JP3035621B2 - 耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤の製造方法 - Google Patents
耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤の製造方法Info
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- JP3035621B2 JP3035621B2 JP9153006A JP15300697A JP3035621B2 JP 3035621 B2 JP3035621 B2 JP 3035621B2 JP 9153006 A JP9153006 A JP 9153006A JP 15300697 A JP15300697 A JP 15300697A JP 3035621 B2 JP3035621 B2 JP 3035621B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ろ過特性及び耐酸
性に優れ、ろ過しにくいスラリーや希薄スラリーの固液
分離に好適に用いられるケイ酸質ろ過助剤を効率よく製
造する方法に関するものである。
性に優れ、ろ過しにくいスラリーや希薄スラリーの固液
分離に好適に用いられるケイ酸質ろ過助剤を効率よく製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、分散粒子が粘着性を有し、ろ材に
目詰まりを起こしやすい懸濁液、あるいは分散粒子が微
細で、かつ濃度が薄い懸濁液を固液分離する場合には、
ろ過速度の改善や清澄ろ液の分離回収などのために、一
般にケイソウ土系ろ過助剤が用いられている。しかしな
がら、このケイソウ土系ろ過助剤においては、ケイソウ
土の種類によって、粒子径や結晶形態が異なるため、ろ
過特性にかなりの差を生じるため、粉砕や分級処理など
のろ過助剤の製造工程において、厳しい品質管理を行わ
なければならなかった。一方、わが国には鉱量が豊富で
高品位のケイソウ土鉱床が少なく、安定的な供給ができ
ないという問題がある上に、天然の堆積鉱物であるケイ
ソウ土は、有機質や鉄分などの不純物を含有し、そのま
までは吸着作用が低いため、医薬関係において、ケイソ
ウ土系ろ過助剤を使用する際には、通常厳密に制御され
た前処理が施されている。食品関係や石油化学関係にお
いては、これを用いると鉄分によってろ液が着色した
り、十分な脱臭が行われないため、さらにシリカゲルな
どによって再処理しなければならないという欠点があっ
た。
目詰まりを起こしやすい懸濁液、あるいは分散粒子が微
細で、かつ濃度が薄い懸濁液を固液分離する場合には、
ろ過速度の改善や清澄ろ液の分離回収などのために、一
般にケイソウ土系ろ過助剤が用いられている。しかしな
がら、このケイソウ土系ろ過助剤においては、ケイソウ
土の種類によって、粒子径や結晶形態が異なるため、ろ
過特性にかなりの差を生じるため、粉砕や分級処理など
のろ過助剤の製造工程において、厳しい品質管理を行わ
なければならなかった。一方、わが国には鉱量が豊富で
高品位のケイソウ土鉱床が少なく、安定的な供給ができ
ないという問題がある上に、天然の堆積鉱物であるケイ
ソウ土は、有機質や鉄分などの不純物を含有し、そのま
までは吸着作用が低いため、医薬関係において、ケイソ
ウ土系ろ過助剤を使用する際には、通常厳密に制御され
た前処理が施されている。食品関係や石油化学関係にお
いては、これを用いると鉄分によってろ液が着色した
り、十分な脱臭が行われないため、さらにシリカゲルな
どによって再処理しなければならないという欠点があっ
た。
【0003】そのほか、オートクレーブを用い、水の存
在下で水熱反応させ、生成したケイ酸カルシウムスラリ
ーを室温まで冷却し、次いで二酸化炭素を吹き込んで、
ケイ酸と炭酸カルシウムに分解させたのち、酸で炭酸カ
ルシウムを除去して、ケイ酸固形物を得る方法が知られ
ている。しかし、この方法においては、水熱反応終了
後、自生圧力を解放し、二酸化炭素を吹き込んでも、二
酸化炭素の温水への溶解度が小さく、ケイ酸カルシウム
中の酸化カルシウムは炭酸化されにくいため、生成した
ケイ酸カルシウムスラリーを室温まで冷却することによ
り、ケイ酸カルシウムスラリーヘの二酸化炭素の溶解度
を促進させ、ケイ酸カルシウム中の酸化カルシウムの炭
酸化効率を向上させなければならないが、工業用大型オ
ートクレーブ中のケイ酸カルシウムスラリーを室温まで
冷却するには数日間を必要とする上、二酸化炭素による
ケイ酸カルシウムの分解も長時間を要し、処理効率が悪
く、コストが高くつくのを免れない。
在下で水熱反応させ、生成したケイ酸カルシウムスラリ
ーを室温まで冷却し、次いで二酸化炭素を吹き込んで、
ケイ酸と炭酸カルシウムに分解させたのち、酸で炭酸カ
ルシウムを除去して、ケイ酸固形物を得る方法が知られ
ている。しかし、この方法においては、水熱反応終了
後、自生圧力を解放し、二酸化炭素を吹き込んでも、二
酸化炭素の温水への溶解度が小さく、ケイ酸カルシウム
中の酸化カルシウムは炭酸化されにくいため、生成した
ケイ酸カルシウムスラリーを室温まで冷却することによ
り、ケイ酸カルシウムスラリーヘの二酸化炭素の溶解度
を促進させ、ケイ酸カルシウム中の酸化カルシウムの炭
酸化効率を向上させなければならないが、工業用大型オ
ートクレーブ中のケイ酸カルシウムスラリーを室温まで
冷却するには数日間を必要とする上、二酸化炭素による
ケイ酸カルシウムの分解も長時間を要し、処理効率が悪
く、コストが高くつくのを免れない。
【0004】また、この水熱反応によって得られるケイ
酸カルシウム粉体は、ケイソウ土と同様に多孔質体であ
るが、ケイソウ土のように目的に応じて粉砕や分級処理
を行わなくても、反応条件によって、粒子径や結晶形態
をコントロールすることができる上、原料を選定するこ
とによって、有機質や鉄分を含まないろ過助剤を安定に
供給できるなど、ろ過助剤としての多くの利点を有して
いるにもかかわらず、一般に耐酸性に劣るために、使用
範囲が制限されるという欠点を有している。したがっ
て、ケイ酸カルシウム系ろ過助剤の有する利点をそこな
うことなく、短時間で、しかも簡単な方法によって、耐
酸性を付与した高比表面積のろ過助剤の開発が望まれて
いた。
酸カルシウム粉体は、ケイソウ土と同様に多孔質体であ
るが、ケイソウ土のように目的に応じて粉砕や分級処理
を行わなくても、反応条件によって、粒子径や結晶形態
をコントロールすることができる上、原料を選定するこ
とによって、有機質や鉄分を含まないろ過助剤を安定に
供給できるなど、ろ過助剤としての多くの利点を有して
いるにもかかわらず、一般に耐酸性に劣るために、使用
範囲が制限されるという欠点を有している。したがっ
て、ケイ酸カルシウム系ろ過助剤の有する利点をそこな
うことなく、短時間で、しかも簡単な方法によって、耐
酸性を付与した高比表面積のろ過助剤の開発が望まれて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、良好なろ過特性を有し、耐酸性に優れ、
かつ高比表面積であり、有機物や鉄分などを含まない
上、反応条件を適切に調整することにより、所望の粒子
径や結晶形態を有するケイ酸質系ろ過助剤を短時間で簡
単に製造する方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
事情のもとで、良好なろ過特性を有し、耐酸性に優れ、
かつ高比表面積であり、有機物や鉄分などを含まない
上、反応条件を適切に調整することにより、所望の粒子
径や結晶形態を有するケイ酸質系ろ過助剤を短時間で簡
単に製造する方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ケイ酸質系
ろ過助剤の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、シ
リカ原料と石灰原料とを所定の割合で含有する水性スラ
リーを、所定の温度で水熱反応させたのち、直接酸処理
し、所望に応じさらに焼成することにより、品質の高い
高性能のケイ酸質系ろ過助剤を簡単に製造しうることを
見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
ろ過助剤の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、シ
リカ原料と石灰原料とを所定の割合で含有する水性スラ
リーを、所定の温度で水熱反応させたのち、直接酸処理
し、所望に応じさらに焼成することにより、品質の高い
高性能のケイ酸質系ろ過助剤を簡単に製造しうることを
見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、シリカ原料と石灰原
料とを、CaO/SiO2モル比0.3〜1.2の割合
で含有する水性スラリーを、70〜190℃の温度で加
熱処理して水熱反応を行い、ケイ酸カルシウムを生成さ
せ、次いでこのスラリーに30〜100℃の温度におい
て、所定量の酸を加えて処理したのち、固形分を分離回
収し、場合により得られた固形物を200〜1400℃
の温度で焼成することを特徴とする耐酸性ケイ酸質系ろ
過助剤の製造方法を提供するものである。
料とを、CaO/SiO2モル比0.3〜1.2の割合
で含有する水性スラリーを、70〜190℃の温度で加
熱処理して水熱反応を行い、ケイ酸カルシウムを生成さ
せ、次いでこのスラリーに30〜100℃の温度におい
て、所定量の酸を加えて処理したのち、固形分を分離回
収し、場合により得られた固形物を200〜1400℃
の温度で焼成することを特徴とする耐酸性ケイ酸質系ろ
過助剤の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明方法において用いられるシ
リカ原料としては、通常シリカ原料として用いられてい
るものであれば、特に制限はなく、例えば石英、非晶質
ケイ酸、ホワイトカーボン、さらにはもみがら灰、フラ
イアッシュ、シラスなどのシリカ含有物質の粉体を用い
ることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
リカ原料としては、通常シリカ原料として用いられてい
るものであれば、特に制限はなく、例えば石英、非晶質
ケイ酸、ホワイトカーボン、さらにはもみがら灰、フラ
イアッシュ、シラスなどのシリカ含有物質の粉体を用い
ることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】また、本発明方法においては、これらのシ
リカ原料粉体の粒度について特に制限はなく、状況に応
じて適宜選定すればよいが、スラリー中の分散性、水熱
反応性及び経済性などの面から、通常0.5〜500μ
m、好ましくは2〜100μmの範囲で選ばれる。
リカ原料粉体の粒度について特に制限はなく、状況に応
じて適宜選定すればよいが、スラリー中の分散性、水熱
反応性及び経済性などの面から、通常0.5〜500μ
m、好ましくは2〜100μmの範囲で選ばれる。
【0010】一方、石灰原料としては、通常の石灰原料
として用いられているもの、例えば生石灰(酸化カルシ
ウム)、消石灰(水酸化カルシウム)などの粉体を用い
ることができ、これらは単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明方法にお
いては、前記石灰原料粉体のうち、生石灰は水に分散さ
せるとゲル化するため、その粒度について特に制限はな
いし、また消石灰についても普通使用されているもので
よく、その粒度には制限はないが、その取り扱いの上か
ら、通常0.5〜500μm、好ましくは2〜100μ
mの範囲で選ばれる。
として用いられているもの、例えば生石灰(酸化カルシ
ウム)、消石灰(水酸化カルシウム)などの粉体を用い
ることができ、これらは単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明方法にお
いては、前記石灰原料粉体のうち、生石灰は水に分散さ
せるとゲル化するため、その粒度について特に制限はな
いし、また消石灰についても普通使用されているもので
よく、その粒度には制限はないが、その取り扱いの上か
ら、通常0.5〜500μm、好ましくは2〜100μ
mの範囲で選ばれる。
【0011】本発明方法においては、前記シリカ原料と
石灰原料は、CaO/SiO2モル比が0.3〜1.2
の範囲になるような割合で用いることが必要である。こ
のモル比が0.3未満ではケイ酸カルシウムの生成が不
十分で、ろ過助剤としての効果が十分に発揮されないお
それがあるし、1.2を超えるとケイ酸カルシウムは十
分に生成するが、酸処理によって酸化カルシウムを除去
するために歩留まりが低下する。
石灰原料は、CaO/SiO2モル比が0.3〜1.2
の範囲になるような割合で用いることが必要である。こ
のモル比が0.3未満ではケイ酸カルシウムの生成が不
十分で、ろ過助剤としての効果が十分に発揮されないお
それがあるし、1.2を超えるとケイ酸カルシウムは十
分に生成するが、酸処理によって酸化カルシウムを除去
するために歩留まりが低下する。
【0012】本発明方法においては、まず、前記シリカ
原料粉体と石灰原料粉体を、CaO/SiO2モル比が
0.3〜1.2になるような割合で分散させた水性スラ
リーを調製する。この水性媒体としては、水又は0.0
1〜1.0規定程度の水酸化アルカリ水溶液が好まし
い。水酸化アルカリ水溶液を用いると、生成するケイ酸
カルシウムの結晶形態を変化させる効果と水熱反応を促
進させる効果が発揮される。例えば、シリカ原料が多量
のアルミナを含有している場合、微細粒状結晶であるハ
イドロガーネットが析出しやすいが、このハイドロガー
ネットの微細粒状結晶の析出が抑制されるとともに、水
熱反応が促進される。水酸化アルカリ水溶液の濃度が
0.01規定未満では水酸化アルカリ水溶液を用いた効
果が十分に発揮されないし、1.0規定を超えると反応
が促進されすぎて、ろ過助剤としての品質が低下する。
この水酸化アルカリとしては、例えば水酸化リチウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが用いられ、そ
れらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよいが、特に水酸化カリウムが好適である。
原料粉体と石灰原料粉体を、CaO/SiO2モル比が
0.3〜1.2になるような割合で分散させた水性スラ
リーを調製する。この水性媒体としては、水又は0.0
1〜1.0規定程度の水酸化アルカリ水溶液が好まし
い。水酸化アルカリ水溶液を用いると、生成するケイ酸
カルシウムの結晶形態を変化させる効果と水熱反応を促
進させる効果が発揮される。例えば、シリカ原料が多量
のアルミナを含有している場合、微細粒状結晶であるハ
イドロガーネットが析出しやすいが、このハイドロガー
ネットの微細粒状結晶の析出が抑制されるとともに、水
熱反応が促進される。水酸化アルカリ水溶液の濃度が
0.01規定未満では水酸化アルカリ水溶液を用いた効
果が十分に発揮されないし、1.0規定を超えると反応
が促進されすぎて、ろ過助剤としての品質が低下する。
この水酸化アルカリとしては、例えば水酸化リチウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが用いられ、そ
れらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよいが、特に水酸化カリウムが好適である。
【0013】また、シリカ原料と石灰原料を含有するス
ラリー濃度については、通常のケイ酸カルシウムを製造
する場合の濃度を用いればよく、特に制限はないが、水
熱反応性及び容積効率などを考慮すると、シリカ原料と
石灰原料との合計量に対し、水性媒体を10〜50倍重
量の割合で含むスラリーが好ましい。
ラリー濃度については、通常のケイ酸カルシウムを製造
する場合の濃度を用いればよく、特に制限はないが、水
熱反応性及び容積効率などを考慮すると、シリカ原料と
石灰原料との合計量に対し、水性媒体を10〜50倍重
量の割合で含むスラリーが好ましい。
【0014】本発明方法における水熱反応は、例えばオ
ートクレーブ中において、70〜190℃の範囲の温度
で実施される。この水熱反応は自生圧力下で進行する
が、必要に応じ適当に加圧して反応を行ってもよい。ま
た、反応中は、撹拌を行わなくてもよいが、反応速度を
促進させるために、必要に応じ、撹拌を行ってもよい。
この、撹拌速度を変化させることによって、粒子径を調
整することができる。水熱反応温度が70℃未満では反
応速度が遅すぎて長時間を要し、実用的でなく、また1
90℃を超えると自生圧力が高くなりすぎ、装置面など
において経済的に不利となる。反応時間は、スラリー濃
度、原料の種類や粒度、反応温度などに左右され、一概
に定めることはできないが、通常は1〜100時間程度
で十分である。この水熱反応により、ケイ酸カルシウム
が生成する。
ートクレーブ中において、70〜190℃の範囲の温度
で実施される。この水熱反応は自生圧力下で進行する
が、必要に応じ適当に加圧して反応を行ってもよい。ま
た、反応中は、撹拌を行わなくてもよいが、反応速度を
促進させるために、必要に応じ、撹拌を行ってもよい。
この、撹拌速度を変化させることによって、粒子径を調
整することができる。水熱反応温度が70℃未満では反
応速度が遅すぎて長時間を要し、実用的でなく、また1
90℃を超えると自生圧力が高くなりすぎ、装置面など
において経済的に不利となる。反応時間は、スラリー濃
度、原料の種類や粒度、反応温度などに左右され、一概
に定めることはできないが、通常は1〜100時間程度
で十分である。この水熱反応により、ケイ酸カルシウム
が生成する。
【0015】本発明方法においては、水熱反応終丁後、
生成したケイ酸カルシウムのスラリーに、30〜100
℃の温度において、所定量の酸を加え、ケイ酸の沈殿を
形成させる。この酸処理により、ケイ酸カルシウムの形
状を変化させることなく、酸化カルシウムを除去するこ
とができる。例えば、オートクレーブを用いて、100
℃以上で水熱反応を行った場合、自生圧力を解放すると
ケイ酸カルシウムスラリーの温度は100℃まで降下す
るので、直ちに酸を、ケイ酸カルシウム中の酸化カルシ
ウムの量に対応する量で添加することにより、短時間で
酸化カルシウムが除去される。このようにして、結晶性
の高いケイ酸カルシウムを形成させると、100℃近傍
で酸を加えると短時間で良質の耐酸性ケイ酸質系ろ過助
剤が得られる。これに対し、結晶性の低いケイ酸カルシ
ウムを形成させると、100℃近傍で酸を加えると、酸
化カルシウムが急激に除去されることによって、ケイ酸
カルシウムの形態も崩壊され、良質の耐酸性ケイ酸質系
ろ過助剤が得られない。そのため、ケイ酸カルシウムの
結晶性に応じて30℃程度まで下げることによって、良
質の耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤が得られる。酸を加える
温度が30℃未満であっても、良質の耐酸性ケイ酸質系
ろ過助剤が得られるが、ケイ酸カルシウムスラリーの冷
却時間及び酸化カルシウムの除去効率を考慮すると、3
0℃以上が有利である。また、酸を加えた後で完全に固
形分が析出するには通常1〜120分間程度を要する。
生成したケイ酸カルシウムのスラリーに、30〜100
℃の温度において、所定量の酸を加え、ケイ酸の沈殿を
形成させる。この酸処理により、ケイ酸カルシウムの形
状を変化させることなく、酸化カルシウムを除去するこ
とができる。例えば、オートクレーブを用いて、100
℃以上で水熱反応を行った場合、自生圧力を解放すると
ケイ酸カルシウムスラリーの温度は100℃まで降下す
るので、直ちに酸を、ケイ酸カルシウム中の酸化カルシ
ウムの量に対応する量で添加することにより、短時間で
酸化カルシウムが除去される。このようにして、結晶性
の高いケイ酸カルシウムを形成させると、100℃近傍
で酸を加えると短時間で良質の耐酸性ケイ酸質系ろ過助
剤が得られる。これに対し、結晶性の低いケイ酸カルシ
ウムを形成させると、100℃近傍で酸を加えると、酸
化カルシウムが急激に除去されることによって、ケイ酸
カルシウムの形態も崩壊され、良質の耐酸性ケイ酸質系
ろ過助剤が得られない。そのため、ケイ酸カルシウムの
結晶性に応じて30℃程度まで下げることによって、良
質の耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤が得られる。酸を加える
温度が30℃未満であっても、良質の耐酸性ケイ酸質系
ろ過助剤が得られるが、ケイ酸カルシウムスラリーの冷
却時間及び酸化カルシウムの除去効率を考慮すると、3
0℃以上が有利である。また、酸を加えた後で完全に固
形分が析出するには通常1〜120分間程度を要する。
【0016】この際に用いる酸としては、電離度が小さ
く、急激にpHを降下させず、かつ酸化カルシウムとの
反応によって不溶性の生成物を形成しないような酸が好
ましい。このような酸としては、例えば亜硝酸のような
無機酸、酢酸のような有機酸を挙げることができるが、
酸性陽イオン交換剤も用いることができる。強酸性陽イ
オン交換剤を用いると、反応速度が促進すると同時に、
ケイ酸カルシウム中のカルシウムイオンが吸着されるの
で、水洗が必要でなく、陽イオン交換剤のみを酸洗いす
ることで繰り返し使用でき、経済効率を向上させること
ができるので有利である。
く、急激にpHを降下させず、かつ酸化カルシウムとの
反応によって不溶性の生成物を形成しないような酸が好
ましい。このような酸としては、例えば亜硝酸のような
無機酸、酢酸のような有機酸を挙げることができるが、
酸性陽イオン交換剤も用いることができる。強酸性陽イ
オン交換剤を用いると、反応速度が促進すると同時に、
ケイ酸カルシウム中のカルシウムイオンが吸着されるの
で、水洗が必要でなく、陽イオン交換剤のみを酸洗いす
ることで繰り返し使用でき、経済効率を向上させること
ができるので有利である。
【0017】一般に、電離度が大きく、急激にpHを降
下させる塩酸などを直接ケイ酸カルシウムスラリーに添
加すると、塩酸が急激にイオンに解離し、解離した陽イ
オンによって酸化カルシウムが急激に除去され、それに
伴ってケイ酸カルシウムの形態も崩壊し、ろ過助剤とし
て良質なものが得られにくい。
下させる塩酸などを直接ケイ酸カルシウムスラリーに添
加すると、塩酸が急激にイオンに解離し、解離した陽イ
オンによって酸化カルシウムが急激に除去され、それに
伴ってケイ酸カルシウムの形態も崩壊し、ろ過助剤とし
て良質なものが得られにくい。
【0018】これに対し、電離度が小さく、急激にpH
を降下させない酢酸などを直接ケイ酸カルシウムスラリ
ーに添加しても、酢酸は急激にイオンに解離せず、イオ
ンの消費に伴って、徐々にイオンに解離するため、溶液
中のイオン量は制限され、陽イオンによる酸化カルシウ
ムの除去に伴うケイ酸カルシウムの形態の崩壊もなく、
その形態が維持されるので有利である。また、電離度は
温度が高くなると大きくなり、温度が低くなると小さく
なるため、ケイ酸カルシウムの結晶性に応じて処理温度
を調整することによっても、良質なケイ酸質系ろ過助剤
を得ることができる。
を降下させない酢酸などを直接ケイ酸カルシウムスラリ
ーに添加しても、酢酸は急激にイオンに解離せず、イオ
ンの消費に伴って、徐々にイオンに解離するため、溶液
中のイオン量は制限され、陽イオンによる酸化カルシウ
ムの除去に伴うケイ酸カルシウムの形態の崩壊もなく、
その形態が維持されるので有利である。また、電離度は
温度が高くなると大きくなり、温度が低くなると小さく
なるため、ケイ酸カルシウムの結晶性に応じて処理温度
を調整することによっても、良質なケイ酸質系ろ過助剤
を得ることができる。
【0019】このようにして、酸を加えて処理されたス
ラリーは、所望により水で洗浄後、ろ過や遠心分離など
の公知の手段によって固液分離したのち、得られた固形
物を乾燥処理し、必要ならば粉砕処理することにより、
所望の耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤が得られる。
ラリーは、所望により水で洗浄後、ろ過や遠心分離など
の公知の手段によって固液分離したのち、得られた固形
物を乾燥処理し、必要ならば粉砕処理することにより、
所望の耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤が得られる。
【0020】また、本発明方法においては、前記固液分
離後の固形物又は固液分離後乾燥処理した固形物を、そ
の結晶形状、結晶構造及び比表面積を変化させて、耐酸
性とろ過特性を向上させ、また高比表面積を必要としな
い場合には、比表面積を低下させるために、所望により
200〜1400℃の範囲の温度において焼成処理して
もよい。この温度が200℃未満では耐酸性とろ過特性
の向上効果が十分に発揮されない上に、比表面積の低下
が行われないし、1400℃を超えると固形物が収縮し
てろ過助剤としての特性がそこなわれる。焼成処理時間
は焼成温度にも左右されるが、通常は1〜120分間程
度で十分である。このようにして加熱処理した後の固形
物は、必要に応じ粉砕処理を施したのち使用される。
離後の固形物又は固液分離後乾燥処理した固形物を、そ
の結晶形状、結晶構造及び比表面積を変化させて、耐酸
性とろ過特性を向上させ、また高比表面積を必要としな
い場合には、比表面積を低下させるために、所望により
200〜1400℃の範囲の温度において焼成処理して
もよい。この温度が200℃未満では耐酸性とろ過特性
の向上効果が十分に発揮されない上に、比表面積の低下
が行われないし、1400℃を超えると固形物が収縮し
てろ過助剤としての特性がそこなわれる。焼成処理時間
は焼成温度にも左右されるが、通常は1〜120分間程
度で十分である。このようにして加熱処理した後の固形
物は、必要に応じ粉砕処理を施したのち使用される。
【0021】本発明方法により得られた耐酸性ケイ酸質
系ろ過助剤は、用途に応じて適当に粉砕されるが、この
粒度は通常平均粒子径で3〜50μmの範囲で選ばれ
る。なお、このような本発明方法で得られた耐酸性ケイ
酸質系ろ過助剤は、良好な吸着特性を有しており、吸着
剤としても有効である。
系ろ過助剤は、用途に応じて適当に粉砕されるが、この
粒度は通常平均粒子径で3〜50μmの範囲で選ばれ
る。なお、このような本発明方法で得られた耐酸性ケイ
酸質系ろ過助剤は、良好な吸着特性を有しており、吸着
剤としても有効である。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、安定供給可能な原料を
用い、従来のケイソウ土系ろ過助剤よりも優れたろ過特
性を有し、かつ該ケイソウ土系ろ過助剤に匹敵する耐酸
性を有するろ過助剤及び焼成することで任意に調整可能
なシリカゲルに匹敵する比表面積を有し、優れた吸着特
性を有する吸着剤を簡単かつ短時間で製造することがで
きる。さらに、本発明においては、粉砕や分級すること
なく、反応条件を適切に調整することにより、目的に応
じた粒子径や結晶形態のろ過助剤が容易に得られるし、
また原料を選定することにより、有機質や鉄分を含まな
いろ過助剤が得られる。したがって、医薬関係、食品関
係、石油化学関係などで利用するろ過助剤や吸着剤の製
造方法として好適である。
用い、従来のケイソウ土系ろ過助剤よりも優れたろ過特
性を有し、かつ該ケイソウ土系ろ過助剤に匹敵する耐酸
性を有するろ過助剤及び焼成することで任意に調整可能
なシリカゲルに匹敵する比表面積を有し、優れた吸着特
性を有する吸着剤を簡単かつ短時間で製造することがで
きる。さらに、本発明においては、粉砕や分級すること
なく、反応条件を適切に調整することにより、目的に応
じた粒子径や結晶形態のろ過助剤が容易に得られるし、
また原料を選定することにより、有機質や鉄分を含まな
いろ過助剤が得られる。したがって、医薬関係、食品関
係、石油化学関係などで利用するろ過助剤や吸着剤の製
造方法として好適である。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、ろ過助剤の性能は、以下に示
す方法に従って評価した。
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、ろ過助剤の性能は、以下に示
す方法に従って評価した。
【0024】(1)耐酸性 試料0.10gを、pH1.2の塩酸水溶液200ml
中に浸せきし、50℃に調整した恒温水槽中で1時間か
きまぜたのち、遠心分離機により固液分離し、次いでろ
液中のSiO2量を分光光度計により、CaO量を原子
吸光分光光度計により測定し、ろ過助剤1g当りの溶出
量を求め、耐酸性を評価した。 (2)ルースの定圧ろ過係数K20 ろ過面積21.9cm2の加圧ろ過器を用い、pH2に
調整した蛙目粘土スラリーに、試料のろ過助剤をボディ
フィードして、ルース(Ruth)の定圧ろ過係数K20
[cm2/sec](スラリー温度20℃でのK値)を
求めた。その際のろ過圧力は0.5kg/cm2、スラ
リー濃度は0.5重量%、F/C(ろ過助剤/蛙目粘
土)の容積混合比は0.5である。なお、ルースの定圧
ろ過係数K20は、数値が大きいほどろ過速度が大きいこ
とを示す。 (3)ろ液の清澄度 分光光度計による透過率測定を利用し、遮蔽板を置いて
透過率を0としたときの清澄度を0、蒸留水の透過率を
100としたときの清澄度を100とみなし、上記
(2)で得られたろ液の清澄度を評価した。なお、ろ液
はろ過開始から1分後のものを用いた。 (4)BET比表面積 BET比表面積測定装置を用い、200℃で十分に加熱
脱気した試料について、窒素ガスを吸着させる多点法に
よる比表面積を求めた。 (5)平均粒子径 遠心式自動粒度分布測定装置を用い、試料の平均粒子径
を求めた。
中に浸せきし、50℃に調整した恒温水槽中で1時間か
きまぜたのち、遠心分離機により固液分離し、次いでろ
液中のSiO2量を分光光度計により、CaO量を原子
吸光分光光度計により測定し、ろ過助剤1g当りの溶出
量を求め、耐酸性を評価した。 (2)ルースの定圧ろ過係数K20 ろ過面積21.9cm2の加圧ろ過器を用い、pH2に
調整した蛙目粘土スラリーに、試料のろ過助剤をボディ
フィードして、ルース(Ruth)の定圧ろ過係数K20
[cm2/sec](スラリー温度20℃でのK値)を
求めた。その際のろ過圧力は0.5kg/cm2、スラ
リー濃度は0.5重量%、F/C(ろ過助剤/蛙目粘
土)の容積混合比は0.5である。なお、ルースの定圧
ろ過係数K20は、数値が大きいほどろ過速度が大きいこ
とを示す。 (3)ろ液の清澄度 分光光度計による透過率測定を利用し、遮蔽板を置いて
透過率を0としたときの清澄度を0、蒸留水の透過率を
100としたときの清澄度を100とみなし、上記
(2)で得られたろ液の清澄度を評価した。なお、ろ液
はろ過開始から1分後のものを用いた。 (4)BET比表面積 BET比表面積測定装置を用い、200℃で十分に加熱
脱気した試料について、窒素ガスを吸着させる多点法に
よる比表面積を求めた。 (5)平均粒子径 遠心式自動粒度分布測定装置を用い、試料の平均粒子径
を求めた。
【0025】実施例1 非晶質のシリカ粉体(平均粒子径2μm)と生石灰粉体
とを、CaO/SiO2モル比が、0.6になるように
混合し、粉体全量に対して、重量比で30倍の水を加え
てかきまぜ、スラリーを調製した。次いで、このスラリ
ーを、オートクレーブ中で、100rpmでかきまぜな
がら、150℃で3時間水熱反応を行い、ケイ酸カルシ
ウムスラリーを得た。次に、このケイ酸カルシウムスラ
リーを50℃まで冷却し、ケイ酸カルシウム中の酸化カ
ルシウムを除去するのに必要な高濃度の酢酸(濃度80
重量%)を添加し、5分間かきまぜながら保持した。次
いで、十分に水洗したのち、スラリー中の固形物をろ取
し、120℃で乾燥処理することにより、平均粒子径
5.5μmの耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤が得られた。こ
のものの性能を表1に示す。
とを、CaO/SiO2モル比が、0.6になるように
混合し、粉体全量に対して、重量比で30倍の水を加え
てかきまぜ、スラリーを調製した。次いで、このスラリ
ーを、オートクレーブ中で、100rpmでかきまぜな
がら、150℃で3時間水熱反応を行い、ケイ酸カルシ
ウムスラリーを得た。次に、このケイ酸カルシウムスラ
リーを50℃まで冷却し、ケイ酸カルシウム中の酸化カ
ルシウムを除去するのに必要な高濃度の酢酸(濃度80
重量%)を添加し、5分間かきまぜながら保持した。次
いで、十分に水洗したのち、スラリー中の固形物をろ取
し、120℃で乾燥処理することにより、平均粒子径
5.5μmの耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤が得られた。こ
のものの性能を表1に示す。
【0026】実施例2 シリカ粉体(平均粒子径7μm)と生石灰粉体とを、C
aO/SiO2モル比が0.6になるように混合し、粉
体全重量に対して、重量比で30倍の水を加えてかきま
ぜ、スラリーを調製した。次いで、このスラリーを、オ
ートクレーブ中で、100rpmでかきまぜながら、1
60℃で8時間水熱反応を行い、ケイ酸カルシウムスラ
リーを得た。次に、このケイ酸カルシウムスラリーを9
5℃まで冷却し、ケイ酸カルシウム中の酸化カルシウム
を除去するのに必要な高濃度の酢酸(濃度80重量%)
を添加し、5分間かきまぜながら保持した。次いで、十
分に水洗したのち、スラリー中の固形物をろ取し、12
0℃で乾燥処理することにより、平均粒子径9.6μm
の耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤が得られた。このものの性
能を表1に示す。
aO/SiO2モル比が0.6になるように混合し、粉
体全重量に対して、重量比で30倍の水を加えてかきま
ぜ、スラリーを調製した。次いで、このスラリーを、オ
ートクレーブ中で、100rpmでかきまぜながら、1
60℃で8時間水熱反応を行い、ケイ酸カルシウムスラ
リーを得た。次に、このケイ酸カルシウムスラリーを9
5℃まで冷却し、ケイ酸カルシウム中の酸化カルシウム
を除去するのに必要な高濃度の酢酸(濃度80重量%)
を添加し、5分間かきまぜながら保持した。次いで、十
分に水洗したのち、スラリー中の固形物をろ取し、12
0℃で乾燥処理することにより、平均粒子径9.6μm
の耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤が得られた。このものの性
能を表1に示す。
【0027】実施例3 実施例2で得られた試料を、電気炉中で500℃にて3
0分間加熱処理して、耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤を得
た。このものの性能を表1に示す。
0分間加熱処理して、耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤を得
た。このものの性能を表1に示す。
【0028】実施例4 実施例2で得られた試料を、電気炉中で1000℃にて
30分間加熱処理して、耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤を得
た。このものの性能を表1に示す。
30分間加熱処理して、耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤を得
た。このものの性能を表1に示す。
【0029】実施例5 シリカ粉体(平均粒子径7μm)と生石灰粉体とをCa
O/SiO2モル比が0.6になるように混合し、粉体
全量に対して、重量比で30倍の水を加えてかきまぜ、
スラリーを調製した。次いで、このスラリーを、オート
クレーブ中で、350rpmでかきまぜながら、160
℃で8時間水熱反応を行い、ケイ酸カルシウムスラリー
を得た。次に、このケイ酸カルシウムスラリーを90℃
まで冷却し、ケイ酸カルシウム中の酸化カルシウムを除
去するのに必要な高濃度の酢酸(濃度80重量%)を添
加し、10分間かきまぜながら保持した。次いで、十分
に水洗したのち、スラリー中の固形物をろ取し、120
℃で乾燥処理することにより、平均粒子径7μmの耐酸
性ケイ酸質系ろ過助剤が得られた。このものの性能を表
1に示す。
O/SiO2モル比が0.6になるように混合し、粉体
全量に対して、重量比で30倍の水を加えてかきまぜ、
スラリーを調製した。次いで、このスラリーを、オート
クレーブ中で、350rpmでかきまぜながら、160
℃で8時間水熱反応を行い、ケイ酸カルシウムスラリー
を得た。次に、このケイ酸カルシウムスラリーを90℃
まで冷却し、ケイ酸カルシウム中の酸化カルシウムを除
去するのに必要な高濃度の酢酸(濃度80重量%)を添
加し、10分間かきまぜながら保持した。次いで、十分
に水洗したのち、スラリー中の固形物をろ取し、120
℃で乾燥処理することにより、平均粒子径7μmの耐酸
性ケイ酸質系ろ過助剤が得られた。このものの性能を表
1に示す。
【0030】実施例6 シリカ粉体(平均粒子径7μm)と生石灰粉体とをCa
O/SiO2モル比が0.6になるように混合し、粉体
全量に対して、重量比で30倍の水を加えてかきまぜ、
スラリーを調製した。次いで、このスラリーを、オート
クレーブ中で、100rpmでかきまぜながら、180
℃で8時間水熱反応を行い、ケイ酸カルシウムスラリー
を得た。次に、このケイ酸カルシウムスラリーの入って
いるオートクレーブの自生圧力を解放後、ケイ酸カルシ
ウム中の酸化カルシウムを除去するのに必要な高濃度の
酢酸(濃度80重量%)を添加し、10分間かきまぜな
がら保持した。次いで、十分に水洗したのち、スラリー
中の固形物をろ取し、120℃で乾燥処理することによ
り、平均粒子径7.7μmの耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤
が得られた。このものの性能を表1に示す。
O/SiO2モル比が0.6になるように混合し、粉体
全量に対して、重量比で30倍の水を加えてかきまぜ、
スラリーを調製した。次いで、このスラリーを、オート
クレーブ中で、100rpmでかきまぜながら、180
℃で8時間水熱反応を行い、ケイ酸カルシウムスラリー
を得た。次に、このケイ酸カルシウムスラリーの入って
いるオートクレーブの自生圧力を解放後、ケイ酸カルシ
ウム中の酸化カルシウムを除去するのに必要な高濃度の
酢酸(濃度80重量%)を添加し、10分間かきまぜな
がら保持した。次いで、十分に水洗したのち、スラリー
中の固形物をろ取し、120℃で乾燥処理することによ
り、平均粒子径7.7μmの耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤
が得られた。このものの性能を表1に示す。
【0031】実施例7 実施例6で得られた試料を、電気炉中で1000℃にて
30分間加熱処理して、耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤を得
た。このものの性能を表1に示す。
30分間加熱処理して、耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤を得
た。このものの性能を表1に示す。
【0032】実施例8 シリカ粉体(平均粒子径7μm)と生石灰粉体とを、C
aO/SiO2モル比が0.8になるように混合し、粉
体全量に対して、重量比で30倍の水を加えてかきま
ぜ、スラリーを調製した。次いで、このスラリーを、オ
ートクレーブ中で、100rpmでかきまぜながら、1
80℃で8時間水熱反応を行い、ケイ酸カルシウムスラ
リーを得た。次に、このケイ酸カルシウムスラリーを7
0℃まで冷却し、ケイ酸カルシウム中の酸化カルシウム
を除去するのに必要な高濃度の酢酸(濃度80重量%)
を添加し、10分間かきまぜながら保持した。次いで、
十分に水洗したのち、スラリー中の固形物をろ取し、1
20℃で乾燥処理することにより、平均粒子径7.6μ
mの耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤が得られた。このものの
性能を表1に示す。
aO/SiO2モル比が0.8になるように混合し、粉
体全量に対して、重量比で30倍の水を加えてかきま
ぜ、スラリーを調製した。次いで、このスラリーを、オ
ートクレーブ中で、100rpmでかきまぜながら、1
80℃で8時間水熱反応を行い、ケイ酸カルシウムスラ
リーを得た。次に、このケイ酸カルシウムスラリーを7
0℃まで冷却し、ケイ酸カルシウム中の酸化カルシウム
を除去するのに必要な高濃度の酢酸(濃度80重量%)
を添加し、10分間かきまぜながら保持した。次いで、
十分に水洗したのち、スラリー中の固形物をろ取し、1
20℃で乾燥処理することにより、平均粒子径7.6μ
mの耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤が得られた。このものの
性能を表1に示す。
【0033】実施例9 シリカ粉体(平均粒子径7μm)と生石灰粉体とをCa
O/SiO2モル比が0.8になるように混合し、粉体
全量に対して重量比で30倍の0.1規定の水酸化カリ
ウム水溶液を加えてかきまぜ、スラリーを調製した。次
いで、このスラリーを、オートクレーブ中で、100r
pmでかきまぜながら、180℃で8時間水熱反応を行
い、ケイ酸カルシウムスラリーを得た。次に、このケイ
酸カルシウムスラリーを80℃まで冷却し、ケイ酸カル
シウム中の酸化カルシウムと水酸化カリウムを除去する
のに必要な高濃度の酢酸(濃度80重量%)を添加し、
20分間かきまぜながら保持した。次いで、十分に水洗
したのち、スラリー中の固形物をろ取し、120℃で乾
燥処理することにより、平均粒子径9.8μmの耐酸性
ケイ酸質系ろ過助剤が得られた。このものの性能を表1
に示す。
O/SiO2モル比が0.8になるように混合し、粉体
全量に対して重量比で30倍の0.1規定の水酸化カリ
ウム水溶液を加えてかきまぜ、スラリーを調製した。次
いで、このスラリーを、オートクレーブ中で、100r
pmでかきまぜながら、180℃で8時間水熱反応を行
い、ケイ酸カルシウムスラリーを得た。次に、このケイ
酸カルシウムスラリーを80℃まで冷却し、ケイ酸カル
シウム中の酸化カルシウムと水酸化カリウムを除去する
のに必要な高濃度の酢酸(濃度80重量%)を添加し、
20分間かきまぜながら保持した。次いで、十分に水洗
したのち、スラリー中の固形物をろ取し、120℃で乾
燥処理することにより、平均粒子径9.8μmの耐酸性
ケイ酸質系ろ過助剤が得られた。このものの性能を表1
に示す。
【0034】実施例10 シリカ粉体(平均粒子径7μm)と生石灰粉体とをCa
O/SiO2モル比が0.6になるように混合し、粉体
全量に対して、重量比で30倍の水を加えてかきまぜ、
スラリーを調製した。次いで、このスラリーを、オート
クレーブ中で、100rpmでかきまぜながら、160
℃で8時間水熱反応を行い、ケイ酸カルシウムスラリー
を得た。次に、このケイ酸カルシウムスラリーを40℃
まで冷却し、ケイ酸カルシウム中の酸化カルシウムを除
去するのに必要な量のH型強酸性陽イオン交換剤を布袋
に入れ、ケイ酸カルシウムスラリー中に吊るし、30分
間かきまぜながら保持した。次いで、スラリー中の固形
物をろ取し、120℃で乾燥処理することにより、平均
粒子径9.4μmの耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤が得られ
た。このものの性能を表1に示す。
O/SiO2モル比が0.6になるように混合し、粉体
全量に対して、重量比で30倍の水を加えてかきまぜ、
スラリーを調製した。次いで、このスラリーを、オート
クレーブ中で、100rpmでかきまぜながら、160
℃で8時間水熱反応を行い、ケイ酸カルシウムスラリー
を得た。次に、このケイ酸カルシウムスラリーを40℃
まで冷却し、ケイ酸カルシウム中の酸化カルシウムを除
去するのに必要な量のH型強酸性陽イオン交換剤を布袋
に入れ、ケイ酸カルシウムスラリー中に吊るし、30分
間かきまぜながら保持した。次いで、スラリー中の固形
物をろ取し、120℃で乾燥処理することにより、平均
粒子径9.4μmの耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤が得られ
た。このものの性能を表1に示す。
【0035】参考例1、2 市販の加熱処理ケイソウ土系ろ過助剤A(参考例1)及
びB(参考例2)の性能を表1に示す。
びB(参考例2)の性能を表1に示す。
【0036】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/10 B01D 39/00 B01D 39/06 B01J 20/30
Claims (2)
- 【請求項1】 シリカ原料と石灰原料とを、CaO/S
iO2モル比0.3〜1.2の割合で含有する水性スラ
リーを、70〜190℃の温度で加熱処理して水熱反応
を行い、ケイ酸カルシウムを生成させ、次いでこのスラ
リーに30〜100℃の温度において所定量の酸を加え
て処理したのち、固形分を分離回収し、乾燥することを
特徴とする耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤の製造方法。 - 【請求項2】 シリカ原料と石灰原料とを、CaO/S
iO2モル比0.3〜1.2の割合で含有する水性スラ
リーを、70〜190℃の温度で加熱処理して水熱反応
を行い、ケイ酸カルシウムを生成させ、次いでこのスラ
リーに30〜100℃の温度において所定量の酸を加え
て処理したのち、固形分を分離回収し、得られた固形物
を200〜1400℃の温度で焼成することを特徴とす
る耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9153006A JP3035621B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9153006A JP3035621B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10323559A JPH10323559A (ja) | 1998-12-08 |
JP3035621B2 true JP3035621B2 (ja) | 2000-04-24 |
Family
ID=15552900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9153006A Expired - Lifetime JP3035621B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 耐酸性ケイ酸質系ろ過助剤の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3035621B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005179086A (ja) * | 2003-12-16 | 2005-07-07 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 薄板状及び繊維状シリカ多孔体及びその製造方法 |
JP4729725B2 (ja) * | 2004-07-07 | 2011-07-20 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | ケイ酸系高活性吸着性材料及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-05-26 JP JP9153006A patent/JP3035621B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10323559A (ja) | 1998-12-08 |
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