JP2508412B2 - 液体容器の電動注出装置 - Google Patents

液体容器の電動注出装置

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JP2508412B2
JP2508412B2 JP3014484A JP1448491A JP2508412B2 JP 2508412 B2 JP2508412 B2 JP 2508412B2 JP 3014484 A JP3014484 A JP 3014484A JP 1448491 A JP1448491 A JP 1448491A JP 2508412 B2 JP2508412 B2 JP 2508412B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電動ポット等の各種液体
容器の電動注出装置に関し、詳しくは内容液を器体外に
導く注出路と、この注出路を通じて内容液を外部に注出
する電動ポンプとを備えた液体容器の電動注出装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の電動注出装置は、例えば実開昭
62−130522号公報(1)、実開平1−5952
9号公報(2)で知られている。
【0003】(1)の公報に記載のものは、電磁空気ポ
ンプを用いている。(2)の公報に記載のものは、液体
ポンプを用いている。
【0004】電磁ポンプ使用のものは、電磁空気ポンプ
によって加圧空気を器体内に送り込み、内容液を加圧す
る。これにより加圧された内容液は器体に接続されてい
る注出路を通じて器体外に押し出され、外部に注出され
る。
【0005】液体ポンプ使用のものは、器体に接続され
た注出路の基部側途中の部分に液体ポンプを設け、器体
から注出路に流入してくる内容液を液体ポンプによって
注出路の注出口側に送り出し注出する。
【0006】何れの場合も、ポンプを動作させるスイッ
チをオン操作するだけで内容液を注出することができ、
オフ操作することにより注出を即座に停止することがで
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしスイッチのオン
操作は電動ポンプを働かせるためだけのもので、内容液
を自動注出する際の注出流量は常に一定とされている。
このため注出流量は少量の注出時で注出開始後の比較的
早い時期に注出を停止したい場合に即座に注出を停止さ
せられる程度に設定される。
【0008】したがって内容液を大量に注出したい場合
は、注出流量が少なすぎ長い時間掛かってしまう。
【0009】これを解消するのに、注出流量を多く設定
すると、少量の注出の場合注出から早期の時点で注出を
停止するのに、停止し切れず過剰注出になりやすい。ま
た注出流量を設定する別装置を設けるのでは、構造およ
び操作が複雑になり高価で使いにくいものとなる。
【0010】一方、特開平2−243117号公報は、
圧力センサを内溶液の注出操作部として用い、圧力セン
サに印加された圧力を電圧に変換し、この電圧を電動ポ
ンプに印加してこれを駆動するものを開示している。
【0011】これによると、圧力センサの押圧の強さに
よって内溶液を注出するときの流量を簡易に調整するこ
とができる。
【0012】しかし、これでは、圧力センサの押圧度合
いの微妙な違いも、そのまま電動ポンプの回転数の違い
に現れ、操作者の意図とは関係なく注出流量が細かに変
動してしまい、却って戸惑い使用しにくいものとなる。
【0013】そこで本発明は、圧力センサによる注出流
量を調節しながらの内容液の注出が、前記のような戸惑
いの原因となる細かな変動なしに達成することができる
液体容器の電動注出装置を提供することを課題とするも
のである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記のような課題を達成
するため、内容液を器体外に導く注出路と、この注出路
を通じて内容液を外部に注出する電動ポンプとを備えた
液体容器の電動注出装置において、注出操作部として押
圧力を電気信号に変換する圧力センサを備え、この圧力
センサの電気信号が各所定値に至る毎に、注出流量を段
階状態に所定流量変動させるように電動ポンプの駆動を
制御するようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
【作用】本発明の上記構成によると、圧力センサを押圧
操作すると、圧力センサは押圧操作力に応じた電気信号
を出し、この電気信号に応じた注出流量を得るように電
動ポンプの駆動を制御するが、この制御を、圧力センサ
の電気信号が各所定値に至る毎に、注出流量を段階状態
に所定量変動させるように行うので、圧力センサの少し
の押圧力の変動によっては、電動ポンプの駆動状態は変
動せず、操作者が注出流量の調節を意識して変化させよ
うとしたときのハッキリした、所定値毎に押圧変動に
応答して、注出流量を段階状態に所定流量変動させるの
で、従来の、圧力センサの押圧度合いの微妙な違いが、
そのまま電動ポンプの回転数の違いに現れ、操作者の意
図とは関係なく注出流量が細かに変動してしまい、却っ
て戸惑い使用しにくい、と云った問題を解消し、戸惑い
のない使用し易いものとなる。
【0016】
【実施例】図1〜図8に示す本発明の一実施例について
説明する。本実施例は図1に示すように、注出路7に設
けた電動ポンプ14によって内容液を注出するようにし
た形式のものを示している。本発明はこれに限らず他の
形式の電動ポットにも適用される。
【0017】注出路7は、器体6を構成する外装ケース
1およびこの外装ケース1に収容している内容器2の相
互間に位置し、内容器2の底部に接続されている。注出
路7は内容器2と外装ケース1との間で立ち上がり、器
体6の外装ケース1および内容器2の各口部相互を連結
している肩部材8の前部に有している嘴状突出部9の内
側に達し、この位置にて吐出口11が下向きに開口して
いる。
【0018】嘴状突出部9の下端開口を閉じる蓋板12
に前記吐出口11から流出する内容液を一旦大気に解放
して受入れ、静かに下方に案内する注液管13が設けら
れている。
【0019】注出路7の内容器2よりも下位となってい
る部分に前記電動ポンプ14が設けられ、注出路7に流
入する内容液を注出路7を通じて注出する。注出路7の
吐出口11よりも少し上流側に弁室16を設けてこれに
転倒時止水弁15を収容している。
【0020】内容器の底部下面にはヒータ3が添え付け
られ、内容液を沸騰させ、また所定の保温温度に保つよ
うに適宜加熱される。4は温度センサ、5は回路基板で
あり、温度センサ4による温度情報をもとにヒータ3を
通電制御し、また前記電動ポンプ14をポンプ動作スイ
ッチとしての圧力センサ21の押圧操作に応じて働かせ
る。
【0021】なお器体6の上端には蓋31が設けられて
いる。蓋31は後部が肩部材8の軸受部32に軸33に
よって開閉可能に枢支され、バネ41によって開き方向
に付勢されている。
【0022】蓋31の下面には内容器2の開口をシール
パッキング35を介して閉じる内蓋34が設けられてい
る。蓋31の前部には蓋31を閉じ状態にロックするロ
ック部材36と、このロック部材36のロックを解除す
るロック解除部材37と、ロック解除部材37の不用意
なロック解除操作を阻止する係止部材38とが設けられ
ている。
【0023】蓋31の内蓋34の裏側には内容器2内で
発生する蒸気を蓋31外に逃がす蒸気抜き通路39が設
けられている。40は蒸気抜き通路39に設けられた転
倒時止水弁である。
【0024】前記圧力センサ21は図1、図2に示すよ
うに、肩部材8の前部斜面に設けられた操作パネル22
の注出操作キー23の下に位置し、注出操作キー23に
よる押圧力に応じた電気信号を出し、この電気信号があ
ることをオン信号として電動ポンプ14の駆動が開始さ
れる。
【0025】圧力センサ21は例えば、押圧操作力の変
動に応じて図3に示すように抵抗値が変化し、これに応
じた通電電圧等の変化を得ることができるので、そのよ
うな電気信号の変化によって前記駆動の際に圧力センサ
21の押圧力の変動に応じた使用者の希望している注出
流量の程度を判定し、この判定に応じた所定の流量での
注出が行われるように制御する。
【0026】しかし、単なる制御では、上記従来例の場
合で述べたように、圧力センサの押圧程度の微妙な違い
も、そのまま電動ポンプの回転数の違いに現れ、操作者
の意図とは関係なく注出流量が細かに変動してしまい、
却って戸惑い使用しにくいものとなる。これに対処する
のに本実施例では、後に述べる特別な制御を行う。操作
パネル22には、内容液を再沸騰させまた沸騰状態の持
続により内容液中からカルキをさらに発散させるカルキ
除去のための再沸騰・カルキ除去キー24、湯沸かし開
始時期を設定するためのタイマセットキー25が設けら
れている。操作パネル22にはまた沸騰動作状態を示す
沸騰表示部26、保温動作状態を示す保温表示部27、
カルキ除去の動作状態を示すカルキ除去表示部28、タ
イマ設定時間を表示する時間表示部29が設けられてい
る。
【0027】操作パネル22にはさらに、前記圧力セン
サ21の押圧程度に応じた注出流量の程度を表示する流
量表示部30も設けられている。
【0028】前記圧力センサ21、再沸騰・カルキ除去
キー24、タイマセットキー25、および各種表示部2
6〜30は操作パネル22下の操作回路基板101に装
備されている。注出操作キー23は操作パネル22裏面
の表示部蓋102に保持された弾性体ないし、表示部蓋
102に一体成形された樹脂ばね部として設けられる。
【0029】しかし圧力センサ21がタイマセットキー
25等と同様に直接押圧操作されるようにしてもよい。
この場合操作パネル22自体も省略することも考えられ
る。
【0030】前記回路基板5に装備された制御回路は、
図4に示すように、マイクロコンピュータ51を中心と
するものであり、ヒータ3の交流電源52からトランス
53によって得た低電圧の二次電流を整流回路54で整
流した直流電流によって動作されるようにしてある。前
記ヒータ3をオン、オフするリレー55および電動ポン
プ14は、前記トランス53での中電圧の二次電流を整
流回路56にて整流した直流電流によって動作させるよ
うにしてある。
【0031】マイクロコンピュータ51はスイッチング
トランジスタ61をオン、オフ制御することにより前記
リレー55をオン、オフし、ヒータ3を通電状態にした
り、通電を断ったりする。またマイクロコンピュータ5
1は駆動回路62を制御することにより、電動ポンプ1
4の動作を種々の回転状態に制御する。
【0032】この電動ポンプ14の動作制御は前記した
通り、圧力センサ21のオン信号によって駆動を開始
し、オフ信号によって駆動を停止する他に、前記圧力セ
ンサ21の押圧の程度に応じた電気信号にて、圧力セン
サ21の押圧力に応じた注出流量が得られるようにする
が、特に、この圧力センサ21の電気信号が各所定値に
至る毎に、小流量または大流量から段階状態所定流量
減少または増大変動するように電気ポンプ14の駆動を
制御する。これにより圧力センサ21のオンと同時に内
容液がいきなり定流量にて注出されて、使用者が戸惑
いを感じたり、危険があったりするようなことを回避す
ることができる。
【0033】前記温度センサ4は、前記ヒータ3の通電
制御のために、マイクロコンピュータ31に接続され、
内容器2を介した内容液の温度情報をマイクロコンピュ
ータ31に入力する。マイクロコンピュータ31はこの
温度情報によって、内容液を沸騰させた後、所定温度に
保つ初期加熱を行ったり、再沸騰・カルキ除去キー24
によって設定される再沸騰かカルキ除去のための沸騰持
続を行うように前記ヒータ3を通電制御する。
【0034】また前記圧力センサ21は、前記内容液注
出のためや、この注出の際の注出流量を設定するため
に、マイクロコンピュータ31に接続され、圧力センサ
21の操作の有無、および押圧の程度の電気信号をマイ
クロコンピュータ31に入力する。
【0035】マイクロコンピュータ31にはさらに、前
記各種操作部や各種表示部も接続されているし、前記注
出路7を利用した静電容量方式の液量検出手段71も接
続され、マイクロコンピュータ31を通じて液量表示部
72の各発光ダイオードを液量に応じた数だけ点灯させ
て液量を外部表示するようにしている。この液量表示部
72は器体6の前面に設けてある。
【0036】液量検出手段71は前記注出路7の立ち上
がり部のまわりに設けた電極73と内容液に電気的に通
じる内容器2もしくは金属製の注出管部分との間に内容
液の量に応じて生じる静電容量を検出するものであり、
この検出される静電容量から前記マイクロコンピュータ
31によって液量を演算するようにしている。
【0037】以下前記マイクロコンピュータ31による
制御の一例について、図5、図6に示すフローチャート
に基づき説明する。
【0038】図5はマイクロコンピュータ31による主
な制御のメインルーチンのフローチャートであり、電源
がオンするとまず必要な初期設定の処理が行われた後
(ステップ#1)、各種操作キーの操作信号や、センサ
類の検知信号等の入力の処理が行われる。次いでヒータ
3の通電制御処理、電動ポンプ14の駆動制御処理、各
種表示制御処理、その他の制御処理が順次行われる(ス
テップ#2〜#6)。
【0039】ステップ#3の通電制御処理サブルーチン
において、特別な入力が無い場合は内容液を一旦沸騰さ
せた後所定の温度例えば90℃での保温状態とし、これ
が電源がオフされるまで持続するようにする。
【0040】また再沸騰・カルキ除去キー24がオンさ
れる都度、前記再沸騰表示部とカルキ除去表示部とが交
互に点灯され、再沸騰・カルキ除去キー24の操作を停
止した時点で点灯している表示に対応するモードが設定
され、再沸騰モードであれば、どのような加熱状態であ
れ、内容液を一旦沸騰させた後、所定温度での保温状態
に切り換え、この状態を持続する制御を行う。カルキ除
去モードであれば、どのような加熱状態であれ、内容液
を沸騰させた後この沸騰状態を所定時間持続させて、内
容液中のカルキ等の発散を図り、前記所定時間後、つま
りカルキ除去後通常の保温状態に戻す制御を行う。
【0041】またステップ#4の電動ポンプ14の駆動
制御ザブルーチンにおいて、圧力センサ21が押圧され
て通電状態になると、つまりオンされると、図6に示す
フローチャートにしたがって実行される。
【0042】具体的には圧力センサ21がオンされる
と、この圧力センサ21が押圧される程度に応じて出力
する電気信号、本実施例では圧力センサ21の電圧信号
が所定 値に至る毎に、注出流量のレベルが段階状態をな
5段階中のどのレベルかをデーブル等から判定し、判
定レベルAとしてメモリに格納する(ステップ#11、
#12)。
【0043】なおこのレベルAの各段は図7、図8に示
すように、圧力センサ21の押圧の程度に応じて出力す
る電圧信号の所定値に至る変動ステップに対応し
て、V単位で増大するポンプ駆動電圧V〜Vに対
応し、判定レベルAに応じた電圧を設定する。例えば
所定値のレベル1であれば最小の電圧Vを、また各所
定値のレベル5であれば最大の電圧Vをそれぞれポン
プ駆動電圧とする。
【0044】これによって電動ポンプ14は、圧力セン
サ21の押圧の程度の変化による電圧信号の所定値に
至る変動ステップに対応して段階状態に設定される電圧
により駆動されるので、圧力センサ21の押圧の程度が
所定値に至る毎にこれに対応した回転数の違いが電動
ポンプ14に生じ、内容液を注出する際の注出流量を
階状態に所定流量変動させることができる。したがって
使用者は、スイッチ21を強く押すか、弱く押すかによ
って、注出流量を所定流量加減することができ、多量の
内容液を注出するのに短時間で達成したり、内容液を受
ける器の形状や大きさ、あるいは少しづつ熱湯を注ぎた
いような用途等から内容液をゆっくり少量づつ注出する
ようなことを適宜行える。特に、操作者が注出流量調節
を意図しない程度の小さな押圧力の変動によって注出流
量が微妙に変化して使用者に戸惑いを与え使用しにくい
ものとなるような不都合を解消している。
【0045】なお図7は注出流量レベルAが5の場合
を、また図8は注出流量レベルAが4の場合をそれぞれ
示している。
【0046】そして圧力センサ21の押圧程度の度合い
に応じて各所定値に至る毎に変動する電圧信号に対応し
た判定レベルAは、前記流量表示部30にLEDの点灯
個数によって表示するので(ステップ#13)、使用者
はこの表示を基に希望レベルを設定すればよい。
【0047】また内容液の注出に当たって、設定された
レベルの注出流量に到達するのに、そのレベルの段数に
応じた段階数で所定注出流量が増大して行くようにして
いる。そしてこのような注出流量を段階状態に所定流量
変動させるためには、注出流量の設定の違いにかかわら
ず一定の時間tの間に行うようにしている。これによ
り注出流量が多いことによって所定の注出流量に達する
のが遅くなるようなことなしに、注出開始時点の注出流
量を抑えて安全を図ることができる。
【0048】このような制御のために、所定値として
定レベルAの注出流量を所定時間tにて達成するとき
の、レベル切換えインターバルtを t=t/(A−1) の演算によって得(ステップ#14)、この演算結果を
前記切換時点を設定するタイマTにセットする(ステッ
プ#15)。
【0049】次に注出がまだ行われていないことに対応
して、レベルカウンタAを0にリセットした後、電動
ポンプ14を最低電圧Vにて駆動し、タイマTをスタ
ートさせる(ステップ#17、#18)。
【0050】そしてタイマTが終了するのを待って、注
出流量レベルカウンタAをプラス1して最小レベルの
注出流量での注出が行われたことをカウントし、カウン
ト値Aが設定レベルAに達しているかどうかを判別す
る(ステップ#19〜#21)。
【0051】設定レベルAに達していない場合には、電
動ポンプ14の駆動電圧をV=V+Vとして駆動電圧
を1ステップ増大したVに設定した後、ステップ#1
8〜19に戻って電圧Vでの電動ポンプ14の駆動が
所定時間V行われるようにする。そしてレベルカウン
タAのインクリメントと、設定レベルに達したかどう
かの判定を行い(ステップ#20、#21)、設定レベ
ルAに達するまで、同じ動作を繰返し、注出流量レベル
を段階状態に所定流量増大していく。
【0052】すなわち、圧力センサ21が押圧操作され
るときの押圧力に対応して出力す電気信号が各所定値
に至る毎に、注出流量を段階状態に所定流量変動させる
ように電動ポンプ14の駆動が制御される。注出流量が
所定値をなす設定レベルに達すると、圧力センサ21が
オフされるまで電動ポンプ14の駆動を持続する(ステ
ップ#23、#24)。
【0053】なお前記動作制御では、注出流量を段階状
態に所定流量変動させるのに、駆動電圧の同じステップ
幅にて行っているが、ステップ幅を徐々に増大するよう
に設定してもよいし、前記段階状態の時間間隔も任意に
設定することができる。また前記実施例では注出流量を
電動ポンプの回転数により変化させたが、ポンプの形式
に応じて可能な種々の方法を採用することができる。
【0054】図9、図10は本考案の第2の実施例を示
し、圧力センサ21を押圧操作して内容液を注出するの
に、操作者が内容液の注出状態を見ながら、自身が思っ
ている注出流量に対する過不足を判断し、不足の場合は
押圧を強めれば、所定注出流量のレベルAが増大し、逆
に過剰の場合は押圧を強めれば所定注出流量のレベルA
が減少するようにしている。これによって所定注出流量
の設定が、注出状態を確認しながら操作者の思い通りに
行うことができる。
【0055】図9は押圧力が所定値をなすΔp増減する
ことにより、注出レベルAの設定を、段階状態に1ラン
ク増減して変動するようにした場合を示している。この
処理のために図10に示すように、第1の実施例の制御
フローチャート中に第2の実施例の制御操作(ステップ
#20a〜#20d)を挿入したもである。
【0056】これにつき説明すると、1レベルでの内容
液の注出が終了し、ステップ#20においてレベルカウ
ンタを1インクリメントした後、押圧力がΔpの増減が
あったかどうかを判別する(ステップ#20a、#20
c)。
【0057】押圧力が+Δpであれば設定レベルAを+
1し(ステップ#20b)、押圧力が−Δpであれば設
定レベルAを−1した後(ステップ#20d)、ステッ
プ#21でのレベルカウンタAが設定レベルAに等し
いかを判別するようにしている。これにより注出流量が
段階状態に漸次増大して行くときの所定注出流量が、実
際の注出流量を確認しながら使用者のイメージの通りに
設定される。
【0058】なお前記所定値をなすΔpは一定に設定す
る必要はなく、例えば少ない注出流量のときには小さな
ステップを設定し、注出流量の増大とともに、段階状態
ステップを大きくするようにすると云ったことも可能
である。
【0059】図11〜図14は本発明の第3の実施例を
示している。本実施例は圧力センサ21を、例えば株式
会社東芝社製の「TOSHIBA SILICONE
シルタッチ200」で知られるシート状のセンサを用い
ている。センサ21はそれがシート状であることを利用
して、操作パネル22である樹脂シートの裏面と、この
樹脂シートを下から支持する表示部蓋102の表面との
何れかに貼り合わせて図12に示すように位置させ、圧
力センサ21が表示部蓋102によって下方からバック
アップされるようにしている。
【0060】これによって圧力センサ21は操作パネル
22の上から押圧されると表示部蓋102との間で確実
に押圧され、押圧操作力に応じた電気信号を出すことが
できる。
【0061】前記シート状の圧力センサ21は、このセ
ンサがシート体にシルク印刷と同様な印刷方式によって
形成されたものであり、この印刷手法を利用して前記操
作パネル22としての樹脂シートの裏面に直接形成する
こともできる。これにより部品点数と組立工数とを削減
することができる。
【0062】操作パネル22は他の操作部として再沸騰
のための沸騰キー301を、また表示部として沸騰表示
部26および保温表示部27を持つものの場合を示して
いる。
【0063】本実施例ではまた圧力センサ21の押圧力
に応じた段階状態に所定流量変動させるべく注出流量
を、図13に示すように大、中、小の3段階の段階状態
に設定している。この場合の制御は図14に示す通りで
ある。
【0064】これについて説明するれば、圧力センサ2
1の押圧によって内容液が前記実施例の場合同様に電動
ポンプ14によって自動注出する際、電動ポンプ14の
駆動を、圧力センサ21の信号が2V未満であるとき低
速に設定し、2V以上〜4V未満の場合は中速に設定す
る。また4Vを越えると高速に設定する。
【0065】
【発明の効果】本発明によると、圧力センサの電気信号
各所定値に至る毎に、注出流量を段階状態に所定流量
変動させるように注出流量の調整制御を行い、圧力セン
サの少しの押圧力の変化によっては、電動ポンプの駆動
状態は変化せず、操作者が注出流量の調節を意識して変
化させようとしたときのハッキリした、押圧変動にのみ
応答して、注出流量を段階状態に所定流量変動させる
うにするので、従来の、圧力センサの押圧度合いの微妙
な違いが、そのまま電動ポンプの回転数の違いに現れ、
操作者の意図とは関係なく注出流量が細かに変動してし
まい、却って戸惑い使用しにくい、と云った問題を解消
し、戸惑いのない使用し易いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された電気ポットの場合を示す一
実施例の縦断面図である。
【図2】図1の電気ポットの上半部を示す斜視図であ
る。
【図3】圧力センサの操作押圧力に対する抵抗値の変化
状態を示すグラフである。
【図4】図1の電気ポットの制御回路図である。
【図5】図3の制御回路の主な制御のメインルーチンを
示すフローチャートである。
【図6】図4のポンプ制御処理サブルーチンのフローチ
ャートである。
【図7】ポンプ駆動電圧の段階制御による注出流量の立
ち上がり制御の例を示すグラフである。
【図8】ポンプ駆動電圧の段階制御による注出流量の立
ち上がり制御の別の例を示すグラフである。
【図9】圧力センサの押圧力と注出流量との関係を示す
グラフである。
【図10】圧力センサの押圧力に応じた注出流量を設定
する制御の他の例を示すポンプ制御サブルーチンのフロ
ーチャートである。
【図11】本発明の第3の実施例を示す一部の分解斜視
図である。
【図12】図11の操作パネル部の拡大断面図である。
【図13】圧力センサの抵抗値変化によって得られる電
圧変化に対する注出流量の設定状態を示すグラフであ
る。
【図14】図13の注出流量設定による注出動作処理サ
ブルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
2 内容器 5 回路基板 6 器体 7 注出路 14 電動ポンプ 21 圧力センサ 22 操作パネル 23 注出操作キー 51 マイクロコンピュータ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内容液を器体外に導く注出路と、この注
    出路を通じて内容液を外部に注出する電動ポンプとを備
    えた液体容器の電動注出装置において、注出操作部とし
    て押圧力を電気出力に変換する圧力センサを備え、この
    圧力センサの電気信号が各所定値に至る毎に、注出流量
    を段階状態に所定流量変動させるように電動ポンプの駆
    動を制御するようにしたことを特徴とする液体容器の電
    動注出装置。
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