JP2501765Y2 - ニップロ―ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ニップロールに関し特に熱収縮性合成樹脂
チューブの製造工程に用いるに適したニップロールに関
する。

（従来の技術および考案が解決しようとする課題） 従来、ニップロールとしては、均一なゴムロールが用
いられてきたが、柔軟なものだとニップ圧力を大きくす
ると型くずれして使用に耐えなくなる。また、硬質の材
料のものであるとニップ圧が強すぎるという問題があっ
た。

特に、第２図に断面側面図を示すようにニップロール
5,6の間で合成樹脂チューブ４を軟化温度以上、融点以
下に加熱した状態で内圧をかけ、膨張させることにより
熱収縮性合成樹脂チューブ41を製造する場合、柔軟なニ
ップロールの場合には内圧が抜けないようにニップ圧力
を強くかけると短時間で型くずれを起こし、一方硬質の
ニップロールを用いると押しつぶされた合成樹脂チュー
ブの折り目部分が強く加圧されて元に戻りにくくなると
いう問題があった。

（課題を解決するための手段） 本考案は部分的に材質の硬さをかえることにより上記
問題点を解決せんとするものであり、以下図面に基き詳
細に説明する。

第１図は本考案のニップロールの一例を示す断面正面
図であり、第２図は熱収縮性合成樹脂チューブの製造工
程に使用した状態を示す断面側面図である。

本考案は第１図に示すようにニップロール表面の両端
部分およびニップロールの基体部が硬質材料からなり、
中央のニップ部２に柔軟材料層21を設けたことを特徴と
するニップロールである。

両端部分１を構成する硬質材料層11としては硬質ゴム
等が好ましく用いられる。

中央のニップ部２に設けられる柔軟材料層21として
は、軟質ゴム等が好適である。

ニップロールの全体構造としては、両端部分１を中央
のニップ部２よりも大径とした硬質材料11からなる基体
を成形し、小径の基本中央のニップ部２に柔軟材料層21
を被覆しておくことが好ましい。このことにより、ニッ
プロール中央のニップ部２は柔軟性を保っているが、両
端部分１が充分硬質であるのでニップ圧を大きくしても
両端部分１が型くずれを防ぐことができる。このニップ
ロールを用いて例えば第２図のように、熱収縮性合成樹
脂チューブを製造するために、押出機３から押し出され
た原チューブ４をニップロール５で挾みつけ、延伸装置
７で延伸し、延伸チューブ41をニップロール６で挾みつ
けながら引き取る。このニップロール5,6の間で内圧を
かけて膨張させる場合に、内圧が抜けないようにニップ
ロール5,6のニップ圧を充分上げても、第１図に示すよ
うにニップロール5,6により挾まれて押しつぶされたチ
ューブ４の折り目部分42が柔軟材料層21に接しているの
で折り目が強くつきにくいとともに、両端部分１および
基体部の硬質材料11により、ニップロール全体の型くず
れは生じにくいのである。

なお、本例では、各材料層の硬さは硬質材料層はショ
アーＡ型で95、柔軟材料層21はショアーＡ型50のものが
好適に使用できた。

また、本例のように柔軟材料層21を薄くしておけば、
中央のニップ部２が摩耗したときにこの柔軟材料層のみ
を交換すればよいから経済的である。

（考案の効果） 本考案は以上説明した如く、ニップロール表面の両端
部分およびニップロールの基体部が硬質材料からなり、
中央のニップ部に柔軟材料層を設けたことを特徴とする
ニップロールであるから充分なニップ圧をかけても型く
ずれすることがなく、しかも物品を過度に加圧する恐れ
のないすぐれたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のニップロールの一例を示す断面正面図
であり、第２図は熱収縮性合成樹脂チューブの製造工程
に使用した状態を示す断面側面図である。 １……両端部分、２……中央のニップ部、11……硬質材
料層、21……柔軟材料層。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ニップロール表面の両端部分およびニップ
   ロールの基体部が硬質材料からなり、中央のニップ部に
   柔軟材料層を設けたことを特徴とするニップロール。