JP2024519337A - 敗血症の治療において使用するためのpparのエラフィブラノール誘導体アゴニスト - Google Patents

敗血症の治療において使用するためのpparのエラフィブラノール誘導体アゴニスト Download PDF

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Abstract

本発明は、敗血症の治療において使用するための化合物に関する。

Description

本発明は医学分野におけるものであり、敗血症の治療において使用するための化合物に関する。
敗血症は、臓器機能不全をもたらす感染症に対する調節不全の免疫応答である。これは、感染症、大半の事例では細菌感染症への複雑な調節不全の宿主応答の結果として発症する。この調節不全の宿主応答は、炎症の増大だけではなく、免疫抑制も特徴とする。感染症へのこの不適切な応答の効果は、細胞機能障害をもたらし、最終的には臓器不全をもたらす。敗血症においては単一の臓器機能不全は稀であり、いくつかの臓器が通常冒される。敗血症を有する患者における死亡率は、冒される臓器の数と相関する。
敗血症を有する多くの患者が、異常な細胞の酸素代謝をもたらす循環不全を発症する。異常な細胞の酸素代謝は、典型的にリットルあたり>2mEqの値までの血中乳酸レベルの増大として現れる。蘇生法が十分であるにもかかわらず最低平均動脈圧を維持するために昇圧剤を必要とする患者、及び血中乳酸レベルの上昇を有する患者は、敗血症性ショックを有すると臨床診断される。
敗血症のための現在の治療は、臓器機能の回復を確実とするために、可能な場合には急速な感染の制御、血行動態の安定化及び臓器補助(organ support)を提供することによって、臓器機能不全の発症を抑制することを目的とする。しかし、敗血症及び敗血症性ショックの治療は、未だに実質的に満たされていない医療ニーズである。
国際公開第2005005369号 国際公開第2007147879号 国際公開第2007147880号 国際公開第2008087366号 国際公開第2008087367号
J. Pharm. Sci. 1977年、66巻、2号 Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use、P. Heinrich Stahl及びCamille G. Wermuth編、2002年 Wangら、J Surg Res 2004年、121巻(1号)、20~4頁 Gattaら、Intern Emerg Med 2012年、補遺3巻:S193~9頁 Jendrassik L及びGrof P.、Biochem Zeitschrift 1938年、297巻、82~9頁
本発明は、それを必要とする対象における敗血症の治療のための方法において使用するための、ラニフィブラノール、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ペマフィブラート、セラデルパル、サログリタザール、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン及び以下に定義される式(I)の化合物又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩から選択されるPPARアゴニストに関する。特定の実施形態では、本発明は、それを必要とする対象における肝不全の治療のための方法において使用するための、ラニフィブラノール、ベザフィブラート、ペマフィブラート、セラデルパル、サログリタザール、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン及び以下に定義される式(I)の化合物又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩から選択されるPPARアゴニストに関する。
特定の実施形態では、PPARアゴニストは、以下の化合物又は薬学的に許容されるその塩から選択される。すなわち、
- 2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸(化合物1);
- 2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]-3-オキソ-プロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸(化合物2);
- 2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-オキソ-プロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸(化合物3);
- 2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-メトキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸(化合物4);
- 2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-イソプロピルオキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸(化合物5);
- 2-(4-(3-ヒドロキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ)-2-メチルプロパン酸(化合物6);
- 2-(4-(3-(メトキシイミノ)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ)-2-メチルプロパン酸(化合物7);
- 2-(2-クロロ-4-(3-(4-メチル-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-チアゾール-5-イル)-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸(化合物8);
- 2-(2,3-ジクロロ-4-(3-エトキシ-3-(4-メチル-2-(4-(トリフルオロメチル)-フェニル)チアゾール-5-イル)プロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸(化合物9);
- 2-(4-(3-(ベンジルオキシ)-3-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)チエン-2-イル)プロピル)-2,3-ジクロロフェノキシ)-2-メチルプロパン酸(化合物10);
- 2-(2,3-ジクロロ-4-(3-メトキシ-3-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-チエン-2-イル)プロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸(化合物11);
- 2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-メトキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸(化合物13);及び
- 2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-ブロモフェニル]-3-メトキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸(化合物15);
又は薬学的に許容されるその塩である。
さらなる特定の実施形態では、化合物は、化合物1又は薬学的に許容されるその塩である。
特定の実施形態では、PPARアゴニストは、多臓器不全を伴う敗血症を患う又はそのリスクがある対象に投与される。別の実施形態では、対象は、敗血症性ショックを患う又はそのリスクがある。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、前記方法における単一の活性剤として使用するためのものである。
さらに別の実施形態では、PPARアゴニストは、本明細書において開示されている方法における抗菌剤と組み合わせて使用するためのものである。別の実施形態では、抗菌剤は抗生物質、特にエルタペネム等のカルバペネム系抗生物質である。
本発明による化合物が、PMA刺激THP1単球においてTNFα及びMCP1の分泌を軽減する図である。 図1A及び1Bは、それぞれ、PMA刺激THP1におけるTNFα及びMCP1の分泌の軽減への化合物1の効果を示す。 図1A及び1Bについて、#、##、###は、多重比較のために分散分析及びFisherのLSD検定を用いてビヒクル(Veh)と比較してp<0.05、p<0.01、p<0.001である;******は、多重比較のために、未修正のDunn検定を伴うノンパラメトリックなKruskall Wallis検定を用いてビヒクル(Veh)と比較したp<0.05、p<0.01、p<0.001である。PMA用量:100ng/mL。 本発明による化合物が、THP1分化マクロファージによるサイトカイン産生を軽減する図である。 図2Aは、THP1分化マクロファージによるTNFα産生の軽減への化合物1の効果を示す。#は、化合物1とビヒクル(Veh)との間の多重比較のためのノンパラメトリックなDunn検定を使用したp<0.05である。 図2Bは、THP1分化マクロファージによるMCP1産生の軽減への化合物1の効果を示す。###は、化合物3とビヒクル(Veh)との間の多重比較のためのノンパラメトリックなDunn検定を使用したp<0.001である。 ラットにおけるLPSへの応答における血清サイトカイン濃度の減少を示す図である。 図3A及び3Bは、それぞれ、ラットにおけるLPSへの応答における、血清IL6及びIL1β濃度の減少への化合物1の効果を示す。 #、##、###はスチューデントのT検定を使用したp<0.05、p<0.01、p<0.001である。$はノンパラメトリックなMann-Whitney検定を使用したp<0.05である。 エンドトキシン血症のモデルにおける肝機能及びサイトカインレベルへの化合物1及び化合物19の効果を示す図である。 ラットを、LPS注射前の3日間、化合物1(3mg/kg)、化合物19(100mg/kg)又はビヒクル(Veh.)で毎日処置した。血清中の総ビリルビン(A)、血清アルブミン(B)及びTNFα(C)の測定のために、血液をLPS注射の3時間後に収集した。A-Bについて、多重検定のためにDunnett検定を伴う一元配置分散分析を用いて、統計学的有意性を評価した。Cについて、一元配置分散分析を用いて、統計学的有意性を評価した。*** p<0.001、*p<0.05。 敗血症のモデルにおける生存率への化合物1の効果を示す図である。 盲腸の結紮及び穿孔手術(Cecal ligation and puncture surgery、CLP)を、0時間目にマウスに行った。化合物1又はビヒクルを、CLP手術前の3日間、0.3mg/kg、経口で投与し、マウスを7日間(168日間)生存についてモニタリングした。朝に死亡が確認されたマウスは、前日の午後に死亡が確認されたものと共にカウントした。実験群間の統計学的差異は、Gehan-Breslow-Wilcoxon検定を用いて決定した。*p<0.0332。 THP1マクロファージにおける、LPSによって誘発されたMCP1分泌への化合物の効果を示す図である。 マクロファージへの分化の後、THP1細胞を、クレブシエラ(Klebsiella)からのLPSを用いた6時間の刺激前に、1又は10μMの示された化合物で24時間処理した。MCP1分泌の阻害の%を、平均LPS-ビヒクル条件(Veh.)に対して算出した。スチューデントのt検定を用いて、統計学的有意性を評価した。灰色の四角は、有意値を表す(p<0.05)。 THP1マクロファージにおける、LPSによって誘発されたTNFα分泌への化合物の効果を示す図である。 マクロファージへの分化の後、THP1細胞を、クレブシエラからのLPSを用いた6時間の刺激前に、1又は10μMの示された化合物で24時間処理した。TNFα分泌の阻害の%を、平均LPS-ビヒクル条件(Veh.)に対して算出した。スチューデントのt検定を用いて、統計学的有意性を評価した。灰色の四角は、有意値を表す(p<0.05)。 HepG2細胞におけるスタウロスポリン誘発性アポトーシスへの化合物の効果を示す図である。 HepG2細胞を、0.3μM~10μMの示された化合物で16時間、前処理し、その後、10μMのスタウロスポリンでさらに4時間インキュベートした。アポトーシスを、カスパーゼ3/7の活性の測定を通して評価した。カスパーゼ3/7の活性の阻害の%を、平均スタウロスポリン-ビヒクル条件(Veh.)に対して算出した。スチューデントのt検定を用いて、統計学的有意性を評価した。灰色の四角は、有意値を表す(p<0.05)。
本発明は、敗血症の治療において使用するための、ラニフィブラノール、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ペマフィブラート、セラデルパル、サログリタザール、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン及び以下に定義される式(I)の化合物又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩から選択されるPPARアゴニストに関する。
定義
本発明の文脈において、下の用語は以下の意味を有する。
本明細書において例えばC1~C6のような接頭辞と共に言及される用語はまた、C1~C2のようなより少ない数の炭素原子と共に使用することができる。例えばC1~C6という用語が使用される場合、これは対応する炭化水素鎖が1~6個の炭素原子、特に1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を含み得ることを意味する。例えばC1~C3という用語が使用される場合、これは対応する炭化水素鎖が1~3個の炭素原子、特に1、2又は3個の炭素原子を含み得ることを意味する。
「アルキル」という用語は、飽和した直鎖又は分岐鎖の脂肪族基を指す。「(C1~C6)アルキル」という用語は、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシルを意味する。好ましい実施形態では、「アルキル」はメチルである。
「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」という用語は、-O-(エーテル)結合によって分子に結合した、上記で定義されるようなアルキル基に相当する。(C1~C6)アルコキシには、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ又はヘキシルオキシが含まれる。好ましい実施形態では、「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、より好ましくはメトキシである。
「アルキルチオ」という用語は、-S-(チオエーテル)結合によって分子に結合した、上記で定義されるようなアルキル基に相当する。(C1~C6)アルキルチオには、チオメチル、チオエチル、チオプロピル、チオイソプロピル、チオブチル、チオペンチル又はチオヘキシルが含まれる。好ましい実施形態では、「アルキルチオ」は、チオメチル、チオエチル、チオプロピル、チオイソプロピル、より好ましくはチオメチルである。
「環式」基は、アリール基、シクロアルキル基又は複素環式基に相当する。
「アリール」という用語は、6~12個の炭素原子を有する単環又は二環の芳香族炭化水素に相当する。例えば、「アリール」という用語には、フェニル、ナフチル又はアントラセニルが含まれる。好ましい実施形態では、アリールはフェニルである。
「シクロアルキル」は、3~20個の間の炭素の原子を含む、飽和又は不飽和の単環、二環又は三環アルキル基に相当する。これは、縮合、架橋又はスピロ結合したシクロアルキル基も含む。「シクロアルキル」という用語には、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル、好ましくはシクロプロピルが含まれる。「スピロシクロアルキル」という用語には、例えばスピロシクロプロピルが含まれる。
「シクロアルコキシ」という用語は、-O-(エーテル)結合によって分子に結合した、上記で定義されるようなシクロアルキル基に相当する。
「シクロアルキルチオ」という用語は、-S-(チオエーテル)結合によって分子に結合した、上記で定義されるようなシクロアルキル基に相当する。
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、少なくとも1つのヘテロ原子、例えば窒素、酸素又は硫黄原子、好ましくは少なくとも1つの窒素原子をさらに含む、上記で定義されるような飽和又は不飽和のシクロアルキル基に相当する。これは、縮合、架橋又はスピロ結合したヘテロシクロアルキル基も含む。代表的なヘテロシクロアルキル基には、ジオキソラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、アゼチジニル、オキセタニル、ピラゾリニル、ピラニル、チオモルホリニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、1,4-ジオキサニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、1,4-ジチアニル、ピロリジニル、オキソゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、ジチオラニル、アゼパニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、及びテトラヒドロチオフェニルが含まれるが、それだけに限定されない。好ましい実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ジチオラニル及びアゼパニル基、より好ましくはピペリジニルである。
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で使用される場合、5~14個の間の原子を含み、且つ少なくとも1つのヘテロ原子、例えば窒素、酸素又は硫黄原子を含む、芳香族の単環又は多環基に相当する。本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、「縮合アリールヘテロシクロアルキル」及び「縮合ヘテロアリールシクロアルキル」をさらに含む。「縮合アリールヘテロシクロアルキル」及び「縮合ヘテロアリールシクロアルキル」という用語は、上記で定義されるようなアリール又はヘテロアリールが、それぞれ、少なくとも2個の炭素によって、上記で定義されるようなヘテロシクロアルキル又はシクロアルキルに結合している、二環に相当する。換言すると、アリール又はヘテロアリールは、それぞれ、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキルと炭素結合を共有する。そのような単環及び多環ヘテロアリール基の例は、ピリジニル、チアゾリル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、トリアジニル、チアントレニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサンチニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、インドリニル、イソインドリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキシンドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジアゼピニル、ベンゾアゼピニル、ベンゾオキサゼピニル、イサチニル、ジヒドロピリジル、ピリミジニル、s-トリアジニル、オキサゾリル、又はチオフラニルでありうる。好ましい実施形態では、ヘテロアリールは、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、フラニル、チオフェニル、キノリニル及びイソキノリニル、より好ましくはチアゾリル及びチオフェニルである。
「複素環式」という用語は、上記で定義されるようなヘテロシクロアルキル基又はヘテロアリール基を指す。
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子、好ましくはフッ素原子、塩素原子又は臭素原子に相当する。
「薬学的に許容される」という用語は、無機酸塩並びに有機酸塩を含む。適切な無機酸の代表的な例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸等が含まれる。適切な有機酸の代表的な例には、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ケイ皮酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸等が含まれる。薬学的に許容される無機酸付加塩又は有機酸付加塩のさらなる例には、J. Pharm. Sci. 1977年、66巻、2号及びHandbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use、P. Heinrich Stahl及びCamille G. Wermuth編、2002年に列挙される薬学的に許容される塩が含まれる。「薬学的に許容される塩」は、無機塩基塩並びに有機塩基塩も含む。適切な無機塩基の代表的な例には、ナトリウム若しくはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム若しくはマグネシウム塩、又はアンモニウム塩が含まれる。有機塩基を有する適切な塩の代表的な例には、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン又はトリス-(2-ヒドロキシエチル)アミンを有する塩が含まれる。
本明細書で使用される場合、「治療」「治療する」又は「治療すること」という用語は、患者の健康状態を改善することを意図する任意の行為、例えば疾患の療法、予防、予防的投与及び遅延を指す。ある特定の実施形態では、そのような用語は、疾患又はそれに関連する症状の改善又は根絶を指す。他の実施形態では、この用語は、そのような疾患を有する対象への1つ又は複数の治療剤の投与に起因する疾患の広がり又は悪化を最小化することを指す。特定の実施形態では、本発明は、敗血症に関連する死亡率を減少させるために使用される。他の実施形態では、本発明は、敗血症の進行を遅延する又は停止するために使用することができる。特に、本発明は、敗血症を患う対象において、敗血症の進行を防止するために、特に敗血症から敗血症性ショックへの進行を防止するために使用することができる。他の実施形態では、本発明は、敗血症を患う対象において臓器不全、特に多臓器不全を防止するために使用することができる。
本明細書で使用される場合、「対象」、「個体」又は「患者」という用語は互換的であり、動物、好ましくは哺乳動物、さらにより好ましくは成人、小児、新生児を含むヒト、及び出生前期のヒトを指す。しかし、「対象」という用語は、非ヒト動物、特に、哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ及び非ヒト霊長類等も指すことができる。
「少なくとも~によって置換されている」という表現は、基が、リストの1つ又は複数の基によって置換されていることを意味する。
本発明の文脈において、数値に適用される「約」という用語は、値+/-10%を意味する。説明を分かりやすくするために、これは、「約100」とは、90~110の範囲内に含まれる値を指すことを意味する。さらに、本発明の文脈において、「約X」という用語は、Xは数値であって、また具体的にX値を開示するが、そのように定義された範囲のより低い値及びより高い値も、より具体的にはX値も開示する。
本発明による使用のための化合物
本発明は、敗血症の治療のための方法において使用するための、ラニフィブラノール、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ペマフィブラート、セラデルパル、サログリタザール、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン及び以下に定義される式(I)の化合物又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩から選択されるPPARアゴニストを提供する。さらに別の特定の実施形態では、本発明は、肝不全の治療のための方法において使用するための、ラニフィブラノール、ベザフィブラート、ペマフィブラート、セラデルパル、サログリタザール、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン及び以下に定義される式(I)の化合物又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩から選択されるPPARアゴニストを提供する。
特定の実施形態では、PPARアゴニストは、ラニフィブラノール、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ペマフィブラート、セラデルパル、サログリタザール、ピオグリタゾン及びロシグリタゾンから選択される。さらなる特定の実施形態では、PPARアゴニストは、ラニフィブラノール、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ペマフィブラート、セラデルパル、サログリタザール、ピオグリタゾン及びロシグリタゾンから選択される。
別の特定の実施形態では、本発明による使用のためのPPARアゴニストは、式(I)
(式中、
X1は、ハロゲン原子、R1基又はG1-R1基を表し、
L1は、結合、(C1~C3)アルキル基によって置換されているか又は置換されていないチオフェニル基又はチアゾール基を表し、
L2は、
(i)-CH-OR7基(式中、R7は水素原子、非置換の(C1~C6)アルキル基又は(C6~C14)アリール基によって置換されている(C1~C6)アルキル基を表し、特にR7は非置換の(C1~C6)アルキル基又は(C6~C14)アリール基によって置換されている(C1~C6)アルキル基を表す)、
(ii)カルボニル基(CO)、又は
(iii)C=N-OR8(式中、R8は非置換の(C1~C6)アルキル基を表す)を表し、
Aは、CH=CH又はCH2-CH2基を表し、
X2はG2-R2基を表し、
G1及びG2は同一であるか又は異なり、酸素又は硫黄の原子を表し、
R1は、水素原子、非置換の(C1~C6)アルキル基、(C6~C14)アリール基、又はハロゲン原子、(C1~C6)アルコキシ基、(C1~C6)アルキルチオ基、(C5~C10)シクロアルキル基、(C5~C10)シクロアルキルチオ基及び5~14員の複素環式基から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されているアルキル基を表し、
R2は、-COOR3基によって置換されている(C1~C6)アルキル基を表し、
R3は、水素原子、又はハロゲン原子、(C5~C10)シクロアルキル基及び5~14員の複素環式基から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されているか若しくは置換されていない(C1~C6)アルキル基を表し、
R4は、ハロゲン原子、非置換の(C1~C6)アルキル基、又はハロゲン原子、(C5~C10)シクロアルキル基及び5~14員の複素環式基から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている(C1~C6)アルキル基を表し、
R5は、水素原子、ハロゲン原子、非置換の(C1~C6)アルキル基、又はハロゲン原子、(C5~C10)シクロアルキル基及び5~14員の複素環式基から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている(C1~C6)アルキル基を表し、
R6は、水素原子若しくはハロゲン原子を表す)
の化合物又は薬学的に許容されるその塩であり、
但し、式(I)の化合物が
エラフィブラノール若しくは薬学的に許容されるその塩、又は
2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-オキソ-プロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸若しくは薬学的に許容されるその塩ではないことを条件とする。
特定の実施形態では、L1は結合を表し、R6は水素原子であり、すなわち式(I)の化合物は以下に表すような式(Ia)
の化合物である。
別の実施形態では、L1は、(C1~C3)アルキル基によって、特にメチル基によって置換されているか又は置換されていないチアゾール基を表す。特定の実施形態では、L1は2-メチル-チアゾリル基を表す。さらなる特定の実施形態では、L1は2-メチル-チアゾリル基であり、式(I)の化合物は以下に表すような式(Ib)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、L1はチオフェニル基を表す。さらに別の実施形態では、L1はチオフェニル基を表し、式(I)の化合物は以下に表すような式(Ic)
の化合物である。
特定の実施形態では、X1はR1基である(式中、R1は非置換の(C1~C6)アルキル基、又は1つ若しくは複数のハロゲン原子によって置換されている(C1~C6)アルキル基である)。
別の特定の実施形態では、X1はR1基である(式中、R1は非置換の(C1~C6)アルキル基である)。別の特定の実施形態では、X1はR1基である(式中、R1は非置換の(C1~C4)アルキル基である)。別の特定の実施形態では、X1はR1基である(式中、R1は非置換の(C1~C3)アルキル基である)。別の特定の実施形態では、X1はR1基である(式中、R1はメチル又はエチル基である)。別の特定の実施形態では、X1はR1基である(式中、R1はメチル基である)。
別の特定の実施形態では、X1はR1基である(式中、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されている(C1~C6)アルキル基である)。別の特定の実施形態では、X1はR1基である(式中、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基である)。別の特定の実施形態では、X1はR1基である(式中、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されている(C1~C3)アルキル基である)。別の特定の実施形態では、X1はR1基である(式中、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されているメチル又はエチル基である)。別の特定の実施形態では、X1はR1基である(式中、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されているメチル基である)。別の特定の実施形態では、X1はR1基である(式中、R1はトリフルオロメチル基である)。
特定の実施形態では、G1は硫黄原子である。
別の特定の実施形態では、G1は硫黄原子であり、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されている(C1~C6)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は硫黄原子であり、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は硫黄原子であり、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されている(C1~C3)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は硫黄原子であり、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されているメチル又はエチル基である。別の特定の実施形態では、G1は硫黄原子であり、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されているメチル基である。別の特定の実施形態では、G1は硫黄原子であり、R1はトリフルオロメチル基である。
さらなる特定の実施形態では、G1は硫黄原子であり、R1は非置換の(C1~C6)アルキル基、又は1つ若しくは複数のハロゲン原子によって置換されている(C1~C6)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は硫黄原子であり、R1は非置換の(C1~C6)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は硫黄原子であり、R1は非置換の(C1~C4)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は硫黄原子であり、R1は非置換の(C1~C3)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は硫黄原子であり、R1はメチル又はエチル基である。別の特定の実施形態では、G1は硫黄原子であり、R1はメチル基である。
さらに別の特定の実施形態では、G1は酸素原子である。
さらなる特定の実施形態では、G1は酸素原子であり、R1は非置換の(C1~C6)アルキル基、又は1つ若しくは複数のハロゲン原子によって置換されている(C1~C6)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は酸素原子であり、R1は非置換の(C1~C6)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は酸素原子であり、R1は非置換の(C1~C4)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は酸素原子であり、R1は非置換の(C1~C3)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は酸素原子であり、R1はメチル又はエチル基である。別の特定の実施形態では、G1は酸素原子であり、R1はメチル基である。
別の特定の実施形態では、G1は酸素原子であり、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されている(C1~C6)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は酸素原子であり、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は酸素原子であり、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されている(C1~C3)アルキル基である。別の特定の実施形態では、G1は酸素原子であり、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されているメチル又はエチル基である。別の特定の実施形態では、G1は酸素原子であり、R1は1つ又は複数のハロゲン原子によって置換されているメチル基である。別の特定の実施形態では、G1は酸素原子であり、R1はトリフルオロメチル基である。
別の特定の実施形態では、G2は酸素原子である。
さらなる特定の実施形態では、R2は、-COOR3基によって置換されている(C1~C4)アルキル基を表す。別の実施形態では、R2は、COOR3基によって置換されている(C1~C3)アルキル基を表す。別の実施形態では、R2は、-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基を表す。
別の特定の実施形態では、R3は水素原子又は非置換の(C1~C6)アルキル基である。別の特定の実施形態では、R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基である。別の実施形態では、R3は、水素原子又はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、n-ブチル、イソブチル若しくはtertブチル基である。別の特定の実施形態では、R3は水素原子である。
別の特定の実施形態では、R4はハロゲン原子又は非置換の(C1~C6)アルキル基である。別の実施形態では、R4は塩素原子である。別の実施形態では、R4は非置換の(C1~C6)アルキル基である。別の実施形態では、R4は非置換の(C1~C4)アルキル基である。別の実施形態では、R4は非置換の(C1~C3)アルキル基である。別の実施形態では、R4はメチル又はエチル基である。別の実施形態では、R4はメチル基である。
別の特定の実施形態では、R5は水素原子又は非置換の(C1~C6)アルキル基である。特定の実施形態では、R5は水素原子である。別の実施形態では、R5は非置換の(C1~C6)アルキル基である。別の実施形態では、R5は非置換の(C1~C4)アルキル基である。別の実施形態では、R5は非置換の(C1~C3)アルキル基である。別の実施形態では、R5はメチル又はエチル基である。別の実施形態では、R5はメチル基である。
別の特定の実施形態では、R4及びR5は同一である。別の実施形態では、R4及びR5は非置換の(C1~C6)アルキル基である。別の実施形態では、R4及びR5は非置換の(C1~C6)アルキル基である。別の実施形態では、R4及びR5は非置換の(C1~C4)アルキル基である。別の実施形態では、R4及びR5は非置換の(C1~C3)アルキル基である。別の実施形態では、R4及びR5はメチル又はエチル基である。別の実施形態では、R4及びR5はメチル基である。
特定の実施形態では、R6はハロゲン原子である。別の実施形態では、R6は塩素原子である。
別の特定の実施形態では、R4及びR6は同一である。別の実施形態では、R4及びR6はハロゲン原子である。別の実施形態では、R4及びR6は塩素原子である。
別の特定の実施形態では、L2は-CH-OR7基である。別の実施形態では、R7は非置換の(C1~C4)アルキル基である。別の実施形態では、R7は非置換の(C1~C3)アルキル基である。別の実施形態では、R7はメチル又はエチル基である。別の実施形態では、R7はメチル基である。
特定の実施形態では、R7はフェニル基によって置換されている(C1~C6)アルキルである。別の特定の実施形態では、R7は、フェニル基によって置換されているメチル又はエチル基である。さらに別の実施形態では、R7はベンジル基である。
別の特定の実施形態では、L2はカルボニル基である。
別の特定の実施形態では、L2はC=N-OR8である。別の実施形態では、R8は非置換の(C1~C4)アルキル基である。別の実施形態では、R8は非置換の(C1~C3)アルキル基である。別の実施形態では、R8はメチル又はエチル基である。別の実施形態では、R8はメチル基である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は硫黄原子であり、
- R1は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されている(C1~C3)アルキル基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2はカルボニル基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は硫黄原子であり、
- R1は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2はカルボニル基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は硫黄原子であり、
- R1は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2はカルボニル基であり、
- AはCH=CH基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は硫黄原子であり、
- R1は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2はカルボニル基であり、
- AはCH2-CH2基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は酸素原子であり、
- R1は、非置換の(C1~C4)アルキル基又は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されている(C1~C3)アルキル基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2は-CH-OR7基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は酸素原子であり、
- R1は、非置換の(C1~C4)アルキル基又は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されている(C1~C3)アルキル基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2は-CH-OR7基であり、
- R7は非置換の(C1~C4)アルキル基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は酸素原子であり、
- R1は、非置換の(C1~C4)アルキル基又は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2は-CH-OR7基であり、
- R7は非置換の(C1~C4)アルキル基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は酸素原子であり、
- R1は、非置換の(C1~C4)アルキル基又は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2は-CH-OR7基であり、
- R7は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- AはCH=CH基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は酸素原子であり、
- R1は、非置換の(C1~C4)アルキル基又は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2は-CH-OR7基であり、
- R7は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- AはCH2-CH2基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は酸素原子であり、
- R1は、非置換の(C1~C4)アルキル基又は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2は-CH-OR7基であり、
- R7は(C6~C14)アリール基によって置換されている(C1~C6)アルキル基であり、
- AはCH=CH基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は酸素原子であり、
- R1は、非置換の(C1~C4)アルキル基又は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されている(C1~C3)アルキル基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2はC=N-OR8基であり、
- R8は非置換の(C1~C6)アルキル基を表す)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は酸素原子であり、
- R1は、非置換の(C1~C4)アルキル基又は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2はC=N-OR8基であり、
- R8は非置換の(C1~C4)アルキル基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は酸素原子であり、
- R1は、非置換の(C1~C4)アルキル基又は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2はC=N-OR8基であり、
- R8は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- AはCH=CH基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ia)
(式中、
- G1は酸素原子であり、
- R1は、非置換の(C1~C4)アルキル基又は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
- L2はC=N-OR8基であり、
- R8は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- AはCH2-CH2基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、X1はR1基である)の化合物である。別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、X1はR1基であり、R1は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C6)アルキル基である)の化合物である。別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、X1はR1基であり、R1はCF3基である)の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、L2は-CH-OR7基又はカルボニル基を表す)の化合物である。さらに別の実施形態では、L2は、式(Ib)中のカルボニル基を表す。
さらなる特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、R4はハロゲン原子である)の化合物である。さらに別の実施形態では、R4は、式(Ib)中の塩素原子である。
さらなる特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、R5は水素原子である)の化合物である。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、R6は水素原子である)の化合物である。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、R6はハロゲン原子である)の化合物である。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、R4及びR6はハロゲン原子である)の化合物である。別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、R4及びR6は該ハロゲン原子である)の化合物である。別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、R4及びR6は塩素原子である)の化合物である。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、R2は-COOR3基によって置換されている(C1~C3)アルキル基である)の化合物である。別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基である)の化合物である。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、R3は水素原子又は(C1~C4)アルキル基である)の化合物である。さらに別の実施形態では、R3は水素原子である。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、AはCH2-CH2基である)の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)
(式中、
- X1はR1基であり、
- R1は、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4はハロゲン原子を表し、
- R5は水素原子を表し、
- R6は水素原子を表し、
- L2はカルボニル基であり、
- AはCH2-CH2基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)
(式中、
- X1はR1基であり、
- R1は、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4はハロゲン原子を表し、
- R5は水素原子を表し、
- R6はハロゲン原子を表し、
- L2はカルボニル基であり、
- AはCH2-CH2基である)
の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、X1はR1基である)の化合物である。別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、X1はR1基であり、R1は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C6)アルキル基である)の化合物である。別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、X1はR1基であり、R1はCF3基である)の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、L2は-CH-OR7基を表す)の化合物である。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、R7は非置換の(C1~C4)アルキル基又は(C6~C14)アリール基によって置換されている(C1~C4)アルキル基である)の化合物である。別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、R7はメチル基又はベンジル基である)の化合物である。
さらなる特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、R4はハロゲン原子である)の化合物である。さらに別の実施形態では、R4は、式(Ic)中の塩素原子である。
さらなる特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、R5は水素原子である)の化合物である。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、R6はハロゲン原子である)の化合物である。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、R4及びR6はハロゲン原子である)の化合物である。別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、R4及びR6は該ハロゲン原子である)の化合物である。別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、R4及びR6は塩素原子である)の化合物である。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、R2は-COOR3基によって置換されている(C1~C3)アルキル基である)の化合物である。別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基である)の化合物である。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)(式中、R3は水素原子又は(C1~C4)アルキル基である)の化合物である。さらに別の実施形態では、R3は水素原子である。
別の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ib)(式中、AはCH2-CH2基である)の化合物である。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストは、式(Ic)
(式中、
- X1はR1基であり、
- R1は、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
- R2は-COOR3基によって置換されているC(CH3)2基であり、
- R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
- R4はハロゲン原子を表し、
- R5は水素原子を表し、
- R6はハロゲン原子を表し、
- L2はカルボニル基であり、
- AはCH2-CH2基である)
の化合物である。
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、以下から選択される。すなわち、
化合物1:2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
化合物2:2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]-3-オキソ-プロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
化合物3:2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-オキソ-プロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
化合物4:2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-メトキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
化合物5:2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-イソプロピルオキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
化合物6:2-(4-(3-ヒドロキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ)-2-メチルプロパン酸、
化合物7:2-(4-(3-(メトキシイミノ)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ)-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
化合物8:2-(2-クロロ-4-(3-(4-メチル-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-チアゾール-5-イル)-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
化合物9:2-(2,3-ジクロロ-4-(3-エトキシ-3-(4-メチル-2-(4-(トリフルオロメチル)-フェニル)チアゾール-5-イル)プロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
化合物10:2-(4-(3-(ベンジルオキシ)-3-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)チエン-2-イル)プロピル)-2,3-ジクロロフェノキシ)-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
化合物11:2-(2,3-ジクロロ-4-(3-メトキシ-3-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-チエン-2-イル)プロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
化合物13:2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-メトキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
化合物14:2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-ブロモフェニル]-3-メトキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
化合物17:ベザフィブラート、
化合物18:ペマフィブラート、
化合物19:フェノフィブラート、
化合物20:セラデルパルリシン、
化合物21:ピオグリタゾン、
化合物22:ロシグリタゾン、及び
化合物23:ラニフィブラノールである。
より特定の実施形態では、式(I)の化合物は、化合物1:2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩である。
式(I)の化合物は、薬学的使用と適合性のある薬学的に許容される塩、特に酸塩又は塩基塩の形態でありうる。式(I)の化合物の塩には、薬学的に許容される酸付加塩、薬学的に許容される塩基付加塩、薬学的に許容される金属塩、アンモニウム及びアルキル化アンモニウム塩が含まれる。これらの塩は、化合物の最終精製ステップの間に、又は前に精製したアゴニストへの塩の組み込みによって、得ることができる。
本発明はまた、2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸の薬学的に許容される塩に関する。特定の実施形態では、2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸の薬学的に許容される塩は、そのナトリウム、カルシウム、L-リジン又はグリシン塩である。
特定の実施形態では、本発明は、2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸のナトリウム塩に関する。
特定の実施形態では、本発明は、2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸のカルシウム塩に関する。
特定の実施形態では、本発明は、2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸のL-リジン塩に関する。
特定の実施形態では、本発明は、2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸のグリシン塩に関する。
別の態様では、本発明は、肝不全の治療において使用するための、2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸の薬学的に許容される塩から選択されるPPARアゴニストに関する。特定の実施形態では、本発明による使用のためのPPARアゴニストは、2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸のナトリウム、カルシウム、L-リジン又はグリシン塩である。
別の態様では、本発明は以下から選択される化合物に関する。すなわち、
- 化合物13:2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-メトキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、及び
- 化合物14:2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-ブロモフェニル]-3-メトキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩。
敗血症
前述のように、「敗血症」という用語は、本明細書で使用される場合、正式には感染症の全身徴候を伴う感染症の存在と定義される、感染症への有害な全身性炎症反応を指す。敗血症という用語は、本明細書で使用される場合、任意の重症度の敗血症、並びにその合併症、例えば多臓器不全及び敗血症性ショックを伴う敗血症を包含する。
本発明の特定の実施形態では、対象は、敗血症若しくはその合併症を患う又はそれを患うリスクがある。
別の特定の実施形態では、対象は、1つ又は複数の微生物種により引き起こされる敗血症を患う。特に、対象は、細菌、真菌又はウイルス感染症により引き起こされる敗血症を患いうる。さらに別の実施形態では、前記敗血症は細菌感染症により引き起こされる。
本発明の文脈において、PPARアゴニストは、治療有効量で対象に投与される。「治療的有効量」とは、望ましい治療結果を得るのに有効である薬物の量を指す。薬物の治療的有効量は、疾患状態、年齢、性別、及び個々の体重、並びに個々において望ましい応答を引き出すための薬物の能力等の要因によって異なる可能性がある。治療的有効量はまた、治療的に有益な効果が、作用物質のいかなる毒性作用又は有害作用をも上回る量でもある。薬物の有効投与量及び投与レジメンは、治療しようとする疾患又は状態によって決まり、当業者によって決定されてもよい。当業者の医師は、必要とされる医薬組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師は、望ましい治療効果を得るために、医薬組成物に用いられる薬物の用量を必要とされる用量よりも低いレベルで始め、望ましい効果が得られるまで投与量を徐々に増加させることができる。一般に、本発明の組成物の適した用量は、特定の投与レジメンによる治療効果を得るのに有効である最低用量の化合物の量になるであろう。このような有効用量は、一般に、上記の要因によって決まることになる。
PPARアゴニストは、薬学的使用に適合し当業者に周知である1つ又は複数の薬学的に許容される添加剤又はビヒクル(例えば、生理食塩水、生理溶液、等張液等)をさらに含む医薬組成物に製剤化できる。これらの組成物は、分散剤、可溶化剤、安定剤、保存剤等から選択される1つ又は複数の作用物質又はビヒクルもさらに含むことができる。これらの製剤(液体及び/又は注射用及び/又は固形)に有用である作用物質又はビヒクルは、特にメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリソルベート80、マンニトール、ゼラチン、乳糖、植物油、アカシアゴム(acacia)、リポソーム等である。これらの組成物は、注射用懸濁剤、シロップ剤、ゲル、油、軟膏、丸剤、錠剤、坐剤、散剤、ゲルカプセル剤(gel caps)、カプセル剤、エアロゾル等の形態に、最終的にガレノス形態(galenic forms)又は長期及び/若しくは持続放出を保証するデバイスによって製剤化されうる。このような種類の製剤には、セルロース、炭酸塩又はデンプン等の作用物質が有利に使用されうる。
PPARアゴニストは、異なる経路によって及び異なる形態で投与されうる。例えば、これは、全身方法を介して、経口的に、非経口的に、吸入によって、鼻腔用スプレーによって、鼻腔滴下注射によって、又は、静脈内に、筋肉内経路によって、皮下経路によって、経皮経路によって、局所経路によって、動脈内経路によって、等の注射によって、投与することができる。当然ながら、投与経路は、当業者に周知の手順による薬物の形態に適合するであろう。
特定の実施形態では、化合物は、錠剤として製剤化される。別の特定の実施形態では、化合物は経口投与される。
投与に関連した頻度及び/又は用量は、患者の機能、病理、投与の形態等において、当業者によって適合されてよい。典型的には、PPARアゴニスト)は、50mg/日から2000mg/日等の、100mg/日から2000mg/日等の、及び特に100mg/日から1000mg/日等の0.01mg/日から4000mg/日の間で含まれる用量で投与されうる。投与は、必要に応じて、毎日又はさらには1日当たり数回行うことができる。一実施形態では、化合物は、1日1回、1日2回、又は1日3回等、少なくとも1日1回投与される。特定の実施形態では、PPARアゴニストは、1日1回又は2回投与される。特に、経口投与は、例えば、朝食、昼食又は夕食中等の食事中に、PPARアゴニストを含む錠剤を服用することによって1日1回行うことができる。
好適には、PPARアゴニストによる治療の過程は、少なくとも1週間、特に少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20又は24週間以上である。特定の実施形態では、治療の過程は、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月又は少なくとも3ヶ月である。特定の実施形態では、治療の過程は、少なくとも1年、又は治療されている対象の状態に応じてそれ以上である。
特定の実施形態では、処置の方法は、単一の活性成分としてのPPARアゴニストの投与からなる。
別の特定の実施形態では、PPARアゴニストの投与は、別の活性成分、好ましくは抗生物質、抗真菌剤又は抗ウイルス剤等の抗菌剤と組み合わせて行われる。当然ながら、最も適切な抗菌剤は、当該技術分野において周知のように、感染症に関与する生物又はウイルスに応じて選択される。特定の実施形態では、敗血症は細菌感染症により引き起こされ、抗菌性は抗生物質である。細菌感染症の治療に有用な抗生物質は当該技術分野において周知である。例示的な抗生物質ファミリーには、ベータ-ラクタム抗生物質(例えばペニシリン)、テトラサイクリン、セファロスポリン、キノロン、リンコマイシン、マクロライド、スルホンアミド、グリコペプチド、アミノグリコシド及びカルバペネムが含まれるが、それだけに限定されない。特定の実施形態では、PPARアゴニストは、エルタペネム等のカルバペネムファミリーの抗生物質に組み合わせることができる。
PPARアゴニスト及び抗菌剤は、同じ又は別々の医薬組成物中で、対象に投与することができる。特定の実施形態では、本発明は、PPARアゴニスト、抗菌剤及び薬学的に許容されるビヒクルを含む医薬組成物を提供する。この医薬組成物は、敗血症の治療のために、本発明の方法において使用することができる。別の実施形態では、本発明は、
PPARアゴニスト及び薬学的に許容されるビヒクルを含む第1の医薬組成物、並びに
抗菌剤を含む第2の医薬組成物
が、敗血症の治療のために対象に両方投与される、方法を提供する。
第1及び第2の医薬組成物は、同時に、別々に、又は順次使用することができる(すなわち、第1の医薬組成物は、第2の医薬組成物の前後に投与することができる)。そのため、本発明はまた、敗血症の治療において、同時に、別々に又は順次使用するための、
PPARアゴニスト及び薬学的に許容されるビヒクルを含む第1の医薬組成物、並びに
抗菌剤を含む第2の医薬組成物
を含むキットオブパーツを提供する。
以下の実施例は、本発明を説明するのに役立ち、その範囲を制限するものとしてみなしてはならない。
化学
化学名はIUPAC命名法に従う。出発材料及び溶媒は、商業的供給元(Acros Organic社、Sigma Aldrich社、Combi-Blocks社、Fluorochem社、Fluka社、Alfa Aesar社又はLancaster社)から購入し、さらに精製せずに受け取ったままで使用した。いくつかの出発材料は、当業者によって容易に合成することができる。空気及び水分に感受性の高い反応は窒素の不活性雰囲気下で実施し、ガラス製品は炉乾燥した。反応収率を最適化するための試みは行わなかった。化学シフト(δ)は、重水素化溶媒の水素化残渣:DMSO-d6について2.50ppm、CDCl3について7.26ppm、並びにメタノール-d4について3.31及び4.78を内部標準として参照して、ppm(百万分率)で報告する。スペクトル分裂パターンを以下のように表す:s、一重線;d、二重線;dd、二重の二重線;ddd、二重の二重の二重線(doublet of doublet of doublets);t、三重線;dt、二重の三重線;q、四重線;m、多重線;br s、幅の広い一重線。
動物実験
動物の操作を、ストレスを最低限まで軽減するために慎重に行った。全ての実験を、フランス農業省の実験動物を用いた実験についてのガイドラインに従って行った(法87-848)。研究を、動物衛生規則(2010年9月22日付けの理事会法令第2010/63/UE及び2013年2月1日付けの動物保護についてのフランス法令第2013-118)に従って行った。
(実施例1)
本発明による化合物の合成
式(I)の化合物は、国際公開第2005005369号、国際公開第2007147879号、国際公開第2007147880号、国際公開第2008087366号及び国際公開第2008087367号に開示されている一般的な手順に従って合成することができる。
(実施例1a)
2-{4-[3-メトキシ-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-プロピル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-2-メチル-プロピオン酸ナトリウム
2-{4-[3-メトキシ-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-プロピル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-2-メチル-プロピオン酸(国際公開第2007147880号に開示されているように調製)(500mg、0.001135mol)及び水酸化ナトリウム(45mg、0.0011mol)をメタノール(10mL、0.2mol)中で混合し、40℃(ロータリーエバポレーター)で10分撹拌した後、メタノールを蒸発乾固して2-{4-[3-メトキシ-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-プロピル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-2-メチル-プロピオン酸ナトリウム(515mg)を白色の固体として得た。
mp : 284℃ ; 1H NMR (D2O, 300 MHz, δ(ppm)): 1.1 (s, 6H) ; 1.55 (m, 1H) ; 1.7 (m, 1H) ; 2.0 (s, 6H) ; 2.1 (m, 1H) ; 2.2 (m, 1H) ; 2,8 (s, 3H) ; 3.8 (t, 1H) ; 6,5 (s, 2H) ; 6,95 (m, 4H) - 純度(HPLC): 98.7%.
(実施例1b)
L-リジン2-{4-[3-メトキシ-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-プロピル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-2-メチル-プロピオネート
2-{4-[3-メトキシ-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-プロピル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-2-メチル-プロピオン酸(国際公開第2007147880号に開示されているように調製)(500mg、0.001135mol)及びL-リジン(160mg、0.0011mol)をメタノール(10mL、0.2mol)中で混合し、40℃(ロータリーエバポレーター)で10分撹拌した後、メタノールを蒸発乾固してL-リジン2-{4-[3-メトキシ-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-プロピル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-2-メチル-プロピオネート(657mg)を白色の固体として得た。
mp : 176℃ - 1H NMR (D2O, 300 MHz, δ(ppm)): 1.15 (s, 6H) ; 1.1-1.2 (m, 1H) ; 1.3-1.5 (m, 2H) ; 1.5-1.7 (m, 5H) ; 1.7-1.85 (m, 3H) ; 1.9-2 (m, 1H) ; 2.0 (s, 6H) ; 2.05-2.15 (m, 1H) ; 2.15-2.2.3 (m, 1H) ; 2.8-2.95 (m, 2H) ; 2,85 (s, 3H) ; 3.65 (t, 1H) ; 3.9 (t, 1H) ; 6,5 (s, 2H) ; 6,95 (m, 4H) - 純度(HPLC): 100%
国際公開第2007147880号又は国際公開第2007147879号で開示される化合物の他の塩は、先行する方法に従って製造することができる。
(実施例1c)
2-(4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ)-2-メチルプロパン酸
2-(4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ)-2-メチルプロパン酸は、国際公開第2007147880号に記載されているように調製することができる。
1H NMR (300MHz, DMSO d6, δ(ppm)) : 1.31 (s, 6H); 1.76-2.00 (m, 2H); 2.10 (s, 6H); 2.36-2.58 (m, 2H); 3.14 (s, 3H); 4.24 (m, 1H); 6.77 (s, 2H); 7.51 (d, 2H, J=8.2Hz); 7.72 (d, 2H, J=8.2Hz); 12.77 (br s, 1H) - 純度(HPLC): 99.7% - 質量: 447 MNa+
(実施例1d)
2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-ブロモフェニル]-3-メトキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸
2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-ブロモフェニル]-3-メトキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸は、国際公開第2007147880号に記載されているように調製することができる。
1H NMR (300MHz, DMSO d6, δ(ppm)) : 1.31 (s, 6H); 1.74-1.98 (m, 2H); 2.10 (s, 6H); 2.33-2.43 (m, 2H); 3.10 (s, 3H); 4.11 (t, 1H, J=5.5Hz); 6.76 (s, 2H); 7.25 (d, 2H, J=8.5Hz); 7.55 (d, 2H, J=8.1Hz); 12.79 (br s, 1H) - 純度(HPLC): 99% - 質量: 457/459 MNa+
(実施例2)
本発明による化合物によって、単球のマクロファージへの分化が阻害される
免疫系の活性化を阻害するための化合物の有効性を試験するために、ヒト単球細胞株THP-1(Sigma社)を使用した。THP1単球を、5%CO2インキュベーター中、37℃で、10%ウシ胎児血清(FBS、#10270、Gibco社)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(#15140、Gibco社)及び25mMのHepes(H0887、Sigma社)を補充したL-グルタミンを有するRPMI1640培地(#10-040-CV、Corning社)で培養した。
単球の分化への化合物の効果を評価するために、2.5×104THP-1細胞を、24時間、用量範囲の化合物1、並びに5又は100ng/mLのホルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA、#P8139、Sigma社)を含有するFBS除去(FBS-deprived)培養培地中の384ウェルプレート中、指定されるように培養して、マクロファージへの分化を誘発した。
腫瘍壊死α(TNFα)及び単球走化性タンパク質1(MCP1)を、細胞上清中、ホモジニアス時間分解蛍光法(Homogeneous Time-Resolved Fluorescence)(HTRF、TNFαについて#62HTNFAPEG、及びMCP1について62HCCL2PEG、Cisbio社)によって測定した。蛍光をInfinite 500(#30019337、Tecan社)を用いて測定して、サイトカインの濃度を決定した。
結果
結果を図1A及び図1Bに示す。PMAによって、単球のマクロファージへの分化のマーカー、TNFα及びMCP1の分泌が誘発されるが、化合物1によって、上清中のTNFα(図1A)及びMCP1(図1B)の含有量が劇的に減少し、1μMの用量で約50%の阻害に達した。
総合すれば、これらの結果によって、免疫系活性化を減少させる本発明による化合物の有効性が示される。
(実施例3)
本発明による化合物によってマクロファージ活性化が阻害される
マクロファージ活性化及び炎症誘発性サイトカイン産生への化合物の有効性を試験するために、2.5×104THP-1細胞を384ウェルプレート中で培養し、100ng/mLのPMA(#P8139、Sigma社)で24時間処理してマクロファージへの分化を誘発した。
ついで、培地を除去し、式(I)の化合物を含有するFBS除去培地を24時間添加した。最後に、THP1マクロファージを100ng/mLのLPS(大腸菌(E.coli)O55:B5、#L4005、Sigma社)で6時間刺激した。
結果
結果を図2に示す。化合物1.3もまたTNFα及びMCP1の分泌を減少させる点で効力があり(図2A及び図2B)、MCP1分泌について、試験した全ての用量で未処置条件を上回った(図2B)。
これらの結果によって、マクロファージ活性化を妨害し、サイトカイン産生を制限し、それによって組織への損傷を防ぐ、式(I)の化合物の効力が示される。
(実施例4)
本発明による化合物によって、エンドトキシン血症のモデルにおいて循環サイトカインレベルが減少する
エンドトキシン血症は、敗血症を有する多くの患者に発生し、敗血症性ショックをもたらす宿主反応の増悪に関わる。LPSによるマクロファージ等の免疫細胞の活性化によって、様々な組織(肝臓、腎臓等)において実質細胞の死を誘発し、最終的に多臓器不全をもたらしうる炎症性サイトカインが産生される。
エンドトキシン血症の前臨床モデル
LPS誘発性エンドトキシン血症に応答するサイトカイン産生を減少させるための化合物の有効性を評価するために、Janvier Labs社(France)からの250~275gの雄性スプラーグドーリーラットに、1mg/kgのLPS(大腸菌(Escherichia coli)O111:B4、#L2630、Sigma社)の腹腔内注射を1回与えた。
化合物1(3mg/kg/日)又はビヒクル(Labrafil M 1944 CS、#3063、Gattefosse社)を、LPS注射前3日間、経口経管栄養によって投与した。ラットを、処置の3時間後に頚椎脱臼によって安楽死させた。血液試料を、屠殺の直前にイソフルラン(Isoflurin1000mg/g、GTIN03760087152678、Axience社)でわずかに眠らせた動物の逆眼窩血脈洞穿刺(retro-orbital sinus puncture)から得た。
インターロイキン-6(IL6)及びインターロイキン-1β(IL1β)の血清濃度を、ELISA(それぞれSR6000B及びSRLB00、R&D Systems社)によって決定した。
結果
LPS注射によって、炎症誘発性サイトカインIL6及びIL1βの高度な産生が誘発され、血清中それぞれ80μg/mL及び1500pg/mLが達成された(健康な動物では検出されず)。化合物1によって、IL6及びIL1βレベルがそれぞれ40%及び31%劇的に減少した(図3A及び図3B)。
これらの結果によって、化合物3による処置が、LPSに応答した循環サイトカインレベルをインビボで減少させ、それによって組織損傷及び臓器不全を防ぐことが示される。
(実施例5)
本発明による化合物によって、エンドトキシンにより誘発される肝機能の変化及び全身性炎症が防がれる
リポ多糖(LPS)等のエンドトキシンは、敗血症及び敗血症性ショックの発病に関係する最も強力な微生物のメディエータとして認められている。循環エンドトキシンの上昇は敗血症の間に発生し、罹患率及び死亡率に関連する低アルブミン血症等の肝機能の変化を誘発する(Wangら、J Surg Res 2004年、121巻(1号)、20~4頁;Gattaら、Intern Emerg Med 2012年、補遺3巻:S193~9頁)。
エンドトキシン血症の前臨床モデル
LPS誘発性エンドトキシン血症に応答する肝臓のマーカー濃度に対する化合物の有効性を評価するために、Janvier Labs社からの250~275gの雄性スプラーグドーリーラットに、1mg/kgのLPS(大腸菌O111:B4、#L2630、Sigma-Aldrich社)の腹腔内注射を1回与えた。
化合物1(3mg/kg/日)、化合物19(100mg/kg/日)又はビヒクル(化合物1についてはLabrafil M1944CS、#3063、Gattefosse社、又は化合物19についてはカルボキシメチルセルロース1%、0.1%Tween80)を、LPS注射前3日間、経口経管栄養によって投与した。ラットを、LPS処置の3時間後に頚椎脱臼によって安楽死させた。血液試料を、屠殺の直前にイソフルラン(Isoflurin1000mg/g、GTIN03760087152678、Axience社)でわずかに眠らせた動物の逆眼窩血脈洞穿刺から得た。
ラット血清中の肝臓のマーカー濃度の評価
総ビリルビンの血清濃度を、Daytona plus automate(#BR3859、Randox Laboratories社)のためのRandoxキットを用いて測定した。簡潔には、Jendrassik L及びGrof P.、Biochem Zeitschrift 1938年、297巻、82~9頁に記載されている方法に基づき、総ビリルビンを比色計アッセイによって定量化する。
アルブミンの血清濃度を、Daytona plus automate(#AB8301、Randox Laboratories社)のためのRandoxキットを用いて測定した。簡潔には、アルブミンの測定は、指示薬3,3',5,5'-テトラブロモ-mクレゾールスルホンフタレイン(ブロモクレゾールグリーン)へのその定量的結合に基づく。アルブミン-BCG複合体は、578nmで最大吸収する。
ラット血清中のサイトカイン分析
腫瘍壊死α(TNFα)の濃度を、製造業社の説明書に従ってマルチプレックスサンドイッチELISAシステム(Rat Premixed Multi-Analyte Kit LXSARM、Biotechne社)を用いて決定した。簡潔には、血清試料を、サイトカイン特異性抗体で事前にコーティングした磁石粒子に添加した。洗浄後、サイトカインをビオチン化抗体の添加によって検出した。最後に、フィコエリトリンを共役させたストレプトアビジンを添加し、Luminex 200分析器を用いて分析を実施した。フィコエリトリンのシグナル強度は、特異的サイトカインの濃度と比例する。
結果
エンドトキシン血症のあるラットは、血清中の高い総ビリルビン濃度によって示される肝機能の変化を有した(図4A)。エンドトキシン血症のあるラットに投与したとき、化合物1によって、ビヒクル条件と比較して総ビリルビンのレベルが完全に回復した。
並行して、LPS注射剤によって血清アルブミンレベルは低下するが、化合物19を用いて処置した動物は、ビヒクル対照ラットと比較した場合、79%のアルブミン濃度の回復を示した(図4B)。
循環サイトカインに関しては、化合物19によってLPS誘発性血清TNFαレベルが85%劇的に減少することが実証された(図4C)。
これらの結果によって、化合物1及び化合物19の両方の投与が、LPSに応答する肝機能及び炎症をインビボで改善し、それによって組織損傷及び臓器不全を防ぐことができることが示される。
(実施例6)
本発明による化合物によって敗血症のモデルにおいて生存が向上する
試験の目的
ACLFは稀な臨床状態であるが、入院中又は退院直後の両方において、なお高い短期死亡率に関連している。生細菌を伴うか又は伴わないPAMPs等の細菌産物(主にグラム陰性菌由来のLPS)の腸からの移行に起因する、自然免疫系の過剰活性化を示唆する合意的なパラダイムが生まれつつある。このような腸管バリアの障害は、制御不能な炎症の嵐をもたらす重大なエンドトキシン血症を引き起こし、肝硬変の肝臓並びに腎臓、脳、凝固系、心臓血管系及び/又は呼吸器系等の重要な臓器の最低限の機能を危険にさらす可能性がある。
盲腸の結紮及び穿孔(CLP)によって誘発された複数菌による敗血症は、調節不全の全身性炎症反応とそれに続く免疫抑制を特徴とする。マウスにおけるCLPモデルはヒト敗血症の進行及び特徴を模倣し、したがって、非代償性肝硬変からACLFへの、及び敗血症から敗血症性ショックへの移行の一般的な病態生理の特徴を考慮して、薬物がACLFの治療において有用であるかどうかを決定するのにも有用である。
この試験は、C57BL6J(BL6)雄性マウスにおける、盲腸の結紮及び穿孔(CLP)モデルにおける化合物1の有効性を調査することを目的とする。試験化合物の有効性を、試験期間中の動物の生存率に基づき評価した。
盲腸の結紮及び穿孔手術
到着時に9週齢及び体重23~25gのC57BL6J雄性マウス(供給元Janvier社-France)を、250μLのキシラジン/ケタミン溶液(20mg/体重100g)で腹腔内経路によって麻酔した。1~1.5cmの腹部正中切開を行い、盲腸を見つけ、遠位極(distal pole)と盲腸基部との間の半分の距離で4-0絹縫合糸(マイルドグレード)で緊密に結紮した。中位の結紮後、盲腸を、21ゲージ針で腸間膜から対腸間膜の方向に1回貫通穿刺した。少量の便を押し出して、創傷が明白であることを確実にした。ついで、盲腸を腹部の元の位置に戻し、縫合糸及び創傷クリップで閉じた。マウスを、6日目まで、体重増加及び死亡率について追跡した。
処置スキーム
化合物1又はビヒクル(Labrafil M 1944 CS、#3063、Gattefosse社)を、CLP手術前3日間、0.3mg/kgで経口投与した。CLPの日(0日目)、化合物1を手術の1時間前に投与し、6日目まで毎日続けた。実験を7日目に終了した。
実験群
2群の9週齢のC57BL6Jマウスを、上記のように処置した。
1.BL6マウスCLP(21G針)+ビヒクル(0.3mL/kg、経口)(マウス10匹)
2.BL6マウスCLP(21G針)+化合物1(0.3mg/kg、経口)(マウス15匹)
臨床徴候
各投与後、化合物1の副作用は記録されなかった。体重及び生存率を7日測定した。
生存率の結果
- 「CLP+ビヒクル(経口)」群は、2日目に30%、及び7日目の実験の終了までに10%の生存率に達した。
- 「CLP+化合物1(0.3mg/kg、経口)」群は、「CLP+ビヒクル(経口)」対照群と比較して、実験の終了時(7日目)に生存率の47%の有意な増大を示した(図5)。
結論
手術前3日間、手術前1時間及び7日目まで1日1回与えられた化合物1(0.3mg/kg、経口)によって、CLP+ビヒクル対照群と比較して、生存率が有意に向上した。結論として、化合物1は、マウスにおいて、CLP誘発性の複数菌による敗血症における生存率への有益な効果を有する。
(実施例7)
本発明による化合物によりマクロファージ活性化が阻害される
マクロファージ活性化及び炎症誘発性サイトカイン産生に対する化合物の有効性を試験するために、2.5×104THP-1細胞を384ウェルプレート中で培養し、100ng/mLのPMA(#P8139、Sigma社)で24時間処理してマクロファージへの分化を誘発した。
ついで、培地を除去し、1又は10μMの化合物を含有するFBS除去培地を24時間添加した。最後に、THP1マクロファージを100ng/mLのLPS(クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、#L4268、Sigma-Aldrich社)で6時間刺激した。
単球走化性タンパク質1(MCP1)及び腫瘍壊死α(TNFα)を、細胞上清中、ホモジニアス時間分解蛍光法(HTRF、TNFαについて#62HTNFAPEG、及びMCP1について62HCCL2PEG、Cisbio社)によって測定した。蛍光をInfinite 500(#30019337、Tecan社)を用いて測定して、サイトカインの濃度を決定した。
結果
クレブシエラ由来のLPSによるマクロファージの処置によって、MCP1及びTNFα血清レベルがそれぞれ3.5倍及び13倍増大した(図6及び図7)。マクロファージによるLPS誘発性サイトカイン産生への化合物の効果を評価するために、1及び10μMの各化合物について、ビヒクル条件に対する阻害のパーセンテージを算出し、MCP1についてはTable 1(表1)に、及びTNFαについてはTable 2(表2)に示す。化合物14について得られた結果を、代表的な実験としてグラフで示す(図6及び図7)。
実施例3に示すように、化合物1によってLPSクレブシエラによって誘発されるMCP1の産生が減少し、MCP1分泌について未処置条件を上回った(Table 1(表1))。同様に、10μMの化合物2、化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物9、化合物13、化合物14、化合物17、化合物18、化合物19、化合物20、化合物21、化合物22及び化合物23による処置によって、MCP1分泌が54から132%低下した(Table 1(表1))。
並行して、10μMを添加した場合、化合物3、化合物7、化合物9、化合物13、化合物14、化合物21、化合物22及び化合物23によって、マクロファージによるTNFα分泌も11から58%減少した(Table 2(表2))。
これらの結果によって、マクロファージ活性化を妨害し、サイトカイン産生を制限し、それによって組織への損傷を防ぐ、化合物の効力が示される。
(実施例8)
本発明による化合物によって肝細胞はアポトーシスから保護される
スタウロスポリンによって誘発される細胞ストレスを受けるヒト肝細胞への化合物の効果を評価するために、ヒト肝芽腫由来のHepG2細胞株(ECACC、#85011430、Sigma-Aldrich社)を、5%CO2インキュベーター中、37℃で、10%ウシ胎児血清(FBS、#10270、Gibco社)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(#15140、Gibco社)、1%ピルビン酸ナトリウム(#11360、Gibco社)及び1%MEM非必須アミノ酸(#11140、Gibco社)を補充した高グルコースDMEM培地(#41965、Gibco社、France)で培養した。
アポトーシスの代替マーカーであるカスパーゼ3/7活性を評価するために、1.5×104細胞を384ウェルプレート(#781080、Greiner社、France)に蒔いた。細胞接着後(8時間)、細胞を、0.3μMの化合物又はビヒクルの存在下で16時間血清飢餓させた。化合物1をまた、3及び10μMで使用した。その後、細胞を、細胞溶解及びカスパーゼ活性測定前にさらに4時間、化合物を補充した10μMのスタウロスポリン(#569397、Sigma-Aldrich社、Germany)で処置した。
カスパーゼ3/7活性を、Caspase Glow(商標)3/7アッセイ(#G8093、Promega社、USA)を用いて測定した。発光を、Spark(登録商標)マイクロプレートリーダー(#30086376、Tecan社、USA)を使用して測定した。発光量(RLU)はカスパーゼ3/7活性と直接相関している。
結果
スタウロスポリンを伴うHepG2細胞のインキュベーションによって、カスパーゼ3/7活性の8倍の増大によって示されるように、アポトーシスが誘発された(図8)。HepG2細胞におけるスタウロスポリン誘発性カスパーゼ活性への化合物の効果を評価するために、ビヒクル条件に対する阻害のパーセンテージを算出した。興味深いことに、化合物1の添加によって、スタウロスポリンによって誘発されるカスパーゼ活性が用量依存的に減少した(図8)。
同様に、0.3μMの化合物2、化合物4、化合物6、化合物7、化合物13、化合物14又は化合物21による処置によっても、スタウロスポリン誘発性カスパーゼ活性が26から79%低下した(Table 3(表3))。
これらの結果によって、化合物によって、カスパーゼ活性を阻害することによって肝細胞が細胞死から直接保護されることが示される。
結論
総合すれば、これらの結果によって、本発明による化合物による治療が、単球及びマクロファージへの直接の抗炎症効果により免疫系の過剰活性化(overt activation)を減少させ、また、アポトーシスを直接減少させ、エンドトキシンにより誘発される肝機能の変化を防ぐことが示される。したがって、本発明による化合物によって、敗血症及び敗血症性ショックの間に発生する組織損傷、臓器不全及び死亡が防がれる。

Claims (12)

  1. それを必要とする対象における敗血症の治療のための方法において使用するためのPPARアゴニストであって、
    - ラニフィブラノール、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ペマフィブラート、セラデルパル、サログリタザール、ピオグリタゾン及びロシグリタゾン、又は
    - 式(I)
    (式中、
    X1は、ハロゲン原子、R1基又はG1-R1基を表し、
    L1は、結合、(C1~C3)アルキル基によって置換されているか又は置換されていないチオフェニル基又はチアゾール基を表し、
    L2は、
    (i)-CH-OR7基(式中、R7は水素原子、非置換の(C1~C6)アルキル基又は(C6~C14)アリール基によって置換されている(C1~C6)アルキル基を表す)、
    (ii)カルボニル基(CO)、又は
    (iii)C=N-OR8(式中、R8は非置換の(C1~C6)アルキル基を表す)
    を表し、
    Aは、CH=CH又はCH2-CH2基を表し、
    X2はG2-R2基を表し、
    G1及びG2は同一であるか又は異なり、酸素又は硫黄の原子を表し、
    R1は、水素原子、非置換の(C1~C6)アルキル基、(C6~C14)アリール基、又はハロゲン原子、(C1~C6)アルコキシ基、(C1~C6)アルキルチオ基、(C5~C10)シクロアルキル基、(C5~C10)シクロアルキルチオ基及び5~14員の複素環式基から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されているアルキル基を表し、
    R2は、-COOR3基によって置換されている(C1~C6)アルキル基を表し、
    R3は、水素原子、又はハロゲン原子、(C5~C10)シクロアルキル基及び5~14員の複素環式基から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されているか若しくは置換されていない(C1~C6)アルキル基を表し、
    R4は、ハロゲン原子、非置換の(C1~C6)アルキル基、又はハロゲン原子、(C5~C10)シクロアルキル基及び5~14員の複素環式基から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている(C1~C6)アルキル基を表し、
    R5は、水素原子、ハロゲン原子、非置換の(C1~C6)アルキル基、又はハロゲン原子、(C5~C10)シクロアルキル基及び5~14員の複素環式基から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている(C1~C6)アルキル基を表し、
    R6は、水素原子若しくはハロゲン原子を表す)
    の化合物若しくは薬学的に許容されるその塩から選択され、
    但し、式(I)の前記化合物が
    エラフィブラノール若しくは薬学的に許容されるその塩、又は
    2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-オキソ-プロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸若しくは薬学的に許容されるその塩ではないことを条件とする、
    PPARアゴニスト。
  2. 式(I)(式中、X1はG1-R1基であり、G1は酸素原子である)の化合物である、請求項1に記載の使用のためのPPARアゴニスト。
  3. 式(I)
    (式中、
    - G1は酸素原子であり、
    - R1は、非置換の(C1~C4)アルキル基又は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されている(C1~C4)アルキル基であり、
    - R2は-COOR3基によって置換されている(C1~C3)アルキル基であり、
    - R3は水素原子又は非置換の(C1~C4)アルキル基であり、
    - R4及びR5は(C1~C4)アルキル基を表し、
    - L2は-CH-OR7基である)
    の化合物である、請求項1又は2に記載の使用のためのPPARアゴニスト。
  4. 前記化合物が、
    2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
    2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]-3-オキソ-プロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
    2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-オキソ-プロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
    2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-メトキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
    2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-イソプロピルオキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
    2-(4-(3-ヒドロキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ)-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
    2-(4-(3-(メトキシイミノ)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ)-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
    2-(2-クロロ-4-(3-(4-メチル-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-チアゾール-5-イル)-3-オキソプロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
    2-(2,3-ジクロロ-4-(3-エトキシ-3-(4-メチル-2-(4-(トリフルオロメチル)-フェニル)チアゾール-5-イル)プロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
    2-(4-(3-(ベンジルオキシ)-3-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)チエン-2-イル)プロピル)-2,3-ジクロロフェノキシ)-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
    2-(2,3-ジクロロ-4-(3-メトキシ-3-(5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-チエン-2-イル)プロピル)フェノキシ)-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、
    2-(4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ)-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩、及び
    2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-ブロモフェニル]-3-メトキシプロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩
    である、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用のためのPPARアゴニスト。
  5. 前記化合物が2-[4-(3-メトキシ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)プロピル)-2,6-ジメチルフェノキシ]-2-メチルプロパン酸又は薬学的に許容されるその塩である、請求項4に記載の使用のためのPPARアゴニスト。
  6. 前記対象が、多臓器不全を伴う敗血症を患う又はそのリスクがある、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用のためのPPARアゴニスト。
  7. 前記対象が、敗血症性ショックを患う又はそのリスクがある、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用のためのPPARアゴニスト。
  8. 前記方法において単一の活性剤として使用するためのものである、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用のためのPPARアゴニスト。
  9. 前記方法において抗菌剤と組み合わせて使用するためのものである、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用のためのPPARアゴニスト。
  10. 前記抗菌剤が抗生物質である、請求項9に記載の使用のためのPPARアゴニスト。
  11. 前記抗菌剤がカルバペネム系抗生物質である、請求項9又は10に記載の使用のためのPPARアゴニスト。
  12. 前記抗菌剤がエルタペネムである、請求項9又は10に記載の使用のためのPPARアゴニスト。
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