JP2508136Y2 - ロ―ラガイドの間隔調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は棒線材用のローラガイドのガイドローラ間隔
調整装置に関する。

（従来の技術） ローラガイドの間隔を圧延材の進行状況に合わせて急
速に開閉することにより、圧延材がガイドローラに進入
するまではガイドローラの間隔を広げて退避させ圧延材
がガイドローラに衝突するのを防止しておき、圧延材が
ガイドローラに進入してからはガイドローラの間隔を急
速に狭めて圧延材を抱合させるガイドローラ間隔調整装
置として、ガイドローラの支持軸に設けたピニオンギア
に駆動シリンダのラムに設けたラックギアを噛合させ、
この駆動シリンダを圧延材の進行状況に合わせて往復動
させるものがある（実開昭61−127810号公報）。

また、ガイドローラ間隔調整装置として、ローラホル
ダの一端側にガイドローラを設け、他端側にプレッシャ
ローラを設けてなり、駆動シリンダによりプレッシャロ
ーラに接触するテーパスライダを進退動させて、ローラ
ホルダを円運動させることによりガイドローラの間隔を
調整するものが提案されている（実開昭61−266114号公
報）。

（考案が解決しようとする課題） 上記の従来例のうち実開昭61−127810号公報記載のも
のは、ガイドローラの間隔を調整する機構をピニオンギ
アを螺設したガイドローラの支持軸と駆動シリンダのラ
ムに設けたラックギアで構成してあるために、これらピ
ニオンギアとラックギアが摩耗した場合には支持軸とラ
ックギアとを新品と交換しなくてはならないから間隔調
整装置の維持費用が高価になる欠点があった。また、実
開昭61−266114号公報記載のものは、ローラホルダの両
端にガイドローラとプレッシャローラ等を設けているた
め、機構が大型化、複雑化する欠点があり、プレッシャ
ローラの消耗による交換の容易でなかった。

そこで、本発明の目的は、消耗部分の部品の交換が容
易で、簡易な機構で安価かつ小型のガイドローラ間隔調
整装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本考案のガイドローラの間隔調整装置において、ガイ
ドボックスに一対の支持軸を回動可能に軸支してある。
この支持軸の頂部には回転部を設けてある。この回転部
に設けた調整軸には調整ローラを回転自在にかつ取外し
可能に設けてある。そして、上記調整軸は上記回転部の
回転中心から偏心して設けてある。また上記支持軸はそ
の軸心が上記回転部の回転中心を挾んで上記調整軸と対
向する側に偏心して設けてある。上記支持軸と上記調整
ローラとは、回転部により相対的に反対方向に円運動可
能である。上記調整軸間にばねを掛け渡して調整軸を互
いに近接する方向に引張してあり、上記ガイドボックス
に設けた駆動シリンダのラムに圧延材の進行方向に沿っ
て往復動可能な保持体を設けてあり、この保持体の両側
に傾斜面を有するテーパスライダを設け、テーパスライ
ダの傾斜面と上記調整ローラを上記ばねにより常時接触
させてある。

本考案のガイドローラの間隔調整装置において、ガイ
ドローラの間隔を微調整するための間隔調整手段を保持
体に設けてあり、この間隔調整手段としては例えば上記
保持体に互いにねじのリードが逆のスクリュウスピンド
ルを嵌設し、このスクリュウスピンドルに雌ねじで噛合
するナットを回動可能に設けているものである。

（作用） 圧延材がガイドローラに進入してくるまでは駆動シリ
ンダのラムを縮めることによりガイドローラの間隔を広
げて待機させ、圧延材がガイドローラに進入すると、こ
の駆動シリンダを駆動してラムを伸ばしてガイドローラ
の間隔を狭めて圧延材を抱合案内する。

ガイドローラの間隔を微調整するには、保持体に設け
た間隔調整手段によりテーパスライダの間隔を調整す
る。

（実施例） ガイドボックス１には一対の支持軸2,2を回動可能に
軸支してあり、各支持軸2,2にはガイドローラ3,3を取付
けてある。各支持軸2,2の頂部には回転部2a,2aを設けて
あり、この回転部2a,2aには第２図に示すようにガイド
ボックス１に軸支されている。回転部2a,2aには調整軸2
b,2bを突出してある。第１図に示すように、調整軸2b,2
bは、回転部2a,2aの回転中心より偏心して設けてある。
また、支持軸2,2の軸心は回転部2a,2aの回転中心を挾ん
で調整軸2b,2bと対向する側に偏心して設けてある。

調整軸2b,2bにはその中間部より幾分下側に調整ロー
ラ4,4を回転自在にかつ取外し可能に設けてある（第２
図及び第３図）。調整軸2b,2bの先端部間にばね５を掛
け渡してあり、このばねは調整軸の対向側にばね力を付
勢している。

またガイドボックス１には駆動シリンダ６を設けてあ
り、この駆動シリンダのラム6a先端に保持体７を設け、
この保持体をラムの伸縮によって圧延材の進行方向（第
１図左右方向）に沿って往復動可能としている。保持体
７には移動方向と直交する方向に互いにねじのリードが
逆のスクリュウスピンドル8,9を嵌設してある。両スク
リュウスピンドル8,9の突き合っている内端部は雌ねじ
で噛合するナット10を回動可能に設けてある。ナット10
の回動により両スクリュウスピンドル8,9は軸心方向に
移動する。各スクリュウスピンドル8,9の外端は保持体
７より突出し、その突出端には傾斜面11a,11aを有する
テーパスライダ11,11を設けてある。テーパスライダ11,
11は保持体７の両側において、傾斜面11a,11aが上記調
整ローラ4,4に上記ばね５のばね力により常時接触して
いる。

つぎに、ガイドローラの間隔を調整するには、圧延材
が第１図左側からガイドローラ3,3に進入してくるまで
は駆動シリンダ６のラム6aを縮めることによりガイドロ
ーラの間隔を広げて待機させておき、圧延材がガイドロ
ーラに進入する時、この駆動シリンダを駆動してラムを
伸ばすと、テーパスライダ11,11が圧延材の進行方向へ
移動し、これにより調整ローラ4,4は回転しながら、ば
ね５の付勢力に抗し調整軸2b,2bの対向する方向の外方
に円運動し、回転部2a,2aを回転させる。このため、支
持軸2,2は調整ローラ4,4の移動方向と反対の方向に円運
動してガイドローラの間隔を狭めて圧延材を抱合案内す
る。

またガイドローラ3,3の間隔を微調整するには、保持
体７に設けたナット10を回す。すると、スクリュウスピ
ンドル8,9が軸心方向に移動し、このためにテーパスラ
イダ11,11の間隔が調整される。

調整ローラ4,4が摩耗したときは、調整軸2b,2bから外
し、またテーパスライダ11が消耗したときは保持体７か
らスクリュウスピンドル8,9と共に外して、新たなもの
と交換する。

（考案の効果） 本考案によれば、調整ローラとこの調整ローラに当接
するテーパスライダとの交換を要するときには、調整ロ
ーラにあっては調整軸から取外して新品と交換すればよ
く、またテーパスライダの交換も保持体から取り外して
新品と交換するだけでよいので、従来例に比較して交換
も容易に行え、交換の費用も安価にすむと共に、ガイド
ローラの支持軸とテーパスライダに接触する調整ローラ
を回転部により連結し、この回転部によってガイドロー
ラの支持軸を円運動させて間隔の調整を行う簡易な機構
であるため、装置を小型化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は平面図、 第２図は正面図、 第３図は側面図である。 １……ガイドボックス、２……支持軸、2a……回転部、
2b……調整軸、３……ガイドローラ、４……調整ロー
ラ、５……ばね、６……駆動シリンダ、6a……ラム、７
……保持体、8,9……スクリュウスピンドル、10……ナ
ット、11……テーパスライダ、11a……傾斜面。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ガイドボックスに一対の支持軸を回動可能
   に軸支してあり、 上記支持軸の頂部には回転部を設けてあり、 上記回転部に設けた調整軸には調整ローラを回転自在に
   かつ取外し可能に設けてあり、 上記調整軸は上記回転部の回転中心から偏心して設けて
   あり、 上記支持軸はその軸心が上記回転部の回転中心を挾んで
   上記調整軸と対向する側に偏心して設けてあり、 上記支持軸と上記調整ローラとは、回転部により相対的
   に反対方向に円運動可能であり、 両調整軸間に調整軸の対向側にばね力を付勢しているば
   ねを掛け渡してあり、 上記ガイドボックスに設けた駆動シリンダのラムに圧延
   材の進行方向に沿って往復動可能な保持体を設けてあ
   り、 上記保持体の両側に傾斜面を有するテーパスライダをそ
   れぞれ設けてあり、 両テーパスライダの傾斜面と上記調整ローラとを上記ば
   ねのばね力により常時接触させてある ことを特徴とするローラガイドの間隔調整装置。
2. 【請求項２】テーパスライダの間隔を微調整するための
   間隔調整手段を保持体に設けてあることを特徴とする請
   求項１記載のローラガイドの間隔調整装置。