JP2503266Y2 - 農業用シ―ト材 - Google Patents

農業用シ―ト材

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JP2503266Y2
JP2503266Y2 JP1992008306U JP830692U JP2503266Y2 JP 2503266 Y2 JP2503266 Y2 JP 2503266Y2 JP 1992008306 U JP1992008306 U JP 1992008306U JP 830692 U JP830692 U JP 830692U JP 2503266 Y2 JP2503266 Y2 JP 2503266Y2
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茂 馬場
尚史 桜井
泰三郎 横田
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デュポン株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、農作物のマルチ栽培に
おいて土壌環境のコントロールのために地面を被覆する
シート材(以下農業用シート材と略称する)に関する。
特に、ミカンなどの柑橘類、桃および柿などの落葉果樹
類および野菜類のマルチ栽培に適した農業用シート材に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近、果実、野菜および花等の農作物の
国外から自由化要求が高まり、農作物の高品質化および
差別化等が図られている中でマルチ栽培の技術が注目さ
れている。マルチ栽培とは、栽培時の天候に影響される
ことなく良質の農作物を得るために栽培土壌(地面)の
状態をコントロールする栽培方法をいう。マルチ栽培に
おいては、樹木の根が伸びている地面を農業用シート材
で被覆することによって栽培土壌の状態のコントロール
を行う。柑橘類のマルチ栽培においては、ポリエチレン
や塩化ビニル系樹脂からなるシルバー又は黒の不透明シ
ート、または無色透明シート等が農業用シート材として
使用されている。桃のマルチ栽培においては、ポリエチ
レンや塩化ビニル系樹脂にアルミ箔を蒸着したシルバー
シート等が用いられている。
【0003】しかし、これらのプラスチックフィルム製
のシートは、水を通さないが同時に通気性が悪く、地中
から蒸発する水分および炭酸ガスを通さないことが知ら
れている。このように樹木の根が伸びている地面からの
水分の蒸発および炭酸ガスの放出が阻害された場合、樹
木を弱らせることとなる。そこで、これらプラスチック
製シートを、雨天時には樹木の根が伸びている地面を覆
うように敷き、晴天時には取り除くか又は該地面を露出
するようにめくる必要があるが、この作業を収穫時まで
天候に応じて繰り返すことには天候の予測がむずかしい
こともあって著しく作業性に欠けるという問題があっ
た。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、従来のプラ
スチックフィルム製農業用シート材における上述した問
題を解決し、高い耐水性を有しながら透湿性および通気
性など農業用シート材に要求される全ての特性に優れ、
作業性を改善することができる農業用シート材を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案の農業用シート材
は、フラッシュ紡糸法によるフィラメントが高密度に接
合された不織布シートからなることを特徴とする。すな
わちフラッシュ紡糸されたフィラメントが高密度で接合
した強靭な不透明なシートであることを特徴とし、例え
ばデュポン社のタイベック(登録商標)のシートであ
る。
【0006】本考案の農業用シート材を構成する不織布
は、フラッシュ紡糸法による不織布であるため、合成樹
脂の長繊維フィラメントが高密度に接合され、耐水性、
透湿性、および通気性等に優れている。本考案の農業用
シート材の不織布シートは、好ましくは、1平方メート
ルあたり40ないし150gの範囲の重量を有するもの
で、耐水性の指標である耐水圧性が500〜3000m
mの範囲、透湿性が3000〜7000g/m2 /24
時間(JIS−Z−0280修正法による)、そして通
気性はガーレー透気度が10〜100秒のものである。
柑橘類の栽培に用いる場合は、耐水圧性が800〜20
00mm、より好ましくは1500〜2000mm、透
湿性が5000〜7000g/m2 /24時間、ガーレ
ー透気度が10〜50秒のものが好ましい。桃類および
柿類の栽培に用いる場合は耐水圧性が1000〜200
0mm、透湿性が3000〜7000g/m2 /24時
間、ガーレー透気度が10〜100秒のものが好まし
い。
【0007】本考案の農業用シート材を構成する不織布
としては、市販のフラッシユ紡糸法を用いた高密度ポリ
オレフィン不織布を好ましく使用することができる。不
織布を構成する合成樹脂としては、ポリオレフィン特に
高密度ポリエチレンが好ましいが、ポリプロピレンもし
くはポリオレフィンの共重合体あるいはポリエステル等
ポリオレフィン以外の重合体もしくはポリオレフィンと
の共重合体を使用することもできる。本考案の農業用シ
ート材には、更に必要に応じて、紫外線吸収剤等の添加
剤を添加して、耐久性を向上させることができる。
【0008】本考案の農業用シート材に適した不織布
は、フラッシュ紡糸法によって、ポリエチレン等ポリオ
レフィンのフィラメントを交差させながら堆積して形成
されたバットをニップを通過させて圧縮することにより
製造することができる。フラッシュ紡糸法によれば、ポ
リマーの低沸点溶媒に溶解した溶液を紡糸ノズルから押
出し、瞬間的に溶媒を気化させるので、この気化容易な
低沸点溶媒の膨脹力の利用によって極細高強力のフィラ
メントが得られ、このフィラメントがウエブ形成中に散
布し高密度に且つ多数の融着点において接合した不織布
を製造することができる。フラッシュ紡糸法による不織
布は、他の不織布の製法、例えば加熱流体ジェットを利
用するメルトブロー法や、圧搾空気流を利用するスパン
ボンド法等によって形成される不織布と比較して高密度
であり、このため農業用シート材に要求される耐久性、
耐水性、不透明性、通気性および透湿性等のすべての特
性において優れている。
【0009】すなわち、デュポン社製タイベック10タ
イプ等のフラッシュ紡糸法による不織布を本考案の農業
用シート材に使用した場合には、フラッシュ紡糸により
長繊維フィラメントを高密度に接合して形成された不織
布シートであるので、強靭で耐久性に優れており、ま
た、耐水圧が高く(タイベック10の耐水圧は約160
0mm)、よって、図4に示すように雨天でも直接シー
ト材で覆われている地面および地中の樹木の根に雨水が
到達することがなく、栽培土壌を乾燥した状態に保つこ
とができる。同時に、極細の繊維を高密度に交錯堆積さ
せたものなので不透明度および白度が高く、これによっ
て、太陽光線をシート表面が反射し、シートの下に到達
させないので、雑草の成育が抑制される。更に同時にそ
の通気性および透湿性が優れていて、図3に示すよう
に、土壌(地面)から蒸発する水分並びに炭酸ガスを透
過させるので、これらのガスがシートの下の土壌にトラ
ップされて樹木の生育および結実、果実へ悪影響を与え
ることもない。
【0010】このように、フラッシュ紡糸法による不織
布シートは、本考案の対象である農業用シート材に要求
される全ての特性に優れているので、天候によらず、一
旦樹木の根元の地面上に敷いておくたけで、以後一切シ
ートについて作業を行う必要がなく、作業性が大幅に改
善される。
【0011】
【実施例】以下本考案の構成および使用を、実施例を参
照しながら具体的に説明する。
【0012】本実施例においては、デュポン社製タイベ
ック10タイプを一般に使用されている紙用切断機にて
適当な大きさのシートにカットしたものを用い、図1に
示されるように農業用水用の排出溝 3によって囲まれ区
切られた、柑橘類および桃類等の樹木 2の下の根元部の
地面 4および排出溝全面を覆うようにシート 1を敷く。
ここで各区画に対応した領域の中央部には樹木の幹の部
分にシート 1に切れ目を入れて樹木の幹にシートをテー
プ又はプラスチックフィルムでしばりつける等により、
雨水が根元に達しないようにする。樹木の幹部の外周と
シートの中心穴内側との間にはなるべく隙間がないこと
が望まれるが、多少あったとしても枝葉によって雨が遮
られるので、本考案の高密度不織布からなる農業用シー
トの作用および効果を減じるものではない。土壌の水分
をコントロールし、マルチ栽培の効果を一層引き出すた
めに、農業用水用の排出溝 3を地面に設けることが好ま
しい。排出溝 3は、図2の(a)に示すように樹木を1
本ずつ囲むように格子状に縦横に設けてもよいし、図2
の(b)のように一方向のみに延びるように設けてもよ
い。排出溝を図2の(a)に示すように縦横に設ける
と、排水効率が高く土壌の水分コントロールが容易であ
るが、排出溝を設ける作業に労力がかかる。排出溝を図
2の(b)に示すように一方向のみに延びるようにした
場合は、排水効率は(a)の場合よりもいくぶん低下す
るが、目的とする土壌の水分コントロールは達成できる
し、排出溝を設ける作業も簡単である。したがって、当
初から計画的にマルチ栽培用の栽培地を作る場合、根付
け時にマルチ栽培が予定されている場合などに(a)の
ような排出溝を設け、また、既に正木として生産されて
いる果樹園でマルチ栽培を導入する場合などには(b)
のような排出溝を設けるのが一般的であるが、状況によ
り適宜選択することができる。排出溝の配置が図2の
(a)および(b)以外のものであってもよいのはもち
ろんである。また、コスト的な観点から、排出溝の上に
位置するシートの部分は、単に集水および排水作用が要
求されるだけなので、不織布シートに代えて、通常のプ
ラスチック(例えば塩化ビニル樹脂、ポエチレン樹脂な
ど)のシートを用いることもできる。例1
【0013】本考案による高密度ポリオレフィン不織布
からなる農業用シート材をマルチ栽培に用い、九州およ
び四国の10か所のミカン農園において、8月から10
月の収穫期までの3か月にわたり早生温州ミカンについ
てフィールドテストを行なった。この間、一端敷いたシ
ートは天候の晴雨にかかわらずそのままにした。収穫さ
れたミカンについて、商品として要求される糖度、酸
度、果皮色、果実外形および寸法を測定した。このテス
トに使用した農業用シート材はタイベック10からなる
ものである。このシート材の耐久性等の特徴についても
観察した。
【0014】また、対照(ブランク)として露地栽培を
行い、さらに、比較例として、黒色のポリエチレンフィ
ルム、白色のポリエチレンフィルム、多孔質フィルム
(フラッシュ紡糸法以外の方法による不織布によって裏
打ちされた有孔化プラスチックフィルム)、メルトブロ
ー紡糸法による黒色の不織布、メルトブロー紡糸法によ
る白色の不織布、およびスパンボンド紡糸法による白色
の不織布を、それぞれ前記実施例と同様にカットして農
業用シート材としたものについても、前記実施例と同様
の条件でフィールドテストを行なった。結果を表1およ
び表2に示す。表2の糖度は、三井光センサーBRIX-21R
による測定値である。 表 1 (温度州ミカンの品質およびシート材の特徴) 試 料 A B C D E F G H 温州ミカンの品質 糖度 × ◎ △ ○ ○ ○ ○ − 果皮色 × ◎ △ × ○ △ △ △ 果実サイズ、果形 × ◎ − − ○ − − ○ シート材の特徴 耐久性 − ◎ × × × ○ ○ × 耐水性 − ◎ ◎ ◎ ○**× × × 土壌乾燥性 − ◎ ○* * △ × × × 反射(日光) − ◎ × × ○ × × ○ 雑草生育防止 − ◎ ○ × ○ ○ × − 柔軟度 − × ◎ ◎ ◎ △ △ ○ 滑りにくさ − × ○ ○ ○ ○ ○ ○ 通気性 − ○ × × ○ ◎ ◎ ◎ 透湿性 − ○ × × ○ ◎ ◎ ◎ * 結露 **新シートは良好だが再使用シートは悪い。 ◎…優,○…良,△…普通、×…悪い。 表 2 (糖度および酸度) 試 料 A B C E H 糖度(ブリクス(%))
【0015】 8月21日 9.2 8.2 7.6 8.5 9.0 9月26日 10.4 10.9 9.0 9.7 10.6 10月16日 11.5 12.9 10.5 12.8 12.9 増加率(%) +25 +57 +38 +50 +57 酸度(g/100 ml)
【0016】 8月21日 3.65 2.94 3.03 2.66 2.68 9月26日 1.77 1.54 1.47 1.33 1.10 10月16日 0.85 0.85 0.64 0.65 0.81 増加率(%) −23 −71 −79 −75 −70 A:ブランク(露地) B:タイベック10(フラッシュ紡糸) C:ポリエチレンフィルム(黒) D:ポリエチレンフィルム(白) E:多孔質フィルム(フラッシュ紡糸法以外の方法による不織布によって裏打ち された有孔化プラスチックフィルム F:不織布(黒)(メルトブロー紡糸) G:不織布(白)(メルトブロー紡糸) H:スパンボンド(白)(スパンボンド法による紡糸を用いた不織布) これらの結果から明らかなように、本考案のデュポン社
製タイベック10タイプシリーズよりなる農業用シ−ト
材は、次のような効果を奏する。
【0017】第一に、天候によらず一端樹木の根元にシ
ートを敷くことによって、雨天時の雨が直接樹木の栽培
土壌に降り注がれ地中に浸透するのを防ぎ、それと同時
に晴天時に地中からの水分、炭酸ガスをシートを透過
し、地表へ放出することが可能であるので、従来のよう
に天候に応じてシートを栽培土壌(地面)に敷いたり、
または取り除くかめくるかしたりする手間が省略され、
作業性を改善でき、且つ、栽培土壌の水分を低くコント
ロールすることができ、ミカンの糖度を他のシート材に
よって覆われた、または裸地の場合に比べ、高くするこ
とができ、逆に酸度は果実の生育とともにかなり減少さ
せることができる。
【0018】次に、ミカンの果皮の色が他のシート材に
よって覆われた土壌に比べ優れており、しかも従来の草
地(露地)に比べて1〜2週間程早く色づいた。これは
本考案による農業用シート材が不透明度が高く且つ白度
が高いので太陽光線を強く反射することに関連するもの
と考えられる。
【0019】さらに、果実それ自体についても果肉歩合
が高く、果皮は滑らかで赤味が濃く、他のシート材によ
って栽培土壌を被覆した場合、または何の被覆も行わな
かった場合に比べ高品質の果実が得られるものである。
最後に、本考案によるシートからの太陽光線の強い反射
によって昆虫類または害虫による樹木および果実の被害
も少ない。
【0020】次に、温州ミカン(25年生宮川早生8
1)の栽培において、本考案による農業用シート材およ
び比較例のシート材を用いた場合、および無被覆の場合
における、地温、地中の炭酸ガスおよび酸素の濃度、お
よび細根の発生量を測定をした。本考案によるシート材
としてはタイベック10からなるシートを、比較例のシ
ート材としては、黒色の塩化ビニル系樹脂フィルム、黒
色のポリエチレンフィルム、およびシルバーシートを用
いた。試験は、タイベック10、黒色の塩化ビニル系樹
脂フィルム、黒色のポリエチレンフィルム、およびシル
バーシートについては各々18樹、無被覆の場合は9樹
で行ない、それぞれ6月21日に農業用シートを全面に
敷いた。
【0021】地表より5cm下における真夏日の地温変
化は、黒色ポリエチレン、黒色塩化ビニル系樹脂、およ
びシルバーシートが28.5〜41.7℃で高く、タイ
ベックは他に比べて約5〜10℃低く推移し、24.3
℃〜28.5℃と変動幅も小さかった。無被覆の場合は
外気温と同じ日変化であった。
【0022】地表より25cm下における炭酸ガス濃度
は、黒色塩化ビニル系樹脂>シルバーシート>黒色ポリ
エチレン>無被覆の順に高く、酸素濃度は、黒色塩化ビ
ニル系樹脂<シルバーシート≦黒色ポリエチレン<無被
覆の順に低かった。シートを半日除去してガス交換して
も敷設後3〜4日で再び同様の傾向を示した。タイベッ
クは無被覆とほとんど差がなかった。
【0023】細根の発生量は再生指数で比較すると、タ
イベックは93〜170%でシートの被覆面全体にわた
って細根が発生していた。しかし、他のシートは被覆前
の5〜132%であり、低い発生量であった。
【0024】以上から、タイベックは地温の上昇をおさ
えることがわかる。また、土壌の通気性を阻害しないこ
とから細根など樹体への影響も少ないと考えられる。こ
のように、タイベックを使用すると樹木の成長に悪影響
を与えることがないため、高い品質の果実が得られるも
のである。例2
【0025】本考案による高密度ポリオレフィン不織布
からなる農業用シート材を用いて、高信越地方の4か所
の桃農園において、7月下旬から8月上旬の収穫期まで
の10日から14日にわたり,浅間白桃および白鳳の2
種の桃についてフィールドテストを行なった。この間、
一端敷いたシートは天候の晴雨にかかわらずそのままに
した。ここで用いた農業用シート材は、例1において用
いたものと同じデュポン社タイベック10からなるもの
である。
【0026】収穫された桃について、商品として要求さ
れる糖度、酸度、果皮色、硬度および果重を測定した。
浅間白桃および白鳳ともにサンプル数は25個であっ
た。農業用シートの敷設日数は、浅間白桃は14日間、
白鳳は10日間であった。糖度は、三井光センサーBRIX
-21R、オプトピアン光センサ−および糖度計によって測
定した。
【0027】また、比較のため、シルバーシートを用い
て同様の条件でフィールドテストを行なった。このシル
バーシートのシート材としての特徴は、前記表1に示し
たポリエチレンフィルム(黒)およびポリエチレンフィ
ルム(白)とほぼ同じであった。
【0028】浅間白桃の糖度に関する結果を表3に、白
鳳についての各種の測定結果を表4にそれぞれ示す。表
3において、 (a)の欄は、三井光センサーBRIX-21Rによ
る測定結果を、 (b)の欄はオプトピアン光センサ−によ
る測定結果、そして (c)の欄は糖度計による測定結果を
示す。表4において、(1)は白鳳の最初の測定結果を
示し、(2)は農業用シートの敷設日から10日後の測
定結果を示す。平均とは(1)と(2)との平均値であ
る。 表 3 農業用 糖度平均値(%) 糖度13以上の個数 果重(g) シート材 (a) (b) (c) (a) (b) (c) タイベック 11.8 11.5 11.8/11.2 7 2 5 364 シルバーシート 10.5 10.5 11.0/10.3 0 0 4 358 表 4 農業用 果重(g) 着色指数 硬度(lb) 糖度(%) pH 酸度 シート材 タイ (1) 207 3.5 11.3 12.3 4.62 0.18 ベック (2) 225 3.7 10.9 11.2 4.38 0.26 平 均 216 3.6 11.1 11.8 4.50 0.22 シルバー(1) 228 3.0 10.9 10.6 4.52 0.20 シート (2) 248 3.3 9.9 11.2 4.60 0.18 平 均 238 3.2 10.4 10.9 4.56 0.19
【0029】浅間白桃および白鳳ともに、タイベックか
らなるシート材を用いた場合、従来のシルバーシートを
用いた場合に比べて糖度は約1%高くなった。また、白
鳳での例に見られるように、着色度も本考案の農業用シ
ート材を用いた方が優れている。また、浅間白桃での例
においては、色づきがタイベックを用いた方が早く、シ
ルバーシートで初めて収穫できた日は、タイベックでは
3回目の収穫日であった。
【0030】これらの結果から明らかなように、本考案
のデュポン社製タイベック10タイプシリーズよりなる
農業用シ−ト材は、桃のマルチ栽培においても次のよう
な効果を奏する。まず、従来のように天候に応じてシー
トを栽培土壌に敷いたり、めくったりする手間が省略さ
れ、作業性を改善でき、且つ、栽培土壌の水分を低くコ
ントロールすることができ、他のシート材によって覆わ
れた場合に比べ、桃の糖度を高くすることができる。さ
らに、桃の果皮の着色を向上することができる。これ
は、従来のシルバーシートが太陽光を直線反射するのに
対して、タイベックはその布不織布の性質から乱反射す
るため、太陽光の効率的反射をもたらし、各枝にある桃
の着色を促進するためであると考えられる。この太陽光
の効率的反射は糖度の向上にも寄与しているものと考え
られる。例2と同様の試験を、白鳳および紅清水につい
て長野および岡山で行なったところ、例2と同様の結果
が得られた。例3
【0031】例1および例2と同様のタイベックからな
る農業シート材を、柿(西村早生(7年生))のマルチ
栽培に使用して試験を行なった。試験は、香川県におい
て8月27日から10月7日まで、3本の樹木について
行なった。比較のため、シルバーシートを敷設した試験
および何も敷かない露地栽培も行った。露地栽培の樹木
数は2本とした。試験の結果を表5に示す。表5の
(1)〜(3)は異なる樹木に関する測定値である。ま
た、ヘタスキ率とは、柿のへたがどれだけ果実に密着し
ているかを表わすもので、ヘタスキ率が低い方が好まし
い。 表 5 累積収穫率(%) 果重 着色 BRIX ヘタスキ率 9/20 9/25 10/2 10/7 (g) (%) (%) (1) 54.0 12.7 27.0 6.3 167.8 4.8タイヘ゛ック (2) 28.4 18.4 38.3 14.9 194.1 44.0 (3) 57.1 17.1 24.3 1.4 172.0 15.7 平均 46.5 16.1 29.9 7.5 178.0 6.0 16.2 21.5 (1) 13.8 7.3 46.8 32.1 209.7 56.9 シルバー (2) 26.5 6.1 53.1 14.3 220.0 65.3 シート (3) 0.0 4.3 43.5 52.2 227.4 78.3 平均 13.4 5.9 47.8 32.9 219.0 6.0 16.1 66.8 (1) 1.1 0.0 25.8 73.1 242.6 84.9 無被覆 (2) 22.4 0.0 50.0 27.6 220.7 63.8 平均 11.8 0.0 37.9 50.4 231.7 5.7 17.1 74.4 表5から、柿の栽培においても例1および例2と同様本
考案により好ましい結果が得られることがわかる。
【0032】
【考案の効果】本考案の農業用シート材は、フラッシュ
紡糸法によるフィラメントが高密度に接合された不織布
シートからなるので、耐水性、透湿性および通気性等に
優れ、農作業の作業性が向上でき、しかも高品質の農作
物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る農業用シート材の使用方法を説明
する図。
【図2】図1の農業用シート材が使用される地面を示す
図。
【図3】図1の農業用シート材の晴天時の作用を説明す
る図。
【図4】図1の農業用シート材の雨天時の作用を説明す
る図。
【符号の説明】
1…シート、2…樹木、3…排水溝、4…地面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−133645(JP,A) 実開 平1−17152(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水圧500〜3,000mm、透湿性
    5,000〜7,000g/m/24時間を有し、か
    つ太陽光線を反射する高い不透明度を有する、フラッシ
    ュ紡糸法によるポリオレフィンからなるフィラメントが
    高密度に接合された不織布シートから構成され、果樹栽
    培用に樹冠下部の土壌を被覆する農業用シート材。
JP1992008306U 1991-02-25 1992-02-25 農業用シ―ト材 Expired - Lifetime JP2503266Y2 (ja)

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JP1992008306U JP2503266Y2 (ja) 1991-02-25 1992-02-25 農業用シ―ト材
US07/920,033 US5295324A (en) 1991-02-25 1992-07-21 Method of enhancing the quality of produce using an agricultural sheet material

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JP1578991 1991-02-25
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JPH04133161U JPH04133161U (ja) 1992-12-10
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