JP2509200Y2 - 自動二輪車等のエンジン取付構造 - Google Patents

自動二輪車等のエンジン取付構造

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JP2509200Y2
JP2509200Y2 JP1990021349U JP2134990U JP2509200Y2 JP 2509200 Y2 JP2509200 Y2 JP 2509200Y2 JP 1990021349 U JP1990021349 U JP 1990021349U JP 2134990 U JP2134990 U JP 2134990U JP 2509200 Y2 JP2509200 Y2 JP 2509200Y2
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bracket
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隆二 梶尾
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、自動二輪車等の車体フレームにエンジン
を取り付けるための構造に関するものである。
[従来の技術] この種のエンジン取付構造として、従来、第3図に示
すように、車体フレームのクロスフレーム1aに間隔を設
けて一体に固設した左右のエンジンブラケット21、22間
に、エンジン5のマウント部5aを嵌め込み、該マウント
部5aの貫通孔15およびエンジンブラケット21、22の貫通
孔21a、22aにボルト27を貫通させ、ボルト27の先端部に
螺合したナット28を締め付けてエンジン5を前記エンジ
ンブラケット21、22間に固定するものが、一般に採用さ
れている。
そのほか、前記したエンジンブラケットの一方のボル
ト貫通孔に、カラー状のスペーサを嵌挿し、このスペー
サを介して前記したものと同様にボルトで締め付けてエ
ンジンを固定するもの(実開昭62-155083号公報)並び
に、第4図に示すように、一方のエンジンブラケット31
のネジ孔32に、カラーボルト33を螺合して該カラーボル
ト33の先端面をエンジン5のマウント部5aの側壁に当接
し、ボルト37を他方のエンジンブラケット31、エンジン
5のマウント部5aおよびカラーボルト33を一連に貫通さ
せ、ボルト37の先端部にナット38を螺合して締め付けて
エンジン5を固定するもの(実開平1-170093号公報)が
提案されている。
[考案が解決しようとする課題] 上記した従来の支持構造のうち最初のものは、車体フ
レーム(クロスフレーム)1a上の左右のエンジンブラケ
ット21、22間に、エンジン5のマウント部5aを嵌め込む
ための余裕のある間隙が必要であり、また製造上の誤差
等も考慮して、一方のブラケット22とエンジン5のマウ
ント部5aとの間に数mm程度の隙間e(第3図参照)が設
けられている。このため、ボルト27の先端部のナット28
を締め付けて左右のブラケット21、22でエンジン5を挟
むように固定した状態でも、前記隙間eを無くすことが
難しく、エンジン5がガタつき易い。また前記隙間eが
あるために、ナット28を強く締め付け過ぎると、車体フ
レーム1a上のエンジンブラケット22の固着部分に曲げ応
力が集中する。前記のようなガタつきを無くすために
は、シムを前記隙間に挿入する方法があるが、組付作業
に手間がかかる。
上記公報のうち前者に記載の構造は、スペーサを介し
てエンジンが固定されているので、上記のものに比べて
エンジンのガタつきは少ないが、スペーサは一方のエン
ジンブラケットの貫通孔に摺動可能に嵌挿されているだ
けで、ブラケットには固定されていないので、エンジン
の左右方向の負荷が他方のブラケットに集中する。後者
は、前記カラーボルト33内をボルト37が貫通する構造
で、ボルト37の外径は強度上から所定の値(鋼の場合で
通常10mm)以上にする必要があるため、ボルト37の外径
に対応してカラーボルト33の外径が大きく(通常20〜24
mm)なり、更にカラーボルト33の外径に対応してこれを
螺合させるネジ孔32を設けるエンジンブラケット31も大
形になる。したがって、エンジン取付構造(エンジンブ
ラケットを含む)の占有スペーサが増え、例えばエンジ
ンの種類によってはエンジンブラケット31にエンジン5
の一部(第4図の符号5′)が干渉して、エンジン5を
取り付けられないことがある。
この考案は上述の点に鑑みなされたもので、構造が簡
単で占有スペースを縮小でき、エンジンのガタつきがな
く、エンジンの着脱作業も容易な、自動二輪車等のエン
ジン取付構造を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 上記した目的を達成するためにこの考案のエンジン取
付構造は、a)車体フレームに一体に設けられた左右の
エンジンブラケット間に、エンジンの中央部分より突出
するマウント部を緩入し、該マウント部およびエンジン
ブラケットを一連に貫通するボルトを介してエンジンを
車体フレームに固定する自動二輪車のエンジン取付構造
において、b)前記マウント部および一方のエンジンブ
ラケットに貫通孔を穿設すると共に、他方のエンジンブ
ラケットに前記エンジンブラケットの前記貫通孔より口
径の大きいネジ孔を穿設し、c)該ネジ孔および前記各
貫通孔に緩挿可能で、締付用ナットを螺合可能なネジ部
を先端部に有するボルトの基端部に、前記ネジ孔に螺合
可能でかつ前記マウント部の側壁に内端面が当接可能な
ネジ部を設け、d)前記ボルトを前記ネジ孔より前記各
貫通孔に一連に挿通し、前記ネジ孔に基端側ネジ部を螺
合してその内端面を前記マウント部の側壁に当接させた
のち、前記先端側ネジ部に前記ナットを螺合して締め付
けるように構成している。
[作用] 上記のように構成したこの考案のエンジン取付構造に
よれば、左右のエンジンブラケット間にエンジンのマウ
ント部を嵌め込んだ状態で、ボルトの先端をエンジンブ
ラケットのネジ孔から挿入して、エンジンのマウント部
の貫通孔および他方のエンジンブラケットの貫通孔に一
連に貫通させる。この状態で、ボルトを回転させて基端
側ネジ部を前記ネジ孔に螺合させ、ネジ部の内端面がエ
ンジンのマウント部の側壁に当接するまでボルトを回転
する。次に、ボルトの先端側ネジ部にナットを螺合して
締め付けることにより、エンジンが左右のエンジンブラ
ケット間に固定される。この結果、エンジンブラケット
とエンジン(のマウント部)との隙間がボルトの基端側
ネジ部によって解消されるので、ボルトの先端側のナッ
トを締め付け過ぎてもエンジンブラケットの取付部への
応力集中は起きず、エンジンの取付作業も容易になる。
また、ボルトは一方のエンジンブラケットのネジ孔に螺
合され、かつボルトの基端側ネジ部の内端面がエンジン
のマウント部の側壁に当接した状態で、先端側のナット
で締め付けられるので、エンジンがエンジンブラケット
間に堅固に固定されると共に、エンジンからの左右方向
の負荷が左右のエンジンブラケットにほぼ均等に作用す
る。さらに、前記ボルトの基端側のネジ部は、ボルトと
一体に形成されるので、別体でネジ部を形成する場合に
比べて外径を小さくでき、これに伴ってネジ孔の口径も
小さくなるので、ネジ孔を設けるエンジンブラケットも
小さくでき、占有スペースが縮小される。
[実施例] 以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図は自動二輪車の側面図を示す。同図において、
1は車体フレーム、2は前輪、3は後輪、4はスイング
アーム、5はエンジンで、エンジン5の後部側の上部と
下部がボルト6、7により、またエンジン5の前部側の
上部がボルト8により、それぞれ車体フレーム1に取り
付けられている。
第1図はこの考案の要部を示すもので、第2図のI-I
線拡大断面図である。同図に示すように、前記車体フレ
ーム1(第1図)の所定の間隔をあけて配設された左右
のフレーム1aに、一対のエンジンブラケット11、12がそ
れぞれ溶接により前方に突出して固設されている。な
お、左右のエンジンブラケット11、12の間隔は、エンジ
ン5の取付を容易にするためエンジン5の幅よりやや広
くしてある。左側のブラケット11には、ボルト7の貫通
孔13が、また右側のブラケット12には、貫通孔13よりや
や口径の大きい雌ネジ孔14がそれぞれ穿設されている。
前記エンジン5のマウント部5aには、前記貫通孔13と
同径の貫通孔15が穿設されている。
前記ボルト7は、基端部に前記ネジ孔14に螺合可能な
雄ネジ部7aを有し、このネジ部7aよりも先端側の部分が
前記貫通孔15および13内に嵌挿可能な大きさ(外径)に
形成されている。このため、ネジ部7aの一端とこれの先
端側部分との間に段差7bが形成される。またボルト7の
先端部には、雄ネジ部7cが形成されている。ボルト7の
基端部には、ボルト7を回転するための回転工具(図示
せず)を嵌合させるための嵌合部(ここでは、六角状の
嵌合孔)7dが形設されている。なお本実施例では、ボル
ト7の外径を10mmにし、基端側ネジ部7aの外径を16mmに
している。
そのほか、ボルト7の先端側ネジ部7cに螺合させる締
付用ナット17および、基端側ネジ部7aに螺合させる廻止
用ナット18を備えている。締付用ナット17は、その基端
部に別の回転工具(図示せず)を嵌合して回転可能なフ
ランジ状の嵌合部17bを有している。なお、車体フレー
ム1に対するエンジン5の他の取付構造(ボルト6およ
び8の箇所)も、上記実施例と同様の構造である。
次に、上記した構成からなるエンジンの取付構造にお
いて、エンジン5の取り付け手順を説明する。第1図に
おいて、左右のエンジンブラケット11、12間にエンジン
5のマウント部5aを嵌め込んだ状態で、ボルト7の先端
を右側のエンジンブラケット12のネジ孔14から挿入し
て、エンジン5のマウント部5aの貫通孔15および左側の
エンジンブラケット11の貫通孔13に順に挿入する。続い
て、一端の嵌合部7dに嵌合する回転工具(図示せず)に
よってボルト7を回転し基端側ネジ部7aをネジ孔14に螺
合させた後、ネジ部7aの内端面がエンジン5のマウント
部5aの側壁に当接するまでボルト7を回転する。それか
ら、ボルト7の先端側ネジ部7cにナット17を螺合して回
転工具(図示せず)で締め付ければ、エンジン5のマウ
ント部5aが左右のエンジンブラケット11、12間に固定さ
れる。その後、ボルト7の基端側ネジ部7aにナット18を
螺合して締め付ければ、エンジン5の取り付け作業が終
了する。なお、エンジン5を取り外す際は、上記した取
り付け作業と逆の手順で行えばよい。
ところで、最近、エンジン5は軽量化のためにアルミ
ニュウム合金などの軽合金で製造されることが多いが、
とくにエンジン5がそのような軽合金で製造されている
場合には、ボルト7のネジ部7aの端面が当接するエンジ
ン5のマウント部5aに傷が付きにくいように、ボルト7
のネジ部7aの端面とこれが当接するマウント部5aとの間
に座金(図示せず)を介在させることが好ましい。
[考案の効果] 以上説明したことから明らかなように、この考案のエ
ンジンの取付構造は下記の効果を奏する。
(1)エンジンブラケットのエンジンのマウント部との
隙間にボルトの基端側ネジ部を介在させたので、シムな
どを介装しなくてもエンジンのガタつきがない。また、
左右のエンジンブラケットの間隔をエンジンの幅よりも
広くすることができるので、エンジンの着脱作業が容易
になるうえに、左右のブラケットの間隔の範囲内であれ
ば幅の異なるエンジンの取付も可能である。
(2)従来技術として引用した公報に記載の構造(第4
図)に比べて構造が簡略化され、とくにボルトの基端側
ネジ部を螺合させるエンジンブラケットのネジ孔を小さ
くできるので、エンジンブラケットの寸法を短くして小
形化できるため、取付スペースが小さくて済み、制限さ
れたスペース内でのエンジンの取付可能な範囲が拡が
る。また部品点数も少なく、製造コストも安い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案のエンジン取付構造の実施例を示すもの
で第2図のI-I線拡大断面図、第2図は本考案のエンジ
ン取付構造を備えた自動二輪車の側面図、第3図は従来
の一般的なエンジンの取付構造を示す第1図に対応した
断面図、第4図も従来のエンジンの取付構造の一部を示
す断面図である。 1……車体フレーム、1a……フレーム、5……エンジ
ン、5a……マウント部、7……ボルト、7a、7c……ネジ
部、7d……嵌合部、11、12……ブラケット、13……貫通
孔、14……ネジ孔、15……貫通孔、17、18……ナット。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体フレームに一体に設けられた左右のエ
    ンジンブラケット間に、エンジンの中央部分より突出す
    るマウント部を緩入し、該マウント部およびエンジンブ
    ラケットを一連に貫通するボルトを介してエンジンを車
    体フレームに固定する自動二輪車等のエンジン取付構造
    において、 前記マウント部および一方のエンジンブラケットに貫通
    孔を穿設すると共に、他方のエンジンブラケットに前記
    エンジンブラケットの前記貫通孔より口径の大きいネジ
    孔を穿設し、 該ネジ孔および前記各貫通孔に緩挿可能で、締付用ナッ
    トを螺合可能なネジ部を先端部に有するボルトの基端部
    に、前記ネジ孔に螺合可能でかつ前記マウント部の側壁
    に内端面が当接可能なネジ部を設け、 前記ボルトを前記ネジ孔より前記各貫通孔に一連に挿通
    し、前記ネジ孔に基端側ネジ部を螺合してその内端面を
    前記マウント部の側壁に当接させたのち、前記先端側ネ
    ジ部に前記ナットを螺合して締め付けるように構成した
    ことを特徴とする自動二輪車等のエンジン取付構造。
JP1990021349U 1990-03-01 1990-03-01 自動二輪車等のエンジン取付構造 Expired - Lifetime JP2509200Y2 (ja)

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