JP2502380Y2 - ハ―ネスガイド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ハーネスを配線および保護するためのハー
ネスガイドに関する。

〔従来の技術〕

複写機のように、多くの電装部品を有する装置では、
各電装部品への配線を容易にするため、複数のリード線
をそれぞれ結束し、各リード線をその結線箇所に最も近
い部位で、それぞれの目的に応じた方向に分岐させて構
成したハーネスを使している。

なお、この種の装置では、ハーネスが可動部に巻き込
まれたり、部品のエッジ部等に当って断線するのを防ぐ
ため、ハーネスガイドを使用してハーネスを配線するよ
うに構成されている。

ハーネスガイドは、第４図に示すように、複数の枝ハ
ーネス１を互に結束して構成されたメインハーネス10が
収納される断面コ字状をなす長尺のハーネスガイド溝2a
の形成されたハーネスガイド本体２と、メインハーネス
10の取り付け面３に対してハーネスガイド本体２を固定
するための舌片2bとを有している。

このハーネスガイドは、そのハーネスガイド溝2a内に
所定のメインハーネス10を粘着テープ４によって予め配
線固定したのち、ハーネスガイド本体２の舌片2bに穿た
れたねじ穴2cを通して、ねじ５により所定の取り付け面
３に固定される。

このように各ハーネス１をハーネスガイドを使用して
配線することにより、メインハーネス10の保護および装
置への配線が容易化される。

一方、上述のようなハーネスガイド溝2aへのメインハ
ーネス10の配線は、配線の対象となる装置の機種毎で、
その配線形態が一定しないため、一般に手作業で行なわ
れている。このため、各枝ハーネス１の長さは略一様で
あっても、これをハーネスガイド本体２に配線した際
に、枝ハーネス１の各端部に設けられたコネクタ1aの位
置にかなりのバラツキが生じる。こうした枝ハーネス１
の配線位置のバラツキは、第４図に示すように、装置に
対してＵ字状に折曲させてメインハーネス10を配線する
場合により顕著となる。すなわち、従来のハーネスガイ
ドは、メインハーネス10がＵ字状もしくはＬ字状やＹ字
状のように、それぞれ異なった方向に折曲されて配線さ
れる場合、メインハーネス10の異った配線方向に沿っ
て、複数個（第４図に示すようにメインハーネス10をＵ
字状に配線する場合には最低３個）のハーネスガイド本
体２が、メインハーネス10の指定された部位に粘着テー
プ４で分割して固定されていた。したがって、この従来
のハーネスガイドでは、ハーネスガイド本体２の１個当
りの配線位置のバラツキが、ハーネスガイド本体２の取
り付け個数の増加に伴なって増大される。

ところで、こうした枝ハーネス１の配線位置にバラツ
キが生じた場合には、この位置ずれを生じている枝ハー
ネス１をその配線経路に沿って手繰りながら位置補正す
る必要がある。このため、従来のハーネスガイドは、そ
の装置への組み付け時に、各枝ハーネス１の配線状態を
見易くするため、ハーネスガイド本体２のハーネスガイ
ド溝2aの開口部が装置の作業者の見易い方向に臨むよう
に配置されていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上記従来のハーネスガイドは、上述のよう
に、メインハーネス10がそれぞれ異なった方向に折曲さ
れて配線される場合に、メインハーネス10に対して複数
個のハーネスガイド本体２を分割して固定していたた
め、各枝ハーネス１の配線位置のバラツキが大きくなる
とともに、この各枝ハーネスのバラツキやねじれにより
各ハーネスガイド本体２間の離間距離、すなわち第４図
におけるメインハーネス10の各折曲部A,Bの長さが、不
揃いとなって、舌片2bのねじ穴2cと取り付け面３のねじ
穴3aとの位置関係にずれが生じ、ハーネスガイド本体２
の装置への組み付けが困難になる不具合があった。

また、上記従来のハーネスガイドは、そのハーネスガ
イド溝2aの開口部が装置の外方（作業者の見易い方向）
に臨むように配置されていたため、このハーネスガイド
溝2a内に異物が侵入し易く、この異物によってメインハ
ーネス10が汚染される不具合があった。なお、メインハ
ーネス10の汚染は、各枝ハーネス１の劣化を早めたり、
メンテナンス時の作業性を低下させるため好ましくな
い。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上述の課題を解決するために、上記ハーネ
スガイド本体は、上記メインハーネスの配線方向に沿っ
て折曲げした折曲がり部を有し、且つ単体で形成され、
上記ハーネスガイド本体のハーネスガイド溝の開口部を
上記取り付け面がわに形成し、上記舌片を上記ハーネス
ガイド本体の取り付け面の端縁に、上記配線方向に沿っ
て複数設けたことを特徴とする。

（作用） 本考案によるハーネスガイドは、ハーネスガイド本体
が単体で形成されるので、ハーネスガイド本体に対する
各枝ハーネスの配線方向が自然に決定されるとともに、
ハーネスガイド本体のハーネスガイド溝の開口部がメイ
ンハーネスの取り付け面に対向する方向に臨むので、配
線されたメインハーネスが被覆される。

〔実施例〕

以下、複写装置に組み付けられるハーネスガイドを例
にとって、本考案を詳細に説明する。

第１図において、メインハーネス10は、複写装置６の
取り付け面３（図示の例では複写装置６の背面板の背
面）に沿って、Ｕ字状に配線されている。

このメインハーネス10は、複写装置６への組み付けに
先立って、前述したようにハーネスガイド本体２のハー
ネスガイド溝2aに沿って配線され、粘着テープ４によっ
て予め固定される。ここで、第１図に示すように、本考
案によるハーネスガイド本体２は、メインハーネス10の
配線方向に沿ってＵ字状に折曲された単体で形成されて
いる。すなわち、このハーネスガイド２は、従来の３個
に分割されたハーネスガイド（第４図参照）をそれぞれ
一体化した形状に形成されている。また、このハーネス
ガイド本体２は、そのハーネスガイド溝2aの開口部がメ
インハーネス10の取り付け面３がわに形成されている。

メインハーネス10が配線固定されたハーネスガイド本
体２は、従来と略同様に、ハーネスガイド本体２の取り
付け面の端縁に形成された舌片2bをねじ５によって取り
付け面３に固定することによって複写装置６の背面上に
固定される。

上述のように構成されたハーネスガイドは、そのハー
ネスガイド本体２が、単体（一体成形）で形成されてい
るので、ハーネスガイド本体２に対する各枝ハーネス１
の配線方向が自然に決定される。したがって、このハー
ネスガイドによれば、各枝ハーネス１の配線位置のバラ
ツキやねじれを最小にすることができる。なお、ここ
で、各枝ハーネス１の多少のバラツキやねじれが生じて
いても、ハーネスガイド本体２自体が単体で形成されて
いるので、ハーネスガイド本体２の舌片2bの位置にずれ
が発生することがない。

したがって、このハーネスガイドは、ハーネスガイド
本体２の各舌片2aに穿たれたねじ穴2cと、複写装置６の
取り付け面３のねじ穴3aとが互に位置ずれを生じること
なく、正しく合致される。

また、このハーネスガイドによれば、ハーネスガイド
本体２のハーネスガイド溝2aの開口部が、メインハーネ
ス10の取り付け面３に対向する方向に臨むので、このハ
ーネスガイド本体２を取り付け面３に固定した状態で、
ハーネスガイド溝2a内に配線されたメインハーネス10
が、完全に被覆される。したがって、このハーネスガイ
ドでは、ハーネスガイド溝2a内への異物の侵入が防止さ
れる。

このように、メインハーネス10をハーネスガイド本体
２で完全に被覆して、そのハーネスガイド溝2a内への異
物の侵入を阻止した構成は、図示の例のように、複写装
置におけるメインハーネス10を配線する場合に特に顕著
な効果を奏する。すなわち、通常の複写装置では、第１
図に示すように、クリーニングユニット７によって除去
された廃トナーを、排出口7aを通して装置本体に対して
着脱可能なトナー回収器に排出するように構成されてい
る。このため、この種の複写装置では、このトナー回収
器を装置本体から取り出す際に回収された廃トナーが飛
散して装置内部を汚染することが多い。また、この種の
複写装置では、そのレイアウト上、クリーニングユニッ
ト７の廃トナーの排出口7aを、メインハーネス10の上方
位置に配置せざるを得ない場合がある。したがって、こ
のように、メインハーネス10の上方に、廃トナーの排出
口7aが臨むように構成された複写装置では、トナー回収
器の着脱時において飛散したトナーや、トナー回収器か
らあふれ出たトナーによってメインハーネス10が汚染さ
れ易い。

そこで、本考案によるハーネスガイドを使用してメイ
ンハーネス10を配線固定すれば、このメインハーネス10
が、ハーネスガイド本体２によって完全に被覆されるの
で、前述のように廃トナーがメインハーネス10上に飛散
されても、この廃トナーによるメインハーネス10の汚染
が防止される。

なお、本考案によるハーネスガイドは、メインハーネ
ス10の配線形状に応じて、第２図および第３図に示すよ
うに種々の形状に形成される。

また、本考案によるハーネスガイドは、枝ハーネス１
のメインハーネス10からの分岐位置を示す目印や、ハー
ネスガイド溝2aからの枝ハーネス１の取り出しをし易く
するためのコ字状の切欠部を、ハーネスガイド本体２に
形成してもよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、ハーネスガイド本体の装置への組み
付けを容易にすることができるとともに、メインハーネ
スの汚染を防止することができる。またハーネスガイド
本体はメインハーネスの配線方向に沿って折曲げした折
曲がり部を有し、且つ単体で形成されているので、メイ
ンハーネスの折曲がり部の強度を保持でき、さらにハー
ネスガイド本体の交換時の作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図は本考案の
他の実施例の斜視図、第３図は本考案のさらに他の実施
例の斜視図、第４図は従来のハーネスガイドの斜視図で
ある。 １……枝ハーネス、1a……コネクタ、２……ハーネスガ
イド本体、2a……ハーネスガイド溝、2c……ネじ穴、３
……取り付け面、４……粘着テープ、５……ねじ、６…
…複写装置、10……メインハーネス。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれ異なった方向に折曲げされて配線
   される複数の枝ハーネスが互に結束されて構成されたメ
   インハーネスを収納する断面コ字状をなす長尺のハーネ
   スガイド溝の形成されたハーネスガイド本体と、上記メ
   インハーネスの取り付け面に対して上記ハーネスガイド
   本体を固定するための舌片とを有するハーネスガイドに
   おいて、 上記ハーネスガイド本体は、上記メインハーネスの配線
   方向に沿って折曲げた折曲がり部を有し、且つ単体で形
   成され、上記ハーネスガイド本体のハーネスガイド溝の
   開口部を上記取り付け面がわに形成し、上記舌片を、上
   記ハーネスガイド本体の取り付け面の端縁に、上記配線
   方向に沿って複数設けたことを特徴とするハーネスガイ
   ド。