JP2505344B2 - フェライト用酸化鉄の製造方法 - Google Patents

フェライト用酸化鉄の製造方法

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JP2505344B2
JP2505344B2 JP4077311A JP7731192A JP2505344B2 JP 2505344 B2 JP2505344 B2 JP 2505344B2 JP 4077311 A JP4077311 A JP 4077311A JP 7731192 A JP7731192 A JP 7731192A JP 2505344 B2 JP2505344 B2 JP 2505344B2
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省三 広瀬
道章 山内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固相反応による単結晶
フェライトを製造する際に好適に使用される多結晶フェ
ライト用の酸化鉄の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば特開昭56ー1551
00号公報において、多結晶フェライトと単結晶フェラ
イトとを接合させた状態で所定の温度に保持し、固相反
応により単結晶フェライトを多結晶フェライト中に成長
させて、単結晶フェライトを得る方法が知られている。
また、この固相反応に使用する多結晶フェライトの原料
としての酸化鉄の製造方法が、例えば特開昭62ー22
3023号公報において知られている。
【0003】上述した特開昭62ー223023号公報
に記載の製造方法では、異方性結晶の発生が少なく、単
結晶の成長性の良好な多結晶母材を有利に製造できる酸
化鉄を、例えば図3にその概略図を示すように、水熱反
応により得られたスピネル構造を有するマグネタイト1
2を焼成炉11内にセットし、焼成炉12内に酸素濃度
1%以下の窒素ガスを流した中性ガス雰囲気中で、45
0〜750℃の温度で焙焼して、酸化鉄を製造してい
る。本来、マグネタイトは、この温度域で焙焼すること
によって、ヘマタイト(α−Fe2O3)に転化するが、その
転化の度合いを磁性度によって評価している。すなわ
ち、マグネタイトは磁性を有するが、ヘマタイトは磁性
を有せず、固相反応法によるフェライト単結晶製造用の
酸化鉄原料の製造法としては、この磁性度を管理するこ
とがポイントとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の酸化鉄の製造方法では、酸素濃度1%以下の窒
素ガス雰囲気中で焙焼する必要があるため、装置が大が
かりとなる問題がある。焙焼後の酸化鉄に不純物として
残存するSOx の量を低くすることが難しく、また、残
存SOx 量を低くするためには焙焼温度を相当高くする
必要があり、その場合スピネル構造がこわされてしま
う、すなわち磁性がなくなってしまう場合のある問題が
あった。そのため、製造コストがかかるとともに、得ら
れた酸化鉄から多結晶フェライトを製造すると、固相反
応に使用する多結晶フェライトとして好ましくない場合
がある問題があった。
【0005】本発明の目的は上述した課題を解消して、
磁性度がある程度あり、残存するSOx の量が少ない酸
化鉄を得ることのできるフェライト用酸化鉄の製造方法
を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のフェライト用酸
化鉄の製造方法は、硫酸第一鉄水溶液より水熱反応でマ
グネタイトを生成せしめた後、これを焙焼するフェライ
ト用酸化鉄の製造方法において、水熱反応により析出し
たマグネタイトを水洗濾過して、残存するSO3 を1.
2〜2.0wt%の範囲に調整した後、調整後のマグネ
タイトを大気中にて回転式管状炉で空気を送りながら5
00〜600℃の温度で焙焼することにより、焙焼前後
で残存するSO3 を少なくとも0.2wt%以上低減さ
せ、且つ焙焼後のSO3 を1.5wt%以下とすること
を特徴とするものである。
【0007】
【作用】上述した構成において、水洗濾過の段階でマグ
ネタイト中のSO3 の量を1.2〜2.0wt%と適切に
制御することにより、焙焼時に窒素等の中性ガス雰囲気
に保持する必要がなく、簡易な設備で経済的に酸化鉄を
得ることができる。また、残存するSO3 分の作る雰囲
気によって、焙焼して得られた酸化鉄の磁性度を維持す
ることができるとともに、製造工程においてマグネタイ
トのスピネル構造を破壊することもなく、良好な酸化鉄
を得ることができる。そのため、得られた酸化鉄を原料
として多結晶フェライトの母材を製造し、これを使用し
て固相反応により単結晶フェライトを得れば、成長距離
が長く、特性も良好な単結晶フェライトを低コストで得
ることができる。
【0008】
【実施例】図1は本発明のフェライト用酸化鉄の製造方
法の一例の工程を示すフローチャートである。図1に従
って本発明を説明すると、まず、従来から公知の水熱反
応によりマグネタイト(Fe34 )を得る。その一例
を示すと、純度99.99%の電解鉄を硫酸に溶かして
硫酸第一鉄の水溶液を得、この硫酸第一鉄の水溶液とア
ンモニア水とからなる液中に純酸素を吹き込み酸化し
て、マグネタイトを得ることができる。
【0009】次に、得られたスピネル構造のマグネタイ
トを、水洗濾過して、SO3 およびその他の不純物を除
去するとともに安定化させ、この段階で少なくともマグ
ネタイト中のSO3 を1.2〜2.0wt%にコントロー
ルする。水洗濾過は従来から公知の種々の方法を利用す
ることができる。また、水洗濾過では、SO3 以外の他
のSOx 成分も除去することができる。
【0010】次に、回転式管状炉で、大気中、空気を送
りながら500〜600℃の温度において焙焼する。す
なわち、図2に概略図を示すように、ロータリーキルン
1内に上記マグネタイト2をセットし、炉内に空気を流
し込みながら、500〜600℃の温度に保持すること
により、以下の実施例からもわかるように、磁性度が5
〜40mmでSO3 含有量が1.0〜1.5wt%で、フ
ェライト単結晶育成に適した特性の酸化鉄原料を得るこ
とができる。ここで、磁性度とは、磁性を有するマグネ
タイトと磁性を有さないαヘマタイト(Fe23 )と
の含有量を測定するための一手法であり、例えば実開昭
62−150682号公報に開示がある。
【0011】以下、実際の例について説明する。実施例 上述した製造方法に従って水熱反応により生成したマグ
ネタイトを水洗濾過し、以下の表1に示すように焙焼前
のSO3 濃度を変化させた試料を準備し、図2に示した
ロータリーキルンにより、空気の流し込み量を12.5
l/minと一定にした状態で表1に示す焙焼温度で焙
焼して酸化鉄を得た。また、比較のため、マグネタイト
を図3に示すような焼成炉内で、残存酸素1000pp
m程度の窒素雰囲気中で表1に示す焙焼温度で焙焼して
酸化鉄を得た。得られた酸化鉄について、上述した酸化
度を測定するとともに、酸化鉄中に残存するSO3 量を
測定した。結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】表1の結果から、ロータリーキルンで空気
を流すという簡単な方法で焙焼して得た本発明の酸化鉄
は、従来の所定の酸素を含む窒素雰囲気で焙焼した従来
例の酸化鉄と比べて、優るとも劣らない磁性度を有する
とともに、酸化鉄中に残存するSO3 量はかえって少な
く、良好な特性の酸化鉄が得られることがわかった。ま
た、ロータリーキルンを使用した例の中でも、焙焼前の
SO3 量を1.2〜2.0wt%とし、焙焼温度を500
〜600℃とした本発明例は、それ以外の比較例と比べ
て良好な特性が得られることがわかった。
【0014】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明に
よれば、焙焼前に水洗濾過してマグネタイト中のSO3
を適切にコントロールしているため、焙焼時に中性ガス
雰囲気を保持する必要がなく、簡易な設備で経済的に酸
化鉄を製造することができる。また、残存SO3 分の作
る雰囲気によって、焙焼された酸化鉄の磁性度を維持す
ることができるとともに、中性ガスの焙焼に比べて酸化
鉄中のSO3 分を低減することができ、その結果得られ
た酸化鉄から多結晶フェライト母材を製造して固相反応
による単結晶フェライトの製造に使用すれば、良好な特
性の単結晶フェライトを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフェライト用酸化鉄の製造方法の一例
の工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明のフェライト用酸化鉄の製造方法におけ
る焙焼法の一例を説明するための概念図である。
【図3】従来のフェライト用酸化鉄の製造方法における
焙焼法の一例を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1 ロータリーキルン 2 マグネタイト

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸第一鉄水溶液より水熱反応でマグネ
    タイトを生成せしめた後、これを焙焼するフェライト用
    酸化鉄の製造方法において、水熱反応により析出したマ
    グネタイトを水洗濾過して、残存するSO3 を1.2〜
    2.0wt%の範囲に調整した後、調整後のマグネタイ
    トを大気中にて回転式管状炉で空気を送りながら500
    〜600℃の温度で焙焼することにより、焙焼前後で残
    存するSO3 を少なくとも0.2wt%以上低減させ、
    且つ焙焼後のSO3 を1.5wt%以下とすることを特
    徴とするフェライト用酸化鉄の製造方法。
JP4077311A 1992-03-31 1992-03-31 フェライト用酸化鉄の製造方法 Expired - Lifetime JP2505344B2 (ja)

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JPS62223023A (ja) * 1986-03-20 1987-10-01 Ngk Insulators Ltd フエライト用酸化鉄およびその製造法

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