JP2000169140A - フッ化マグネシウムの製造方法 - Google Patents

フッ化マグネシウムの製造方法

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JP2000169140A
JP2000169140A JP10351002A JP35100298A JP2000169140A JP 2000169140 A JP2000169140 A JP 2000169140A JP 10351002 A JP10351002 A JP 10351002A JP 35100298 A JP35100298 A JP 35100298A JP 2000169140 A JP2000169140 A JP 2000169140A
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slurry
magnesium
magnesium salt
hydrofluoric acid
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Tadashi Tanaka
正 田中
Hisakazu Ito
久和 伊東
Hiromi Sasaki
広美 佐々木
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Central Glass Co Ltd
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学ガラス、コンデンサー、半導体、蛍光体
等の原料として有用なフッ化マグネシウムの製造方法を
提供する。 【解決手段】 マグネシウム塩とフッ化水素酸との反応
において、フッ化水素酸にマグネシウム塩を添加し、6
0℃以下で反応させ、反応終了時のスラリー濃度を14
%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ガラス、コン
デンサー、半導体、蛍光体等の原料として有用なフッ化
マグネシウムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】フッ化マグネシウムは、光学ガラス、コン
デンサー、半導体、蛍光体等に従来から多くの用途に用
いられている。これらの分野において使用されるフッ化
マグネシウムに要求される品質は、用途によってさまざ
まである。例えば、半導体用としてはNa、K等のアル
カリ金属が少ないこと、光学ガラス用としてはFe等の
遷移金属が少ないこと等高純度化が要求される。また、
粒径、かさ密度、凝集などの粉体特性についても重要視
される。例えば光学ガラス製造の場合、他の原料と混合
して溶融されるため各原料の粉体特性が異なると偏析を
起こし混合が不十分となり目的の光学特性が得られな
い。
【0003】従来のフッ化マグネシウムの製造法として
は、炭酸マグネシウムとフッ化水素酸、または酸化マグ
ネシウムとフッ化水素酸を反応させる方法、フッ化アン
モニウムのような可溶性のフッ化物と水溶性マグネシウ
ム塩と反応させる方法等が知られている。前記条件に使
用される高純度のフッ化マグネシウムを製造する場合、
原料となるマグネシウム塩の精製による高純度化が必要
となる。マグネシウム塩の高純度化は、キレート剤によ
る精製、再結晶等により高純度化したマグネシウム塩を
炭酸化して炭酸マグネシウムとしたり、また酸化マグネ
シウムは、炭酸マグネシウムや水酸化マグネシウムの焼
成分解により得られる。そしてそれらとフッ化水素酸と
の反応により比較的濾過性の良好なフッ化マグネシウム
が得られる。しかし、この方法は、一旦中間原料を製造
する工程を必要とするため複雑となり、不純物の混入を
抑制するための相応の設備が必要となり製造コストが高
くなる。一方、可溶性のフッ化物とマグネシウム塩の反
応では、工程は単純であるが、この反応により生成する
フッ化マグネシウムの沈殿はコロイド状となり、濾過性
が非常に悪く付着した生成塩類の除去が十分に出来ない
ため純度も低下するなどの問題がある。
【0004】
【問題点を解決するための具体的手段】本発明者らは、
前記問題点を解決するため鋭意検討した結果、特定反応
方式と、限られたスラリー濃度及び反応温度により、か
かる目的を達成できることを見い出し本発明に到達し
た。
【0005】すなわち本発明は、マグネシウム塩とフッ
化水素酸との反応において、反応温度60℃以下でフッ
化水素酸にマグネシウム塩を添加、反応させ、反応終了
時のスラリー濃度14%以下とすることにより濾過性の
良いスラリーが得られ、しかも微細で凝集のない粉体特
性の良好なフッ化マグネシウムが得られる製造方法を提
供するものである。
【0006】以下、本発明の方法について詳細に説明す
る。本発明の方法は、フッ化水素酸にマグネシウム塩を
添加、反応させることである。マグネシウム塩にフッ化
水素酸を添加、反応させる方法では、他のいかなる条件
を用いてもゲル状態となる。この原因については、マグ
ネシウム塩にフッ化水素酸を添加した場合、反応初期の
液性がフッ化マグネシウムの溶解度の低い弱酸性から中
性領域であるため生成反応が早く、多数の核が発生し、
微粒子となるためにゲル化が起こり濾過性が非常に悪
く、乾燥したフッ化マグネシウムは、塊状の堅い凝集結
晶となるものと思われる。一方、本発明のフッ化水素酸
にマグネシウム塩を添加する方法は、反応初期の液性が
強酸性あるため過飽和領域において核の発生及び成長に
より粒子が生成し、さらに粒成長が起こるために濾過性
が良く、しかも微細で凝集のない粉体特性の良好なフッ
化マグネシウムの結晶になるものと思われる。
【0007】反応終了時点のスラリー濃度は、14%以
下が好ましく、最適な範囲は、8〜12%の範囲が良
い。14%を越えると反応スラリーはゲル状態となり、
濾過が非常に悪く、乾燥したフッ化マグネシウムは、塊
状の堅い凝集結晶となる。一方、8%以下では濾過性及
び凝集などの粉体特性に変化は見られないが、スラリー
濃度が希薄になるため生産性が悪くなり好ましくない。
【0008】次に、反応温度は、60℃以下が好まし
く、最適には20〜50℃の範囲が良い。60℃を越え
るとスラリーのゲル状態が急速に進行するため、スラリ
ーの濾過性が非常に悪くなる。一方、20℃以下では冷
却設備が必要となり経済的でない。
【0009】また、マグネシウム塩は、本発明において
基本的に限定されるものではないが、可溶性マグネシウ
ム塩であればいかなるものでも良い。例えば、塩化マグ
ネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等が挙
げられる。これらのマグネシウム塩の精製は、一般に再
結晶或いはキレート剤の存在下で有機溶媒による抽出或
いはキレート沈殿の除去により行われる。
【0010】本発明の方法により得られた反応スラリー
は、長時間置くと、徐々にゲル化が進行するため固液分
離は速やかに行う方が望ましい。また、反応スラリー
は、酸性であるためアンモニアなどで中和して固液分離
をしても何ら差し支えない。この固液分離、洗浄したケ
ーキを乾燥することにより、凝集のない白色のフッ化マ
グネシウム微粉末が得られる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、かかる実施例に限定されるものではない。
【0012】実施例1 100lのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製
の槽に、30%フッ化水素酸溶液22Kgを仕込み、攪
拌しながら反応温度25℃で、20%塩化マグネシウム
溶液78Kgを60分間かけて添加し、反応させた。反
応終了後、このスラリー(スラリー濃度10%)を固液
分離し、水洗した。この時の濾過時間は、2時間を要し
た。該ケーキを200℃で乾燥した結果、凝集のない白
色微粉末のフッ化マグネシウムが得られた。
【0013】比較例1 100lのPTFE製の槽に20%塩化マグネシウム溶
液78Kgを仕込み、攪拌しながら反応温度25℃で3
0%フッ化水素酸溶液22Kgを60分間かけて添加
し、反応させた。反応スラリーは、ゲル状態となった。
このスラリーを固液分離、水洗し、この時の濾過時間
は、40時間を要した。該ケーキを200℃で乾燥した
結果半透明のシリカゲル状の塊状のフッ化マグネシウム
が得られた。
【0014】実施例2〜6、比較例2,3 100lのPTFE製の槽に表1に示した所定の濃度の
フッ化水素酸溶液を仕込み、攪拌しながら反応温度35
℃で所定の濃度の塩化マグネシウム溶液を60分間かけ
て添加し、反応させた。得られスラリーを固液分離し、
水洗した後ケーキを200℃で乾燥した。スラリー濃度
と濾過時間によるこれらの結果を表1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】実施例7〜11、比較例4 100lのPTFE製の槽に30%フッ化水素酸溶液2
2Kgを仕込み、攪拌しながら表2に示した所定の反応
温度になるように調節し、20%塩化マグネシウム溶液
78Kgを60分間かけて添加し、反応させた。反応終
了後、このスラリー(スラリー濃度10%)を固液分離
し、水洗し、このケーキを200℃で乾燥した。反応温
度と濾過時間によるこれらの結果を表2に示した。
【0017】
【表2】
【0018】実施例12 100lのPTFE製の槽に30%フッ化水素酸溶液2
2Kgを仕込み、攪拌しながら反応温度35℃で31%
硝酸マグネシウム溶液78Kgを60分間かけて添加
し、反応させた。反応終了後、このスラリー(スラリー
濃度10%)を固液分離し、水洗した。この時の濾過時
間は2時間を要した。該ケーキを200℃で乾燥した結
果、凝集のない白色微粉末のフッ化マグネシウムが得ら
れた。
【0019】実施例13 100lのPTFE製の槽に30%フッ化水素酸溶液2
2Kgを仕込み、攪拌しながら反応温度35℃で25%
硫酸マグネシウム溶液78Kgを60分間かけて添加
し、反応させた。反応終了後、このスラリー(スラリー
濃度10%)を固液分離し、水洗した。この時の濾過時
間は3時間を要した。該ケーキを200℃で乾燥した結
果、凝集のない白色微粉末のフッ化マグネシウムが得ら
れた。
【0020】
【発明の効果】本発明の方法により、濾過特性の優れ
た、かつ高純度で凝集のないフッ化マグネシウム微粉末
を製造することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 広美 山口県宇部市大字沖宇部5253番地 セント ラル硝子株式会社化学研究所内 Fターム(参考) 4G076 AA05 AB04 AB07 AB08 BA13 BA43 BD02 CA02 CA22 DA11 DA30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム塩とフッ化水素酸との反応
    において、フッ化水素酸にマグネシウム塩を添加し、6
    0℃以下で反応させることを特徴とするフッ化マグネシ
    ウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法において、反応
    終了時のスラリー濃度を14%以下とすることを特徴と
    する請求項1記載のフッ化マグネシウムの製造方法。
JP10351002A 1998-12-10 1998-12-10 フッ化マグネシウムの製造方法 Pending JP2000169140A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007161509A (ja) * 2005-12-12 2007-06-28 Stella Chemifa Corp フッ化物微粒子の分散液及びその製造方法
JP2008266101A (ja) * 2007-04-25 2008-11-06 National Institute For Materials Science 窒化ホウ素ナノチューブ及びその製造方法
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CN106698485A (zh) * 2016-11-30 2017-05-24 营口市荣兴达科技实业有限公司 高阿贝数特种光学玻璃氟化镁材料制备方法
CN114804165A (zh) * 2022-04-02 2022-07-29 五矿铍业股份有限公司 一种氟化镁废渣提纯制备氟化镁的方法

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