JP2506694C - - Google Patents

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JP2506694C
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【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは、レーザービームプリンター、ディ
ジタルコピア(コピアはコピア株式会社の登録商標である)等可干渉光で潜像形
成を行なう電子写真法を用いた装置で使用される感光体における中間層の改良に
関する。 [従来技術] 一般に、電子写真感光体であって繰り返し使用されるもの(以降単に「感光体
」と称することがある)は良好な帯電性を得ること(不必要な電荷注入を阻止し
適当な電荷受容を維持すること)のため、更には、感光層の基体への接着を良好
ならしめるため等から、基体と感光層との間に比較的抵抗の低い樹脂で中間層が
設けられている。一方、電荷発生層と電荷輸送層とからなる積層型電子写真感光
体は、基板表面と電荷輸送層表面との間の多量反射によりモアレを生じさせる。 このモアレを防止するために、中間層に凹凸をつけることが提案されている(
実開昭60−189747号公報、実開昭60−247647号公報など)。し
かし、単に中間層表面に凹凸をつけたのでは、中間層材料の屈折率と例えば感光
層材料特に積層型感光体における電荷発生層及び/又は電荷輸送層の材料の屈折
率とが近い値であると、光学的な意味で各層の界面はほとんど無くなってしまう
。従ってモアレ防止にはほとんど役に立たない。また、中間層表面に必要以上の
凹凸をつけると、その上に塗布する感光層に悪影響を与え、画像品質を劣化させ る(例えば、反転現像方式においては、地肌部の汚れとして現われたり、また通
常の現像方式では黒ベタ部の埋まりが悪くなる)。 一方、中間層表面に凹凸をつけるために顔料等を中間層に加えることも提案さ
れているが、その顔料が有機顔料や体質顔料(屈折率が比較的小さくて一般の樹
脂の屈折率に近い値をもった顔料であり、空気中では白色粉末に見えるが樹脂被
膜中に分散した場合には隠ぺい力がほとんどないもの)の場合には顔料による入
射光の散乱は少なく、やはリモアレ防止にはほとんど役立っていないのが実情で
ある。 [目的] 本発明の目的は、上記のごとき欠点を解消するものであり、中間層のバインダ
ー樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有する白色顔料を中間層に含有させることに
より光散乱効果をもたせてモアレを防止し、同時に中間層表面を滑らかにし、繰
り返し使用に有効な電子写真感光体(特に積層型の有機系電子写真感光体)を提
供するものである。 [構成] 本発明は導電性基体と積層型の有機感光層との間に中間層を有してなり繰り返
し使用される電子写真感光体において、前記中間層が中間層バインダー樹脂の屈
折率よりも高い屈折率を有する白色顔料を含有し、かつ、平均表面粗さ0.4μ
m以下であり、膜厚1〜15μmであることを特徴とする。 ちなみに、本発明者らは中間層に中間層のバインダー樹脂の屈折率よりも高い
屈折率を有する白色顔料を含有させるとともにその中間層表面を一定の粗さ以下
に押えれば、モアレ発生が有効に防止でき感光層の塗工も良好に行なえることを
確めた。本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。 以下に本発明をさらに詳細に説明すると、既述のように、本発明感光体は導電
性基板上に中間層、感光層を順次積層した構成が採られている。導電性基体とし
てはアルミニウム、ニッケル、ステンレスなどの金属;カーボン等の導電性顔料
を分散したプラスチック;絶縁性支持体(プラスチック又はプラスチックフィル
ムのごときもの)上に金属を蒸着した又は導電性塗料を塗工したもの等が例示で
きる。 中間層に含まれる白色顔料は屈折率の値が大きいものであり、具体的には酸化
チタン(屈折率2.76)、亜鉛華(屈折率2.02)、硫化亜鉛(屈折率2.
37)、鉛白(屈折率1.94〜2.09)、リトボン(屈折率1.84)等を
あげることができる。 中間層のバインダーとしては、その上に感光層を溶剤で塗布することを考える
と一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂が望ましい。このような樹脂とし
てはポリビニルアルコール(屈折率1.49〜1.53)、カゼイン(屈折率1
.3〜1.6)、ポリアクリル酸ナトリウム(屈折率1.3〜1.6)等の水溶
性樹脂:共重合ナイロン(屈折率1.51〜1.59)、メトキシメチル化ナイ
ロン(屈折率1.51〜1.59)等のアルコール可溶性樹脂:ポリウレタン(
屈折率1.50〜1.60)、メラミン樹脂(屈折率1.56)、エポキシ樹脂
(屈折率1.56〜1.61)等の硬化性樹脂などが挙げられる。 これら白色顔料及びバインダーを用いて中間層を形成するには、白色顔料、バ
インダー溶液及び溶剤をボールミル等の手段で分散し、この分散液を導電性基板
に塗布乾燥すればよい。中間層の平均表面粗さ(Ra)を0.4μm以下に調整
あるいは小さくするためには、塗工後の中間層表面をバフ研磨等の手段で研磨す
る方法、または粗大粒子をほとんど含まない44μmフルイ残分(JIS K5
101)0.01%以下の白色顔料を用いる方法等が用いられる。 中間層には、必要に応じて、塗工性の改良あるいは導電性の改良の為に界面活
性剤、導電剤、導電性微粉末等が添加されてもよい。 白色顔料とバインダーとの割合は、使用する材料によって異なる為画一には定
められないが、バインダーを1重量部とした場合白色顔料は0.05〜20重量
部程度がよい。また、中間層の膜厚としては0.3〜30μm好ましくは1〜1
5μmくらいが適当である。 感光層は(1)電子供与性化合物と電子受容性化合物との組合せにより電荷移
動錯体を形成したもの(USP3,484,237に記載)、(2)は有機光導
電体に染料を添加して増感したもの(特公昭48−25658号公報に記載)、
(3)正孔あるいは電子活性マトリックスに顔料を分散したもの(特開昭47−
30328号、特開昭47−18545号などの公報に記載)、(4)電荷発生 層と電荷輸送層とに機能分離したもの(特開昭49−105537号公報に記載
)、(5)染料及び樹脂からなる共晶錯体を主成分とするもの(特開昭47−1
0785号公報に記載)、(6)電荷移動錯体中に有機顔料ないしは無機電荷発
生材料を添加したもの(特開昭49−91648号公報に記載)など従来から知
られている有機光導電体のいずれで形成されていてもかまわない。 しかし、これらの中でも特に(4)のタイプの積層型感光体は機能にあわせて
多様に材料が選択できる上で有利である。 電荷発生層はアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、スクエアリック顔料、イン
ジゴ系顔料、ペリレン系顔料、セレン粉末、セレン合金粉末、アモルファスシリ
コン粉末、酸化亜鉛粉末、硫化カドミウム粉末のごとき電荷発生物質をポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂などの結着樹脂
溶液中に分散し、これを中間層上に塗工することにより形成される。電荷発生層
の厚さは0.01〜2μmくらいが適当である。 電荷輸送層はα−フェニルスチルベン化合物(特開昭58−198043号公
報に記載)、ヒドラゾン化合物(特開昭55−46760号公報に記載)などの
電荷輸送性物質を成膜性のある樹脂例えばポリエステル、ポリサルホン、ポリカ
ーボネート、ポリメタクリル酸エステル類、ポリスチレンなどに溶解させ、これ
を電荷発生層上に厚さ10〜30μm程度に塗工すればよい。ここで成膜性樹脂
が用いられるのは、電荷輸送性物質が一般に低分子量でそれ自身では成膜性に乏
しいためである。 かくして製造された感光体はモアレを有効に阻止し、繰り返し使用にも適して
いる。なお、この電子写真感光体には必要であれば、感光層表面に従来と同様な
保護層を設けることが可能である。 次に実施例及び比較例を示す。 実施例1 ポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA−217)100gを水2kgに
加え撹拌しながら加熱し、溶解した。次に、これに44μmフルイ残分が0.0
3%の酸化チタン(帝国化工社製 JA−1)100gを加えボールミルで12
時間分散した。得られた分散液を直径80mmφ、長さ340mmのシリンダー 状アルミニウム基板に浸漬塗工法で塗布し、120℃で10分間乾燥を行なった
。こうして得られた中間層は厚さ約4μmであり、これをバフ研磨により表面粗
さRa=0.4μmに仕上げた。 一方、ポリエステル樹脂(東洋紡績社製 バイロン200)15gをシクロヘ
キサノン450gに溶解し、これに下記構造式 のトリスアゾ顔料30gを加えボールミルにて48時間分散し、更にシクロヘキ
サノン600gを加え3時間分散を行なった。これを容器に取り出し固形分が1
.5重量%になるように、撹拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして
得られた電荷発生層用塗工液を前記中間層上に浸漬塗布し、120℃で5分間乾
燥を行なって約0.2μm厚の電荷発生層を形成した。 また、ポリカーボネート樹脂(帝人社製 パンライトK−1300)240g
を1800gのテトラヒドロフランに溶解し、これに下記構造式 の電荷輸送物質160gを溶解し、更にシリコンオイル(信越化学社製 KF−
50)0.05gを加えた。こうして得られた電荷輸送層用塗工液を前記電荷発
生層上に浸漬し、120℃で30分間乾燥を行なって約15μm厚の電荷輸送層
を形成し積層型電子写真感光体(サンプルNo.1)を作成した。 実施例2 実施例1と同様に厚さ約4μmの中間層をバフ研磨により表面粗さRa=0.
2μmに仕上げた。 これに実施例1と同様の電荷発生層と電荷輸送層を設けた感光体(サンプルN
o.2)を作成した。 実施例3 共重合ナイロン(東レ社製 CM−8000)80gをメタノール1800g
に溶解し、更に44μmフルイ残分が0.002%以下の酸化チタン(富士チタ
ン工業社製 TA−300)480gを加え、ボールミルで5時間分散を行なっ
た。得られた分散液を直径80mmφ、長さ340mmのシリンダー状アルミニ
ウム基板に浸漬塗工法で塗布し、120℃で10分間乾燥を行なった。こうして
得られた中間層の厚さ約2μmであり、その平均表面粗さはRa=0.15μm
であった。 これに実施例1と同様の電荷発生層と電荷輸送層を設け感光体(サンプルNo
.3)を作成した。 実施例4 実施例3の酸化チタンに代えて、44μmフルイ残分が0.01%以下の酸化
亜鉛(堺化学工業社製 SAZEX特号)640gを用いた以外は実施例3と同 様にして感光体(サンプルNo.4)を作成した。中間層の厚さは約2μmで、
平均表面粗さRa=0.3μmであった。 比較例1 実施例1と同様に作成した中間層をバフ研磨を行なわずに表面粗さRa=0.
6μmのものを使用し、実施例1と同様の電荷発生層と電荷輸送層を設け感光体
(サンプルNo.5)を作成した。 比較例2 実施例1と同様に作成した中間層をバフ研磨により表面粗さRa=0.50μ
mにしたものを使用し、実施例1と同様の電荷発生層と電荷輸送層を設け感光体
(サンプルNo.6)を作成した。 比較例3 実施例3の酸化チタンに代えて、44μmフルイ残分が0.02%以下の酸化
チタン(帝国化工社製 JA−5)を用いた以外は実施例3と同様にして感光体
(サンプルNo.7)を作成した。中間層の厚さは約2μmで、平均表面粗さR
a=0.5μmであった。 以上のようにして得られた感光体(サンプルNo.1〜7)を第1図に示した
反転現像方式を採用した装置で、λ=780mmのレーザー光で潜像を形成し、
転写紙上に画像を得たところ表−1に示した結果が得られた。但し、いずれのサ
ンプルでもモアレの発生は認められなかった。 [効果] 実施例の記載から明らかなように、中間層に中間層のバインダー樹脂の屈折率
よりも高い屈折率を有白色顔料を含有させ、その表面を滑らかにすることでモア
レが防止され、しかも耐久性のある感光体が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】 第1図は反転現像方式を用いた電子写真複写機の概略図である。 1・・・光学系(レーザー光)、2・・・現像器(負極性現像剤使用) 3・・・転写チャージャー、4・・・転写紙 5・・・クリーニング装置、6・・・一次チャージャー 7・・・感光体ドラム

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.導電性基体と積層型の有機感光層との間に中間層を有してなり繰り返し使
    用される電子写真感光体において、前記中間層が中間層バインダー樹脂の屈折率
    よりも高い屈折率を有する白色顔料を含有し、かつ、平均表面粗さ0.4μm以
    下であり、膜厚1〜15μmであることを特徴とする電子写真感光体。

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