JP2504324Y2 - パチンコ機における前面枠の開放構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、パチンコ機の機枠に対して施錠装置を介し
て開閉自在に取り付けられる前面枠の開放構造に関する
ものである。

【従来の技術】

従来、パチンコ機においては、パチンコ機を多数背向
列設するパチンコ島台に箱枠状の機枠を固定し、該機枠
に対して前面枠が開閉自在に軸支されると共に、前面枠
の開放又は閉成は、前面枠の開放側裏面に固着された施
錠装置を操作することにより行われていた。すなわち、
開放操作は、前面枠の前面に臨むシリンダー錠にキーを
差込んで一方向に回動することにより施錠装置の上下に
形成されたロック片と機枠に固着された係合突片との係
合を外し、その状態でシリンダー錠にキーを差込んだま
ま前面枠を手前側に引っ張ることにより行われていた。
また、閉成操作は、ロック片と係合突片とが再度係合す
るまで前面枠を押し込むことにより行われていた。

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前面枠の開閉動作のうち、開放動作におい
ては、前記したようにシリンダー錠にキーを差込んだま
ま前面枠を手前側に引っ張ることにより行われていた
が、この前面枠は、パチンコ機を構成するほとんどの部
品が装着されているため、非常に重量があり、その重量
がすべてシリンダー錠とキーとに負荷されるため、シリ
ンダー錠が壊れたり、あるいはキーが変形したりして施
錠装置が使用できなくなるという問題があった。 本考案は、上記した問題点に鑑みなされたもので、そ
の目的とするところは、シリンダー錠又はキーの破損あ
るいは変形を防ぎ、長期間に亘って使用することができ
るパチンコ機における前面枠の開放構造を提供すること
にある。

【課題を解決するための手段】

上記した目的を達成するために、本考案に係る前面枠
の開放構造においては、 パチンコ機の機枠に対して施錠装置を介して開閉自在
に取り付けられる前面枠において、 前記施錠装置が前記前面枠を開放するように操作され
たときに、前面枠を開放する方向に押し出す押出し部材
を前面枠の開放側に対応する前記機枠側に設けたことを
特徴とするものである。

【作用】

施錠装置が前面枠を開放するように操作されたとき、
すなわち、キーをシリンダー錠に差込んで一方向に回動
操作されたときに、押出し部材が前面枠の開放側を押し
出して強制的に開放するので、キー又はシリンダー錠に
負荷がかかることがなく、このため、キー又はシリンダ
ー錠が破損したり、あるいは変形したりせず、長期間に
亘って施錠装置を確実に使用することが可能となる。

【実施例】

以下、図面を参照して、本考案の実施例について説明
する。第１図は、実施例に係るパチンコ機の前面枠を開
放した状態を示す斜視図である。図において、パチンコ
機１は、図示しないパチンコ島台に固定される箱枠状の
機枠２を有し、その機枠２の一側に支軸4a,4bを介して
前面枠３が開閉自在に軸支されている。この前面枠３に
は、パチンコ機１を構成する大部分の部品が集約して設
けられている。即ち、遊技盤６を収納固定する遊技盤支
持枠５と、遊技盤６と、該遊技盤６の裏面に配置され、
発生した入賞玉を処理すると共にそれに対応する所定個
数の景品玉を排出する各種の機構が形成された機構板７
が設けられている。また、図示しないが前面枠３の前面
側には、ガラス板が嵌込まれたガラス扉枠や、排出され
た景品玉を貯留する上皿及び下皿も設けられている。そ
して、上記した部品のうち、遊技盤６には、可変表示装
置や変動入賞装置等の比較的大きくて重量のある役物を
含んで構成され、機構板７には、常に多量の景品玉が貯
留された状態となっているため、前面枠３全体として
は、かなりの重量となっている。 また、前面枠３の裏面であって、開放側の側部には、
施錠装置10が固着されている。この施錠装置10は、後に
詳述するように前面枠３と図示しないガラス扉枠との両
方を開放することができる、所謂Ｗ錠といわれるもので
ある。また、前面枠３が閉成されたときには、機枠２の
前面下部に固着された当て板８の上部に載置された状態
となっている。 ここで、施錠装置10の構成について第４図及び第５図
を参照して詳細に説明する。第４図は、施錠装置10の側
面図であり、第５図は、施錠装置10の背面図である。図
において、施錠装置10は、支持部材11と該支持部材11に
摺動自在に設けられる前面枠用操作杆12及びガラス扉枠
用操作杆13とから構成される。支持部材11は、断面
「Ｌ」字状に形成され、その一辺が前記前面枠３の裏面
に当接して固定される固定辺14を構成し、その他辺が固
定辺14とほぼ直角に形成されて前面枠用操作杆12及びガ
ラス扉枠用操作杆13を案内する案内辺15を構成してい
る。 前記固定辺14のほぼ中央には、その前面にシリンダー
錠16が突設され、そのシリンダー錠16の後端に回動カム
18が固定されている。そして、シリンダー錠16にキー17
を差込んで回動することにより回動カム18が回動するこ
とになる。回動カム18には、２つの作動突片19a,19b
（ただし、19bは図示しない）が形成されている。一方
の作動突片19aは、回動カム18に対してほぼ直角に突設
され、前面枠用操作杆12と係合するようになっている。
また、他方の作動突片19bは、回動カム18からそのまま
横方向に突設され、ガラス扉枠用操作杆13と係合するよ
うになっている。 しかして、図示の施錠装置10においては、キー17をシ
リンダー錠16に差込んで一方向（右方向）に回動するこ
とにより回動カム18が左方向に回動して作動突片19aと
前面枠用操作杆12とが係合して前面枠用操作杆12を上昇
させ、一方、キー17を他方向（左方向）に回動すること
により回動カム18が左方向に回動して作動突片19bとガ
ラス扉枠用操作杆13とが係合してガラス扉枠用操作杆13
を下降させる。 また、固定辺14には、上下及び中央に前記前面枠用操
作杆12の摺動動作をガイドする案内突片20a〜20cが突設
されるとともに、前面枠用操作杆12及びガラス扉枠用操
作杆13を開錠方向と逆方向に付勢する付勢バネ21、22の
一端が係止されている。 前記前面枠用操作杆12の上下には、連結ピン24a,24b
で連結されるロック片23a,23bが設けられている。ま
た、ロック片23a,23bは、前記案内辺15に支持ピン25a,2
5bで支持することにより揺動自動に軸支されている。ま
た、ロック片23a,23bの中程には、鉤部26a,26bが形成さ
れ、この鉤部26a,26bが前記機枠２の上下２箇所に固定
される係合突片29a,29bの下側から係脱することにより
前面枠３を機枠２に対して係脱自在としている。 上記のように構成される前面枠用操作杆12は、シリン
ダー錠16にキー17を差し込んで一方向に回動することに
より作動突片19aとの係合により上昇し、これによりロ
ック片23a,23bを時計方向に回動させて鉤部26a,26bと係
合突片29a,29bとの係合を解除して、前面枠３を機枠２
から開放できるようにしている。なお、前面枠３を閉じ
る場合には、そのまま前面枠３を押圧することにより鉤
部26a,26bと係合突片29a,29bが自然に係合して閉じるこ
とができる。 一方、前記ガラス扉枠用操作杆13には、その上方寄り
側縁に操作突片27が突設され、その操作突片27に図示し
ないガラス扉枠施錠装置の一部を構成する作動レバー28
（第１図参照）が当接するようになっている。しかし
て、ガラス扉枠用操作杆13は、シリンダー錠16にキー17
を差込んで他方向に回動することにより作動突片19bと
係合して付勢バネ22の付勢力に抗して下方向に移動させ
られる。そして、ガラス扉枠用操作杆13が下方向に移動
すると、操作突片27によって作動レバー28も下方向に移
動し、これによりガラス扉施錠装置においてガラス扉枠
が開放されるようになっている。 前面枠３裏面に取り付けられる施錠装置10の構成は、
以上説明した通りであるが、第１図に示すように、前面
枠３の開放側に対応する機枠２の側部上下２箇所に押出
し部材としてのスプリング30a,30bが設けられている。
このスプリング30a,30bは、第２図に示すように、機枠
２に穿設された収納穴31a,31b（ただし、31bは図示ぜ
す）に収納固定されており、前面枠３を閉じたときに前
面枠３の当接面部32a,32b（ただし、32bは図示せず）に
当接して収納穴31a,31b内に埋没するようになってい
る。 ここで、押出し部材としてのスプリング30a,30bの作
用について第２図及び第３図を参照して説明すると、ま
ず、前面枠３が機枠２に対して閉成した状態であるとき
には、第２図に示すように、施錠装置10においてロック
片23a,23bの鉤部26a,26bと係合突片29a,29bとが係合し
ており、スプリング30a,30bは、収納穴31a,31b内に埋設
した状態にある。このような状態でキー17をシリンダー
錠16に差込んで一方向に回動すると前面枠用操作杆12が
上昇してロック片23a,23bが支軸ピン25a,25bを中心にし
て時計方向に回動し（第２図一点鎖線）、鉤部26a,26b
と係合突片29a,29bとの係合が外れる。すると、第３図
に示すように、スプリング30a,30bの付勢力により前面
枠３が開放する方向に押出されて自動的に前面枠３が開
放する。そして、その後、前面枠３の開放側側部に手を
掛けて大きく開放することにより、パチンコ機１裏面の
故障やパチンコ島台内部の不都合に対して適切な処理を
施すことができる。 一方、前面枠３を閉じる場合には、従来と同様に施錠
装置10のロック片23a,23bと係合突片29a,29bとが係合す
るまで前面枠３の開放側前面を強く押せばよい。 以上、実施例について説明してきたが、この実施例に
よれば、施錠装置10が前面枠３を開放するように操作さ
れたとき、すなわち、キー17をシリンダー錠16に差込ん
で一方向に回動操作されたときに、押出し部材としての
スプリング30a,30bが前面枠３の開放側を押し出して開
放するので、キー17又はシリンダー錠16に負荷がかかる
ことがなく、このため、キー17又はシリンダー錠16が破
損したり、あるいは変形したりせず、長期間に亘って施
錠装置30を確実に使用することが可能となる。 なお、上記した実施例では、押出し部材としてスプリ
ング30a,30bを例示したが、例えば、前面枠用操作杆12
の上昇動作を検出する検出スイッチの作動等の前面枠開
放信号に基づいて駆動する電気的駆動源（モータやソレ
ノイド等）や油圧装置によって押出し部材（カムやテコ
等）で前面枠３を押圧するように構成されたものでもよ
い。また、押出し部材の取付位置は、実施例のように機
枠２に直接取り付けてもよいが、他の部材を介して間接
的に機枠２に取り付けてもよい。要は、機枠２側に取り
付けてあればよい。

【考案の効果】

以上、説明したところから明らかなように、本考案に
係る前面枠の開放構造においては、施錠装置が前面枠を
開放するように操作されたときに、押出し部材が前面枠
の開放側を押し出して強制的に開放するので、キー又は
シリンダー錠に負荷がかかることがなく、このため、キ
ー又はシリンダー錠が破損したり、あるいは変形したり
せず、長期間に亘って施錠装置を確実に使用することが
可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実施例に係るパチンコ機の前面枠を開放した
状態を示す斜視図、第２図及び第３図は、押出し部材に
よって前面枠が機枠から開放される様子を示す部分側面
図、第４図は、施錠装置の側面図、第５図は、施錠装置
の背面図である。 １……パチンコ機 ２……機枠 ３……前面枠 10……施錠装置 30a,30b……スプリング（押出し部材）

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パチンコ機の機枠に対して施錠装置を介し
   て開閉自在に取り付けられる前面枠において、 前記施錠装置が前記前面枠を開放するように操作された
   ときに、前面枠を開放する方向に押し出す押出し部材を
   前面枠の開放側に対応する前記機枠側に設けたことを特
   徴とするパチンコ機における前面枠の開放構造。