JP2508091B2 - スチレン・ブタジエン共重合体の製造方法 - Google Patents

スチレン・ブタジエン共重合体の製造方法

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JP2508091B2 JP13571987A JP13571987A JP2508091B2 JP 2508091 B2 JP2508091 B2 JP 2508091B2 JP 13571987 A JP13571987 A JP 13571987A JP 13571987 A JP13571987 A JP 13571987A JP 2508091 B2 JP2508091 B2 JP 2508091B2
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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、破壊強力、耐摩耗性、反撥弾性に優れ、し
かも加工性に優れたランダムタイプのスチレン−ブタジ
エン共重合ゴムの製造方法に関する。
b.従来の技術 従来から乳化重合法で得られるスチレン−ブタジエン
共重合体ゴム(E−SBR)は、湿潤路面における耐ウェ
ットスキッド性に優れ、かつ耐摩耗性も良好なため、タ
イヤのトレッド用ゴムとして広く使用されている。しか
しながら、このE−SBRはエネルギーロスが大きく発熱
し易いため、大型タイヤあるいは低燃費を志向したタイ
ヤ用のゴムとしては不適当なものであった。
近年、これらの欠点を改良すべく、溶液重合法による
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムが開発されてきてい
る。
一般に、炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物重合開
始剤を用いて得られる共役ジエン重合体は、その分子量
分布が狭いことが特徴である。しかし、ゴムとして使用
する場合には、ロール作業性、加工性、物性上の点で、
分子量分布が広いものの方が好ましいとされており、こ
の点で、有機リチウム化合物を用いて得られる通常の共
役ジエン重合体は、適していない。さらにゴム、特にタ
イヤ製造用ゴムにおいては、耐摩耗性、スキッド抵抗の
優れたゴムが必要であるため、重合体中のミクロ構造を
最適範囲にコントロールしなければならない。そこで、
従来、炭化水素溶媒中で有機リチウム重合開始剤を用い
て得られる共役ジエン重合体のミクロ構造をコントロー
ルする方法として、以下の方法が提案されている。
米国特許第2975160号には、ランダムスチレン−ブタ
ジエンゴムの製造法が開示されている。この方法は、有
機リチウム化合物および炭化水素と極性有機化合物より
成る液状溶媒混合物を使用する方法であり、極性有機化
合物として、工業的には、テトラヒドロフランが使用さ
れる。この方法で製造されるゴムは、重合反応混合物中
に極性有機化合物を存在せしめるため、ゴム中のビニル
含量が大きい(27%ほど)という特徴がある。また35%
程度もしくはそれ以上のスチレン量を有する共重合体を
望むときに、この方法を用いると、生成する共重合体中
のビニル含量はさらに高いものとなる。
米国特許第3094512号には、低ビニル含量のランダム
スチレン−ブタジエンゴムの製造方法が開示されてい
る。この方法で使用する触媒は有機リチウム化合物であ
り、使用する単量体を重合反応系の正規重合速度より低
い速度で重合系内に仕込むこと、および単量体をかかる
制御された速度で仕込む必要があることを特徴とする方
法である。またこの方法では、低ビニル共重合体を得る
ため、極性化合物は反応系から実質的に除かれる。
英国特許第994726号にもスチレン−ブタジエン共重合
体の重合方法が開示されている。しかし、この方法にお
いては、ブタジエンを重合反応の途中で追加して添加す
ることが必要であるため、常時、反応状態について詳細
な情報を得る必要があり、極端に制御困難なプロセスで
ある。特に、この方法においては、重合反応の制御が不
適切であると、その生成物は分子鎖末端部に長いブロッ
ク部が形成される傾向がある。
また特公昭54-44315号には、−SO3M、−OSO3M基(M
はNa、K、Rb、Cs)を有するアニオン性界面活性剤とル
イス塩基性の化合物を併用する方法が開示されている。
しかし、この方法でも、−SO3M、−OSO3M基によるスチ
レンのランダム効果が小さく、また該ランダマイザーの
添加量を多くしたランダムスチレン・ブタジエン共重合
体ゴムを得ても、反撥弾性などの物性に優れたスチレン
・ブタジエン共重合体ゴムを得ることができない。また
本方法と英国特許994726号を組合わせてランダムスチレ
ン・ブタジエン共重合体ゴムを得ることができるが、操
作が複雑となり、また重合反応の制御が難しい。
さらにまた、特公昭49-48344には、 (R′、R″:アルキル基)タイプのランダム化剤を使
用することが提案されている。しかし、本発明者らはこ
の化合物の物性も検討してみたが、スチレンのランダム
化効果が小さく、また反撥弾性等に代表される物性の改
良効果が小さいことがわかった。
一方、既述したように、溶液重合法によって得られた
SBRは、乳化重合法によって得られたSBRよりも分子量分
布が狭いため、加工性、破壊強度および耐摩耗性といっ
た物性が劣っており、タイヤ用ゴムとして使用する場合
に用途が制限された。
このため、近年、カップリング反応を含む末端変性に
代表される共重合体を変性することによって、SBRの諸
物性を改良することが提案されている。
例えば特開昭57-55912号には特定のハロゲン化金属化
合物による変性が、また特開昭59-117514号にはアミノ
ベンゾフェノンタイプの化合物で共重合体の末端を変性
する方法が、さらに特開昭61-268702号には環状尿素化
合物で変性する方法が提案されている。しかしながら、
これらの方法によって得られる変性SBRは、いずれも反
撥弾性は良好であるが、E−SBR並の破壊強度および耐
摩耗性が得られず、また加工性も際立ったものではない
ことがわかった。
c.発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、かかる状況に鑑み、加工性、物性の良
好なランダムタイプのスチレンブタジエン共重合体を得
るべく鋭意研究した結果、本発明に到った。
d.問題点を解決するための手段 すなわち、本発明は、炭化水素溶媒中でスチレン5〜
50重量部と1,3−ブタジエン95〜50重量部とを有機リチ
ウム重合開始剤を用いて共重合するに際し、 (a) −SO3Kまたは−OSO3K基を有するアニオン性界
面活性剤の一種以上を、有機リチウム重合開始剤のリチ
ウム1グラム原子当量当り0.01〜0.5モルおよび (b) アルコール、チオアルコール、有機カルボン
酸、有機スルホン酸、有機亜リン酸、第1級アミンおよ
び第2級アミンから選ばれた一種以上を(a)界面活性
剤1モル当り0.1〜5モルで、かつ有機リチウム重合開
始剤のリチウム1グラム原子当量当たり0.5モル以下を
有機リチウム重合開始剤と共に用いることを特徴とする
ビニル含量40%以下のスチレン・ブタジエン共重合体の
製造方法を提供するものである。
本発明方法においては、スチレン5〜50重量部と1,3
−ブタジエン95〜50重量部とを有機リチウム重合開始剤
を用いて共重合するものである。スチレンが5重量部未
満であると得られるポリマーの破壊特性が劣り、50重量
部を超えると耐摩耗性が劣るため好ましくない。
本発明方法は、有機リチウム化合物および特定の有機
金属塩からなる共触媒を使用するものである。この触媒
を使用することによって、本発明方法は、最適の性質を
有する共重合体を製造するための重合反応の制御が可能
となる。
本発明に使用される有機リチウム重合開始剤のうち代
表的なものを挙げると次の通りである。
エチルリチウム、ブロリルリチウム、n−ブチルリウ
チム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムな
どのアルキルリチウム;フェニルリチウム、トリルリチ
ウムなどのアリルリチウム;ビニルリチウム、プロペニ
ルリチウムなどのアルケニルリチウム;テトラメチレン
ジリチウム、ペンタメチレンジリチウム、ヘキサメチレ
ンジリチウム、デカメチレンジリチウムなどのアルキレ
ンジリチウム;1,3−ジリチオベンゼン、1,4−ジリチオ
ベンゼンなどのアリレンジリチウム;1,3,5−トリリチオ
シクロヘキサン、1,2,5−トリリチオナフタレン、1,3,
5,8−テトラリチオデカン、1,2,3,5−テトラリチオ−4
−ヘキシル−アントラセンなどを用いることができる。
これらのうち好ましいものとしては、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムおよ
びテトラメチレンジリチウムであり、特に好ましいもの
としてはn−ブチルリチウムである。
有機リチウム重合開始剤の使用量は、反応操作におけ
る所定の重合速度および生成重合体の分子量によって決
定されるが、通常、単量体100g当たりリチウム原子とし
て0.02〜5ミリグラム原子程度、好適には0.05〜2ミリ
グラム原子用いることができる。
本発明で得られるスチレンブタジエン共重合体の分子
量は、特に限定されないが好適にはムーニー粘度(HL
1+4,100℃)で10〜150に相当する分子量である。
本発明に用いられる−SO3K、−OSO3K基を有する界面
活性剤(a)としては、ドデシルベンゼンスルホン酸カ
リウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ヘ
キサデシルベンゼンスルホン酸カリウム、オクタデシル
スルホン酸カリウムなど特公昭54-44315号に記載の化合
物である。。
−SO3K、−OSO3K基を有する界面活性剤(a)は、有
機リチウム重合開始剤のリチウム1グラム原子当量当り
0.01〜0.5モル用いられる。その量が有機リチウム重合
開始剤のリチウム1グラム原子当量当り0.01モル未満で
はランダムなスチレンブタジエン共重合体を得ることが
困難であり、また0.5モルを超えると重合活性が低下し
て好ましくない。
−SO3K、−OSO3K基を有する界面活性剤(a)に混合
して用いられる化合物(b)としては、メチルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール:ヘ
キシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、n
−オクチルアルコール、ラウリルアルコールなどの脂肪
族アルコールや各種フェノール性アルコール誘導体およ
びブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ジ
ヘキシルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、
ベンジルアミン、ジベンジルアミン、アニリンなどの各
種第一級アミンまたは第二級アミン、ブチルメルカプタ
ン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなど
のチオアルコール類、オクチル酸、ステアリン酸、ヘキ
サン酸などの有機カルボン酸および有機亜リン酸、有機
スルホン酸があげられる。これらの中で炭素数4以上の
アルコールまたは第2級アミンが物性、特に反撥弾性、
耐摩耗性の最も良好なスチレン・ブタジエン共重合体を
得る上、かつ重合活性を低下させる傾向が小さい面から
も好ましい。これらの化合物は−SO3K、−OSO3K基を有
する界面活性剤(a)1モル当り0.1モル〜5モル、好
適には0.5モル〜1モル用いる(−SO3M、−OSO3M基を有
する化合物と前記化合物は所望の温度で溶液下で混合す
ることができる。)また重合活性の面から添加量の上限
は、有機リチウム重合開始剤のリチウム1グラム原子当
量当たり0.5モル以下である。
化合物(b)の使用量が界面活性剤(a)1モル当り
0.1モル未満であると、−SO3K、−OSO3K基を有する化合
物によるスチレンのランダム化効果が小さくなり、反撥
弾性、耐摩耗性などの物性が劣るため、好ましくない。
5モルを超えると有機リチウム重合開始剤による重合の
活性が低下するため好ましくない。
炭化水素溶媒としては、シクロヘキサン、メチルシク
ロペンタン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素、プ
ロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、デカンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素が用いられ
る。これら炭化水素は二種以上を混合して用いてもよ
い。これら炭化水素の中で脂肪族炭化水素、脂環族炭化
水素が重合溶媒として好ましい。この炭化水素溶媒は、
単量体1重量部に対して0.5〜20重量部の範囲で用いら
れる。
本発明で得られるスチレン・ブタジエン共重合体の平
均ビニル含量は40%、好ましくは30%以下である。ビニ
ル含量の高いものを得るためには、エーテル化合物、第
三級アミン化合物などの公知のルイス塩基化合物を用い
ることができる。
本発明のスチレン・ブタジエン共重合体は、その結合
スチレン量が5〜50重量%、またブロックポリスチレン
含量が共重合体分子鎖における結合スチレン中5.0%未
満のランダム共重合体である。また本発明方法は、重合
終了時にスチレンのブロックが生成するいわゆる凝ラン
ダムスチレン・ブタジエン共重合体の製造方法も含む。
上記ブロックポリスチレン含量は、I.M.Kolthoffの方
法(J.Polymer Sci Vol1,429(1946))によって測定さ
れる。
本発明のポリマーを得るための重合反応は、バッチ重
合方式、連続重合方式のいずれの形式によっても行うこ
とができる。
重合温度は0℃〜130℃の範囲が用いられる。
また等温重合、昇温重合、あるいは断熱重合のいずれ
の重合形式によっても行うことができる。
さらにまた、重合時に反応容器内にゲルが生成するの
を防止するため、1,2−ブタジエンなどのアレン化合物
を添加することもできる。
さらに、本発明方法においては、重合を行なったの
ち、下記の種々の末端変性剤を添加してスチレン・ブタ
ジエン共重合体の末端を変性することができる。この末
端変性によって、従来の方法、すなわちルイス塩基、t
−BuOKをランダム化剤として使用して末端変性したSBR
に比べて、加工性および諸物性に優れたスチレン・ブタ
ジエン共重合体を得ることができる。
本発明によって得られたスチレン・ブタジエン共重合
体の末端を変性するために使用する末端変性剤として
は、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼンなど
のアルケニル芳香族化合物、四塩化スズ、ジブチルスズ
ジクロライド、トリブチルスズクロライド、トリフェニ
ルスズクロライドなどのハロゲン化スズ化合物、四塩化
ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、メチルトリクロロケ
イ素などのハロゲン化ケイ素化合物、フェニルイソシア
ナート、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレ
ンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナー
ト、ポリメリックタイプのジフェニルメタンジイソシア
ナート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレン
ジイソシアナートなどのイソシアナート化合物、N,N′
−ジメチルアミノベンゾフェノン、N,N′−ジエチルア
ミノベンゾフェノン、N−ジメチルアミノベンズアルデ
ヒド、N−ジエチルアミノベンズアルデヒド、N−ジメ
チルアミノベンゾイルクロライド、N−ジメチルアミノ
安息香酸のメチルエステル、p−ジエチルアミノスチレ
ン、p−ジメチルアミノスチレン、p−ジメチルアミノ
メチルスチレン、1−〔N−ジメチルアミノ〕−4−ク
ロロベンゼンなどのジアルキルアミノ置換芳香族化合
物、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、ビス
(2−ピリジル)ケトン、ビス(4−ビリジル)ケトン
などの芳香族複素窒素含有化合物、1,3−ジエチル−2
−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノンなどの環状の尿素化合物であり、これらから1種
または2種以上を選んでこれを重合系中に添加して、活
性な重合体末端を変性する。
この末端変性剤と結合するスチレン・ブタジエン共重
合体の構造は特に限定されないが、末端変性剤がスチレ
ン・ブタジエン共重合体分子中のジエンモノマー部と結
合していることが特に好ましい。そのためには、変性剤
添加前に少量のジエンモノマーを重合系内に添加し、こ
れをスチレン・ブタジエン共重合体の末端に結合させた
のち、上記変性剤を添加して結合させることもできる。
本発明の方法で得られたスチレン−ブタジエン共重合
体を含有した重合反応溶液は、通常の溶液重合法で用い
られる方法、例えば溶液状態で安定剤などを添加したの
ち必要に応じてナフテンオイルや高芳香族オイルあるい
は軟化剤、または液状ポリマーを添加し、直接乾燥法や
スチームストリッピング法によってゴムと溶剤を分離し
て洗浄し、乾燥して、目的のスチレン、ブタジエン共重
合体を得ることができる。
本発明のスチレン−ブタジエン共重合体は、単独また
は天然ゴム、ポリイソプレンゴム、乳化重合スチレンブ
タジエンゴム、ポリブタジエンなどとブレンドし、カー
ボンブラックまたはシリカなどの補強剤および各種配合
剤と、ロール、バンバリーミキサーによって混錬りした
のち、硫黄、加硫促進剤などを添加して加硫し、トレッ
ド、サイドウォール、カーカスなどのタイヤ用ゴムをは
じめベルト、防振ゴム、その他の工業用品に用いられ
る。
e.実施例 以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する
が、これらの実施例は本発明の範囲を制限するものでは
ない。
実施例1〜3、比較例1〜7 従来よりランダム化剤として知られている3種のカリ
ウム塩と本発明のドデシルベンゼンスルホン酸カリウム
/2−エチルヘキシルアルコール=1/0.5の混合モル比の
混合物を用いてスチレンとブタジエンを共重合し、重合
時のスチレンのランダム化効果、諸物性を比較した。
脱水、脱気したシクロヘキサン2000g、1,3−ブタジエ
ン400g、スチレン100gおよび各カリウム塩を5lの反応容
器に表−1に示した量加えたのち、反応器内温度を50℃
にした。次いで、n−ブチルリチウムを5ミリモル添加
し、昇温下で重合を行なった。重合転化率が100%に達
したのち、四塩化スズを0.75ミリモル加えてカップリン
グ反応を行なった。そののち、重合体溶液に2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾールを2.5g加え、脱溶媒乾燥を
行なった。
得られたスチレン・ブタジエン共重合体に表−3に示
す配合処方にしたがって、カーボンブラック等を添加し
て混錬り後、145℃で40分プレス加硫を行なった。
実施例1〜3と比較例1〜7で得られたスチレン・ブ
タジエン共重合体の物性を対比してみれば、本発明方法
は、従来の方法に比べてカリウム化合物のランダム化効
果が大きく、また得られた共重合体の加工性および物性
のバランスが優れていることがわかる。
実施例4〜16、比較例8〜12 〈ポリマーA〉 脱水、脱気したシクロヘキサン2000g、1,3−ブタジエ
ン350g、スチレン150g、テトラヒドロフラン0.2g、ドデ
シルベンゼンスルホン酸カリウムと2−エチルヘキシル
アルコールの1/0.5モル比の錯体をカリウム化合物で0.4
ミリモル、n−ブチルリチウム5ミリモルを加え、50〜
100℃の上昇温度下で重合を行った。重合が終了したの
ち、四塩化スズ0.75ミリモルを加えてカップリング反応
を行なった。実施例1と同様の後処理を行ないポリマー
Aを得た。
得られたスチレン・ブタジエン共重合体の物性の分析
結果を表−2に示す。
〈ポリマーB〉 ポリマーAと同一の条件でスチレン・ブタジエン共重
合体を重合したのち、この共重合体にポリメリックタイ
プのジフェニルメタンジイソシアナート4ミリモルを添
加してカップリング反応を行なった。そののち、2−エ
チルヘキシルアルコール6ミリモルを添加し、常法にて
脱溶乾燥を行なってポリマーBを得た。
得られたポリマーBの物性の分析結果を表−2に示
す。
〈ポリマーC〉 テトラヒドロフランを1g用いる以外はポリマーAと同
一の処方でポリマーCを得た。
得られたポリマーCの物性の分析結果を表−2に示
す。
〈ポリマーD〉 リボン型攪拌機を有する内容積10lの第1の槽型反応
器に、1,2−ブタンジエン150ppmを含む1,3−ブタンジエ
ン1.95kg/hr、スチレン0.75kg/hr、シクロヘキサン13.5
kg/hr、n−ブチルリチウムをモノマー100g当り1.25ミ
リモル、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム/t−ブタ
ノール=1/0.5の混合モル比の混合物をモノマー100g当
りカリウム化合物として0.08ミリモル連続的に供給し、
90℃で連続的に重合を行なった。
第1の反応器の出口において(重合転化率96%)、四
塩化スズをn−ブチルリチウム1モルに対して0.15モル
添加し、第2の反応器にてカップリング反応を行なっ
た。得られた重合反応溶液を常法にて脱溶、乾燥してポ
リマーDを得た。
得られたポリマーDの物性の分析結果を表−2に示
す。
〈ポリマーE〉 ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム/ジオクチルア
ミン=1/1の混合モル比の混合物を使用する以外は、ポ
リマーAと同一の処方でポリマーEを得た。
得られたポリマーEの物性の分析結果を表−2に示
す。
〈ポリマーF〉 n−ブチルリチウムを3.5ミリモル、四塩化ケイ素を
0.5ミリモル用いる以外はポリマーAと同一の方法で重
合、カップリング反応を行なった。重合溶液に高芳香族
オイル(JSR AROMA)を37.5PHR加えてポリマーFを得
た。
得られたポリマーFの物性の分析結果を表−2に示
す。
〈ポリマーG〉 ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム/2−エチルヘキ
シルアルコール=1/0.05の混合モル比の混合物をK化合
物として0.03ミリモル使用する以外はポリマーAと同一
の処方でポリマーGを得た。
得られたポリマーGの物性の分析結果を表−2に示
す。
〈ポリマーH〉 n−ブチルリチウム3.5ミリモル、ドデシルベンゼン
スルホン酸カリウム/2−エチルヘキシルアルコール=1/
0.5の混合モル比の混合物をカリウム化合物として0.025
ミリモル使用する以外はポリマーGと同一の処方で油展
ポリマーHを得た。
得られたポリマーHの物性の分析結果を表−2に示
す。
〈ポリマーI〉 5lの反応容器に、シクロヘキサン2000g、テトラヒド
ロフラン0.2g、n−ブチルリチウム5ミリモルを加え、
80℃の一定温度にコントロールしながら、スチレン150
g、1,3−ブタジエン350gの混合物を90分間で連続的に反
応器に加えて重合を行なった。反応終了後、20分間熟成
し、四塩化スズ0.75ミリモルを添加した。常法により脱
溶乾燥を行なってポリマーIを得た。
得られたポリマーIの物性の分析結果を表−2に示
す。
〈ポリマーJ〉 1,2−ブタジエンを150ppm含む1,3−ブタジエンを使用
する以外はポリマーAと同一の処方でポリマーJを得
た。得られたポリマーJに表−3に示す配合処方にした
がって各種添加剤を添加したのち、250ccプラストミル
にて混錬りし、150℃で40分プレス加硫を行なった。
得られたポリマーJの物性の分析結果を表−2に示
す。
〈ポリマーK〉 ドデシルベンゼンスルホン酸カリウムと2−エチルヘ
キサン酸を1/0.5のモル比で混合された化合物を用いる
以外は、ポリマーAと同一の方法でポリマーKを得た。
〈ポリマーL〉 ドデシルベンゼンスルホン酸カリウムとドデシルベン
ゼンスルホン酸を1/0.5のモル比で混合された化合物を
用いる以外は、ポリマーAと同一の方法でポリマーLを
得た。
〈ポリマーM〉 ドデシルベンゼンスルホン酸カリウムと有機亜リン酸
を1/0.5のモル比で混合された化合物を用いる以外は、
ポリマーAと同一の方法でポリマーMを得た。
〈ポリマーN〉 ドデシルベンゼンスルホン酸カリウムとオクチルアミ
ンを1/0.5のモル比で混合された化合物を用いる以外
は、ポリマーAと同一の方法でポリマーNを得た。
〈ポリマーO〉 ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム0.4ミリモル、
テトラヒドロフラン1.75g、n−ブチルリチウム3.5ミリ
モルを用いて、ポリマーAと同一の方法でポリマーOを
得た。
〈ポリマーP〉 カップリング反応において、トリフェニル錫クロライ
ドを3ミリモル用いる以外は、ポリマーAと同一の処方
でポリマーPを得た。
〈ポリマーQ〉 カップリング反応において、トリフェノキシメチルケ
イ素を5ミリモル用いる以外は、ポリマーAと同一の処
方でポリマーQを得た。
〈ポリマーR〉 ポリマーOと同一の処方で重合を開始し、カップリン
グ反応にトリフェノキシメチルケイ素を3.5ミリモル用
いた。
以上の通りに得られたポリマーA〜Rの加流物の加工
性、物性の評価結果を表−4に示す。その結果、実施例
4〜16の共重合体は、比較例8〜12の共重合体と比較し
て、その加工性−物性のバランスが良好であることがわ
かる。
また油展ポリマーである実施例9の共重合体も比較例
4の共重合体に比べて、物性、特に耐摩耗性および反撥
弾性が優れている。
表−3 配合処方 重量部 ポリマー 100 HAFカーボン 50 ステアリン酸 2 亜鉛華 3 老化防止剤810NA*1 1 促進剤CZ*2 0.6 M*3 0.6 D*4 0.4 イオウ 1.5 *1:N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレ
ンジアミン *2:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフ
ェンアミド *3:2−メルカプトベンゾチアゾール *4:1,3−ジフェニルグアニジン f.発明の効果 本発明のスチレン・ブタジエン共重合体の製造方法に
よれば、特定の(a)界面活性剤および(b)化合物を
特定の量、有機リチウム重合開始剤と共に用いることに
より、従来の方法によって得られるスチレン・ブタジエ
ン共重合体にはない、破壊強力、耐摩耗性および反撥弾
性に優れ、しかも加工性に優れたランダムタイプのスチ
レン−ブタジエン共重合体を製造することができる。
したがって、本発明方法によって得られるスチレン・
ブタジエン共重合体は、タイヤのトレッド、サイドウォ
ール、カーカス部などの各部位に使用するゴムとして、
またベルト、防振ゴム、その他の工業用品に用いるゴム
として適するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 8/00 MFY C08F 8/00 MFY (72)発明者 大嶋 昇 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−8211(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素溶媒中でスチレン5〜50重量部と
    1,3−ブタジエン95〜50重量部とを有機リチウム重合開
    始剤を用いて共重合するに際し、 (a) −SO3Kまたは−OSO3K基を有するアニオン性界
    面活性剤の一種以上を、有機リチウム重合開始剤のリチ
    ウム1グラム原子当量当り0.01〜0.5モルおよび (b) アルコール、チオアルコール、有機カルボン
    酸、有機スルホン酸、有機亜リン酸、第1級アミンおよ
    び第2級アミンから選ばれた一種以上を(a)界面活性
    剤1モル当り0.1〜5モルで、かつ有機リチウム重合開
    始剤のリチウム1グラム原子当量当たり0.5モル以下の
    量を有機リチウム重合開始剤と共に用いることを特徴と
    するビニル含量40%以下のスチレン・ブタジエン共重合
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】重合終了後に重合活性末端を末端変性剤で
    変性することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    製造方法。
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