JP2508935Y2 - 磁石を用いた物品の支持構造 - Google Patents

磁石を用いた物品の支持構造

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JP2508935Y2
JP2508935Y2 JP3538393U JP3538393U JP2508935Y2 JP 2508935 Y2 JP2508935 Y2 JP 2508935Y2 JP 3538393 U JP3538393 U JP 3538393U JP 3538393 U JP3538393 U JP 3538393U JP 2508935 Y2 JP2508935 Y2 JP 2508935Y2
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博美 山本
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願考案は、磁石を用いた物品の
支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、冷蔵庫の壁面等にタオル掛け
や小物入れ等の物品を支持する場合、両面粘着テープや
磁石を用いることが多い。
【0003】上記両面粘着テープは、粘着力によって物
品を支持するため、どのような支持面に対しても取付け
ることができるが、いったん取付けると取り外すのが面
倒である。また、支持面に上記両面テープの粘着材が残
ったりして支持面を汚すおそれがある。このため、冷蔵
庫の壁面のように鉄板等で構成される支持面に物品を支
持させるには、磁石を利用するのが都合がよい。
【0004】磁石を用いて物品を支持する場合、軟鉄等
の強磁性体の板材で上記磁石を抱持する保持枠を設け、
この保持枠を介して磁力を上記支持面に作用させる支持
構造が取られる。上記保持枠を設けることにより、上記
支持面に作用する磁束を集中させることができ、強い吸
着力を得ることができるとともに、磁石の磁力の低下を
防止することができる。
【0005】従来、上記磁石および保持枠を物品に対し
て取付ける構造として、上記磁石ないし保持枠に取付孔
を貫通形成するとともに、この取付孔に螺子を連通挿し
て上記物品に螺着したり、樹脂製の突起を物品に一体形
成し、この突起を上記取付孔に通挿して先端部をかしめ
る等の構造が採用されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
支持構造においては、上記磁石ないし保持枠の上記支持
面に対向する部分に、上記磁石ないし保持枠を物品に対
して固定するための螺子の頭部やかしめ部分が位置する
ことになる。このため、上記螺子頭部やかしめ部分が、
上記保持枠の吸着部より外側にはみ出して、磁力を支持
面に充分作用させることができない場合があった。
【0007】また、上記磁石ないし保持枠の上記物品に
対する取付強度が低く、物品を支持面に対して繰り返し
着脱すると、上記磁石ないし保持枠が、上記物品から外
れてしまうといった問題も生じやすかった。
【0008】さらに、上記保持枠が吸着される支持面
は、完全な平坦面とはかぎらず、凹凸や湾曲がある場合
が多い。ところが、従来の支持構造においては、上記保
持枠が、上記物品に対して固定状に取付けられるため、
上記支持面の凹凸に対応することができない。このた
め、支持面に、上記保持枠から充分な磁力を作用させる
ことができず、吸着力の低下を招くことも多かった。
【0009】本願考案は、上述の事情のもとで考え出さ
れたものであって、上記従来の問題を解決し、磁石ない
し保持枠を物品に対して強度高く取付けることができる
とともに、磁石の磁力を支持面に確実に作用させて強い
吸着力を得ることができ、さらに、凹凸のある支持面に
も対応することができる磁石を用いた物品の支持構造を
提供することをその課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願考案では、次の技術的手段を講じている。
【0011】すなわち、本願考案は、磁石を保持すると
ともに壁等の支持面に吸着させられる保持枠を介して、
物品を上記支持面に吸着支持する物品の支持構造であっ
て、上記保持枠は、上記磁石を挟むようにして上記支持
面に向かって延出させられ、端縁部が上記支持面に当接
させられる吸着部と、上記物品に係止される係止部とを
一体的に備える一方、上記物品に、上記磁石および保持
枠の吸着部を上記支持面に臨ませる開口部を備えるとと
もに、この開口部の縁部に上記係止部を係止しうる収容
穴を設け、さらに、上記収容穴に、上記磁石および保持
枠が上記収容穴から脱落するのを阻止する保持部材を嵌
合させたことを特徴とする。
【0012】
【考案の作用および効果】本願考案に係る保持枠は、磁
石を挟むようにして支持面に向かって延出させられ、端
縁部が上記支持面に当接させられる吸着部と、上記物品
に係止される係止部とを備える。
【0013】一方、上記物品には、上記磁石および保持
枠の吸着部を上記支持面に望ませる開口部を備えるとと
もに、この開口部の縁部に上記係止部を係止しうる収容
穴を設けている。
【0014】このため、上記保持枠および磁石を上記収
容穴に収容することにより、上記保持枠の吸着部を上記
開口部から支持面に臨ませることができるとともに、上
記係止部が物品に対して係止され、上記磁石ないし保持
枠を介して物品を支持面に支持することができる。
【0015】さらに、本願考案においては、上記保持枠
が収容穴から脱落するのを阻止するために、上記収容穴
に保持部材を嵌合させる。
【0016】上記保持部材は、保持枠を収容した状態で
上記収容穴を埋めるとともに、上記保持枠が、支持面の
方向以外の方向に脱落するのを阻止するために設けられ
る。
【0017】上記支持構造においては、上記保持枠に設
けた係止部が、収容穴に設けた開口部の縁部に係止され
るため、磁石ないし保持枠を物品に対して強度高く取付
けることができる。また、上記保持部材を収容穴に嵌合
させることにより、上記保持枠ないし磁石を物品に対し
て確実に取付けることができる。このため、上記物品
を、支持面に対して繰り返し着脱しても、上記保持枠お
よび磁石が物品から外れてしまうといったことはない。
【0018】また、上記保持部材を収容穴に嵌合させる
ことにより、上記保持枠の係止部を上記開口部の縁部と
上記保持部材との間に挟むようにして、上記保持枠を収
容することができる。したがって、上記保持枠を、上記
収容穴の内部において、所定の範囲で遊動可能に収容す
ることができる。
【0019】すなわち、保持枠の吸着部を開口部から所
定の範囲で出没可能に構成したり、所定の範囲で揺動可
能に、上記保持枠を物品に対して取付けることができる
のである。
【0020】このため、上記物品を支持する支持面に、
多少の湾曲や凹凸があっても、上記保持枠が上記物品に
対して遊動することにより、上記湾曲や凹凸を吸収する
ことが可能となる。この結果、磁石の磁力を、上記保持
枠を介して支持面に確実に作用させることができ、強い
吸着力を得ることができる。また、上記収容穴の保持枠
を支持面に臨ませる開口部以外の開口を閉鎖することが
できるため、物品の見栄えを向上させることもできる。
【0021】
【実施例の説明】以下、本願考案にかかる実施例を、図
に基づいて具体的に説明する。
【0022】図1に示すように、本実施例は、本願考案
を冷蔵庫等の壁面に取付けられる小物容器1に適用した
ものである。
【0023】本実施例に係る小物容器1は、図1に示す
ように、樹脂で一体形成されており、上方に開口する箱
状に形成されている。前壁部2および後壁部3には、多
数の方形開口4が設けられており、支持面に対向する後
壁部3に、本願考案に係る磁石を用いた支持構造5が設
けられている。一方、上記後壁部3の外面下方には、支
持面に当接させられて、上記小物容器の後壁部3を支持
面に対して略平行に保持する一対の突起21が突出形成
されている。
【0024】本実施例に係る上記支持構造5は、図1お
よび図2に示すように、磁石6およびこれを抱持する保
持枠7を、上記小物容器1の後壁部3に取付けて大略構
成される。
【0025】本実施例にかかる磁石6は、図5に示すよ
うに方形板状をしており、この磁石6を前方および上下
方向から抱持するようにして上記保持枠7が形成されて
いる。
【0026】上記保持枠7は、図5に示すように、上記
方形板状の磁石6の支持面8と反対側の面に添着させら
れる底壁部9と、この底壁部9の上縁および下縁から上
記磁石の上下側面に沿って上記支持面8に対して略直角
方向に曲折形成された一対の矩形状吸着部10,10
と、上記底壁部9の左右縁部から上記磁石6の左右側面
を越えて上記吸着部10,10の延出方向と略直角方向
に延出させられる一対の係止部11,11とを備えて構
成される。上記吸着部10,10は、その端縁部が包持
される磁石6の外面より若干突出するように形成されて
いる。
【0027】一方、上記小物容器1の後壁部3の上部に
は、支持面8に向かって略方形状に膨出形成された磁石
取付け部12が一体形成されている。
【0028】上記磁石取付け部12は、上記後壁部3の
表面を支持面に向かって段付状に一体膨出させることに
より形成されており、後壁部3の内側に上方ないし内方
に開口する収容穴13が形成される。
【0029】上記収容穴13の支持面8に対向する方形
の膨出部には、上記磁石6および保持枠7を上記支持面
8に臨ませる方形の開口部14が形成されている。
【0030】上記開口部14は、上記磁石6を抱持した
上記保持枠7の吸着部10,10を挿入しうる大きさに
設定されているとともに、左右方向の寸法は、上記保持
枠7の底壁部両側に設けられる係止部11,11の差し
渡し寸法より小さく設定されている。したがって、図2
および図4に示すように、上記保持枠7をその吸着部1
1,11の端縁部を支持面8に対して臨ませるようにし
て上記開口部14に挿入すると、上記開口部14の左右
縁部に上記保持枠7の係止部11,11が当接させられ
る。これによって、支持面方向へ上記保持枠7が脱落す
ることはない。
【0031】一方、上記収容穴13は、上方および小物
容器1の内側へ開口しているため、支持面8から小物容
器1を外すと、上記保持枠7ないし磁石6が小物容器1
の内側へ脱落するおそれがある。
【0032】本実施例では、上記収容穴13の左右内面
に係合溝16,16を設け、上記収容穴13に、上方な
いし内側の開口を塞ぐ保持部材15を嵌合させている。
【0033】上記保持部材15は、図2ないし図4に示
すように、上記小物容器1の内面に沿って、上記収容穴
13の内側開口を塞ぐ内壁部18と、上記後壁部13の
上縁に沿って、上記収容穴13の上方開口を塞ぐ上壁部
19とを備え、上記収容穴13の両側内面に設けた係合
溝16に嵌合させられるテーパ状の係合部17,17が
両側に形成されている。
【0034】上記保持部材15の両側には、上記収容穴
13に収容された上記保持枠の係止部11に所定の隙間
をあけて対向する縁部20,20がその両側に設けられ
ている。
【0035】上記係合溝16に上記係合部17を挿入す
るようにして、上記保持部材15を上記収容穴13に嵌
合させると、上記収容穴13の上方ないし内側の開口が
閉鎖され、上記保持枠7が小物容器1の内側へ脱落する
のが阻止される。また、本実施例においては、上記保持
枠7の係止部11,11と上記保持部材15の縁部2
0,20との間に上記所定の隙間が設定されており、上
記保持枠7の所定の遊び動が許容されるように構成され
ている。
【0036】上記構成の支持構造5においては、上記保
持枠7の底壁部9の両側に設けた係止部11,11が、
小物容器1に設けた収容穴13の開口部14の左右縁部
と上記保持部材15の縁部20、20に挟まれるように
して支持されている。
【0037】このため、保持枠7ないし磁石6を上記小
物容器1に対して確実に取付けることができるととも
に、従来の支持構造のように、上記保持枠7ないし磁石
6を支持するための部材が、上記支持面8に対して突出
することもない。したがって、上記磁石6の磁力を、上
記保持枠7を介して上記支持面8に確実に作用させて、
強い吸着力を得ることができる。
【0038】また、保持枠7の両側に設けた係止部1
1,11が、上記収容穴13の開口部14の側縁に確実
に係止されているため、小物容器1を繰り返し支持面8
に対して着脱しても、上記小物容器1から上記保持枠7
ないし磁石6が脱落するといったこともない。
【0039】さらに、本実施例においては、上記保持枠
7ないし磁石6を、小物容器1の後壁部3に対して遊び
動可能に保持している。このため、支持面8に多少の湾
曲や凹凸があっても、上記保持枠7の遊動によって吸収
することが可能となり、小物容器1を支持面8に対して
確実に支持することが可能となる。
【0040】しかも、本実施例においては、上記保持部
材15によって、収容穴13の上方および内方の開口を
封止することができるため、小物容器1の見栄えも向上
する。
【0041】本願考案の範囲は、上述の実施例に限定さ
れることはない。
【0042】実施例においては、本願考案を小物容器1
に適用したが、たとえば、タオル掛け等他の物品の支持
構造に適用することもできる。
【0043】また、実施例においては、方形板状の磁石
6を採用したが、他の形状の磁石を採用することもでき
る。
【0044】また、実施例においては、小物容器1に本
願考案に係る支持構造5を採用しているため、収容穴1
3は、上方および内側の両方へ開口する形状を備えてい
るが、上記磁石ないし支持枠7を上記収容穴13の開口
部14に挿入できる形状であれば、上方あるいは内側の
一方のみに開口する収容穴を形成することもできる。
【0045】さらに、実施例においては、上記保持部材
15を、小物容器1の上方から嵌合させるように構成し
たが、小物容器の内側から嵌合させるように構成するこ
ともできる。
【0046】また、実施例においては、係合溝16と係
合部17とをテーパ状に嵌合させるように構成したが、
弾性変形を利用して、上記保持部材15を上記収容穴1
3に嵌合させるように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願考案が適用される小物容器の全体斜視図で
ある。
【図2】本願考案に係る支持構造の全体構成を示す一部
断面図である。
【図3】本願考案に係る支持構造の要部を示す断面図で
あり、図1におけるIII −III線に沿う断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】本願考案に係る保持枠および磁石の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 小物容器 5 支持構造 6 磁石 7 保持枠 8 支持面 10 吸着部 11 係止部 13 収容穴 14 開口部 15 保持部材

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁石を保持するとともに壁等の支持面に
    吸着させられる保持枠を介して、物品を上記支持面に吸
    着支持する物品の支持構造であって、 上記保持枠は、上記磁石を挟むようにして上記支持面に
    向かって延出させられ、端縁部が上記支持面に当接させ
    られる吸着部と、上記物品に係止される係止部とを一体
    的に備える一方、 上記物品に、上記磁石および保持枠の吸着部を上記支持
    面に臨ませる開口部を備えるとともに、この開口部の縁
    部に上記係止部を係止しうる収容穴を設け、 さらに、上記収容穴に、上記磁石および保持枠が上記収
    容穴から脱落するのを阻止する保持部材を嵌合させたこ
    とを特徴とする、磁石を用いた物品の支持構造。
JP3538393U 1993-06-29 1993-06-29 磁石を用いた物品の支持構造 Expired - Lifetime JP2508935Y2 (ja)

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