JP2504195Y2 - 集積包装用熱収縮性フイルム - Google Patents

集積包装用熱収縮性フイルム

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JP2504195Y2
JP2504195Y2 JP1992070041U JP7004192U JP2504195Y2 JP 2504195 Y2 JP2504195 Y2 JP 2504195Y2 JP 1992070041 U JP1992070041 U JP 1992070041U JP 7004192 U JP7004192 U JP 7004192U JP 2504195 Y2 JP2504195 Y2 JP 2504195Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、複数個の物品(商品)
を一まとめにして集積包装するための包装用スリーブの
成形材料である熱収縮性プラスチツクフイルムの改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】飲料、調味料、その他を缶、瓶、箱等の
容器に充填包装した商品の運搬・保管、店頭陳列、持ち
運び等の便利のために、その複数個を一まとめにし、熱
収縮性プラスチツクフイルムからなるスリーブで包囲
し、スリーブの熱収縮力を締付け力として結束固定し集
積包装体とすることは公知である。図4において、10
は集積包装される物品、20は熱収縮性プラスチツクフ
イルム(例えば、延伸加工されたポリエチレンフイル
ム)からなるスリーブである。この例における物品10
は、缶を包装容器とする缶ジユース等の商品であり、図
では、その半ダースの物品を直立姿勢で2列に配列して
集積包装する例を示している。スリーブ20は、配列さ
れた物品10群の列(物品列)の長さより長い胴長を有
し、その左右の開口端縁部21を物品列の左右の側面よ
り外側へ突出させて物品列を包囲している。そのスリー
ブ20に、熱風吹付け、赤外線照射等の加熱処理を施し
て熱収縮を生じさせることにより、スリーブの熱収縮力
を締付け力として物品列を被包固定した集積包装体が形
成される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記のように物品列を
スリーブで被包固定した集積包装体は、その美観、およ
び包装形態の安定性等の点から、図2に示すように、ス
リーブ20にゆがみがなく、スリーブの左右の開口端縁
部21が、物品列の左右の側面に正しく位置してその周
囲を一様に抱き込むように物品列を密着被包しているこ
とが望ましい。しかしながら、そのような包装形態に仕
上げることは容易でなく、図5に示すように、物品列の
左右の側面を抱き込むスリーブ20の開口端縁部21に
著しいゆがみとシワを生じた形態を呈することも少なく
ない。
【0004】このスリーブ20のゆがみとシワの発生
は、スリーブ20を熱収縮させるための加熱処理過程で
スリーブの開口端縁部21に、フイルム同士の癒着によ
る重なり(ブロツキング)が生じることによる。すなわ
ち、その加熱処理過程において、スリーブ20は、昇温
と共にそのフイルム表面に粘着性(フイルム表面同士が
接触すると、接触部分が癒着し易い状態)が生じる一
方、そのフイルムはもともと薄手軟質で腰の弱いもので
あるうえ、加熱に伴つてより柔軟な状態となるため、ス
リーブの開口端縁部21(物品列の左右の側面より外方
へ突出している)に垂れ下がりや湾曲変形に伴うフイル
ム表面同士(外側面同士、内側面同士、または外側面と
内側面)の接触が生じ、しかも加熱媒体である熱風等の
吹付け流によるフイルムの不規則な揺れ・翩転の動きが
加わつて、フイルム同士の接触頻度が増し、接触部分の
表面同士の癒着によるブロツキングが生じる。このた
め、スリーブ20の左右の開口端縁部21は開口形状が
変形、ねじれを有する状態となり、そのままフイルムの
熱収縮が進行し、結果として、その集積包装体は図5に
示したようにスリーブ20のゆがみ・シワの著しいもの
となる。この傾向は、ポリエチレン系フイルムのスリー
ブを使用する場合に特に顕著である。この集積包装の仕
上がり不良は、商品の美観を著しく損なうばかりか、包
装の安定性を損ない、流通過程で、その荷姿の崩れを生
じる原因ともなる。本考案は集積包装における上記問題
を解決するための改良されたスリーブ用熱収縮性フイル
ムを提供するものである。
【0005】本考案の集積包装用熱収縮性フイルムは、
集積包装される複数個の物品からなる物品列に、該物品
列の長さより長い胴長を有する、熱収縮性プラスチック
フイルムからなるスリーブ20を、左右の開口端縁部2
1が物品列の左右の端部側面より外方に突出するように
被せ、加熱収縮処理により、開口端縁部21を物品列の
端部側面に抱着させると共に、熱収縮力を締付け力とし
て物品列をスリーブ20内に被包固定するようにした集
積包装に使用される前記熱収縮性プラスチックフイルム
において、 フイルムの熱収縮を実質上阻害せず、加熱収
縮処理過程でのフイルム表面同士の癒着を阻止する被膜
22が、スリーブ20の開口端縁部21となる領域のフ
イルム表面に形成されていることを特徴としている。
【0006】
【作用】上記熱収縮性フイルムを使用して形成したスリ
ーブによる集積包装においては、スリーブの加熱処理過
程で開口端縁部21のフイルム表面同士が接触しても、
フイルム表面に形成されている被膜でフイルム同士の癒
着は防止され、ゆがみのない開口形状が保たれるので、
開口端縁部21の熱収縮は、その周方向および幅方向
(スリーブ胴長方向)ともムラなく進行する。その偏り
のない熱収縮が達成される結果として、図2に示すよう
に、スリーブ20の左右の開口端縁部21は物品列の左
右の側面に正しく位置して物品列を抱き込み、ゆがみ・
シワのない健全な包装形態に仕上げられる。
【0007】以下、本考案について実施例を示す図面を
参照して説明する。各図中、前記図4、図5における部
材と同じ部材には同一の符号を付している。図1は本考
案の熱収縮性フイルムからなるスリーブで物品列を包囲
した状態(加熱処理前)を示している。図2は加熱処理
による包装の仕上がり状態である。図中、22は、スリ
ーブ20の左右の開口端縁部21に形成された、癒着防
止のための被膜である。被膜22は、例えば離型性を有
するシリコーン樹脂、耐熱性を有するニトロセルロー
ス、あるいはウレタン樹脂等を膜材料とし、印刷により
形成することができる。被膜22は、フイルム同士の癒
着防止に必要な最小限の膜厚を与えればよい。不必要に
厚くすることは経済性を損なうほか、物品列の両端側面
を抱き込ませるための開口端縁部21のスムースな熱収
縮を損なう原因ともなる。その膜厚は、数ミクロンメー
トル以下(例えば、約1〜3μm)であつてよい。
【0008】被膜22は、スリーブの左右の開口端縁部
21のそれぞれの内側面に、その周方向に間断のない連
続膜面として形成するのが好ましい。また、加熱処理過
程における開口端縁部21のフイルム表面の接触は、そ
の内側面同士の間だけでなく、内側面と外側面との間、
または外側面同士の間でも生じる場合があるので、内周
面側だけでなく、外周面にも形成しておくのが好まし
い。なお、被膜22は、必ずしもスリーブの開口端縁部
21の幅方向の全体(物品列の左右の側面より外方に突
出した部分の全表面)に形成する必要はなく、フイルム
の表面同士の接触・重なりを生じるおそれがある幅領域
2 に限定して形成すればよい。例えば、開口径が約1
20〜180mmで、物品列の左右の側面からの突出幅
寸法W1 が約40〜70mmのサイズを有するスリーブ
20では、開口端の縁線からの幅寸法W2 が約20〜4
0mmとなる幅領域に限定してその開口端縁部21に被
膜22を形成した場合にも十分に好結果を得ることがで
きる。
【0009】スリーブ20の熱収縮性プラスチツクフイ
ルムは、物品列を被包固定し得る強度を有するものであ
れば、その材種の選択に制限はなく種々のフイルムを使
用することができる。例えばポリエチレンフイルムは、
安価な包装材として汎用されている反面、軟化点と、熱
収縮温度とが比較的接近しているため、スリーブとして
の使用において開口端縁部21のブロツキングを生じ易
いが、本考案によれば、そのような不具合を生じず、使
い勝手の良いスリーブとして美麗な集積包装体に仕上げ
ることができる。
【0010】スリーブ20の開口端縁部21の被膜22
は、図3(1)のように、スリーブに成形される前の熱
収縮性フイルム20’の左右の端縁に印刷等により形成
しておけばよい。この場合、フイルムの長手方向に、ス
リーブ20の周長に対応する一定の間隔をおいて、被膜
形成を省略した部分25,25…を設けておき、同図
(2)に示すように、その部分25をスリーブ成形のた
めの接着代とすればよい。
【0011】本考案の熱収縮性フイルムからなるスリー
ブを使用する集積包装は、通常のそれと同様、例えば、
包装しようとする物品群を所定の荷姿に配列してコンベ
アで移動させながら、本考案の熱収縮性フイルムで、物
品列を包囲するスリーブ20を成形し、ついで加熱処理
を加えて熱収縮を行わせればよい。図では、缶容器を用
いた物品10を被包装物品とし、その半ダースを2列に
並べて集積包装する例を示しているが、その配列形態、
集積個数は任意であり、また缶容器に限らず、箱容器等
等の集積包装にも同様に適用されることは言うまでもな
い。
【0012】
【考案の効果】本考案によれば、熱収縮性スリーブを使
用する集積包装において、物品列の左右の側面を抱き込
むスリーブの左右の開口端縁部にゆがみ・シワ等を生じ
させず、美麗な集積包装体を形成することができる。従
つて、商品価値が高められ、また流通過程で荷姿の崩れ
を生じず、強固で安定した包装形態が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の熱収縮性フイルムで成形されたスリー
ブとその物品列の包囲状態の例を示す斜視図である。
【図2】図1のスリーブを使用した集積包装体の仕上が
り形態を示す斜視図である。
【図3】本考案のスリーブ成形用熱収縮性フイルムの例
を示す図である。
【図4】従来のスリーブとその物品列の包囲状態を示す
斜視図である。
【図5】従来のスリーブを使用した集積包装体のスリー
ブのゆがみを示す斜視図である。
【符号の説明】
10:被包装物品,20:スリーブ,21:開口端縁
部,22:被膜,20’:スリーブ成形前のフイルム。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集積包装される複数個の物品からなる物
    品列に、該物品列の長さより長い胴長を有する、熱収縮
    性プラスチックフイルムからなるスリーブ20を、左右
    の開口端縁部21が物品列の左右の端部側面より外方に
    突出するように被せ、加熱収縮処理により、開口端縁部
    21を物品列の端部側面に抱着させると共に、熱収縮力
    を締付け力として物品列をスリーブ20内に被包固定す
    るようにした集積包装に使用される前記熱収縮性プラス
    チックフイルムにおいて、 フイルムの熱収縮を実質上阻害せず、加熱収縮処理過程
    でのフイルム表面同士の癒着を阻止する被膜22が、ス
    リーブ20の開口端縁部21となる領域のフイルム表面
    に形成されていることを特徴とする集積包装用熱収縮性
    フイルム。
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