JP2508352B2 - 増幅器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は増幅器の入力オフセツト電圧補償回路の改
良に関するものである。

［従来の技術］ 第２図は例えば電子通信学会技術研究報告CS83−175
400Mb/s集積化海底光中継器の試作に示された従来の増
幅器を用いた光受信器の構成の一部を示すブロツク図で
あり，図において，（15）は従来の増幅器，（16）〜
（20）は従来の増幅器の構成を示す各ブロツクであり，
（16）は前置増幅器，（17）はAGC増幅器，（18）は後
置増幅器，（19）はピーク値検出器，（20）はDCフイー
ドバツク回路，（21）は受光素子である。

第３図は従来の増幅器（15）の動作を示す図である。

次に動作について説明する。受光素子（21）により２
値光信号が電気信号に変換され，前置増幅器（16）,AGC
増幅器（17），後置増幅器（18），で増幅され出力され
る。増幅器（15）は直流結合形高利得増幅器であるた
め，入力オフセツト電圧も増幅される。後置増幅器（1
8）の正相及び逆相信号をピーク値検出器（19）でピー
ク値検出し，例えば第３図（ａ）に示す様に逆相の正の
ピーク値と正相の負のピーク値の差が所定の電圧より大
きい場合,DCフイードバツク回路（20）がピーク値の差
が小さくなる様，前置増幅器（16）を制御する。よって
第３図（ｂ）に示す様に，ピーク値の差が所定の値とな
る。ピーク値の差が所定の電圧より小さい場合は逆の動
作となる。このようにして，入力オフセツト電圧が生じ
ても，フイードバツク回路により出力オフセツト電圧が
生じない様補償される。

［発明が解決しようとする課題］ 従来の増幅器は以上のように構成されているので，回
路規模が大きくなり，また，出力から入力へ帰環を掛け
ていることから安定性に欠けるという課題があった。

この発明は上記のような課題を解決するためになされ
たもので，簡単な構成で安定性の良い入力オフセツト補
償回路を有する増幅器を得ることを目的としている。

［課題を解決するための手段］ この発明による増幅器は，増幅器の正相及び逆相出力
端子に抵抗を介して電流源を接続し，抵抗と電流源の接
続点に直流増幅器の差動入力端子を接続し，直流増幅器
の出力端子を電流源の制御端子に接続したものである。

［作用］ この発明における増幅器は，増幅器の出力部分で入力
オフセツト電圧の補償を行うため，簡単な構成で安定性
の良い動作をする。

［実施例］ 第１図はこの発明の一実施例の構成を示す図であり，
（１）は正相及び逆相出力端子を有する直流結合形増幅
器，（２）は直流結合形増幅器（１）の入力端子，
（３），（４）はそれぞれ直流結合形増幅器（１）の正
相出力端子，及び逆相出力端子，（５），（６）はコレ
クタ接地トランジスタで構成された低インピーダンス変
換器，（７），（８）は抵抗，（９）は電流源，（10）
は制御入力端子（11）を有する電流源，（12）は直流増
幅器，（13），（14）は出力端子である。

上記の様に構成された増幅器において，直流結合形増
幅器（１）の入力端子（２）に入力された信号は，直流
結合形増幅器（１）で増幅され，正相信号は低インピー
ダンス変換器（５），抵抗（７）を通って出力端子（1
3）へ，逆相信号は低インピーダンス変換器（６），抵
抗（８）を通って出力端子（14）へ出力される。

ここで，直流結合形増幅器（１）の正相出力端子
（３）及び逆相出力端子（４）の電圧を,V₃,V₄とし V₃＝V_DC3＋V_AC ……（１） V₄＝V_DC4−V_AC ……（２） と仮定する。ただし,V_DC3,V_DC4は直流成分,V_ACは交流成
分である。

抵抗（７）及び（８）の抵抗値をそれぞれR₁,R₂,電流
源（９），及び（10）の電流値をI₁,I₂,低インピーダン
ス変換器（５），（６）の電圧降下値をV_B5,V_B6とする
と，出力端子（13），（14）の電圧V₁₃,V₁₄は V₁₃＝V_DC3−V_B5−I₁R₁＋V_AC ……（３） V₁₄＝V_DC4−V_B6−I₂R₂−V_AC ……（４） と表わされる。出力端子（13），（14）のオフセツト電
圧が等しいとき， V_DC3−V_B5−I₁R₁＝V_DC4−V_B6−I₂R₂ ……（５） つまり， 出力端子（13），（14）と，電流源（10）の制御端子
（11）に接続された直流増幅器（12）は，出力端子（1
4）の電圧が上がれば電流源（10）の電流を少なくする
様に，出力端子（14）の電圧が下がれば逆の動作をす
る。つまり，出力端子，（13）と（14）のオフセツト電
圧が等しくなるように，言い換えると，電流源（10）の
直流値が式（６）で示される値になる様動作する。

上記実施例では，直流結合形増幅器（１）として入力
の場合を示したが，差動入力の場合でも，上記実施例と
同様の効果を有する。

［発明の効果］ 以上のように，この発明によれば，増幅器の正相及び
逆相出力端子に抵抗を介して電流源を接続し，抵抗と電
流源の接続点に直流増幅器の差動入力端子を接続し，直
流増幅器の出力端子を電流源の制御端子に接続するよう
に構成したので，回路構成が簡単になり，安定性の良い
増幅器が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は，この発明の一実施例の構成を示す図，第２図
は従来の増幅器を用いた，光受信器の構成の一部を示す
ブロツク図，第３図は従来の増幅器の動作を示す図であ
る。 各図において，（１）は直流結合形増幅器，（５），
（６）は低インピーダンス変換器，（７），（８）は抵
抗，（９）は電流源，（10）は制御入力端子付電流源，
（12）は直流増幅器，（15）は従来の増幅器，（21）は
受光素子である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】正相出力端子及び逆相出力端子を有する直
   流結合形増幅器と、上記直流結合形増幅器の一方の出力
   端子に直列接続された低インピーダンス変換回路、抵抗
   及び電流源と、上記直流結合形増幅器の他方の出力端子
   に直列接続された低インピーダンス変換回路、抵抗及び
   制御端子を有する電流源と、差動入力端子が上記各々の
   抵抗と電流源の接続点に接続され、出力端子が上記電流
   源の制御端子に接続された直流増幅器とを備えた増幅
   器。