JP3236550B2 - ダイヤモンドブレード - Google Patents

ダイヤモンドブレード

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JP3236550B2
JP3236550B2 JP02256498A JP2256498A JP3236550B2 JP 3236550 B2 JP3236550 B2 JP 3236550B2 JP 02256498 A JP02256498 A JP 02256498A JP 2256498 A JP2256498 A JP 2256498A JP 3236550 B2 JP3236550 B2 JP 3236550B2
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耿一 鈴木
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Sankyo Diamond Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイヤモンドブレー
ドに係り、特にコンクリート・石材等の切断に用いるダ
イヤモンドブレードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、石材、コンクリート等の硬脆材
料の切断に使用されるダイヤモンドブレードは、基板外
周に多数の溝を設け、この溝間をセグメント外周縁と
し、このセグメント外周縁にダイヤモンド砥粒層チップ
を基板に焼結やろう付け、さらに溶接等によって、接合
して形成されている。
【0003】上述したようなダイヤモンドブレードは、
切断作業が進むうちに、切屑によって、ダイヤモンドチ
ップの接合下部の基板部分が削り取られる、いわゆる首
下摩耗といわれる現象が生じる。このため、ダイヤモン
ド砥粒層は、まだ充分使えるのに、ダイヤモンドブレー
ドそのものが使用できなくなったりする不都合があっ
た。
【0004】また切断作業において、被削材の切断面と
ダイヤモンドブレードの基板とが接触する、いわゆる
ズレを起こさないようするため、刃部となるダイヤモン
ド砥粒層に対し、基板の板厚を薄くするようにして、基
板の両面と被削材の切断面との間に所定のクリアランス
を設ける必要があったこのためダイヤモンドブレード
を薄くする上で制限が生じていた。
【0005】そこで、図3で示すような、基板内周側へ
延長したダイヤモンド砥粒層を形成し、これによって耐
摩性を持たせ、首下摩耗を防上すると同時に研削効果が
生じ、良好な切断面が得られると同時に、クリアランス
を必要としない程度に迄、薄いダイヤモンドブレードと
することができる技術(特開平8−90425号公報参
照)が提案されている。つまり、この技術では、ダイヤ
モンドチップと基板との境界部の摩耗を防止するために
T字状のダイヤモンドチップが取付けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、同時焼結法に
よってダイヤモンドブレードを製造する場合、鋼製基板
はホットプレス(焼結炉)の中で約750〜900℃に加熱さ
れるので、(たとえ焼入れした基板を使っても)軟化し
てしまうという不都合があった。そこで基板の強度を高
めることが考えられるが、基板の強度が強いと、ダイヤ
モンドブレードによる切断作業中に振れが発生して、切
断不能になる場合がある。
【0007】前記特開平8−90425号公報で示され
るダイヤモンドブレードは、薄い基板を使用しているた
めに、ダイヤモンドブレードの外径が大きくなると(例
えば外径約250mm以上)、ダイヤモンドブレードでの
切断作業中におけるダイヤモンドブレードの振れを防止
することができないという欠点がある。
【0008】本発明の目的は、切削用ダイヤモンドチッ
プと鋼製基板との境界部の摩耗を防止すると共に、基板
の強化によって切断中の振れを防止できるダイヤモンド
ブレードを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、請求項1の
発明によれば、鋼製基板と切削用ダイヤモンドチップと
を同時焼結法で製造する概略外径250mm以上のダイ
ヤモンドブレードであって、前記鋼製基板の外周にダイ
ヤモンドホイールの中心方向に向けて延出した舌片部を
備えた略T字形の切削用ダイヤモンドチップを所定間隔
で取付けると共に、前記鋼製基板の外周とダイヤモンド
ブレードの中心のほぼ中間位置に外周方向に向けて所定
幅で形成された基板強化用ダイヤモンドチップを前記鋼
製基板を貫通して周方向所定間隔で複数個取付けた構成
にすることにより解決される。
【0010】上記構成により、本発明によるダイヤモン
ドブレードで切断作業をする場合、先ず切削用ダイヤモ
ンドチップで被削材を切削し、切込みが深くなるにつれ
て、基板強化用ダイヤモンドチップが被削材に接触した
状態で切断作業が進行していく。ダイヤモンドチッ
、基板の両側から突き出ているので、切断作業中ダイ
ヤモンドブレードを斜めにしても、基板が被削材に接触
することはない。
【0011】したがって、従来のように、低強度の基板
が切削熱によって変形し、被削材に接触して、切削不能
になることを防止できる。そして、鋼製基板と切削用ダ
イヤモンドチップとを同時焼結法で製造する概略外径2
50mm以上のダイヤモンドブレードにおいても、板そ
りを防止できて、薄くて切削用ダイヤモンドチップと鋼
製基板との境界部の摩耗を防止すると共に、基板の強化
によって切断中の振れを防止できるダイヤモンドブレー
ドとすることが可能となる。
【0012】このとき前記切削用ダイヤモンドチップ
は、舌片部の中心方向に向けて延出した長さを異にした
複数種類のものとすると好適である。このように舌片部
の長さを異にすることにより、前記本発明の作用効果を
維持したまま、短い方のダイヤモンド砥粒使用量を低減
することができ、このためコストの抑制となる。また、
前記基板強化用ダイヤモンドチップについて前記鋼製基
板に同時焼結法で形成された構成とすると好適である。
【0013】さらに、切削用ダイヤモンドチップの厚さ
を、前記基板強化用ダイヤモンドチップと同等か、やや
厚めに構成するとよい。これにより切削用ダイヤモンド
チップにより切断された幅以内で基板強化用ダイヤモン
ドチップが回転することになり、基板強化用ダイヤモン
ドチップと、基板両側に位置する切断面との接触を少な
くして、摩擦等による発熱や板そりを、より効果的に防
止することが可能となる。
【0014】また、基板強化用ダイヤモンドチップは、
くさび状に形成されていて、前記鋼製基板の外周に形成
された溝部と前記鋼製基板の中心とを結ぶ線上に位置し
ているように構成すると好適である。このように構成す
ると、ダイヤモンドブレード全体のバランスをとりやす
いだけでなく、基板強化用ダイヤモンドチップを矩形に
したときに比して、ダイヤモンド砥粒の使用量を低減で
きる。
【0015】さらにまた、基板強化用チップに含まれて
いるダイヤモンド砥粒は、切削用ダイヤモンドチップの
ダイヤモンド砥粒より粒径の細かいものから構成すると
好適である。このように細かい粒径のダイヤモンド砥粒
は安価であるため、製造コストを削減することが可能と
なる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のダイヤモンドブレードD
Bは、鋼製基板1と切削用ダイヤモンドチップ4,5と
を同時焼結法で製造する概略外径250mm以上のダイ
ヤモンドブレードDBである。切削用ダイヤモンドチッ
プ4,5は鋼製基板1の外周に所定間隔で取付けられて
いる。
【0017】このとき、切削用ダイヤモンドチップ4,
5はダイヤモンドブレードDBの中心方向に向けて延出
した舌片部4a,5aを備えた略T字形をしている。こ
の切削用ダイヤモンドチップ4,5は、舌片部4a,5
aの中心方向に向けて延出した長さを異にした複数種類
のものを用いている。
【0018】また基板1には基板強化用ダイヤモンドチ
ップ6を基板1の周方向所定間隔で複数個取付け取り付
けているが、この基板強化用ダイヤモンドチップ6は基
板1の外周とダイヤモンドブレードDBの中心のほぼ中
間位置に外周方向に向けて所定幅で形成されている。こ
の基板強化用ダイヤモンドチップ6は、くさび状に形成
されていて、溝部2と基板1の中心とを結ぶ線上に位置
している。
【0019】上記切削用ダイヤモンドチップ4,5の厚
さは、基板強化用ダイヤモンドチップ6と同等か、やや
厚めにしている。また基板強化用チップ6に含まれてい
るダイヤモンド砥粒は、切削用ダイヤモンドチップ4,
5のダイヤモンド砥粒より粒径の細かいものから構成し
ている。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係る一実施例を図面に基づい
て説明する。なお、以下の実施例に記載した部材、材
料、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明
の趣旨の範囲内で種々改変することが可能であることは
勿論である。
【0021】図1及び図2は本発明に係るダイヤモンド
ブレードを示すものであり、図1はダイヤモンドブレー
ドの正面図、図2は図1のA−A線による部分断面図で
ある。
【0022】図1で示すように、本発明に係るダイヤモ
ンドブレードDBは、鋼製基板1と、切削用ダイヤモン
ドチップ4,5と、基板強化用ダイヤモンドチップ6
と、を主要構成要素とする。
【0023】本発明のダイヤモンドブレードDBは、上
記構成のうち鋼製基板1と切削用ダイヤモンドチップ
4,5とを同時焼結法で製造するものであり、また概略
外径250mm以上のダイヤモンドブレードDBを対象
とするものである。以下の例では外径が305mmのダイ
ヤモンドブレードDBを例にして説明する。
【0024】本例の鋼製基板1は円形の板体であり、中
心に、図示しない治具等に取り付けるための取付孔3が
形成され、外周には所定間隔で溝部2が形成されてい
る。この溝部2の取付孔3側の端部には円形部2aが形
成されている。そしてこの溝部2の間でセグメント部が
形成され、このセグメント部に切削用ダイヤモンドチッ
プ4,5が形成される。つまり、鋼製基板1の外周に切
削用ダイヤモンドチップ4,5を所定間隔で取り付けて
いる。本例では、24個の溝部2が形成され、この溝部
2の間にセグメント部が24個形成されている。
【0025】本例の切削用ダイヤモンドチップ4,5
は、二種類のものを使用している。各切削用ダイヤモン
ドチップ4,5は、図1で示すように、ダイヤモンドブ
レードDBの中心方向に向けて延出した舌片部4a,5
aを備えており、図1の正面から見て略T字形をしてい
る。そして、二種類の切削用ダイヤモンドチップ4,5
は、舌片部4a,5aの中心方向に向けて延出した長さ
が異なるように構成されている。本例では切削用ダイヤ
モンドチップ4の舌片部4aの方が,切削用ダイヤモン
ドチップ5の舌片部5aより、短く形成している。
【0026】本例においては、異なる二種類の切削用ダ
イヤモンドチップ4,5は、溝部2を介して隣接させ
て、一つずつ交互に形成しているが、同一種類の切削用
ダイヤモンドチップを二つ以上連続させて、交互になる
ように構成してもよい。
【0027】また切削用ダイヤモンドチップ4,5の舌
片部4a,5aの長さの異なるものは、本例のように二
種類だけでなく、それ以上で構成することも可能であ
り、形成位置については、ダイヤモンドブレードDBの
回転バランスを考慮して、基板1にバランスよく配置す
るように構成することも可能である。
【0028】また本例においては、基板1の両面上に基
板強化用ダイヤモンドチップ6を形成している。すなわ
ち、図1及び図2で示すように、基板強化用ダイヤモン
ドチップ6は、ダイヤモンドブレードDBの外周方向に
向けて所定幅で形成されるものであり、基板1の外周と
ダイヤモンドブレードDBの中心のほぼ中間位置に、周
方向所定間隔で複数個取付けている。本例では、12個
の基板強化用ダイヤモンドチップ6を形成している。こ
の基板強化用ダイヤモンドチップ6も、切削用ダイヤモ
ンドチップ4,5と同様に、同時焼結法によって形成さ
れる。
【0029】上記切削用ダイヤモンドチップ4,5の厚
さT1と、上記基板強化用ダイヤモンドチップ6の厚さ
T2は、図2で示すように、同一の厚さ、又は切削用ダ
イヤモンドチップ4,5の厚さT1の方がやや厚めであ
ることが好ましい。すなわち、T1=T2とするか、T
1=T2+(0.1〜0.2mm程度)厚め、としている。
【0030】また、本例の基板強化用ダイヤモンドチッ
プ6は、図1で示すように、外周側が幅広いくさび状に
形成されており、溝部2と基板1の中心とを結ぶ線上に
位置するように形成されている。これはバランス上の利
点から選択されているものであるが、基板強化用ダイヤ
モンドチップ6の形状と位置はこれに限定されるもので
はない。
【0031】さらに、本例の基板強化用ダイヤモンドチ
ップ6に含まれているダイヤモンド砥粒は、切削用ダイ
ヤモンドチップ4,5のダイヤモンド砥粒より細かいも
のを使用している。これにより安価なもの(細かいも
の)を使うことができ、製造コストを低減することが可
能となる。
【0032】次に、上記構成からなる本例のダイヤモン
ドブレードDBで切断作業をする場合について説明す
る。先ず、切削用ダイヤモンドチップ4及び5で被削材
(不図示)を切削するが、切削材へのダイヤモンドブレ
ードDBの切込みが深くなるにつれて、基板強化用ダイ
ヤモンドチップ6が被削材に接触した状態で切断作業が
進行していく。
【0033】切断作業が進行しているにしたがって、ダ
イヤモンドブレードDBの基板部分も切断面に進入して
いくが、このとき、基板強化用ダイヤモンドチップ6
は、基板1の両側から突き出ているので、切断作業中、
ダイヤモンドブレードDBを斜めにしても、基板1が被
削材の切断面に接触するのを防止することができる。
【0034】したがって、従来のように、低強度の基板
が切削熱によって変形し、被削材に接触して、切削不能
になることを防止することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明は、鋼製基板と切
削用ダイヤモンドチップとを同時焼結法で製造する概略
外径250mm以上のダイヤモンドブレードであって、
前記鋼製基板の外周にダイヤモンドホイールの中心方向
に向けて延出した舌片部を備えた略T字形の切削用ダイ
ヤモンドチップを所定間隔で取付けると共に、前記鋼製
基板の外周とダイヤモンドブレードの中心のほぼ中間位
置に外周方向に向けて所定幅で形成された基板強化用ダ
イヤモンドチップを前記鋼製基板を貫通して周方向所定
間隔で複数個取付けた構成としており、基板強化用ダイ
ヤモンドチップを取付けているので、基板側面が被削材
と直接接触せず、摩擦熱や振動の発生が防止され、作業
上の安全性の向上をより図れると共に、ブレード全体の
腰を強くすることができる。
【0036】また同時焼結法によるダイヤモンドブレー
ドであるため、高強度の焼入基板の外周にダイヤモンド
チップをレーザー溶接で取付けたダイヤモンドブレード
の場合より低いコストで製造することが可能であり、安
価なダイヤモンドブレードを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイヤモンドブレードの正面図で
ある。
【図2】図1のA−A線による部分断面図である。
【図3】従来例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 鋼製基板1 2 溝部 2a 円形部 3 取付孔 4,5 切削用ダイヤモンドチップ 4a,5a 舌片部 6 基板強化用ダイヤモンドチップ DB ダイヤモンドブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B28D 1/24 B28D 1/24 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24D 5/08 B24D 3/00 320 B24D 3/00 330 B24D 5/00 B24D 5/12 B28D 1/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製基板と切削用ダイヤモンドチップと
    を同時焼結法で製造する概略外径250mm以上のダイ
    ヤモンドブレードであって、前記鋼製基板の外周にダイ
    ヤモンドホイールの中心方向に向けて延出した舌片部を
    備えた略T字形の切削用ダイヤモンドチップを所定間隔
    で取付けると共に、前記鋼製基板の外周とダイヤモンド
    ブレードの中心のほぼ中間位置に外周方向に向けて所定
    幅で形成された基板強化用ダイヤモンドチップを前記鋼
    製基板を貫通して周方向所定間隔で複数個取付けたこと
    を特徴とするダイヤモンドブレード。
  2. 【請求項2】 前記切削用ダイヤモンドチップは、舌片
    部の中心方向に向けて延出した長さを異にした複数種類
    のものであり、前記基板強化用ダイヤモンドチップは前
    記鋼製基板に同時焼結法で形成されたものであることを
    特徴とする請求項1記載のダイヤモンドブレード。
  3. 【請求項3】 前記切削用ダイヤモンドチップの厚さ
    を、前記基板強化用ダイヤモンドチップと同等か、やや
    厚めにしたことを特徴とする請求項1または2記載のダ
    イヤモンドブレード。
  4. 【請求項4】 前記基板強化用ダイヤモンドチップは、
    くさび状に形成されていて、前記鋼製基板の外周に形成
    された溝部と前記鋼製基板の中心とを結ぶ線上に位置し
    ていることを特徴とする請求項1記載のダイヤモンドブ
    レード。
  5. 【請求項5】 前記基板強化用チップに含まれているダ
    イヤモンド砥粒は、切削用ダイヤモンドチップのダイヤ
    モンド砥粒より粒径の細かいものから構成されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のダイヤモ
    ンドブレード。
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