JP2507158Y2 - 車両用シ―トのヘッドレスト一体型バックレスト - Google Patents

車両用シ―トのヘッドレスト一体型バックレスト

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JP2507158Y2
JP2507158Y2 JP1991111229U JP11122991U JP2507158Y2 JP 2507158 Y2 JP2507158 Y2 JP 2507158Y2 JP 1991111229 U JP1991111229 U JP 1991111229U JP 11122991 U JP11122991 U JP 11122991U JP 2507158 Y2 JP2507158 Y2 JP 2507158Y2
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六夫 菅生
理宇二 小菅
信之 星野
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しげる工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、車両用シートのバッ
クレスト、特に背もたれ部とヘッドレスト部とが一体に
形成されたヘッドレスト一体型バックレストに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のバックレストとしては、
例えば図10に示すものがある。このバックレストA
は、機能的な面から2つの部分に区分することができ
る。下側の背もたれ部Bと、この背もたれ部Bの上部に
一体に連設されたヘッドレスト部Cとである。ヘッドレ
スト部Cの下部側には、デザインの向上等の観点から前
面から背面まで貫通孔Dが形成されている。
【0003】また、バックレストAは、その構成部材に
ついてみると、図11に示すように、フレームEと、発
泡プラスチック等からなり、フレームEを覆うようにし
て取り付けられるパッドFと、このパッドFを覆うカバ
ー(図10において表皮をなしている)Gとを主な構成
要素としている。パッドFには、上記貫通孔Dに対応し
た貫通孔F1が形成されている。カバーGは、下端部が
開口した袋状をなすものであり、その開口部からパッド
Fが内部に挿入されるようになっている。また、カバー
Gには、パッドFの貫通孔F1の内周面を覆うために、
貫通孔F1の内周面に対応する箇所に筒部G1が形成され
ている。
【0004】ところで、カバーGは、その下端開口部か
らパッドFを内部に挿入するものであるから、仮に筒部
1全体が一体に形成されていると、パッドFを挿入す
る際に筒部G1にパッドFの上部に突き当たり、それ以
上パッドFをカバーGの内部に挿入することができなく
なる。
【0005】そこで、従来のバックレストAにおいて
は、筒部G1をその軸線方向における中間部に、筒部G1
の全周にわたって延びる全周ファスナーHを設け、全周
ファスナーHを開くことにより筒部G1を一端側と他端
側とに分離可能にしている。これによって、カバーGに
パッドFを挿入可能にしている。勿論、挿入後には全周
ファスナーHが閉じられる。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】カバーGは、パッドF
の外形に対応した形状に形成されているが、製造上の若
干の誤差は不可避である。このような誤差は、カバーG
をパッドFに装着した際にカバーGの各部が誤差に応じ
て伸縮することによって吸収し、誤差に起因する皺の発
生を防止している。ところが、筒部G1にあっては、伸
縮性の乏しいファスナーHが設けられているため皺がよ
ってしまい、この結果貫通孔Dの内周面に皺がよってし
まうという問題があった。
【0007】この考案は、上記問題を解決するためにな
されたもので、貫通孔の内周面に皺がよるのを防止する
ことができ、これによって美観を向上させることができ
る車両用シートのバックレスト一体型バックレストを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記の目的
を達成するために、背もたれ部とヘッドレスト部とが一
体に形成され、ヘッドレスト部の下部側には、前面か背
面まで貫通する貫通孔が形成された車両用シートのヘッ
ドレスト一体型バックレストにおいて、上記背もたれ部
およびヘッドレスト部の芯材となるパッドと、このパッ
ドを覆うカバーとを備え、前記パッドは、前記背もたれ
部の両側部および前記ヘッドレスト部に沿って延びる逆
U字状をなす周縁パッド部と、この周縁パッド部と別体
に形成され、周縁パッド部の両側部の間に嵌め込まれる
ことによって上記貫通孔に対応する孔を周縁パッド部と
形成するメインパッド部とを有し、前記カバーは、前記
周縁パッド部を覆う周縁部カバーと、この周縁部カバー
と別体に形成され、前記メインパッド部を覆うメイン部
カバーとを有し、前記周縁パッド部の前記ヘッドレスト
部に対応する部分が筒状に形成され、この筒状部の上記
貫通孔に臨む部分にその一端から他端まで延び、筒状部
を半筒状に開くファスナーが設けられていることを特徴
とするものである。
【0009】
【作用】貫通孔の内周面は、周縁部カバーのうちの筒状
部の下面部と、メイン部カバーのうちの上面部とによっ
て形成され、二つの部分に分けられる。したがって、周
縁部カバーに設けるファスナーとしては、全周ファスナ
ーを用いる必要がない。よって、貫通孔の内周面を形成
するカバーに皺がよるのを防止することができる。
【0010】
【実施例】以下、この考案の一実施例について図1から
図8を参照して説明する。図1は、この考案に係るバッ
クレスト1にの全体構成を示すものであり、このバック
レスト1は機能的には、車両の乗員の背中を支持する背
もたれ部1Aと、この背もたれ部1Aの上部に連設され
たヘッドレスト部1Bとから構成され、ヘッドレスト部
1Bの下部で背もたれ部1Aとの境界部には略半円状の
貫通孔1Cが形成されている。
【0011】また、バックレスト1を構成要素の点から
みると、バックレスト1は、図1(C)に示すように、
フレーム2と、このフレーム2に支持されたパッド3
と、このパッド3を覆うカバー4とを主な構成要素とし
ている。
【0012】フレーム2は、図2に示すように、背もた
れ部1Aの支持部材となるべきメインフレーム部2A
と、ヘッドレスト部1Bの支持部材となるべきバックレ
ストフレーム部2Bとから構成されている。メインフレ
ーム部2Aは、鋼鉄製のパイプを全体形状が縦長の略長
方形になるように形成したものであり、左右の縦パイプ
部21a,21bおよび上下の水平パイプ部21c,2
1dから構成されている。左右の縦パイプ部21a,2
1bの各下部には、連結部材22,23がそれぞれ固定
されている。各連結部材22,23は、シートのクッシ
ョンのフレーム(いずれも図示せず)にリクライニング
可能に連結されている。また、縦パイプ部21a,21
b間には、後述するメインパッド部を弾性的に支持する
ために複数の支持ばね24が若干の張力を付与された状
態で設けられている。
【0013】また、メインフレーム部2Aの上側の水平
パイプ部21cには、ブラケット25が固定されてい
る。このブラケット25は、図3に示すように、水平方
向に細長い長方形の箱状をなすものであり、その上板部
25aの中央部には、突出部25cが形成されている。
この突出部25cが水平パイプ部21c(図2(A)参
照)に巻回されて溶接されることにより、ブラケット2
5が水平パイプ部21cに固定されている。また、上板
部25aの左右の両端部には、孔25dが形成されてい
る。この孔25dの内周面には、斜め下方に突出する爪
部25eが形成されている。一方、下板部25bには、
複数の孔25fが形成されている。
【0014】バックレストフレーム部2Bは、図2に示
すように、メインフレーム部2Aを構成するパイプ材よ
り小径のパイプ材を略v字状に屈曲して形成したもので
あり、その中央部を上方に位置させた状態で両端部が縦
パイプ部21a,21bの各上端部にそれぞれ固定され
ている。
【0015】上記パッド3は、発泡プラスチックからな
るものであり、周縁パッド部3Aとメインパッド部3B
とから構成されている。周縁パッド部3Aは、図4に示
すように、背もたれ部1Aの両側部の芯材たる側部3
1,32と、側部31,32の上端部に一体に設けら
れ、ヘッドレスト部1Bの芯材たる上部33とからなる
ものであり、全体として逆U字状をなしている。周縁パ
ッド部3Aの内面には、装着溝34が形成されている。
そして、この装着溝34に上記フレーム2の縦パイプ部
21a,21bおよびバックレストフレーム部2Bが嵌
め込まれ、これによって周縁パッド3Aがフレーム2に
支持固定されている。
【0016】メインパッド部3Bは、背もたれ部1Aの
中央部の芯材となるものであり、図5に示すように、正
面から見た形状が略長方形状をしている。メインパッド
部3Bの背面の上下両端部には、正面側から背面側へ向
かって突出する突出部31,32がそれぞれ形成されて
いる。また、メインパッド部3Bの内部には、その周縁
部の全周にわたって延びるワイヤフレーム33が埋設さ
れている。このワイヤフレーム33の両側部および上部
と対向するメインパッド部3Bの背面には、ワイヤフレ
ーム33まで達する凹部34が多数形成されている。こ
れによってワイヤフレーム33の一部が背面側に露出せ
しめられている。また、ワイヤフレーム33の突出部3
1に沿う上部には、補助ワイヤ35が溶接固定されてい
る。この補助ワイヤ35の一部には、突出部31から下
方に向かって突出する略三角形状の係合突出部35aが
2つ形成されている。
【0017】このように構成されたメインパッド部3B
は、周縁パッド部3Aの2つの側部31,32間に嵌め
込まれるとともに、突出部31,32がメインフレーム
部2Aの水平パイプ部21c,21dを挟み込むように
してフレーム3に支持される。しかも、メインパッド部
3Bは、正面側から背面側へ向かう荷重が作用したと
き、その荷重が支持ばね24によって支持されるように
なっている。
【0018】また、図3(B),(C)に示すように、
補助ワイヤ35の係合突出部35aをブラケット25の
孔25dにその上方から挿入すると、係合突出部35a
が爪25eを下方へ押して弾性変形させる。そして、爪
25eを乗り越えると、係合突出部35aと爪25eと
の係合する。これによってメインパッド部3Bの上部が
フレーム2に取り外し不能に取り付けられている。さら
に、図4(A)に示すように、メインパッド部3Bをフ
レーム3に取り付けた状態においては、メインパッド部
3Bの上面と周縁パッド部3Aの上部33の下面とによ
り、上記貫通孔1Cに対応した孔5が形成される。
【0019】上記カバー4は、バックレスト1の表皮と
なるものであり、表皮に適した材質からなるシートを縫
製することによって形成されている。カバー4は、周縁
パッド部3Aを被覆する周縁部カバー4Aと、メインパ
ッド部3Bを被覆するメイン部カバー4Bとから構成さ
れている。
【0020】周縁部カバー4Aは、図6および図7に示
すように、全体として周縁パッド部3Aにほぼ対応した
形状をなしており、周縁パッド部3Aの両側部31,3
2をその上端側の一部を除いてそれぞれ被覆する側部カ
バー41,42と、両側部31,32の上端側の一部お
よび上部33を被覆する筒状の上部カバー(筒状部)4
3と、側部カバー41,42間に設けられ、背もたれ部
1Aの背面全体を被覆する背面カバー44とを備えてい
る。
【0021】側部カバー41は、図7(C)に示すよう
に、一側部が背面カバー44に連なっているが、他側部
が背面カバー44から離れており、これによって半筒状
をなしている。背面カバー44から離れた他側部には、
当該他側部に沿って上下方向に延びる筒部41aが形成
されている。この筒部41aには、ワイヤ6が挿入され
ている。このワイヤ6は、図7(A)に示すように、上
端部が筒部41aの上端部に引っかけられ、下端部が筒
部41aから外部に露出せしめられている。外部に露出
したワイヤ6の下端部は、フレーム2の水平パイプ部2
1dに固定されるようになっている。
【0022】このように構成された側部カバー41に周
縁パッド部3Aの側部31を挿入した状態においては、
筒部41aが上記支持ばね24の近傍に位置しており、
図6(A)に示すように、側部カバー41に差し込んだ
シーリング7によってワイヤ6と支持ばね24とを連結
した後、シーリング7を加締ることにより、側部カバー
41の側部が、支持ばね24を介してフレーム2に固定
されている。
【0023】また、側部カバー41の下端部には、周縁
パッド部3Aの側部41の下端面を被覆する底部41b
が形成されている。この底部41bの背面カバー44側
の端部には、塩化ビニル等の剛性と若干の柔軟性とを併
せ持つ樹脂からなるワイヤ(図示せず)が縫い込まれて
いる。
【0024】なお、他方の側部カバー42も同様に構成
されているので、側部カバー42において側部カバー4
1の各部と同様な構成部分ついては、側部カバー41に
おける符号41に代えて42を図面に付することとし、
その説明を省略する。されている。
【0025】上部カバー43は、筒状に形成されている
が、その内面の幅方向における中央部にはファスナー8
が設けられている。そして、ファスナー8を開くことに
より、上部カバー43を半筒状にすることが可能になっ
ている。したがって、ファスナー8を開くことにより、
周縁パッド部3Aの側部31,32の上端部および上部
33を上部カバー43内に挿入することができる。勿
論、挿入後ファスナー8は閉じられる。なお、ファスナ
ー8の両端部は、上部カバー43の両端部からさらに下
方に延び出しており、図6(A)に示すように、支持ば
ね24に固定されている。
【0026】背面カバー44は、その上端部および下端
部が側部カバー41,42より上方および下方へそれぞ
れ突出している。背面カバー44の下端部は、図7
(A)に示すように、上方へ折り返されており、その折
り返された端部には筒部44aが形成されている。この
筒部44aには、ワイヤ9が挿入されている。そして、
図7(B)に示すように、ワイヤ9と上記底部41bに
縫い込まれたワイヤとをシーリング10によって連結す
ることにより、側部カバー41,42の下端部と背面カ
バー44の下端部とが固定されている。
【0027】また、背面カバー44の上端部は、図7
(A)に示すように、上記ブラケット25の上板部25
aに沿って巻回され、下板部25bの近傍に達してい
る。そして、背面カバー44の上端部と下板部25bと
を、下板部25bの孔25eに挿通されたシーリング1
1によって連結するとともに、シーリング11を加締る
ことにより、背面カバー44の上端部がブラケット25
を介してフレーム2に固定されている。なお、図6
(A),(B)に示すように、背面カバー44の上端部
で、上記ブラケット25の孔25dと対向する部分に
は、孔44bが形成されている。
【0028】メイン部カバー4Bは、メインパッド部3
Bの前面、周側面および突出部31の先端側下面の一部
を被覆するものであり、図8に示すように、メインパッ
ド部3に対応した形状に形成されている。そして、その
左右両側縁および上端縁には塩化ビニル等からなるワイ
ヤ12がそれぞれ縫い込まれている。これらのワイヤ1
2は、メイン部カバー4Bをメインパッド部3Bに装着
した際には、ワイヤフレーム33の近傍に位置してお
り、メイン部カバー4Bに差し込まれたシーリング(図
示せず)で、凹部34を介して外部に露出したワイヤフ
レーム33とワイヤ11とを連結固定することにより、
メイン部カバー4Bの左右両側部および上端部がメイン
パッド部3Bに固定されている。なお、メイン部カバー
4Bの上端部で、突出部31の先端側下面を被覆する部
分には、突出35aを挿通するための孔(図示せず)が
形成されている。
【0029】メイン部カバー4Bの下端部には、筒部4
5が形成されている。この筒部45には、ワイヤ13が
挿通されている。このワイヤ13と上記背面カバー44
の筒部44aに挿通されたワイヤ9とをシーリング(図
示せず)によって加締固定することにより、メイン部カ
バー4Bの下端部が背面カバー44の下端部に固定され
るとともに、両者の固定によってメインパッド部3Bの
下端部がフレーム2の水平パイプ21dに対して取り外
し不能に係合するようになっている。
【0030】上記構成のバックレスト1を組み立てる場
合には、フレーム2に周縁パッド部3Aを取り付ける。
次に、周縁部カバー4Aを周縁パッド部3Aに装着す
る。この際、ファスナー8を開いておくことにより、周
縁部カバー4Aの上部43に周縁パッド3Aの上部33
を容易に挿入することができる。装着後、ファスナー8
を閉じるとともに、ファスナー8の両端部を支持ばね2
4に固定する。また、周縁部カバー4Aの側部41,4
2の内側の端部を支持ばね24に固定し、さらに背面カ
バー44の上端部をブラケット25を介してフレーム2
に固定する。
【0031】次に、メインパッド部3Bをフレーム3に
組み付ける。このとき、メインパッド部3Bには、メイ
ン部カバー4Bを予め装着しておき、メイン部カバー4
Bの左右両側部および上部をメインパッド部3Bのワイ
ヤフレーム33に固定しておく。メインパッド部3Bを
フレーム3に組み付けるに際しては、まず突出部35a
を爪25eに係合させる。その後、中央部カバー4Bの
下端部を背面カバー44の下端部に連結固定する。
【0032】ここで、上記のバックレスト1において
は、周縁パッド部3Aとメインパッド部3Bとによって
形成される孔5が、周縁部カバー4Aの上部43の下面
と、中央部カバー4Bの上面とによって被覆されてお
り、それら両者によって貫通孔1Cの内周面が形成され
ている。このように、貫通孔1Cの内周面が互いに別体
である2つの部材によって形成されているので、貫通孔
1Cの内周面となるべき筒部を形成する必要がなく、従
来のバックレストにおいて必須であった全周ファスナー
を設ける必要がなくなる。この実施例では、半円状のフ
ァスナー8を設置している。したがって、貫通孔1Cの
内周面に皺がよるのを防止することができる。特に、こ
の実施例では、ファスナー8の両端部を支持ばね24に
引っかけて引っ張るようにしているので、皺がよるのを
より一層確実に防止することができる。
【0033】さらに、全周ファスナーを用いた場合に
は、貫通孔1Cの内周面に鋭角的に屈曲する部分を形成
することができない。例えば、上記のバックレスト1に
おいては、貫通孔1Cの内周面が周縁部パッド3Aと円
弧状をなす部分と、中央部パッド3Bの上面とによって
形成され、両者の間に鋭角部が形成されているが、仮に
全周ファスナーを用いた場合には、その性質上鋭角部を
形成することが困難である。この点、この実施例では、
ファスナー8を鋭角部に沿って設ける必要がないので、
容易に鋭角部を形成することができる。
【0034】なお、この考案は、上記の実施例に限定さ
れるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適
宜変更可能である。例えば、上記の実施例においては、
バックレスト部1Bの上端縁を円弧状に形成している
が、平坦に形成してもよい。また、貫通孔1Cについて
も他の形状としてもよい。また、各カバー4A,4Bを
固定フレームに取り付けるために、ブラケット25に爪
25eを一体に形成しているが、例えば図9に示すよう
に、爪146を有する係合部材14をブラケット25と
別体に形成し、この係合部材14を孔25dに挿入固定
するようにしてもよい。
【0035】さらに、メインパッド部3Bをフレーム3
に取り付けるために、ブラケット25に爪25eを一体
に形成しているが、例えば図9に示すように、爪114
6を有する係合部材14をブラケット25と別体に形成
し、この係合部材14を孔25dに挿入固定するように
してもよい。
【0036】すなわち、係合部材14は、左右両側の平
板部141,141と、これら平板部141,141間
に形成された下方へV字状に突出する突出部142とか
らなるものであり、突出部142は、溝143,143
が形成されることにより、左右の側部144,144と
中央部145とに区分されている。側部144の両上部
は互いに平行になっており、それらの外法寸法は図9
(D),(E)に示すように、孔25dの幅とほぼ等し
くなっている。一方、中央部145の両上部は、側部1
34から外側へそれぞれ突出し、それらの外法寸法は孔
25dの幅より大きくなっている。
【0037】したがって、突出部142を孔25dに挿
入すると、中央部145の2つの上端部が互いに接近す
るように弾性変形する。そして、中央部145の上端部
が孔25dから抜けると、平板部141,141と中央
部145の2つの上端部とがブラケット25の上板部2
5aを挟み込む。これによって、係合部材14がブラケ
ット25の取り付けられるようになっている。
【0038】また、左右の側部144,144には、そ
れぞれ内側に突出する爪146が4個形成されている。
4個の爪146のうち互いに対向する2個が対をなして
おり、一対の爪146の下端部の間隔は、上記補助ワイ
ヤ35の外径より小さくなっている。したがって、補助
ワイヤ35の突出部35aは、一対の爪146,146
間にその上方から挿入可能であるが、一旦挿入した後
は、上方へ引き抜こうとすると一対の爪146,146
に引っ掛かり、脱出不能になる。
【0039】
【考案の効果】以上説明したように、この考案の自動車
用シートのヘッドレスト一体型バックレストによれば、
パッドを互いに別体である周縁パッド部とメインパッド
部とによって構成するとともに、これに対応して、カバ
ーを互いに別体である周縁部カバーとメイン部カバーと
から構成し、周縁部カバーのうちのヘッドレスト部に対
応する部分を筒状に形成し、この筒状部にこれを半筒状
に開くフスナーを設けたものであるから、フスナーを開
くことによってカバーをパッドに容易に装着することが
できるのは勿論のこと、従来のバックレストにおいて必
須であった全周フスナーを用いる必要がなくなり、した
がって貫通孔の内周面を構成するカバー部分に皺がよる
のを防止することができ、さらに鋭角部を有する貫通孔
をも容易に形成することができる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例の全体構成を示すものであ
り、図1(A)はその正面図、図1(B)はその背面
図、図1(C)は図1(A)のC−C矢視断面図であ
る。
【図2】フレームを示すもので、図2(A)はその正面
図、図2(B)はその側面図である。
【図3】ブラケットの一部を示すもので、図3(A)は
その平面図、図3(B)はその正面図、図3(C)は図
3(A)のC−C矢視断面図である。
【図4】周縁パッド部をフレームに取り付けた状態で示
すもので、図4(A)はその正面図、図4(B)はその
側面図、図4(C)は図4(A)のC−C矢視断面図で
ある。
【図5】メインパッド部を示すもので、図5(A)はそ
の正面図、図5(B)は図5(A)のB−B矢視断面図
である。
【図6】周縁部カバーを示すもので、図6(A)は正面
側から見た斜視図、図6(B)は背面側から見た斜視図
である。
【図7】周縁部カバーを示すもので、図7(A)はその
側断面図、図7(B)は図7(A)のB矢視図、図7
(C)は図7(A)のC−C矢視断面図である。
【図8】メイン部カバーを示すもので、図8(A)は正
面側から見た斜視図、図8(B)は背面側から見た斜視
図、図8(C)は側断面図、図8(D)は図8(C)の
D−D矢視断面図である。
【図9】係合部材を示すもので、図9(A)はその平面
図、図9(B),(D)はそれぞれ図9(A)のB矢
視、D矢視図であり、図9(C),(E)はそれぞれ図
9(A)のC−C矢視、E−E矢視断面図である。
【図10】従来の車両用シートのヘッドレスト一体型バ
ックレストの一例を示す斜視図である。
【図11】従来ののバックレストのフレームとパッドと
を組み付ける前の状態で示す図である。
【符号の説明】
1 バックレスト 1A 背もたれ部 1B ヘッドレスト部 1C 貫通孔 2 フレーム 2A メインフレーム部 2B ヘッドレストフレーム部 3 パッド 3A 周縁パッド部 3B メインパッド部 4 カバー 4A 周縁部カバー 4B メイン部カバー 5 孔(貫通孔1Cに対応する孔) 8 ファスナー

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背もたれ部とヘッドレスト部とが一体に
    形成され、ヘッドレスト部の下部側には、前面か背面ま
    で貫通する貫通孔が形成された車両用シートのヘッドレ
    スト一体型バックレストにおいて、上記背もたれ部およ
    びヘッドレスト部の芯材となるパッドと、このパッドを
    覆うカバーとを備え、前記パッドは、前記背もたれ部の
    両側部および前記ヘッドレスト部に沿って延びる逆U字
    状をなす周縁パッド部と、この周縁パッド部と別体に形
    成され、周縁パッド部の両側部の間に嵌め込まれること
    によって上記貫通孔に対応する孔を周縁パッド部と形成
    するメインパッド部とを有し、前記カバーは、前記周縁
    パッド部を覆う周縁部カバーと、この周縁部カバーと別
    体に形成され、前記メインパッド部を覆うメイン部カバ
    ーとを有し、前記周縁パッド部の前記ヘッドレスト部に
    対応する部分が筒状に形成され、この筒状部の上記貫通
    孔に臨む部分にその一端から他端まで延び、筒状部を半
    筒状に開くファスナーが設けられていることを特徴とす
    る車両用シートのヘッドレスト一体型バックレスト。
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