JP2509177Y2 - ツェッパジョイントの外輪保持装置 - Google Patents

ツェッパジョイントの外輪保持装置

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JP2509177Y2 JP1989140609U JP14060989U JP2509177Y2 JP 2509177 Y2 JP2509177 Y2 JP 2509177Y2 JP 1989140609 U JP1989140609 U JP 1989140609U JP 14060989 U JP14060989 U JP 14060989U JP 2509177 Y2 JP2509177 Y2 JP 2509177Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [考案の目的] (産業上の利用分野) 本考案は、ツェッパジョイントの自動組立機等におい
てツェッパジョイントの外輪を保持するための装置に関
する。
(従来の技術) 自動車の駆動力伝達系の等速継手部に、第7図および
第8図に示されるようなツェッパジョイント1が使われ
ている。ツェッパジョイント1は、軸部2および椀状部
3を有する外輪4と、この外輪4の内側に揺動自在に収
容されるケージ5と、このケージ5の内側に揺動自在に
収容される内輪6と、複数のボール7を備えて構成され
ている。軸部2にはスプライン8と雄ねじ9が形成され
ており、軸部2と椀状部3との間にフランジ部10が設け
られている。
(考案が解決しようとする課題) 上記のような外輪4,ケージ5,内輪6等からなるツェッ
パジョイント1を組立てるには、ある程度の熟練が必要
であるため、機械による自動組立は困難であると考えら
れていた。従って従来は人手によって組立作業を行って
いたが、本考案者らはツェッパジョイント1を自動的に
組立てる機械を開発した。この自動組立機においては、
組立作業の中心ワークとなる外輪4を所定位置に所定の
姿勢で確実に保持し、しかも必要に応じて外輪4を解放
できるようにしておく必要があるが、従来はこのような
要望を満たす適当な装置がなく、その開発が望まれてい
た。なお実開昭64-20206号公報に記載されているワーク
チャック装置のように、下端部が弾性的に支持された外
側コレットの内面側にテーパ面を設けるとともに、この
テーパ面の内側に下端部が弾性的に支持された内側コレ
ットを設け、内側コレットを相対的に下降させた時に各
コレットを径方向に変位させることにより、ワークをチ
ャックするものも提案されている。しかしながらこの公
知例のように単なる1種類のテーパ面をもつコレットを
用いたチャック装置は、実質的にワークの上下方向1箇
所でチャックするようになるため、ツェッパジョイント
の外輪のように長い軸部を有しかつ軸部の上端に重い椀
状部が設けられているワークを保持させると、ワークの
保持状態が不安定になりやすく、ワークがぐらついて位
置決めが不正確になるなどの問題がある。
従って本考案の目的は、ツェッパジョイントの外輪を
扱う自動組立機等において、外輪を所定位置に確実に保
持できるとともに、必要に応じて外輪を解放させること
ができるような外輪の保持装置を提供することにある。
[考案の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を果たすために開発された本考案の装置は、
上下両端が開口する筒形のハウジングと、上記ハウジン
グの上端開口側に設けられかつツェッパジョイントの外
輪の軸部を挿入可能な貫通孔を有するとともに上記外輪
のフランジ部の端面を乗せる支持面を有した台座と、上
記台座の下方において上記ハウジングに昇降可能に保持
されかつ上部に上記軸部が進入可能な筒状部を有すると
ともにこの筒状部の内面側に上側にゆくほどハウジング
の中心軸線に近付くように傾斜したテーパ面を有してい
るスライダと、上記スライダの筒状部の径方向に移動可
能に設けられかつこの筒状部の周方向に分割されている
とともに各々が上記ハウジングに対し上下方向に相対移
動可能な複数のクランプ分割片と、上記各クランプ分割
片の上部の外周側に位置して上記ハウジングの内周面上
部に固定されかつ内周面側にハウジングの中心軸線に関
して上方にゆくほど上記中心軸線から離れる内側テーパ
面が形成されているテーパ部材と、上記スライダを押し
下げる方向に付勢するばねとを有し、上記クランプ分割
片の内側面は上下方向にストレートに延びる形状で上記
ツェッパジョイントの外輪の軸部の側面に対し長手方向
に沿って当接可能としてあり、上記クランプ分割片の下
部には上記スライダのテーパ面と同じ方向に傾斜して上
記テーパ面に内接するテーパ受け面が設けられており、
上記クランプ分割片の上部には上記テーパ部材の内側テ
ーパ面と同じ方向に傾斜して上記内側テーパ面に内接す
る逆テーパ受け面が設けられており、上記スライダが下
がる時に上記テーパ面が上記テーパ受け面に対して下方
に滑るとともに上記逆テーパ受け面が上記テーパ部材の
内側テーパ面に対し下方に滑ることによって各クランプ
分割片の内側面が上記軸部の側面を押圧する方向に動い
て上記軸部をクランプするようにしている。
(作用) 本考案の外輪保持装置は、カム等を使って上記ばねの
弾力に抗してスライダを押上げると、スライダ上部のテ
ーパ面がテーパ部材に向かって上昇し、スライダ上部の
テーパ面とテーパ部材の内側テーパ面との間の距離が狭
まることにより、クランプ分割片がある程度広がること
ができる状態になる。この状態で、台座の上方から外輪
の軸部を下に向けた状態で台座の貫通孔に挿入する。そ
ののち、スライダに対する押上げ力を解除すると、ばね
の弾力によってスライダが降下し、スライダ上部のテー
パ面がクランプ分割片下部のテーパ受け面に対して下方
に滑るとともに、クランプ分割片上部の逆テーパ受け面
がテーパ部材の内側テーパ面に対し下方に滑る。このた
め、各クランプ分割片が上下2箇所のテーパ受け面と逆
テーパ受け面においてそれぞれ作用するクランプ力によ
り、ワークの軸部に向かってほぼ平行移動して各クラン
プ分割片のストレートな内側面が軸部に対し上下方向に
ほぼ均等に当接してこの軸部をクランプするようにな
る。また、ワークの軸部の径が長手方向に多少変化する
ようなテーパ形状であっても、クランプ分割片は軸部の
外面形状に沿って傾動できることにより安定したクラン
プ作用をなす。外輪を解放する時には、カム等を使って
上記ばねの弾力に抗してスライダを押上げることによ
り、軸部に対する上記分割片による押圧を解消させる。
(実施例) 以下に本考案の一実施例について図面を参照して説明
する。第1図に示された外輪保持装置11はハウジング12
を備えている。このハウジング12は上下両端が開口する
略円筒状をなしており、ベアリング13によって基体14に
垂直軸回りに回転自在に支持されている。基体14は例え
ば水平面内で回転するターンテーブルであり、図示しな
い駆動機構によって所定ピッチずつ間欠的に回転させら
れるようになっている。
ハウジング12の上端開口部17に台座18が設けられてい
る。この台座18は第3図に例示されるような形状であ
り、上記開口部17に挿入される小径部分19と、外輪4の
軸部2を挿入可能な貫通孔20と、外輪4のフランジ部10
を嵌合させる凹部21と、フランジ部10の端面10aを乗せ
る支持面22などを有している。この台座18は、ハウジン
グ12側に設けられた係止機構25によってハウジング12に
固定されている。
上記係止機構25は、台座18の側面に設けられた孔26に
係脱可能な突子27と、手指でつまむことのできる操作子
28とを備えており、操作子28を使って突子27を孔26から
抜く方向に移動させることができるようになっている。
突子27を孔26から抜いた状態では、台座18の小径部分19
をハウジング12の上端開口部17から上方に取出すことが
できる。このような係止機構25を採用したことにより、
外輪4のサイズに応じて台座18を交換することができ
る。ハウジング12の上面には台座18の周方向の位置を決
めるためのピン29が設けられている。
第5図に示されるように、基体14に一対のクリックス
トップ機構35,35が設けられている。このクリックスト
ップ機構35は、開口部36を有するホルダ37と、このホル
ダ37に収容された圧縮ばね38と、このばね38によって上
記開口部36の方向に付勢されるボール39などからなる。
ボール39の一部は開口部36の外側に突出しており、ハウ
ジング12の側壁に設けられた穴41に係合可能としてあ
る。この穴41はハウジング12の周方向に等間隔で例えば
6箇所に設けられている。従ってハウジング12に適宜の
トルクを与えて回転させた場合、少なくともハウジング
12が60°回転する間にボール39が穴41に係合することに
よって、ハウジング12が所定位置で止まる。
台座18の下方において、スライダ45がハウジング12に
昇降自在に保持されている。このスライダ45は、外輪4
の軸部2の端部が進入可能な筒状部46と、ハウジング12
の内周面に摺接する大径部47と、ハウジング12の下面側
に突出する下端部48とを有し、この下端部48に鋼球など
からなる従動子49が回転自在に保持されている。ハウジ
ング12の下面に止め輪50が設けられており、この止め輪
50によってスライダ45の抜け止めがなされている。
スライダ45の筒状部46の内側に、テーパ面55,56が設
けられている。このテーパ面55,56は、上側にゆくほど
ハウジング12の中心軸線O-Oに近付くような形状をなし
ている。
スライダ45の上端側にクランプ手段60が設けられてい
る。このクランプ手段60は、筒状部46の周方向に複数に
分割されたクランプ分割片61,62(一部のみ図示)を備
えている。分割片61,62は、それぞれ筒状部46の径方向
に移動可能であるとともに、前記テーパ面55,56に内接
するテーパ受け面63,64と、このテーパ受け面63,64の上
方に位置する逆テーパ受け面65,66を備えている。
上記テーパ受け面63,64は、下側にゆくほど前記中心
軸線O-Oからの距離が大となるようなテーパ形状をなし
ている。逆テーパ受け面65,66は、上側にゆくほど上記
中心軸線O-Oからの距離が大となるようなテーパ形状を
なしている。逆テーパ受け面65,66は、ハウジング12に
固定されたテーパ部材70,71に接している。このテーパ
部材70,71の内側テーパ面72,73は、上側にゆくほど上記
中心軸線O-Oからの距離が大となるようなテーパ形状を
なしている。クランプ分割片61,62の内側面75,76は、外
輪4の軸部2に側面方向から接面できるようにストレー
トな形状をなしている。
テーパ部材70,71の近傍に設けられたばね座80とスラ
イダ45の大径部47との間に、圧縮コイルばね81が圧縮さ
れた状態で設けられている。このばね81は、スライダ45
を降下させる方向にスライダ45を常時付勢している。
第6図に示されるように、外輪保持装置11の上方にチ
ャック85を備えた移送装置86が設けられている。この移
送装置86は旋回および昇降可能なアーム87を備えてお
り、チャック85に保持された外輪4を外輪保持装置11に
供給する機能と、外輪保持装置11に保持された外輪4を
取出して図示しない搬出部まで転送する機能をもってい
る。チャック85は、軸部2を下に向けた状態で外輪4の
椀状部3をつかむようになっている。
次に上記構成の一実施例装置11の作用について説明す
る。
第2図に示されるように、従動子49にカム等の駆動部
材90が当接することによって、スライダ45がばね81の弾
力に抗して押上げられると、スライダ45の上部に設けら
れているテーパ面55,56も上昇する。このため、クラン
プ分割片61,62間の開口幅Wが軸部2の外径よりも大き
く広がることのできる状態になる。この状態で、台座18
の真上まで移送されてきた外輪4が降下させられ、第2
図に2点鎖線で示したように軸部2がクランプ分割片6
1,62間に落し込まれると、軸部2が貫通孔20に丁度嵌合
するとともに、支持面22によってフランジ部10の端面10
aが所定の高さのところで支持される。
その後、駆動部材90が従動子49から離れることによ
り、ばね81の弾力によってスライダ45が降下し、第1図
に示されるクランプ状態になる。この状態では、スライ
ダ45のテーパ面55,56がクランプ分割片61,62のテーパ受
け面63,64に対し相対的に下方に滑るとともに、クラン
プ分割片61,62自体も下方に引き寄せられることによ
り、逆テーパ受け面65,66がテーパ部材70,71に対して下
方に滑る。このためクランプ分割片61,62は互いに近付
く方向、すなわち前記開口幅Wが狭まる方向に移動する
ようになり、軸部2を両側から挾みつける。こうして、
外輪4が所定位置に固定される。
外輪4を解放するには、第2図に示されるように駆動
部材90によって従動子49を押上げ、スライダ45を上昇さ
せることにより、クランプ分割片61,62による軸部2の
押圧を解除すればよい。こうして外輪4を解放した状態
で、移送装置86のチャック85によって外輪4の椀状部3
の上縁をつかみ、チャック85が上昇することによって外
輪4を保持装置11から取出すことができる。
基体14がターンテーブルのように回転する場合、駆動
部材90は基体14の下面側に離間して配置された固定側カ
ムを利用して、基体14の相対回転に伴って外輪保持装置
11が所定の位置に達した時に、駆動部材90によつて従動
子49を押上げるようにするとよい。また、カム状の駆動
部材90を用いる代りに、適宜の駆動機構によって従動子
49を突き上げるようにしてもよい。
[考案の効果] 本考案によれば、保持すべきワークがツェッパジョイ
ントの外輪のように長い軸部を有しかつ軸部の上端に重
い椀状部が設けられている重心位置の高いワークであっ
ても、各クランプ分割片が上下2箇所のテーパ受け面と
逆テーパ受け面に作用するクランプ力により、クランプ
分割片のストレートな内側面が軸部に対し上下方向にほ
ぼ均等に当接してこの軸部をクランプすることができる
ため、ワークをきわめて安定に保持することができ、ま
た、ワークの軸部が多少のテーパ形状であってもクラン
プ分割片が軸部に沿って傾動できることにより安定した
クランプ力を発揮できる。従って軸部とフランジ部を有
するツェッパジョイントの外輪を所定位置に確実に保持
することができるとともに、必要に応じて簡単な動作に
より外輪を解放することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の一実施例を示し、第1図は外輪保持装置
の縦断面図、第2図はスライダが上昇した状態を示す縦
断面図、第3図は台座の斜視図、第4図は外輪保持装置
の平面図、第5図は外輪保持装置の一部を断面で示す側
面図、第6図は外輪保持装置と移送装置の一部を示す側
面図、第7図はツェッパジョイントの斜視図、第8図は
ツェッパジョイントの分解斜視図である。 1……ツェッパジョイント、2……軸部、4……外輪、
11……外輪保持装置、12……ハウジング、14……基体、
17……上端開口部、18……台座、22……支持面、25……
係止機構、45……スライダ、46……筒状部、55,56……
テーパ面、60……クランプ手段、61,62……クランプ分
割片、63,64……第1のテーパ受け面、65,66……第2の
テーパ受け面、70,71……テーパ部材、81……コイルば
ね。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 浜辺 照明 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)考案者 羽崎 裕一 愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地 三 菱自動車エンジニアリング株式会社岡崎 事業所内 (56)参考文献 実開 平1−20206(JP,U) 実公 昭56−29072(JP,Y2)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下両端が開口する筒形のハウジング(1
    2)と、 上記ハウジング(12)の上端開口側に設けられかつツェ
    ッパジョイントの外輪の軸部(2)を挿入可能な貫通孔
    (20)を有するとともに上記外輪のフランジ部(10)の
    端面を乗せる支持面(22)を有した台座(18)と、 上記台座(18)の下方において上記ハウジング(12)に
    昇降可能に保持されかつ上部に上記軸部(2)が進入可
    能な筒状部(46)を有するとともにこの筒状部(46)の
    内面側に上側にゆくほどハウジング(12)の中心軸線に
    近付くように傾斜したテーパ面(55,56)を有している
    スライダ(45)と、 上記スライダ(45)の筒状部(46)の径方向に移動可能
    に設けられかつこの筒状部(46)の周方向に分割されて
    いるとともに各々が上記ハウジング(12)に対し上下方
    向に相対移動可能な複数のクランプ分割片(61,62)
    と、 上記各クランプ分割片(61,62)の上部の外周側に位置
    して上記ハウジング(12)の内周面上部に固定されかつ
    内周面側にハウジング(12)の中心軸線に関して上方に
    ゆくほど上記中心軸線から離れる内側テーパ面(72,7
    3)が形成されているテーパ部材(70,71)と、 上記スライダ(45)を押し下げる方向に付勢するばね
    (81)とを有し、 上記クランプ分割片(61,62)の内側面(75,76)は上下
    方向にストレートに延びる形状で上記ツェッパジョイン
    トの外輪の軸部(2)の側面に対し長手方向に沿って当
    接可能としてあり、 上記クランプ分割片(61,62)の下部には上記スライダ
    (45)のテーパ面(55,56)と同じ方向に傾斜して上記
    テーパ面(55,56)に内接するテーパ受け面(63,64)が
    設けられており、 上記クランプ分割片(61,62)の上部には上記テーパ部
    材(70,71)の内側テーパ面(72,73)と同じ方向に傾斜
    して上記内側テーパ面(72,73)に内接する逆テーパ受
    け面(65,66)が設けられており、 上記スライダ(45)が下がる時に上記テーパ面(55,5
    6)が上記テーパ受け面(63,64)に対して下方に滑ると
    ともに上記逆テーパ受け面(65,66)が上記テーパ部材
    (70,71)の内側テーパ面(72,73)に対し下方に滑るこ
    とによって各クランプ分割片(61,62)の内側面(75,7
    6)が上記軸部(2)の側面を押圧する方向に動いて上
    記軸部(2)をクランプするようにしたことを特徴とす
    るツェッパジョイントの外輪保持装置。
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