JP2501222Y2 - 合成樹脂製グリップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えば刈払機の操作桿用合成樹脂製スロッ
トルグリップ等の取付装置に関する。

従来の技術 一般に、刈払機等の作業機械では、操作桿にスロット
ルグリップを取付け、操作者が作業中にスロットグリッ
プを把持して操作桿を所望の方向へ向けると共にスロッ
トルグリップのスロットルレバーを操作して内燃機関の
動作を制御しながら草刈等の作業を行うようになってい
る。従来、このような作業機械では、合成樹脂製のスロ
ットルグリップを金属製の操作桿に直接に締付けて取付
けており、このため作業中にスロットルグリップが操作
桿に対して滑って長手方向へ移動したり又は周方向へ回
動したりすることがあり、作業に支障をきたすという欠
点があった。また、これを防ぐためにスロットルグリッ
プの上から板金製のバンドで締付けてスロットルグリッ
プをより強固に操作桿に取付けんとする構造が知られて
いるが、この様な構造でも緩みが生ずることがあり、ま
た、バンドが外部に露出しているので製品としての美観
や安全性を損なうという欠点を有する。

考案が解決しようとする課題 そこで、本考案は、このような従来の技術の欠点を取
除くためになされたものであり、スロットルグリップ等
の合成樹脂製部材を操作桿等の金属製部材に確実に取付
けることができ、製品美観や安全性を損なわず、構造が
簡単であり且つ製作及び組立が容易である部材取付装置
を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 即ち、本考案によれば、金属製操作桿に合成樹脂製グ
リップを取付ける装置であって、前記合成樹脂製グリッ
プの内側において締付ねじの締付によって前記金属性操
作桿の外周に固定された前記合成樹脂製グリップとは別
体の金属製固定金具と、前記合成樹脂製グリップに一体
に成形された半径方向内方へ突出する内方突出部と、前
記固定金具に形成され前記内方突出部が嵌合係止する係
止穴と、前記締付ねじを前記合成樹脂製グリップの内側
へ挿入するために前記合成樹脂製グリップに形成された
貫通穴とを具備する構成を特徴とする。

作用 従って、金属製固定金具は金属製操作桿に強固に且つ
確実に固定され、合成樹脂製グリップはその内方突出部
が固定金具の穴に嵌合係止することによって長手方向及
び周方向のいずれに対しても移動不能に保持され、また
固定金具及びそれを締付けるねじは合成樹脂製グリップ
の内側に配置され、外部へ露出しない。

実施例 次に、本考案を図面の一実施例に基づいて説明する。

図示した実施例は、主として刈払機のためのアルミニ
ウムのような金属製の細長い操作桿１と、後述するよう
にして該操作桿１の外周面にそれを取囲むように取付け
られた適度の可撓性を有する合成樹脂製のスロットルグ
リップ２とを有し、前記操作桿１はその後端部に動力源
としての内燃機関（図示せず）を設けており、前記操作
桿１の先端部には刈払刃（図示せず）が設けられ、該刈
払刃は前記内燃機関から前記操作桿１内を通る伝動軸３
によって回転駆動され、草刈作業等を行うことができる
ようになっている。前記スロットルグリップ２は適当な
合成樹脂で前記操作桿の軸線に沿って左右割り形に作ら
れ、比較的薄い壁構造をもった全体的に前記操作桿１の
外周を取り囲む円筒状に形状に組立形成され、且つ操作
者が把持する中央部分４と、該中央部分より前方の前方
部分５と、前記中央部分４より後方の後方部分６とを一
体に有し、これらの内部を前記操作桿１が貫通してい
る。前記前方部分５はその下部に前記中央部分４の方へ
延びるスロットルレバー７を枢着しており、また前記中
央部分４の上部にはスロットルレバー７をアイドリング
位置に係止する係止レバー８を枢着している。前記スロ
ットルレバー７はケーブル（図示せず）によって内燃機
関のスロットル弁（図示せず）へ連結され、作業者は作
業中に係止レバー８を掌で押してスロットルレバー７を
解放し、指で操作して内燃機関の動作を制御し得るよう
になっている。

更に、前記スロットルグリップ２はその前方部分５の
の内面に半径方向内方へ突出して前記操作桿１の外周面
に当接する一対の対向する内方突出部９及び10を一体に
形成している。これ等の内方突出部９及び10が当接する
前記操作桿１の外周面の領域に金属製の帯状固定金具11
が巻付けられており、該固定金具11の両端部12及び13は
前記操作桿１の下側で下方へほぼ平行に延び、且つ、こ
れ等の端部12及び13は互いに整合する穴14及び15をそれ
ぞれ形成している。前記固定金具11の一方の端部12の外
側面には、前記一方の穴14と同軸状に形成されたねじ穴
16を有するナット部分17を一体に形成しており、該ナッ
ト部分17の前記ねじ穴16には後述するようにして前記両
穴14,15を通して延びる締付ねじ18が螺着される。ま
た、前記固定金具11は前記操作桿１の外周面に巻付いて
いる部分に、前記スロットルグリップ２の前記内方突出
部９及び10をそれぞれ受入れ係止する係止穴19及び20を
形成しており、前記スロットルグリップ２の前記内方突
出部９及び10は前記固定金具11の前記係止穴19及び20へ
それぞれ嵌合して操作桿１の外周面に当接している。

更に、前記スロットルグリップ２は前記固定金具11の
他方の端部13に近接した前記前方部分５の一側部に貫通
穴21を形成しており、該貫通穴21は前記固定金具11の前
記他方の端部13の前記穴15と整合して配設されている。
また、前記スロットルグリップ２はその中央部分４と後
方部分６との間の下側部分に周方向へ延びるスロット22
を形成しており、前記後方部分６の下側部分は左右一対
の前記中央部分４から軸線方向に分離されたフランジ部
分23,23を形成している。該フランジ部分23,23はそれら
に螺合するビス24によって一緒に操作桿１の外周を締付
けることができるようになっている。

この左右割り形のスロットルグリップ２は、その内方
突出部９及び10を固定金具11の係止穴19及び20にそれぞ
れ嵌合させスロットルレバー７及び係止レバーを組み付
け、左右一緒に予めねじ25で一体に組立てられている。
このように予め組立てられたスロットルグリップ２はそ
の前方部分５側から操作桿１を挿入され、固定金具11を
操作桿１の外周面上に摺動させる。スロットルグリップ
２が操作桿１に対して所定の位置に配置された時、スロ
ットルグリップ２の前方部分５の貫通穴21を通して固定
金具11の穴15及び14を貫通してナット部分17のねじ穴16
へ係合され、更に締付ねじ18は貫通穴21を通して挿入さ
れたねじ回し等の工具でねじ穴16中へねじ込まれ、それ
により金属製の固定金具11は金属製の操作桿１の外周面
へ強固に且つ確実に固定される。このとき、スロットル
グリップ２はその内方突出部９及び10を固定金具11の係
止穴19及び20へそれぞれ嵌合係止させているので、スロ
ットルグリップ２は操作桿１に対して長手方向及び周方
向へ移動不能に保持される。また、固定金具11及び締付
ねじ18はスロットルグリップ２の内側にあって外部へ露
出しないので操作桿１及びスロットルグリップ２の製品
としての美観や安全性を損ねることがない。なお、スロ
ットルグリップ２の後方部分６の下側部分の左右のフラ
ンジ部分23をビス24で締付けてスロットルグリップ２の
操作桿１への固定を補強することができる。

考案の効果 以上説明した本考案の構成により、本考案は、合成樹
脂製グリップを金属製部材に対して移動不能に確実に取
付けることができ、固定金具及びねじが外部へ露出する
ことがなく、製品の美観及び安全性を良好に維持し、構
造が簡単であり且つ製品及び組立てが容易である部材取
付装置を提供し得る等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る一実施例を示す操作桿用スロット
ルグリップ取付装置の側面図、第２図は第１図の線II−
II矢視断面図、第３図は第１図の実施例における固定金
具の拡大正面図、そして第４図は第３図の固定金具の右
側面図である。 １……金属製部材、２……合成樹脂製部材、9,10……内
方突出部、11……固定金具、18……締付ねじ、19,20…
…係止穴、21……貫通穴。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】金属製操作桿（１）に合成樹脂製グリップ
   （２）を取付ける装置であって、前記合成樹脂製グリッ
   プの内側において締付ねじ（18）の締付によって前記金
   属製操作桿の外周に固定された前記合成樹脂製グリップ
   とは別体の金属製固定金具（11）と、前記合成樹脂製グ
   リップに一体に成形された半径方向内方へ突出する内方
   突出部（9,10）と、前記固定金具に形成され前記内方突
   出部が嵌合係止する係止穴（19,20）と、前記締付ねじ
   を前記合成樹脂製グリップの内側へ挿入するために前記
   合成樹脂製グリップに形成された貫通穴（21）とを具備
   することを特徴とする合成樹脂製グリップ取付装置。