JP2502071Y2 - ダイヤモンド切断砥石のセグメント着脱構造 - Google Patents

ダイヤモンド切断砥石のセグメント着脱構造

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JP2502071Y2
JP2502071Y2 JP15187789U JP15187789U JP2502071Y2 JP 2502071 Y2 JP2502071 Y2 JP 2502071Y2 JP 15187789 U JP15187789 U JP 15187789U JP 15187789 U JP15187789 U JP 15187789U JP 2502071 Y2 JP2502071 Y2 JP 2502071Y2
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直樹 峠
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ノリタケダイヤ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、石材,コンクリート,耐火物等の切断に使
用するダイヤモンド切断砥石のセグメント着脱構造に関
する。
〔従来の技術〕
ダイヤモンド切断砥石において、ダイヤモンドセグメ
ントの摩耗による交換を容易にし、台金の再利用のため
に着脱可能な構造としたものとして、例えば、西ドイツ
特許第2314977号明細書、実公昭61-6050号公報、実開昭
63-179060号公報に開示されている方式のものがある。
同方式のものは、基本的には第5図に示すように、ダ
イヤモンドセグメントaの支持片bの下方に形成された
楔状突起cを台金dのソケット部eの蟻溝fに嵌め込む
構造になっている。
〔考案が解決しようとする課題〕
第6図は、かかる着脱構造を有する切断砥石による切
断中におけるセグメント及び着脱部材に作用する力の状
態を示す図である。
同図において、 F1:砥石の回転による力 F2:被削物とセグメントの衝撃により発生する接線方
向の力 F3:楔状突起により蟻溝を内方から外側に押し広げる
力 F4:被削物とセグメントの衝撃により発生する法線方
向の力 を示す。
西ドイツ特許第2314977号明細書、実公昭61-6050号公
報に記載されているような方式においては、接線方向の
力F2に対し楔状突起がソケット部の蟻溝を押し広げるた
め、溝幅が広がり、セグメントが正しい位置に嵌合でき
なくなり、甚だしい場合には、セグメントの固定ができ
なくなる欠点がある。
また、実開昭63-179060号公報に開示されている方式
では、接線方向の力F2に対しては、ストッパー等により
有効に抵抗できるものの、法線方向の力F4に対しては突
起と溝の当接面でしか抵抗できない。このため、突起と
溝の間にガタが生じ嵌合は甘くなり、これが切断時の振
動の発生源となり、切断性能、加工精度を低下させるこ
とになる。
本考案において解決すべき課題は、上記従来の機構に
おける嵌合位置のズレを防止し振動の発生を防止するセ
グメントの着脱機構を完成させて、接線方向、法線方向
等のあらゆる方向に作用する力に有効に対抗することの
できるダイヤモンド切断砥石のセグメント着脱構造を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、後記の実施例として示す第1図から第4図
を参照して、台金cの外周面に形成したソケット1上面
に形成した突起2を、ダイヤモンドチップ6と一体的に
形成した砥石支持片7の下面に形成した嵌合溝4に摺動
嵌合するようにしたダイヤモンド切断砥石のセグメント
着脱構造において、前記ソケット1の上部に形成した突
起2は、砥石の回転方向に沿った両側面に側面溝3を形
成したT形状突起とし、砥石の回転方向に沿った一方端
部側に向かって幅狭に、他端部側に向かって漸次幅広く
形成し、前記側面溝3の高さhは前記一方端部側が高
く、前記他端部側に向かって漸次低くなるように形成
し、且つ、前記砥石支持片7の下面に形成した嵌合溝4
は、前記ソケット1の上面に形成したT形状突起2と嵌
合摺動するために側面突起5を形成したT形状溝とし、
前記ソケット1上面に形成したT形状突起2の幅と高さ
に対応して、一方端部側が幅狭く他端部側に向かって漸
次幅広くなるように形成し、前記側面突起5は前記一方
端部側が高く他端部側に向かって漸次低くなるように形
成したことを特徴とする。
〔作用〕
本考案は側面溝と側面突起の楔作用により、接線方向
の繰り返しの衝撃に対して正規の位置に確実に固定で
き、法線方向の繰り返しの衝撃に対しても、側面溝と側
面突起の引っ掛かりによって砥石を正規の位置に確実に
固定し、砥石のズレを完全に防止し、更に砥石支持片の
着脱を長期間確実に行うことができる。
〔実施例〕
以下本考案を、図面に示す実施例に基づいて具体的に
説明する。
第1図は本考案の着脱構造の第1実施例を示す斜視
図、第2図(a)は第1実施例の平面図、同図(b)は
縦断面図である。
同図を参照して、1は台金cの外周面に形成されたソ
ケットを、10は前記ソケット1に嵌合するダイヤモンド
セグメントをそれぞれ示す。
このソケット1には突起2及び側面溝3が形成されて
いる。この突起2は一端が幅狭く、他端へ漸次幅広くな
るような形状とし、また、側面溝3の高さhは一端を高
く、他端側へ漸次低くなるような構造とした。つまり、
接線方向の力F2が作用する方向に対して先細りの構造と
した。
ダイヤモンドセグメント10はろう付けによって一体化
したダイヤモンドチップ6と砥石支持片7とからなる。
この砥石支持片7には、前記のソケット1の突起2及び
側面溝3に嵌合摺動するための溝4および側面突起5が
形成されている。つまり溝4は、一端が幅狭く他端へ漸
次幅広くなるように、また、側面突起5は一端が高く他
端へ漸次低くなるようにそれぞれ形成した。
なお、本考案は上記の構造を有するので、ダイヤモン
ドセグメント10の溝4を、台金c側のソケット1の突起
2に嵌合摺動することによってダイヤモンドセグメント
10を所定位置に簡単に固定することができる。
次に、第3図は本考案の第2実施例の斜視図、第4図
は同断面図を示す。
同図を参照して、8は傾斜側面溝、9はこれと嵌合摺
動する傾斜側面突起である。傾斜側面溝は第1実施例の
側面溝3に相当するもので、側面溝の上面に鋭角の切込
みを設けたものである。したがって、法線方向の力に対
してもこの鋭角部が引っ掛かりとなり、より抗力を増す
ことができる。その他は第1実施例の場合と同一であ
る。
次に本実施例の場合の各力に対する抗力を第2図及び
第4図に基づいて説明する。
まず、第2図(b)を参照して、接線方向の力F2に対
しては、側面溝3と側面突起5の接触する面において、
接触面に直角にf1、f2が作用し、この合力として、F2
逆方向のFAが生じ、F2に対する抗力を生じる。
次に第4図を参照して、法線方向の力F4に対しては、
側面溝と側面突起とによる楔の原理が作用しf3が存在す
るため抗力として働く。さらに、溝幅を広げようとする
力F3に対しては側面溝と側面突起の接触する面において
分力f3、f4が作用し、この合力FBが溝幅を広げようとす
る力F3を打ち消すこととなる。
なお、上記の説明では、ソケット1側に突起2、側面
溝3を設け、ダイヤモンドセグメント10側に溝4、側面
突起5を有する構造にしたが、逆にソケット側に溝等を
設ける構造にしても良い。
さらに、実開昭63-179060号公報に記載されているよ
うな係止ストッパーと組み合わせることも可能である。
〔考案の効果〕
以上説明したように、本考案によって以下の効果を奏
することができる。
接線方向の力が作用しても、ずれることなく正規の位
置に嵌合できる。
法線方向の力が作用してもガタが生じることがない。
正規の位置に嵌合できるため、部材の外れる危険性が
なくなる。
法線方向のガタがなく、振動の要因を取り除くことが
でき、セグンメントの切断性能を低下させることがな
い。
部材の着脱回数を増大することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第1実施例を示す図、第2図(a)は
第1実施例の平面図、(b)は同縦断面図、第3図は第
2実施例を示す図、第4図は第2実施例の断面図、第5
図は従来のダイヤモンド切断砥石の概略図、第6図は従
来のダイヤモンド切断砥石のセグメントに作用する力を
説明するための図である。 1:ソケット、2:突起 3:側面溝、4:溝 5:側面突起、6:ダイヤモンドチップ 7:砥石支持片、8:傾斜側面溝 9:傾斜側面突起、10:ダイヤモンドセグメント

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】台金(c)の外周面に形成したソケット
    (1)上面に形成した突起(2)を、ダイヤモンドチッ
    プ(6)と一体的に形成した砥石支持片(7)の下面に
    形成した嵌合溝(4)に摺動嵌合するようにしたダイヤ
    モンド切断砥石のセグメント着脱構造において、 前記ソケット(1)の上部に形成した突起(2)は、 砥石の回転方向に沿った両側面に側面溝(3)を形成し
    たT形状突起とし、 砥石の回転方向に沿った一方端部側に向かって幅狭に、
    他端部側に向かって漸次幅広く形成し、 前記側面溝(3)の高さ(h)は前記一方端部側が高
    く、前記他端部側に向かって漸次低くなるように形成
    し、 且つ、 前記砥石支持片(7)の下面に形成した嵌合溝(4)
    は、 前記ソケット(1)の上面に形成したT形状突起(2)
    と嵌合摺動するために側面突起(5)を形成したT形状
    溝とし、 前記ソケット(1)上面に形成したT形状突起(2)の
    幅と高さに対応して、一方端部側が幅狭く他端部側に向
    かって漸次幅広くなるように形成し、 前記側面突起(5)は前記一方端部側が高く他端部側に
    向かって漸次低くなるように形成した ことを特徴とするダイヤモンド切断砥石のセグメント着
    脱構造。
  2. 【請求項2】ソケット(1)の側面溝(8)には、上面
    に鋭角の切込みを設け、さらに、ダイヤモンドセグメン
    ト(10)の砥石支持片(7)の突起(9)には、前記ソ
    ケット(1)の側面溝(8)の切込みに対応する鋭角の
    突出部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のダイ
    ヤモンド切断砥石のセグメント着脱構造。
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