JP2526126Y2 - 電子弦楽器 - Google Patents

電子弦楽器

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JP2526126Y2
JP2526126Y2 JP1987200152U JP20015287U JP2526126Y2 JP 2526126 Y2 JP2526126 Y2 JP 2526126Y2 JP 1987200152 U JP1987200152 U JP 1987200152U JP 20015287 U JP20015287 U JP 20015287U JP 2526126 Y2 JP2526126 Y2 JP 2526126Y2
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【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、張設された複数の弦の弾弦操作に基づい
て楽音を発生させる電子弦楽器であって、移調機能を備
えた電子弦楽器に関する。
[従来の技術] 従来のこの種の移調機能を備えた電子弦楽器について
は、例えば特表昭60-501276号公報に記載されている。
上記公報記載の電子弦楽器では、その弦楽器本体に張
設された各弦に対して独立して設けられたステップアッ
プボタン及びステップダウンボタンの操作により、各弦
ごとに、設定されている音階音状態を半音単位でアップ
またはダウンすることができると共に、それらの新しい
チューニング状態、つまり、各弦ごとの移調状態を複数
組メモリさせておき、演奏前または演奏途中において、
ワンタッチで呼び出すことのできる手段を備えている。
更に、その電子弦楽器では、移調切換を行うタイミン
グを決めるスイッチとして、再トリガオンスイッチと再
トリガオフスイッチとが設けられており、演奏中に再ト
リガオンスイッチを押すと、メモリから呼び出された移
調状態に、現在発音中の楽音の音高が変更されるととも
に、その楽音は、全く新しいアタックが付与された状態
で再発音されるよう切換わる。一方、再トリガオフスイ
ッチを押すと、現在発音中の楽音の音高が変更されるの
みであって新しくアタック付きで発音され直すものでは
ない。
いずれにしても上記従来の電子弦楽器においては、演
奏中に移調切換スイッチを操作すると、現在発音中の音
高がその操作に応答して変更されてしまう不都合があ
り、演奏上好ましくない音高変更状態となる。
すなわち、第13図は上記従来の電子弦楽器における移
調(トランスポーズ)切換スイッチを切換動作させた場
合を示すフローチャートであるが、同図のステップ131
においてトランスポーズ切換スイッチに操作変化が有る
か無いかを判断し、NOの場合はメインフローへリターン
し、YESの場合はステップ132において現在発音中の楽音
の音高を、新しく移調(設定)された音高へ音高変更さ
せる変更処理を行い、ステップ133でトランスポーズス
イッチの選択情報を所定のレジスタへメモリさせ、その
後、後述する(第4図に示す)メインフローへ戻る。
このように、上記従来の電子楽器では、演奏中に転調
等の必要性から、演奏者がトランスポーズ切換スイッチ
を切換えて移調させようとすると、現在発音中の楽音の
音高も同時に移調され、つまり音高が変更されてしまう
のである。そのため、演奏途中で不必要な音高変更が生
ずる結果、演奏上不都合が生じる。したがって演奏中に
別なや移調状態に変更させる場合は、一旦、現在発音中
のすべての楽音をミュートスイッチ等の操作によって消
音し、その後トランスポーズ状態を切換えてから新しい
移調させた音高で楽音を演奏しなければならないことに
なり、演奏が極めて難しいという問題点があった。
[考案の目的] この考案は上述した問題点を解決するためになされた
もので、その目的は、演奏者が演奏中に移調するため
に、移調選択手段を切換えた際には、その切換え前の弾
弦操作により発音中の楽音の音高はそのまま変更される
ことがなく、その切換え後の弾弦操作により発音させる
楽音の音高を変更させて、演奏途中で不必要な音高変更
が生ずることなく移調が可能な電子弦楽器を得ることで
ある。
[考案の要点] この考案は、上記目的を達成するため、演奏中に、移
調のために、移調選択手段によって新しい移調状態が指
定された場合、その指定前の演奏者による弾弦操作に応
答して発生させている楽音の音高は、そのままの音高で
発生させ、他方、その指定後、弾弦操作に応答して新た
な発生されるべき楽音の音高は、指定された新しい移調
状態による音高に変更して発生させるように制御手段に
より制御することを要点とする。
[作用] この考案は上述のように構成したので、演奏前に予め
各弦ごとに独立して、または全弦一律に、その時点で先
に設定されている音程を移調し、その新しい移調状態の
複数個の組合わせを記憶させておく。そして演奏時に
は、移調選択手段を切換えて所望の一組の組合せを選択
的に指定して各弦の音程を変更する。いま、演奏途中
で、この移調選択手段によって上記指定を行った場合に
は、その選択的な指定前に弾弦操作に応答して発生され
ている楽音の音高は、そのまま変更させることなく、移
調選択手段にて選択的な指定前において設定されている
ままの移調状態による音高で発生させ、他方、選択的な
指定後に、弾弦操作に応答して新たな発生されるべき楽
音の音高は、移調選択手段にて選択的な指定後において
設定された新たな移調状態による音高で発生させるよう
に制御手段によって制御する。したがって、移調選択手
段により選択指定がなされた際に、既に発音中の楽音が
その発音途中において音高を変更されてしまうという事
態を未然に防止することができる。
[実施例] 以下図面を参照しながらこの考案の実施例について述
べる。
〈構成〉 第1図はこの考案の実施例に係る電子弦楽器の全体外
観図、第2図は同じく全体回路構成図、第3図は同じく
トランスポーズ切換スイッチ部配置図であり、各図にお
いて同一の参照符号を付したものは同一の機能を有する
ものを示す。
第1図において、電子弦楽器の本体はボディ1とネッ
ク2とヘッド3とから成るギターの形状を有し、その長
さ方向には演奏用の複数の弦4が張設されている。また
ボディ1には、音色を選択するための音色選択スイッチ
部5a、楽音をミュートするミュートスイッチ5bなどが配
設されている。弦4はその一端がヘッド3に設けられた
ペグ6に調節可能に支持され、その他端はフィンガーボ
ード7上を延び、弦トリガースイッチTSWを含む弦トリ
ガー検出部11内に固定されている。このフィンガーボー
ド7には音高指定用のフレットスイッチFSWをマトリク
ス状に設けたフレットスイッチ部12Aが設けられてお
り、フレット12間の弦4をフィンガーボード7に向って
押圧することにより、対応するフレットスイッチFSWが
オンする。
一方、弦4を弾奏すると、各弦独立した弦トリガース
イッチTSWがオンし、そのトリガー情報に基づき、第2
図に示すように、電子弦楽器に内蔵された移調切換手段
及び制御手段としてのCPU13の処理動作により、楽音発
生回路14が音色選択スイッチ部5aの選択により選択され
た所定の音色の楽音を発生し、スピーカSPを含む楽音出
力装置15を経て楽音として放音される。
次に、この実施例の構成における特徴である移調機能
に関する構成について、前述した第2図、第3図及び第
7図に示すトランスポーズメモリ・メモリ状態図1並び
に第9図に示すトランスポーズメモリ・メモリ状態図
2、更に第10図に示すノーマル状態・トランスポーズ状
態音程図を参照しながら述べる。
8はトランスポーズ切換スイッチ部であり、それは、
トランスポーズ切換スイッチ、すなわち書込みスイッチ
(WR)8−1、トランスポーズの4種類の選択スイッチ
(4)8−2、(3)8−3、(2)8−4、(1)8
−5、キャンセルスイッチ(C)8−6及びモードスイ
ッチ8−7、更にオクターブダウンスイッチ(DOWN)8
−8から成る。
モードスイッチ8−7は、トランスポーズデータを設
定するために用いられるスイッチであり、設定モード状
態において、ある弦4を弾弦操作すると、その際押さえ
られているフレット12に対応する音高と、その弦4の開
放弦音高との間の音程の差、つまり移調の大きさ(音程
差)がトランスポーズメモリ16の所定のアドレスにセッ
トされる。すなわち、上記弾弦操作によって得られた特
定の音高と、トランスポーズメモリ16において、第9図
の第9−1図に示すようにキャンセルスイッチ(C)8
−6に対応する100〜105番地のエリアにメモリされてい
る開放弦音程との音程差が、第7図に示すトランスポー
ズメモリ・メモリ状態表1のようにトランスポーズメモ
リ16の600番地以降のエリア(トランスポーズ変更デー
タ書込みバッファ)にセットされる。その設定例は第10
図に示すノーマル状態・トランスポーズ状態音程表に示
されている。また、設定例としてオクターブダウンスイ
ッチ(DOWN)8−8を用いる場合もある。
トランスポーズ選択スイッチ(4)8−2〜(1)8
−5は、上述のように、設定モードによって設定された
移調データの、トランスポーズメモリ16における格納エ
リアを選択するためのスイッチである。
また、書込みスイッチ(WR)8−1は、設定モードに
おいて設定された移調データを、上記のようにトランス
ポーズ選択スイッチ(4)8−2〜(1)8−5により
選択されたトランスポーズメモリ16における格納エリア
に移す際に用いられるスイッチである。この書込みスイ
ッチ(WR)8−1をオンとし、いずれかのトランスポー
ズ選択スイッチ(4)8−2〜(1)8−5をオンとす
ると、先の設定モード状態において設定された移調デー
タが、トランスポーズ選択スイッチ(4)8−2〜
(1)8−5に割当てた格納エリアに移されて登録され
る。
この実施例に係る電子弦楽器の演奏中に、トランスポ
ーズ選択スイッチ(4)8−2〜(1)8−5をオンす
ると、対応する移調データが選択されてワンタッチで呼
び出され、演奏時の弾弦操作により弦トリガーされた弦
のフレットに対応する音高データ(フレットオンデー
タ)が、移調データの分だけシフト(移調)され、この
シフトされたフレットオンデータに対応する音高で楽音
が放音される。
〈動作〉 次にこの実施例の動作を、マイクロコンピュータのCP
U13の処理動作を中心に述べる。
第4図はCPU13のメインフローチャート図であり、電
源が投入されると、CPU13はまず、ステップG1にてイニ
シャライズ処理を行い、続いてステップG2からG8までの
処理を繰り返す。ステップG2では、弦トリガ検出部11よ
りの弦トリガー信号に基づき各弦のトリガの有無、すな
わち、どの弦を弾弦操作したか否かを判別する。ステッ
プG3ではフレットスイッチ部12の各フレットスイッチの
状態を読み込む。そしてG4で、新たなフレット状態の変
化、すなわち音高指定の変化があったか否かを判断し、
変化有りの場合は、ステップG5にてフレット状態変化処
理、すなわち、上記フレットスイッチで指定されている
音高の楽音を発音させるか、あるいは発音中の楽音を消
音させるかの処理を行う。次にステップG6においてトラ
ンスポーズ切換スイッチ部8、音色選択スイッチ部5a等
のパネルスイッチの状態を読み込み、ステップG7でその
パネルスイッチの状態変化を判別し、変化が有った場合
は、ステップG8において、所要の処理、例えば、楽音発
生回路14に対し、上記トランスポーズ切換スイッチ部8
による移調操作に対応した音程変更や音色選択スイッチ
部5aによる音色選択操作に対応した音色変更、あるい
は、イフェクト等の設定処理を行う。
以下この実施例の電子弦楽器のCPU13の処理動作にお
いて特に移調切換手段及び制御手段の動作について第5
図〜第11図を参照しながら説明する。
まずこの電子弦楽器のトランスポーズ切換スイッチ部
8における移調処理選択のためのモードスイッチ8−7
の変化状態のスキャンについて、第5図のモードスイッ
チ・スキャンフローチャートにより述べる。ステップ5
−1でモードスイッチがオンされているか否かを判断
し、YESならばステップ5−2でモードフラグが0か否
かを判断し、YESならばステップ5−3においてモード
フラグを1にセットしモードスイッチがオンされている
ものとしてメインフローに戻る。ステップ5−1でNOな
らばステップ5−4でモードフラグが0か否かを判断
し、YESならばステップ5−2でNOの場合と同様にメイ
ンフローに戻る。ステップ5−4でNOならばステップ5
−5でモードフラグを0にセットしてメインフローに戻
る。
次にトランスポーズ情報すなわちフレット情報とトラ
ンスポーズ変更データとの書込みについて第6図のトラ
ンスポーズ情報書込みフローチャートにより述べる。ま
ずステップ6−1において、トランスポーズ切換スイッ
チ部8におけるモードスイッチ8−7がオンされている
か否か、つまりモードフラグが1にセットされているか
否かを判断し、NOのときはそのままメインフローへリタ
ーンし、YESのときはステップ6−2においてフレット
処理すなわち開放弦の音程を設定する処理を実行する。
ここで開放弦の音程としたいフレットを押えてフレット
スイッチFSWをオンしながら、弾弦操作してトリガース
イッチTSWをオンすることにより、そのフレットの音程
が開放弦の音程となる。この際のフレットはどの弦のど
のフレットでもかまわないが、もし複数のフレットが押
された場合には各フレットのうちの最高音程をその状態
でのトリガ入力された弦の開放弦の音程と判定して、そ
の音高を第7図のトランスポーズメモリ・メモリ状態図
1のようにトランスポーズメモリ16における1000番地に
メモリする。逆にどのフレットも押さえられていない場
合は、トリガ入力された弦の開放弦の音程は、ノーマル
状態として、その音程0を同じくトランスポーズメモリ
16の1000番地へメモリする。次にステップ6−3で第1
弦のトリガが有ったか否かを判断し、YESのときは第7
図のトランスポーズメモリ・メモリ状態図1のように、
トランスポーズメモリ16の600番地に、第1弦開放弦音
高E4と先にメモリした1000番地の音程との間の音程差
の値をメモリする。そしてステップ6−5において同様
の処理を第2弦〜第5弦について実行し、ステップ6−
6で残りの第6弦に対してトリガが有ったか否かを判断
し、NOのときはメインフローに戻り、YESのときはステ
ップ6−7において、同様にトランスポーズメモリ16の
605番に第6弦開放弦音程E2と共にメモリした1000番地
の音程との差をメモリする。なお、移調していないノー
マル状態でこの実施例の最低音程は第6弦開放弦である
が、もしこの音程より低い音程を設定したい場合は、ト
ランスポーズ切換スイッチ部8におけるオクターブダウ
ンスイッチ8−8をオンし、設定したい音程よりオクタ
ーブ高いフレットを押さえながら、第6弦を弾奏してト
リガ入力することによりノーマル状態より低い音程の設
定が可能となる。
続いて第8図に示すトランスポーズ切換スイッチ・デ
ータ、すなわち各弦の移調状態の組合せの書込みフロー
チャートについて述べる。まずステップ801においてト
ランスポーズ切換スイッチ部8における書込みスイッチ
(WR)8−1がオンされているか否かを判断し、NOなら
ばメインフローに戻り、YESならばステップ802へ進み第
1選択スイッチ(1)805が選択されているか否かを判
断し、YESならばステップ7−3において、トランスポ
ーズメモリ16の600番地〜805番地のデータを200番地〜2
05番地へ移動し、第9図トランスポーズメモリ・メモリ
状態図2の第9−2図のような各弦の移調状態をメモリ
させてステップ7−4へ進む。ステップ7−2でNOなら
ば、ステップ804へ進み、今度は第2選択スイッチ
(2)8−4が選択されているか否かを判断し、YESな
らばステップ7−5で同様に600番地〜605番地のデータ
を300番地〜305番地へ移動し、第9〜3図のような各弦
の移調状態をメモリさせる。第3選択スイッチ(3)8
−3が選択された場合も同様な処理を行い、第9−4図
のような各弦の移調状態をメモリさせる。ステップ806
においても同様に第4選択スイッチ(4)8−2がオン
されているか否かを判断し、YESのときはステップ7−
7で600番地〜605番地のデータを500番地〜505番地へ移
動し、第4選択スイッチ(4)8−2に対応して設定し
た移調状態(図示せず)をメモリさせておく。ステップ
808ではキャンセルスイッチ(C)8−6がオンされた
場合はNOP(ノー・オペレーション)としてデータの移
動は行わず、つまりノーマル状態として移調は行わない
ものとする。
次にトランスポーズ状態の読み出しモードについて述
べる。いま、各弦のトランスポーズ状態が例えば第10図
に示すノーマル状態・トランスポーズ状態音程図の第10
−1図〜第10−4図に示すようにトランスポーズメモリ
16に書込まれているものとする。すなわち、トランスポ
ーズ切換スイッチ部8におけるキャンセルスイッチ
(C)8−6には第10−1図の状態が、同じく第1選択
スイッチ(1)8−5には第10−2図の状態が、同じく
第2選択スイッチ(2)8−4には第10−3図の状態
が、同じく第3選択スイッチ(3)8−3には第10−4
図の状態が記憶されているものとする。なお、第4選択
スイッチ(4)8−2に対応する状態は図示していな
い。
ここでキャンセルスイッチ(C)8−6が選択されて
いると、ノーマル状態つまり移調されていない状態での
演奏を行うことができることになる。
次に、例えば第1選択スイッチ(1)8−5がオンさ
れている場合には、各弦の開放弦フレット位置での音高
は第10−2図に示すように第6弦から第1弦へ向って順
にC2、C3、E3、G3、C4、E4と設定されている。し
たがって、このような状態の設定下で開放弦の演奏を行
った場合、フレット操作を行うことなく、Cメジャーコ
ードの演奏が可能となる。全ての弦の第1フレットを押
さえて弾奏すると同じく第10−2図に示すように第6弦
から第1弦へ向って順にC# 2、C# 3、F3、G# 3
# 4、F4と設定しているので、C#メジャー(Dメジ
ャー)コードの演奏ができる。すなわち、この状態で全
ての弦の同一フレットを押さえてフレットスイッチFSW
をオンすることにより各々順に異なるメジャーコードの
演奏が可能となる。
次に同じくトランスポーズ切換スイッチ部8の第2選
択スイッチ(2)8−4が選択切換された場合は、第10
−3図に示すようなトランスポーズ状態が読み出され、
各弦の開放弦フレット位置での音高は第6弦から順に、
2、G3、B3、D4、F4、G4と設定されているので、
前述の場合と同様に、なんらフレットを押えることな
く、開放弦の演奏でG7コードが演奏される。この状態
で全ての弦の同一フレットをオンすることにより他のセ
ブンスコードの演奏が可能となる。
また同様に第3選択スイッチ(3)8−3が選択され
た場合は、第10−4図に示すようなトランスポーズ状態
が設定され、各弦の開放弦フレット位置での音高は第6
弦から順に、E4、B3、G3、D3、A2、E2となり、第
10−1図のノーマル状態と比べて各弦の各フレット位置
に割り当てられた各音高の配列が上下対象的となり、こ
の場合は左ききの演奏者による演奏に好都合な状態であ
る。
第11図はこの実施例の電子弦楽器における楽音の発音
フローチャートを示すものであり、ステップ11−1で各
弦のどのフレットが押されてフレットスイッチFSWがオ
ンとなっているかどうかをスキャンし、次にステップ11
−2では各弦オン状態のフレットのデータをフレットバ
ッファに記憶し、ステップ11−3ではトランスポーズ切
換スイッチ部8の移調状態選択のための第1〜第4の選
択スイッチ8−5〜スイッチ8−2のオン・オフ状態を
判定する。例えば、第1選択スイッチ(1)8−5が選
択されていれば、第8−2図のメモリ状態が選択された
ことになるので、第1弦フレットのオンデータはE4
音高そのままで以下第9−2図のようなデータ変更が実
行される。次にステップ11−4において各弦トリガ・ス
キャンを行い、弾弦操作がなされた弦を走査し、ステッ
プ11−5において、トリガされた弦があればその弦につ
いて先にステップ11−2で記憶させた各々のフレット・
オン・データに基づく音高により発音命令を楽音発生回
路14に送出してメインフローに戻る。
更に第12図はこの考案の実施例におけるトランスポー
ズ切換スイッチ部8において、移調状態選択切換のため
に各選択スイッチ、すなわち第1〜第4の選択スイッチ
(4)8−2〜(1)8−5および、キャンセルスイッ
チ(C)8−6が選択操作された場合の変化処理のフロ
ーチャートである。ステップ12−1で第1〜第4の選択
スイッチ(4)8−2〜(1)8−5およびキャンセル
スイッチ(C)8−6の操作変化の有無を判断し、NOな
らばそのままメインフローへ戻り、YESならば、先に示
した第13図の従来例と異なり、現在発音中の楽音に対し
ては一切その音高の変更すなわち移調(転調)は行わ
ず、ステップ12−2において選択切換された第1〜第4
の選択スイッチ(4)8−2〜(1)8−5およびキャ
ンセルスイッチ(C)8−6に基づく選択情報をレジス
タへメモリしてメインフローに戻る。
〈実施例の効果〉 上述したような実施例に係る電子弦楽器では、各弦ご
とに、その時点で既に設定されている音程を移調させて
その移調された新しい移調状態の複数組をトランスポー
ズ切換スイッチ部8の切換操作によってトランスポーズ
メモリ16にメモリさせておき、演奏中に同じくトランス
ポーズ切換スイッチ部8の第1〜第4の選択スイッチ
(4)8−2〜(1)8−5の切換操作によって、上記
メモリさせた複数組の移調状態のなかから一組の移調状
態を選択的に指定した場合に、その指定前の弾弦操作に
よって発音中の楽音の音高はそのまま変更させず、その
指定後の弾弦操作によって発音させるべき楽音を、その
指定された一組の移調状態に基づく音高で発生させるよ
うに制御手段であるCPU13によって制御することとした
ので、演奏者が演奏中に移調させるために、トランスポ
ーズ切換スイッチ部8における第1〜第4選択スイッチ
(4)8−2〜(1)8−5のいずれかをオン操作した
場合にも、現在発音中の楽音の音高は変更されず、その
オン操作後に弾弦操作して発音させる楽音の音高のみが
変更されることになり、演奏途中で不必要な音高変更に
よる楽音の放音を生ずることがない。
また、上記トランスポーズメモリ16にメモリさせた複
数組の移調状態をトランスポーズ切換スイッチ部8の選
択スイッチ(4)8−2〜(1)8−5をワンタッチで
選択し切換えながら、例えば開放弦ピッキング、あるい
はまた、各弦の同一フレットを例えば一本の指で押えて
ピッキングするだけで全ての種類のコードのコード演奏
ができるのであって、コード選択のために、開放弦も含
む極めて簡単なフレット押えによる指使いにより、か
つ、弦楽器本体に設けたスイッチのワンタッチによる切
換操作のみで極めて容易にコード演奏が可能となる。
〈変形例〉 なお、上述した実施例における、各弦の移調状態及び
その組合せはあくまでも一例であり、また、トランスポ
ーズ切換スイッチ部等の配置や構造は実施例に限定され
るものではない。
また、上述した実施例では、各弦ごとに独立して移調
させた移調状態を設定するようにしたが、全弦一律に移
調させた移調状態を設定して記憶させるようにすること
も可能である。
[考案の効果] 以上詳述したように、この考案の電子弦楽器は、移調
設定手段により設定されている複数組の移調状態のなか
から、移調選択手段にて一組の移調状態が演奏中に選択
的に指定された場合、その選択的な指定前に弾弦操作に
応答して発生されている楽音の音高は、そのまま変更さ
せることなく、既に設定されているままの移調状態によ
る音高で発生させ、他方、移調選択手段にて選択的な指
定がなされた後に、弾弦操作に応答して新たな発生され
るべき楽音の音高は、その指定後において設定された新
たな移調状態による音高で発生させる構成としているの
で、演奏中に移調(転調)を行うために移調選択手段で
選択切換えがなされた場合に、演奏者が現在発音中の楽
音に対し、ミュート操作をしなくても不必要な音高で楽
音が発生する事態を防止することができ、次の弾弦操作
に応答して発生された楽音に対してのみその音高を所望
の移調に変更して発生させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の実施例に係る電子楽器の全体外観
図、第2図は同じく全体回路構成図、第3図は同じくト
ランスポーズ切換スイッチ部配置図、第4図は同じくメ
インフローチャート図、第5図は同じくモードスイッチ
・スキャンフローチャート図、第6図は同じくトランス
ポーズ情報書込フローチャート、第7図は同じくトラン
スポーズメモリ・メモリ状態図1、第8図は同じくトラ
ンスポーズ切換スイッチ・データ書込フローチャート
図、第9図は同じくトランスポーズメモリ・メモリ状態
図2、第10図は同じくトランスポーズメモリにメモリさ
れるノーマル状態・トランスポーズ状態音程図、第11図
は同じく発音フローチャート図、第12図は同じくトラン
スポーズ切換スイッチ変化処理フローチャート図、第13
図は従来例の電子弦楽器におけるトランスポーズ設定ス
イッチ切換フローチャート図である。 4……弦、8……トランスポーズ切換スイッチ部、8−
1〜8−7……トランスポーズ切換スイッチ、11……弦
トリガー検出部、12……フレット、12A……フレットス
イッチ部、13……CPU、14……楽音発生回路、16……ト
ランスポーズメモリ、FSW……フレットスイッチ、TSW…
…トリガースイッチ。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】張設されている複数の弦に対する弾弦操作
    に応答して、演奏者の音高指定操作により指定されてい
    る音高で楽音を発生させる電子弦楽器において、 各弦ごと、または全弦一律に、設定されている音程を移
    調させ、その移調された新しい移調状態を複数組設定可
    能な移調設定手段と、 この移調設定手段により設定されている複数組の移調状
    態のなかから一組の移調状態を選択的に指定可能な移調
    選択手段と、 この移調選択手段にて上記一組の移調状態が演奏中に選
    択的に指定された場合、その選択的な指定前に上記弾弦
    操作に応答して発生されている上記楽音の音高は、その
    まま変更させることなく、上記移調選択手段にて選択的
    な指定前において設定されているままの移調状態による
    音高で発生させ、他方、上記選択的な指定後に、上記弾
    弦操作に応答して新たに発生されるべき上記楽音の音高
    は、上記移調選択手段にて選択的な指定後において設定
    された新たな移調状態による音高で発生させるように制
    御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする電子弦楽器。
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