JP2503654Y2 - 自動車の車体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本考案はバックドアヒンジ取付部の剛性の向上を図り
得る自動車の車体構造に関する。

b.従来の技術 バックドアを備えた自動車では、ルーフパネルの後端
部にバックドアヒンジを装着してバックドアを取り付け
ている。このため、ルーフパネルの剛性を上げるためル
ーフパネルの後端部裏面側にルーフインナリヤフレーム
と共に補強パネルを配設した剛性を確保している（実開
昭61-53215号公報）。

c.考案が解決しようとする課題 しかしながら、近年ではハッチバックドアを採用する
等バックドアの重量も大きくなり、バックドアヒンジ取
付部に加わる荷重も大きくなる傾向にある。

本考案は、上記課題を解決し、バックドアヒンジ取付
部の剛性の向上を図り得る自動車の車体構造を提供する
ことを目的とする。

d.課題を解決するための手段 本考案は上記課題を解決するため、ルーフパネル１の
後端部裏面に、前縁部2aを上向きに湾曲し、後縁部2cを
ルーフパネル１の後縁部1aに熔着したルーフインナリヤ
フレーム２を設け、これらルーフパネル１とルーフイン
ナリヤフレーム２との間に、前縁部3aをルーフインナリ
ヤフレーム２に熔着し、かつ後縁部3bを上記ルーフパネ
ル１およびルーフインナリヤフレーム２の後縁部1a,2c
相互間に熔着した補強パネル３をバックドアヒンジ取付
部４に対応して配設した自動車の車体構造において、該
補強パネル３の車幅方向の内側側縁部3cを下方側に折曲
げて上記ルーフインナリヤフレーム２に熔着し、かつ補
強パネル３の外側側縁部3dを上記ルーフパネル１とサイ
ドボディアウタパネル５と共に熔着し、該補強パネル３
の上記バックドアヒンジ取付部４と外側側縁部3dとの中
間部3eを下方側に折曲げて上記ルーフインナリヤフレー
ム２に熔着し、バックドアヒンジ取付部４下方に車幅方
向の閉断面構造A,Bを形成したことにある。

e.作用 バックドアヒンジ取付部４の下方側にルーフインナリ
ヤフレーム２と補強パネル３によってハット形断面の閉
断面構造A,Bを形成して荷重を分散する。

f.実施例 以下本考案の一実施例を図面を参照しながら詳細に説
明する。

第１図ないし第５図において、１はルーフパネル、２
はルーフパネル１の後部下方にルーフパネル１と所定間
隔を置いて配設したルーフインナリヤフレームであり、
これは、前縁部2aを上向きに湾曲し、その先端2bを後方
に折り曲げ、かつ後縁部2cをルーフパネル１の後縁部1a
に重合わせてスポット熔接してある。３は上記ルーフパ
ネル１とルーフインナリヤフレーム２との間で、かつ左
右のヒンジ取付部分４に対応する位置に各別に配設され
た補強パネルである。

この補強パネル３は前部側を一担略矩形状に立ち上が
らせてから斜め下方に垂下して、その前縁部3aを上記ル
ーフインナリヤフレーム２の前縁部2aにスポット熔接し
（イ）、かつ後部側を上記ルーフパネル１に沿わせて、
その後縁部3bをルーフパネル１とルーフインナリヤフレ
ーム２の各後縁部1a,2cにスポット熔接（ロ）したもの
である。

この補強パネル３は互いの内側部を下方に折り曲げ
て、それぞれ車幅方向の内側縁部3cをルーフインナリヤ
フレーム２に沿わせてスポット熔接（ハ）、かつそれぞ
れ外側縁部3dをルーフパネル１の外側縁部1bにスポット
熔接してある。ルーフパネル１の外側縁部1bは、車体外
側面を形成するサイドアウタパネル５に共通にスポット
熔接してある。補強パネル３はこの外側縁部3dとヒンジ
取付部分４の中間部3eを立下げてルーフインナリヤフレ
ーム２にスポット熔接（ニ）してヒンジ取付部分４の下
部にハット形断面の閉断面構造A,Bを形成している。

６は上記ルーフインナリヤフレーム２の外側縁部2dに
スポット熔接されたクォータインナパネルで、これは車
体内側面を形成するものである。

７は、上記ルーフインナリヤフレーム２とクォータイ
ンナパネル６との熔接個所に対応する位置の補強パネル
３の板面に形成された穴である。

８は上記ヒンジ取付部分４にボルト９を介して固定さ
れたバックドアヒンジであり、このバックドアヒンジ８
はルーフパネル１と補強パネル３の重複部分に取付けら
れている。10はバックドアヒンジ８を介して装着される
バックドアである。

次に、上記構成の車体構造を熔接順序にしたがって説
明する。

まず、ルーフインナリヤフレーム２に補強パネル３を
熔接する。熔接個所は、ルーフインナリヤフレーム２の
前縁部2aと補強パネル３の前縁部3aおよび両側部を実施
する。次に、ルーフインナリヤフレーム２を車体に組付
ける際に、補強パネル３の穴７を通して、ルーフインナ
リヤフレーム２とクォータインナパネル６とを熔接す
る。次に、ルーフパネル１を車体に組付ける際に、ルー
フパネル1,補強パネル３およびサイドパネル５との重複
部をスポット熔接する。これと同時に、ルーフパネル１
の後縁部1a,ルーフインナリヤフレーム２の後縁部2cお
よび補強パネル３の後縁部3bとをスポット熔接する。

g.考案の効果 以上述べたように、本考案の自動車の車体構造によれ
ば、ルーフパネル１の後端部裏面に、前縁部2aを上向き
に湾曲し、後縁部2cをルーフパネル１の後縁部1aに熔着
したルーフインナリヤフレーム２を設け、これらルーフ
パネル１とルーフインナリヤフレーム２との間に、前縁
部3aをルーフインナリヤフレーム２に熔着し、かつ後縁
部3bを上記ルーフパネル１およびルーフインナリヤフレ
ーム２の後縁部1a,2c相互間に熔着した補強パネル３を
バックドアヒンジ取付部４に対応して配設した自動車の
車体構造において、該補強パネル３の車幅方向の内側側
縁部3cを下方側に折曲げて上記ルーフインナリヤフレー
ム２に熔着し、かつ補強パネル３の外側側縁部3dを上記
ルーフパネル１とサイドボディアウタパネル５と共に熔
着し、該補強パネル３の上記バックドアヒンジ取付部４
と外側側縁部3dとの中間部3eを下方側に折曲げて上記ル
ーフインナリヤフレーム２に熔着し、バックドアヒンジ
取付部４下方に車幅方向の閉断面構造A,Bを形成したの
で、バックドアヒンジ取付部の剛性を上げることができ
る。

また、バックドアヒンジ取付部４下方に車幅方向の閉
断面構造A,Bを形成したので、車幅方向に複数の閉断面
構造が連続して設けられることから、バックドアの荷重
を確実に支えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案による自動車の車体構造の
一実施例を示し、第１図はルーフインナリヤフレームに
補強パネルを装着した状態を示す概念図、第２図は補強
パネルを示す平面図、第３図、第５図のＡ−Ａ線断面
図、第４図は第３図のＢ−Ｂ線断面図、第５図はバック
ドア付自動車を示す斜視図である。 １……ルーフパネル、２……ルーフインナリヤフレー
ム、３……補強パネル、４……ヒンジ取付部分。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ルーフパネル１の後端部裏面に、前縁部2a
   を上向きに湾曲し、後縁部2cをルーフパネル１の後縁部
   1aに熔着したルーフインナリヤフレーム２を設け、これ
   らルーフパネル１とルーフインナリヤフレーム２との間
   に、前縁部3aをルーフインナリヤフレーム２に熔着し、
   かつ後縁部3bを上記ルーフパネル１およびルーフインナ
   リヤフレーム２の後縁部1a,2c相互間に熔着した補強パ
   ネル３をバックドアヒンジ取付部４に対応して配設した
   自動車の車体構造において、該補強パネル３の車幅方向
   の内側側縁部3cを下方側に折曲げて上記ルーフインナリ
   ヤフレーム２に熔着し、かつ補強パネル３の外側側縁部
   3dを上記ルーフパネル１とサイドボディアウタパネル５
   と共に熔着し、該補強パネル３の上記バックドアヒンジ
   取付部４と外側側縁部3dとの中間部3eを下方側に折曲げ
   て上記ルーフインナリヤフレーム２に熔着し、バックド
   アヒンジ取付部４下方に車幅方向の閉断面構造A,Bを形
   成したことを特徴とする自動車の車体構造。