JP2508566Y2 - 電子弦楽器 - Google Patents

電子弦楽器

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JP2508566Y2
JP2508566Y2 JP1993072465U JP7246593U JP2508566Y2 JP 2508566 Y2 JP2508566 Y2 JP 2508566Y2 JP 1993072465 U JP1993072465 U JP 1993072465U JP 7246593 U JP7246593 U JP 7246593U JP 2508566 Y2 JP2508566 Y2 JP 2508566Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の技術分野】本考案は電子弦楽器(例えばギター
シンセサイザ)に関する。
【0002】
【考案の背景】全体がギター形状を成し、その胴部に複
数の弦を張設し、各弦に関連して、弦のトリガー(弦振
動の開始)を感知する弦トリガースイッチを設け、ネッ
クのフィンガーボード上に上記各弦に対するフレット操
作位置を感知するフレット状態感知手段(例えば、フィ
ンガーボード上にマトリクス状に配設された多数のオン
オフタイプのフレットスイッチ、あるいは、タブレット
による座標検出タイプのフレットスイッチ、あるいはフ
ィンガーボード上に導電性の弦を張って、弦に電流を流
し、各弦押下位置に接点を設けたタイプのフレットスイ
ッチなど)を配設した構造をもち、弦トリガー検出スイ
ッチにより上記弦のトリガーが感知された際、上記フレ
ット状態感知手段の感知しているフレット操作位置に対
応する音高で楽音を発音開始させるタイプの電子弦楽器
は知られている(例えば米国特許第4,336,734号)。し
かし、この種の電子弦楽器の場合、トリガーされた弦の
楽音が鳴っている間にフレット操作位置を変更しても、
音源側でこれを受け付けないようになっており、1回の
ピッキングに付き1つの楽音が鳴るという機能に限られ
ている。したがって、演奏形態が非常に制約されてしま
いアコースティックギターやエレキギターなどで見られ
るような奏法からはほど遠いものであった。すなわち、
伝統的な弦楽器(特にギター風の弦楽器)の演奏形態は
多種多様であり、上記のような構成ではこれに対処する
ことができなかった。例えば、スライディング奏法にお
いては、1回のピッキングで或る楽音を発音中に、その
ピッキングに係る弦のフレット位置が他のフレット位置
に変更されると、発音中の楽音は、アタックがかかるこ
となく、変更先のフレット位置に対応した音高に変更さ
れる。また、ハンマリング奏法の1形態においては、1
回のピッキングで或る音高の楽音を発音中に、その発音
に係るフレット操作位置が引き続いて押圧操作されてい
る状態のもとで、上記音高よりも高音側のフレットがた
たきつけられたように操作されると、振動中の弦の振動
は急速に抑えられるので、発音中の楽音は消滅する一
方、上記押打操作により、アタック感を持った状態で高
音側のフレットに対応する音高の楽音が放音される。
【0003】
【考案の目的】したがって、この考案の目的は伝統的な
弦楽器(特にギター風の弦楽器)の演奏形態であるハン
マリング奏法と同様な演奏形態で演奏を行なった場合、
伝統的な弦楽器においてハンマリング奏法により得られ
る楽音と同様の楽音を得ることが可能な電子弦楽器を提
供することにある。
【0004】
【考案の要点】この考案は、このような目的を達成する
ために、本体に設けられたフィンガーボード上において
複数本の弦の夫々に属する複数のフィンガリング操作位
置のうち、演奏者が指定したフィンガリング操作位置を
検出するフレット状態感知手段と、前記複数本の弦のう
ち演奏者により操作された弦を検出することにより楽音
の発生開始の指示を検出する弦トリガー検出手段と、こ
の弦トリガー検出手段が楽音の発生開始の指示を検出す
ると、前記フレット状態感知手段が検出している第1の
フィンガリング操作位置に対応する音高の楽音を発生さ
せるよう指示する指示手段と、楽音の発生中に前記フレ
ット状態感知手段が前記第1のフィンガリング操作位置
を検出している状態で、前記第1のフィンガリング操作
位置が属する弦と同じ弦に属する第2のフィンガリング
操作位置を新たに検出した場合、新たに検出された前記
第2のフィンガリング操作位置が前記第1のフィンガリ
ング操作位置に対応する音高より高音の音高を示す操作
位置である時に、前記発生中の楽音を消音して新たなフ
ィンガリング操作位置に対応する音高の楽音を発生させ
るよう指示する楽音制御手段とを具備したことを要点と
する。
【0005】
【考案の作用、展開】この考案の作用例を図1(A)及
び図1(B)を参照して説明する。いま、図1(A)及
び図1(B)において、所定のフレット位置(例えば、
第7フレット位置)が指F1にて押圧操作されている状
態のもとで、いずれかの弦4がピッキングされ、図1
(A)の(a)に示すように、弦トリガースイッチがオ
ンして弦のトリガー(振動開始)を検出したとする。こ
の弦トリガースイッチのオンを合図に楽音の発音が開始
されるわけであるが、どの音高で発音させるか決めるた
めにトリガーされた弦のフレット操作位置が調べられ
る。ここでは同図(b)に示すように、このトリガーさ
れた弦のフレット操作位置を感知するフレット状態感知
手段ないしフレットスイッチは、すでに、A音高が指定
されている状態を感知している。したがって、トリガー
された弦に係る楽音として、A音高の楽音の発音開始が
音源(図示せず)に対して指示され、同図(c)に示す
ように、その音源内において、A音高の周波数をもつ楽
音波形が生成される。次に同図(b)に示すように、ト
リガーされた弦の楽音が鳴っている間に、その弦に属す
る他のフレット位置(例えば、第9フレット位置)が指
2にて押され、A音高よりも高音側のB音高を指定す
る状態に変化したとする。このような場合は、第1の楽
音制御手段は、現在発音中の楽音を消音して、高音側の
フレットスイッチBに対応する音高の楽音を発音開始す
る制御を、例えば別の音源に対して行う。この結果、同
図(c)に示すように、音源からは、B音高に対応する
周波数に周波数を変更された、アタックのついた楽音波
形が発生することになる。このように、本考案では、弦
トリガースイッチの動作に基づいて楽音が発生している
場合に、元のフレット位置が押されたままの状態でそれ
より高い音高を示すフレット位置が押された場合、元の
楽音を消音し、押されている高いフレット位置に対応す
る音高で新しい楽音を発音開始する。つまり、フレット
に対する特定の操作形態をハンマリング奏法とみたてて
楽音処理を行っている。したがって、トリガー型電子弦
楽器というシュミレーションの困難な楽器でありなが
ら、可及的に伝統的な弦楽器に機能に近い能力をもたせ
ることに成功している。他の面からいえば、本考案によ
れば、演奏技術の未熟なプレイヤーにもハンマリング奏
法という比較的高度なテクニックにより初めて得られる
演奏効果を比較的簡単なフインガリングで得ることがで
きる。もちろん、演奏技術の高いプレイヤーにも満足の
いくものである。なお、同図(c)に破線で示したよう
に、アタックをかける際は、別音源からノイズ音を発音
させ、アコースティックギターの演奏効果により近づけ
ることも可能である。
【0006】
【実施例】以下、図面を参照してこの考案の一実施例を
説明する。
【0007】<楽器本体> 本実施例に係る電子弦楽器の本体を図2に示す。図示の
ように、弦楽器本体は胴部1とネック2とヘッド3とか
ら成るギターの形状を有し、その長さ方向には弦楽器演
奏用の複数の弦4が張られている。また、胴部1には、
各種のパラメータを設定するためのパラメータ設定スイ
ッチ5として、音色を選択するための音色セレクトスイ
ッチ群5a、ミュートスイッチ5b、離弦時モード切換
スイッチ5cなどが配設されている。また、リズムのマ
ニュアル演奏の操作子として、リズムパッドスイッチ群
6が配設されている。なお、SPは演奏された楽音を放
音するためのスピーカである。詳細には、上記弦4はそ
の一端がヘッド3に設けられたペッグ7に調節可能に支
持され、フィンガーボード8上を延び、胴体部1の右方
部にある弦トリガースイッチ収納ケース9内に他端が固
定されている。上記フィンガーボード8には音高指定用
のフレットスイッチ群FSWがマトリクス状に設けられ
ており、フレット10間の弦4の上を押圧することによ
り、対応するフレットスイッチがオンするようになって
いる。フレットスイッチの詳細については後述する。一
方、ケース9内には弦トリガースイッチが収納されてい
て、弦4をはじく、つまびく、といった操作を行うこと
により、弦トリガースイッチがオンし、これにより、楽
音がトリガーされるようになっている。弦トリガースイ
ッチの詳細については後述する。
【0008】<フレットスイッチ> フレットスイッチFSWの構成例を図3に示す。図示の
ように、ネック2上面に形成された凹部2a内に、プリ
ント基板13とゴムシート14から成るフレットスイッ
チFSWがはめ込まれて固定されている。ゴムシート1
4はプリント基板13の上に積層され、ゴムシート14
の両端はプリント基板13の両端を包み込んでプリント
基板13を固定するようにコ字状に折り曲げられてい
る。プリント基板13の上面と接合するゴムシート14
の下面には、各弦4と対応するように、6列の各接点凹
部15が形成されている。そして、各接点凹部15の上
底面には可動接点としての電極16がパターン形成さ
れ、一方、各電極16と対向するプリント基板13上に
は固定接点としての電極17がパターン形成されてい
る。したがって、弦4の上からフィンガーボード8の表
面であるゴムシート14を押さえることにより、電極1
6と17が接触導通して、フレットスイッチ FSWが
オンするようになっている。
【0009】<弦トリガースイッチ> 弦トリガースイッチTSWの構成例を図4に示す。上述
したように、弦トリガースイッチTSWは胴部1上の弦
4によりスイッチングされるものである。図に示すよう
に、胴部1上にはスイッチ部取付台18が設けてあっ
て、このスイッチ部取付台18には一部が高く形成され
た部分があり、この高く形成された上部には支持部18
aが設けてある。この支持部18aには前記弦4の使用
本数に対応する溝部18bが支持部18aの上端から所
定の長さ分形成されている。この溝部18bを設けた支
持部18aの後縁側には金属製の接点板19が取り付け
られており、この接点板19には弦4の張設方向の延長
上に挿通孔19aが設けてある。この挿通孔19aには
トリガー弦4の使用本数に対応する導電性部材20が取
り付けられる。この導電性部材20は所定の長さを持っ
た金属の丸棒状の部材で、先端部には前記弦4を係止す
る係止孔20aがあり、弦4はこの係止孔20aを介し
て係止される。この係止孔20aの後方には第1止め輪
20bと所定の長さを置いて第2止め輪20cが設けて
あり、この第1止め輪20bと第2止め輪20cの間に
は一対の絶縁性部材21が、前記第1止め輪20bと第
2止め輪20cにそれぞれ接触されるように対称的に配
されている。この絶縁性部材21、21の内方向にはそ
れぞれ段差部が設けてあって、この段差部には導電性可
撓部材としてのスプリングコイル22が架け渡されてあ
る。この導電性部材20の前記第2止め輪20cの後方
は一段細く形成された支持軸20dが設けてあり、この
支持軸20dの後端は前記支持部18aの溝部18b内
及び前記接点板19の挿通孔19a内を挿通し、さら
に、その後端は、先端部が半球形のストッパー23にて
前記接点板19の挿通孔19aの周囲において揺動可能
に係止されている。したがって、導電性部材20の後端
は、支持軸20dで揺動可能に係止され、他方の自由端
は弦4に引張られた状態で張設されるよう支持されてい
る。この導電性部材20を揺動可能に支持する前記接点
板19の上端部は、前記支持部18a上に設けられたプ
リント基板24の所定個所に挿通固定され、プリント基
板24上に設けられた接地パターンと接続されている。
また、導電性部材20に対し、絶縁性部材21を介して
取り付けられたコイルスプリング22の一端から引出さ
れているリード線22aも、前記プリント基板24の別
の配線パターンに接続されている。
【0010】したがって、図示のトリガースイッチTS
W は、導電性部材20を第1接点とし、コイルスプリ
ング22を第2接点とするスイッチである。定常状態で
は、上記コイルスプリング22と導電性部材20との間
には絶縁性部材20の厚みに相当する空隙が保たれ、両
者は絶縁関係にある。しかし、弦4が操作されてある程
度以上の振動が発生すると、この振動に伴って、コイル
スプリング22が振れ、この結果、導電性部材20とコ
イルスプリング22との間の隔たりも時間的に変化し、
接触と非接触をくり返すことになる。つまり、トリガー
スイッチTSWがオンになったりオフになったりするわ
けである。
【0011】<全体回路構成> 図5に本実施例に係る電子弦楽器の全体回路構成を示
す。楽器全体の制御はマイクロコンピュータ30によっ
て行われる。上述した弦トリガースイッチ群TSWから
の出力はラッチ回路40に入力され、マイクロコンピュ
ータ30はこのラッチ回路40を通して弦4のトリガー
の検出を行う。また、上述したフレットスイッチ群FS
Wの各スイッチの状態と、パネルスイッチ群PSW(図
2に示すパラメータ設定スイッチ群5、リズムパッドス
イッチ群6など胴部1上に設けられた各種スイッチ)の
各スイッチの状態はスイッチステータス検出回路50を
介してマイクロコンピュータ30に伝えられる。楽音発
生回路60はマイクロコンピュータ30の制御のもと
に、楽音信号を発生する。発生した楽音信号は増幅器7
0において増幅され、スピーカSPを通して外部へ放音
される。
【0012】<マイクロコンピュータのジェネラルフロ
ー> 図6にマイクロコンピュータ30(図5)のジェネラル
フローを示す。電源が投入されると、マイクロコンピュ
ータ30はまず、イニシャライズ処理G1を行う。イニ
シャライズ終了後、G2からG8の処理を繰り返す。弦
トリガー検出処理G2においては、図5のラッチ回路4
0の出力を取り込み、各弦4のトリガーの有無を判別
し、トリガー(弦振動の開始)を検出したときには、楽
音発生回路60を制御して楽音を発生させる。フレット
状態検出処理G3では、スイッチステータス検出回路5
0を介してフレットスイッチ群FSWの各スイッチの状
態を読み込む。そして、フレット状態変化判別処理G4
でフレット状態の変化(音高指定の変化)の有無を判別
し、変化があった場合は、フレット状態変化処理G5を
実行する。この処理G5では、発音中の弦に属するフレ
ットの押弦位置が変化したときには、それに対応する音
高に弦の音高を再設定する。その 際、フレットの押弦
位置の変化態様に応じて、再度の発音開始によりアタッ
クをかけたり、単なる周波数変更によりアタックをかけ
なかったりする。また、発音中の弦に属するいずれのフ
レットスイッチFSWも離れた状態、いわゆる開放弦の
状態に変化したときには発音中の楽音の急速消音を行
う。また、現在、発音されていない弦に属するフレット
押弦状態の変化に対してはなにもしない。次にパネルス
イッチ状態検出処理G6においては、パネルスイッチ群
PSWの各スイッチの状態をスイッチステータス検出回
路50を介して読み込む。そして、パネルスイッチ状態
変化処理G7において、パネルスイッチの状態変化の有
無を判別し、変化があった場合は、パネルスイッチ状態
変化処理G8において、所要の処理、例えば、楽音発生
回路60に対する音色、イフェクト等の設定処理を行
う。
【0013】弦トリガー検出処理(図7) 図7は、図6における弦トリガー検出処理G2の詳細な
フローチャートである。この弦トリガー検出処理G2で
は、第1弦目の弦トリガー状態の検出を行ったのち、順
次、第6弦目の弦トリガー状態の検出を行い、その後、
第1弦目の弦トリガー状態の検出を行い、以降、同様な
検出処理を繰り返す。まず、第1弦目の弦トリガー検出
処理を行うため、弦番号指定レジスタB−RGに、第1
弦目の弦番号としての“1”をセットする(処理P
1)。次に、弦番号指定レジスタB−RGで示される弦
番号に対応する弦トリガースイッチTSWがオンされた
か否かを判断する(処理P2)。その結果、オンされた
と判断されたときは、図6のフレット状態検出処理G3
によりセーブされている各弦についての音高データの中
から、弦番号指定レジスタB−RGの値が示す弦番号の
音高データを最高音用の音高指定レジスタC−RGHに
ロードする(処理P3)。続いて、処理P4にて、楽音
発生回路(図5)に対する音源のアサイン・発音処理を
実行する。
【0014】処理P4の後、または処理P2にて対応す
る弦の弦トリガースイッチTSWがオンされていなかっ
たと判断されたときは、第2弦目の弦トリガー検出処理
を行うため、処理P5に進み、弦番号指定レジスタB−
RGの内容にプラス1して弦番号を1つ進める。そし
て、弦番号指定レジスタB−RGの値が“7”に達した
か否かを判別P6において判断する。この判別P6にお
いて、全ての弦(この実施例では第1弦〜第6弦)につ
き、弦トリガー検出処理が終了したか否かを調べ、終了
していないときは、残りの弦につき弦トリガー検出を行
うべく処理P2に戻る。
【0015】アサイン・発音処理(図8、図9) 次に、図7のフロー内のアサインおよび発音処理P4の
詳細について説明しよう。マイクロコンピュータ30
(図5)はこのアサイン・発音処理において、トリガー
された弦の楽音の発音開始を行うが、それとともに、同
じ弦が発音中に続けて弾かれた場合の楽音の余韻機能も
この処理を介して実現している。アサイン・発音処理の
詳細なフロー(図9)の説明に進む前に、このフローで
使用するレジスタのいくつかについて説明する。まず、
楽音発生回路60(図5)の各音源モジュール(ここで
は、楽音発生回路60は8つの音源モジュールから構成
されるものとする)の制御用レジスタは図8に示すよう
になっている。同図において、MODULE1からMO
DULE8の8つのレジスタ群は、楽音発生回路60の
各音源モジュールのNO.1からNO.8にそれぞれ対応して
おり、各々、弦番号指定レジスタaと音高指定レジスタ
bとで構成されている。弦番号指定レジスタaは、1バ
イト構成であり、このレジスタaには現在発音中の弦の
番号に対応する値が書き込まれる。例えば、弦番号が
「1」ならば、「1」、弦番号が「6」ならば、「6」
のように書き込まれる。ただし、弦番号に対応する値が
書き込まれていないとき、すなわち、その値がゼロのと
きには、対応音源モジュールが現在発音されていない、
すなわち、その音源モジュールは現在使用されていない
ことを示す。音高指定レジスタbは、同じく1バイト構
成であり、このレジスタbには現在発音中の音高データ
が書き込まれる。LASTMDは音源モジュール割り当
て用レジスタであり、その働きについては後で追加説明
する。
【0016】図9に示す音源番号レジスタD−RGは音
源モジュールの番号に対応する値が入るレジスタであ
り、ループカウントレジスタE−RGはループをカウン
トするためのレジスタである。以下、アサイン・発音処
理(図9)のフローについて説明する。
【0017】図9(A)に示したフローの前半部(R1
〜R7)は、楽音発生回路60の音源モジュールのなか
に、今回トリガーされた弦に係る楽音をすでに発音して
いるモジュールがあるかどうかをサーチし、あった場合
にはその音源モジュールの消音を行うところであり、図
9(B)に示したフローの後半部(R8〜R18)は、
今回トリガーされた弦に係る楽音を発音するための音源
モジュール(空きになっている音源モジュール)を捜し
出して、その音源モジュールに対し楽音の発音を開始さ
せる部分である。
【0018】まず、最初の処理R1で音源番号レジスタ
D−R1に1を書き込む。これにより、音源モジュール
NO.1を指定するわけである。処理R2では音源番号レ
ジスタD−RGの値に対応する音源モジュール制御用レ
ジスタのうち弦番号指定レジスタaの内容をロードす
る。つまり、指定に係る音源モジュールが現在発音して
いる弦番号を読み込んでいるわけである。そして、今
回、トリガーされた弦の番号を示す弦番号レジスタB−
RGの値と今回指定された音源モジュールの弦番号とを
判別処理R3で比較する。比較して等しくなければ着目
している音源モジュールは今回トリガーされた弦を発音
していないことを意味する。したがって、この場合は、
当該音源モジュールは、他の弦に係る楽音を発音してい
るか、あるいは現在空いているかのいずれかである。こ
のときには処理R4において、音源番号レジスタD−R
Gの内容に1だけ加算する。これにより、次の番号の音
源モジュールが指定されることとなる。次に、判別R5
で音源番号レジスタD−RGの値が9以上か否かを判別
し、8以下であれば処理R2からのループをくり返す。
【0019】判別R3において、弦番号指定レジスタB
−RGの値=弦NO.(弦番号指定レジスタaの内容)と
なる場合がある。このような場合は、着目している音源
モジュールが、今回トリガーされた弦に係る楽器をすで
に発音していることを示している。そこで、次の処理R
6で、その音源モジュールに対し消音処理を行うととも
に、その音源モジュールに対応する制御用レジスタの弦
番号指定レジスタaにゼロをいれて、その音源モジュー
ルが空になったこと(現在発音中でないこと)を記憶す
る。そして次の処理R7で音源モジュール割り当て用レ
ジスタLASTMDに音源番号レジスタD−RGの値、
つまり消音した音源モジュールNO.を書き込む。音源モ
ジュール割り当て用レジスタLASTMDは音源モジュ
ールの発音の割り当てを制御するレジスタであり、LA
STMDの値(すなわち直前に発音割り当てをした音源
モジュールNO.(R16、R17参照)または直前に消
音した音源モジュールNO.)の次の音源モジュールから
発音の割り当てのためのサーチを開始するために用いら
れる。
【0020】フロー後半の最初の処理R8では、音源番
号レジスタD−RGに音源モジュール割り当て用レジス
タLASTMDの値を入れ、ループ回数レジスタE−R
Gに1を書き込む。ループ(処理R9〜R15)の最初
の処理R9、判別R10、処理R11で、検査しようと
する次の音源モジュールの番号を計算し、音源番号レジ
スタD−RGに書き込む。処理R12でその音源モジュ
ールの制御用レジスタの弦番号指定レジスタaの内容を
ロードし、判別R13でその弦番号指定レジスタaの内
容がゼロか否か、すなわち検査に係る音源モ ジュール
が発音中(使用中)か否かを判別する。発音中ならば処
理R14でループ回数レジスタ E−RGを1つ進め、
判別R15でループ回数レジスタE−RGの値が8以下
かどうかをみる。8以下である間は、処理R9からのル
ープをくり返す。なお、この判別R15でループ回数レ
ジスタE−RGの値が9以上のときは8つの音源モジュ
ールが全て発音中であることを意味し、これは論理的に
は起こらないことであり、なんらかの外部要因でメモリ
が壊された状態であるから処理R18で適切なエラー処
理を行う。
【0021】一方、ループ上の判別R13において、検
査に係る音源モジュールが発音中でないことが判明した
ときすなわち、空いているときは、処理R16へ分岐
し、その音源モジュール(音源番号レジスタD−RGの
値に対応する音源モジュール)に対し、音源番号レジス
タD−RGの内容である今回トリガーされた弦の音高デ
ータに従って楽音の発音の開始を指示するとともに、そ
の音源モジュールの制御用レジスタの弦番号指定レジス
タaに弦番号レジスタB−RGの値、すなわち今回トリ
ガーされた弦番号を書き込み、音高指定レジスタbには
音高指定レジスタC−RGHの値すなわち音高データを
書き込む。最後に処理R17で音源モジュール割り当て
用レジスタLASTMDに音源番号レジスタD−RGの
値、つまりオン処理した音源モジュールの番号を書き込
む。
【0022】このように、ある弦がトリガーされ、その
弦に係る楽音が発音されている間に、再度、同じ弦がト
リガーされた場合には、その弦に係る楽音を発音してい
る音源モジュールを消音させるとともに、同一の弦の新
たなトリガーに応答して、別の音源モジュールを割り当
ててその別の音源モジュールにて新たな楽音の発音を開
始させる。これによって、同じ弦が発音中に続けて弾か
れた場合、前の楽音が後に弾かれた弦の弾弦時点から急
速消音することなく、余韻を残した状態で引き続いて発
音するという楽音余韻機能が果たされるわけである。な
お、上記消音は、楽音余韻機能を実現するために、再度
同じ弦が発音中に連続してトリガーされた場合に行うも
のである。
【0023】フレット状態変化処理(図10、図11) 次に、マイクロコンピュータ30(図5)がジェネラル
フロー(図6)のステップG5で実行するフレット状態
変化処理の詳細について説明する。尚、本実施例の電子
楽器は、ハンマリング奏法の他にスライディング奏法を
も可能とするものである。スライディング奏法とは、伝
統的な弦楽器においては、1回のピッキングによりある
楽音を発音中に、そのピッキングに係わる弦を押さえた
指を、該弦を押さえたまま弦に沿って任意の向きに移動
させてフレット位置を変更することにより、発音中の楽
音の音高を、アタックをかけずに変更先のフレット位置
に対応した音高に変更する奏法である。
【0024】本実施例の電子楽器においては、弦トリガ
ースイッチTSWの動作に基づいて楽音が発生している
時、あるフレット位置から別のフレット位置に弦を押し
替えた場合は、発生中の楽音を消音することなく、その
音高を新しいフレット位置の示す音高に切り替えるとい
うものである。即ち、図1(A)の(d)に示すよう
に、トリガーされた弦の楽音が鳴っている間に、現在押
圧操作している指を、そのフレット位置から、その弦に
属する他のフレット位置に変更し、B音高を指定する状
態に変化したとする。このような場合は、マイクロコン
ピュータ30は、現在発音中の楽音を消音することな
く、音高をA音高からB音高に変更する制御を楽音発生
回路60に対して行なう。この結果、同図(e)に示す
ように、単に周波数のみが、A音高に対応した周波数か
ら、B音高に対応した周波数に変更され、アタックのつ
かない、なめらかな楽音波形が発生することになる。図
10はフレット状態変化処理の詳細フローであり、その
最初の処理U1でマイクロコンピュータ30は弦番号レ
ジスタB−RGの内容を1に初期化し、以下、U2〜U
8のループ処理をくり返し実行する。
【0025】ループ処理の最初の判別U2でフレット変
化状態を判別する。このフレット変化状態の判別U2
は、トリガ弦のピッキングのあとにおいて、そのトリガ
ーされたトリガ弦に属する多数個のフレット位置の一つ
または複数のフレット位置に変化があったか否かを判断
する部分であり、その対象となるフレット変化状態には
3通りある。1つは、フレット位置が全く変更されてい
ない場合、2つ目は、1つのフレット位置から別の1つ
のフレット位置へ変更された場合(このなかには、所定
フレット位置から開放弦(オープンフレット)位置へ変
更された場合も含む。:シングル)。3つ目は、1つの
フレット位置から複数のフレット位置へ変更された場合
(ロールオーバ)である。この判別U2は、弦番号レジ
スタB−RGの示す弦に属するフレットスイッチ群の前
回のサンプル値と今回のサンプル値を比較することで行
える。
【0026】まず、現在発音中のフレット位置から操作
位置が変更され、そのフレット位置の変更が開放弦フレ
ット位置へ変更した場合、または1個のフレット位置か
ら、別な1個のフレット位置へ変更して、その変更後の
フレットスイッチFSWがオンに変化したことを判別U
2において判断された場合は、処理U3で変化に係る音
高データを音高指定レジスタC−RGHに書き込み、処
理U6において、弦番号指定レジスタB−RGと音高指
定レジスタC−RGHの双方の値を使ってアサイン・発
音処理(図11、詳細はすぐ後で述べる)を行う。一
方、判別U2で、1つのフレット位置から複数のフレッ
ト位置へ変更して、その変更後の複数個のフレットスイ
ッチFSWがオン(ロールオーバ)に変化したことを判
断した場合は、変化に係る複数の音高データのうち、最
も高音側の音高データを最高音用音高指定レジスタC−
RGHに書込み(処理U4)、また、最も低音側の音高
データを低音用音高指定レジスタC−RGLに書込んで
(処理U5)、処理U6に進む。そして、判別U2にお
いて、フレット変化なしと判断した場合、または、アサ
イン・発音処理U6の後、処理U7で弦番号指定レジス
タB−RGをプラス1して弦番号を1つ進める。そして
判別U8で弦番号指定レジスタB−RGの値が6以下か
どうかを判別し、6以下である間は判別U2から判別U
7までのループをくり返す。
【0027】すべての弦(第1弦〜第6弦)についての
フレット変化の処理が完了すると判別U8で弦番号指定
レジスタB−RGの値が7となり、フレット状態変化処
理のフローを抜ける。図11は上述のアサイン・発音処
理(処理U6)の詳細フローである。このフローに入る
時点で、所定のフレット位置においてピッキングを行
い、そのフレット位置に対応した音高データが低音高用
指定レジスタC−RGHに、すでに入っており、弦番号
指定レジスタB−RGには何弦目の弦のフレットが変化
したかを示す値(弦番号)が入っているものとする。
【0028】まず処理V1で音源番号レジスタD−RG
の内容を1に初期化する。処理V2で音源番号レジスタ
D−RGの示す音源モジュール制御用レジスタ(図8)
の弦番号指定レジスタaの値をロードし、判別V3で、
ロードした弦番号指定レジスタaの値と弦番号指定レジ
スタB−RGの値とが等しいかどうか判別する。つま
り、フレット位置が変化した弦が現在発音中か否かをみ
ているのである。ここで、不一致のときには、処理V1
4で音源番号レジスタD−RGの値をプラス1して検査
する音源モジュールの番号を1つ進め、判別V15で、
D−RGの値が8以下かどうかを判別し、8以下のとき
は処理V2からのループを繰り返し、9になったときは
終了する。
【0029】判別V15で音源番号レジスタD−RGが
9となって処理が完了するのは次の場合である。すなわ
ち、消音している弦のフレットに変化があった場合であ
る。つまり、このようなフレットの変化の操作は無効と
みて、なんの楽音処理も行わない。一方、発音中の弦に
属するフレットに変化のあった場合は、その楽音を発音
している音源モジュールが存在しており、そのことが対
応する音源モジュール制御用レジスタの弦番号指定レジ
スタaに記憶されている(図8、図9参照)。したがっ
て、音源番号レジスタD−RGがある音源モジュール番
号を示しているときには、判別V3のところで、レジス
タa=B−RGが成立する。
【0030】このようにして、判別V3で、フレット位
置が変化した弦に係る楽音が現在発音中であることが判
明した場合は、続く判別V4で、低音高用指定レジスタ
C−RGLに音高データが、いまだ、有るか否かを判別
することにより、フレット変化がロールオーバへの変化
であるか否かを判別する。低音高用指定レジスタC−R
GLに、いまだ、音高データが有り、したがって、ロー
ルオーバへの変化であると判別された場合は、判別V5
で、まず、低音高用指定レジスタC−RGLの音高デー
タが現在調査中の音源モジュール制御用レジスタの音高
指定レジスタbの音高データと等しいか否かを判断す
る。これにより、現在発音中の楽音のフレット位置が引
き続いて操作されたままの状態のもとで、そのフレット
位置よりも高音側のフレット位置が新たに操作されたこ
とによるロールオーバであるか否かを判別する。
【0031】この結果、上記低音高用指定レジスタC−
RGLと音高指定レジスタbの内容が等しく、したがっ
て、発音中の楽音のフレット位置が引き続いて操作され
たままの状態のもとで、より高音側のフレット位置が新
たに操作されたことによるロールオーバであると判別さ
れたとき(この場合は、最高音用指定レジスタC−RG
Hに、対応する音高の音高データが記憶されることとな
る。)は、ハンマリング・オン奏法が行われたものと擬
制して、処理V6〜V9を実行する。すなわち、処理V
6で、低音高用指定レジスタC−RGL中の音高データ
をクリアし、着目している音源モジュールが発音してい
る楽音を急速消音するとともに、その音源モジュールに
対する制御用レジスタをクリアして、その音源モジュー
ルが空になったことを示す。そして、次の処理V8で、
音源モジュール割り当て用レジスタLASTMDに音源
番号レジスタD−RGの値、すなわち、急速消音した音
源モジュールNO.を書込む。次に、処理V9で図9
(B)に示したアサイン・発音処理を行う。すなわち、
処理V9では、空きになっている音源モジュールを探
し、その音源モジュールに対し最高音用指定レジスタC
−RGH中の音高データにしたがって、その音高データ
に対応した音高の楽音の発音を新たに開始させる。この
発音開始により、アタックの付いた楽音が新たに得られ
ることとなる。したがって、図1(C)に示すように、
A音高の楽音の発音中に、何んらのピッキングを行わな
くとも、アタックのついたB音高の楽音の発音を新たに
得ることができ、そのため、ハンマリング・オン奏法を
行った場合と同様な効果を奏することができる。なお、
この時、ハンマリング・オン奏法時に発生し得るノイズ
と同様な効果を得るため、A音高の楽音の急速消音開始
時点から、ノイズ音を併せて発音するようにすれば、よ
り一層、ハンマリング・オン奏法と同様な効果を得るこ
とができる。
【0032】判別V5で、ロールオーバへの変化があっ
ても、その変化がハンマリング・オン奏法を行ったもの
でないと判断された場合、すなわち、現在発音中のフレ
ット位置が引き続いて操作されたままの状態で、より高
音側のフレット位置が新たに操作されたものによるもの
でないと判別されたときは、処理V10で、現在発音中
のフレット位置に対応する音高データを記憶している低
音高用指定レジスタC−RGLをクリアした後、判別V
11に進む。また、判別V4で、フレット変化がロール
オーバへの変化でないと判別されたとき(現在発音中の
フレット位置から、別なフレット位置に操作位置を変更
したものと判別されたとき)は、直ちに判別V11に進
む。判別V11では、フレット変化が開放弦フレット位
置への変化であるか否かを判別し、開放弦フレット位置
への変化でないと判別されたときは、スライディング奏
法かが行われたものと擬制して、処理V12にて、現在
発音中の楽音を直ちに急速消音することなく、その楽音
の音高をレジスタC−RGH中の音高データの音高に変
更する。すなわち、図1(A)の(e)に示すように、
現在発音中の楽音の周波数(音高)を、新たにアタック
をかけることなく、変更先のフレット位置に対応する周
波数に変更する。一方、フレット変化が開放弦フレット
位置への変化であると判別されたときは、処理V13に
て、現在発音中の楽音を、直ちに急速消音する。この消
音は、発音中(振動中)のフレット弦から指を離弦する
と、フレット弦の振動弦長は急激に長くなり、そのた
め、振動エネルギを多く費やすことにより、弦振動は急
激に抑止され、弦の発音は急速に消音するという弦の消
音作用と同様の効果をもたらす。
【0033】なお、本実施例では、上記のような態様す
なわち、所定のフレット位置が操作されている状態のも
とで、ロールオーバがされた場合に、ハンマリング・オ
ン奏法であると擬制したが、例えば、図1(C)に示す
ように、開放弦フレット位置で弦4をピッキング操作
し、それにより開放弦音高の楽音が発音中に、1個また
は複数のフレットスイッチFSWが指F2にてオンされ
た場合にも、ハンマリング・オン奏法と擬制しても良
い。また、例えば、図1(B)に示すように、所定のフ
レット位置が指F1にて操作されている状態のもとで、
指F2、F3が順次押圧操作されていったような場合に
も、上述した奏法(これを、「ハンマリング・オン連
続」という。)が行われたものとみなして、同様な楽音
効果を奏するようにしてもよい。
【0034】
【考案の効果】以上説明したように、この考案は、楽音
の発生中に前記フレット状態感知手段が検出中の第1の
フィンガリング操作位置を検出している状態で新たに異
なる第2のフィンガリング操作位置を検出した場合、
たに検出された前記第2のフィンガリング操作位置が前
記第1のフィンガリング操作位置に対応する音高より高
音の音高を示す操作位置である時という判断をもって、
前記発生中の楽音を消音して新たなフィンガリング操作
位置に対応する音高の楽音を発生させるよう指示するよ
うにしたので、1回のピッキングに基づいてある楽音を
発生中に、新たなピッキングを行なうことなく、その変
更後のフレットに対応する音高で新たに楽音を発生させ
ることができ、伝統的な弦楽器においてハンマリング・
オン奏法を行なった場合に得られるのと同様な楽音を得
ることかできる。特に、新たに検出された前記第2のフ
ィンガリング操作位置が前記第1のフィンガリング操作
位置に対応する音高より高音の音高を示す操作位置であ
る時という判断をもってハンマリング・オン奏法の楽音
発生を制御しているので、誤動作を起こすこと無く確実
にハンマリング・オン奏法の楽音発生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の作用例を説明するための図。
【図2】この考案の一実施例に係る電子弦楽器の全体斜
視図。
【図3】フレットスイッチの構成例を示す断面図。
【図4】弦トリガースイッチの構成例を示す断面図。
【図5】全体回路構成図。
【図6】マイクロコンピュータのジェネラルフローを示
す図。
【図7】弦トリガー検出処理の詳細なフローチャート
図。
【図8】音源制御用レジスタを示す図。
【図9】図7等におけるアサイン・発音処理の詳細なフ
ローチャート図。
【図10】フレット状態変化処理の詳細なフローチャー
ト。
【図11】図10におけるアサイン・発音処理の詳細な
フローチャート図。
【穂号の説明】
1 胴部 4 弦 8 フィンガーボード 30 マイクロコンピュータ 60 楽音発生回路 TSW 弦トリガースイッチ FSW フレットスイッチ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体に設けられたフィンガーボード上にお
    いて複数本の弦の夫々に属する複数のフィンガリング操
    作位置のうち、演奏者が指定したフィンガリング操作位
    置を検出するフレット状態感知手段と、前記複数本の弦のうち演奏者により操作された弦を検出
    することにより 楽音の発生開始の指示を検出する弦トリ
    ガー検出手段と、 この弦トリガー検出手段が楽音の発生開始の指示を検出
    すると、前記フレット状態感知手段が検出している第1
    のフィンガリング操作位置に対応する音高の楽音を発生
    させるよう指示する指示手段と、 楽音の発生中に前記フレット状態感知手段が前記第1の
    フィンガリング操作位置を検出している状態で、前記第
    1のフインガリング操作位置が属する弦と同じ弦に属す
    る第2のフィンガリング操作位置を新たに検出した場
    合、新たに検出された前記第2のフィンガリング操作位
    置が前記第1のフィンガリング操作位置に対応する音高
    より高音の音高を示す操作位置である時に、前記発生中
    の楽音を消音して新たなフィンガリング操作位置に対応
    する音高の楽音を発生させるよう指示する楽音制御手段
    とを具備したことを特徴とする電子弦楽器。
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