JPH09136354A - エンボスパターンを有する面状熱可塑性樹脂の製造方法及びエンボスパターンを有する面状熱可塑性樹脂 - Google Patents

エンボスパターンを有する面状熱可塑性樹脂の製造方法及びエンボスパターンを有する面状熱可塑性樹脂

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JPH09136354A
JPH09136354A JP29660995A JP29660995A JPH09136354A JP H09136354 A JPH09136354 A JP H09136354A JP 29660995 A JP29660995 A JP 29660995A JP 29660995 A JP29660995 A JP 29660995A JP H09136354 A JPH09136354 A JP H09136354A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
embossed pattern
sheet
roll
pattern
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JP29660995A
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English (en)
Inventor
Junji Fujii
淳司 藤井
Akira Funaki
章 船木
Takatsugu Moriwaki
隆次 森脇
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンボス転写性が良好で、かつ転写後の型戻
りの度合いの小さいエンボスパターンを有する面状熱可
塑性樹脂の製造方法及びエンボスパターンを有する面状
熱可塑性樹脂を提供する。 【解決手段】 造核剤を含有する結晶性ポリオレフィン
樹脂よりなる熱可塑性樹脂シート11を無端ベルト15上に
重ね合わすと共に、軟化点以上に加熱し、このシート11
をエンボスパターン形成用ロール17に移動させた後、こ
のロール17においてシート11をこのロール17の外周面に
対して抱き角度が5度以上で当接させると共に、ロール
17に熱可塑性樹脂シート11を加圧しながらシート11にエ
ンボスパターンを形成し、その後エンボスパターンの形
成されたシート11を冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンボスパターン
を有する面状熱可塑性樹脂の製造方法及びエンボスパタ
ーンを有する面状熱可塑性樹脂に関し、例えばディスプ
レイ分野、建築分野、安全分野、ファッション分野等で
利用できる。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】熱可塑性
樹脂シートの表面にマイクロプリズム加工が施された再
帰反射性シート(プラスチック製反射板)が、反射板分
野、ファッション分野、建築分野等で使用されている。
このような再帰反射性シートとして、ガラスビーズ型の
もの、キューブコーナ型のもの等がある。一般に、ガラ
スビーズ型のものは近距離視認性に優れ、キューブコー
ナ型のものは遠距離視認性と光反射による輝度に優れて
いる。
【0003】前記再帰反射性シートの製造においては、
熱可塑性樹脂シートにエンボスパターン形成用の型のエ
ンボスパターンが正確に転写されなければならない。そ
のためには、特に、熱可塑性樹脂シートがエンボスパタ
ーン形成用の型に対して適当な圧力で加圧され、しかも
その加圧状態が所定時間保持されることが重要となる。
【0004】従来、このような要件に沿う再帰反射性シ
ートの製造方法として、例えば連続プレス法とベルト法
が提案されている。前記連続プレス法は、ベルト上に重
ね合わされて連続的に供給されるシート材料に対して、
加熱又は冷却機能を有する複数のプレス手段でエンボス
パターン形成用の型を順に押し当てて型をシートに転写
させる製造方法である(特公昭60-56103 号公報参
照)。
【0005】前記ベルト法は、エンボスパターンの型を
有するベルトと熱可塑性樹脂シートとを一対のローラ同
士で挟んでプレスすることにより型をシートに転写させ
る製造方法である(特公昭5-17023 号公報参照)。しか
し、前記連続プレス法によれば、生産速度が遅く、また
装置が複雑で大型になる。また、前記ベルト法によれ
ば、ベルト自体がエンボスパターンを有するものである
ため、型としてのベルトの耐久性に問題が生じる。
【0006】一方、シート原料を改善して、深絞り加工
性を改良したり、得られたシートの保形性や絞り形状保
持性を改善した発明も提案されている。例えば、ポリオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物に造核剤が添加
されている熱可塑性樹脂組成物である(特開平5-170939
号公報参照)。しかし、シート原料自体に改良が加えら
れていても、この発明に示されている絞りロールとバッ
クアップロールよりなる一対のロールを用いた連続生産
による場合、エンボスパターンを型(版)通り正確に転
写することは困難である。また、型戻りは、シート原
料、転写条件により影響されるので、型戻りが小さく均
一なエンボス形状を得るには、型の形状を変化させなけ
ればならず、コスト面や品質管理面で不利となる。
【0007】そこで、本発明は、エンボス転写性が良好
で、かつ転写後の型戻りの度合いの小さいエンボスパタ
ーンを有する面状熱可塑性樹脂の製造方法及びエンボス
パターンを有する面状熱可塑性樹脂を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
エンボスパターンを有する面状熱可塑性樹脂の製造方法
は、造核剤を含有する結晶性ポリオレフィン樹脂よりな
る面状熱可塑性樹脂をベルト上に重ね合わすと共に、軟
化点以上に加熱し、この面状熱可塑性樹脂をエンボスパ
ターン形成用ロールに移動させた後、このエンボスパタ
ーン形成用ロールにおいて前記面状熱可塑性樹脂をこの
ロールの外周面に対して抱き角度が5度以上で当接させ
ると共に、前記ロールに前記面状熱可塑性樹脂を加圧し
ながら前記面状熱可塑性樹脂にエンボスパターンを形成
し、その後前記エンボスパターンの形成された面状熱可
塑性樹脂を冷却することを特徴とする。
【0009】前記面状熱可塑性樹脂には、厚さの比較的
厚いシート及び厚さの比較的薄いフィルムを含み、厚さ
は任意であるが、好ましくは0.1mm〜20mmである。前記
厚さの範囲を外れると、加工性が悪化する虞れがある。
また、樹脂の種類の異なる多層構造や樹脂以外の材質と
の複合構造であってもよい。
【0010】前記造核剤としては、結晶化速度を速める
造核効果のある有機系物質及び無機系物質を任意に使用
できる。有機系造核剤の具体例は、例えば、ジベンジリ
デンソルビトール(DBSと略す)、パラ・メチル・D
BS、パラ・エチル・DBS、パラ・クロル・DBS、
ジ安息香酸アルミニウム、塩基性ジ・パラ・ターシャリ
・ブチル安息香酸アルミニウム、ベータ−ナフトエン酸
ソーダ、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ソーダ、
コハク酸ソーダ、グルコン酸ソーダ、カプロン酸ソー
ダ、リン酸2,2−メチレンビス(4,6−ジターシャ
リ・ブチルフェニル)ソーダ、フタロシアニン、キナク
リドン、高融点ポリマーである。前記DBSの誘導体
は、下記化1の一般式で表される化合物である。
【0011】
【化1】
【0012】化1の式中、Rは炭素数1〜8のアルキル
基、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基のい
ずれかであり、同一化合物中、両Rは互いに異なるもの
であってもよい。また、m、nはそれぞれ0〜3の整数
である。
【0013】無機系造核剤の具体例は、例えば、ミョウ
バン、チタン、タルクである。前記エンボスパターンの
具体的形状は任意であり、例えば再帰反射性シートとし
て使用するのであれば、パターンを三角錐ダイヤカット
パターン(キューブコーナパターン)とする。パターン
を構成する連続的に配列されたエレメントの大きさは任
意であり、相似形であればよい。また、エレメントの密
度は任意であるが、50個/cm2 以上が好ましい。本発明
においては、結晶性ポリオレフィン樹脂中に造核剤を添
加して結晶化速度を速めることにより、型戻りの減少効
果が得られるようになる。
【0014】前記抱き角度とは、エンボスパターン形成
用ロールと接触している面状熱可塑性樹脂の両端部に対
するこのロール中心からの角度のことである。前記抱き
角度が5度以上より小さい場合には、プリズムの型再現
性が悪化する。なお、具体的角度は、処理速度、前記ロ
ールの径、シートの材料等によって異なる。
【0015】前記ベルトは、金属製、特にステンレス製
とするのがよい。ベルトの厚さは、例えば0.3〜1.5mmと
するが、0.5〜0.8mmが好ましい。材料にもよるがベルト
の厚さが、0.3mmより薄い場合にはベルトの強度が弱く
なって耐久性が悪くなる。逆に、1.5mmより厚いと、ベ
ルトを保持するロールの径を大きくしなければならず、
装置が大型化する。また、加熱、冷却の効率が悪くなっ
て製造コストが上昇する。このベルトは、その表面粗さ
が3S以下の鏡面が好ましく、より好ましくは1S以下
である。3Sより大きいと、製造された面状熱可塑性樹
脂の非エンボス面に光が乱反射して輝度が落ちる。
【0016】本発明の第2発明に係るエンボスパターン
を有する面状熱可塑性樹脂の製造方法は、第1発明にお
いて、前記面状熱可塑性樹脂にエンボスパターンを形成
する際の加圧を面圧4.9MPa以上として行うことを特
徴とする。前記面圧が4.9MPaより低い場合にはエン
ボスパターンの型再現性が悪化する。なお、上限は1960
MPa程度が好ましい。面圧が1960MPaより高い場合
にはベルトの耐久性が低下する。また、装置が大型化し
て製造コストが上昇することもある。
【0017】本発明の第3発明に係るエンボスパターン
を有する面状熱可塑性樹脂の製造方法は、第1又は第2
発明において、前記面状熱可塑性樹脂にエンボスパター
ンを形成する際の前記エンボスパターン形成用ロールの
温度は、前記ベルトの温度より低いことを特徴とする。
前記エンボスパターン形成用ロールの温度がベルトの温
度より高い場合にはエンボスパターンの型再現性が悪化
する。また、エンボスパターン形成直後、面状熱可塑性
樹脂がエンボスパターン形成用ロールに粘着する虞れも
ある。前記エンボスパターン形成用ロールの温度は、例
えば80℃以下とする。
【0018】本発明の第4発明に係るエンボスパターン
を有する面状熱可塑性樹脂は、造核剤を含有する結晶性
ポリオレフィン樹脂よりなる面状熱可塑性樹脂をベルト
上に重ね合わすと共に、軟化点以上に加熱し、この面状
熱可塑性樹脂をエンボスパターン形成用ロールに移動さ
せた後、このエンボスパターン形成用ロールにおいて前
記面状熱可塑性樹脂をこのロールの外周面に対して抱き
角度が5度以上で当接させると共に、前記ロールに前記
面状熱可塑性樹脂を加圧しながら前記面状熱可塑性樹脂
にエンボスパターンを形成し、その後前記エンボスパタ
ーンの形成された面状熱可塑性樹脂を冷却することによ
り製造されたことを特徴とする。即ち、本発明は、第1
発明の製造方法により得られたエンボスパターンを有す
る面状熱可塑性樹脂である。
【0019】本発明の第5発明に係るエンボスパターン
を有する面状熱可塑性樹脂は、第4発明において、前記
造核剤の含有量が、0.5〜10000重量ppm であることを特
徴とする。造核剤の含有量が0.5重量ppm より少ない場
合には、造核剤の添加による効果が充分に発現しない。
逆に、10000重量ppm より多い場合には、造核剤のシー
ト表面へのブリードが生じる上、高コストとなって経済
的でない。好ましい添加量は、100〜4000重量ppm であ
る。
【0020】本発明の第6発明に係るエンボスパターン
を有する面状熱可塑性樹脂は、第4又は第5発明におい
て、前記結晶性ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン、
ポリプロピレン又はポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マー(TPO)であることを特徴とする。前記TPO
は、ハードセグメントとしてポリプロピレン、ソフトセ
グメントとしてエチレン・ポリプロピレンゴムからな
る。
【0021】
【発明の実施の形態】図1〜5を参照して本発明の一実
施形態に係るエンボスパターンを有する面状熱可塑性樹
脂である熱可塑性樹脂シートの製造方法及びエンボスパ
ターンを有する熱可塑性樹脂シートを説明する。先ず、
本実施形態の製造方法において使用する製造装置を説明
する。
【0022】図1に示すように、この製造装置は、原反
の熱可塑性樹脂シート11を供給する供給ロール12と、第
1の送りロール13と第2の送りロール14の間に巻回され
た無端ベルト15と、熱可塑性樹脂シート11を第1の送り
ロール13に密着させる弾性ロール16と、第1と第2の送
りロール13,14の間の無端ベルト15に対して外周面の一
部が面状に当接するように設けられたエンボスパターン
形成用ロール17と、熱可塑性樹脂シート11を加圧する加
圧ロール(バックロール)18とを有している。なお、供
給ロール12の代わりに、原反の熱可塑性樹脂シートを直
接供給する押出機を設けておいてもよい。
【0023】前記第1の送りロール13は、その内部に熱
可塑性樹脂シート11を加熱するための電熱ヒータ等の加
熱手段(図示せず)を有している。前記弾性ロール16
は、その外周面にシリコーンゴム製の耐熱性弾性部材21
が張り付けられたものである。前記無端ベルト15は、ス
テンレス製であり、その表面粗さが3S以下の鏡面とな
っている。
【0024】前記エンボスパターン形成用ロール17は、
第1と第2の送りロール13,14の間に張られたベルト15
が、対向するベルト15側に押し込まれた位置に配置さ
れ、その外周面の一部がベルト15に面状に当接してい
る。そして、熱可塑性樹脂シート11のエンボスパターン
形成用ロール17と接触している部分の両端部に対するこ
のロール17中心からの角度(抱き角度)θは、5度以上
となっている。そして、この抱き角度θにおいてベルト
15の張力がロール17に掛かっている。
【0025】図2、3に示すように、このエンボスパタ
ーン形成用ロール17は、その外周面に熱可塑性樹脂シー
ト11にエンボスパターン22(図4、5参照)を形成する
ための型23が形成されている。この型23は、例えばキュ
ーブコーナ型エンボスパターン22に対応した凹凸形状で
ある。前記加圧ロール18は、無端ベルト16の裏面側から
熱可塑性樹脂シート11をエンボスパターン形成用ロール
17に対して押圧するように付勢されて配置されている。
前記熱可塑性樹脂シート11を冷却する冷却手段(図示せ
ず)は、第2の送りロール14内に設けられており、例え
ば水冷式の装置である。
【0026】次に、本装置を使用した本実施形態の熱可
塑性樹脂シート11の製造方法を説明する。図1に示すよ
うに、供給ロール12から繰り出された原反の熱可塑性樹
脂シート11は、前記第1の送りロール13の外周面の無端
ベルト15に前記弾性ロール16で押圧されてこの無端ベル
ト15に重ね合わされる。この弾性ロール16の押圧力は、
第1の送りロール13に対して面圧4.9MPa以上となっ
ている。この無端ベルト15に重ね合わされたシート11
は、第1の送りロール13の加熱手段によってシート11の
軟化点以上に加熱される。前記熱可塑性樹脂シート11
は、造核剤を含有する結晶性ポリオレフィン樹脂よりな
る。
【0027】次に、軟化点以上に加熱された熱可塑性樹
脂シート11は、第1と第2の送りロール13,14の回転に
伴い、前記エンボスパターン形成用ロール17に移動し、
前記抱き角度θにおけるベルト15の張力によってロール
17の型23がシート11に転写されてエンボス加工される。
この際、前記加圧ロール18による押圧によってこのエン
ボス加工が補助される。この加圧ロール18による押圧力
は、面圧4.9MPa以上となっている。なお、このエン
ボスパターン形成用ロール17は、加熱されていないた
め、無端ベルト15及びこの無端ベルト15に重ね合わされ
たシート11よりも温度が低くなっている。
【0028】次に、図4、5に示すように、エンボスパ
ターン22の形成されたシート11は、第2の送りロール14
に移動する間に自然冷却され、更に、第2の送りロール
14において無端ベルト15を介して冷却される。これによ
り、シート11は無端ベルト15から容易に剥離し、本実施
形態のエンボスパターン22を有する熱可塑性樹脂シート
11が得られる。
【0029】本実施形態によれば、熱可塑性樹脂シート
として造核剤を含有する結晶性ポリオレフィン樹脂より
なる熱可塑性樹脂シート11を使用し、このシート11への
エンボス加工の際、エンボスパターン形成用ロール17の
無端ベルト15に対する抱き角度が5度以上となっている
ことに加えて、加圧ロール18によってこのエンボス加工
が補助されているため、ロール17の型23をシート11に再
現性良く転写することができる。しかも、熱可塑性樹脂
シート11にエンボス加工する際の面圧が4.9MPa以上
に制御されているため、エンボスパターンの型再現性が
良好である。
【0030】そして、図3、5に示すように、エンボス
パターン形成用ロール17の型23の開口面から凹部内への
角度をθ1 、この型23内の体積をS1 、またシート11の
前記θ1 に対応したエンボスパターン22の角度をθ2
エンボスパターン22の体積をS2 とした場合、本実施形
態により、型戻り角度|θ1−θ2|及び型戻り体積比S
2 /S1 のうちの少なくとも一方に関して、下記の特性
を有するシート11が得られる。即ち、型戻り角度に関し
ては、|θ1−θ2|≦5°となっている。また、型戻り
体積に関しては、0.8 ≦S2/S1≦1.0 となっている。
従って、エンボス転写性が良好で、かつ転写後の型戻り
の度合いが小さいため、前記シート11を導光板や再帰反
射性シートとして使用した場合、好ましい性能を発揮で
きる。
【0031】また、前記エンボスパターン形成用ロール
17の温度は、前記無端ベルト15の温度より低くなってい
るため、シート11へのエンボスパターン22の型再現性が
良好である。更に、本実施形態による熱可塑性樹脂シー
ト11は、造核剤の添加により結晶化速度が速められたも
のであるため、内部ヘイズが低く、透明性の高いもので
ある。
【0032】〔実施例1〕上記実施形態において、製造
装置及び製造条件を下記の通りとしてエンボスパターン
を有する熱可塑性樹脂シート11を製造した。
【0033】(1)製造装置 第1のロールの直径……300mm 無端ベルトの材質……ステンレス 無端ベルトの厚さ……0.5mm 無端ベルトの幅……450mm 無端ベルトの表面粗さ……1S エンボスパターン形成用ロールの直径……250mm エンボスパターン……凹状三角錐型、三角状開口の一辺
の長さ150μm 加圧ロールの直径……100mm 第2のロールの直径……300mm
【0034】(2)製造条件 シートの熱可塑性樹脂……出光ポリプロピレンF-205S
(商品名、出光石油化学株式会社製) 造核剤 ……ゲルオールDH(商品名、新日本理化学株
式会社製、DBS) 造核剤の含有量……1000重量ppm シートの厚さ……0.5mm シートの幅 ……670mm 第1のロールの温度……180℃ ベルト温度(エンボスパターン形成用ロール直前)……
160℃ シート温度(エンボスパターン形成用ロール直前)……
160℃ エンボスパターン形成用ロールの温度……100℃ 無端ベルトの抱き角度……30度 加圧ロールの面圧……4.9MPa 第2のロールの温度……25℃ 処理速度……2m/min.
【0035】〔実施例2〕実施例1において、造核剤の
添加量を0.5 重量ppm とし、それ以外は実施例1と同様
にしてエンボスパターンを有する熱可塑性樹脂シート11
を製造した。
【0036】〔実施例3〕本実施例の場合、得られる熱
可塑性樹脂シート11のエンボスパターンは、半球状であ
り、エンボスパターン形成用ロール17には、そのための
型23が形成されている。半球の直径は300μm、隣合う
半球間の間隔は、100μmである。その他は、実施例1
と同様にしてエンボスパターンを有する熱可塑性樹脂シ
ート11を製造した。
【0037】〔実施例4〕図6、7に示すように、本実
施例の場合、得られる熱可塑性樹脂シート11のエンボス
パターン22は、ピラミッド型であり、エンボスパターン
形成用ロール17には、そのための型23が形成されている
(図8参照)。ピラミッド型エンボスパターン22の底辺
の一辺は400μm、高さは150μmである。その他は、実
施例1と同様にしてエンボスパターンを有する熱可塑性
樹脂シート11を製造した。
【0038】〔比較例1〕実施例1において、造核剤の
添加量を0.4重量ppm とし、それ以外は実施例1と同様
にしてエンボスパターンを有する熱可塑性樹脂シートを
製造した。
【0039】〔比較例2〕実施例1において、熱可塑性
樹脂シートを造核剤無添加のポリプロピレンシートと
し、それ以外は実施例1と同様にしてエンボスパターン
を有する熱可塑性樹脂シートを製造した。
【0040】〔比較例3〕熱可塑性樹脂シートを造核剤
添加量0.4重量ppm のポリプロピレンシート、またエン
ボスパターン形成用ロールを実施例3のエンボスパター
ン形成用ロールとし、それ以外は実施例1と同様にして
エンボスパターンを有する熱可塑性樹脂シートを製造し
た。
【0041】上記実施例1〜4及び比較例1〜3につい
て、型戻り角度|θ1−θ2|又は型戻り体積比S2/S
1 を測定した。それらの結果を下記の表1に示す。な
お、前記型戻り角度は、図3、5に示すように、断面に
ついて、電子顕微鏡(500 倍)で観察して測定したもの
である。また、前記型戻り体積比は、図3、5に示すよ
うに、上面と断面について、電子顕微鏡(500 倍)で観
察して測定し、測定結果より計算したものである。
【0042】
【表1】
【0043】表1より、実施例1〜4によれば、本実施
形態に係る装置を使用して、造核剤を含有する結晶性ポ
リオレフィン樹脂よりなる熱可塑性樹脂シート11に対し
て本実施形態の条件でエンボスパターンを有する熱可塑
性樹脂シート11を製造したため、得られた熱可塑性樹脂
シート11は、型戻り角度が小さく、かつ型戻り体積比が
大きいことがわかる。従って、本実施形態に係るエンボ
スパターンを有する面状熱可塑性樹脂の製造方法によれ
ば、エンボス転写性を良好にし、かつ転写後の型戻りの
度合いを小さくできる。
【0044】一方、比較例1によれば、本実施形態に係
る装置を使用しているが、造核剤の添加量が少ない熱可
塑性樹脂シートを使用してエンボスパターンを有する熱
可塑性樹脂シートを製造したため、実施例と比べて型戻
り角度が若干大きく、実施例ほどエンボス転写性と転写
後の型戻り性が良好でないことがわかる。
【0045】比較例2によれば、本実施形態に係る装置
を使用しているが、造核剤無添加のポリプロピレンより
なる熱可塑性樹脂シートを使用してエンボスパターンを
有する熱可塑性樹脂シートを製造したため、実施例と比
べて、型戻り角度がかなり大きく、エンボス転写性と転
写後の型戻り性が不良であることがわかる。
【0046】比較例3によれば、本実施形態に係る装置
を使用しているが、造核剤の添加量が少ない熱可塑性樹
脂シートであるうえ、実施例3のエンボスパターン形成
用ロールを使用してエンボスパターンを有する熱可塑性
樹脂シートを製造したため、得られた熱可塑性樹脂シー
トは、実施例と比べて、型戻り体積比が小さく、エンボ
ス転写性と転写後の型戻り性が不良である。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、エンボス転写性が良好
で、かつ転写後の型戻りの度合いの小さいエンボスパタ
ーンを有する面状熱可塑性樹脂が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る製造装置の概略図で
ある。
【図2】同実施形態のエンボスパターン形成用ロールの
拡大断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】同実施形態のエンボスパターンを有する熱可塑
性樹脂シートの拡大断面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】実施例3のエンボスパターンを有する熱可塑性
樹脂シートの拡大断面図である。
【図7】図6のC−C線断面図である。
【図8】実施例3で使用するエンボスパターン形成用ロ
ールの拡大断面図である。
【符号の説明】
11 面状熱可塑性樹脂である熱可塑性樹脂シート 13 第1の送りロール 14 第2の送りロール 15 無端ベルト 16 弾性ロール 17 エンボスパターン形成用ロール 18 加圧ロール 21 耐熱性弾性部材 22 エンボスパターン 23 型

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 造核剤を含有する結晶性ポリオレフィン
    樹脂よりなる面状熱可塑性樹脂をベルト上に重ね合わす
    と共に、軟化点以上に加熱し、この面状熱可塑性樹脂を
    エンボスパターン形成用ロールに移動させた後、 このエンボスパターン形成用ロールにおいて前記面状熱
    可塑性樹脂をこのロールの外周面に対して抱き角度が5
    度以上で当接させると共に、前記ロールに前記面状熱可
    塑性樹脂を加圧しながら前記面状熱可塑性樹脂にエンボ
    スパターンを形成し、 その後前記エンボスパターンの形成された面状熱可塑性
    樹脂を冷却することを特徴とするエンボスパターンを有
    する面状熱可塑性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記面状熱可塑性樹脂にエンボスパター
    ンを形成する際の加圧は、面圧4.9MPa以上で行うこ
    とを特徴とする請求項1に記載のエンボスパターンを有
    する面状熱可塑性樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記面状熱可塑性樹脂にエンボスパター
    ンを形成する際の前記エンボスパターン形成用ロールの
    温度は、前記ベルトの温度より低いことを特徴とする請
    求項1又は2に記載のエンボスパターンを有する面状熱
    可塑性樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 造核剤を含有する結晶性ポリオレフィン
    樹脂よりなる面状熱可塑性樹脂をベルト上に重ね合わす
    と共に、軟化点以上に加熱し、この面状熱可塑性樹脂を
    エンボスパターン形成用ロールに移動させた後、 このエンボスパターン形成用ロールにおいて前記面状熱
    可塑性樹脂をこのロールの外周面に対して抱き角度が5
    度以上で当接させると共に、前記ロールに前記面状熱可
    塑性樹脂を加圧しながら前記面状熱可塑性樹脂にエンボ
    スパターンを形成し、 その後前記エンボスパターンの形成された面状熱可塑性
    樹脂を冷却することにより製造されたことを特徴とする
    エンボスパターンを有する面状熱可塑性樹脂。
  5. 【請求項5】 前記造核剤の添加量は、0.5〜10000重量
    ppm であることを特徴とする請求項4に記載のエンボス
    パターンを有する面状熱可塑性樹脂。
  6. 【請求項6】 前記結晶性ポリオレフィン樹脂は、ポリ
    エチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィン系熱可塑
    性エラストマーであることを特徴とする請求項4又は5
    に記載のエンボスパターンを有する面状熱可塑性樹脂。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010107229A (ko) * 2000-05-26 2001-12-07 김현대 연속생산이 가능한 반사지 성형장치
JP2004151346A (ja) * 2002-10-30 2004-05-27 Alps Electric Co Ltd 照明装置及び液晶表示装置と拡散性シートの製造方法
KR101408741B1 (ko) * 2013-04-30 2014-06-18 (주)새한나노텍 임프린트 장치

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