JP2509609Y2 - 音響負帰還装置 - Google Patents

音響負帰還装置

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JP2509609Y2
JP2509609Y2 JP1984121942U JP12194284U JP2509609Y2 JP 2509609 Y2 JP2509609 Y2 JP 2509609Y2 JP 1984121942 U JP1984121942 U JP 1984121942U JP 12194284 U JP12194284 U JP 12194284U JP 2509609 Y2 JP2509609 Y2 JP 2509609Y2
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章夫 溝口
久典 熱田
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アイワ株式会社
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【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は音響負帰還装置に係り、さらに詳しくは、安
定な負帰還動作を可能とする音響負帰還装置に関する。
[従来技術とその問題点] 従来よりスピーカシステムの低域特性を改善するため
に(低域再生限界の拡大、低域周波数帯での歪み低減)
モーショナル・フイードバック(以下MFBと称す)を施
したスピーカシステムが知られている。
このMFBシステムとは、コイル,圧電素子静電的検出
方法あるいは光学的検出方法によりスピーカの振動特性
(振動板の振動変位,振動速度,振動加速度)を検出し
てスピーカを駆動する増幅器に負帰還することにより、
スピーカを含む再生系の低域再生特性を改善するもので
ある。
ところが、上述した従来のMFBシステムでは上述した
コイル、圧電素子等の振動検出手段をスピーカ内に別設
しなければならず、しかも振動検出手段を設けるためボ
イスコイルボビンや振動板等に加工を加える必要があ
り、構成が非常に複雑となるばかりか、スピーカの基本
構造に手を加えるため本来のスピーカの性能が変化する
可能性があり、その場合、MFBを施すことを想定して新
たにスピーカを設計し直さなければならず、開発,製造
コストの大幅な上昇を招く危険性があった。
又、MFBではスピーカより空間に放出された出力音響
信号に付加される歪みに対しては何等効果が得られな
い。
そこで近年、このMFBシステムの応用として、音響負
帰還システム(アコースティック・フィードバックシス
テム)が注目されている。
この音響負帰還システムとは第5図に示すように、ス
ピーカSPより再生された出力音響信号をマイクロホンM
でピックアップし、負帰還用増幅器11を介してスピーカ
SPを駆動する電力増幅器12の入力にフィードバックす
る。
すなわち、空間に放出された出力音響信号を検出して
負帰還を施すため出力音響信号に付加される歪みをも低
減することができ、スピーカSPの振動系の構造に手を加
える必要がないため、すでに存在するスピーカをそのま
ま用いることができ、検出手段であるマイクロホンその
ものもコイルや圧電素子等と比較して高忠実度の音響素
子としてよりすぐれたリニアリティを有しており、上述
した従来のMFBシステムの持つ問題点を解決すると同時
にMFBでは得られない低歪みを実現するものである。
しかしながら、音響負帰還システムにも安定な負帰還
作用を阻害する要因が含まれている。
すなわち、スピーカからの音響信号がマイクロホンな
どの音響変換器に到達するまでの間にどうしても位相遅
れが生じる。このため、音響変換器から帰還増幅器に帰
還される電気信号の低周波数領域において、正帰還とな
る周波数領域が存在し、この周波数領域で発振してしま
うという問題があった。特に、スピーカの最低共振周波
数付近で正帰還となりやすくなるものであり、発振する
危険性があった。
[考案の目的] 本考案は上述した従来の音響負帰還システムの持つ欠
点を解消するものであり、安定な負帰還動作を可能とす
る音響負帰還システムを提供するものである。
[考案の概要] 本考案は音響負帰還システムにおいて、スピーカの最
低共振周波数付近で最大の帰還ループ利得を有し、それ
以外の周波数帯域で帰還ループ利得が減衰する負帰還ル
ープを形成し、負帰還による出力音響信号レベルの低下
を補正するレベル補正回路を設け、且つ帰還量がゼロと
なる周波数付近で帰還ループ利得の位相回転(スピーカ
入力信号に対するマイクロホン出力信号の位相回転)よ
って発生する周波数特性上のピーク又は正帰還を補正す
べく位相補正回路を付加した音響負帰還装置にある。
[実施例] 以下本考案を図示の実施例に基づいて説明する。
なお、本実施例では低音用スピーカ(以下ウーファと
称す)に音響負帰還システムを適用した場合について説
明する。
第1図は本考案の一実施例を示す音響負帰還システム
のブロック図であり、1はウーファを示し、第2図
(イ)に示すような出力音圧周波数特性Aおよび電気イ
ンピーダンス特性Bを有する。なお、第2図(イ)の特
性はウーファ1をスピーカボックスに取付けた時のもの
であり、以下特にことわらない限りこの特性をウーファ
1の出力音圧周波数特性,インピーダンス特性と言う。
2はウーファ1からの再生音響信号をピックアップす
る音響電気変換器で、本実施例ではマイクロホンを用い
る。この場合、マイクロホン2の配置については極力、
位相回転の発生を防止するため、ウーファ1の軸上でで
きるだけ振動板に近接して配置する。
3はウーファ1を駆動する電力増幅器、4は周波数選
択性を有する電圧増幅器であり、その具体例として第3
図(イ)に示すような回路を用いる。第3図(イ)にお
いて、Am1は増幅器であり、抵抗R1,R2,R3、コンデンサC
1による時定数回路を入(反転入力)−出力間に付加し
て第2図(ロ)に示すような周波数選択性を得る。5は
負帰還用増幅器であり、その具体例を第3図(ロ)に示
す。
位相補正回路N1および抵抗R4、時定数回路CRで構成さ
れた位相補正回路の作用を除外した基本的な負帰還動作
は、第2図(ハ)の点線Cで示す如くその伝送特性が約
60Hz付近よりほぼ6dB/octの傾斜を持って減衰してい
る。これは第2図(イ)に示すウーファ1の特性に対応
して最低共振周波数f0付近の帯域(60Hz〜400Hz)にお
いて、マイクロホン2より得られる出力信号に対して逆
相となるように、すなわち、電力増幅器3、ウーファ
1、マイクロホン2、負帰還用増幅器5で形成される帰
還ループが正帰還とならない位相関係をもって電力増幅
器3の入力側に帰還を施す。
これ以外の周波数帯域(60Hz未満、500Hz以上)で
は、帰還量が次第に減少するようになっている。すなわ
ち、約60Hz〜400Hzの周波数帯域では速度型負帰還とな
る。
さらに、第3図(ロ)において、増幅器Am2の入(反
転入力)−出力間には最低共振周波数f0以下の周波数帯
域で、且つ帰還量が零となる周波数付近(60Hz)での位
相回転を補正する低域位相補正回路N1を有し、又、増幅
器Am3の反転入力−コンデンサC2間及び非反転入力−ア
ース間には上記負帰還を施す周波数帯域の上限における
負帰還量が零となる周波数付近(400Hz)での位相回転
を補正するため、抵抗R4、時定数回路CRで構成される高
域位相補正回路を付加する。
したがって、負帰還用増幅器5の総合周波数特性は第
2図(ハ)の実線Dで示すように時定数をほぼ60Hzに設
定した低域位相補正領域と時定数をほぼ400Hzに設定し
た高域位相補正領域とを有するものとなる。
なお、電圧増幅器4および負帰還用増幅器5は用いら
れるスピーカの周波数特性および位相特性に応じてその
周波数選択特性および利得を調整する必要があり、第2
図(ロ)、(ハ)に示す特性はあくまでも本実施例で用
いたウーファ1の特性に合わせて決定されたものであ
る。
構成は以上のようであり、次にその動作について第4
図に示す周波数特性図を用いて説明する。
第4図において、点線aで示される出力音圧周波数特
性は音響負帰還を施さないウーファ1の特性であり(第
2図(イ)と同様である)、今、電圧増幅器4を通常の
フラットな周波数特性を有するものとし、且つ、負帰還
用増幅器5より位相補正機能を除いて音響負帰還を施し
た場合には、第4図一点鎖線bで示す出力音圧周波数特
性が得られる。
すなわち、第2図(ハ)の点線Dで示す負帰還用増幅
器5の伝送特性により60Hz〜400Hzの周波数帯域におい
て速度型負帰還が施される。
したがって、第4図に示す如く、点線aと一点鎖線b
とで囲まれた傾線部分が帰還量を表わし、この傾線部の
形状から明らかな如く帰還ループ利得はウーファ1の最
低共振周波数付近で最大となり、それ以外の周波数帯域
で減衰する特性となる。
この状態においては、中高域周波数における出力音圧
レベルに対して負帰還を施した400Hz以下の帯域で出力
音圧レベルが低下する。
そこで、本考案では電圧増幅器4に周波数選択性を持
たせて(第4図C)、音響負帰還による出力音圧レベル
の低下をあらかじめ補正することにより、第4図の実線
dで示すようにフラットな周波数特性となり、ウーファ
1の低域再生周波数範囲が大幅に拡大し、歪みも改善さ
れる。
以上の説明は、音響負帰還を施した周波数帯域につい
て述べたものであるが、その以外の帯域、特に被負帰還
周波数帯域の上限および下限付近の周波数帯域、すなわ
ち帰還量が零となる周波数付近においてはウーファ1の
位相回転に注意する必要がある。被負帰還周波数帯域の
下限付近の帯域はウーファ1の最低共振周波数より低い
周波数帯域であり、第2図(イ)のAに示されるウーフ
ァ1の周波数特性からも明らかなように−12dB/oct以上
の傾斜で出力音圧レベルが低下しているために位相回転
を起こしている。
又、上限付近ではウーファ1に用いられているディバ
イディング・ネットワークの群遅延特性、ウーファ1の
振動板とマイクロホン2との間隔などによって位相回転
を発生する。これらの位相回転によって負帰還量が零と
なる周波数付近では第4図一点鎖線bのb1,b2に示すよ
うに周波数特性上にピークを生じ、帰還量が大きければ
正帰還となって発振する危険性がある。そこで本考案で
は低域位相補正回路N1,抵抗R4、時定数回路CRで構成さ
れる高域位相補正回路を負帰還用増幅器5内に付加する
ことにより、総合の周波数特性を第2図(ハ)の実線d
に示すようにする。
ところで、一般にスピーカの電磁制動抵抗は最低共振
周波数付近での過渡振動を制動する重要な働きがあり、
この値が大きいほど制動効果が大きい。
この電磁制動抵抗の大きいスピーカでは、その電気イ
ンピーダンス特性に見られるように最低共振周波数付近
で動インピーダンスが大きくあらわれる。その結果、出
力音圧周波数特性において、最低共振周波数でのQ値が
大きくなる。そこで、本考案のように速度型負帰還形式
の音響負帰還システムを用いることにより電磁制動抵抗
の小さいスピーカでも大きな制動抵抗を生じたのと等価
な動作を行ない、十分な制動効果を得ることができる。
上述した音響負帰還システムはウーファだけでなく、
中音用スピーカ(スコーカ)高音用スピーカ(ツイー
タ)にも応用することができる。
ただし、マルチ・ウェイスピーカシステムの場合には
上述実施例における電圧増幅器4の出力音圧レベル低下
補正機能をチャンネル増幅器あるいはディバイディング
ネットワークにてそれぞれ行う。
[考案の効果] 本考案によれば、スピーカを含む再生系の低域再生周
波数特性を改善することができ、低域再生周波数範囲が
拡大し、その周波数範囲での歪み低減が計られ、且つ最
低共振周波数付近での過渡振動の制動効果が顕著とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す音響負帰還システムの
ブロック図、第2図は第1図に示す音響負帰還システム
を構成する各ブロックの周波数特性図、第3図は第1図
のブロック図に示す電圧増幅器4および負帰還用増幅器
5の具体例を示す回路図、第4図は第1図に示すシステ
ムの動作を説明するための周波数特性図、第5図は従来
の音響負帰還システムを示すブロック図である。 符号の説明 1……ウーファ、2……音響電気変換器 3……電力増幅器、4……電圧増幅器 5……負帰還用増幅器

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】音響信号を電圧増幅器及び電力増幅器に供
    給し、その出力でスピーカを駆動するとともに、スピー
    カ振動板に対向する音響電気変換器でスピーカから出力
    される再生信号を負帰還回路を介してスピーカ駆動用の
    前記電力増幅器に負帰還信号として供給する負帰還ルー
    プを備えたアコースティック・フィードバック方式によ
    る音響負帰還装置において、上記負帰還回路に最低共振
    周波数以下の周波数帯域で、かつ帰還量が零となる周波
    数付近での位相回転を補正するための低域位相補正回路
    と、負帰還を施す周波数帯域の上限における帰還量が零
    となる周波数付近での位相回転を補正するための高域位
    相補正回路を設けるとともに、上記電圧増幅器には上記
    負帰還ループの負帰還によるスピーカの出力音圧レベル
    の低下を予め補正するように周波数選択性をもたせるよ
    うにしたことを特徴とする音響負帰還装置。
JP1984121942U 1984-08-10 1984-08-10 音響負帰還装置 Expired - Lifetime JP2509609Y2 (ja)

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JPS5990494A (ja) * 1982-11-15 1984-05-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd オ−デイオ装置

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