JP2507920B2 - けい酸カルシウムを用いた耐酸性濾過助剤の製造方法 - Google Patents

けい酸カルシウムを用いた耐酸性濾過助剤の製造方法

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JP2507920B2 JP6017912A JP1791294A JP2507920B2 JP 2507920 B2 JP2507920 B2 JP 2507920B2 JP 6017912 A JP6017912 A JP 6017912A JP 1791294 A JP1791294 A JP 1791294A JP 2507920 B2 JP2507920 B2 JP 2507920B2
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/02Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising inorganic material
    • B01J20/10Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising inorganic material comprising silica or silicate

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の耐酸性けい酸カルシウム
濾過助剤は、難濾過性スラリ−や希薄スラリ−をボディ
フィ−ド濾過またはプリコ−ト濾過することによって、
固液分離および高清澄度濾液の分離回収を効率的に行う
ことができる。また、原料組成および加熱処理温度をコ
ントロ−ルすることによって、けい酸カルシウムからの
CaOの溶出量をコントロ−ルし、Caイオンとの結合によ
って溶液中の脂肪酸、色素等の除去や固定化など食品関
係への利用も可能である。さらに、重金属イオン含有廃
液の処理および固定化など幅広い利用が考えられる。
【0002】
【従来の技術】スラリ−中の分散粒子がベトベトした性
質で濾材に目詰まりを起こさせる場合の固液分離や分散
粒子が微細で、かつ濃度が薄い場合の濾過速度の改善お
よび清澄濾液の分離回収には従来からケイソウ土濾過助
剤が使用されている。しかし、ケイソウの種類によって
粒子径や結晶形態が異なるため、その濾過助剤としての
性質にもかなりの差があり、粉砕や分級等の濾過助剤製
造工程において品質管理上の難点があった。さらに、わ
が国には鉱量が豊富で高品位のケイソウ土鉱床が少な
く、安定的な供給にも問題があるなど技術的、経済的欠
点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水熱合成によって得ら
れるけい酸カルシウム粒体は、ケイソウ土と同様に多孔
質体であり、目的に応じて粉砕、分級を行うことなく粒
子径や結晶形態をコントロ−ルすることができ、安定供
給も可能であるなど、濾過助剤として多くの利点を有し
ている。しかし、耐酸性に劣るため使用範囲が限定され
るという欠点も有している。そこで、けい酸カルシウム
の有する利点を損なうことなく、耐酸性を付与させる技
術の開発が課題であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の諸
問題を解決する方法について鋭意研究を重ねてきた結
果、シリカ原料と石灰原料をCa/Siモル比で0.2〜1.0の
範囲で混合し、オ−トクレ−ブを使用して水溶液または
0.01〜1.0NのKOH溶液中で水熱反応させ、次いでこのけ
い酸カルシウムを800〜1200℃で加熱処理することによ
って、結晶形態を損ねることなく、耐酸性に優れ、かつ
濾過特性が著しく改善された耐酸性けい酸カルシウム濾
過助剤の製造方法を見出し、本発明をなすに至ったもの
である。
【0005】ここでシリカ原料としては、石英、もみが
ら灰等のけい酸質原料やフライアッシュ、シラス等のけ
い酸アルミニウム質原料など種々のシリカ含有物が有効
に利用できる。石灰原料としては、生石灰、消石灰等が
使用できる。
【0006】シリカ原料と石灰原料混合物のCa/Siモル
比が低いと、けい酸カルシウムの生成が不十分で濾過助
剤としての効果が発揮されない。一方、Ca/Siモル比が
高くなると、未反応の石灰原料が加熱処理してもそのま
ま残存し、濾過時に溶液中に溶出するため、シリカ原料
と石灰原料の混合割合には適当な範囲があり、適性範囲
はCa/Siモル比で0.2〜1.0である。
【0007】シリカ原料と石灰原料の混合物をKOH溶液
中で水熱反応させるのは、けい酸カルシウムの結晶形態
を変化させると同時に水熱反応を促進させるためであ
る。KOH溶液の濃度が低いと、KOHの添加効果が発揮され
ない。一方、KOH溶液の濃度が高くなると、結晶形態の
変化や反応促進効果はあるが、KOH溶液濃度の増加に見
合った濾過特性改善の効果がなく、KOH溶液濃度の適性
範囲は0.01〜1.0Nである。
【0008】けい酸カルシウムの加熱処理は、結晶構造
を変化させ、酸溶液中で不溶化させるためである。けい
酸カルシウムの加熱処理温度が低いと、加熱処理しても
酸溶液中でのけい酸カルシウムの不溶効果がない。一
方、加熱処理温度が高いと、酸溶液中でのけい酸カルシ
ウムの不溶効果は大となるが、けい酸カルシウムは収縮
して加熱処理前の結晶形態が変化するために濾過助剤と
しての性質が損なわれるため、けい酸カルシウムの加熱
処理温度には適当な範囲があり、適性温度範囲は800〜1
200℃である。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例および比較例の試験結果
を示す。
【0010】(実施例1)シリカ原料と石灰原料をCa/S
iモル比で0.8に調整した混合粉末に対し、重量比で20倍
の水を加えて混合、攪拌したスラリ−を180℃で8時間オ
−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反応を行い、けい酸
カルシウムスラリ−を得た。このけい酸カルシウムスラ
リ−を濾過、脱水して120℃で8時間乾燥し、電気炉に入
れて1100℃で1時間加熱処理して耐酸性けい酸カルシウ
ム濾過助剤を得た。
【0011】(実施例2)シリカ原料と石灰原料をCa/S
iモル比で0.6に調整した混合粉末に対し、重量比で20倍
の水を加えて混合、攪拌したスラリ−を180℃で8時間オ
−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反応を行い、けい酸
カルシウムスラリ−を得た。このけい酸カルシウムスラ
リ−を濾過、脱水して120℃で8時間乾燥し、電気炉に入
れて1100℃で1時間加熱処理して耐酸性けい酸カルシウ
ム濾過助剤を得た。
【0012】(実施例3)シリカ原料と石灰原料をCa/S
iモル比で0.6に調整した混合粉末に対し、重量比で20倍
の水を加えて混合、攪拌したスラリ−を180℃で8時間オ
−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反応を行い、けい酸
カルシウムスラリ−を得た。このけい酸カルシウムスラ
リ−を濾過、脱水して120℃で8時間乾燥し、電気炉に入
れて1000℃で1時間加熱処理して耐酸性けい酸カルシウ
ム濾過助剤を得た。
【0013】(実施例4)シリカ原料と石灰原料をCa/S
iモル比で0.4に調整した混合粉末に対し、重量比で20倍
の水を加えて混合、攪拌したスラリ−を180℃で8時間オ
−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反応を行い、けい酸
カルシウムスラリ−を得た。このけい酸カルシウムスラ
リ−を濾過、脱水して120℃で8時間乾燥し、電気炉に入
れて1100℃で1時間加熱処理して耐酸性けい酸カルシウ
ム濾過助剤を得た。
【0014】(実施例5)シリカ原料と石灰原料をCa/S
iモル比で0.6に調整した混合粉末に対し、重量比で20倍
の0.1N-KOH溶液を加えて混合、攪拌したスラリ−を180
℃で8時間オ−トクレ−ブ中で攪拌しながら水熱反応を
行い、けい酸カルシウムスラリ−を得た。このけい酸カ
ルシウムスラリ−を濾過、脱水して120℃で8時間乾燥
し、電気炉に入れて1000℃で1時間加熱処理して耐酸性
けい酸カルシウム濾過助剤を得た。
【0015】以上の実施例によって得られた耐酸性けい
酸カルシウム濾過助剤と、比較例として用いた加熱処理
していないけい酸カルシウム濾過助剤および市販のケイ
ソウ土濾過助剤の耐酸性、平均粒子径を表1に、ル−ス
の定圧濾過係数および濾液の清澄度を表2に示す。耐酸
性、平均粒子径、ル−スの定圧濾過係数および濾液の清
澄度の測定は、以下のようにして行った。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】耐酸性は30℃に調整した恒温水槽を用い、
試料0.15gをpHを2および3に調整した溶液200mlに浸漬し
て1時間攪拌混合を行った後、遠心分離機を用いて固液
分離し、次いで、濾液中のSiO2とCaOを分光光度計およ
び原子吸光分光光度計を用いて測定し、濾過助剤1g当り
のSiO2およびCaOの溶出量から評価した。
【0019】平均粒子径は、遠心式自動粒度分布測定装
置を用いて測定した。
【0020】濾過実験は、濾過面積19.3cm2の加圧濾過
器を用い、蛙目粘土スラリ−に各種の濾過助剤をボディ
フィ−ドしてル−ス(Ruth)の定圧濾過係数K20〔cm2/
sec〕(スラリ−温度20℃でのK値)を求めた。その際
の濾過圧力は0.5Kg/cm2、スラリ−濃度は0.05、F/C(濾
過助剤/蛙目粘土)の容積混合比は0.3および0.5で行っ
た。なおル−スの定圧濾過係数K20は、数値が大きいほ
ど濾過速度が速いことを示す。
【0021】濾液の清澄度は分光光度計の透過率測定を
利用し、遮蔽板を置いて透過率を0としたときの清澄度
を0、蒸留水の透過率を100としたときの清澄度を100と
みなし、濾過実験後の濾液の清澄度を評価した。なお濾
液の清澄度測定には、濾過圧力を0.5Kg/cm2、スラリ−
濃度を0.05、F/Cの容積混合比を0.3とし、濾過実験開始
から4分後の濾液を使用した。
【0022】
【発明の効果】本発明によって得られた加熱処理けい酸
カルシウム粒体の溶解度は大きく抑制され、既存のケイ
ソウ土濾過助剤に匹敵するものであり、かつルースの低
圧濾過係数、濾液の清澄度等の濾過特性値においても、
ケイソウ土濾過助剤より優れている。また、ケイソウ土
濾過助剤のように粉砕、分級等を必要とせず、反応条件
を適切に調整することによって、目的に応じた粒子径や
結晶形態の濾過助剤を容易に安定供給することを可能に
し、工業的に利用価値の高いものである。さらに、原料
組成や加熱処理温度を変えることによってCaOの溶出
量をコントロールし、Caイオンとの結合によって溶液
中の脂肪酸、色素、重金属イオン等の除去や固定化など
幅広い利用が考えられる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ原料と石灰原料をCa/Siモル比で
    0.2〜1.0の範囲で混合し、オ−トクレ−ブを使用して水
    溶液中で水熱反応させ、次いでこのけい酸カルシウムを
    800〜1200℃で加熱処理することを特徴とする耐酸性け
    い酸カルシウム濾過助剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 シリカ原料と石灰原料をCa/Siモル比で
    0.2〜1.0の範囲で混合し、オ−トクレ−ブを使用して0.
    01〜1.0NのKOH溶液中で水熱反応させ、次いでこのけい
    酸カルシウムを800〜1200℃で加熱処理することを特徴
    とする耐酸性けい酸カルシウム濾過助剤の製造方法。
JP6017912A 1994-01-17 1994-01-17 けい酸カルシウムを用いた耐酸性濾過助剤の製造方法 Expired - Lifetime JP2507920B2 (ja)

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