JP2500813B2 - 鋼帯の電気めっき装置およびその操業方法 - Google Patents

鋼帯の電気めっき装置およびその操業方法

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JP2500813B2 JP3021738A JP2173891A JP2500813B2 JP 2500813 B2 JP2500813 B2 JP 2500813B2 JP 3021738 A JP3021738 A JP 3021738A JP 2173891 A JP2173891 A JP 2173891A JP 2500813 B2 JP2500813 B2 JP 2500813B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼帯の電気めっき装置
およびその操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に鋼帯の電気めっきは、鋼帯と電極
板をめっき液中に浸漬し、鋼帯を直流電源の陰極に、電
極板を陽極に接続し、通電することによりめっき液中の
陽イオンを鋼帯に付着させて行っている。
【0003】図5は、垂直型の電気めっき装置の例で
ある。図5において、めっき槽1中にめっき液2が満た
され複数対の電極板3が配置されている。鋼帯4は、め
っき槽1上部に設置されたターンロール6によってめっ
き槽1内に導かれ、1対の電極板3の間を通りシンクロ
ール5によって向きをかえ、再び別の1対の電極板3の
間を通りターンロール6を経由して次工程に進む。鋼帯
4は、コンダクターロール7によって直流電源11の陰
極に接続されている。また、直流電源11の陽極は電極
板3に接続されている。
【0004】めっき液2は、めっき槽1内での均一濃度
の確保のため循環パイプ12を経由してサーキュレーシ
ョンタンク8に入り、そこで濃度を調整され、循環ポン
プ9によって再びめっき槽1に戻る。循環ポンプ9の後
のフィルター10によって、めっき液2中の不純物も除
去されるようになっている。単位時間にめっきされる量
は、電極板−鋼帯間の電流に左右される。
【0005】ところで、電極板−鋼帯間に流す電流のう
ちめっきに使われる電流の割合(めっき効率)を上げる
ためには、電極板−鋼帯間を短くする必要がある。しか
し、電極板−鋼帯間を短くすると、鋼帯の位置の少しの
ずれによって鋼帯の表裏での電極板までの距離の差が相
対的に大きくなり、めっき量に差ができるので、鋼帯を
電極板間の中央を通すことが重要である。
【0006】一方、めっき槽1内のめっき液2の流れ
は、図6に示すように鋼帯4の動きによってひきおこさ
れる流れ13とそれによって動くめっき液2を補償しよ
うとする平面流れ14が主な流れである。この流れ14
の鋼帯4の表と裏への流れ込みやすさが異なるため鋼帯
4の表裏で圧力差を生じ、鋼帯4の進行方向の反りと幅
方向の反りを発生する。このため、鋼帯4と電極板3の
間の距離が不均一になりめっきむらがおこる。これをさ
けるために、鋼帯4の最高通板速度は制限されていた。
【0007】鋼帯の位置を拘束する方法としては、フロ
ーター等で用いられている流体の運動量変化を利用する
方法が考えられる。その原理については、例えば日本機
械学会編 機械工学便覧改訂第5版 P8−31〜P8
−32に記載されている。この方法は、主に流体が気体
の場合に用いられているが、これを電気めっき設備に応
用した場合、電極板3の形状は、図7に示すようにな
る。すなわち、各電極板3の上下2か所に下向きおよび
上向きのノズル15を設けておき、ノズル15から噴出
する流体の流れ16が鋼帯4に当って方向を変える時の
運動量変化によって鋼帯4に力を及ぼしその位置を拘束
することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法を用いようとすると、ノズル間距離17を短くとる必
要があり、また、噴流量を多くしなければならないとい
う欠点があり、利用されていない。
【0009】一方、静水圧を用いて鋼帯を拘束する方法
として、電極板にテーパーをつける方法が開発されてい
る(日本鉄鋼協会第120回講演論文集P1531参
照)。図8にその原理を示す。1対の電極板3間の間隔
を鋼帯4の通板方向に狭くなるように設ける。すなわ
ち、テーパ部で液の流れが邪魔され圧力を生じ、それに
よって鋼帯4を拘束している。しかしながら、この方法
が効果を出すにはテーパの頂点と鋼帯との間の距離18
を非常に狭く(約3mm)する必要があり、外乱によっ
て鋼帯4が動いた場合にテーパにふれるため高速での通
板は不可能であった。
【0010】本発明は、上記のような問題を解決すべく
してなされたものであって、電極板から鋼帯に向け垂直
方向にめっき液を流すことにより、鋼帯電極板の中央
を高速で搬送させることのできるようにした鋼帯の電気
めっき装置およびその操業方法を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高速にお
いて電気めっきされる鋼帯が、その進行方向や幅方向に
反る原因は、電極板と、鋼帯との間のめっき液が鋼帯に
同伴して流れ、その液を補償するために生ずる平面流に
あることを知見し、この観点から本発明をなすに至っ
ものである。
【0012】すなわち、上記目的を達成するために
発明によれば、めっき槽内に少くとも1対の電極板を有
し、この電極板間に鋼帯を通板し、前記電極板と鋼帯と
の間に電圧をかけることにより鋼帯に連続的にめっきを
うめっき装置において、前記少なくとも1対の電極板
が、ともに、前記めっき槽内のめっき液の均一濃度確保
のためのめっき液の循環系とは別個に設けられためっき
液の昇圧強制循環系に接続され、中空構造を有し、かつ
鋼帯に向って垂直方向に強制的にめっき液を流すための
多数の開孔を鋼帯対向面に設けたことを特徴とする鋼帯
の電気めっき装置が提供される。
【0013】また、本発明によれば、めっき槽内に少な
くとも1対の電極板を有し、この電極板間に鋼帯を通板
し、前記電極板から鋼帯に向って垂直方向に強制的にめ
っき液を流し、前記電極板と鋼帯との間に電圧をかける
ことにより鋼帯に連続的にめっきを行う鋼帯の電気めっ
き装置を操業するに際し、前記電極板から鋼帯に向って
流すめっき液は、下記式で与えられる量であることを特
徴とする鋼帯の電気めっき装置の操業方法が提供され
る。 Q≧1.39×10-2×(LS−LSO 1.67 ここで、Q :電極板1m2 当りから流すめっき液量(m3/hr・m2) LS :鋼帯の安定通板限界速度(m/min) LSO :Q=の時の安定通板限界速度(m/min)
【0014】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例を示す電気めっき
装置の構成図である。めっき槽1、電極板3、循環パイ
プ12等および鋼帯4の通板系等は図5にて説明したも
のと全く同様である。
【0016】本発明は、上記装置の電極板3から鋼帯4
面に向って垂直方向に強制的にめっき液2を流す手段を
有する。
【0017】すなわち、前記手段はめっき槽1に槽内の
めっき液2を吸い込むための吸込管19の一端を取付
け、その他端側に昇圧ポンプ20とその吐出側に吐出管
21を連設してなる。
【0018】前記吐出管21の他端は各電極板3に配管
されている。
【0019】前記電極板3の形状は、ヘッダー効果が得
られるので、図2および図3に示すように多数の開孔2
2を鋼帯4対向面に有する中空の箱型構造とする。吐
出管21の他端は図3に示すように電極板3の開孔22
面の背面に取付ける。
【0020】前記電極板3の多数の開孔22は、できる
だけ小径とし、電極板3の全面の均等に分散して設ける
のが好ましい。
【0021】上記構成の本発明の鋼帯の電気めっき装置
を操業するに際し、昇圧ポンプ20で昇圧されためっき
液2は吐出管21を介して各電極板3へ吐出される。こ
のめっき液2は、電極板3の開孔22から鋼帯4の面に
対し垂直方向に吐出される。
【0022】電極板3から鋼帯4に向って流出されるめ
っき液2は、鋼帯4に同伴して移動しためっき液を補償
するものであり、これによって平面流が減り、鋼帯4に
働く力が小さくなる。
【0023】本発明者らは、この効果を鋼帯への有効張
力1〜5kgf/mm2 、ターンロール6とシンクロール5の
間の距離2〜5m、鋼帯の幅600〜2000mm、厚
さ0.15〜0.25mm、電極板の長さ500〜40
00mm、電極板−鋼帯間の距離30〜150mmの範
囲の様々な条件で実験を行い、把握した。図4は、その
結果の一例である。なお、溶液は水道水を用いた。
【0024】図4中の安定通板限界速度とは、鋼帯の進
行方向と幅方向の反り量がともに、電極板間の距離の1
0%を越えない範囲での鋼帯の最高搬送速度をいう。電
極板からめっき液を流す際の最適効果を示すめっき液量
は、電極単位面積当りの平均流量と鋼帯の搬送速度の増
加量との関係で整理すると、実験を行ったすべての場合
につき以下の関係式(1)でまとめられることがわかっ
た。 Q≧1.39×10-2×(LS−LSO 1.67 …(1) ここで、Q :電極板1m2 当りから流すめっき液量(m3/hr・m2) LS :鋼帯の安定通板限界速度(m/min) LSO :Q=の時の安定通板限界速度(m/min)
【0025】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。
【0026】(実施例1) 冷延鋼帯(厚さ0.22mm)を用い図1に示す装置に
てニッケルめっきを行った。めっき条件は下記によっ
た。電極板3(1m×1m×0.05m)の開孔22は
図2に示すように14mmφの孔を開孔率11%で設け
た。 めっき条件 硫酸ニッケル 330g/l 塩化ニッケル 45g/l ホウ酸 40g/l pH 1.5〜4.5 温度 45〜60℃
【0027】ターンロール6とシンクロール5の間の距
離は4200mm、鋼帯4にかかる有効張力は3kgf/mm
2 、電極板の長さは2000mmとした。鋼帯4幅70
0mm〜1300mmで電極板3から流すめっき液量が
ない時は安定通板限界速度は500m/min であったが、
電極板1m2 当り30m3/hr のめっき液を流すと安定通
板限界速度は600m/min になった。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、鋼帯の高速安定搬送が可能となり、生産性
向上において効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電気めっき装置の構成
図である。
【図2】電極板の一例を示す正面図である。
【図3】電極板の一例を示す側面図である。
【図4】電極板から流すめっき液の流量と安定通板限界
速度の関係を示すグラフである。
【図5】垂直型の電気めっき装置の一例を示す線図であ
る。
【図6】槽内のめっき液の流動を説明する線図である。
【図7】運動量変化によって鋼帯を拘束する方法を説明
する線図である。
【図8】電極板のテーパにより鋼帯を拘束する方法を説
明する線図である。
【符号の説明】
1 めっき槽 2 めっき液 3 電極板 4 鋼帯 5 シンクロール 6 ターンロール 7 コンダクターロール 8 サーキュレーションタンク 9 循環ポンプ 10 フィルター 11 直流電源 12 循環パイプ 13 鋼帯に同伴する流体の流れ 14 平面流 15 ノズル 16 噴出する流体の流れ 17 ノズル間隔 18 テーパの頂点と鋼帯との間の距離 19 吸込管 20 昇圧ポンプ 21 吐出管 22 開孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下 山 雄 二 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 高 橋 憲 男 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭52−133839(JP,A) 特開 昭58−217695(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき槽内に少くとも1対の電極板を
    有し、この電極板間に鋼帯を通板し、前記電極板と鋼帯
    との間に電圧をかけることにより鋼帯に連続的にめっき
    うめっき装置において、前記少なくとも1対の電極
    板が、ともに、前記めっき槽内のめっき液の均一濃度確
    保のためのめっき液の循環系とは別個に設けられためっ
    き液の昇圧強制循環系に接続され、中空構造を有し、か
    つ鋼帯に向って垂直方向に強制的にめっき液を流すため
    の多数の開孔を鋼帯対向面に設けたことを特徴とする鋼
    帯の電気めっき装置。
  2. 【請求項2】 めっき槽内に少なくとも1対の電極板を
    有し、この電極板間に鋼帯を通板し、前記電極板から鋼
    帯に向って垂直方向に強制的にめっき液を流し、前記電
    極板と鋼帯との間に電圧をかけることにより鋼帯に連続
    的にめっきを行う鋼帯の電気めっき装置を操業するに際
    し、前記電極板から鋼帯に向って流すめっき液は、下記
    式で与えられる量であることを特徴とする鋼帯の電気め
    っき装置の操業方法。 Q≧1.39×10-2×(LS−LSO 1.67 ここで、Q :電極板1m2 当りから流すめっき液量(m3/hr・m2) LS :鋼帯の安定通板限界速度(m/min) LSO :Q=の時の安定通板限界速度(m/min)
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