JPH0613451U - 花卉用マルチシート - Google Patents

花卉用マルチシート

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JPH0613451U
JPH0613451U JP5070792U JP5070792U JPH0613451U JP H0613451 U JPH0613451 U JP H0613451U JP 5070792 U JP5070792 U JP 5070792U JP 5070792 U JP5070792 U JP 5070792U JP H0613451 U JPH0613451 U JP H0613451U
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JP
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sheet
flowers
flower
tyvek
present
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Application number
JP5070792U
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English (en)
Inventor
茂 馬場
尚史 桜井
Original Assignee
デュポン・ジャパン・リミテッド
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】フラッシュ紡糸法によるフィラメントが高密度
に接合された不織布シートからなることを特徴とする花
卉用マルチシート。 【効果】光の反射性に優れ、花卉類の成育を促進し、高
品質の花卉類を得ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、花卉類のマルチ栽培において土壌環境のコントロールのために地面 を被覆するシート材(以下、花卉用マルチシートという。)に関するものである 。特に、カーネーション及び菊などのマルチ栽培に適した花卉用マルチシートに 関するものである。
【0002】
【従来の技術】
花卉類の高品質でかつ低コスト生産を達成するために、日射エネルギーの効率 利用を図ることが重要であり、個体群内での着葉密度の高い下層位への光条件を 改善し尚かつ葉の裏側への補光を可能にする反射マルチの必要性が認識されてい る。更に強い光による葉への障害をなくし、複雑に配列している葉面に光が当た るためには、散乱光が望ましい。すなわち、光の反射率が大きな要因となる。そ のため従来からそれぞれの目的に応じて各種のマルチシート材が検討され、実用 化されている。例えば、プラスチックフィルム製シート材や不織布等が実用化さ れている。
【0003】 しかしながら、これらのプラスチックフィルム製のシート材は、水を通さない が同時に通気性が悪く、地から蒸発する水分および炭酸ガスを通さないことが知 られている。このように花卉類の根が伸びている地面からの水分の蒸発および炭 酸ガスの放出が阻害された場合、花卉類を弱らせることとなる。そこで、これら プラスチック製シートを、雨天時には花卉類の根が伸びている地面を覆うように 敷き、晴天時には取り除くか又は該地面を露出するようにめくる必要があるが、 この作業を収穫時まで天候に応じ繰り返すことには天候の予測がむずかしく著し く作業性に乏しいという問題があった。最近、温州みかんの場合ではあるが、従 来のマルチシートとは一線画するような高密度ポリエチレンのフラッシュスピニ ング法で製造されたデュポン社製のタイベック(登録商標名)の効果が認められ 、使用され始めている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
したがって、本考案の目的は、従来の花卉用プラスチックフィルム製シート材 における前記の問題を解消し、光合成に有効な波長域における光に対する反射、 透過、吸収特性に優れた特性を有しながら透湿性および通気性など花卉用マルチ シートに要求される全ての特性において優れ、作業性を改善するとともに、花卉 類の成育を促進し、かつ高品質の花卉類を得ることができる花卉用マルチシート を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案者らは花卉類において鋭意検討したところ、上記の目的は、フラッシュ 紡糸法によるフィラメントが高密度に接合された不織布シートから構成される花 卉用マルチシートによって達成されることがわかった。
【0006】 本考案の花卉用マルチシートは、フラッシュ紡糸法によるフィラメントが高密 度に接合された不織布シートからなることを特徴とする。すなわち、フラッシュ 紡糸されたフィラメントが高密度で接合した強靭な不透明なシートであることを 特徴とし、例えば、デュポン社製タイベック(登録商標名)のシートがあげられ る。
【0007】 本考案の花卉用マルチシートを構成する不織布は、フラッシュ紡糸法による不 織布であるため、合成樹脂の長繊維フィラメントが高密度に接合され、耐水性、 透湿性、および通気性等に優れている。本考案の花卉用マルチシートの不織布シ ートは、好ましくは1平方メートルあたり40ないし150gの範囲の重量を有 するもので、耐水性の指標である耐水圧性が500〜3000mmの範囲、透湿 性は3000〜7000g/m2 /24時間(JIS−Z−0280修正法によ る)、そして通気性はガーレー透気度が10〜100秒のものである。
【0008】 本考案の花卉用マルチシートを構成する不織布としては、市販のフラッシユ紡 糸法を用いた高密度ポリオレフィン不織布を好ましく使用することができる。不 織布を構成する合成樹脂としては、ポリオレフィン、特に、高密度ポリエチレン が好ましいが、ポリプロピレンもしくはオレフィン共重合体、あるいはポリエス テル等ポリオレフィン以外の重合体を使用することもできる。本考案の花卉用マ ルチシートには、更に必要に応じて、紫外線吸収剤等の添加剤を添加して、耐久 性を向上させることができる。
【0009】 本考案の花卉用マルチシートに適した不織布は、フラッシュ紡糸法によって、 ポリエチレン等ポリオレフィンのフィラメントを交差させながら堆積して形成さ れたバットをニップを通過させて圧縮することにより製造することができる。フ ラッシュ紡糸法によれば、ポリマーの低沸点溶媒に溶解した溶液を紡糸ノズルか ら押出し、瞬間的に溶媒を気化させるので、この気化容易な低沸点溶媒の膨脹力 の利用によって極細高強力のフィラメントが得られ、このフィラメントがウエブ 形成中に散布し、高密度にかつ多数の融着点において接合した不織布を製造する ことができる。フラッシュ紡糸法による不織布は、他の不織布の製法、例えば加 熱流体ジェットを利用するメルトブロー法や、圧搾空気流を利用するスパンボン ド法等によって形成される不織布と比較して高密度であり、このため花卉用マル チシートに要求される光に対する特性、耐久性、耐水性、不透明性、通気性およ び透湿性等のすべての特性において優れている。
【0010】 すなわち、例えば、デュポン社製タイベック1422Aタイプ等のフラッシュ 紡糸法による不織布を本考案の花卉用マルチシートに使用した場合、フラッシュ 紡糸により長繊維フィラメントを高密度に接合して形成された不織布シートであ るため強靭で耐久性に優れている。また、耐水圧が約1500mmと高い。同時に 極細の繊維を高密度に交錯堆積させたものであるため不透明度および白度が高く 、光の反射率も著しく高く、これによって、花卉類の成育が促進されるとともに 、シート表面が太陽光線を反射してシートの下に到達させないため、雑草の成育 が抑制されるものである。さらに同時にその通気性および透湿性が優れているた め、土壌(地面)から蒸発する水分並びに炭酸ガスを透過させるものであって、 これらのガスがシート下の土壌にトラップされて花卉類の生育への悪影響を与え ることもない。
【0011】 このように、フラッシュ紡糸法による前記不織布シートは、本考案の対象であ る花卉用マルチシートに要求される光に対する反射性など全ての特性において優 れているため、天候によらず、一度花卉類の根元の地面上に敷いておきさえすれ ば、以後一切シートについて作業を行う必要がなく、作業性が大幅に改善され、 よって花卉類の成育を促進し、かつ高品質の花卉類を得ることができる。 以下、本考案について実施例をもって具体的に説明するが、これに限定される ものではない。
【0012】
【実施例】
まず、本考案の新素材デュポン社製タイベックの性能を明らかにするため、各 資材について以下のように反射率・透過率・吸収率を測定した。各資材の光学的 測定は波長別エネルギー測定装置(ライカ社製 LI−1800)に同社製の積 分球を装着して、光沢の強い面から光を当てて、反射率・透過率・吸収率の平均 値(光合成有効放射域:400〜700mm)を求めた。その結果を下記表1に示 す。
【0013】
【表1】
【0014】 なお、資材白黒マルチ(登録商標名)は塩化ビニルフィルムであり、また資材 シルバーポリトーはポリエチレンフィルムにアルミニウム粉末を混合したもので 白色のフィルムである。
【0015】 表1に示されるように、タイベック1025D及びタイベック1422Aの光 学的特性の測定結果から、両者のフィルムはともに反射率が90%以上と、従来 品である白黒マルチあるいはシルバーポリトー等のフィルムに比べて著しく高い 反射率をもち、花卉用マルチシートとしての用途に関して有望であることがわか る。 以下、本実施例では花卉用マルチシートの一例としてタイベック1422Aを 用いて説明する。
【0016】 花卉類のマルチ栽培には、大別して2種類ある。第一の方法は、図1に示され ているように春切りスプレー菊等の花卉2がそれぞれ植えられている個別のポッ ト3を複数個まとめて栽培用台4に所定の間隔をおいて並べた状態で、デュポン 社製タイベック1422Aまたはタイベック1025Dを一般に使用されている 紙用切断機にて適当な大きさにカットした花卉用マルチシート1を前記栽培用台 4の上面に全面覆う方法である。この時、図2に示すように前記花卉2の配列に 応じて前記マルチシート1に穴6をあけ、この穴6から前記花卉2の茎部及び葉 部5を前記マルチシ−ト1の上部に伸ばすものとする。
【0017】 給水については、前記栽培用台4において前記マルチシ−ト1の下部において 給水が行えるような設備を設けてもよいし、あるいは前記マルチシ−ト1の上部 、すなわち前記マルチシ−ト1に設けた穴6を介して給水を行えるようにしても よい。
【0018】 第2の方法は、図3に示すように栽培用台4の底部に、排水用穴7を花卉2の 植えられたポット3の配列に対応して有したデュポン社製タイベック1422A またはタイベック1025Dからなるマルチシ−ト1を敷く方法である。そして 、そのマルチシ−ト1の上に花卉2の植えられたポット3を載置していくもので ある。これを上部からみたものを図4に示す。
【0019】 図1に示した実施例においては、前記花卉2の茎部5の外周と前記マルチシー ト1の前記穴6の内側との間にはなるべく隙間がないことが望まれるが、多少あ ったとしても枝葉によって雨が遮られるために、本考案の高密度不織布からなる 前記花卉用マルチシート1の作用および効果を減じるものではない。
【0020】 本考案による高密度ポリオレフィン不織布からなるタイベック1422Aがマ ルチ栽培における花卉用マルチシートとしての用途に有用であることを明らかに するため、下記の試験方法により、「春切りスプレー菊」の成育促進並びに品質 向上の効果を検討した。なお、ここでは対照(ブランク)として無マルチ栽培を あげた。 1.試験方法 (1)供試品種 セイアルプス及びセイローザの2品種 (2)試験区の構成 対照無マルチ区とタイベック−1422Aのマルチ区との2区で 比較し、各々の1区面積は2m2 、無反復とした。 (3)耕種概要 ガラス温室内ベンチ栽培 定植期:1991年12月20日 栽植密度:37.5 株/m2 仕立ち本数:50 本/m2 基肥料を定植前に施用し、追肥を住友液肥ミネラップを窒素濃度 100ppmに希釈して毎週1回施用した。 (4)調査方法 草丈・葉数は毎週、栽植別に調査し、地上部の生体重・乾物量は 定植期、栄養成長、末期及び開花期に測地成長解析を実施した。 また、栄養成長末期には層別刈り取り法による群落構造の解析を 行った。 その結果を、以下の図5〜図8及び表2〜表5に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】 図5〜図8及び表2〜表5に示される結果から明らかなように、本考案のデュ ポン社製タイベック1422Aよりなる花卉用マルチシートは以下のような効果 を奏するものである。 2.結果
【0026】 (1)草丈及び葉数の推移をみると、対照区(無マルチ区)に比べて本考案に よる高密度ポリオレフィン不織布を花卉用マルチシートとして使用した タイベックマルチ区のほうが、試験した両品種ともに顕著な促進効果が あることが判明した(図5〜図8参照)。
【0027】 (2)生体重及び乾物重についても、両品種とも、栄養成長期並びに開花期の 各時期で本考案による高密度ポリオレフィン不織布を花卉用マルチシー トとして使用したタイベックマルチ区のほうが対照区(無マルチ区)よ りも大きな値を示している(表2〜表5参照)。
【0028】 (3)層別刈り取り法による群落構造の解析結果では、両品種とも、本考案に よる高密度ポリオレフィン不織布を花卉用マルチシートとして使用した タイベックマルチ区のほうが、栄養成長期並びに開花期の垂直方向への 促進及び水平方向への高密度化が明らかに認められた。
【0029】 (4)本考案による高密度ポリオレフィン不織布からなる花卉用マルチシート の使用によりアブラムシの発生株数が明らかに低下した。これは本考案 の花卉用マルチシートからの太陽光線の強い反射によって達成されるも のである。
【0030】 (5)本考案による高密度ポリオレフィン不織布からなる花卉用マルチシート は、地温の上昇をおさえ、花卉類の細根への影響が少なく、高い品質の 花卉類が得られる。 以上のことから、品質的に優れた重い切り花及び長い切り花の占める比率が両 品種とも高まり、品質向上効果のあることが明らかとなった。 なお、これらのデータはガラス温室内の実験によって得られたものであるが、 この実験の結果については一般の屋外についても有効であると考える。
【0031】
【考案の効果】
本考案の花卉用マルチシートは、フラッシュ紡糸法によるフィラメントが高密 度に接合された不織布シートからなるので、光に対する反射性を有しながら透湿 性及び通気性等に優れ、よって花卉類の成育を促進し、かつ高品質の花卉類を得 ることができるという効果を発揮するものである。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の花卉用マルチシートの一使用例を示す
図。
【図2】図1のものを斜め上からみた図。
【図3】本考案の花卉用マルチシートの別の使用例を示
す図。
【図4】図3のものを斜め上からみた図。
【図5】セイアルプスの草丈におよぼすタイベックの効
果を説明する図。
【図6】セイローザの草丈におよぼすタイベックの効果
を説明する図。
【図7】セイアルプスの葉数におよぼすタイベックの効
果を説明する図。
【図8】セイローザの葉数におよぼすタイベックの効果
を説明する図。
【符号の説明】
1…花卉用マルチシート、2…花卉、3…ポット、4…
栽培用台、5…茎部、6…穴、7…排水用穴。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 桜井 尚史 東京都港区虎ノ門2丁目10番1号 新日鉱 ビル・デュポンタワー デュポン ジャパ ン リミテッド内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】フラッシュ紡糸法によるフィラメントが高
    密度に接合された不織布シートからなることを特徴とす
    る花卉用マルチシート。
JP5070792U 1992-07-20 1992-07-20 花卉用マルチシート Pending JPH0613451U (ja)

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JP5070792U JPH0613451U (ja) 1992-07-20 1992-07-20 花卉用マルチシート

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JPH0613451U true JPH0613451U (ja) 1994-02-22

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ID=12866376

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09140255A (ja) * 1995-09-19 1997-06-03 Mikado Kako Kk 植物育成床及び植物育成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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