JP7224633B2 - 圧延材の誘導装置 - Google Patents
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Description
しかし、圧延材先端部がガイドローラー間に進入した後に、両ガイドローラーの面間を狭めて圧延材本体を抱合するのであるが、この抱合前に通過した圧延材先端部から数メートル前の本体部分は十分な抱合がされないために、製品精度が良くなく、品質や歩留まりの向上の改善が期待されていた。
本発明の目的は、圧延材の倒れの発生を防止し、圧延材の品質や歩留まりそれぞれの向上及び圧延材の進入時の衝撃を緩和して部品類の破損防止を図ることにある。
本発明に係る圧延材の誘導装置の第2の特徴は、上記誘導装置における第1の特徴を前提としており、両スライダーは、各当接部が後方に向けて互いに接近するように傾斜されている勾配部と、勾配部に連続している平坦部とからなり、各平坦部は各勾配部より後方に位置していることにある。
本発明に係る圧延材の誘導装置の第3の特徴は、上記誘導装置の第1の特徴を前提としており、各スライダーの当接部は後方に向けて互いに接近するように傾斜されているテーパー状の勾配部からなることにある。
図1~図3に示す圧延材のローラーガイドGは、ガイドボックス1と、このガイドボックスに支点ピン2を介して回転可能に取り付けてある対のローラーホルダー3A,3Bと、各ローラーホルダーの先端部側にローラーピン4を中心として回転可能に設けているガイドローラー5A,5Bと、上記各ローラーホルダーの後部側に配置されている中心振分機構6と、この中心振分機構より後側に配置されている上記ガイドローラーの抱合力維持機構7とを備えている。
中心振分機構6は、対のローラーホルダー3A,3Bの後部側(図1右側)に配置されている。対のスクリュウスピンドル61A,61Bと、これらのスクリュウスピンドルとは両端側で挿入結合しかつ両スクリュウスピンドルの回転手段である角バー62と、上記各スクリュウスピンドルにそれぞれ支持軸63A2,63B2を介して取り付けてあるスライダー63A,63Bと、上記ローラーホルダーの後部上部に互いに対向状態に取り付けられているプレッシャーローラー64A,64Bとから構成されている。
各スクリュウスピンドル61A,61Bは、ガイドボックス1の後方上部側に配置され、スピンドルブラケット65に回転可能にねじ込まれている。対のスクリュウスピンドル61A,61Bは、互いに逆ねじ関係にありかつ図4上下方向に対向して設けられている。
スクリュウスピンドル61A,61Bと角バー62との関係について図4及び図5を参照して説明すると、角バー62の両端部がスクリュウスピンドル61A,61Bの結合孔内に嵌め込まれている。角バー62を回転操作することで、両スクリュウスピンドル61A,61Bが角バー62の軸心に沿って移動して、互いに接近又は離反する。各スクリュウスピンドル61A,61Bには、各スライダー63A,63Bを挟んで各プレッシャーローラー64A,64Bを対向的に配置してある。
各スライダー63A,63Bは、図5に示すように対向する側に支持軸63A2,63B2を設けてある。各スライダー63A,63Bは、対向しているスクリュウスピンドル61A,61Bに支持軸63A2,63B2を挿入することにより、スクリュウスピンドルと連結されている。また、図5及び図6に示すように、各スライダー63A,63Bは外側に当接部63A1,63B1を形成してあり、各当接部には対向している上記各プレッシャーローラー64A,64Bが当接している。各当接部63A1,63B1は2段式に形成され、前段の勾配部63A11,63B11と、これら各勾配部の後側(図5右側)で連続している後段の平坦部63A12,63B12とからなっている。勾配部63A11,63B11は、それぞれ平坦部63A12,63B12に向けて互いに接近するように、すなわちスクリュウスピンドル61A,61B側に向けて傾斜されている(図5参照)。
各スライダー63A,63Bとプレッシャーローラー64A,64Bとの連動関係について説明する。
まず、各スライダー63A,63Bの動作にプレッシャーローラー64A,64Bが従動する場合について説明する。
角バー62を回転操作することにより、上述したように両スクリュウスピンドル61A,61Bが互いに接近又は離反するので、このような接近・離反動作に伴ってスライダー63A,63Bも接近・離反動作を行う。このような動作を通じて、スライダー63A,63Bが各プレッシャーローラー64A,64Bを図5外側に押圧するので、各プレッシャーローラーは各スライダーの当接部63A1,63B1上を図1及び図5左右方向に回転しながらスライド移動しつつ互いに接近・離反することになる。
各プレッシャーローラー64A,64Bの動作に伴って、両ローラーホルダー3A,3Bは支点ピン2を回転中心として開閉する。この結果、ガイドローラー5A,5Bは中心振分される。
次いで、プレッシャーローラー64A,64Bの動作により各スライダー63A,63Bが従動する場合について説明する。
図4に示す圧延材Sの誘導時に生じるガイドローラー5A,5B間の距離の変化、換言すれば抱合する圧延材の寸法の変化に応じて、両ローラーホルダー3A,3Bは支点ピン2を回転中心として開閉する。この時、各プレッシャーローラー64A,64Bは各スライダー63A,63Bの当接部63A1,63B1上を転動しながらスライドする。図5及び図6において、両ローラーホルダー3A,3Bの開閉動作によって、各プレッシャーローラー64A,64Bが各スライダー63A,63Bの当接部63A1,63B1の勾配部63A11,63B11上を図5左右方向に斜めに上がり下がりするので、この上下動に基づく押圧が各スライダーを前後に従動させる。
各スライダー63A,63Bの従動は、角バー62及びスクリュウスピンドル61A,61Bの連動をもたらし、結局、スピンドルブラケット65を前後方向(図5左右方向)への移動をもたらす。
抱合力維持機構7は中心振分機構6より後側(図1右側)に配置されている。
抱合力維持機構7は、圧延材Sの倒れがないようにガイドローラー5A,5Bの抱合力を維持するために用いており、特殊なシリンダ内の微小空間に粘性流体を通過させたり、通過を止めたりして、抱合に必要な荷重を保持した状態で圧延材の寸法変化に追従可能にする機能を備えているものである。
抱合力維持機構7は図1及び図7に示すように、液圧シリンダ71、シリンダホルダー72、移動量調整ロッド73、支持体74、弁体75、ばね76及び収納筒体77を備えている。
抱合力維持機構7では、上述したようにガイドローラー5A,5Bの所定の抱合力を維持するために液圧シリンダ71内の粘性流体による圧力差を利用している。この液圧シリンダとしては例えば油圧シリンダが用いられている。油圧シリンダ71は、図1及び図2に示すように、その先端部側がガイドボックス1の後部上に取り付けられているシリンダホルダー72に保持されている。油圧シリンダ71の内部には、水平方向に移動自在であるピストン71a及びピストンロッド71bを設けてある。ピストンロッド71bの先端部は、油圧シリンダ71の前側(図4左側)から突出した状態でスピンドルブラケット65に連結されている。
また、移動量調整ロッド73は図7に示す油圧シリンダ71の後端部に取り付けられており、移動量調整ロッドの軸心はピストン71a及びピストンロッド71bの各軸心に一致している。移動量調整ロッド73は図7に示す例ではねじ式としてあり、移動量調整ロッドを回すことにより進退可能である。移動量調整ロッド73の先端部側はピストン71a内に埋設されている支持体74内に突出されている。移動量調整ロッド73の突出端部73aは支持体74に開けてある通孔74a内に外周側に隙間を開けて挿通されており(図8参照)、この突出端部が支持体との相対的な関係において軸方向に移動可能である。移動量調整ロッド73の突出端部73aの先端は通孔74aの入口から突き出て弁体である鋼製のボール弁75に接している。ばね76はボール弁75を挟んで移動量調整ロッド73の突出端部73aとは反対側に配置されており、このばねが上記ボール弁に対して移動量調整ロッド側にばね力を付勢している。ボール弁75及びばね76は収納筒体77内の収納孔77aに収納されている。収納筒体77の後部は支持体74内に差し込まれ固定されている。
図7において、ピストン71aが停止状態にある場合には、移動量調整ロッド73は、そのねじ部を左回り又は右回りに回転させて、突出端部73aで弾性的に接しているボール弁75を前後(図7左右方向)に移動させることができる。図8において、突出端部73aを実線に示す位置から鎖線に示すように後退させれば、ボール弁75は後退し、支持体74の通孔74aの入口を閉塞可能となる。また、図9において、突出端部73aを実線に示す位置から鎖線に示すように前進させれば、ボール弁75は前進し、支持体74の通孔74aの入口を開放可能にする。図7及び図8に示すように、移動量調整ロッド73の突出端部73aの先端が突き出ている通孔74aの入口からこの先端がボール弁75に接するまでの距離dの長短は、移動量調整ロッド73の前後移動の操作により調整することができる。
また、ピストン71aが前後(図7左右方向)に移動する場合には、移動量調整ロッド73は固定されているから、ピストン71aとの連動関係においては相対的である。このため、ピストン71aが前進すれば、支持体74も前進するから、突出端部73aは相対的に後退して、ボール弁75が支持体74の通孔74aの入口を閉塞可能にする。また、ピストン71aが後退すれば、支持体74も後退するから、突出端部73aは相対的に前進するから、ボール弁75は支持体74の通孔74aの入口を開放可能にする。
図7~図9において、油圧シリンダ71内の連通路71a1,71b1、収納筒体77の収納孔77a及び通孔74aは相互に連通し、粘性流体の循環経路を形成している。油圧シリンダ71内の粘性流体は図7に示す矢印F1から連通路71a1,71b1、収納孔77a及び通孔74a並びにピストン71aの後面側を経て矢印F2側を流れ出る経路を介して油圧シリンダ内を通過する。そして、移動量調整ロッド73の操作により距離dの大きさを調整して、粘性流体の流れの圧力差を発生させて、ガイドローラー5A,5Bの抱合に必要な荷重を保持した状態で圧延材Sの寸法変化に対応可能にする。
また、ボール弁75が通孔74aの入口を塞いで上述した粘性流体の循環経路を断つことを可能にして、距離の調整範囲越えに対して対処可能にするのである。
図4において、8は油圧シリンダ71に対して粘性流体の流量や圧力などを制御調整する油圧装置であり、この油圧装置は流量調整弁8a、圧力制御弁8b、方向制御弁8c、流量センサ8d及び圧力センサ8eをそれぞれ有している。9は油圧装置8の作動をコントロールする制御装置である。
ローラーホルダー3A,3Bと中心振分機構6との関係について説明する。
圧延材Sの誘導前において、角バー62を回すと、スクリュウスピンドル61A,61Bが互いに接近又は離反する方向(図5内側又は外側方向)に従動し、各スライダー63A,63Bも同方向に従動する。この時、各プレッシャーローラー64A,64Bは各スライダー63A,63Bの当接部63A1,63B1上を図5左右方向(前後方向)に回転しながらスライド移動しつつ互いに接近・離反をする。各プレッシャーローラー64A,64Bの移動に基づいて、両ローラーホルダー3A,3Bは支点ピン2を回転中心として開閉し、ガイドローラー5A,5Bの面間寸法が変化する。
したがって、ガイドローラー5A,5Bの面間寸法の調整はターンバックルを構成している中心振分機構6により行う。
圧延材Sの誘導中において、ガイドローラー5A,5B間は通過する圧延材Sの寸法変化に応じて広狭となり、広狭動作に起因して両ローラーホルダー3A,3Bは支点ピン2を回転中心として開閉する。この開閉により、中心振分機構6の各プレッシャーローラー64A,64Bは各スライダー63A,63Bの勾配部63A11,63B11を前後(図5左右)に移動し、スクリュウスピンドル61A,61B及びスピンドルブラケット65も前後移動する。
圧延材Sの誘導中において、ガイドローラー5A,5B間は通過する圧延材Sの寸法変化に応じて広狭となるから、上述したように、スクリュウスピンドル61A,61B及びスピンドルブラケット65も前後移動する。この前後移動により、油圧シリンダ71のピストンロッド71bを通じてピストン71aも前後に従動し、粘性流体の流体圧が変化してボール弁75が相対的に前後移動し、通孔74aの入口を閉塞可能になる。ボール弁75による閉塞は、移動量調整ロッド73により調整可能な距離dと粘性流体の流体圧との関係に依存される。
図4及び図7に示す移動量調整ロッド73を回転操作して、ボール弁75の相対的移動量に相当する距離dを調整する。この調整により、圧延材Sの寸法の変化にガイドローラー5A,5Bの抱合力を対応させることができる。
また、通過する圧延材Sの寸法変化により、ガイドローラー5A,5B間が予想を超えて開いて行く場合、各プレッシャーローラー64A,64Bが各スライダー63A,63Bの平坦部63A12,63B12を例えば図5右方へスライドして、距離dが0となって行き、やがてボール弁75が通孔74aの入口を塞ぐと0になる。この閉塞の段階では、油圧シリンダ71内の粘性流体による流体圧は最大となる。
上記「待機圧力」は、圧延材Sがガイドローラー5A,5Bの面間に進入する前の段階の油圧シリンダ71内の粘性流体の圧力である。この待機圧力は、油圧装置8(図4)に設置してある流量調整弁8aを用いて油圧シリンダ71内の粘性流体の流量を調整することによって行われる。
上記「設定圧力」は圧延材Sがガイドローラー5A,5Bへ進入した直後からの圧力であり、圧延材の倒れが発生しない最大抱合圧力に設定される。圧延材Sがガイドローラー5A,5Bへ進入する段階における圧延材の抱合圧力である。この圧力は、油圧装置8の圧力制御弁8bの圧力調整が行われる。図8に示す位置のボール弁75が通孔74aの入口に接して粘性流体の流れを止めるまでの距離dは、後述する圧延材Sの先端太り寸法β(図10)に相当する相対的移動距離であって、この距離の長さが待機圧力から設定圧力までの範囲である。また、ガイドローラー5A,5Bの面間の寸法は中心振分機構6の角バー62などを用いて調整する。
上記「リリーフ圧力」はガイドローラー5A,5B間に圧延材Sが進入した時のガイドローラーへの衝撃を考慮して、破損防止のための最大圧力であり、ガイドローラーに加わる衝撃荷重相当の圧力に設定されている上記設定圧力を超える圧力である。「リリーフ圧力」は、圧延材Sがガイドローラー5A,5Bへ進入した時の段階における衝撃を考慮した圧力である。
油圧シリンダ71においては、図7に示すようにストロークエンドの位置となる圧延材Sの進入前の過程では常に待機圧力を維持して粘性流体が矢印F1から連通路71a1,71b1、収納孔77a及び通孔74aを経て矢印F2側を流れ出る。この時、上記粘性流体は、通孔74aの入口より突出されている移動量調整ロッド73の先端部がボール弁75に接している状態でピストン71aの図7左側から右側へ流れている。
そして、圧延材Sの誘導時には、ピストンロッド71bが前進移動して、この移動に伴ってボール弁75が通孔74aの入口に接して粘性流体の流れを止めるまでが設定圧力の範囲であり、通常の誘導は設定圧力の範囲で行われる。この過程でも粘性流体が矢印F1から連通路71a1,71b1、収納孔77a及び通孔74aを経て矢印F2側を流れ出る。
この設定範囲を超えると、ボール弁75が支持体74の通孔74aの入口を塞いで粘性流体の流れを止めるため、油圧シリンダ71内の圧力はリリーフ圧力(最大圧力)に至る。このようにガイドローラー5A,5Bに加わる設定荷重である設定圧力を超えると、上記粘性流体の流体力に上記対のローラーホルダー3A,3Bのばね力が加わって、寸法の大きい圧延材Sに対してガイドローラー5A,5Bの面間が追従して開き、円滑な案内が可能になる。
図4において、抱合力の自動調整は油圧装置8に設けてある圧力制御弁8bによって行われると共に、距離d(図8)を調整することにより圧延材Sの寸法の変化に対応する。移動量調整ロッド73の回転に伴う軸方向の移動位置の調整により、ボール弁75の相対的な移動量が調整される。
三過程とは、第1は圧延材Sがガイドローラー5A,5B間に進入する前段階である圧延材の待機過程、第2は圧延材先端が進入し通過するまでの圧延材の先端進入過程、第3は圧延材本体が進入し通過するまでの圧延材の通過過程をいう。
図10において、圧延材Sの寸法には、圧延材本体の寸法となる天地寸法αと、圧延材の先端太りの天地寸法α+2βとが含まれる。βは圧延材Sの先端太り寸法である。説明上、圧延材Sの本体を細い寸法部、圧延材Sの先端を太い寸法部と表記することがある。
<待機過程>
図11(i)及び図12(i)を参照して説明する。
図11(i)において、予め圧延材Sの天地寸法αに応じたガイドローラー5A,5Bの間隙となる面間の距離に設定しておいてから、圧延材をガイドローラー5A,5B間に向けて進入させる。圧延材Sの先端がガイドローラー5A,5B間に進入するまでは、両ガイドローラー及び両ローラーホルダー3A,3Bは待機状態にある。この時、油圧シリンダ71のピストン71a及びピストンロッド71bも、図12(i)に示すように待機状態にある。この状態においても、ピストン71aには粘性流体の待機圧がかかる。また、粘性流体は、矢印F1側から油圧シリンダ71内の連通路71b1に入り連通路71a1を経て収納筒体77の収納孔77a及び支持体74の通孔74aを流通して矢印F2側に流れる。
待機過程では、圧延材Sがガイドローラー5A,5B間へ進入する時に発生する座屈を抑制できるように両ガイドローラーにおける最小抱合力に予め調整しておく。
<先端進入過程>
図11(ii)及び図12(ii)を参照して説明する。
まず、圧延材先端の進入時を示す図11(ii)において、圧延材Sがローラーホルダー3A,3B間を通過してやがて圧延材先端がガイドローラー5A,5B間に進入すると、この圧延材の先端太りの天地寸法α+2βは圧延材の天地寸法αより大きく、予め設定しておいた待機寸法よりも大きいので、ガイドローラー間が広がる(開く)。この広がりに伴って、各ローラーホルダー3A,3Bは支点ピン2を中心として回転し、両ローラーホルダーの先端側が互いに離反され、また後端側が接近する。
ローラーホルダー3A,3Bの後端側が狭くなると、すなわち、図12(ii)に示すように、ローラーホルダー3A,3Bの後端側が互いに接近すると、各プレッシャーローラー64A,64Bは各スライダー63A,63Bの当接部63A1,63B1上を後退移動(図11右方向にスライド移動)するので、この動作に基づいて各スライダー、各スクリュウスピンドル61A,61B及びスピンドルブラケット65を通じて図11(ii)に示すように、ピストン71a及びピストンロッド71bは前進移動(同図左側に前進移動)する。このため、取り付け位置が固定されている移動量調整ロッド73は相対的に後退するから突出端部73aの先端部側は、移動したピストン71aに埋設されている収納筒体77の収納孔77aから出て、支持体74の通孔74a内に納まる。この納まりに伴って、ボール弁75には前側からばね76のばね力が付与されているから、ボール弁が支持体74の通孔74aの入口を塞いで粘性流体の流れを止める。すると、油圧シリンダ71内の圧力はリリーフ圧力(最大圧力)まで増大する。つまり、粘性流体は矢印F1から連通路71b1,71a1及び収納筒体77の収納孔77aへと流れるが、ボール弁75によって通孔74aヘの流れが阻止され、油圧シリンダ71内の液圧力が上昇する。
設定圧力を超えて、ガイドローラー5A,5B間がさらに開いてもローラーホルダー3A,3Bの後端側の各プレッシャーローラー64A,64Bが各スライダー63A,63Bの平坦部63A12,63B12をスライドすると共に、剛体タイプのものではないローラーホルダー3A,3Bのばね効果が機能し、結果として、油圧シリンダ71の液圧力に対応する平坦部の存在とばね効果とによって先端の天地寸法の大きな圧延材Sにガイドローラー5A,5Bの面間を追従させる。すなわち、先端の天地寸法の大きな圧延材Sが通過する時に設定圧力を超えると、液圧力に対応して各プレッシャーローラー64A,64Bを介して各スライダー63A,63Bが移動して、ガイドローラー5A,5Bの面間が設定されている範囲まで広がるが、この範囲を超えようとしても、各プレッシャーローラー64A,64Bが各スライダー63A,63Bの平坦部63A12,63B12をスライド移動し、その上にローラーホルダー3A,3Bのばね効果も加わってガイドローラー5A,5Bの面間は圧延材の寸法に追従する。この結果、設定圧力越えに伴う問題(ローラーホルダーの破損など)に対処させる。
先端進入過程では、圧延材Sのガイドローラー5A,5B間へ進入した時の衝撃に基づく毀損防止のために抱合力が維持される。
<通過過程>
図11(iii)及び図12(iii)を参照して説明する。
圧延材Sの先端がガイドローラー5A,5B間を通過すると、予め設定されているガイドローラーの面間で通過する圧延材を抱合しながら案内誘導する。
通過過程においては、図11(iii)に示すように、圧延材Sの先端がガイドローラー5A,5B間を通過した後、油圧シリンダ71内の圧力はリリーフ圧力(最大圧力)が徐々に減圧されるため、ローラーホルダー3A,3Bの後端側は互いに離反する方向に支点ピン2を中心として回転し、元の位置に戻りながら、各ローラーホルダーの撓みにより適切な保持力を通じて圧延材がガイドローラー5A,5Bの正規の面間で抱合されることになる。減圧される過程では、図12(iii)に示すように、油圧シリンダ71内の粘性流体は、ピストン71aを待機方向(同図右方向)すなわち元に戻す方向に後退するため、相対的に移動する移動量調整ロッド73の突出端部の先端がばね76のばね力に抗してボール弁75を押す。この結果、支持体74の通孔74aの入口が当初の開放状態になる。上記の後退と同時に、油圧シリンダ71の粘性流体は、矢印F1側から連通路71b1及び連通路71a1を経て収納筒体77の収納孔77a及び支持体74の通孔74aを流通して油圧シリンダの矢印F2側に流れて、設定値の範囲内の圧力に調整されて、圧延材の倒れが防止される。
このように、本発明では、油圧シリンダ71内の粘性流体を狭小隙間である循環経路71a1,71b1,74a,77aを通過させて、通過に伴って発生する粘性流体の圧力差を用いて、この圧力差を保持した状態で圧延材Sの細い寸法部及び太い寸法部の寸法変化に追従させている。
163A2及び163B2はそれぞれ支持軸である。
抱合力維持機構7における弁体として、図7に示す例では鋼球からなるボール弁で構成したが、材質や形状に関して鋼球からなるものに限定されない。
また、ローラーガイドGによる誘導の対象となる圧延材Sは、先太りを有するものに限られず、中間細り、中間太り及び後太りのものであっても良い。
G ローラーガイド(誘導装置)
d 距離
α 天地寸法(圧延材の寸法)
β 先端太り寸法
α+2β 先端太りの天地寸法(圧延材の寸法)
1 ガイドボックス
2 支点ピン
3A,3B ローラーホルダー
4 ローラーピン
5A,5B ガイドローラー
6 中心振分機構
61A,61B スクリュウスピンドル
62 角バー(回転手段)
63A,63B スライダー
163A,163B スライダー
63A1,63B1 スライダーの当接部
163A1,163B1 スライダーの当接部
63A11,63B11 当接部の勾配部
63A12,63B12 当接部の平坦部
64A,64B プレッシャーローラー
65 スピンドルブラケット(保持手段)
7 ガイドローラーの抱合力維持機構
71 油圧シリンダ(液圧シリンダ)
71a ピストン
71b ピストンロッド
71a1,71b1 連通路(狭小隙間)
72 シリンダホルダー
73 移動量調整ロッド
73a 突出端部
74 支持体
74a 通孔(狭小隙間)
75 ボール弁(弁体)
76 ばね
77 収納筒体
77a 収納孔(狭小隙間)
8 油圧装置
8a 流量調整弁
8b 圧力制御弁
Claims (3)
- ガイドボックスと、このガイドボックスに支点ピンを介して回転可能に取り付けてある対のローラーホルダーと、各ローラーホルダーの先端部側にローラーピンを中心として回転可能に設けているガイドローラーと、上記各ローラーホルダーの後部側にそれぞれ配置されている中心振分機構及び上記ガイドローラーの抱合力維持機構とを具備しており、
上記中心振分機構は、互いに逆ねじ関係にあってかつ軸心方向に対向して回転可能に設けられている対のスクリュウスピンドルと、両スクリュウスピンドルに両端部側が挿入されていると共に両スクリュウスピンドルの回転手段となる角バーと、上記ローラーホルダーの後端部側に互いに対向状態に取り付けられているプレッシャーローラーと、上記各スクリュウスピンドルにそれぞれ取り付けてあるスライダーと備え、
上記各スクリュウスピンドルは上記ガイドボックスの後部上側に配置され、上記各プレッシャーローラーはそれぞれ対向している上記スライダーの当接部で当接していると共に、当接部をスライド移動可能であり、
上記ガイドローラーの抱合力維持機構は上記ガイドボックスの後部側に配置されている液圧シリンダと、この液圧シリンダのピストンロッドの先端に取り付けてある保持手段と、上記液圧シリンダに取り付けてあってこの液圧シリンダの後部から前側に向けて延伸している移動量調整ロッドと、上記液圧シリンダのピストン内にそれぞれ設けてある弁体及びこの弁体に対して上記移動量調整ロッドの先端側にばね力を付勢可能であるばねと、上記液圧シリンダ内の粘性流体を上記ピストンの前後両側に流通可能にすると共に相互に連通している連通路、収納孔及び通孔を備え、
上記移動量調整ロッドはその先端部側が上記通孔を挿通可能であり、上記保持手段は両スクリュウスピンドルを保持し、上記弁体及びばねは上記収納孔に収納され、上記弁体は上記移動量調整ロッドの先端部に当接可能であって上記通孔の入口を閉塞可能であり、
上記角バーの回転操作により、各スクリュウスピンドル及び各プレッシャーローラー並びに各ローラーホルダーを通じて上記ガイドローラーを中心振分可能であり、
上記移動量調整ロッドは上記弁体から上記通孔の入口までの距離を調整するものであって、この距離の調整に基づいて圧延材の先端太り逃がし量の調整を可能にする
ことを特徴とする圧延材の誘導装置。 - 両スライダーは、各当接部が後方に向けて互いに接近するように傾斜されている勾配部と、勾配部に連続している平坦部とからなり、各平坦部は各勾配部より後方に位置していることを特徴とする請求項1記載の圧延材の誘導装置。
- 各スライダーの当接部は後方に向けて互いに接近するように傾斜されているテーパー状の勾配部からなることを特徴とする請求項1記載の圧延材の誘導装置。
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