JP3124504B2 - べたがけ用資材および農作物類の栽培方法 - Google Patents

べたがけ用資材および農作物類の栽培方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、べたがけ用資材お
よびこれを使用した農作物類の栽培方法に関する。さら
に詳しくは、野菜類の栽培に適した通気性を有するべた
がけ用資材、および、この通気孔を有するべたがけ用資
材を使用した農作物類の栽培する方法に関する。なお、
本発明で「べたがけ」とは、通気性を有するシート状の
農業用資材によって栽培中の農作物類を被覆することを
言い、「べたがけ」用資材で農作物類を被覆する方法を
「べたがけ」方式と言う。また、通気性を有する被覆資
材によって栽培中の農作物類を直接被覆する方法を「じ
かがけ」方式と言い、通気性を有する被覆資材を支柱な
どによって支持して、農作物類との間に空間を設けて被
覆する方法を「うきがけ」方式と言う。
【0002】
【従来の技術】従来、農作物類を栽培する際に、日中に
太陽光線によって農作物類の栽培地面の温度を上昇させ
る、栽培地面に蓄えられた熱の夜間における急激な放熱
を防ぐ、冬期には放射冷却による植物体温の低下を軽減
して凍害を防ぐ、栽培地面に雑草が生えるのを防ぐ、栽
培中の農作物類に照射される光線の一部を遮蔽する、栽
培中の農作物類に照射される光線の波長を選択する、栽
培中の果実を均等に着色させるために光線を反射させる
など、多様な農園芸用被覆資材が提案され、これら多数
の被覆資材の中から目的に応じて選択使用されている。
【0003】「べたがけ」方式による栽培法の中で最も
普及しているのは、「じかがけ」方式である。この「じ
かがけ」方式によれば、栽培中の農作物類を被覆したべ
たがけ用資材が風に飛ばされない様に、資材の周囲をピ
ンなどによって止めておくだけで良いので省力的である
が、冬季の晴夜では「じかがけ」方式で被覆された農作
物類の温度の方が、無被覆の農作物類の温度よりも低い
ことが実際に観察されている。
【0004】「べたがけ」方式では、べたがけ用資材に
よって外気が遮断されてべたがけした被覆資材の内側の
空間に入り難いので、温度の低い農作物類の葉茎は、外
気の温度の高い空気の恩恵を受けることができないと言
う欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、かかる状
況にあり、上記のような固定観念にとらわれることな
く、従来の「べたがけ」方式により被覆した栽培法の長
所を生かし、同時に上記「じかがけ」方式におけるよる
上記欠点、すなわち、外気とべたがけした内側の空間と
の通気が遮断されるという欠点、を解消したべたがけ用
資材を提供すべく鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。本発明は、次の諸課題を解決することを目的
とする。 1.農作物類を栽培する際に、日中に太陽光線によって
農作物類の光合成を促進させ、農作物類の栽培地面の温
度を上昇させ、栽培地面に蓄えられた熱の夜間における
急激な放熱を防ぎ、農作物類を強風から守るべたがけ用
資材を提供する。 2.べたがけ内側の空間の空気の流れを遮断せず、冬
季、晴夜を中心に、温度の低い農作物類の葉茎、特に葉
が、外気の温度の高い空気の恩恵を受けることができる
べたがけ用資材を提供する。 3.農作物類を、べたがけ用資材により被覆しつつ栽培
する方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、第1発明では、フラットヤーンのネットと不織布と
により構成されてなるべたがけ用資材において、広幅長
尺のフラットヤーンのネットの表面にその長さ方向に沿
い、ネットの幅方向に一定間隔で、帯状の不織布が積層
されてなることを特徴とするべたがけ用資材を提供す
る。
【0007】また、第2発明では、農作物類を栽培する
にあたり、被栽培農作物類を、フラットヤーンのネット
と不織布とにより構成されてなり、広幅長尺のフラット
ヤーンのネットの表面に、その長さ方向に沿い、ネット
の幅方向に一定間隔で、帯状の不織布が積層されてなる
ことを特徴とするべたがけ用資材で被覆して栽培するこ
とを特徴とする農作物類の栽培方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るべたがけ用資材においてフラットヤーンの
ネットは、太陽光線を透過して被栽培農作物類の光合成
を促進させ、栽培地面の温度を上昇させ、べたがけ用資
材の内外の空気の通気性を高め、農作物類を強風から守
り、高温の場合には通気により熱気を飛散させ、高湿の
場合には湿気を飛散させ、かつ、べたがけ用資材の強度
を向上させる機能を果たす。
【0009】フラットヤーンは、プラスチックフィルム
製造工程でフィルムを2〜50mmの間隔で流れ方向にテ
ープ状にスリットした後、一軸延伸して得られる幅が1
〜30mmのテープを言う。フラットヤーン製造用素材
は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系
樹脂が好ましい。フラットヤーンのネットは、このフラ
ットヤーンを格子状に編んでネット状にしたものを言
う。フラットヤーンのネットは、縦・横同じ幅のものを
組合せたものでもよいし、縦・横で異なる幅のものを組
合せたものでもよく、横方向のものはフラットヤーンの
樹脂と同種の樹脂製の糸であってもよい。
【0010】ネットは、縦・横ともに一定の隙間を設け
て編んだもので、広幅長尺の外観を呈する。フラットヤ
ーンのネットの全面積に対する空隙率は10〜90%の
範囲で選ぶのが好ましい。空隙率が10%未満である
と、べたがけ用資材で被覆された箇所が高温の場合には
熱気が、高湿の場合には湿気が飛散され難く、空隙率が
90%を越えると、農作物類を強風から守る機能が低下
し、いずれも好ましくない。空隙率の特に好ましい範囲
は、50〜80%である。
【0011】フラットヤーンのネットは、その光透過率
70%以上であるのが好ましい。光透過率70%以上で
あると、太陽光線の透過がネットによって阻害され難い
ので、被栽培農作物類の光合成を促進させることがで
き、好ましい。
【0012】本発明に係るべたがけ用資材において不織
布とは、フラットヤーンのネットの通気性、透湿性など
を完全には阻害せず、かつ、光線の透過をある程度遮蔽
する機能を果たす。不織布は、製織、編組によらず繊維
を布状にしたものを言い、製法別に乾式法、湿式法、ス
パンボンド法などに分けられる。湿式法は、1〜10cm
の長さの繊維を用い、紡績用カードなどで繊維を薄いシ
ート状にし、ニードルパンチ(針をさして繊維をからめ
る)、ステッチボンド(糸で縫いつける)、接着(接着
剤、熱融着繊維混用など)などで接合するもので、使用
目的に応じて、かさ高性、弾力性を調節したものが得ら
れる。
【0013】湿式法は、数mmの短い繊維を水中に分散さ
せ、ポリエチレン系樹脂の繊維をバインダーとして、抄
紙機を利用してシート状にするもので、化学繊維紙と言
われるようにその外観は紙状を呈している。スパンボン
ド法は、化学繊維を紡糸しながら、繊維を直接シート状
に引き取って不織布を作る方法で、乾式法によった不織
布と同様、かさ高で柔らかい上、強度にも優れている。
【0014】不織布の素材は、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポ
リアミド系樹脂、ビニロンなどのポリビニルアルコール
系樹脂などが挙げられるが、これら例示したものに限定
されるものではない。これら不織布は、その単位当たり
の重量が10〜50g/m2、中でも15〜30g/m2
の範囲で選ぶのが好ましい。不織布は、その光透過率が
50%以上のものが好適である。光透過率が50%未満
であると、植物の成育上好ましくない。
【0015】本発明に係るべたがけ用資材は、前記長尺
のフラットヤーンのネットに上記の不織布が、幅方向に
一定の間隔で積層されてなる。フラットヤーンのネット
で不織布が積層されていない部分の幅と不織布が積層さ
れた部分の幅の比は、フラットヤーンのネットのみの幅
(A) を1としたときに、不織布が積層された部分の幅
(B) を0.5〜1.5の範囲内で選ぶのが好ましい。
(B) が0.5未満であると、べたがけ用資材全体の赤外
線透過率が高くなり過ぎ保温効果を維持できなくなり、
(B) が1.5を越えると外気との通気が少なくなり、本
発明の目的が達成されなくなるので、いずれも好ましく
ない。幅(A) と幅(B) の特に好ましい比は、1:0.8
〜1.2の範囲である。
【0016】本発明に係るべたがけ用資材は、広幅長尺
のフラットヤーンのネットに上記不織布を積層すること
により製造できる。積層する際には、接着剤を使用する
方法、熱接着による方法のいずれによっても良い。べた
がけ用資材の保管、輸送は、ロール状でなされる。実際
に使用するに当たっては、さらに広幅にすることが必要
になる場合が生ずるが、その場合には複数本のロール状
のべたがけ用資材を準備し、幅方向の端部同士を接着す
ればよい。
【0017】本発明に係るべたがけ用資材で農作物類を
栽培するには、被栽培農作物類を被覆して栽培する。被
覆方法は、栽培している農作物類の上に直接配置し被覆
する「じかがけ」方式であってもよく、農作物類を栽培
している地面に対して一定の高さに配置し被覆する「う
きがけ」方式であってもよい。中でも、例えば地面から
50cmの高さに、支柱と紐とによって支えて地面に対し
てほぼ平行に配置する「うきがけ」方式が好ましい。
【0018】本発明に係るべたがけ用資材で栽培できる
農作物の種類としては、特に制限はなく、キャベツ、白
菜、アスパラガス、ブロッコリー、カリフラワー、ネ
ギ、シュンギク、小松菜、ホウレン草、レタスなどの葉
茎菜類、大根、コカブ、じゃがいも、人参、ゴボウなど
の根菜類、カボチャ、スイカなどの果菜類、お茶、葉た
ばこなどの工芸作物などが挙げられる。本発明は、これ
ら例示した農作物に限定されるものではない。中でも好
ましいのは、春キャベツなどの寒冷期に栽培される農作
物である。
【0019】本発明に係るべたがけ用資材で被覆して農
作物を栽培する際には、次の様な特徴がある。 (1)太陽光線は、フラットヤーンおよび不織布を通して
野菜類、栽培地面に達し、地面に蓄えられた熱はべたが
け用資材によって発散が妨げられてる。 (2)べたがけ用資材で被覆された空間部分の湿気は、フ
ラットヤーンのネットの隙間および不織布の微細孔を通
して飛散するので、過湿による病原菌の発生が少ない。 (3)また、べたがけ用資材の内外の通気により、空気の
一部がフラットヤーンの隙間から飛散し、べたがけ用資
材の内外の空気の流れが遮断されないので、放射冷却が
強い夜間において栽培中の農作物に葉温よりも高い温度
の空気が葉の表面に接し、葉温の低下を防ぎ、凍害に伴
う腐敗病の発生を抑制することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例に基いて詳細に説明す
るが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下に記載の
例に限定されるものではない。
【0021】[実施例1] <苗、栽培地の調製、定植>キャベツ(品種名「金
春」)を、平成7年8月28日に一つのトレイに220
穴を有するセルに播種し、常法に従ってセル育苗した。
栽培地(神奈川県三浦市)は一区画約80m2とし、各
区画に、9月29日に、元肥として10アール当り、牛
糞堆肥を0.5t、ポリホスS002Pを100kg、
ハイマグ重焼燐を20kg、タイニーを60kgそれぞ
れ施肥した。この栽培地に、10月4日に、畦幅55c
m、株間36cmとして機械定植した。10月20日に、
追肥として10アール当りNK2号を40kg施肥し
た。
【0022】<べたがけ用資材、被覆>幅3mmのポリエ
チレンヤーンを相互の間隔を10mmとして格子状に織っ
たネットに、幅25cmのポリエステル製不織布を50cm
の間隔で積層したべたがけ用資材を準備した。栽培地に
定植したあと、畦の方向に長さが2.7mのダンポール
でトンネルの骨組のように配置し、このトンネルの上に
上記のべたがけ用資材を被せ、パッカーでべたがけ用資
材を固定した。この場合、上記のべたがけ用資材は「じ
かがけ」方式とはせずに、トンネルの骨組の上部にのみ
接触させる「うきがけ」方式で被覆し、被覆面が地上5
0cmの高さとなるようにした。
【0023】<凍害および腐敗病発生状況>定植(平成
7年10月4日)した後、常法により手入れしながら平
成8年3月31日まで栽培し、100株につき、凍害の
発生率および腐敗病発生状況を目視観察した。結果を、
表−1に示す。
【0024】なお、凍害の発生率は次式、すなわち、発
生率={(凍害発生数)÷(調査株数)}×100、に
基づき算出した値をいう。また、凍害の「度」は、次
式、すなわち、「度」=[{Σ(χi×n)}÷{(調
査株数)×4}]×100、に基づき算出される値をい
う。なお、この式において、χiは株番号(1〜10
0)、nは指数(0〜4)を意味する。指数は、凍害を
受けると細胞が死に、葉は薄皮状になるので、この部分
の面積の割合で、0(無)〜4(甚)の5段階に評価し
たものである。判断基準は、次の通りである。0:被害
なし、1:結球部の10%未満の部分に被害がある、
2:結球部の10〜20%の部分に被害がある、3:結
球部の21〜50%の部分に被害がある、4:結球部の
51%以上の部分に被害がある。
【0025】さらに、腐敗病の発生率は次式、すなわ
ち、発生率={(腐敗病発生数)÷(調査株数)}×1
00、に基づき算出した値をいう。腐敗病の「度」は、
上記の凍害の「度」の算出式に基づき算出される値をい
う。なお、この式において、χiは株番号(1〜10
0)、nは指数(0〜4)を意味する。指数は、腐敗病
が発生すると、細胞が腐って葉が軟化してドロドロした
状態になるので、この部分の面積の割合で、0(無)〜
4(甚)の5段階に評価したものであり、判断基準は上
の凍害の場合と同一である。
【0026】<微気象の観察>直径0.32mmの熱電対
を、栽培圃場の地上15cmの高さに設置して気温を測定
した。また、結球部の頂部に同様の熱電対を葉に張付け
て葉温を測定し、結果を図1に示した。一方、べたがけ
用資材の下、および、この資材で被覆されていない場所
でそれぞれ正味放射量を測定し、結果を図2に示した。
さらに、観測圃場内の地上1.8mの高さに光電微風速
計を配置し、屋外風速を測定し、結果を図3に示した。
これらの測定値は、いずれもデータロガー(グリーンキ
ット100)を介して、10秒ごとに計測し、その平均
値として15分ごとに出力・記録したものである。
【0027】[実施例2] <苗、栽培地の調製、定植>実施例1におけると同じ。 <べたがけ用資材、被覆>実施例1に記載の例におい
て、同例で使用したべたがけ用資材を「じかがけ」方式
でトンネルの骨組を被覆した他は、同例におけると同様
の手順で被覆した。 <凍害および腐敗病発生状況、微気象の観察>実施例1
におけると同じ。
【0028】[比較例1] <苗、栽培地の調製、定植>実施例1におけると同じ。 <べたがけ用資材、被覆>実施例1に記載の例におい
て、同例で使用したべたがけ用資材に代えて寒冷紗#3
00(ユニチカ社製)を用いた他は、同例におけると同
様の手順で被覆した。 <凍害および腐敗病発生状況、微気象の観察>実施例1
におけると同じ。
【0029】[比較例2] <苗、栽培地の調製、定植>実施例1におけると同じ。 <べたがけ用資材、被覆>実施例2に記載の例におい
て、同例で使用したべたがけ用資材に代えて寒冷紗#3
00(ユニチカ社製)を用いた他は、同例におけると同
様の手順で被覆した。 <凍害および腐敗病発生状況、微気象の観察>実施例1
におけると同じ。
【0030】[比較例3] <苗、栽培地の調製、定植>実施例1におけると同じ。 <べたがけ用資材、被覆>無被覆とした。 <凍害および腐敗病発生状況、微気象の観察>実施例1
におけると同じ。
【0031】
【表1】
【0032】表−1および図1ないし図3より、次のこ
とが明らかである。 (1) 本発明に係るべたがけ用資材を「うきがけ」方式で
被覆した場合には、凍害および腐敗病発生の状況は、比
較例1の寒冷紗により「うきがけ」方式で被覆した場合
に比して凍害は同等以上、腐敗病の発生は僅かに劣る
が、本発明に係るべたがけ用資材は寒冷紗に比して軽量
であることから取扱性に優れており、優れた農園芸用資
材であると言い得る。 (2) 実施例2の「じかがけ」の区分は、比較例3の無被
覆の区分に比較して凍害および腐敗病発生は少ないが、
実施例1の区分には若干及ばないが、寒冷紗を「じかが
け」した比較例2の区分に比較してはるかに優れてい
る。 (3) 実施例1の「うきがけ」方式の区分においては、栽
培野菜の葉温が「じかがけ」の区分より1℃高く、無被
覆の区分のそれに比較して2℃ほど高い。
【0033】
【発明の効果】本発明は、次のような特別に有利な効果
を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係るべたがけ用資材を使用して農作物類を
栽培する際には、太陽光線はフラットヤーンのネットを
通して栽培中の農作物類、栽培地面に容易に達し、栽培
地面の温度を上昇させることができ、夜間に強い放射冷
却が生じても、不織布部分で遮られるので、べたがけ内
の農作物類は放熱冷却を軽減される。 2.本発明に係る農園芸用資材は、フラットヤーンのネ
ットの部分および不織布の部分は通気性があるので、べ
たがけ内外で空気の流れが生じ、温度の低い野菜類の葉
茎は、外気の空気の恩恵を受けて凍害が発生し難く、か
つ、腐敗病の発生が少なく、良品率が高まる。 3.本発明に係るべたがけ用資材は、従来の寒冷紗に比
較して軽量で取扱が容易であり、また不織布の部分がフ
ラットヤーンのネットによって補強されているので、強
度にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 栽培野菜の葉温の経時変化を示す。
【図2】 温室内の正味放射量の経時変化を示す。
【図3】 温室外の風速の経時変化を示す。
【符号の説明】
1:実施例1の資材で被覆したもの 2:実施例2の資材で被覆したもの 3:比較例1の資材で被覆したもの 4:比較例3(無被覆) 5:実施例1の資材で被覆したもの 6:比較例3(無被覆) 7:風速
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 豊司 千葉県松戸市常磐平双葉町20−3ユニチ カ社宅6−306 (56)参考文献 特開 平8−23796(JP,A) 特開 昭57−89957(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラットヤーンのネットと不織布とによ
    り構成されてなるべたがけ用資材において、広幅長尺の
    フラットヤーンのネットの表面に、その長さ方向に沿
    い、ネットの幅方向に一定間隔で、帯状の不織布が積層
    されてなることを特徴とするべたがけ用資材。
  2. 【請求項2】 フラットヤーンのネットのみの部分の幅
    1としたときに、不織布を積層した部分の幅を0.5〜
    1.5の範囲内で選ばれたものである、請求項1記載の
    べたがけ用資材。
  3. 【請求項3】 フラットヤーンのネットの光透過率が7
    0%以上の透明プラスチックよりなり、不織布の光透過
    率が50%以上のものである、請求項1または請求項2
    記載のべたがけ用資材。
  4. 【請求項4】 農作物類を栽培するにあたり、被栽培農
    作物類を、フラットヤーンのネットと不織布とにより構
    成されてなり、広幅長尺のフラットヤーンのネットの長
    さ方向に沿って、かつ、ネットの幅方向に一定間隔で、
    帯状の不織布が積層されてなることを特徴とするべたが
    け用資材で被覆して栽培することを特徴とする農作物類
    の栽培方法。
  5. 【請求項5】 べたがけ用資材を、栽培している農作物
    類の上に直接配置し、または、地面に対して一定の高さ
    に配置して被覆する請求項4記載の農作物類の栽培方
    法。
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