JP2509561B2 - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

Info

Publication number
JP2509561B2
JP2509561B2 JP61047338A JP4733886A JP2509561B2 JP 2509561 B2 JP2509561 B2 JP 2509561B2 JP 61047338 A JP61047338 A JP 61047338A JP 4733886 A JP4733886 A JP 4733886A JP 2509561 B2 JP2509561 B2 JP 2509561B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
substrate
layer
tetrafluoroethylene
sputtering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61047338A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62205553A (ja
Inventor
勝太郎 市原
修朗 安田
昭男 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Shibaura Electric Co Ltd filed Critical Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Priority to JP61047338A priority Critical patent/JP2509561B2/ja
Priority to US06/903,487 priority patent/US4782477A/en
Priority to DE8686306993T priority patent/DE3675732D1/de
Priority to EP86306993A priority patent/EP0218380B1/en
Publication of JPS62205553A publication Critical patent/JPS62205553A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2509561B2 publication Critical patent/JP2509561B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明はレーザビーム等の光ビームの照射により情報
の記録および再生を行なう光ディスクに係り、特に透光
性樹脂基板上に透明無機誘電体からなる保護干渉層とそ
の上に形成された記録層とを有する光ディスクの信頼性
向上技術に関する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
半導体レーザ等からの光ビームが照射されることによ
って情報の記録・再生を行なう光学式情報記録媒体、い
わゆる光ディスクは、 (1)1ビット当たりの記録エリアが光ビームのスポッ
ト径(〜1μmφ)と同程度であるため、記録密度が極
めて高く大容量化が可能、 (2)情報の記録・再生を非接触で行なうので、媒体の
摩耗がない。
(3)数百msec以下の高速アクセスが可能である。
といった利点から、次世代の周辺メモリとして大いに期
待されている。
このような光ディスクは基本的にディスク状の基板
と、光ビームの照射によって何らかの光学的変化を生じ
る記録層とから構成される。ここで、記録層の光学的変
化としては、 (a)光ビーム照射部が変形(ビットあるいはバブルの
形成)を起こし、その変形部の光反射率が変化する。
(b)光ビーム照射部が相変化を起こし、その相変化部
の光反射率が変化する。
(c)光ビーム照射部の磁化が反転し、その磁化反転部
の偏光状態が変化する。
といった現象が挙げられる。
これらの光学的変化のいずれを利用した光ディスクに
おいても、記録・再生用の光ビームは基板を介して記録
層上に照射する方式が実用的である。これは記録層の露
出面側にはゴミやほこりが付着するので、露出面側から
光ビームを照射すると書込み、読取りエラーが増大する
のに対して、記録層の基板面側にはディスク製造者が十
分注意を払えばゴミの付着を防止できるということと、
基板の記録層と反対側の面上では光ビームはデフォーカ
スであるため、この面上に付着したゴミ等はエラーの原
因とはなり難いということの2つの理由によっている。
このように基板を介して光ビームを照射する方式の場
合、光ディスクの基板には当然、透光性(透明)である
ことが要求され、さらにノイズレベルを低くする上でな
るべく複屈折率の小さい材料であることが要求される。
また、ディスク面上の所定位置に光学ヘッドを迅速に移
動させて高速アクセスを実現する上で、光学ヘッドをガ
イドするためのグループ(案内溝)が必要であるが、こ
の案内溝は記録層に設けるよりは、予め基板面上に設け
た方が記録層の形成技術の立場から、はるかに有利であ
る。
これら3つの基本的要求(透光性、低複屈折率,案内
溝の成型性)を同時に満足する基板材料は、ポリメチル
メタクリレート,ポリカーボネート,エポキシ等を代表
とする透光性樹脂材料である。
一方、記録層材料は、スピロピラン色素を代表とする
有き系、Te−Cを代表とする半有キ系、TeOxを代表とす
る金属−金属化合物混合系、In−Sbを代表とする半導体
系、希土類−遷移金属非晶質フェリ磁性合金(以下RE−
TMと略記する)を代表とする金属系と多岐に亘り、実用
化もしくは研究・開発されているが、光メモリーとして
実用化する際記録層単層で充分なメモリー寿命を有する
材料は極めて少なく、その様な場合には保護膜が用いら
れる。保護膜はガラス基板を用いる場合には、記録層の
空気に接する面だけに設ければ充分だが、実用的な樹脂
基板を用いる場合、基板を外気が透過するので、基板と
記録層との間でも設ける必要がありその様な場合には、
保護膜は透明かつ緻密でなければならず通常はSiO2,Si
O,AlN,Si3N4,ZnS等の無キ誘電体のスパッタ膜等が用い
られている。しかしながら、樹脂基板と、無き誘電体か
らなる保護層との密着性は殆んどの場合極めて悪く、加
速劣化環境試験等の温湿度履歴により基板から保護層が
剥離してしまうという問題点があった。例えば現在、RE
−TM膜は消去可能型光ディスクの最も実用に近い記録材
料として各所で開発されているが、上記した剥離の問題
が、その実用化を妨げる1つの要因となっている。
〔発明の目的〕
本発明は前記した技術的背景とその問題点に鑑みてな
されたものであり、透明樹脂基板と無キ誘電体よりなる
透明保護層との間に、フッ素樹脂を含有する密着層を設
ける事により、耐剥離性を改善し、光ディスクの信頼性
を向上する事をその目的としている。
〔発明の概要〕
本発明の光ディスクは、透明樹脂基板と、この透明樹
脂基板上に形成されたフッ素樹脂及び無機誘電体を含有
する透光性膜と、この透光性膜上に形成された透明無機
誘電気体層と、この透明無機誘電体層上に形成された希
土類−遷移金属非晶質フェリ磁性合金薄膜からなる記録
層とを具備することを特徴とするものである。なお本発
明において、又、透明密着層はフッ素樹脂(C−Fのボ
ンドを有するもの)と無機誘電耐とを一様な混合比で混
合したもの、あるいは密着層の膜厚方向に、フッ素樹脂
と無機誘電体との混合比を変えたものでも良く、その形
成は、テトラフルオロエチレンターゲットと無機誘電体
ターゲットとを同時スパッタする、フレオン系のガスの
プラズマ重合と無機誘電体ターゲットのスパッタとを同
時進行する等の手法で実現できる。
〔発明の効果〕
本発明の光ディスクによれば、フッ素樹脂系の密着層
によって、ポリメチルメタクリレート,ポリカーボネイ
ト,エポキシ等の光ディスクとして実用的な樹脂基板
と、記録層を保護する透明無機誘電体との密着性が著し
く向上するので、特に酸化に敏感で耐食性に劣る記録材
料(RE−TM膜)を用いる光ディスクの信頼性を大幅に向
上する事ができる。又、フッ素樹脂系密着層の光透過率
が高いので、光ディスクとしての光学的特性(例えばRE
−TM膜の場合には基板側からの反射率とカー回転角)を
いささかも失なう事はない。さらにフッ素樹脂系密着層
はドライ・プロセスで形成が可能であるので、スピンコ
ート法等に比べ、基板に設けられているトラッキング・
グループの形状を損なう事が少なく、かつ界面でのミキ
シング効果に基づく基板と記録層との間の密着性のさら
なる向上を期待できる。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。第1図は本発明の
一実施例に係る光ディスクの断面図であり、透光性樹脂
基板1上にフッソ樹脂を含む透光性を有する密着層2及
び第1の保護層3を介して記録層4が形成され、記録層
4上にさらに第2の保護層5および光反射層6が順次形
成されている。
透光性樹脂基板1としては例えばポリカーボネート基
板が使用され、その表面は案内溝が形成されているもの
とする。密着層2はフッ素樹脂として例えばテトラフル
オロエチレンを含有したものである。記録層4は例えば
TbCo膜のようなRE−TM膜からなる。保護層3及び5は例
えばSi3N4膜が使用され、また光反射層5はAl膜が使用
される。
第2図はこの光ディスクの製造に使用されるスパッタ
リング装置の構成例であり、11はスパッタ室、12は第1
図の透光性樹脂基板1を保持する基板ホルダ、13は基板
ホルダ12の回転治具、14はRF電源、15はマグネトロンス
パッタ用のスパッタ源、16はスパッタ用電源、17はシャ
ッタ、18はシールド部材、19はスパッタガス供給系、20
は排気系、21は基板設置用治具である。
以下、本発明に係る光ディスクの製造工程の具体的な
実施例を述べる。
〈実験例1〉 第2図のスパッタリング装置を用いて、第1図の構造
の光ディスクを次の手順で作製した。透光性樹脂基板1
としてφ120mm,1.2mmtの案内溝付きポリカーボネイト基
板を用意した。これはフォトポリマーをArイオンレーザ
により露光、現像して得た原盤からスタンバを製作し、
このスタンバを用いてポリカーボネイト樹脂を射出成型
することにより得られたものである。この基板を中性洗
剤溶液中にて5分間超音波洗浄に供し、純粋にて水洗
後、N2ブロー乾燥、デシケータ乾燥を行なってから、ス
パッタ室11内に入れ、基板ホルダ12にねじ止めした。治
具21を加工してスパッタ室11を密閉状態にし、排気系20
を動作させてスパッタ室11内の圧力を5×10-5Torrまで
排気し、ガス供給系19より99.999%純度のArガスを供給
し、スパッタ室11内のガス圧力を5×10-5Torrに維持し
た。次に、治具13によって基板ホルダ12を60rpmで回転
させ、シャッタ17の一つを閉じた状態でその下部にある
スパッタ源15(5インチφのテトラフルオロエチレン・
ターゲットを収納してある)に電源16より150WのRFパワ
ーを印加した。5分間のプレ・スパッタ(シャッタ17を
閉じた状態でのスパッタ)を行ない、ターゲット面を清
浄化した後に、上述のごとくシャッタ17を開き、約20分
間のスパッタ成膜を行なって電源16をオフ状態とし、ス
パッタ室11内を大気に戻した後、治具21を上昇させて、
テトラフルオロエチレンからなる密着層2が形成された
基板1を取出した。同時に基板ホルダ12に設置したガラ
ス,ポリメチルメタクリレート,ポリカーボネイト,エ
ポキシの各小片(約15mm×25mm)を利用して上記方法で
形成した密着層2の膜質を評価した結果、膜厚は1000
Å,光透過率は93%(波長830nm,ポリメチルメタクリレ
ート基板)、耐薬品性は30分間のアセトン中超音波洗浄
で変質が皆無である程度に良好であり、基板との密着性
は粘着テープによるピールオフテストでポリメチルメタ
クリレート,ポリカーボネート,エポキシ並びにガラス
のいずれも基板から剥離しない程度に強固で、さらに65
℃−90%R,H.の高温高湿雰囲気下24Hrs.←→常温雰囲気
下1Hr.のサイクル加速劣化試験を4サイクル継続した後
にも、上記した4種類の基板のいずれからも剥離するこ
とはなく、またテトラフルオロエチレン膜自体の変質
(光透過率の変化)も皆無であった。
次に、第2図における4つのスパッタ源15に各々Si,T
b,Co,Alのターゲットを設置して、Si3N4膜からなる第1
の保護層3TbCo膜からなる記録層4、Si3N4膜からなる第
2の保護層5およびAl膜からなる光反射層6の形成を、
密着層2の形成されているポリカーボネイト基板と、比
較の為の密着層2の形成されていないポリカーボネイト
基板に対し試みた。すなわち、まず基板を基板ホルダ12
にねじ止めし、治具21を下降させてスパッタ室11中を排
気系20により5×10-6Torrまで排気した後、2%分圧N2
のN2−Ar混合ガスを導入し、スパッタ室11中のガス圧力
を5×10-3Torrに維持して、Siターゲットのスパッタ源
15に電源16より300WのRFパワーを投入し、プレ・スパッ
タ(シャッターを閉じた状態で行なうターゲット・クリ
ーニング)を5分間行なつた後、シャッターを開いて反
応性スパッタリングによるSi3N4膜の形成を20分間行な
い、密着層2及び基板1の上に約1000Å厚のSi3N4
(第1保護層3)を形成した。
次に再びスパッタ室11中を排気系20により5×10-8To
rrまで排気して、ガス供給系19より99.999%純度のArガ
スを導入し、スパッタ室11のガス圧力を5×10-8Torrに
維持した後、RF電源14をオンにしてSi3N4膜表面を300W
のパワーで5分間スパッタエッチング処理に供して清浄
した。
次に、Tbターゲット,Coターゲットのスパッタ源15に
対応するシャッタ17を閉じた状態で、両ターゲットのス
パッタ源15に電源16よりDC電力を供給してTbターゲット
に0.5A,Coターゲットに1.5Aの放電電流を通じ5分間の
ブレスパッタを行なって各ターゲット表面を洗浄した
後、基板ホルダ12を治具13によって60rpmで回転させ、T
bターゲット,Coターゲットのスパッタ源15に対応するシ
ャッタ17を同時に開いて35秒間にわたりTbCo膜の形成を
行ない、約250Å厚のTbCo膜からなる記録層4を形成
し、電源16をオフにした。
次に、ガスを3%分圧N2のN2−Ar混合ガスに換え、Si
ターゲットのスパッタ源15に電源16より300WのRFパワー
を投入し、ブレスパッタを5分間行なった後、スパッタ
成膜を5分間行ない、記録層4の上に約250Å厚のSi3N4
膜からなる第2保護層5を形成した。
次に、ガスを純Arガスに換え、Alターゲットのスパッ
タ源15に電源16より300WのRFパワーを投入し、プレスパ
ッタ5分間の後、スパッタ成膜を10分間行ない、Si3N4
膜からなる第2の保護層5上にAl膜からなる光反射層6
を約1000Åの厚さ形成し、電源16をオフにするとともに
基板1の回転を停止し、スパッタ室11を大気に戻して治
具21によって基板1を上昇させて、第1図に示した光デ
ィスクを取出した。
一方、同時に基板ホルダ12に設置した1000Å厚のテト
ラフルオロエチレン膜からなる密着層を有するガラス,
ポリメチルメタクリレート,ポリカーボネイト,エポキ
シの各小片、および比較の為に設置した密着層を持たな
い同様の小片を用いて成膜直後の性能を評価した結果、
基板面側からHe−Neレーザからのレーザビームを照射し
て測定した光反射率Rおよびカー回転角θkは、ポリメ
チルメタクリレート基板上にテトラフルオロエチレン密
着層を有するサンプルがR=20%,θk=0.45deg、また
密着層のないサンプルがR=25%,θk=0.45degとな
り、本発明に基づくテトラフルオロエチレン密着層を有
する構造においても、実用上十分な再生性能指数(R×
θk積)が得られることが確認された。
また、粘着テープによるビールオフテストの結果は、
テトラフルオロエチレン密着層を有するサンプルでは、
ガラス,ポリメチルメタクリレート,ポリカーボネイ
ト,エポキシのいずれのものも剥離は起こらなかったの
に対し、密着層のないサンプルではガラス基板のもの以
外は全て剥離した。また、これらの小片と前記したφ12
0mmの案内溝付きポリカーボネイト基板を用いた光ディ
スクとを65℃−90%R.H.24Hrs.←→常温1Hr.→65℃−90
%R.H.48Hrs.の加速劣化試験に供し、剥離の有無を調べ
た。第3図はこの加速劣化試験後の本発明に基づく光デ
ィスクの表面状態を示す金属組織の顕微鏡写真であり、
(a)は倍率10倍、(b)は倍率1000倍の場合である。
案内溝(縞状の部分)のある面と無い面を通して剥離は
全く認められないことが明らかである。これに対し、密
着層をもたない従来の光ディスクでは加速劣化によって
膜が基板から剥離する現象が認められた。
〈実験例2〉 実験例1ではテトラフルオロエチレン密着層をスパッ
タリング法により形成したが、テトラフルオロエチタン
密着層はフレオンガスをプラズマ重合する方法によって
も得られる。第3図はテトラフルオロエチレン密着層の
形成に実施するプラズマ重合装置の構成例を示す図であ
る。第3図において、41は重合室、42は基板ホルダであ
り、樹脂基板1例えばポリメチルメタクリレート基板
(φ120,案内溝付き)を保持する。42はコイル,44はRF
電源、45はガス供給系、46は排気系である。
このプラズマ重合装置を用いて、以下の工程によりテ
トラフルオロエチレン密着層を形成した。先ず重合室41
を排気系46によって5×10-6Torrまで排気した後、ガス
供給系45よりCF4ガスを10sccem.Arガスを10sccm同時に
供給して、RF電源44をオンにし、コイル43に200WのRFパ
ワーを供給し、重合室41内にCF4−Ar混合ガスプラズマ
を励起して、基板1上へのプラズマ重合成膜を30分間行
なって取出した。このプラズマ重合テトラフルオロエチ
レン膜の膜質は、耐薬品性は若干スパッタテトラフルオ
ロエチレン膜に劣ったが、他はスパッタテトラフルオロ
エチレン膜と同様に良好であった。また、このプラズマ
重合テトラフルオロエチレン膜上に、第2図に示したス
パッタチング装置によってSi3N4膜からなる第1保護層T
bCo膜からなる記録層、Si3N4膜からなる第2保護層およ
びAl膜からなる光反射層を順次形成し、実験例1と同様
に加速劣化試験に供したところ、膜の剥離は起こらず、
また案内溝形状の劣化も認められなかった。
〈実験例3〉 実験例1および実験例2では、密着層をフッソ樹脂
(テトラフルオロエチレン)のみで形成した場合につい
て説明したが、本発明における密着層はフッソ樹脂の他
に透光性を有する無機材料を含有してもよい。その実験
例を以下に示す。
透光性樹脂基板1として実施例1と同様の案内溝付き
ポリカーボネイト基板を用意し、中性洗剤溶液中にて5
分間超音波洗浄に供し、純水にて水洗後、N2ブロー乾
燥、デジケータ乾燥を行なってから、スパッタ室11内に
入れ、基板ホルダ12にねじ止めした。治具21を加工して
スパッタ室11を密閉状態にし、排気系20を動作させてス
パッタ室11内の圧力を5×10-6Torrまで排気した後、ガ
ス供給系19より3%分圧N2・N2−Arガスを供給して、ス
パッタ室11内のガス圧力を5×10-3Torrに維持した。
次に、治具13によって基板ホルダ12を60rpmで回転さ
せ、シャッタ17の2つを閉じた状態でそれらの下部にあ
るスパッタ源15(5インチφのテトラフルオロエチレン
・ターゲットおよびSiターゲットをそれぞれを収納して
ある)に電源16より各々150W,120WのRFパワーを印加し
た。5分間のプレ・スパッタ(シャッタ17を閉じた状態
でのスパッタ)を行ない、ターゲット面を清浄化した後
に、上記2つのシャッタ17を開き、約10分間のスパッタ
成膜を行なって電源16をオフ状態とし、スパッタ室11内
を大気に戻した後、治具21を上昇させて、テトラフルオ
ロエチレン75vol.%−Si3N425vol.%からなる密着層2
が形成された基板1を取出した。同時に基板ホルダ12に
設置したガラス、ポリメチルメタクリレート,ポリカー
ドネイト,エポキシの各小片(約15mm×25mm)を利用し
て上記方法で形成した密着層2の膜質を評価した結果、
膜厚は1000Å、光透過率は91%(波長830nm,ポリメチル
メタクリレート基板)、耐薬品性は30分間のアセトン中
超音波洗浄で変質が皆無である程度に良好であり、基板
との密着性は粘着テープによるピールオフテストでポリ
メチルメタクリレート,ポリカーボネイト,エポキシ並
びにガラスのいずれも基板から剥離しない程度に強固
で、さらに65℃−90%R.H.の高温高湿雰囲気下24Hrs.←
→常温雰細気1Hrのサイクル加速劣化試験を4サイクル
継続した後にも、上記した4種類の基板のいずれからも
剥離することはなく、またテトラフルオロエチレン膜自
体の変質(光透過率の変化)も皆無であった。
次に、これらの密着層2の上に実験例1と同様にSi3N
4膜からなる第1保護層、TbCo膜からなる記録層、Si3N4
膜からなる第2保護層、Al膜からなる光反射層を順次積
層した光ディスクを製造し、実験例1で説明したテトラ
フルオロエチレン単体からなる密着層を形成した光ディ
スクと共に、65℃−90%R.H.の高温高湿雰囲気下24Hrs.
←→常温雰囲気下1Hr.4サイクルのサイクル加速劣化試
験に供し、剥離の有無を調べた。この結果、テトラフル
オロエチレンとSi3N4との混合物からなる密着層を有す
る光ディスクでは、ディスク全面にわたり剥離は見られ
なかった。これに対し、テトラフルオロエチレン単体か
らなる密着層を有する光ディスクでは、膜の一部に剥離
が発生していた。
このように本発明においては、密着層がフッソ樹脂と
無機材料との混合物からなる場合、フッ素樹脂単体の場
合とほぼ同様の効果が得られ、特にその上に透明無機誘
電体層及び記録層が積層されたときの信頼性の向上が顕
著となる。
〈実験例4〉 実験例3ではテトラフルオロエチレンとSi3N4との混
合物からなる密着層におけるテトラフルオロエチレンの
混合比が75vol.%一様の場合を説明したが、発明者等は
より厳しい環境下でより長時間の加速劣化試験を繰返し
たところ、このような混合物からなる密着層では、密着
層の厚さ方向にフッソ樹脂の混合比の変化を持たせた方
が、より信頼性が向上することを見出した。この場合、
フッソ樹脂の混合比×の変化のさせ方は、密着層と基板
および記録層との熱膨脹率や吸水膨脹計数の差をできる
だけ近付ける意味で、×を厚さ方向において平均化した
値に対して、基板に近い側ではx>,記録層に近い
側ではx<となるようにするのが適当である。
第4図はフッソ樹脂混合比を密着層の厚さ方向に変化
させて形成する場合の態様を示すもので、(a)は混合
比をステップ状に変化させる方式、 (b)はグラデュアルに変化させる方式である。
これら第4図(a),(b)のような混合比の変化を
持つ密着層は、例えば第2図に示したスパッタリング装
置において、テトラフルオロエチレン・ターゲットとSi
ターゲットへの入力パワー比を時間的に変化させること
により形成できる。これらの密着層の上に実験例1と同
様に、Si3N4膜からなる第1保護層TbCo膜からなる記録
層、Si3N4からなる第2保護層Al膜からなる光反射層を
順次積層した光ディスクを製造し、実験例3で説明した
テトラフルオロエチレンの混合比が75vol.%一様の、テ
トラフルオロエチレンとSi3N4との混合物からなる密着
層を有する光ディスクと共に、80℃−90%R.H.24Hrs.←
→常温1Hr.4サイクル→80℃−90%R.H.96Hrs.という、
実験例3の場合よりも厳しい条件の加速劣化試験に供し
た。
テトラフルオロエチレン混合比が一様の密着層を有す
る光ディスクは実験例3で行なった65℃−90%R.H.下で
のサイクル加速劣化試験ではディスク全面にわたり剥離
は見られなかったが、本実験例4で行なった80℃−90%
R.H.下でのより長時間のサイクル加速劣化試験によって
は、局部的に筋状の剥離を生じることが判った。同様の
現象は、実験例1で説明したテトラフルオロエチレン単
体からなる密着層を形成した光ディスクにおいても観測
された。
これに対し、ステップ状の混合比変化を持つ密着層を
有する光ディスクでは、剥離部が案内溝のない面の極く
一部に発生するのみで、またグラデュエント状の混合比
変化を持つ密着層を有する光ディスクにあっては、全く
剥離を生じないことがわかった。従って、オフィス等の
環境下では一様な混合比の密着層でも十分な信頼性が期
待できるが、より厳しい環境下で長時間にわたり光ディ
スクを保存するような場合には、密着層の厚さ方向にフ
ッソ樹脂の混合比を変化させた密着層の方が、より高い
信頼性が得られる。
なお、第4図(a)に示したようなステップ状の混合
比変化を持つ密着層であって、テトラフルオロエチレン
100%の層を含んだ密着層を形成する場合には、テトラ
フルオロエチレン100%の層についてはCF4ガスを用いた
プラズマ重合法によっても形成が可能である。テトラフ
ルオロエチレンと無機材料との混合物の層についても、
CF4ガスのプラズマ重合と無機材料ターゲットのスパッ
タとを同時進行することによって形成可能であるが、製
造条件が難しくなるので、テトラフルオロエチレン・タ
ーゲットと無機材料ターゲットの同時スパッタの方が好
ましい。
本発明はさらに、次のような種々の実施態様をとるこ
とが可能である。例えば以上の実験例では記録層として
光磁気効果を利用するTbCo膜を例示したが、他のRE−TM
膜であってもよく、この場合も先の実験例と同様の効果
を期待することができる。
また、実験例3ではフッソ樹脂(テトラフルオロエチ
レン)と混合される透過性無機材料としてSi3N4を示し
たが、Si3N4以外の無機材料、例えばSiO2,SiO,AlN,ZnS,
CaF2,ITO等を使用しても同様の効果を得ることができ
る。実際、これらの無機材料のターゲットを使用して、
テトラフルオロエチレン・ターゲットと同時にスパッタ
を行ない、これらの混合物からなる密着層をポリメチル
メタクリレート,ポリカーボネイト,エポキシ,ガラス
の4種類の基板上に形成し、ピールオフテストに供した
ところ、混合比が厚さ方向に一様の密着層ではテトラフ
ルオロエチレン混合比が50vol.%以上のものは全ての基
板から剥離せず、グラデュエント状の混合比変化を持つ
密着層では全く剥離は認められなかった。
その他、本発明は要旨を逸脱しない範囲で種々変形し
て実施することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例に係る光学式情報記録媒体
(光ディスク)の断面図、第2図は本発明の光ディスク
の製造に使用される装置の一例としてのスパッタリング
装置の構成図、第3図は本発明の光ディスクの製造に使
用される装置の他の例としてのプラズマ重合装置の構成
図、第4図は本発明の他の実施例に係る光ディスクにお
けるテトラフルオロエチレンと透光性無機材料との混合
物からなる密着層の厚さ方向におけるテトラフルオロエ
チレン混合比の変化の例を示す図である。 1…透光性樹脂基板、2…密着層、3…第1の保護層、
4…記録層、5…第2の保護層、6…光反射層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−75946(JP,A) 特開 昭60−45952(JP,A) 特開 昭62−195742(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明樹脂基板と、この透明樹脂基板上に形
    成されたフッ素樹脂及び無機誘電体を含有する透光性膜
    と、この透光性膜上に形成された透明無機誘電体層と、
    この透明無機誘電体層上に形成された希土類−遷移金属
    非晶質フェリ磁性合金薄膜からなる記録層とを具備する
    ことを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】前記透光性膜はフッ素樹脂の混合比xが、
    xを厚さ方向について平均化した値に対し、前記透明
    樹脂基板に近い側でx>、前記記録層に近い側ではx
    <となるように厚さ方向に変化していることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の光ディスク。
JP61047338A 1985-09-30 1986-03-06 光ディスク Expired - Fee Related JP2509561B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61047338A JP2509561B2 (ja) 1986-03-06 1986-03-06 光ディスク
US06/903,487 US4782477A (en) 1985-09-30 1986-09-04 Optical recording medium with fluorine resin adhesive
DE8686306993T DE3675732D1 (de) 1985-09-30 1986-09-10 Optisches aufzeichnungsmedium mit spurrille.
EP86306993A EP0218380B1 (en) 1985-09-30 1986-09-10 Optical recording medium with pre-groove

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61047338A JP2509561B2 (ja) 1986-03-06 1986-03-06 光ディスク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62205553A JPS62205553A (ja) 1987-09-10
JP2509561B2 true JP2509561B2 (ja) 1996-06-19

Family

ID=12772404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61047338A Expired - Fee Related JP2509561B2 (ja) 1985-09-30 1986-03-06 光ディスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2509561B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01107350A (ja) * 1987-10-20 1989-04-25 Ricoh Co Ltd 光磁気記録媒体

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5990246A (ja) * 1982-11-15 1984-05-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> レ−ザ記録媒体
JPS6045952A (ja) * 1983-08-23 1985-03-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd 情報記録用ディスク
JPS61248247A (ja) * 1985-04-25 1986-11-05 Seiko Epson Corp 光記録媒体
JPS6275946A (ja) * 1985-09-30 1987-04-07 Toshiba Corp 光学式情報記録媒体
JPS62192042A (ja) * 1986-02-19 1987-08-22 Hitachi Ltd 光記録媒体
JPS62154343A (ja) * 1985-12-27 1987-07-09 Mitsubishi Chem Ind Ltd 光学的記録媒体
JPH0831219B2 (ja) * 1986-02-21 1996-03-27 キヤノン株式会社 光磁気記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62205553A (ja) 1987-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4782477A (en) Optical recording medium with fluorine resin adhesive
JPS63200331A (ja) 記録媒体及び記録再生方法
JPH0350341B2 (ja)
JP2509561B2 (ja) 光ディスク
EP0371428A2 (en) Information storage medium
JP2525822B2 (ja) 光記録媒体及びその製造方法
US4822675A (en) Stable magneto optic recording medium
US5091267A (en) Magneto-optical recording medium and process for production of the same
JPH0373438A (ja) 光記録媒体の製造方法
JPS6275946A (ja) 光学式情報記録媒体
EP0275189B1 (en) Stable magneto optic recording medium
EP0269252B1 (en) Optical recording medium and method of manufacturing the same
JPS6316439A (ja) 光学的磁気記録媒体の製造法
JP2559432B2 (ja) 光磁気デイスク
JP2703003B2 (ja) 光ディスク及びその製造方法
JP2597630B2 (ja) 光メモリ媒体
JPH02171289A (ja) 情報記録媒体
JP2000215513A (ja) 光記録媒体及び光記録装置
JPH02121889A (ja) 情報記録媒体
JPH0191337A (ja) 光記録材料
JPS63217546A (ja) 光デイスクの製造方法
JPH02121888A (ja) 情報記録媒体
JPH02147392A (ja) 情報記録媒体
JPH05159367A (ja) 光情報記録媒体
JPH02171290A (ja) 情報記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees