JP2506102B2 - アントシアニン系色素の安定化法 - Google Patents

アントシアニン系色素の安定化法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はアントシアニン系色素に陰イオン性界面活
性剤を添加してアントシアニン系色素の安定性を向上さ
せる方法に関するものである。
(従来の技術) アントシアニン系色素は、酸性下(pH=3以下)で鮮
明な赤〜赤紫色を呈し、食品、医薬品、化粧品、その他
の着色料として使用されている。しかしながらpHが上昇
する(pH=3.5以上)につれて、色調が変化すると共
に、吸光度(発色)が低下し、所定の色調を得るために
は酸性下(pH=3以下)での添加量の数倍を必要とし、
着色経費が上昇してしまう。
さらに、食品に使用する場合、食味上余りpHを下げら
れない食品やpHを下げると、増粘剤等の効果が低下する
場合があったり、直接、皮膚に塗布する化粧品等に使用
する場合は、酸性が強いと炎症などの障害を起こすおそ
れがある。また、アントシアニン系色素は、耐光性、耐
熱性に劣るという欠点を持っている。
(当該発明が解決しようとする問題点) ここにおいて、アントシアニン系色素のpH上昇に伴な
う変退色を防止し、しかも光に強く、更に熱に強い性質
をこのものに付与することが課題となる。この発明は、
この課題を解決するための1つの回答である。
以下に、この発明を詳しく説明する。
(発明の構成) 本発明に使用されるアントシアニン系色素としては、
赤キャベツを起源とする赤紫色色素、ブドウ果皮を起源
とする赤紫色色素、紫トウモロコシ、ベリー類、その他
を起源とする天然系のアントシアニン色素でも、合成さ
れたアントシアニン色素のいずれでもよく、これらの2
種以上を併わせ用いてもよい。
また、アントシアニン色素の安定性を改良するために
添加する陰イオン性界面活性剤としては、ドデシル硫酸
ナトリウム、ラウリルベンゼン硫酸ナトリウム、その他
があり、これらの1種又は2種以上を併わせて用いる。
その使用量は、被着色物の総量に対して5%以下量(重
量%、以下同じ)でよい。この範囲において、ことに0.
05〜0.2%量が多くの場合について有用である。またア
ントシアニン系天然色素に陰イオン性界面活性剤を添加
する比率は、アントシアニン系天然色素10部(重量、以
下同じ)に対して陰イオン性界面活性剤10〜1000部を添
加する。(好ましくは、アントシアニン系色素100部に
対して100〜500部が効果的である。) 次に安定化の工程および機構を説明する。
陰イオン性界面活性剤の1種又は2種以上をあらかじ
めアントシアニン色素中に任意の割合で配合しておき、
被着色物に前記使用量となるように添加する。またアン
トシアニン色素と陰イオン性界面活性剤を被着色物に別
々に添加してもよい。その際、陰イオン界面活性剤が水
系の中で均一に溶解するように攪拌してもよい。
そして、上記必須構成成分の他、油分、ワックス、紫
外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤、有機溶媒、薬剤、水
溶性高分子、香料、水、その他の成分を添加してもよ
い。
その安定化の機構の詳細は不詳であるが、陰イオン性
界面活性剤の臨界ミセル濃度で増色効果が増加し、ミセ
ル形成とともに最大に達することが認められており、ま
た、疎水的相互作用を抑制する尿素やジメチルスルホキ
シド、静電的相互作用を抑制するNaClが着色効果を抑制
することにより陰イオン性界面活性剤によるアントシア
ニン色素の増色効果は、陰イオン性界面活性剤のミセル
形成と密接に関連し、さらに疎水的および静電的相互作
用が関与していると考えられる。
(発明の効果) 本発明の方法によりアントシアニン系色素に陰イオン
性界面活性剤を添加したものは、耐光、耐熱、耐酸、耐
アルカリ性に極めて優れている。詳しくは、次に具体例
を記し、説明する。
アントシアニン色素、(シアニジン−3−ルチノサイ
ド)1.35×10-4M、ドデシル硫酸ナトリウム(以下、SD
Sと略す)1.35×10-2MをpH=2.3〜5.0のMcllvaine氏緩
衝液中に加え、吸光度計(日立、200-10型)で吸光度お
よび可視部最大吸収波長(λmax)を測定する。また、p
H=3の同様の緩衝液中に、アントシアニン色素、(デ
ルフィニジン−3−ルチノサイド)1.35×10-4M、SDS
6.75×10-3M、SDS1.35×10-2Mを加えた溶液を日光照
射する。それらの基準品としてSDS無添加の色素溶液を
調整し、同様の処理を行ない比較検討した。その結果を
図1(a)、図1(b)及び図2で示す。
図1(a)、(b)は、pH変化に伴なうSDSによるア
ントシアニン色素の可視部最大吸収波長の長波長側への
シフトとの波長での吸光度の増加を示したものである
が、pH3〜4の間でSDSの効果が最も顕著であり、SDS未
添加のものはpH3から4になるにつれて吸光度が急激に
低下しているのに対し、SDSを添加したものは、吸光度
の低下がほとんど見られない。
また、図2は、SDSを添加した場合の安定性の増加を
示したものであり、80分間日光照射した時、SDS添加し
たものは、未添加のものに比べて色素残存率が4〜6割
優れている。
これらから明らかなとおり、SDSの様な陰イオン性界
面活性剤を加えることによりアントシアニン色素は増色
され安定性も向上する。
以下、本発明の実施例を示す。
なお配合量は重量%である。
実施例1 キャンデー SDSを0.1%添加したものと未添加のものをそれぞれキ
ャンデーの処方(上記参照)に従い調製し、両者の色調
を比較すると共に、螢光灯下、1週間放置し、耐光性に
ついて検討した。
実施例2 ペクチンゼリー ラウリルベンゼン硫酸ナトリウム(以下、LBSと略
す)を0.1%添加したものと未添加のものをそれぞれペ
クチンゼリーの処方(上記参照)に従い調製し、両者の
色調を比較すると共に、螢光灯下、1週間放置し耐光性
について検討した。
実施例3 錠剤 テトラデシル硫酸ナトリウム(以下STSと略す)を0.1
%添加したものと未添加のものをそれぞれ上記の処方に
従い錠剤を調製し、両者の色調を比較検討した。
実施例4 シロップ剤 ミリスチルベンゼン硫酸ナトリウム(以下、MBSと略
す)を0.1%添加したものと未添加のものをそれぞれ上
記の処方に従いシロップ剤を調製し、両者の色調を比較
検討した。
実施例5 アフターシェーブローション SDSを0.1%添加したものと未添加のものをそれぞれア
フターシェーブローションの処方(上記参照)に従い調
製し、両者の色調を比較検討した。
実施例6 クリーム POE(15モル)植物油脂脂肪酸エステル 1.5 ソルビタンセスキオレエート 3.5 イソプロピルミリステート 10.0 流動パラフィン(♯70) 10.0 セタノール 4.0 パラフィンワックス 5.0 ミツロウ 10.0 ホウ砂 0.5 プロピレングリコール 2.0 精製水 53.495 シアニジン−3−グルコシド(合成品) 0.005 LBSを0.1%添加したものと未添加のものをそれぞれク
リームの処方(上記参照)に従い調製し、両者の色調を
比較検討した。
【図面の簡単な説明】
図1.シアニジン−3−ルチノサイドのSDSによる増色効
果 (a):SDSを添加(−○−)すると、色素の最大吸収波
長が長波長へずれ、深色効果が認められた。また、その
効果はpH2.5〜5の間で有効であった。 (−●−)はSDSの未添加を示す。 (b):SDS添加のもの(−○−)は、未添加(−●−)
に較べて最大吸収波長での吸光度が高い。pH4付近では
約6倍の吸光度を示した。従って、SDSを添加すると色
素の発色は6倍増加する事になる。 図2.デルフィニジン−3−ルチノサイドのSDSによる安
定化 SDSを添加したもの(−□−、−○−)は、未添加(−
●−)に比較して、日光照射における耐光性が優れてい
た。また、添加量が多い(−□−)ほど、色素が多く残
存し、安定性の向上に効果があった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アントシアニン系天然色素に陰イオン性界
    面活性剤を添加することを特徴とするアントシアニン系
    色素の安定化法。
JP62051149A 1987-03-05 1987-03-05 アントシアニン系色素の安定化法 Expired - Lifetime JP2506102B2 (ja)

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