加熱された魚肉チーズサンドの上
下の魚肉シート1,1’は両ネットコンベアー5,5’
との接触面において蒸気により加熱されて膨張すると共
に、両魚肉シート1,1’と接触するチーズ2は表面の
みが溶融して魚肉シート1,1’の凸凹面と付着する。
このときの食品素材の品温は約75〜79℃程度であ
る。所々に設置した上下ローラー6,6’により押圧す
ることも必要により採用され、魚肉シートとチーズの良
好な接着に有用である。
同形にして4〜6mm厚にスライスされ、水分含有率約
44〜45%のプロセスチーズ2を載せ、更にチーズ2
の上に前記と同様にして処理された魚肉シート1を載
せ、両魚肉シート1,1’の間にチーズ2をサンドイッ
チ状に挟んだ魚肉チーズサンドを形成する。この魚肉チ
ーズサンドは、蒸気加熱機3によって加熱する。すなわ
ち、循環駆動する上下のネットコンベアー5,5’の間
に挟持されつつ、蒸気加熱機3内を搬送する。加熱源4
の蒸気によるネットコンベアー5,5’への加熱温度は
ネットコンベアー5,5’の表面が約85〜98℃の温
度となるものとし、また蒸気加熱機3内を搬送する時間
は約2〜4分間とする。魚肉チーズサンドはネットコン
ベアーの所々に設けられた上下ローラー6,6’により
適宜押圧されつつ、約85〜98℃の温度にて約3〜4
分間加熱される。加圧加熱された魚肉チーズサンドの上
下の魚肉シート1,1’は両ネットコンベアー5,5’
との接触面において蒸気により加熱されて膨張すると共
に、両魚肉シート1,1’と接触するチーズ2は表面の
みが溶融して魚肉シート1,1’の凸凹面と付着する。
このときの食品素材の品温は約75〜79℃程度であ
る。所々に設置した上下ローラー6,6’により押圧す
ることも必要により採用され、魚肉シートとチーズの良
好な接着に有用である。
【0011】食品素材を冷却棚に載せて冷却する。そし
て、水分含有率約41〜44%、厚さ約5〜12mmと
する。食品素材の品温は室温と略等しくなる。また、送
風機等による強制冷却も可能であるが、この場合も食品
素材の水分含有率は、41〜44%とする必要がある。
て、水分含有率約41〜44%、厚さ約5〜12mmと
する。食品素材の品温は室温と略等しくなる。また、送
風機等による強制冷却も可能であるが、この場合も食品
素材の水分含有率は、41〜44%とする必要がある。
【0012】次に、冷却された魚肉チーズサンドを、カ
ッターを有する裁断機によって所定形状に裁断する。こ
の裁断は、幅約4〜12mm程度の適宜所定幅に裁断
し、細長い形状で上下の魚肉シート1,1’の間にチー
ズ2を挟み、水分含有率約41〜44%の軟らかい食感
を有する製品が製造される。
ッターを有する裁断機によって所定形状に裁断する。こ
の裁断は、幅約4〜12mm程度の適宜所定幅に裁断
し、細長い形状で上下の魚肉シート1,1’の間にチー
ズ2を挟み、水分含有率約41〜44%の軟らかい食感
を有する製品が製造される。
【0013】当該製品を必要に応じて包装する。包装
は、該製品を気密性の袋に収容し、脱酸素剤を加えるか
あるいは不活性ガスを加えて密封することが行なわれ
る。脱酸素剤としては食品の脱酸素に用いられるもので
あれば、特に限定はないが、通常エイジス(商品名)を
用いることが好ましい。また不活性ガスには窒素ガスを
用いることが好ましい。
は、該製品を気密性の袋に収容し、脱酸素剤を加えるか
あるいは不活性ガスを加えて密封することが行なわれ
る。脱酸素剤としては食品の脱酸素に用いられるもので
あれば、特に限定はないが、通常エイジス(商品名)を
用いることが好ましい。また不活性ガスには窒素ガスを
用いることが好ましい。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例にもとづいて説明す
る。 実施例1 タラ肉スリ身100kgに、でん粉20kg、卵白40
kg、食塩3kg、グルタミン酸ソーダ4kg及び味り
ん2kgを混練し、この混練物を圧延成形機により約6
mm厚のシート状に成形し、該シート状の混練物の品温
が80〜85℃となるよう遠赤外線を照射して加熱処理
した。加熱されたシートは縦150mm×横500mm
程の長方形に切断した後、35〜41℃の温風乾燥機に
より乾燥し、水分含有率19.5%前後で約2mm厚の
魚肉シートとした。この魚肉シート2板の間に厚さ約4
mmにスライスされた水分含有率約44.5%のプロセ
ス・チーズの1枚を挟んで魚肉チーズサンドを形成し
た。
る。 実施例1 タラ肉スリ身100kgに、でん粉20kg、卵白40
kg、食塩3kg、グルタミン酸ソーダ4kg及び味り
ん2kgを混練し、この混練物を圧延成形機により約6
mm厚のシート状に成形し、該シート状の混練物の品温
が80〜85℃となるよう遠赤外線を照射して加熱処理
した。加熱されたシートは縦150mm×横500mm
程の長方形に切断した後、35〜41℃の温風乾燥機に
より乾燥し、水分含有率19.5%前後で約2mm厚の
魚肉シートとした。この魚肉シート2板の間に厚さ約4
mmにスライスされた水分含有率約44.5%のプロセ
ス・チーズの1枚を挟んで魚肉チーズサンドを形成し
た。
【0015】次に、この魚肉チーズサンドを上下のネッ
トコンベアーの間に挿入した。食品素材は循環駆動する
上下のネットコンベアーに挟持されつつ100℃の加熱
蒸気を約2分間放射され、加圧加熱を受けた。魚肉シー
トは膨張してより柔軟になると共に、プロセス・チーズ
の表面部が溶融されて魚肉シートの凸凹面に従ってしっ
かりと付着した。この工程の間に数ケ所に上下ロールを
載置し、このロールで魚肉チーズサンドを圧し、両者を
圧着させた。続いて、上記サンドを冷却棚に載置して冷
却し、厚さ約7mm、水分含有率41.5%前後とし
た。これを裁断機にて幅約4mm×厚さ約7mm×長さ
120mm程の細長い棒状に裁断し、水分含有率約4
1.5%(平均値)の柔らかい製品を得た。次いで、上
記製品80gと脱酸素剤とを、通気性のない樹脂製フィ
ルムにて形成された包装フィルム袋に入れて密封した。
トコンベアーの間に挿入した。食品素材は循環駆動する
上下のネットコンベアーに挟持されつつ100℃の加熱
蒸気を約2分間放射され、加圧加熱を受けた。魚肉シー
トは膨張してより柔軟になると共に、プロセス・チーズ
の表面部が溶融されて魚肉シートの凸凹面に従ってしっ
かりと付着した。この工程の間に数ケ所に上下ロールを
載置し、このロールで魚肉チーズサンドを圧し、両者を
圧着させた。続いて、上記サンドを冷却棚に載置して冷
却し、厚さ約7mm、水分含有率41.5%前後とし
た。これを裁断機にて幅約4mm×厚さ約7mm×長さ
120mm程の細長い棒状に裁断し、水分含有率約4
1.5%(平均値)の柔らかい製品を得た。次いで、上
記製品80gと脱酸素剤とを、通気性のない樹脂製フィ
ルムにて形成された包装フィルム袋に入れて密封した。
【0016】この製品は、魚肉シートとプロセス・チー
ズの風味が調和した味と、ソフトな食感を有し、開封し
空気中に放置しても硬化することがなく柔らかく食し易
いものであった。
ズの風味が調和した味と、ソフトな食感を有し、開封し
空気中に放置しても硬化することがなく柔らかく食し易
いものであった。
【0017】次に、上記実施例1で得られた製品につい
て保存検査及び味覚試験を行った。これは温度32℃、
湿度85%の恒温恒湿器による防黴保存検査及びパネル
テストに関するもので、比較例として、従来の水分含有
率38%以下のロースター板加熱製品を用いると共に、
保存検査では、脱酸素剤を入れることなく包装したもの
を使用した。各々の検体はいずれも正味80g、包装フ
ィルム袋はKNY/PE/CPP3層の通気性を有しな
いものとし、各々の包装フィルム袋は含気包装の状態で
行った。さらに、包装製品の開封後の水分含有率を常法
により測定し、食感の評価についてはパネルテストにて
行った。
て保存検査及び味覚試験を行った。これは温度32℃、
湿度85%の恒温恒湿器による防黴保存検査及びパネル
テストに関するもので、比較例として、従来の水分含有
率38%以下のロースター板加熱製品を用いると共に、
保存検査では、脱酸素剤を入れることなく包装したもの
を使用した。各々の検体はいずれも正味80g、包装フ
ィルム袋はKNY/PE/CPP3層の通気性を有しな
いものとし、各々の包装フィルム袋は含気包装の状態で
行った。さらに、包装製品の開封後の水分含有率を常法
により測定し、食感の評価についてはパネルテストにて
行った。
【0018】これらの検査の結果、本発明の方法によれ
ば製品の保存性に優れていることが明らかとなった。ま
た、製品の水分含有率についてもほどんどその変化は認
められず、約41〜44%の高い水分含有率を維持する
ことのできる製品であることが判明した。このような高
水分含有率の製品は、蒸気、特に生蒸気による加熱処理
工程を採用することによって特に良好な結果が得られ
た。さらに、開封後の食感についてもソフトな食感が変
化せず維持されることが判明した。特に、この点で、本
発明の方法による製品は、開封後、急速に表面が硬化し
てしまい、ソフトな食感を失って製品価値が低下する水
分含有率38%以下の従来製品と、著しく相違すること
が判明した。
ば製品の保存性に優れていることが明らかとなった。ま
た、製品の水分含有率についてもほどんどその変化は認
められず、約41〜44%の高い水分含有率を維持する
ことのできる製品であることが判明した。このような高
水分含有率の製品は、蒸気、特に生蒸気による加熱処理
工程を採用することによって特に良好な結果が得られ
た。さらに、開封後の食感についてもソフトな食感が変
化せず維持されることが判明した。特に、この点で、本
発明の方法による製品は、開封後、急速に表面が硬化し
てしまい、ソフトな食感を失って製品価値が低下する水
分含有率38%以下の従来製品と、著しく相違すること
が判明した。
【0019】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように、本発明の製造法により得られた嗜好食品は、
魚肉シートとチーズとが有する本来の旨味を損なうこと
がなく、夫々の味の調和した風味を保持した製品とする
ことができると共に、魚肉シートとチーズとの各食感を
同時に味わうことのできる特徴を有する。また、製品の
水分含有率を41〜44%の範囲に維持することができ
ることにより、従来のこの種嗜好食品に比較してよりソ
フトな食感を有し食べ易い製品にすることを可能にする
と共に、包装製品を開封しそのまま空気中に放置しても
硬くなりにくく、比較的長期にわたってソフトな食感を
維持できるという従来製品にみられない特徴を有する。
更には、脱酸素剤あるいは不活性ガスを用いることによ
り保存性に優れた製品を工業的手法により提供できる等
の特徴を有する。しかも、加熱工程において製品から水
分の散逸がないので歩留りが高く、加熱前の原料に対し
約106%程度の歩留りで製品を得ることができる。ま
た、魚肉チーズサンドイッチをベルトコンベアー上に載
置して蒸気加熱するので、ロースター板間に魚肉チーズ
サンドイッチを挟み加熱した場合に比べて多数の該サン
ドイッチをコンベアー上に載置することができ、生産能
率を約1.5倍程度向上することができる。
なように、本発明の製造法により得られた嗜好食品は、
魚肉シートとチーズとが有する本来の旨味を損なうこと
がなく、夫々の味の調和した風味を保持した製品とする
ことができると共に、魚肉シートとチーズとの各食感を
同時に味わうことのできる特徴を有する。また、製品の
水分含有率を41〜44%の範囲に維持することができ
ることにより、従来のこの種嗜好食品に比較してよりソ
フトな食感を有し食べ易い製品にすることを可能にする
と共に、包装製品を開封しそのまま空気中に放置しても
硬くなりにくく、比較的長期にわたってソフトな食感を
維持できるという従来製品にみられない特徴を有する。
更には、脱酸素剤あるいは不活性ガスを用いることによ
り保存性に優れた製品を工業的手法により提供できる等
の特徴を有する。しかも、加熱工程において製品から水
分の散逸がないので歩留りが高く、加熱前の原料に対し
約106%程度の歩留りで製品を得ることができる。ま
た、魚肉チーズサンドイッチをベルトコンベアー上に載
置して蒸気加熱するので、ロースター板間に魚肉チーズ
サンドイッチを挟み加熱した場合に比べて多数の該サン
ドイッチをコンベアー上に載置することができ、生産能
率を約1.5倍程度向上することができる。
【図1】本発明の魚肉チーズサンドをネットコンベアー
により生蒸気加熱処理する工程の概要図である。
により生蒸気加熱処理する工程の概要図である。
1 魚肉シート 2 チーズ 3 蒸気加熱機 4,4’ 加熱源 5,5’ ネットコンベアー 6,6’ ローラ
Claims (3)
- 【請求項1】 魚肉擂潰物をシート状に形成し、加熱乾
燥させた魚肉シートの間にチーズを挿入してサンドイッ
チ状に挟み、これをネットコンベアー上に載置し、蒸気
で加熱しながら所々にローラを上下に設けて該魚肉チー
ズサンドイッチを押圧しながら搬送してチーズと魚肉シ
ートとを密着させ、冷却を行なって該魚肉チーズサンド
イッチの水分含有率を約41〜44%とし、適宜の形状
に裁断することを特徴とする魚肉チーズ嗜好食品の製造
法。 - 【請求項2】 蒸気加熱を生蒸気で行なう請求項1記載
の魚肉チーズ嗜好食品の製造法。 - 【請求項3】 請求項1によって得られた魚肉チーズ嗜
好食品を脱酵素剤または不溶性ガスとともに包装するこ
とを特徴とする包装魚肉チーズ嗜好食品の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4100706A JP2510451B2 (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | 魚肉チ―ズ嗜好食品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4100706A JP2510451B2 (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | 魚肉チ―ズ嗜好食品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05268914A JPH05268914A (ja) | 1993-10-19 |
JP2510451B2 true JP2510451B2 (ja) | 1996-06-26 |
Family
ID=14281138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4100706A Expired - Lifetime JP2510451B2 (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | 魚肉チ―ズ嗜好食品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2510451B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ITPI20060061A1 (it) * | 2006-06-01 | 2007-12-02 | Marco Bianchi | Distributore per prodotto alimentare caldo |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6152264A (ja) * | 1984-08-21 | 1986-03-14 | Yamanaka Shokuhin Kogyo Kk | チ−ズを挾んだサンドイツチ状食品の製造方法 |
JPH03180157A (ja) * | 1989-12-09 | 1991-08-06 | Ougiya Shokuhin Kk | 珍味嗜好食品の製造方法 |
-
1992
- 1992-03-26 JP JP4100706A patent/JP2510451B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05268914A (ja) | 1993-10-19 |
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