JP2504893Y2 - 光学ヘツド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、光ディスク等の光学式記録媒体のドライブ
装置の光学ヘッドに関するものである。

〔従来の技術〕

従来の光学ヘッドでは、ひとつの検出器を使って、フ
ォーカスエラー検出とトラックエラー検出を行なってい
た。このような光学ヘッドは、部品が少なくて済み装置
も小さくできるという利点があった。しかしその反面、
フォーカスエラー信号とトラックエラー信号のクロスト
ークが出やすく、そのクロストークを小さくするために
は調整にかなりの時間がかかり、生産性が悪いという欠
点があった。そこで、第３図に示す様に不図示の光学式
記録媒体からの反射光をビームスプリッター31で分離
し、フォーカスエラーとトラックエラーを別々の検出器
（34、35）で検出していた。第３図はフォーカスエラー
検出を非点収差法で行ない、トラックエラー検出をプッ
シュプル法で行なった例である。第３図において、32は
集光レンズ、33はシリンドリカルレンズであり、非点収
差法によるフォーカスエラー検出では通常用いられてい
るものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このような装置では、トラックエラー検出器までの光
路中に、フォーカスエラー検出のための光学部材が介入
しないため、トラックエラー信号にフォーカスエラー信
号が乗ることはない。しかしその反面、このような装置
ではトラック溝を横切る際、フォーカスエラー信号にプ
ッシュプル信号に同期した信号（クロストーク）が起こ
りやすかった。このようなクロストークは、トラックジ
ャンプの際のフォーカシング誤動作の原因になってい
る。このクロストークを小さくするためには、フォーカ
スエラー検出のための光学部材や受光素子の選別や調整
にかなりの時間がかかり、生産性が悪いという欠点があ
った。本考案は、このようなクロストークを、簡単にし
かもきわめて小さくすることを目的とする。

〔問題点を解決する為の手段〕

上記目的の為に本考案では、ビームスプリッターとフ
ォーカスエラー検出用受光素子との間にプッシュプル信
号を低減せしめる光束制限部材を前記フォーカスエラー
検出用受光素子に導かれる光のビームに対して垂直に配
置し、その光束制限部材にフォーカスエラー検出用受光
素子に導かれる光のビーム径よりも幅の狭いスリット状
開口部を設けた。

〔作用〕

本考案では、ファーフィールドにおいて特定の光量分
布をなすプッシュプル信号を光路制限部材で阻止できる
ので、フォーカスエラー検出用受光素子に入るプッシュ
プル信号を極めて小さくできるため、クロストークが小
さくでき、フォーカスエラー検出用受光素子の調整もプ
ッシュプル信号によるクロストークの影響を考えずに容
易にできる。

〔実施例〕

第１図は本考案の一実施例であり、レーザダイオード
１からの光はコリメータレンズ２で平行光束になった
後、ビームスプリッター３で反射し、対物レンズ４によ
って、光学式記録媒体５上に集光される。光学式記録媒
体５からの光（この光は、フォーカスに関連する成分と
トラックエラーに関連する成分とを有する）は対物レン
ズ４にて平行光束にされ、ビームスプリッター３を透過
し、ビームスプリッター６に達する。ビームスプリッタ
ー６で反射した光はプッシュプル法によるトラックエラ
ー検出用の２分割受光素子11に達する。ここまでは第３
図の従来例と全く同じである。すなわち、第３図のビー
ムスプリッター31、２分割受光素子35はそれぞれ、第１
図のビームスプリッター６、２分割受光素子11に対応す
る。

ビームスプリッター６の透過光は、プッシュプル信号
低減用の光束制限部材（この平面形状は第２図（ａ）、
（ｂ）に示したように、円形開口を有する絞り（第２図
（ａ））やスリット状開口を有する絞り（第２図（ｂ）
が用いられる）の開口を通り、集光レンズ８、シリンド
リカルレンズ９によって４分割素子10上に導かれる。

このような構成であるから、ビームスプリッター６を
透過した光束のうち、プッシュプル法に係る光束は、周
辺領域の光束を制限する光束制限部材によって阻止され
るので、クロストークが生ずることを避けることができ
る。

なお、以上の説明は、光学式記録媒体５に入射する光
スポットの強度分布が平坦な場合に当てはまり、この場
合には、ファーフィールドにおいてはプッシュプル法に
係る光束は、光束の横断面の周辺部に集中するので、第
２図のように中心部を通し、周辺部を遮光する絞りが好
ましい。

他方、光学式記録媒体５に入射する光スポットの強度
分布がガウス分布である場合には、プッシュプル法に係
る光束は、光束の横断面の中心部に集中するので、この
場合には中心部を遮光する円盤やスリット等が好まし
い。

いずれにしても、実際には、光束制限部材の形状は、
実験によって最もクロストークの小さなものに設定され
る。

〔考案の効果〕

以上の様に本考案によれば、フォーカスエラー信号を
あまり小さくすることなく、プッシュプル信号の影響を
極めて小さくできるため、クロストークが極めて小さく
できる。そのため、フォーカスエラー検出用受光素子の
調整が容易になる。しかも極めて簡単な方法なので、改
良が安価に済むという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の光路図、第２図（ａ）、
（ｂ）はプッシュプル信号低減用の光束制限部材の例、
第３図は従来の主要部の光路図、である。 〔主要部分の符号の説明〕 ７……光束制限部材。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】光学式情報記録媒体からの反射光をビーム
   スプリッターで分離し、一方の光をフォーカスエラー検
   出用受光素子に導き、他方の光をプッシュプル法による
   トラックエラー検出用受光素子に導く如く構成されたエ
   ラー検出部を有する光学ヘッドにおいて、 前記ビームスプリッターと前記フォーカスエラー検出用
   受光素子との間にプッシュプル信号を低減せしめる光束
   制限部材を前記フォーカスエラー検出用受光素子に導か
   れる光のビームに対して垂直に配置し、 前記光束制限部材は前記フォーカスエラー検出用受光素
   子に導かれる光のビーム径よりも幅の狭いスリット状開
   口部を有することを特徴とする光学ヘッド。