JP2024511418A - 治療用細胞組成物の効力を決定する方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、細胞療法に関連する治療用細胞組成物の効力を決定する方法に関する。治療用細胞組成物の細胞は、組換え受容体、例えば、キメラ受容体、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)またはT細胞受容体(TCR)等の他のトランスジェニック受容体を発現できる。方法は、治療用細胞組成物の、相対効力を含む効力を同定するためのアッセイを提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、全ての目的のために参照により全体が組み込まれる、2021年3月22日に出願した米国仮出願第63/164,527号の優先権を主張するものである。
配列表の参照による組込み
本出願は、電子的フォーマットの配列表と共に提出される。配列表は、2022年3月21日に作成された、73504_2023040_SEQLIST.TXTと題されたファイルとして提供され、そのサイズは84,579バイトである。配列表の電子的フォーマットの情報は、参照により全体が組み込まれている。
本開示は、細胞療法に関連して使用するための治療用細胞組成物の効力を決定する方法に関する。治療用細胞組成物の細胞は、組換え受容体、例えば、キメラ受容体、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)またはT細胞受容体(TCR)等の他のトランスジェニック受容体を発現できる。方法は、治療用細胞組成物の、相対効力を含む効力を決定するためのアッセイを提供する。
種々の免疫療法および/または細胞療法の方法が、疾患および状態を処置するために利用可能である。例えば、養子細胞療法(目的の疾患または障害に特異的なキメラ受容体、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)および/または他の組換え抗原受容体を発現する細胞の投与を含むものならびに他の養子免疫細胞および養子T細胞療法を含む)は、がんまたは他の疾患もしくは障害の処置において有効であり得る。組成物のエクスビボ(ex vivo)生成の方法に関連してなど、有効治療用細胞組成物を特性決定するための、および細胞療法を用いて対象を処置するための改善されたアプローチが、必要とされる。このような必要性に対処する方法が本明細書において提供される。
治療用細胞組成物の効力を決定する方法であって、複数のインキュベーションを実施することであって、前記複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体を発現するように操作された細胞を含む治療用細胞組成物の細胞を組換え受容体刺激剤と共に培養することを含み、組換え受容体への組換え受容体刺激剤の結合は、細胞において組換え受容体依存性活性を刺激し、複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる調整された比率を含む、実施すること、複数のインキュベーションの各々から組換え受容体依存性活性を測定すること、および複数のインキュベーションの各々から測定された組換え受容体依存性活性に基づいて、特定の組換え受容体依存性活性、例えば、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率を決定することを含む、方法が、本明細書において提供される。提供される実施形態のいずれかの一部では、方法は、参照標準の特定の受容体依存性活性(例えば、最大半量の組換え受容体依存性活性)をもたらす調整された比率に対して、治療用細胞組成物の特定の受容体依存性活性(例えば、最大半量の組換え受容体依存性活性)をもたらす調整された比率を比較することによって、治療用細胞組成物の相対効力を決定することをさらに含む。
また、治療用細胞組成物の効力を決定する方法であって、複数のインキュベーションを実施することであって、前記複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体を発現するように操作された細胞を含む治療用細胞組成物の細胞を組換え受容体刺激剤と共に培養することを含み、組換え受容体への組換え受容体刺激剤の結合は、細胞において組換え受容体依存性活性を刺激し、複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる調整された比率を含む、実施すること、複数のインキュベーションの各々から組換え受容体依存性活性を測定すること、および参照標準の特定の組換え受容体依存性活性(例えば、最大半量の組換え受容体依存性活性)に対して、治療用細胞組成物の特定の組換え受容体依存性活性(例えば、治療用細胞組成物の最大半量の組換え受容体依存性活性)を比較することによって、治療用細胞組成物の相対効力を決定することを含む、方法が、本明細書において提供される。
提供される実施形態のいずれかの一部では、複数のインキュベーションの各々は、治療用組成物の一定数の細胞を、異なる量の組換え受容体刺激剤と共に培養して、複数の異なる調整された比率を生成することを含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、複数のインキュベーションの各々は、一定量の結合分子、例えば、組換え受容体刺激剤を、治療用組成物の異なる数の細胞と共に培養して、複数の異なる調整された比率を生成することを含む。
提供される実施形態のいずれかの一部では、複数のインキュベーションは、2つまたはそれより多い、適宜、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多い治療用細胞組成物について実施される。提供される実施形態のいずれかの一部では、2つまたはそれより多い治療用細胞組成物は、各々同一の組換え受容体を含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、2つまたはそれより多い治療用細胞組成物は、各々異なる組換え受容体を含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、2つまたはそれより多い治療用細胞組成物のうち少なくとも1つは、他の治療用組成物とは異なる組換え受容体を含む。
提供される実施形態のいずれかの一部では、2つまたはそれより多い治療用細胞組成物は、各々同一製造プロセスを使用して製造される。提供される実施形態のいずれかの一部では、2つまたはそれより多い治療用細胞組成物は、各々異なる製造プロセスを使用して製造される。提供される実施形態のいずれかの一部では、2つまたはそれより多い治療用細胞組成物のうち少なくとも1つは、他の治療用細胞組成物を製造するために使用されたものとは異なる製造プロセスを使用して製造される。
提供される実施形態のいずれかの一部では、2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、単一対象から得た細胞から生成される。提供される実施形態のいずれかの一部では、2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、異なる対象から得た細胞から生成される。提供される実施形態のいずれかの一部では、対象は、健康な対象または疾患もしくは状態を有する対象である。
提供される実施形態のいずれかの一部では、異なる対象の各々は、同一の疾患または状態を有する。提供される実施形態のいずれかの一部では、異なる対象の各々は、対象において疾患または状態を処置するための同一治療用細胞組成物を用いて処置されるべきである。
提供される実施形態のいずれかの一部では、複数のインキュベーションは少なくとも3回のインキュベーションである。提供される実施形態のいずれかの一部では、複数のインキュベーションは、少なくとも5回のインキュベーションである。提供される実施形態のいずれかの一部では、複数のインキュベーションが少なくとも7回のインキュベーションである。提供される実施形態のいずれかの一部では、複数のインキュベーションが、少なくとも10回のインキュベーションである。
提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体依存性活性は、サイトカイン発現、細胞溶解活性、受容体上方制御、受容体下方制御、増殖、遺伝子上方制御、遺伝子下方制御または細胞の健康のうち1つまたは複数を含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体依存性活性は、サイトカイン発現または生成を含むか、またはそれである。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体依存性活性は、サイトカイン発現または生成を含むか、またはそれであり、サイトカインがTNF-アルファ、IFNガンマ(IFNg)またはIL-2である。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体依存性活性は、細胞溶解活性を含むか、またはそれである。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体依存性活性は、受容体下方制御を含むか、またはそれである。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体依存性活性は、増殖を含むか、またはそれである。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体依存性活性は、遺伝子上方制御を含むか、またはそれである。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体依存性活性は、遺伝子下方制御を含むか、またはそれである。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体依存性活性は、細胞の健康を含むか、またはそれである。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体依存性活性は、細胞の健康を含むか、またはそれであり、細胞の健康は、細胞死、細胞径、生細胞濃度および細胞計数のうち1つまたは複数を含む。
提供される実施形態のいずれかの一部では、複数のインキュベーションの各々で測定された組換え受容体依存性活性は、治療用細胞組成物について測定された最大受容体依存性活性に対して正規化される。
提供される実施形態のいずれかの一部では、参照標準は、特定の(例えば、最大半量の)組換え受容体依存性活性をもたらす検証された調整された比率を含む治療用細胞組成物、市販の治療用細胞組成物、治療用細胞組成物を製造するために使用される製造プロセスと同一である製造プロセスを使用して製造された治療用細胞組成物、治療用細胞組成物を製造するために使用された製造プロセスとは異なる製造プロセスを使用して製造された治療用細胞組成物、治療用細胞組成物と同一の組換え受容体を含む治療用細胞組成物、治療用細胞組成物とは異なる組換え受容体を含む治療用細胞組成物、同一対象から製造された治療用細胞組成物または異なる対象から製造された治療用細胞組成物である。
提供される実施形態のいずれかの一部では、参照標準は、2つまたはそれより多い治療用組成物のうちの1つである。
提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体刺激剤は、組換え受容体の標的抗原またはその細胞外ドメイン結合部分、適宜、組換え抗原を含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体刺激剤は、抗原の細胞外ドメイン結合部分を含み、細胞外ドメイン結合部分は、組換え受容体によって認識されるエピトープを含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体刺激剤は、組換え受容体の細胞外ドメイン(例えば、細胞外ドメイン上のエピトープ)に対して特異的な抗体を含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体刺激剤は、組換え受容体の細胞外抗原結合ドメインに対して特異的な抗イディオタイプ抗体である。
提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体刺激剤は、固体支持体に固定化されるか、または付着している。提供される実施形態のいずれかの一部では、固体支持体は、複数のインキュベーションが実施される容器、適宜、マイクロウェルプレートのウェルの表面である。提供される実施形態のいずれかの一部では、固体支持体はビーズである。
提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体刺激剤は抗原発現細胞であり、細胞は、細胞株由来のクローン、細胞または対象から採取された一次細胞であってもよい。提供される実施形態のいずれかの一部では、抗原発現細胞は、細胞株である。提供される実施形態のいずれかの一部では、細胞株は腫瘍細胞株である。提供される実施形態のいずれかの一部では、抗原発現細胞は、組換え受容体の抗原を発現するように形質導入によって導入されていてもよい細胞である。
提供される実施形態のいずれかの一部では、調整された比率は、参照標準の組換え受容体依存性活性の線形用量反応範囲を達成する。提供される実施形態のいずれかの一部では、調整された比率は、参照標準の下側漸近線(最小)組換え受容体依存性活性および上側漸近線(最大)組換え受容体依存性活性を含む。
提供される実施形態のいずれかの一部では、治療用細胞組成物は、生物学的試料から濃縮もしくは精製された単細胞サブタイプまたは適宜、生物学的試料から濃縮もしくは精製された細胞サブタイプを混合することによって得られた混合細胞サブタイプの集団を含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、生物学的試料は、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画細胞試料、リンパ球試料、白血球細胞試料、アフェレーシス生成物または白血球アフェレーシス生成物を含む。
提供される実施形態のいずれかの一部では、治療用細胞組成物は一次細胞を含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、治療用細胞組成物は、処置されるべき対象から得た自家細胞を含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、治療用細胞組成物は、同種異系細胞を含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、治療用細胞組成物は、CD3+、CD4+、および/またはCD8+T細胞を含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、治療用細胞組成物は、CD4+T細胞を含むか、またはそれである。提供される実施形態のいずれかの一部では、治療用細胞組成物は、CD8+T細胞を含むか、またはそれである。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。
提供される実施形態のいずれかの一部では、治療用細胞組成物は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、組換え受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。
提供される実施形態のいずれかの一部では、複数のインキュベーションは、フラスコ、チューブまたはマルチウェルプレート中で実施される。提供される実施形態のいずれかの一部では、複数のインキュベーションの各々は、マルチウェルプレートのウェルにおいて個別に実施される。提供される実施形態のいずれかの一部では、マルチウェルプレートは、96ウェルプレート、48ウェルプレート、12ウェルプレートまたは6ウェルプレートである。
提供される実施形態のいずれかの一部では、方法は、特定の(例えば、最大半量の)組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率に基づいて、それを必要とする対象に投与するための治療用組成物の細胞の用量を決定することをさらに含む。提供される実施形態のいずれかの一部では、方法は、相対効力に基づいて、それを必要とする対象に投与するための治療用組成物の細胞の用量を決定することをさらに含む。
提供される実施形態のいずれかの一部では、対象は疾患または状態を有する。提供される実施形態のいずれかの一部では、疾患または状態はがんである。
提供される実施形態のいずれかの一部では、方法は、相対効力に基づいて、最適治療用細胞組成物効力を生成する製造プロセスを決定することをさらに含み、最適治療用細胞組成物効力が、完全な応答および/または持続性のある応答および/または毒性の低減と相関する。
提供される実施形態のいずれかの一部では、方法は、相対効力に基づいて、効力の分散が低減されたまたは低い治療用細胞組成物を生成する製造プロセスを決定することをさらに含み、低減されたまたは低い分散は、異なる製造プロセスにおける分散と比較して決定される。
図1A~1Bは、3名の異なるドナーに関する種々の標的のエフェクター細胞に対する比率(T:E)でのサイトカイン分泌反応曲線を示す。図1Aは生の値のサイトカイン分泌曲線を示し、図1Bは上方漸近線(Vmax)によって正規化された同じ分泌曲線を示す。 図1A~1Bは、3名の異なるドナーに関する種々の標的のエフェクター細胞に対する比率(T:E)でのサイトカイン分泌反応曲線を示す。図1Aは生の値のサイトカイン分泌曲線を示し、図1Bは上方漸近線(Vmax)によって正規化された同じ分泌曲線を示す。
操作されたT細胞療法(例えば、治療用細胞組成物)を含む細胞療法のための、例えば、細胞療法を生成するためのエクスビボプロセスをモニタリングすることに関連して使用するための、および種々のがんを含む疾患および状態の処置のための用量を決定するための治療用細胞組成物の効力を評価または決定する方法が、本明細書において提供される。提供される実施形態は、疾患または状態と関連する分子を認識する、および/またはそれに特異的に結合して、このような分子に結合した際にこのような分子に対する応答、例えば、免疫応答をもたらすように設計された、組換えタンパク質を発現するように操作された、例えば、組換え受容体を発現するもの等の操作されたT細胞を含有する治療用T細胞組成物に関する。受容体は、キメラ受容体、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)およびトランスジェニックT細胞受容体(TCR)を含む他のトランスジェニック抗原受容体を含み得る。
治療用細胞組成物の効力を決定する本方法は通常、治療用細胞組成物の操作された細胞の最大抗原刺激を使用する。例えば、種々の既存の方法は、最大刺激の際に治療用細胞組成物の細胞の抗原特異的活性、例えば、サイトカイン発現、受容体上方制御または下方制御を測定する。刺激に応じて測定された活性は、次いで、試験された全ての治療用細胞組成物に対して比較され、どの治療用細胞組成物が、最も活性、例えば、組換え受容体依存性活性を有していたかが決定される。最高活性を有する治療用細胞組成物は、最も強力な治療用細胞組成物と考えられ得る。
多くの場合、飽和レベルの抗原の使用は、生理学的に関連しない場合がある。さらに、飽和レベルの抗原の使用は、組換え受容体刺激に対する治療用細胞組成物の感受性を捕捉できない。例えば、現在のアッセイは、検出可能な活性応答を誘発するために必要な刺激(例えば、抗原の量または濃度)に対する組換え受容体の感受性を区別することができない。最大抗原刺激では、変動した刺激に対する組換え受容体の活性、例えば、組換え受容体依存性活性の解明は可能にならない。手短には、治療用細胞組成物における効力を評価する現在の方法は、治療用細胞組成物の効力の一次元的な見方を提供するが、治療用細胞組成物の感受性(例えば、挙動、活性)を捕捉できる尺度を確立する能力をさらに欠く。
本明細書において提供される方法は、治療用細胞組成物の感受性(例えば、挙動、活性)をより包括的に評価するように設計されている。本明細書において提供される方法は、治療用細胞組成物の効力のより生物学的に関連する尺度を提供するように設計されている。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法に従って決定された治療用細胞組成物の効力は、治療用細胞組成物の安全性および有効性とより強力に相関する場合がある。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法に従って決定された治療用細胞組成物の効力は、製造制御および/または変動性の改善された尺度を提供する場合があり、これは、次いで、製造された治療用細胞組成物の安定性および活性(例えば、組換え受容体依存性活性)の改善された評価を可能にすることができる。
提供される方法は、治療用細胞組成物が抗原に対してどのように応答するかを比較するための直接的な方法に関する。多くの場合、最大のあり得る刺激である単一標的抗原刺激に対する活性を比較する既存の方法とは異なり、提供される方法は、標的(例えば、抗原または抗体発現細胞)の、エフェクター細胞(治療用組成物の細胞)に対する比率を調整する。例えば、この比率は、アッセイにおいて一定数のエフェクター細胞を維持することによって、および標的発現細胞数を変動させることによって制御され得る。例えば、提供される方法によって、特定の受容体依存性活性に到達するために必要な標的発現細胞数および/または標的(例えば、抗原または抗体)量を決定することが可能である。一部の実施形態では、標的は、組換え受容体の抗原である。したがって、一部の場合には、標的発現細胞は、抗原発現細胞である。一部の実施形態では、特定の受容体依存性活性は、最大活性の50%である。一部の実施形態では、特定の受容体依存性活性は、最大受容体依存性活性の10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%または90%である。一部の実施形態では、特定の受容体依存性活性は、本明細書で開示されるような範囲である。一部の実施形態では、提供される方法は、治療用細胞組成物の比較を可能にする。例えば、治療用細胞組成物を、本明細書において提供される方法によって評価し、例えば、本明細書に記載されるように相対効力を決定できる。
重要なことに、異なる治療用細胞組成物間およびそれらの間で活性を比較することは可能であろうということは知られていなかった。特に、治療用細胞組成物は異なる感受性プロファイル(例えば、組換え受容体特異的刺激に対する応答)、例えば、異なる最小および最大応答を有すると考えられていたので、治療用細胞組成物を比較する能力は知られていなかった。治療用細胞組成物に影響を及ぼす変数は、細胞が由来するか、または得られるドナー、分化状態などの細胞、特定の組換え受容体(例えば、CAR)の抗原結合能力、特定の組換え受容体の細胞内シグナル伝達構成要素、組換え受容体(例えば、CAR)を発現する組成物中の細胞のパーセンテージまたは頻度、治療用組成物を生成するために使用されるプロセスおよび他の因子における相違等のために生物製剤等の他の薬物製品よりもかなり大きい。例えば、図1Aに示されるように、異なるドナーに由来する治療用組成物は、反応曲線に示されるものなどの抗原刺激に対する異なる応答を呈する。したがって、この結果は、治療用細胞組成物を比較することは可能でない場合があることを示すであろう。反応曲線の上側漸近線(例えば、最大刺激)に対して活性を正規化することによって、治療用細胞組成物の感受性を比較することができるであろうということが本明細書において見出される。提供される方法は、異なる方法、異なる抗原受容体を発現すること、異なるドナーから生成されていること、および他の変数によって生じている結果等として変わり得るものを含む、異なる細胞生成物の間およびそれらの中での感受性を測定することを可能にする。既存の方法は、最大刺激で活性を評価するが、これは、幾分かはそれがあり得る分散を説明する唯一の方法であると考えられているからである。
一部の実施形態では、本明細書において提供される方法は、変動性の供給源を低減または排除する。例えば、本明細書において提供される方法は、ドナーの不均一性および/または日にち毎のサンプリングもしくは試験によって生じ得る変動性に対して頑強である。一部の場合には、ドナーの不均一性および/またはサンプリングもしくは試験による変動性等の変動性を排除することによって、治療用細胞組成物の比較が可能となる。
本明細書において提供される方法は、異なる調整された比率の治療用細胞組成物の細胞および組換え受容体刺激剤が培養される一連のインキュベーションを含むアッセイ形式を含む。提供された態様では、組換え受容体刺激剤は、組換え受容体の細胞内シグナル伝達領域を介してシグナルを誘導するか、または誘導可能である薬剤である。例えば、組換え受容体刺激剤は、組換え受容体の抗原、例えば、精製された抗原または組換え抗原、抗原発現細胞または組換え受容体の細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv)に対して特異的な抗イディオタイプ抗体を含み得る。一部の実施形態では、本明細書において提供される、アッセイ形式を含む方法は、治療用細胞組成物の操作された細胞における組換え受容体依存性活性を刺激するために必要な、例えば、節I-Bに記載されるような組換え受容体刺激剤の量または濃度を測定または決定することによって、治療用細胞組成物の感受性を測定するように設計されている。例えば、本明細書において提供される方法は、治療用細胞組成物の定量可能なおよび検出可能な活性(例えば、組換え受容体依存性活性)を刺激する抗原のレベル(例えば、量、濃度)を決定できる。一部の実施形態では、感受性の尺度は、複数の調整された比率にわたる組換え受容体に結合する組換え受容体刺激剤によって刺激された組換え受容体依存性活性の測定値を含む。異なる調整された比率で組換え受容体依存性活性を評価する方法の能力によって、組換え受容体特異的刺激に対する治療用細胞組成物の一般的な活性または挙動の決定、推定および/または外挿が可能となる。
本明細書において提供される方法は、一連の制御されたインキュベーションにおいて組換え受容体の刺激に応じた、組換え受容体、例えば、本明細書に記載される組換え受容体を発現する治療用細胞組成物の細胞の活性を測定することによって、治療用細胞組成物の効力の評価を可能にするアッセイを含む。例えば、一連のインキュベーションは、組換え受容体を発現する治療用細胞組成物の操作された細胞を、異なる調整された比率で、組換え受容体に結合された場合に細胞によって発現される組換え受容体の活性、例えば、組換え受容体依存性活性を刺激する、例えば、本明細書(例えば、節I-B)に記載される組換え受容体刺激剤と共に培養することを含む場合があり、各インキュベーションは、異なる調整された比率である。一部の実施形態では、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくはそれより多い、または少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくはそれより多いインキュベーションが実施され、各インキュベーションは、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる比率を含有する。一部の実施形態では、3回または少なくとも3回のインキュベーションが実施され、各インキュベーションは、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる調整された比率を含有する。一部の実施形態では、6回または少なくとも6回のインキュベーションが実施され、各インキュベーションは、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる調整された比率を含有する。一部の実施形態では、10回または少なくとも10回のインキュベーションが実施され、各インキュベーションは、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる調整された比率を含有する。
一部の実施形態では、治療用組成物の一定数の細胞が、異なる量の組換え受容体刺激剤と共に培養されて、一連の(例えば、複数の)異なる調整された比率をもたらす。あるいは、一部の実施形態では、一定量または濃度の、例えば、節I-Bに記載されるような組換え受容体刺激剤が異なる数の治療用細胞組成物の細胞と共にインキュベートされて、一連の(例えば、複数の)異なる調整された比率をもたらす場合もある。異なる調整された比率が達成される方法にかかわらず、例えば、治療用細胞組成物の細胞の総数または組換え受容体刺激剤の量を変えることによって、一連の(例えば、複数の)調整された比率を使用して、刺激条件の範囲にわたる組換え受容体依存性活性の評価が可能となる。一部の実施形態では、測定の範囲を使用して、特定の治療用細胞組成物の操作された細胞が異なるレベルの組換え受容体刺激に応答する方法を抽出、推定および/または決定できる。
本明細書で記載された方法に従って生成された測定された組換え受容体依存性活性から、任意の数の手段を決定、抽出、外挿、推定および/または推測できる。尺度の限定されない例として、最大、最小および最大半量(50%)の組換え受容体依存性活性が生じる調整された比率、最大組換え受容体依存性活性の特定のパーセンテージ(例えば、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%または90%)が生じる調整された比率および組換え受容体依存性活性の一定範囲、例えば、最大組換え受容体依存性活性の10%~90%、20%~80%、30%~70%、40%~60%を包含する調整された比率が挙げられる。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の測定された組換え受容体依存性活性は、カーブフィッティングを受けて、組換え受容体依存性活性曲線を生成する。一部の実施形態では、曲線は、用量反応曲線と類似している。一部の実施形態では、特定の組換え受容体依存性活性が生じる組換え受容体依存性活性および/または比率の尺度は、曲線から外挿および/または推定される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性曲線を使用して、特定の組換え受容体依存性活性が生じる治療用細胞組成物および/または組換え受容体刺激剤の値または尺度を外挿できる。一部の実施形態では、例えば、治療用細胞組成物細胞計数が一定に維持され、組換え受容体刺激剤の量が変更される場合には、組換え受容体依存性活性が生じる最大、最小、最大半量および範囲を決定するために、組換え受容体刺激剤の、量(例えば、精製された標的もしくは組換え標的の場合には、質量(例えば、ピコグラムで)、もしくは標的発現細胞の場合には、細胞の数)または濃度(例えば、精製された標的もしくは組換え標的の場合には、質量/体積で(例えば、pg/mlで)、もしくは標的発現細胞の場合には、単位体積当たりの細胞数(例えば、細胞/mL))が使用される。一部の実施形態では、例えば、治療用細胞組成物細胞計数が変更され、組換え受容体刺激剤の量が一定に維持される場合には、組換え受容体依存性活性が生じる最大、最小、最大半量および範囲を決定するために、治療用細胞組成物の細胞の数(例えば、計数、総数)が使用される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性が生じる最大、最小、最大半量および範囲を決定するために、調整された比率(複数可)が使用される。一部の実施形態では、最大半量の組換え受容体依存性活性を決定するために、組換え受容体刺激剤の量または濃度が使用される。一部の実施形態では、最大半量の組換え受容体依存性活性を決定するために、治療用細胞組成物の細胞の量(例えば、計数)が使用される。一部の実施形態では、最大半量の組換え受容体依存性活性を決定するために、調整された比率が使用される。これらの例示された尺度ならびに列挙されない他のものは、効力および/または相対効力(例えば、治療用細胞組成物の本明細書(例えば、節I-D)に記載されるもの等の参照標準に対する効力)を決定するために使用され得る治療用細胞組成物の定量的説明を提供する。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力は、組換え受容体依存性活性に基づいて決定された、調整された比率の値もしくは尺度、治療用細胞組成物の細胞の量、および/または組換え受容体刺激剤の量もしくは濃度として表される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力は、組換え受容体依存性活性の最大半量値(例えば、最大活性の50%)が生じる、調整された比率の値もしくは尺度、治療用細胞組成物の細胞の量、および/または組換え受容体刺激剤の量もしくは濃度である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力は、組換え受容体依存性活性の最大半量値(例えば、最大活性の50%)が生じる、調整された比率である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力は、組換え受容体依存性活性の最大半量値が生じる、組換え受容体刺激剤の濃度である。一部の実施形態では、測定された組換え受容体依存性活性に従って、治療用細胞組成物の50%有効刺激(ES50)が生じる、組換え受容体依存性活性の最大半量値は、調整された比率、組換え受容体刺激剤の濃度および/または細胞計数を反映する。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力は、相対効力である。例えば、治療用細胞組成物について最大半量の組換え受容体依存性活性が測定される調整された比率を、参照標準について最大半量の組換え受容体依存性活性が測定される調整された比率に対して比較することができる。当然のことではあるが、妥当な場合には、組換え受容体刺激剤の濃度もしくは量または細胞計数は、調整された比率の代わりに使用され得る。一部の実施形態では、参照標準は、最大半量の組換え受容体依存性活性が生じる、既知および/または検証された調整された比率を有する治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準は、最大半量の組換え受容体依存性活性が生じる調整された比率が、例えば、本明細書に記載されるような方法を使用して決定されている、市販の治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準は、最大半量の組換え受容体依存性活性が生じる調整された比率が、例えば、本明細書に記載されるような方法を使用して決定されている異なる治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、異なる治療用細胞組成物は、試験治療用細胞組成物と同一の抗原に結合するが、異なる受容体構造を有する組換え受容体を発現する細胞を含有する。一部の実施形態では、異なる治療用細胞組成物は、試験治療用細胞組成物と同一の組換え受容体を発現するが、治療用細胞組成物が、試験治療用細胞組成物を製造するために使用されたプロセスとは異なるプロセスを使用して製造された細胞を含有する。一部の実施形態では、相対効力は、試験治療用細胞組成物の最大半量の値をもたらす調整された比率を、参照標準の最大半量の値をもたらす調整された比率によって除することによって決定された比率である。一部の実施形態では、相対効力は、試験治療用細胞組成物の最大半量の値をもたらす調整された比率を、参照標準の最大半量の値をもたらす調整された比率によって除し、100を乗じることによって決定されたパーセンテージである。
一部の場合には、治療用細胞組成物の組換え受容体依存性活性を正規化することは、2つまたはそれより多い治療用細胞組成物の組換え受容体依存性活性を比較できるか否かを決定するために有用である。例えば、2つまたはそれより多い治療用組成物の組換え受容体依存性活性が決定される場合には、試験された治療用細胞組成物各々の最大および/または最小組換え受容体依存性活性は異なっており、各組成物の組換え受容体依存性活性を、その自身の最大値に対して正規化することによって、組換え受容体依存性活性を比較することの妥当性の評価が可能となり得る。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、測定された最大組換え受容体依存性活性値に対して正規化される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性曲線は、測定された最大組換え受容体依存性活性に対して正規化される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性曲線が正規化される場合には、最大活性値は、曲線の上側漸近線にわたる平均である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性を、そのそれぞれの最大値によって正規化することによって、試験治療用細胞組成物および参照標準の間の比較が容易になる。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性をそのそれぞれの最大値によって正規化することによって、相対効力を算出することが容易になる。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性をそのそれぞれの最大値によって正規化することによって、平行線試験が実施されることが可能となる。一部の実施形態では、平行線試験の結果は、治療用細胞組成物および参照標準を比較する能力を示す。
治療用細胞組成物の効力を評価するための、本明細書において提供されるアッセイを含む方法によって、参照標準を含む異なる治療用細胞組成物が比較されることが可能となる。治療用細胞組成物を比較する能力は、改善された、最適な、および/または一貫した効力を有する治療用細胞組成物を同定するだけではなく、さらなる開発および/もしくは分析のために候補治療用細胞組成物を同定し;改善された、もしくは最適な効力を有する治療用細胞組成物をもたらす製造プロセスおよび手順を同定し;一貫した効力を有する治療用細胞組成物をもたらす製造手順を同定し;ならびに/または製造手順に固有の変動性を推定し;それを必要とする対象に投与されるべき治療用細胞組成物の用量、例えば、毒性の発生を伴わない臨床応答をもたらす用量を決定し;ならびに/または自家治療用細胞組成物に対して同種異系の治療用細胞組成物の効力を比較する方法を提供する。本明細書において提供される方法は、試験治療用組成物または参照標準が異なるドナー(例えば、対象)、製造プロセスおよび/または治療用製品に由来するか否かについてとらわれない相対効力形式と適合するように設計される。
本出願において参照される特許文書、科学論文およびデータベースを含む全ての出版物は、それぞれ個々の出版物が個々に参照により組み込まれた場合と同程度に、あらゆる目的のために参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の定義が、参照により本明細書に組み込まれる特許、出願、公開された出願および他の出版物に記載の定義に反するか、または別の状況で矛盾する場合、参照により本明細書に組み込まれる定義より本明細書に記載の定義が優先される。
本明細書において使用される章の見出しは、単に系統化する目的のためであり、記載された主題を限定するものとして解釈されないものとする。
I.細胞効力アッセイ
複数のインキュベーションを含むアッセイを使用して、治療用細胞組成物、例えば、節I-Aに記載されるような、例えば、組換え受容体(例えば、CAR)を発現するように操作されたT細胞(例えば、CD3+、CD4+、CD8+T細胞)を含有する治療用T細胞組成物の効力を評価する方法が本明細書において提供され、複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体を発現するように操作された細胞を含有する治療用細胞組成物の細胞を、細胞において組換え受容体依存性活性を刺激するために組換え受容体によって認識される、またはそれによって結合されることが可能である、例えば、節I-Bにおいて記載されるような、組換え受容体刺激剤、例えば、抗原、抗原発現細胞または抗体(例えば、抗イディオタイプ抗体)と共に培養することを含む。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、その組換え受容体の刺激に応じて誘発される細胞の活性である。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、例えば、サイトカイン発現、細胞溶解活性、受容体上方制御または下方制御、遺伝子上方制御もしくは下方制御、細胞溶解活性、増殖活性および/または例えば、節I-Cに記載されるような細胞の健康の尺度等の活性である。一部の実施形態では、複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる調整された比率を含有する。一部の実施形態では、複数のインキュベーションの各々は、治療用組成物の一定数の細胞を、異なる量の組換え受容体刺激剤と共に培養して、複数の異なる調整された比率を生成することを含む。一部の実施形態では、複数のインキュベーションの各々は、治療用組成物の異なる数の細胞を、一定量または濃度の組換え受容体刺激剤と共に培養して、複数の異なる調整された比率を生成することを含む。一部の実施形態では、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくはそれより多い、または少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくはそれより多いインキュベーションが実施され、各インキュベーションは、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる比率を含有する。一部の実施形態では、3回または少なくとも3回のインキュベーションが実施され、各インキュベーションは、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる比率を含有する。一部の実施形態では、6回または少なくとも6回のインキュベーションが実施され、各インキュベーションは、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる比率を含有する。一部の実施形態では、10回または少なくとも10回のインキュベーションが実施され、各インキュベーションは、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる比率を含有する。一部の実施形態では、複数のインキュベーションの各々から組換え受容体依存性活性が測定される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションの各々からの組換え受容体依存性活性が、節I-Cに記載されるように、例えば、蛍光、フローサイトメトリー、ELISAによって測定される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性の測定値は、曲線によってフィッティングされて、例えば、上記のように組換え受容体依存性活性曲線を生成する。一部の実施形態では、複数のインキュベーションの各々から測定された組換え受容体依存性活性に基づいて、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率が決定される。一部の実施形態では、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率が、組換え受容体依存性活性曲線から推測、外挿または推定される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性曲線は、測定された最大組換え受容体依存性活性に対して正規化される。一部の実施形態では、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率は、治療用細胞組成物の効力である。一部の実施形態では、妥当な場合には、組換え受容体刺激剤の濃度もしくは量または細胞計数が、調整された比率の代わりに報告され得る。
一部の実施形態では、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率が、参照標準において最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率に対して比較される。例えば、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす治療用細胞組成物の調整された比率が、例えば、本明細書で記載された方法に従って決定された参照標準において最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率によって除されて、相対効力をもたらす。一部の実施形態では、相対効力は、比率として表される。一部の実施形態では、相対効力は、パーセンテージとして表される。
効力を決定するための本明細書で提供される方法は、複製を用いて実施され得る。例えば、アッセイは、2、3、4、5回またはそれより多く実施され得る。一部の実施形態では、複製物は、組換え受容体依存性活性の測定されたものならびに/または決定された効力および/もしくは相対効力の一貫性を含む、アッセイの正確性および/または精度を確認するために使用される。一部の実施形態では、特定の治療用細胞組成物で2連または3連でアッセイを実行することによって単一アッセイが実施される。一部の実施形態では、アッセイは、2連で実施される。一部の実施形態では、アッセイは、3連で実施される。アッセイが例えば、2連または3連で実施される一部の場合には、複製物の各々からの測定された組換え受容体依存性活性は、組換え受容体依存性活性の統計的尺度を提供するために使用される。例えば、一部の場合には、組換え受容体依存性活性の各尺度の平均、中央値、標準偏差および/または分散が決定される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性の各尺度の平均が決定される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性の各尺度の標準偏差が決定される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性の平均尺度が数学的モデルを使用してフィッティングされ、組換え受容体依存性活性曲線を生成する。一部の実施形態では、曲線は平均最大値に対して正規化される。一部の実施形態では、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす平均の調整された比率が、治療用細胞組成物の効力である。一部の実施形態では、妥当な場合には、組換え受容体刺激剤または細胞計数の平均濃度または量が、調整された比率の代わりに報告され得る。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力は、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす平均の調整された比率をとることおよび平均の調整された比率を、参照標準において最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす単一のまたは平均の調整された比率に対して比較することによって決定される相対効力である。一部の実施形態では、相対効力は、標準参照の単一効力または平均効力によって除された治療用細胞組成物の平均効力である。一部の実施形態では、相対効力は、比率として表される。一部の実施形態では、相対効力は、パーセンテージとして表される。
本明細書で提供されるアッセイは、複数のインキュベーションに適した任意の容器(複数可)で実施され得る。一部の実施形態では、アッセイは、フラスコ中で実施される。一部の実施形態では、アッセイは、チューブ、例えば、微小遠心管、PCRチューブ、チューブ中で実施される。一部の実施形態では、アッセイは、マルチウェルプレート中で実施される。例えば、マルチウェルプレートは、6ウェルプレート、12ウェルプレート、24ウェルプレート、48ウェルプレートまたは96ウェルプレートである。特定の実施形態では、アッセイは、12ウェルプレート中で実施されるか、または実行される。
治療用細胞組成物および組換え受容体刺激剤を用いるインキュベーションが培養される条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間および/または薬剤、例えば、栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオンのうち1つまたは複数を含み得る。複数のインキュベーションの持続期間は、あり得る組換え受容体依存性活性が検出される(例えば、測定される)ための少なくとも最小量の時間と釣り合うように企図される。例えば、サイトカイン発現を正確に測定するために必要とされる時間の量は、遺伝子発現の測定のためよりも長い場合がある。活性の種類、例えば、サイトカイン発現内で、特定のサイトカインが測定されるための時間に、別のものと比較して相違がある場合があることがさらに企図される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、1、2もしくは3日間、約1、2もしくは3日間または少なくとも1、2もしくは3日間実施される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、1もしくは2日間、約1もしくは2日間または少なくとも1もしくは2日間実施される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、24、36、48、60もしくは72時間、約24、36、48、60もしくは72時間または少なくとも24、36、48、60もしくは72時間実施される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、24もしくは48時間、約24もしくは48時間または少なくとも24もしくは48時間実施される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、24時間から72時間または約24時間から約72時間の間実施される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、24時間から48時間または約24時間から約48時間の間実施される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55もしくは60分間、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55もしくは60分間または少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55もしくは60分間実施される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、30分間、約30分間または少なくとも30分間実施される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、60分間、約60分間または少なくとも60分間実施される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、10から60、20から60、30から60、40から60、50から60分の間、または約10から60、20から60、30から60、40から60、50から60分の間実施される。
一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、約25~約38℃、例えば、約30~約37℃、例えば、37℃±2℃または約37℃±2℃の温度で実施される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、約2.5%~約7.5%、例えば、約4%~約6%、例えば、5%±0.5%または約5%±0.5%のCOレベルで実施される。一部の実施形態では、複数のインキュベーションは、37℃もしくは約37℃の温度で、および/または5%もしくは約5%のCOレベルで実施される。
A.治療用細胞組成物
本明細書において提供される方法は、例えば、任意のプロセスによって製造された、治療用細胞組成物、例えば、治療用T細胞組成物の効力を評価することに向けられる。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法は、本明細書(例えば、節II)に記載されるプロセスに従って製造された治療用細胞組成物を評価するために使用され得る。一部の実施形態では、任意のプロセスによって製造された複数の治療用細胞組成物の効力および/または相対効力は、本明細書において提供される方法に従って評価され得る。一部の実施形態では、評価される複数の治療用細胞組成物は、同一製造プロセスによって生成される。一部の実施形態では、複数の治療用細胞組成物は、同一製造プロセスによって製造されるが、異なる組換え受容体を含む。一部の実施形態では、標的は、組換え受容体の抗原である。したがって、一部の場合には、標的発現細胞は抗原発現細胞である。一部の実施形態では、異なる組換え受容体は全て、同一標的、例えば、標的抗原に結合する。一部の実施形態では、異なる組換え受容体は、異なる標的、例えば、標的抗原に結合する。一部の実施形態では、評価される複数の治療用細胞組成物は、異なる製造プロセスによって生成される。一部の実施形態では、複数の治療用細胞組成物は、異なる製造プロセスによって製造されるが、同一組換え受容体を含む。一部の実施形態では、複数の治療用細胞組成物は、異なる製造プロセスによって製造され、異なる組換え受容体を含む。一部の実施形態では、異なる組換え受容体は全て、同一の抗原に結合する。一部の実施形態では、複数の治療用細胞組成物は、単一の対象から製造される。一部の実施形態では、複数の治療用細胞組成物は、異なる対象から製造される。一部の実施形態では、対象は健康なドナーである。一部の実施形態では、対象は、疾患または状態、例えば、がんを有する。本明細書において提供される方法は、製造の方法にかかわらず、治療用細胞組成物である参照標準を含む治療用細胞組成物間の効力および/または相対効力の比較を可能にすることが可能である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物は、1つまたは複数のインプット集団、例えば、単一の生物学的試料(例えば、節II-Aを参照されたい)から得られた、選択された、または濃縮された、例えば、インプット集団に由来する操作されたT細胞を含有する治療用細胞組成物を生成するか、または作製するプロセスに関連して生成または製造される。ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物は、組換え受容体、例えば、CAR、TCRを発現する細胞を含有する。特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、療法、例えば、自家細胞療法、同種異系の細胞療法として対象に投与するのに適している。本明細書において提供される方法は、細胞療法のための治療用細胞組成物の効力および/または相対効力を評価するために使用され得る。
一部の実施形態では、操作されたT細胞の治療用細胞組成物を作製または生成するプロセスは、生物学的試料を収集または取得する工程;生物学的試料からインプット細胞を単離、選択または濃縮する工程;インプット細胞をクライオ凍結および保存し、次いで、解凍する工程;目的のインプット細胞、例えば、T細胞、例えば、CD3+、CD4+、CD8+T細胞を選択し、刺激する工程;組換えポリヌクレオチド、例えば、CAR等の組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを発現または含有するように刺激された細胞を遺伝子操作する工程;培養細胞をアウトプット組成物に製剤化する工程;ならびに細胞が注入およびまたは対象への投与のために放出されるまで、製剤化されたアウトプット細胞をクライオ凍結および保存する工程の一部または全てを含む。一部の実施形態では、治療用細胞組成物を製造する方法は、細胞が、インプット集団と比較して少なくとも2、3、4、5倍、またはそれより大きい細胞の量、レベルまたは濃度である閾値量等まで拡大する条件下で細胞をバイオリアクター中で培養すること等によってプロセスの際に細胞数を拡大または増大する工程を含まない。一部の実施形態では、治療用細胞組成物を製造する方法は、細胞が、インプット集団と比較して少なくとも2、3、4、5倍またはそれより大きい細胞の量、レベルまたは濃度である閾値量等まで拡大する条件下で細胞をバイオリアクター中でインキュベートまたは培養すること等によってプロセスの際に細胞数を拡大または増大する工程を含む。一部の実施形態では、細胞を遺伝子操作することは、ウイルス粒子の存在下で細胞をスピノキュレートすること、次いで、ウイルス粒子の存在下で静的条件下で細胞をインキュベートすること等によって細胞にウイルスベクターを形質導入する工程であるか、またはそれを含む。例えば、節II-Cを参照されたい。
ある特定の実施形態では、刺激の開始から細胞の収集、回収または製剤化までの、操作された細胞を作製するプロセスの総持続期間は、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間もしくは120時間である、約36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間もしくは120時間である、または36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間もしくは120時間未満である。一部の実施形態では、刺激の開始から細胞の収集、回収または製剤化までの、操作された細胞を作製するための提供されるプロセスの総持続期間は、境界を含めて、36時間から120時間、48時間から96時間もしくは48時間から72時間の間である、または約36時間から約120時間、約48時間から約96時間もしくは約48時間から約72時間の間である。特定の実施形態では、インキュベーションの開始から細胞の回収、収集または製剤化までに測定されるような、提供されたプロセスを完了するための時間の量は、48時間、72時間もしくは96時間である、約48時間、約72時間もしくは約96時間である、または48時間、72時間もしくは96時間未満である。特定の実施形態では、インキュベーションの開始から細胞の回収、収集または製剤化までに測定されるような、提供されたプロセスを完了するための時間の量は、48時間±6時間、72時間±6時間または96時間±6時間である。
一部の実施形態では、全製造プロセスは、濃縮されたT細胞、例えば、CD3+、CD4+およびCD8+T細胞の単一集団を用いて実施される。ある特定の実施形態では、製造プロセスは、濃縮されたT細胞の単一治療用細胞組成物(例えば、CD4+およびCD8+T細胞を含有する治療用細胞組成物)を作製または生成するプロセスの前および/またはプロセスの間に組み合わされる、濃縮されたT細胞の2つまたはそれより多いインプット集団を用いて実施される。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞は、操作されたT細胞、例えば、組換え受容体を発現するように形質導入されたT細胞であるか、またはそれを含む。
一部の実施形態では、生物学的試料からのインプット細胞(例えば、CD4+またはCD8+T細胞)の単離、濃縮および/または選択から治療用細胞組成物の操作された細胞が収集、製剤化および/または凍結保護される時間までに測定されるような、提供されるプロセスを完了するために必要な時間の持続期間または量は、48時間、72時間、96時間、120時間、4日、5日、7日もしくは10日である、約48時間、約72時間、約96時間、約120時間、約4日、約5日、約7日もしくは約10日である、または48時間、72時間、96時間、120時間、4日、5日、7日もしくは10日未満である。一部の実施形態では、生物学的試料からのインプット細胞(例えば、CD4+またはCD8+T細胞)の単離、濃縮および/または選択から操作された細胞が収集、製剤化および/または凍結保護される時間までに測定されるような、提供されるプロセスを完了するために必要な時間の持続期間または量は、4~5日である、約4~5日である。一部の実施形態では、生物学的試料からのインプット細胞(例えば、CD4+またはCD8+T細胞)の単離、濃縮および/または選択から操作された細胞が収集、製剤化および/または凍結保護される時間までに測定されるような、提供されるプロセスを完了するために必要な時間の持続期間または量は、5日であるか、または約5日である。一部の実施形態では、生物学的試料からのインプット細胞(例えば、CD4+またはCD8+T細胞)の単離、濃縮および/または選択から操作された細胞が収集、製剤化および/または凍結保護される時間までに測定されるような、提供されるプロセスを完了するために必要な時間の持続期間または量は、5日である、5日未満である。一部の実施形態では、生物学的試料からのインプット細胞(例えば、CD4+またはCD8+T細胞)の単離、濃縮および/または選択から操作された細胞が収集、製剤化および/または凍結保護される時間までに測定されるような、提供されるプロセスを完了するために必要な時間の持続期間または量は、4日であるか、または約4日である。一部の実施形態では、単離、選択または濃縮された細胞は、刺激の前に凍結保護されず、インプット細胞の単離、濃縮および/または選択から操作された細胞が収集、製剤化および/または凍結保護される時間までに測定されるような、提供されるプロセスを完了するために必要な持続期間または量は、48時間、72時間、96時間もしくは120時間である、約48時間、約72時間、約96時間もしくは約120時間である、または48時間、72時間、96時間もしくは120時間未満である。
ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物は、生物学的試料から単離、濃縮または選択された細胞、例えば、CD4+およびCD8+T細胞またはCD3+T細胞の集団から製造された。一部の態様では、生物学的試料が対象から収集される時点から治療用細胞組成物を生成または作製する時間は、他の方法またはプロセスと比較して短縮された時間の量以内である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%または少なくとも90%、少なくとも95%が、組換え受容体を発現する。ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の少なくとも50%が、組換え受容体を発現する。ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物のCD3+T細胞の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%が、組換え受容体を発現する。一部の実施形態では、治療用細胞組成物のCD3+T細胞の少なくとも50%が、組換え受容体を発現する。特定の実施形態では、治療用細胞組成物のCD4+T細胞の少なくとも少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%または99%より多くが、組換え受容体を発現する。特定の実施形態では、治療用細胞組成物のCD4+T細胞の少なくとも50%が、組換え受容体を発現する。一部の実施形態では、治療用細胞組成物のCD8+T細胞の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%または99%より多くが、組換え受容体を発現する。ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物のCD8+T細胞の少なくとも50%が、組換え受容体を発現する。
特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の大部分は、ナイーブ様、中枢記憶および/またはエフェクター記憶細胞である。特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の大部分は、ナイーブ様または中枢記憶細胞である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の大部分は、CCR7またはCD27発現のうち1つまたは複数について陽性である。ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、拡大増殖を含むプロセス等の代替プロセスから作成された集団をアウトプットするナイーブ様または中枢記憶細胞のより大きな部分を有する。
ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、低い部分および/または頻度の消耗および/または老化している細胞を有する。特定の実施形態では、アウトプット集団の細胞は、低い部分および/または頻度の消耗および/または老化している細胞を有する。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満または1%未満が、消耗および/または老化している。ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の25%未満が、消耗および/または老化している。ある特定の実施形態では、アウトプット集団の細胞の10%未満が、消耗および/または老化している。特定の実施形態では、細胞は、低い部分を有する。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、低い部分および/または頻度の、CD27およびCCR7発現、例えば、表面発現について陰性である細胞を有する。特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、低い部分および/または頻度の、CD27-CCR7-細胞を有する。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満または1%未満は、CD27-CCR7-細胞である。ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の25%未満は、CD27-CCR7-細胞である。ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の10%未満は、CD27-CCR7-細胞である。実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の5%未満は、CD27-CCR7-細胞である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、高い部分および/または頻度の、CD27およびCCR7発現の一方または両方、例えば、表面発現について陽性である細胞を有する。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、高い部分および/または頻度の、CD27およびCCR7の一方または両方について陽性である細胞を有する。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または95%より多くが、CD27およびCCR7の一方または両方について陽性である。種々の実施形態では、治療用細胞組成物のCD4+CAR+細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または95%より多くは、CD27およびCCR7の一方または両方について陽性である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物のCD8+CAR+細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または95%より多くは、CD27およびCCR7の一方または両方について陽性である。
ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、高い部分および/または頻度の、CD27およびCCR7発現、例えば、表面発現について陽性である細胞を有する。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、高い部分および/または頻度のCD27+CCR7+細胞を有する。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または95%より多くは、CD27+CCR7+細胞である。種々の実施形態では、治療用細胞組成物のCD4+CAR+細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または95%より多くは、CD27+CCR7+細胞である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物のCD8+CAR+細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または95%より多くは、CD27+CCR7+細胞である。
ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、低い部分および/または頻度の、CCR7について陰性であり、CD45RA発現、例えば、表面発現について陽性である細胞を有する。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、低い部分および/または頻度のCCR7-CD45RA+細胞を有する。特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満または1%未満は、CCR7-CD45RA+細胞である。一部の実施形態では、アウトプット集団(例えば、治療用細胞組成物)の細胞の25%未満は、CCR7-CD45RA+細胞である。特定の実施形態では、アウトプット集団(例えば、治療用細胞組成物)の細胞の10%未満は、CCR7-CD45RA+細胞である。ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の5%未満は、CCR7-CD45RA+細胞である。
一部の実施形態では、治療用細胞製造プロセスは、異なっており、その結果、例えば、異なって製造された治療用細胞組成物の効力を比較することによって代替製造プロセスを比較することができる。例えば、一部の実施形態では、代替プロセスは、細胞を拡大する工程を含有する場合がある。一部の実施形態では、代替プロセスは、細胞を拡大する工程を含有しない場合がある。一部の実施形態では、代替プロセスは、細胞選択および刺激のための別個の工程を含む。一部の実施形態では、代替プロセスは、細胞選択および刺激のための単一工程を含む。一部の実施形態では、代替プロセスは、1つまたは複数の特定の態様において異なる場合があるが、そうでないものは、提供された方法と関連するプロセスの同様の、または同一の特徴、態様、工程、段階、試薬および/または条件を含有する。一部の実施形態では、代替プロセスは、異なる試薬および/もしくは培地配合物を含むこと;インキュベーション、形質導入、トランスフェクションおよび/もしくは培養の際の血清の存在;インプット集団の異なる細胞構成、例えば、CD4+のCD8+T細胞に対する比率;異なる刺激条件および/もしくは異なる刺激試薬;細胞に対する刺激試薬の異なる比率;異なるベクターおよび/もしくは形質導入の方法;細胞をインキュベート、形質導入および/もしくはトランスフェクトするための異なるタイミングもしくは順序;インキュベーションもしくは形質導入の際に存在する1つもしくは複数の組換えサイトカインの不在もしくは相違(例えば、異なるサイトカインもしくは異なる濃度)または細胞を回収もしくは収集するための異なるタイミングのうち1つまたは複数を含むが、これに限定されない方法において異なっている。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、リガンド、例えば、疾病または状態と関連している、例えば、腫瘍またはがんの細胞と関連している、またはその上に発現されるものに特異的に結合する、組換え受容体、例えば、CARまたはTCRを発現するように操作される(例えば、節IIIを参照されたい)。一部の実施形態では、組換え受容体は、抗原に特異的に結合する細胞外リガンド結合ドメインを含有する。一部の実施形態では、組換え受容体は、抗原に特異的に結合する細胞外抗原認識ドメインを含有するCARである。一部の実施形態では、リガンド、例えば、抗原は、細胞の表面上に発現されるタンパク質である。一部の実施形態では、CARは、TCR様CARであり、抗原は、処理されたペプチド抗原、例えば、細胞内タンパク質のペプチド抗原であり、これは、TCRと同様に、主要組織適合複合体(MHC)分子の文脈において細胞表面で認識される。
CARおよび組換えTCRを含む例示的な組換え受容体ならびに受容体を操作し、細胞中に導入するための方法として、例えば、国際特許出願公開番号WO200014257、WO2013126726、WO2012/129514、WO2014031687、WO2013/166321、WO2013/071154、WO2013/123061、米国特許出願公開番号US2002131960、US2013287748、US20130149337、米国特許第6,451,995号、同7,446,190号、同8,252,592号、同8,339,645号、同8,398,282号、同7,446,179号、同6,410,319号、同7,070,995号、同7,265,209号、同7,354,762号、同7,446,191号、同8,324,353号および同8,479,118号ならびに欧州特許出願番号EP2537416に記載されるものならびに/またはSadelain et al., Cancer Discov. 2013 April; 3(4): 388-398;Davila et al. (2013) PLoS ONE 8(4): e61338;Turtle et al., Curr. Opin. Immunol., 2012 October; 24(5): 633-39;Wu et al., Cancer, 2012 March 18(2): 160-75によって記載されるものが挙げられる。一部の態様では、遺伝子操作された抗原受容体には、米国特許第7,446,190号に記載されるようなCARおよび国際特許出願公開番号WO/2014055668 A1に記載されるものが含まれる。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の操作された細胞は、腫瘍抗原に結合する組換え受容体(例えば、CAR)を含有する。一部の実施形態では、組換え受容体は、がんと関連する、および/またはユニバーサルタグ上に存在する抗原を特異的に認識および/または標的とする。一部の実施形態では、組換え受容体によって認識される、または標的化される抗原は、B細胞成熟抗原(BCMA)、ROR1、炭酸脱水酵素9(CAIX)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerbB2)、L1-CAM、CD19、CD20、CD22、メソテリン、CEAおよびB型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、EGFR、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、EPHa2、erb-B2、erb-B3、erb-B4、erbB二量体、EGFR vIII、葉酸結合タンパク質(FBP)、FCRL5、FCRH5、胎児アセチルコリン受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、ルイスY、L1-細胞接着分子、(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、黒色腫の優先的に発現される抗原(PRAME)、サバイビン、TAG72、B7-H6、IL-13受容体アルファ2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体-a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、デュアル抗原、がん-精巣抗原、メソテリン、マウスCMV、ムチン1(MUC1)、MUC16、PSCA、NKG2D、NY-ESO-1、MART-1、gp100、がん胎児性抗原、ROR1、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、Her2/neu、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、適宜、前記のもののいずれかのヒト抗原;病原体特異的抗原である。一部の実施形態では、組換え受容体によって認識および/または標的化される抗原は、ノッチ1、ノッチ2、ノッチ3、ノッチ4、細胞表面関連ムチン1(MUC1)、エフリンB2、ベータグリカン(TGFBR3)、CD43、CD44、CSF1R、CX3CR1、CXCL16、デルタ1、E-カドヘリン、N-カドヘリン、HLA-A2、IFNaR2、IL1R1、IL1R2、IL6Rおよびアミロイド前駆体タンパク質(APP)からなる群から選択される。
一部の実施形態では、組換え受容体によって認識および標的化される抗原は、B細胞成熟抗原(BCMA)である。BCMAを標的とする、または特異的に結合する、例示的な抗原結合ドメインおよびこのような抗原結合ドメインを含有するCARは公知である、例えば、WO2016/090320、WO2016090327、WO2010104949A2およびWO2017173256を参照されたい。一部の実施形態では、抗原結合ドメインは、BCMAに特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含有するscFvである。一部の実施形態では、BCMAに結合する抗体または抗体断片は、国際特許出願、公開番号WO2016/090327およびWO2016/090320に示される抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLであるか、またはそれを含有する。
上記のように、アッセイは、複数のインキュベーションを含む場合があり、各インキュベーションは、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の操作された細胞の異なる調整された比率を含有する培養である、または逆もまた同様であり、組換え受容体依存性活性を刺激するように操作された細胞の組換え受容体を刺激することが可能である。アッセイにおいて調整された応答を達成するために治療用細胞組成物の細胞および受容体刺激剤の正確な範囲または量を経験的に決定することは、当業者のレベル内である。例えば、数または量は、アッセイの特定の形式、例えば、アッセイが実行される容器のサイズに応じて変わるであろう。量は、アッセイが、より大きな表面積を有する容器においてよりも小さい表面積を有する容器中で実施される場合に、少ないであろうということは理解される。通常、細胞の量は、細胞が25%コンフルエントまたは50%コンフルエント以下等のサブコンフルエントであるものである。さらに、比率の特定の範囲は、利用されている特定の抗原および標的細胞に応じて経験的に決定できる。例えば、選択された比率は、参照標準の複数の調整された量にわたる組換え受容体依存性活性における線形用量反応増大を含むものである。一部の実施形態では、比率は、参照標準の、それぞれ最小および最大応答を表す受容体依存性活性の下側漸近線および受容体依存性活性の上側漸近線を含むようにも選択される。
一部の実施形態では、結合分子の量または濃度が一定に維持されながら、治療用細胞組成物の操作された細胞の数が変更されて、異なる比率を生成する。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞数は、インキュベーションにわたって、1×10~1×10個細胞、1×10~9×10個細胞、1×10~8×10個細胞、1×10~7×10個細胞、1×10~6×10個細胞、1×10~5×10個細胞、1×10~4×10個細胞、1×10~3×10個細胞、1×10~2×10個細胞、1×10~1×10個細胞、1×10~9×10個細胞、1×10~8×10個細胞、1×10~7×10個細胞、1×10~6×10個細胞、1×10~5×10個細胞、1×10~4×10個細胞、1×10~3×10個細胞、1×10~2×10個細胞または約1×10~約1×10個細胞、約1×10~約9×10個細胞、約1×10~約8×10個細胞、約1×10~約7×10個細胞、約1×10~約6×10個細胞、約1×10~約5×10個細胞、約1×10~約4×10個細胞、約1×10~約3×10個細胞、約1×10~約2×10個細胞、約1×10~約1×10個細胞、約1×10~約9×10個細胞、約1×10~約8×10個細胞、約1×10~約7×10個細胞、約1×10~約6×10個細胞、約1×10~約5×10個細胞、約1×10~約4×10個細胞、約1×10~約3×10個細胞、約1×10~約2×10個細胞で調整される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の数は、複数のインキュベーションにわたって1×10~1×10個細胞、1×10~8×10個細胞、1×10~6×10個細胞、1×10~4×10個細胞、1×10~2×10個細胞または約1×10~約1×10個細胞、1×10~約8×10個細胞、1×10~約6×10個細胞、1×10~約4×10個細胞、1×10~約2×10個細胞で調整される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~1,000,000または約1,000,000個細胞で調整される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~500,000または約500,000個細胞で調整される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~250,000または約250,000個細胞で調整される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~200,000または約200,000個細胞で調整される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~150,000または約150,000個細胞で調整される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~100,000または約100,000個細胞で調整される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~50,000または約50,000個細胞で調整される。一部の実施形態では、前記のいずれかの治療用細胞組成物の細胞数は、細胞の総数、生細胞の総数、CAR+細胞の総数、CD8+細胞の総数、CD4+細胞の総数、CD3+細胞の総数、CD8+/CAR+細胞の総数、CD4+/CAR+細胞の総数またはCD3+/CAR+細胞の総数である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞数は一定に維持され、組換え受容体刺激剤の量は、複数のインキュベーションにわたって調整される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の一定数は、複数のインキュベーションにわたって約1×10~約1×10個細、約1×10~約9×10個細胞、約1×10~約8×10個細胞、約1×10~約7×10個細胞、約1×10~約6×10個細胞、約1×10~約5×10個細胞、約1×10~約4×10個細胞、約1×10~約3×10個細胞、約1×10~約2×10個細胞、約1×10~約1×10個細胞、約1×10~約9×10個細胞、約1×10~約8×10個細胞、約1×10~約7×10個細胞、約1×10~約6×10個細胞、約1×10~約5×10個細胞、約1×10~約4×10個細胞、約1×10~約3×10個細胞、約1×10~約2×10個細胞の間の量である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の一定数は、複数のインキュベーションにわたって1×10~1×10個細胞、1×10~8×10個細胞、1×10~6×10個細胞、1×10~4×10個細胞、1×10~2×10個細胞または約1×10~約1×10個細胞、1×10~約8×10個細胞、1×10~約6×10個細胞、1×10~約4×10個細胞、1×10~約2×10個細胞の量である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の一定数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~1,000,000個細胞または約1,000,000個細胞の量である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の一定数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~500,000または約500,000個細胞の量である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の一定数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~250,000または約250,000個細胞の量である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の一定数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~150,000または約150,000個細胞の量である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の一定数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~100,000または約100,000個細胞の量である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の一定数は、複数のインキュベーションにわたって10,000または約10,000~50,000または約50,000個細胞の量である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の一定数は、複数のインキュベーションにわたって5,000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000もしくは100,000個細胞または約5,000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000もしくは100,000個細胞である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の一定数は、複数のインキュベーションにわたって5,000、10,000、20,000、30,000、40,000もしくは50,000個細胞または約5,000、10,000、20,000、30,000、40,000もしくは50,000個細胞である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の一定数は、複数のインキュベーションにわたって20,000、30,000、40,000もしくは50,000個細胞または約20,000、30,000、40,000もしくは50,000個細胞である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞の一定数は、複数のインキュベーションにわたって50,000個細胞または約50,000個細胞である。一部の実施形態では、前記のいずれかにおける治療用細胞組成物の細胞の一定数は、細胞の総数、生細胞の総数、CAR+細胞の総数、CD8+細胞の総数、CD4+細胞の総数、CD3+細胞の総数、CD8+/CAR+細胞の総数、CD4+/CAR+細胞の総数またはCD3+/CAR+細胞の総数である。
B.組換え受容体刺激剤
本明細書において提供される効力を評価する方法は、治療用細胞組成物の操作された細胞の組換え受容体(例えば、CAR、TCR)を刺激する手段を含む。例えば、刺激手段に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる比率を生成するために、定量化される、および送達されることが可能である組換え受容体を刺激するのに適した任意の手段を使用してもよいということが企図される。一部の実施形態では、組換え受容体の刺激の手段は、節I-Cに記載されるものなど、組換え受容体によって細胞内シグナルに結合し、刺激し、組換え受容体依存性活性を生成できる組換え受容体刺激剤によって達成される。例示的な組換え受容体刺激剤として、組換え受容体の抗原(例えば、精製抗原または組換え抗原)、抗イディオタイプ抗体などの抗体および抗原発現細胞が挙げられる。
上記のように、一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる調整された比率の複数のインキュベーションを、治療用細胞組成物の一定数の細胞(例えば、生細胞、CAR+、CD4+、CD8+、CD3+、CD4+/CAR+、CD8+/CAR+、CD3+/CAR+細胞)を、変動する量または調整された量(例えば、濃度、質量)の組換え受容体刺激剤と共に培養することによって達成することができる。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤の量または濃度は、複数のインキュベーションにわたって10,000倍、5,000倍、1,000倍、1,500倍、500倍、250倍、200倍、150倍、100倍、75倍、50倍、25倍もしくは10倍または約10,000倍、5,000倍、1,000倍、1,500倍、500倍、250倍、200倍、150倍、100倍、75倍、50倍、25倍もしくは10倍で変更される、または調整される。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤の量または濃度は、複数のインキュベーションにわたって10,000~100倍、5,000~100倍もしくは1,000~100倍または約10,000~100倍、5,000~100倍もしくは1,000~100倍の間で変更される、または調整される。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤の量または濃度は、複数のインキュベーションにわたって5,000倍、1,000倍、1,500倍もしくは500倍または約5,000倍、1,000倍、1,500倍もしくは500倍で変更される、または調整される。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤の量または濃度は、複数のインキュベーションにわたって5,000倍または約5,000倍で変更される、または調整される。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤の量または濃度は、複数のインキュベーションにわたって1,000倍または約1,000倍で変更される、または調整される。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤の量または濃度は、複数のインキュベーションにわたって500倍または約500倍で変更される、または調整される。
1.結合分子および表面固定化
特定の実施形態では、組換え受容体によって結合されることが可能である結合分子(または標的)から構成される。一部の実施形態では、結合分子は、表面支持体上に固定化されている。提供される実施形態では、結合分子は、組換え受容体の抗原または抗原の一部分(例えば、抗原の細胞外部分)または組換え受容体に対して特異的な抗体(例えば、抗イディオタイプ抗体)であり得る。例えば、結合分子(例えば、抗原またはその結合部分または抗イディオタイプ抗体)は、表面支持体、例えば、非細胞粒子に固定化または結合される場合があり、治療用組成物の組換え受容体を発現する細胞(例えば、CAR-T細胞)、例えば、細胞の調整された量が、表面支持体と接触される。一部の実施形態では、本明細書で記載される粒子(例えば、ビーズ粒子)は、結合分子(例えば、抗原またはその結合部分、または抗イディオタイプ抗体)が、結合分子と細胞間の相互作用、特に、結合分子と細胞の表面上に発現される組換え受容体、例えば、CARの間の結合を可能にする方法で結合または付着されることができる固体支持体またはマトリックスを提供する。特定の実施形態では、コンジュゲートされた、または付着された結合分子と、細胞の間の相互作用が、1つまたは複数の組換え受容体依存性活性、例えば、活性化、拡大、サイトカイン生成、細胞毒性活性または例えば、節I.Cに記載される他の活性を含む組換え受容体の刺激を媒介する。
ある特定の実施形態では、表面支持体は、結合分子(例えば、抗原またはその結合部分、または抗イディオタイプ抗体)が固定化または付着される粒子(例えば、ビーズ粒子)である。一部の実施形態では、表面支持体は固体支持体である。一部の例では、固体支持体は、ビーズであり、抗原または部分は、ビーズ上に固定化される。一部の実施形態では、固体支持体は、ウェルまたはプレート、例えば、細胞培養プレートの表面である。一部の実施形態では、表面支持体は、可溶性オリゴマー粒子であり、抗原は、可溶性オリゴマー粒子の表面に上に固定化されている。組換え受容体への認識または結合のための薬剤(例えば、結合分子)の固定化または付着のため表面支持体の例は、公開国際出願WO2019/027850に見出すことができ、これは、全ての目的のために参照により組み込まれる。
特定の実施形態では、表面支持体は、コロイド粒子、ミクロスフェア、ナノ粒子、ビーズ、例えば、磁性ビーズ等を含み得る粒子である。一部の実施形態では、粒子またはビーズは、生体適合性、すなわち、非毒性である。ある特定の実施形態では、粒子またはビーズは、培養細胞、例えば、培養T細胞に対して非毒性である。特定の実施形態では、粒子は単分散である。ある特定の実施形態では、「単分散」は、5%未満の標準偏差を有する、例えば、直径において5%未満の標準偏差を有するサイズ分散を有する粒子(例えば、ビーズ粒子)を包含する。
一部の実施形態では、粒子またはビーズは、生体適合性である、すなわち、生物学的使用に適している材料から構成されている。一部の実施形態では、粒子、例えば、ビーズは、培養細胞、例えば、培養T細胞にとって非毒性である。一部の実施形態では、粒子、例えば、ビーズは、結合分子と細胞間の相互作用を可能にする方法で結合分子を付着することが可能である任意の粒子であり得る。ある特定の実施形態では、粒子、例えば、ビーズは、粒子の表面での結合分子の付着を可能にするために、改変され得る、例えば、表面官能基付与され得る任意の粒子であり得る。一部の実施形態では、粒子、例えば、ビーズは、ガラス、シリカ、ヒドロキシカルボン酸のポリエステル、ジカルボン酸のポリ酸無水物またはヒドロキシカルボン酸およびジカルボン酸のコポリマーから構成される。一部の実施形態では、粒子、例えば、ビーズは、直鎖もしくは分岐、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の線形もしくは架橋された、アルカニル、ハロアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、アリール、アラルキル、アルケニル、アラルケニル、ヘテロアリールもしくはアルコキシヒドロキシ酸のポリエステル、または直鎖もしくは分岐、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の、線形もしくは架橋された、アルカニル、ハロアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、アリール、アラルキル、アルケニル、アラルケニル、ヘテロアリールもしくはアルコキシジカルボン酸のポリ酸無水物から構成される場合がある、または少なくとも部分的にそれから構成される場合がある。さらに、粒子、例えば、ビーズは、量子ドットであり得る、または量子ドット、例えば、量子ドットポリスチレン粒子、例えば、ビーズから構成される場合がある。エステルおよび無水物結合(例えば、グリコール酸およびセバシン酸のコポリマー)の混合物を含む粒子、例えば、ビーズも、採用され得る。例えば、粒子、例えば、ビーズは、ポリグリコール酸ポリマー(PGA)、ポリ乳酸ポリマー(PLA)、ポリセバシン酸ポリマー(PSA)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)コポリマー(PLGA)、[rho]ポリ(乳酸-コ-セバシン酸)コポリマー(PLSA)、ポリ(グリコール酸-コ-セバシン酸)コポリマー(PGSA)等を含む材料を含み得る。粒子、例えば、ビーズを構成できる他のポリマーとして、カプロラクトン、炭酸、アミド、アミノ酸、オルトエステル、アセタール、シアノアクリレートおよび分解性ウレタンのポリマーまたはコポリマーならびにこれらの、直鎖もしくは分岐、置換もしくは非置換、アルカニル、ハロアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、アルケニルもしくは芳香族ヒドロキシ-もしくはジカルボン酸とのコポリマーが挙げられる。さらに、反応性側鎖基、例えば、リシン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、チロシンおよびシステインまたはその鏡像異性体を有する生物学的に重要なアミノ酸が、上記の材料のいずれかとのコポリマー中に含まれ、結合分子、例えば、ポリペプチド抗原または抗体へコンジュゲートするための反応性基を提供する場合がある。
一部の実施形態では、粒子は、0.001μmより大きい、0.01μmより大きい、0.05μmより大きい、0.1μmより大きい、0.2μmより大きい、0.3μmより大きい、0.4μmより大きい、0.5μmより大きい、0.6μmより大きい、0.7μmより大きい、0.8μmより大きい、0.9μmより大きい、1μmより大きい、2μmより大きい、3μmより大きい、4μmより大きい、5μmより大きい、6μmより大きい、7μmより大きい、8μmより大きい、9μmより大きい、10μmより大きい、20μmより大きい、30μmより大きい、40μmより大きい、50μmより大きい、100μmより大きい、500μmより大きいおよび/または1,000μmより大きい直径を有するビーズである。一部の実施形態では、粒子またはビーズは、各々境界を含めて、0.001μmから1,000μm、0.01μmから100μm、0.1μmから10μm、0.1μmから100μm、0.1μmから10μm、0.001μmから0.01μm、0.01μmから0.1μm、0.1μmから1μm、1μmから10μm、1μmから2μm、2μmから3μm、3μmから4μm、4μmから5μm、1μmから5μmおよび/もしくは5μmから10μmの間または約0.001μmから約1,000μm、約0.01μmから約100μm、約0.1μmから約10μm、約0.1μmから約100μm、約0.1μmから約10μm、約0.001μmから約0.01μm、約0.01μmから約0.1μm、約0.1μmから約1μm、約1μmから約10μm、約1μmから約2μm、約2μmから約3μm、約3μmから約4μm、約4μmから約5μm、約1μmから約5μmおよび/または約5μmから約10μmの直径を有する。ある特定の実施形態では、粒子またはビーズは、各々境界を含めて1μmおよび10μmの平均直径を有する。ある特定の実施形態では、粒子、例えば、ビーズは、1μmまたは約1μmの直径を有する。特定の実施形態では、粒子、例えば、ビーズは、2.8μmまたは約2.8μmの平均直径を有する。一部の実施形態では、粒子、例えば、ビーズは、4.8μmまたは約4.8μmの直径を有する。
本明細書で記載される方法において使用される粒子(例えば、ビーズ粒子)は、商業的に生成し、入手することができる。粒子、例えば、ビーズは、粒子、例えば、ビーズを生成する方法を含めて当該技術分野で周知である。例えば、米国特許第6,074,884号;同5,834,121号;同5,395,688号;同5,356,713号;同5,318,797号;同5,283,079号;同5,232,782号;同5,091,206号;同4,774,265号;同4,654,267号;同4,554,088号;同4,490,436号;同4,452,773号;米国特許出願公開第20100207051号;およびSharpe, Pau T., Methods of Cell Separation, Elsevier, 1988を参照されたい。市販の粒子、例えば、ビーズ(例えば、ビーズ粒子)として、ProMagTM(PolySciences、Inc.);COMPELTM(PolySciences、Inc.);BioMag(登録商標)Plus(PolySciences、Inc.)およびBioMag(登録商標)Maxi(Bang Laboratories、Inc.)を含むBioMag(登録商標)(PolySciences、Inc.);M-PVA(Cehmagen Biopolymer Technologie AG);SiMAG(Chemicell GmbH);beadMAG(Chemicell GmbH);MagaPhase(登録商標)(Cortex Biochem);Dynabeads(登録商標)(Invitrogen)、including Dynabeads(登録商標)M-280ヒツジ抗ウサギIgG(Invitrogen)、Dynabeads(登録商標) FlowCompTM(例えば、Dynabeads(登録商標)FlowCompTMHuman CD3、Invitrogen)、Dynabeads(登録商標)M-450(例えば、Dynabeads(登録商標)M-450トシル活性化、Invitrogen)、Dynabeads(登録商標)UntouchedTM(例えば、Dynabeads(登録商標) UntouchedTM Human CD8 T Cell、Invitrogen)およびT細胞に結合し、拡大し、および/または活性化するDynabeads(登録商標)(例えば、Dynabeads(登録商標)Human T-Activator CD3/CD28 for T Cell Expansion and Activation、Invitrogen);Estapor(登録商標)M(Merk Chimie SAS);Estapor(登録商標)EM(Merk Chimie SAS);MACSiBeadsTM粒子(例えば、抗ビオチンMACSiBead粒子、Miltenyi Biotec、カタログ番号130-091-147);Streptamer(登録商標)磁性ビーズ(IBA BioTAGnology);Strep-Tactin(登録商標)磁性ビーズ(IBA BioTAGnology);Sicastar(登録商標)-M(Micormod Partikeltechnologie GmbH)Micromer(登録商標)-M(Micromod Partikeltechnologie);MagneSilTM(Promega GmbH);MGP(Roche Applied Science Inc.);Pierce(商標)プロテインG磁性ビーズ(Thermo Fisher Scientific Inc.);Pierce(商標)プロテインA磁性ビーズ(Thermo Fisher Scientific Inc.);Pierce(商標)プロテインA/G磁性ビーズ(Thermo Fisher Scientific Inc.);Pierce(商標)NHS活性化磁性ビーズ(Thermo Fisher Scientific Inc.);Pierce(商標)プロテインL磁性ビーズ(Thermo Fisher Scientific Inc.);Pierce(商標)抗HA磁性ビーズ(Thermo Fisher Scientific Inc.);Pierce(商標)抗c-Myc磁性ビーズ(Thermo Fisher Scientific Inc.); Pierce(商標)グルタチオン磁性ビーズ(Thermo Fisher Scientific Inc.);Pierce(商標)ストレプトアビジン磁性ビーズ(Thermo Fisher Scientific Inc.);MagnaBindTM磁性ビーズ(Thermo Fisher Scientific Inc.);Sera-MagTM磁性ビーズ(Thermo Fisher Scientific Inc.);抗FLAG(登録商標)M2磁性ビーズ(Sigma-Aldrich);SPHEROTM磁性粒子(Spherotech Inc.);およびHisPurTM Ni-NTA磁性ビーズ(Thermo Fisher Scientific Inc.)が挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、抗原またはその細胞外ドメイン部分は、共有結合化学結合を介して粒子(例えば、ビーズ)に結合される。特定の実施形態では、抗原またはその細胞外ドメイン部分のアミノ酸の反応性基または部分は、直接化学反応によって粒子の表面上の反応性基または部分に直接的にコンジュゲートされる。ある特定の実施形態では、抗原またはその細胞外結合部分のアミノ酸カルボキシル基(例えば、C末端カルボキシル基)、ヒドロキシル、チオールまたはアミン基(例えば、アミノ酸側鎖基)は、直接化学反応によって、PLAまたはPGAポリマーのヒドロキシルまたはカルボキシル基、デンドリマーの末端アミンもしくはカルボキシル基、または粒子の表面上のリン脂質のヒドロキシル、カルボキシルもしくはホスフェート基に直接的にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、コンジュゲート部分は、結合分子および粒子の両方にコンジュゲートし、例えば、共有結合によって結合し、それによって、それらを一緒に連結する。
ある特定の実施形態では、粒子の表面は、結合分子(例えば、ポリペプチド抗原または抗体)の付着(例えば、共有結合、非共有結合)を可能にする化学部分および/または官能基を含む。特定の実施形態では、粒子表面は、露出した官能基を含有する。適した表面に露出した官能基として、カルボキシル、アミノ、ヒドロキシル、硫酸塩基、トシル、エポキシおよびクロロメチル基が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、結合分子は、ポリペプチドであり、表面に露出した官能基にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、表面に露出した官能基は、活性化されなければならない、すなわち、化学反応を受けて、ポリペプチドに直接結合することを可能にする中間生成物をもたらさなければならない。例えば、ポリペプチド分子のカルボキシル基は、上記の薬剤を用いて活性化されて、粒子の表面に露出したアミノ基に直接結合することが可能な中間体エステルを生成し得る。他の例では、支持体表面(例えば、ビーズ)の表面上の遊離アミン基は、スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(スルホ-SIAB)化学を使用して抗原ペプチドおよびタンパク質または抗原ペプチドもしくはタンパク質融合タンパク質に共有結合によって結合され得る。さらに他の特定の実施形態では、ポリペプチド結合分子は、共有結合による付着の前に薬剤による活性化を必要としない表面に露出された官能基で粒子、例えば、ビーズ粒子に共有結合によって結合される。このような官能基の例として、トシル、エポキシおよびクロロメチル基が挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、抗原ペプチドまたはタンパク質に結合されたリガンドと、表面支持体(例えば、ビーズ)に付着した抗リガンドの間の非共有結合による結合は、抗原を支持体(例えば、ビーズ)にコンジュゲートし得る。一部の実施形態では、ビオチンリガーゼ認識配列タグが、抗原ペプチドまたはタンパク質のC末端に接合される場合があり、このタグは、ビオチンリガーゼによってビオチン化され得る。次いで、ビオチンはリガンドとして働き、抗原ペプチドまたはタンパク質を、抗リガンドとして担体の表面に吸着される、またはそうでなければ結合されるアビジンまたはストレプトアビジンに非共有結合によってコンジュゲートし得る。あるいは、結合分子(例えば、抗原)が本明細書で記載されるようなFc領域を有する免疫グロブリンドメインに融合される場合には、Fcドメインは、リガンドとして作用することができ、表面支持体(例えば、ビーズ)の表面に共有結合によって、または非共有結合によって結合されたプロテインAは、抗リガンドとして働き、抗原ペプチドまたはタンパク質を担体に非共有結合によってコンジュゲートすることができる。他の手段は当該技術分野で周知であり、結合分子(例えば、抗原または抗イディオタイプ抗体)を表面支持体に非共有結合によってコンジュゲートするために(例えば、ビーズ)金属イオンキレート化技術を含む(例えば、結合分子、例えば、抗原のC末端でのポリ-HisタグおよびNiコーティングされた表面支持体を使用して)これを採用してもよく、これらの方法は、本明細書で記載されるものと置換されてもよい。
一部の実施形態では、結合分子(例えば、抗原または抗イディオタイプ抗体)は、リンカーによって粒子にコンジュゲートされる。ある特定の実施形態では、リンカーとして、様々な二機能性タンパク質カップリング剤、例えば、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-l-カルボキシレート、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二機能性誘導体(例えば、ジメチルアジピミデートHCL)、活性エステル(例えば、ジスクシンイミジルスベレート)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド(glutareldehyde))、ビス-アジド化合物(例えば、ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス-ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トルエン2,6-ジイソシアネート)およびビス-活性フッ素化合物(例えば、l,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン)を挙げることができるが、これらに限定されない。特定のカップリング剤として、ジスルフィド結合を提供する、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)およびN-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルチオ)ペンタノエート(SPP)が挙げられる。
a.抗原
一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤は、抗原、例えば、組換え抗原またはその断片である、またはそれを含む。例えば、組換え受容体刺激剤は、例えば、上記で記載されるように、表面支持体、例えば、マイクロウェルプレート、固体粒子(例えば、ビーズ)またはオリゴマー粒子に固定化または結合される抗原であり得る。一部の実施形態では、抗原は、疾病と関連している細胞、例えば、がん細胞および/または腫瘍細胞の表面上で発現される、ポリペプチドまたはポリペプチドの変異体もしくは断片である。抗原は、組換え受容体の細胞外ドメインによって認識または結合される抗原であるということは理解される。当業者ならば、組換え受容体を刺激するのに十分な抗原および抗原の形式(例えば、固体表面で発現される、またはその上に固定化されている細胞)を決定できる。
一部の実施形態では、抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、またCAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、またNY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、癌胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮増殖因子タンパク質(EGFR)、III型上皮増殖因子受容体突然変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;またFc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼインサートドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソテリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、また5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、またTYRP1またはgp75としても公知)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、またドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼまたはDCTとしても公知)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的な、もしくは病原体によって発現される抗原、またはユニバーサルタグと会合した抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子であるかまたはそれらを含む。一部の実施形態では受容体により標的化される抗原は、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、例えばいくつかの公知のB細胞マーカーのいずれかを含む。一部の実施形態では、抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bまたはCD30である、またはそれを含む。
一部の実施形態では、抗原は、組換え受容体、例えば、CARによって認識される、またはそれによって結合されるポリペプチド抗原の一部分である、またはそれを含む。特定の実施形態では、抗原の部分は、組換え受容体、例えば、CARによって認識される、またはそれによって結合されるエピトープを含有する領域である。ある特定の実施形態では、ポリペプチド抗原の部分は、組換え受容体およびまたはCARによって認識される、またはそれによって結合されるポリペプチドの、約10、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、250、300、400もしくは500個のアミノ酸を含有し、または少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、250、300、400もしくは500個のアミノ酸、一部の場合には、連続するアミノ酸を含有する。ある特定の実施形態では、ポリペプチド部分は、組換え受容体および/またはCARによって認識されるエピトープのアミノ酸配列を含む。
ある特定の実施形態では、抗原または部分は、組換え受容体および/またはCARによって結合される、および/またはそれによって認識されるポリペプチドに対して、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは99.5%のアミノ酸配列同一性を含有し、または少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%もしくは99.5%のアミノ酸配列同一性を含有するポリペプチド変異体である。
ある特定の実施形態では、組換え受容体(例えば、CAR)の細胞外ドメインは、BCMAに対して特異的である、またはそれに結合し、抗原はBCMAである、またはBCMAの細胞外ドメイン部分である。一部の実施形態では、BCMAポリペプチドは、哺乳動物BCMAポリペプチドである。特定の実施形態では、BCMAポリペプチドは、ヒトBCMAポリペプチドである。一部の実施形態では、BCMA抗原は、抗原受容体、例えば、CARによって認識されるエピトープを含む、BCMAの細胞外ドメインまたはその一部分である、またはそれを含む。ある特定の実施形態では、BCMA抗原は、配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高いの配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドまたは配列番号13の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170もしくは少なくとも180個の連続するアミノ酸を含有するその断片である、またはそれを含む。一部の実施形態では、BCMA抗原は、配列番号13に示される配列または抗原受容体、例えば、CARによって認識されるエピトープである、またはそれを含有するその一部分である、またはそれを含む。
ある特定の実施形態では、組換え受容体(例えば、CAR)の細胞外ドメインは、ROR1に対して特異的である、またはそれに結合し、抗原は、ROR1である、またはROR1の細胞外ドメイン部分である。ある特定の実施形態では、ROR1ポリペプチドは哺乳動物である。特定の実施形態では、ROR1ポリペプチドはヒトである。一部の実施形態では、抗原はROR1の細胞外ドメインまたは抗原受容体、例えば、CARによって認識されるエピトープを含むその一部分である。一部の実施形態では、抗原は、配列番号19に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号19の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170もしくは少なくとも180個の連続するアミノ酸を含有するその断片を有するポリペプチドである。一部の実施形態では、ROR1抗原は、配列番号19に示される配列または抗原受容体、例えば、CARによって認識されるエピトープを含むその一部分を含む。
ある特定の実施形態では、組換え受容体(例えば、CAR)の細胞外ドメインは、CD22に対して特異的であるか、またはそれに結合し、抗原は、CD22であるか、またはCD22の細胞外ドメイン部分である。ある特定の実施形態では、CD22ポリペプチドは、哺乳動物である。特定の実施形態では、CD22ポリペプチドはヒトである。一部の実施形態では、抗原は、CD22の細胞外ドメインまたは抗原受容体、例えば、CARによって認識されるエピトープを含むその一部分である。一部の実施形態では、抗原は、配列番号14に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号14の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170もしくは少なくとも180個の連続するアミノ酸を含有するその断片を有するポリペプチドである。一部の実施形態では、CD22抗原は、配列番号14に示される配列または抗原受容体、例えば、CARによって認識されるエピトープを含むその部分を含む。
ある特定の実施形態では、組換え受容体(例えば、CAR)の細胞外ドメインは、CD19に対して特異的である、またはそれに結合し、抗原は、CD19である、またはCD19の細胞外ドメイン部分である。ある特定の実施形態では、CD19 ポリペプチドは哺乳動物である。特定の実施形態では、CD19ポリペプチドはヒトである。一部の実施形態では、抗原はCD19の細胞外ドメインまたは抗原受容体、例えば、CARによって認識されるエピトープを含むその一部分である。一部の実施形態では、抗原は、配列番号15に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号15の少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170もしくは少なくとも180個の連続するアミノ酸を含有するその断片を有するポリペプチドである。一部の実施形態では、CD19抗原は、配列番号15に示される配列または抗原受容体、例えば、CARによって認識されるエピトープを含むその部分を含む。
一部の実施形態では、抗原またはその部分は、組換え受容体、例えば、抗原受容体(例えば、CAR)によって認識される、および/または結合される2つまたはそれより多いポリペプチド抗原またはその部分または変異体を含む多量体、例えば、二量体として形式を合わせられる。一部の実施形態では、ポリペプチド抗原またはその部分は同一である。ある特定の実施形態では、ポリペプチド抗原は、領域またはドメイン、例えば、多量体化ドメインに直接的にまたは間接的に連結され、これは、ドメインまたは領域の間の相補的相互作用によって2つまたはそれより多いポリペプチド抗原の間の相互作用を促進または安定化する。一部の実施形態では、ポリペプチド抗原を多量体、例えば、二量体として提供することは、抗原またはその細胞外ドメイン部分と、抗原受容体、例えば、CARの抗原結合ドメインの間の多価相互作用を提供し、これは、一部の態様では、相互作用の結合力を増大する場合がある。一部の実施形態では、ビーズにコンジュゲートされた抗原またはその細胞外ドメイン部分による、増大された結合力は、抗原受容体、例えば、CARの刺激活性またはアゴニスト活性に好都合であり得る。
一部の実施形態では、ポリペプチドは、多量体化ドメインに直接的にまたは間接的に接合される。例示的な多量体化ドメインは、免疫グロブリン配列またはその部分、ロイシンジッパー、疎水性領域、親水性領域および適合しているタンパク質-タンパク質相互作用ドメインを含む。多量体化ドメインは、例えば、免疫グロブリン定常領域またはドメイン、例えば、FcドメインまたはIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4サブタイプ、IgA、IgE、IgDおよびIgMを含むIgG由来のその部分およびその改変型であり得る。特定の実施形態では、ポリペプチド抗原は、Fcドメインに直接的または間接的に連結される。一部の実施形態では、ポリペプチドは、ポリペプチド抗原またはその部分およびFcドメインを含む融合ポリペプチドである。
特定の実施形態では、抗原またはその細胞外ドメイン部分は、Fcドメインを含む融合ポリペプチドである。一部の実施形態では、Fcドメインは、IgAまたはIgDアイソタイプの重鎖の第2および第3の定常ドメイン(すなわち、CH2およびCH3ドメイン)、例えば、IgG、IgAおよびIgDアイソタイプのCH2またはCH3から構成される。一部の実施形態では、Fcドメインは、IgMまたはIgEアイソタイプの3つの重鎖定常ドメイン(すなわち、CH2、CH3およびCH4ドメイン)から構成される。一部の実施形態では、Fcドメインは、ヒンジ配列またはその部分をさらに含み得る。ある特定の態様では、Fcドメインは、免疫グロブリン分子のヒンジドメインの一部もしくは全てならびにCH2およびCH3ドメインを含有する。一部の場合には、Fcドメインは、1つまたは複数のジスルフィド結合によって接合された2つのポリペプチド鎖の二量体を形成し得る。一部の実施形態では、Fcドメインは、適した哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ヤギ、ヒツジまたはサル)の免疫グロブリン(例えば、IgG、IgA、IgMまたはIgE)に由来する。一部の実施形態では、Fcドメインは、IgGのC2およびC3ドメインを含む。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、ポリペプチド抗原のC末端に融合される。特定の実施形態では、Fcドメインは、ポリペプチド抗原のN末端に融合される。
一部の実施形態では、Fcドメインは、IgG Fcドメインまたはその部分または変異体である。一部の実施形態では、Fcドメインは、配列番号16に示されるアミノ酸配列または配列番号16に示される配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%配列同一性であるアミノ酸配列を含む、ヒトIgG Fcドメインまたはその部分または変異体である。特定の実施形態では、Fcドメインは、野生型ヒトIgG Fcドメインまたはその部分または変異体である。特定の実施形態では、Fcドメインは、野生型ヒトIgG1 Fcドメインの変異体である。
一部の実施形態では、融合ポリペプチドは、変異体Fcドメインを含む。ある特定の実施形態では、変異体ヒトIgG Fcドメインは、Fcドメインと軽鎖の間の対形成を低減する、低下させる、および/または減少する突然変異、例えば、置換、欠失または挿入を含有する。一部の実施形態では、変異体ヒトIgG Fcドメインは、FcドメインとFc受容体間の結合親和性を低減する突然変異を含有する。特定の実施形態では、変異体ヒトIgG Fcドメインは、FcドメインとFc受容体の間の相互作用または相互作用の確率もしくは可能性を低減する、低下させる、および/または減少する突然変異を含有する。一部の実施形態では、変異体ヒトIgG Fcドメインは、Fcドメインと補体システムのタンパク質の間の結合親和性を低減する突然変異を含有する。特定の実施形態では、変異体ヒトgG Fcドメインは、Fcドメインと補体システムのタンパク質の間の相互作用、または相互作用の確率もしくは可能性を低減する、低下させる、および/または減少する突然変異を含有する。
一部の実施形態では、抗原またはその部分は、変異体ヒトIgG1 Fcドメインに連結される。一部の実施形態では、変異体ヒトIgG Fcドメインは、Fcドメインのヒンジ領域においてシステインのセリンへの置換を含有する。一部の実施形態では、変異体ヒトIgG Fcドメインは、Fcドメインのヒンジ領域におけるロイシンのアラニンへの置換を含有する。特定の実施形態では、変異体ヒトIgG Fcドメインは、ヒンジ領域におけるグリシンのアラニンへの置換を含有する。ある特定の実施形態では、変異体ヒトIgG Fcドメインは、FcドメインのCH2領域におけるアラニンのセリンへの置換を含有する。一部の実施形態では、変異体ヒトIgG Fcドメインは、FcドメインのCH2領域においてプロリンのセリンへの置換を含む。一部の実施形態では、変異体ヒトIgG Fcドメインは配列番号17に示されるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、抗原またはその細胞外ドメイン部分は、Fcドメインを含む融合ポリペプチドとして提供され、Fcドメインは、融合ポリペプチドのC末端に存在する。
一部の実施形態では、抗原および多量体化ドメイン、例えば、Fcドメインは、リンカー、例えば、アミノ酸リンカーによって接続される。ある特定の実施形態では、抗原は、アミノ酸リンカーのN末端に融合され、Fcドメインなどの多量体化ドメインは、リンカーのC末端に融合される。アミノ酸リンカーは、任意の長さであり、アミノ酸の任意の組合せを含有する場合があるが、リンカー長は、連結されたドメイン間の相互作用を低減するために比較的短いものであり得る(例えば、10個またはそれより少ないアミノ酸)。嵩高い側鎖を有するアミノ酸または二次構造を導入する可能性が高いアミノ酸の数を低減するために、リンカーのアミノ酸組成物も調整され得る。適したアミノ酸リンカーとして、最大3、4、5、6、7、10、15、20または25個のアミノ酸長のものが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なアミノ酸リンカー配列は、GGGGS(配列番号22)を含み、リンカーは、GGGGSの2、3、4または5コピーを含む(配列番号22)。
一部の実施形態では、抗原は、Fcドメインに融合されたBCMA、例えば、ヒトBCMAの細胞外ドメインとして提供される(BCMA-Fc)。特定の実施形態では、BCMA-Fc抗原は、配列番号18に示されるアミノ酸配列の全てもしくは一部分または配列番号18に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%を呈する、および抗原受容体、例えば、CARによって認識されるエピトープを含むアミノ酸の配列を含有する。
一部の実施形態では、抗原は、Fcドメインに融合された、ROR1、例えば、ヒトROR1の細胞外ドメイン(ROR1-Fc)として提供される。ある特定の実施形態では、ROR-1-Fc抗原は、配列番号20に示されるアミノ酸配列の全てもしくは一部分または配列番号20に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%を呈する、および抗原受容体、例えば、CARによって認識されるエピトープを含むアミノ酸の配列を含有する。
特定の実施形態では、抗原は、Fcドメインに融合された、CD22、例えば、ヒトCD22の細胞外ドメイン(例えば、CD22-Fc)として提供される。ある特定の実施形態では、CD22-Fc抗原は、配列番号21に示されるアミノ酸配列の全てもしくは一部分または配列番号21に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%を呈する、および抗原受容体、例えば、CARによって認識されるエピトープを含むアミノ酸の配列を含有する。
一部の実施形態では、抗原またはその細胞外結合ドメインのFc融合は、ポリペプチド抗原またはその部分Fcドメインを含有する2つのFc融合ポリペプチドによって形成される二量体として表面支持体に連結される、またはそれに付着される。一部の実施形態では、得られたポリペプチド抗原-Fc融合タンパク質、例えば、BCMA-Fc、ROR1-Fc、CD22-FcまたはCD19-Fcは、例えば、発現ベクターで形質転換された宿主細胞において発現される場合があり、それによって、Fcドメイン間のアセンブリーがFc部分間で形成される分子内ジスルフィド結合によって生じ、二量体の、例えば、二価のポリペプチド抗原融合タンパク質が得られる場合がある。一部の実施形態では、宿主細胞は哺乳動物細胞株である。タンパク質の組換え発現のための哺乳動物細胞の例示的なものとして、HEK293細胞またはCHO細胞またはその誘導体が挙げられる。一部の態様では、Fc融合タンパク質をコードする核酸は、細胞からの分泌のためのシグナルペプチドをさらに含む。例示的な実施形態では、シグナルペプチドはCD33(例えば、配列番号12に示される)である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、抗体またはその断片または変異体に融合され得るユニバーサルタグに結合する、またはそれを認識するCARを発現する。特定の実施形態では、このようなCARを発現する細胞は、ユニバーサルタグと融合されている抗体によって結合されている標的細胞、例えば、腫瘍細胞を特異的に認識し、死滅させることができる。一例として、それらの細胞ががん反応性FITC標識抗体によって結合される場合に、種々のヒトがん細胞に結合でき、および/またはそれを認識できる抗FITC CARを発現するT細胞が挙げられるが、これに限定されない。したがって、一部の実施形態では、ユニバーサルタグに結合する同一CARは、ユニバーサルタグを含有するがんと関連する抗原を認識する利用可能な抗体があるという条件で、種々のがんの処置にとって有用である。特定の実施形態では、粒子(例えば、ビーズ粒子)は、組換え受容体、例えば、CARによって結合される、または認識されることが可能であるユニバーサルタグ結合分子を含む表面に露出した結合分子を含む。ある特定の実施形態では、結合分子は、抗原受容体、例えば、CARによって結合される、または認識されるユニバーサルタグまたはその一部分である。特定の実施形態は、抗体またはその抗原結合断片または変異体に融合され得る、抗体がその反応性標的に結合することを妨げない任意のポリペプチドドメインが、ユニバーサルタグとして使用するために適していることを企図する。一部の実施形態では、粒子は、FITC、ストレプトアビジン、ビオチン、ヒスチジン、ジニトロフェノール、ペリジニンクロロフィルタンパク質複合体、緑色蛍光タンパク質、PE、HRP、パルミトイル化、ニトロシル化、アルカラニン(alkalanine)ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼおよびマルトース結合タンパク質からなる群から選択されるユニバーサルタグまたはその一部分を含む結合分子に結合される。
b.抗体
一部の態様では、結合分子は、組換え受容体、例えば、CARを特異的に認識する抗体またはその抗原結合断片である。これらの態様の一部の実施形態では、抗体または抗原結合断片は、組換え受容体、例えば、CARの細胞外部分を特異的に認識する(例えば、具体的に言えば、組換え受容体の細胞外上のエピトープに特異的に結合する)。
一部の態様では、結合分子は、組換え受容体、例えば、節IIIに記載されるような組換え受容体、例えば、CARを特異的に認識する抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合断片(「抗ID」)である。特に、抗イディオタイプ抗体は、別の抗体の抗原結合部位、例えば、CARの細胞外抗原結合ドメインのscFvを標的とする。一部の実施形態では、抗IDは、組換え受容体に結合して、組換え受容体依存性活性を刺激できる。抗原特異的CARに対する例示的な抗イディオタイプ抗体は公知である。これらとして、CD22によって向けられるCAR、例えば、PCT公開番号WO2013188864を参照されたい;CD19によって向けられるCAR、例えば、PCT公開番号WO2018/023100を参照されたい;GPRC5Dによって向けられるCAR、例えば、PCT出願番号PCT/US2020/063497を参照された;およびBCMAによって向けられるCAR、例えば、PCT出願番号PCT/US2020/063492を参照されたい、に対して向けられる抗イディオタイプ抗体が挙げられるが、これに限定されない。抗イディオタイプ抗体は、抗イディオタイプ抗体によって標的化される組換え受容体(例えば、CAR)を発現する細胞に対する組換え受容体刺激剤として使用するために上記で記載されるような表面支持体(例えば、ビーズ)に固定化または付着できる。
用語「抗体」は、本明細書では最も広い意味で使用され、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体を含み、その例としては、無傷抗体および機能的な(抗原に結合する)抗体断片、例えば、断片抗原結合(Fab)断片、F(ab’)断片、Fab’断片、Fv断片、組換えIgG(rIgG)断片、単鎖抗体断片、例えば、単鎖可変断片(scFv)、および単一ドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv、ナノボディ)断片が挙げられる。この用語は、免疫グロブリンの遺伝子操作された、および/またはそれ以外の方法で改変された形態、例えばイントラボディ(intrabodies)、ペプチボディ(peptibodies)、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、およびヘテロコンジュゲート抗体、多重特異性を有する、例えば二重特異性の抗体、ダイアボディ(diabodies)、トリアボディ(triabodies)、およびテトラボディ(tetrabodies)、タンデムジscFv、タンデムトリscFvを包含する。用語「抗体」は、別段の指定がない限り、それらの機能的な抗体断片を包含すると理解されるべきである。この用語はまた、あらゆるクラスまたはサブクラスの抗体を含む無傷または全長抗体、例えば、IgGおよびそのサブクラス、IgM、IgE、IgA、およびIgDなども包含する。
用語「抗イディオタイプ抗体」とは、抗体のイディオトープ、例えば、抗原結合断片を特異的に認識する、それに特異的に標的化される、および/またはそれに特異的に結合するその抗原結合断片を含む抗体を指す。抗体のイディオトープは、抗体の相補性決定領域(CDR)、抗体の可変領域および/もしくはこのような可変領域の、および/もしくはこのようなCDRの部分的な部分もしくは部分のうち1つもしくは複数ならびに/または前記のものの任意の組合せ内の残基を含み得るが、必ずしもそれに限定されない。CDRは、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3からなる群から選択される1つまたは複数であり得る。抗体の可変領域は、重鎖可変領域、軽鎖可変領域または重鎖可変領域と軽鎖可変領域の組合せであり得る。抗体の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域の部分的断片または部分は、抗体の重鎖可変領域または軽鎖可変領域内の2個もしくはそれより多い、5個もしくはそれより多い、または10個もしくはそれより多い連続するアミノ酸、例えば、約2~約100、約5~約100、約10~約100、約2~約50、約5~約50または約10~約50個の連続するアミノ酸を含む断片であり得る;イディオトープは、アミノ酸の複数の非連続ストレッチを含み得る。抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域の部分的断片は、可変領域内の2個もしくはそれより多い、5個もしくはそれより多い、または10個もしくはそれより多い連続するアミノ酸、例えば、約2~約100、約5~約100、約10~約100、約2~約50、約5~約50または約10~約50個の連続するアミノ酸を含む断片である場合があり、一部の実施形態では、1つまたは複数のCDRまたはCDR断片を含有する。CDR断片は、CDR内の連続または非連続の2個もしくはそれより多い、5個もしくはそれより多いアミノ酸であり得る。したがって、抗体のイディオトープは、抗体の重鎖可変領域または軽鎖可変領域内の1つもしくは複数のCDRまたは1つもしくは複数のCDR断片を含有する約2~約100、約5~約100、約10~約100、約2~約50、約5~約50または約10~約50個の連続するアミノ酸であり得る。別の実施形態では、イディオトープは、抗体の可変領域、例えば、CDR部位に位置する単一アミノ酸であり得る。
一部の実施形態では、イディオトープは、抗体の可変部分内の任意の単一抗原決定基またはエピトープである。一部の場合には、抗体の実際の抗原結合部位に重複する場合があり、一部の場合には、抗体の抗原結合部位の外側の可変領域配列を含み得る。抗体の個々のイディオトープのセットは、一部の実施形態では、このような抗体の「イディオタイプ」と呼ばれる。
用語「相補性決定領域」および「CDR」は、「超可変領域」または「HVR」と同義であり、当該技術分野で公知であり、抗原特異性および/または結合親和性を付与する抗体可変領域内のアミノ酸の非連続配列を指す。一般に、各重鎖可変領域中に3つのCDR(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)および各軽鎖可変領域中に3つのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)がある。「フレームワーク領域」および「FR」は、当該技術分野で公知であり、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を指す。一般に、各全長重鎖可変領域中に4つのFR(FR-H1、FR-H2、FR-H3およびFR-H4)および各全長軽鎖可変領域中に4つのFR(FR-L1、FR-L2、FR-L3およびFR-L4)がある。
所与のCDRまたはFRの正確なアミノ酸配列境界は、Kabat et al. (1991), “Sequences of Proteins of Immunological Interest,” 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (「Kabat」番号付けスキーム)、Al-Lazikani et al., (1997) JMB 273,927-948 (「Chothia」番号付けスキーム)、MacCallum et al., J. Mol. Biol. 262: 732-745 (1996), “Antibody-antigen interactions: Contact analysis and binding site topography,” J. Mol. Biol. 262, 732-745.” (「接触」番号付けスキーム)、Lefranc MP et al., “IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains,” Dev Comp Immunol, 2003 Jan;27(1): 55-77 (「IMGT」番号付けスキーム)およびHonegger A and Plueckthun A, “Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains: an automatic modeling and analysis tool,” J Mol Biol, 2001 Jun 8;309(3): 657-70、(「Aho」番号付けスキーム)によって記載されたものを含むいくつかの周知のスキームのいずれかを使用して容易に決定できる。
所与のCDRまたはFRの境界は、同定のために使用されるスキームに従って変わり得る。例えば、Kabatスキームは、構造アラインメントに基づいており、Chothiaスキームは、構造情報に基づいている。KabatおよびChothiaスキームの両方の番号付けは、最も一般的な抗体領域配列長に基づいており、挿入は、挿入文字、例えば「30a」に対応し、欠失は、一部の抗体において現れる。2つのスキームは、ある特定の挿入および欠失(「挿入欠失」)を異なる配置に配置し、差次的番号付けをもたらす。接触スキームは、複雑な結晶構造の分析に基づいており、Chothia番号付けスキームと多数の点で同様である。
以下の表1は、それぞれKabat、Chothiaおよび接触スキームによって同定されるようなCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3およびCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3の例示的な配置境界を列挙する。CDR-H1について、残基番号は、KabatおよびChothia番号付けスキームの両方を使用して列挙されている。FRは、CDRの間に位置し、例えば、FR-L1はCDR-L1とCDR-L2の間に位置するなど。示されたKabat番号付けスキームは、挿入をH35AおよびH35Bに配置するので、Chothia CDR-H1ループの末端は、示されたKabat番号付け変換を使用して番号付けされる場合に、番号付け変換は、ループの長さに応じてH32とH34の間で変わるということが知られている。
したがって、特に断りのない限り、所与の抗体またはその領域、例えば、その可変領域の「CDR」または「相補性決定領域」または個々の特定のCDR(例えば、「CDR-H1、CDR-H2)は、上記のスキームのいずれかによって定義されるような1つの(または特異的な)相補性決定領域を包含すると理解されるべきである。例えば、指定のCDR(例えば、CDR-H3)が所与のVまたはVアミノ酸配列中の対応するCDRのアミノ酸配列を含有すると記載される場合には、このようなCDRは、上記のスキームのいずれかによって定義されるような可変領域内の対応するCDR(例えば、CDR-H3)の配列を有すると理解される。一部の実施形態では、指定のCDR配列が指定される。
同様に、特に断りのない限り、所与の抗体またはその領域、例えば、その可変領域のFRまたは個々の特定のFR(複数可)(例えば、FR-H1、FR-H2)は、公知のスキームのいずれかによって定義されるような1つの(または特異的な)フレームワーク領域を包含すると理解されるべきである。一部の場合には、Kabat、Chothiaまたは接触法によって定義されるようなCDR等の、特定のCDR、FRまたは複数のFRまたは複数のCDRの同定のためのスキームが指定される。他の例では、CDRまたはFRの特定のアミノ酸配列が与えられる。
用語「可変領域」または「可変ドメイン」は、抗体の抗原への結合に関与する抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然の抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれVおよびV)は、一般的に、各ドメインが4つの保存されたフレームワーク領域(FR)および3つのCDRを含む類似の構造を有する。(例えば、Kindt et al. Kuby Immunology, 6th ed., W.H. Freeman and Co., page 91 (2007)を参照)。単一VまたはVドメインは、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。さらに、特定の抗原と結合する抗体を、抗原と結合する抗体からのVまたはVドメインを使用して、単離して、それぞれの相補的VまたはVドメインのライブラリーをスクリーニングするためのことができる。例えば、Portolano et al., J. Immunol. 150:880-887 (1993); Clarkson et al., Nature 352:624-628 (1991)を参照されたい。
提供される抗体の中に抗体断片がある。「抗体断片」とは、無傷の抗体が結合する抗原に結合する無傷の抗体の一部分を含む無傷の抗体以外の分子を指す。抗体断片の例として、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’);ダイアボディ;線形抗体;単鎖抗体分子(例えば、scFv);および抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、抗体は、重鎖可変鎖領域および/または軽鎖可変鎖領域を含む単鎖抗体断片、例えば、scFvである。
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全てもしくは一部または軽鎖可変ドメインの全てもしくは一部を含む抗体断片である。ある特定の実施形態では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である。
抗体断片は、様々な技術によって作製することができ、その例としては、これらに限定されないが、無傷抗体のタンパク質分解による消化、加えて、組換え宿主細胞による生産が挙げられる。一部の実施形態では、抗体は、組換え生産された断片、例えば天然に存在しないアレンジメントを含む断片であり、例えば2つまたはそれより多くの抗体領域または鎖が、合成リンカー、例えばペプチドリンカーによって合体したもの、および/または天然に存在する無傷抗体の酵素消化によって生産される可能性がないものである。一部の態様では、抗体断片はscFvである。
「ヒト化」抗体は、全てまたは実質的に全てのCDRアミノ酸残基が非ヒトCDRに由来し、全てまたは実質的に全てのフレームワークアミノ酸残基がヒトFRに由来する抗体である。一部の実施形態では、非ヒト抗体、例えば、マウス抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有するキメラ抗体である。ある特定の実施形態では、ヒト化抗体は、非ヒト種からの1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子からのフレームワーク領域(FR)を有する非ヒト種からの抗体である。一部の実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部分を含んでもよい。非ヒト抗体の「ヒト化形態」とは、通常、親の非ヒト抗体の特異性および親和性を保持しながら、ヒトに対する免疫原性を低減するためにヒト化を受けている非ヒト抗体の変異体を指す。一部の実施形態では、ヒト化抗体中の一部のFR残基は、例えば、抗体特異性または親和性を回復させるまたは改善するために、非ヒト抗体(例えば、CDR残基が由来する抗体)からの対応する残基と置換される(例えば、Queen、米国特許第5,585,089号およびWinter、米国特許第5,225,539号を参照されたい)。このようなキメラおよびヒト化モノクローナル抗体は、当該技術分野で公知の組換えDNA技術によって生成され得る。
ある特定の実施形態では、ヒト化抗体は、レシピエントの重鎖可変領域からの残基が、所望の特異性、親和性および/または能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)、例えば、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類の重鎖可変領域からの残基によって置換されるヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。一部の場合には、ヒト免疫グロブリンのFR残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体において、またはドナー抗体において見出されない残基を含む場合がある。一部の実施形態では、ヒト重鎖可変鎖および軽鎖可変鎖をコードする核酸配列は、ヒト(アクセプター)配列の1つまたは複数のCDR配列を、非ヒト抗体配列(ドナー配列)中のそれぞれのCDRをコードする配列によって置き換えるように変更される。一部の実施形態では、ヒトアクセプター配列は、異なる遺伝子に由来するFRを含み得る。特定の実施形態では、ヒト化抗体は、超可変ループの全てまたは実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FRの全てまたは実質的に全てが、ヒト免疫グロブリン配列のものである、少なくとも1つの、通常、2つの可変ドメインの実質的に全てを含有するであろう。一部の実施形態では、ヒト化抗体は、適宜、通常、ヒト免疫グロブリンのものである免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分を含むであろう。さらなる詳細については、例えば、Jones et al., Nature 321:522-525 (1986); Riechmann et al., Nature 332:323-329 (1988);およびPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596 (1992)を参照されたい。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Vaswani and Hamilton, Ann. Allergy, Asthma & Immunol. 1:105-115 (1998);Harris, Biochem. Soc. Transactions 23:1035-1038 (1995);Hurle and Gross, Curr. Op. Biotech. 5:428-433 (1994);および米国特許第6,982,321号および同7,087,409号も参照されたい。一部の実施形態では、ヒト化抗イディオタイプ抗体が本明細書で提供される。
特定の実施形態では、抗体、例えば、抗イディオタイプ抗体は、ヒト化される。ある特定の実施形態では、抗体は任意の適した公知の手段によってヒト化される。例えば、一部の実施形態では、ヒト化抗体は、非ヒトである供給源から導入された1つまたは複数のアミノ酸残基を有し得る。これらの非ヒトアミノ酸残基は、「移入」残基と呼ばれることが多く、これは通常、「移入」可変ドメインから取られる。特定の実施形態では、ヒト化は、Winterおよび共同研究者の方法(Jones et al. (1986) Nature 321:522-525;Riechmann et al. (1988) Nature 332:323-327;Verhoeyen et al. (1988) Science 239:1534-1536)に従って、例えば、ヒト抗体の対応する配列の超可変領域配列を置換することによって本質的に実施され得る。したがって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質的に少ないものが、非ヒト種からの対応する配列によって置換されているキメラ抗体である(米国特許第4,816,567号)。ある特定の実施形態では、ヒト化抗体は、一部の超可変領域残基およびおそらくは一部のFR残基が、げっ歯類抗体中の類似の部位からの残基によって置換されているヒト抗体である。
全長抗体をコードする配列は、与えられた重鎖可変および軽鎖可変鎖配列をヒト定常重鎖および定常軽鎖領域に接合することによってその後得ることができる。適したヒト定常軽鎖配列は、カッパおよびラムダ定常軽鎖配列を含む。適したヒト定常重鎖配列には、IgG1、IgG2および免疫刺激特性を与えられたIgG1突然変異体をコードする配列が含まれる。このような突然変異体は、補体および/または抗体依存性細胞毒性を活性化する能力の低減を有する場合があり、米国特許第5,624,821号;WO99/58572、米国特許第6,737,056号に記載されている。適した定常重鎖としてまた、置換E233P、L234V、L235A、A327G、A330S、P331Sおよび残基236の欠失を含むIgG1が挙げられる。別の実施形態では、全長抗体は、IgA、IgD、IgE、IgM、IgYまたはIgW配列を含む。
適したヒトドナー配列は、マウスドナー配列によってコードされるペプチド配列の、ヒト配列の群に対する、好ましくは、ヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子または成熟抗体遺伝子によってコードされる配列に対する配列比較によって決定できる。高い配列相同性を有する、好ましくは、決定された最高相同性を有するヒト配列は、ヒト化プロセスのためにアクセプター配列として働く場合がある。
ヒトCDRのマウスCDRとの交換に加えて、最適化された特性(例えば、抗原の親和性)を有するヒト化抗体をコードする配列を得るために、ヒトドナー配列におけるさらなるマニピュレーションが実施される場合がある。
さらに、変更されたヒトアクセプター抗体可変ドメイン配列はまた、非ヒトドナーに対応する、軽可変領域の4、35、38、43、44、46、58、62、64、65、66、67、68、69、73、85、98位および重可変領域の2、4、36、39、43、45、69、70、74、75、76、78、92位の1つまたは複数のアミノ酸(Kabat番号付けシステムに従って)をコードするようにされる場合がある(CarterおよびPresta、米国特許第6,407,213号)。
特定の実施形態では、一般に、抗体が抗原に対する高親和性および他の好都合な生物学的特性を保持してヒト化されることが望ましい。この目的を達成するために、一部の実施形態では、親およびヒト化配列の3次元モデルを使用する親配列および種々の概念的なヒト化生成物の分析のプロセスによって、ヒト化抗体が調製される。3次元免疫グロブリンモデルは、一般に利用可能であり、当業者は精通している。選択された候補免疫グロブリン配列の高可能性の3次元コンフォメーション構造を例示し、ディスプレイするコンピュータープログラムが利用可能である。これらのディスプレイの調査によって、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の可能性が高い役割の分析、すなわち、その抗原に結合する候補免疫グロブリンの能力に影響を及ぼす残基の分析が可能になる。このようにして、所望の抗体特徴、例えば、標的抗原(複数可)に対する親和性の増大が達成されるように、レシピエントおよび移入された配列からFR残基を選択し、組み合わせることができる。一般に、超可変領域残基は、抗原結合に影響を及ぼすことに直接的に、最も実質的に関与している。
特定の実施形態では、ヒト化抗体の作製において使用されるべきヒト可変ドメイン、軽および重両方の選択は、抗原性を低減するために重要であり得る。いわゆる「ベストフィット」法に従って、げっ歯類抗体の可変ドメインの配列が、公知のヒト可変ドメイン配列の全ライブラリーに対してスクリーニングされる。次いで、げっ歯類のものに最も近いヒト配列が、ヒト化抗体のヒトフレームワークとして受容される。例えば、Sims et al. (1993) J. Immunol. 151:2296;Chothia et al. (1987) J. Mol. Biol. 196:901を参照されたい。別の方法では、軽鎖または重鎖の特定のサブグループの全てのヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定のフレームワークが使用される。いくつかの異なるヒト化抗体に同一フレームワークが使用される場合がある。例えば、Carter et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285;Presta et al. (1993) J. Immunol., 151:2623を参照されたい。
提供される抗体の中に、ヒト抗体がある。「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞またはヒト抗体レパートリーもしくはヒト抗体ライブラリーを含む他のヒト抗体をコードする配列を利用する非ヒト供給源によって生成された抗体のものに対応するアミノ酸配列を有する抗体である。この用語は、非ヒト抗原結合領域、例えば、全てまたは実質的に全てのCDRが非ヒトであるものを含む非ヒト抗体のヒト化形態を除外する。
ヒト抗体は、抗原性抗原投与に応じて無傷のヒト抗体またはヒト可変領域を有する無傷の抗体を生成するように改変されているトランスジェニック動物に免疫原を投与することによって調製され得る。このような動物は通常、内因性免疫グロブリン遺伝子座と置き換わる、または染色体外に、もしくは動物の染色体中にランダムに統合されて存在する、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部分を含有する。このようなトランスジェニック動物では、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、一般に、不活化されている。ヒト抗体はまた、ファージディスプレイおよびヒトレパートリーに由来する抗体をコードする配列を含有する細胞不含ライブラリーを含む、ヒト抗体ライブラリーに由来する。
提供される抗体の中に、モノクローナル抗体断片を含むモノクローナル抗体がある。用語「モノクローナル抗体」とは、本明細書において、実質的に均一な抗体の集団から得られる、またはその集団内の抗体を指す、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、天然に存在する突然変異を含有する、またはモノクローナル抗体調製物の製造の際に生じる潜在的な変異体を除いて同一であり、このような変異体は一般に、微量で存在する。通常、種々のエピトープに対して向けられた種々の抗体を含むポリクローナル抗体調製とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一エピトープに対して向けられる。この用語は、任意の特定の方法による抗体の生成を必要とすると解釈されるべきではない。モノクローナル抗体は、限定されるものではないが、ハイブリドーマからの生成、組換えDNA法、ファージディスプレイおよび他の抗体ディスプレイ法を含む、様々な技術によって作製され得る。
2.標的発現細胞
一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤は、抗原受容体によって認識される標的を発現する細胞である、すなわち、組換え受容体刺激剤は、標的発現細胞である。一部の実施形態では、標的は、組換え受容体の抗原であり、したがって、一部の場合には、標的発現細胞は、抗原発現細胞である。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤は、抗原発現細胞、例えば、上記のような抗原を発現する細胞である。
ある特定の実施形態では、細胞、例えば、標的発現細胞、例えば、抗原発現細胞は、対象に対して外因性、異種性および/または自家性である。一部の実施形態では、細胞は対象に対して外因性である。
ある特定の実施形態では、標的発現細胞は、組換え受容体によって結合され、および/または認識される標的を発現する。一部の実施形態では、標的は抗体であり、標的発現細胞は、抗体を発現する。一部の実施形態では、標的発現細胞は、腫瘍細胞である。特定の実施形態では、標的発現細胞は、一次細胞である。
一部の実施形態では、標的は、組換え受容体によって認識される抗原であり、標的発現細胞は抗原発現細胞である。ある特定の実施形態では、抗原発現細胞は、組換え受容体によって結合され、および/または認識される抗原を発現する。一部の実施形態では、抗原発現細胞は腫瘍細胞である。特定の実施形態では、抗原発現細胞は一次細胞である。一部の実施形態では、細胞株は、不死細胞株である。特定の実施形態では、抗原発現細胞は、がん性細胞および/または腫瘍細胞である。一部の実施形態では、抗原発現細胞は、がん細胞および/または腫瘍細胞、例えば、ヒトがん細胞および/またはヒト腫瘍細胞に由来する。一部の実施形態では、抗原発現細胞は、がん細胞株、適宜、ヒトがん細胞株に由来する細胞である。一部の実施形態では、抗原発現細胞は、腫瘍細胞株、適宜、ヒト腫瘍細胞株に由来する細胞である。
特定の実施形態では、抗原発現細胞は腫瘍細胞である。一部の実施形態では、抗原発現細胞は、循環腫瘍細胞、例えば、腫瘍性免疫細胞、例えば、腫瘍性B細胞(または腫瘍性B細胞に由来する細胞)である。
特定の実施形態では、抗原発現細胞は、インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても知られる)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られる)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、末端切断型上皮成長因子タンパク質(tEGFR)、III型上皮成長因子受容体突然変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体相同体5またはFCRH5としても知られる)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、胎児アセチルコリン受容体、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gplOO)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原Al(HLA-AIAl)、ヒト白血球抗原A2HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Ra2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、LI細胞接着分子(LI-CAM)、LI-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、黒色腫関連抗原(MAGE)-Al、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソテリン (MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(KG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、がん胎児性抗原、黒色腫の優先的に発現される抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(5T4としても知られるTPBG)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRPl、TYRPlまたはgp75としても知られる)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドパクロム、トートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼまたはDCTとしても知られる)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)またはそれらの組合せを発現する。一部の実施形態では、抗原発現細胞は、病原体特異的抗原もしくは病原体によって発現される抗原またはユニバーサルタグおよび/もしくはビオチン化分子および/もしくはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子と関連した抗原を発現する。特定の実施形態では、抗原発現細胞は、B細胞悪性腫瘍と関連する1つまたは複数の抗原、例えば、いくつかの既知B細胞マーカーのいずれかを発現する。ある特定の実施形態では、抗原発現細胞は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79b、CD30またはそれらの組合せを発現する。一部の実施形態では、抗原発現細胞は、CD19、例えば、ヒトCD19を発現する。
一部の実施形態では、抗原は、病原体特異的抗原または病原体によって発現される抗原である、またはそれを含む。一部の実施形態では、抗原は、ウイルス抗原(例えば、HIV、HCV、HBV等に由来するウイルス抗原)、細菌抗原および/または寄生虫抗原である。ある特定の実施形態では、抗原発現細胞は、腫瘍細胞である、またはそれに由来する。一部の実施形態では、腫瘍細胞は、がん性である。特定の実施形態では、腫瘍細胞は、非がん性である。一部の実施形態では、腫瘍細胞は、循環B細胞、例えば、インビボで腫瘍を形成可能である循環B細胞である、またはそれに由来する。一部の実施形態では、腫瘍細胞は、腫瘍性、腫瘍原性、またはがん性B細胞である循環B細胞である、またはそれに由来する。
ある特定の実施形態では、腫瘍細胞は、ヒトがん細胞である、またはそれに由来する。一部の実施形態では、腫瘍細胞は、AID関連がん、乳がん、消化管/胃腸管のがん、肛門がん、虫垂がん、胆管がん、結腸がん、結腸直腸がん、食道がん、胆嚢がん、島細胞腫瘍、膵神経内分泌腫瘍、肝臓がん、膵臓がん、直腸がん、小腸がん、胃(stomach)(胃(gastric))がん、内分泌系がん、副腎皮質癌、副甲状腺がん、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、甲状腺がん、眼のがん、眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫、膀胱がん、腎臓(腎細胞)がん、陰茎がん、前立腺がん、移行細胞腎盂および尿管がん、精巣がん、尿道がん、ウィルムス腫瘍または他の小児腎臓腫瘍、生殖細胞がん、中枢神経系がん、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、婦人科がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、妊娠性絨毛性腫瘍、卵巣上皮がん、子宮肉腫、膣がん、外陰部がん、頭頸部がん、下咽頭がん、咽頭がん、口唇および口腔がん、転移性扁平頸部がん、鼻咽頭がん、中咽頭がん、副鼻腔および鼻腔のがん、咽頭がん、唾液腺がん、咽喉がん、筋骨格のがん、骨がん、ユーイング肉腫、消化管間質性腫瘍(GIST)、骨肉腫、骨の悪性繊維性組織球腫、横紋筋肉腫、軟部組織肉腫、子宮肉腫、神経性がん、脳腫瘍、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、中枢神経系の非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胚芽腫、中枢神経系生殖細胞腫瘍、頭蓋咽頭腫、上衣腫、髄芽細胞腫、脊髄腫瘍、テント上原始神経外胚葉腫瘍および松果体芽腫、神経芽細胞腫、呼吸器のがん、胸部がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、悪性中皮腫、胸腺腫、胸腺癌、皮膚がん、カポジ肉腫、黒色腫またはメルケル細胞癌またはそれらの任意の同等のヒトがんの細胞に由来する。
特定の実施形態では、腫瘍細胞は、非造血系がん、例えば、固形腫瘍に由来する。ある特定の実施形態では、腫瘍細胞は、血液系がんに由来する。ある特定の実施形態では、腫瘍細胞は、B細胞悪性腫瘍または血液系悪性腫瘍であるがんに由来する。特定の実施形態では、腫瘍細胞は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、急性骨髄性白血病(AML)または骨髄腫、例えば、多発性骨髄腫(MM)またはそれらの任意の同等のヒトがんに由来する。一部の実施形態では、抗原発現細胞は、腫瘍性、がん性および/または腫瘍原性B細胞である。複数の腫瘍細胞株が公知であり、利用可能であり、特定の組換え受容体(例えば、CAR)によって認識される抗原に応じて選択できる。
いくつかの腫瘍細胞株のいずれも公知であり、利用可能である。特定の腫瘍抗原を発現する腫瘍細胞株が公知であり、または腫瘍抗原の表面発現は、様々な技術のいずれを使用しても、例えば、フローサイトメトリーによって当業者によって容易に決定できる、もしくは測定できる。例示的な腫瘍細胞株として、リンパ腫細胞(Raji;Daudi;Jeko-1;BJAB;Ramos;NCI-H929;BCBL-1;DOHH-2、SC-1、WSU-NHL、JVM-2、Rec-1、SP-53、RL、Granta 519、NCEP-1、CL-01)、白血病細胞(BALL-1、RCH-ACV、SUP-B15);子宮頸がん細胞(33A;CaSki;HeLa)、肺癌細胞(NCI-H358;A549、H1355、H1975、Calu-1、H1650およびH727)、乳房細胞、(Hs-578T;ZR-75-1;MCF-7;MCF-7/HER2;MCF10A;MDA-MB-231;SKBR-3、BT-474、MDA-MB-231);卵巣細胞(ES-2;SKOV-3;OVCAR3;HEY1B);多発性骨髄腫細胞(U266、NCI-H929、RPMI-8226、OPM2、LP-1、L363、MM.1S、MM.1R、MC/CAR、JJN3、KMS11、AMO-1、EJM;MOLP-8)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、例示的なCD19発現細胞株として、Raji、DaudiおよびBJABを挙げられるが、これらに限定されない;例示的なCD20発現細胞株として、Daudi、RamosおよびRajiが挙げられる;例示的なCD22発現細胞株として、Ramos、Raji、A549、H727およびH1650が挙げられるが、これらに限定されない;例示的なHer2発現細胞株として、SKOV3、BT-474およびSKBR-3が挙げられる;例示的なBCMA発現細胞株として、RPMI-8226、NCI-H929、MM1S、MM1RおよびKMS11が挙げられるが、これらに限定されない;例示的なGPRC5D発現細胞株として、AMO-1、EJM、NCI-H929、MM.1S、MM1.R、MOLP-8およびOPM-2が挙げられるが、これらに限定されない;例示的なROR1発現細胞株として、A549、MDA-MB-231、H1975、BALL-1およびRCH-ACVが挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、標的発現細胞株は、組換え受容体の標的を発現するように形質導入されている細胞株である。一部の実施形態では、標的は腫瘍抗原である。特定の実施形態では、抗原発現細胞株は、腫瘍抗原を発現するように形質導入されている細胞株である。この細胞株は、限定されるものではないが、ヒト細胞株を含む、哺乳動物細胞株であり得る。一部の実施形態では、ヒト細胞株は、K562、U937、721.221、T2およびC1R細胞であり得る。例えば、K562慢性骨髄性白血病細胞株は、腫瘍抗原をコードする核酸を導入され得る。一部の実施形態では、細胞株は、目的の腫瘍抗原をコードするプラスミドベクターまたはメッセンジャーRNA(mRNA)を用いて操作され得る。一部の実施形態では、導入は、レンチウイルスベースの形質導入であり得る。一部の実施形態では、細胞株(例えば、K562細胞)は、腫瘍抗原をコードする外因性核酸を安定に発現する。一部の実施形態では、外因性核酸は、細胞株(例えば、K562細胞)のゲノム中に統合され得る。一部の実施形態では、外因性核酸は、特定の遺伝子座で細胞株(例えば、K562細胞) のゲノム中に統合され得る。一部の実施形態では、外因性核酸は、ゲノムセーフハーバー(GSH)で細胞株(例えば、K562細胞)のゲノム中に統合され得る。GSHは、宿主細胞ゲノムとの不要な相互作用のリスクを最小にしながら、外因性核酸の安定な統合および発現を支持する部位である(例えば、Sadelain et al., Nat Rev Cancer. (2011) 12(1):51-8を参照されたい)。AAVS1、染色体19でのAAVウイルスの統合の天然に存在する部位;CCR5遺伝子、HIV-1共受容体としても知られるケモカイン受容体遺伝子;およびマウスRosa26遺伝子座のヒトオーソログ(例えば、Papapetrou and Schambach Mol Ther. (2016) 24(4): 678-684を参照されたい)を含む、ヒト細胞における外因性核酸の安定な統合のためのいくつかの安全なGSHが同定されている。
一部の実施形態では、標的発現細胞は、固定量の、組換え受容体を発現する治療用組成物の細胞(エフェクター細胞)と比較して、変更された比率で複数のインキュベーションにわたって変更される、または調整される。一部の実施形態では、調整された量は、100:1~0.001の、標的発現標的細胞のエフェクターT細胞に対する比率(T:E)、例えば、50:1~0.050のT:E比率、25:1~0.025のT:E比率、12:1~0.012:1のT:E比率、10:1~0.010のT:E比率または5:1~0.5のT:E比率の調整された量である。一部の実施形態では、比率は、12:1~0.012:1である、または約12:1~約0.012:1のT:E比率である。比率の特定の範囲は、採用されている特定の標的および標的細胞に応じて経験的に決定できる。例えば、選択された比率は、複数の調整された量にわたって組換え受容体依存性活性の線形用量反応増大を含むものである。一部の実施形態では、比率は、それぞれ最小および最大応答を表す受容体依存性活性の下側漸近線および受容体依存性活性の上側漸近線を含むようにも選択される。
例えば、標的は、組換え受容体の抗原である。一部の実施形態では、抗原発現細胞は、固定量の、組換え受容体を発現する治療用組成物の細胞(エフェクター細胞)と比較して、変更された比率で複数のインキュベーションにわたって変更される、または調整される。一部の実施形態では、調整された量は、100:1~0.001の、抗原発現標的細胞のエフェクターT細胞に対する比率(T:E)、例えば、50:1~0.050のT:E比率、25:1~0.025のT:E比率、12:1~0.012:1のT:E比率、10:1~0.010のT:E比率または5:1~0.5のT:E比率の調整された量である。一部の実施形態では、比率は、12:1~0.012:1である、または約12:1~約0.012:1のT:E比率である。比率の特定の範囲は、採用されている特定の抗原および標的細胞に応じて経験的に決定できる。例えば、選択された比率は、複数の調整された量にわたって組換え受容体依存性活性の線形用量反応増大を含むものである。一部の実施形態では、比率は、それぞれ最小および最大応答を表す受容体依存性活性の下側漸近線および受容体依存性活性の上側漸近線を含むようにも選択される。
C.組換え受容体依存性活性の測定
本明細書で提供される効力を評価する方法は、治療用細胞組成物の操作された細胞の組換え受容体の刺激に応じた、治療用細胞組成物の活性を測定することを含む。上記のように、提供されたアッセイによって、各インキュベーションが組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる調整された比率を含む複数のインキュベーション条件からの、節I-Bに記載されるもの等の組換え受容体刺激剤に応じた組換え受容体依存性活性の測定が可能となる。
特定の実施形態では、組換え受容体依存性活性、例えば、CAR依存性活性は、組換え受容体を発現しない細胞では生じない、および/または生じ得ない組換え受容体を発現する操作された細胞において生じる活性であるということが企図される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、組換え受容体の活性または存在に依存する活性である。組換え受容体依存性活性は、組換え受容体の発現および/もしくは存在によって、または組換え受容体の活性、例えば、受容体刺激の変化によって直接的または間接的に影響を受ける任意の細胞性プロセスであり得る。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性として、細胞分裂、DNA複製、転写、タンパク質合成、膜輸送、タンパク質転位置および/もしくは分泌などの細胞性プロセスを挙げることができるが、これらに限定されない、または免疫細胞機能、例えば、細胞溶解活性であり得る。ある特定の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、CAR受容体の確認、細胞内シグナル伝達分子のリン酸化、タンパク質の分解、転写、翻訳、タンパク質の転位置および/またはタンパク質もしくは増殖因子、サイトカインなどの因子の生成および分泌の変化によって測定され得る。ある特定の実施形態では、組換え受容体は、CARである。ある特定の実施形態では、組換え受容体はTCRである。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性、例えば、CAR依存性活性は、因子の測定値、例えば、量もしくは濃度、または組換え受容体刺激剤を用いる治療用細胞組成物の刺激後の量もしくは濃度の変化である。ある特定の実施形態では、因子は、タンパク質、リン酸化されたタンパク質、切断されたタンパク質、転位置されたタンパク質、活性確認中のタンパク質、ポリヌクレオチド、RNAポリヌクレオチド、mRNAおよび/またはshRNAであり得る。一部の実施形態では、測定値として、キナーゼ活性、プロテアーゼ活性、ホスファターゼ活性、cAMP生成、ATP代謝、転位置、例えば、タンパク質の核局在性の増減、転写活性の増大、転位置活性、可溶性因子の生成および/または分泌、細胞性取り込み、ユビキチン化および/またはタンパク質分解の増大を挙げることができるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、因子は、分泌される可溶性因子、例えば、ホルモン、増殖因子、ケモカインおよび/またはサイトカインである。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性、例えば、CAR依存性活性は、組換え受容体刺激剤を用いる刺激に対する応答である。ある特定の実施形態では、細胞は、組換え受容体依存性活性を刺激可能である組換え受容体刺激剤の存在下でインキュベートされ、活性は刺激に対する応答の少なくとも1つの態様であるか、またはそれを含む。応答として、細胞内シグナル伝達事象、例えば、受容体分子の活性の増大、1つもしくは複数のキナーゼのキナーゼ活性の増大、1つもしくは複数の遺伝子の転写の増大、1つもしくは複数のタンパク質のタンパク質合成および/または細胞内シグナル伝達分子の増大、例えば、タンパク質のキナーゼ活性の増大を挙げることができるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、応答(例えば、組換え受容体依存性活性)は、免疫活性と関連し、可溶性因子、例えば、サイトカインの生成および/または分泌(section)、抗体生成の増大および/または細胞溶解活性の増大を挙げることができるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、刺激(例えば、組換え受容体刺激剤)に対する組換え受容体依存性活性、すなわち、刺激(例えば、組換え受容体刺激剤)によって開始される、誘発される、支持される、延長される、および/または引き起こされる少なくとも1つの活性を測定、検出、または定量化することによって評価される。ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、組換え受容体刺激剤と共に培養され、組換え受容体への組換え受容体刺激剤の相互作用または結合は、組換え受容体を発現する細胞に対して特異的である組換え受容体依存性活性を刺激する、例えば、誘導する。ある特定の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、組換え受容体を発現する細胞において生じるが、受容体を発現しない細胞では生じないか、または最小にしか生じない。特定の実施形態では、組換え受容体はCARである。一部の実施形態では、活性は、CAR依存性活性である。
組換え受容体刺激剤による操作された細胞、例えば、免疫細胞またはT細胞の組換え受容体の刺激の条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、薬剤、例えば、栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオンのうち1つまたは複数を含み得る。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、可溶性因子、例えば、サイトカインまたはケモカインが生成または分泌されるか否かによって決定される。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、組換え受容体を発現する細胞に対して特異的である。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、組換え受容体を発現する細胞に対して特異的であり、組換え受容体の発現を欠く細胞では生じない。ある特定の実施形態では、組換え受容体はCARであり、活性はCAR依存性活性である。特定の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、組換え受容体を発現する細胞において活性が存在する同一条件下では、組換え受容体の発現を欠く細胞には存在しない。ある特定の実施形態では、CAR依存性活性は、同一条件下のCAR細胞におけるCAR依存性活性の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%または約99%未満である。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、組換え受容体、例えば、CARを発現する細胞に対して特異的であり、活性は、組換え受容体を発現する治療用細胞組成物の細胞に対して特異的である組換え受容体刺激剤を用いる刺激によって生成される。一部の実施形態では、組換え受容体はCARであり、CAR特異的刺激は、CAR+細胞において活性を刺激する、誘発する、開始する、誘導する、および/または延長するが、CAR-細胞では活性を刺激しない、誘発しない、開始しない、誘導しない、および/または延長しない。一部の実施形態では、CAR依存性活性は、CAR特異的刺激による刺激後にCAR+細胞においてよりも、CAR-細胞では約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%または約99%未満である。
ある特定の実施形態では、活性は、組換え受容体に対して特異的である、節I-Bに記載されるものなどの組換え受容体刺激剤によって刺激される、組換え受容体依存性、例えば、CAR依存性活性である。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤、例えば、CAR特異的薬剤には、組換え受容体、例えば、CARによって結合および/または認識される抗原またはそのエピトープが含まれる。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤には、組換え受容体に結合する、抗体、例えば、抗イディオタイプ抗体(抗ID)またはその活性断片、変異体または部分が含まれる。ある特定の実施形態では、組換え受容体刺激剤は、その表面上に抗原を発現する細胞である。ある特定の実施形態では、組換え受容体刺激剤は、その表面上に抗体を発現する細胞である。一部の実施形態では、細胞は、節I-B-2に記載されるもの等の細胞株に由来する。一部の実施形態では、細胞株は、腫瘍細胞株である。一部の実施形態では、細胞は、腫瘍抗原を発現する。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、組換え受容体、例えば、CARを発現する細胞を含有する治療用細胞組成物中で測定され、測定値は、1つまたは複数の対照に対して比較される。ある特定の実施形態では、対照は、刺激されなかった細胞の同様または同一組成物である。例えば、一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、組換え受容体刺激剤と共のインキュベーション後またはその間に細胞組成物において測定され、得られた測定値は、組換え受容体刺激剤と共にインキュベートされていない同様または同一の細胞組成物からの活性の対照測定と比較される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および対照細胞組成物の両方とも、組換え受容体を発現する細胞を含有する。一部の実施形態では、対照は、組換え受容体、例えば、CAR+細胞を発現する細胞を含有しない同様の細胞組成物からとられる。したがって、一部の実施形態では、細胞を発現している組換え受容体を含有する治療用細胞組成物および細胞を発現している組換え受容体を含有しない対照細胞組成物を、組換え受容体刺激剤と接触させる。ある特定の実施形態では、対照は、任意の刺激の前にとられた組換え受容体を発現する同一細胞組成物からの測定値である。ある特定の実施形態では、対照測定は、バックグラウンドシグナルを決定するために取得され、対照測定値は、活性の測定値から差し引かれる。一部の実施形態では、細胞組成物中の活性の測定値は、対照測定値によって除され、対照レベルを上回る活性の比率である値が得られる。一部の実施形態では、全ての組換え受容体依存性活性測定値は、例えば、組換え受容体刺激剤が治療用細胞組成物の細胞と共に培養されなかった対照測定値に対して調整または正規化される。一部の実施形態では、対照条件に対する測定値の調整または正規化は、組換え受容体依存性活性のより正確な尺度を提供する。
特定の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、可溶性因子の生成および/または分泌であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性、例えば、CAR依存性活性は、溶性因子の生成および/または分泌であるか、またはそれを含む。ある特定の実施形態では、可溶性因子は、サイトカインまたはケモカインである。
可溶性因子の生成または分泌を測定するための適した技術は、当該技術分野で公知である。可溶性因子の生成および/または分泌は、因子の細胞外量の濃度もしくは量を決定することまたは因子をコードする遺伝子の転写活性の量を決定することによって測定できる。適した技術として、イムノアッセイ、免疫測定法、アプタマーベースのアッセイ、組織学的もしくは細胞学的アッセイ、mRNA発現レベルアッセイ、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、免疫ブロット法、免疫沈降、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫染色、フローサイトメトリーアッセイ、表面プラズモン共鳴(SPR)、化学発光アッセイ、ラテラルフローイムノアッセイ、阻害アッセイまたは結合力アッセイ、タンパク質マイクロアレイ、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、メソスケールディスカバリー(MSD)電気化学発光およびビーズベースのマルチプレックスイムノアッセイ(MIA)等のアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、適した技術は、可溶性因子に特異的に結合する検出可能な結合試薬を採用する場合がある。
特定の実施形態では、可溶性因子、例えば、サイトカインの測定は、ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)によって測定される。ELISAは、ペプチド、サイトカイン、抗体およびホルモンなどの物質を検出および定量化するために設計されたプレートベースアッセイ技術である。ELISAでは、可溶性因子は、固体表面に固定化されなくてはならず、次いで、抗体と複合体形成し、これが、酵素に連結される。検出は、検出可能なシグナルをもたらす基質と共のインキュベーションによってコンジュゲートされた酵素活性を評価することによって達成される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、ELISAアッセイを用いて測定される。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、可溶性因子(例えば、サイトカイン)の分泌または生成である。ある特定の実施形態では、生成または分泌は、組換え受容体依存性活性、例えば、CAR依存性活性を刺激する、組換え受容体に結合可能である組換え受容体刺激剤によって、組換え受容体発現細胞、例えば、CAR発現細胞を含有する治療用細胞組成物において刺激される。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤は、組換え受容体に対して特異的である抗原またはそのエピトープを含む;抗原を発現する細胞であるか;または組換え受容体に結合する、および/もしくはそれを認識する抗体もしくはその一部分もしくは変異体を含む;またはそれらの組合せ(例えば、上記の節I-Bを参照されたい)。ある特定の実施形態では、組換え受容体刺激剤は、組換え受容体によって結合される、またはそれによって認識される抗原またはそのエピトープを含む組換えタンパク質である。
ある特定の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、可溶性因子生成および/または分泌であり、組換え受容体、例えば、CARを発現する細胞を含有する治療用細胞組成物を、節I-Bに記載されるもの等の組換え受容体刺激剤と共にインキュベートすることによって測定される。ある特定の実施形態では、可溶性因子は、サイトカインまたはケモカインである。一部の実施形態では、組換え受容体発現細胞を含有する治療用細胞組成物の細胞は、組換え受容体刺激剤の存在下で一定量の時間インキュベートされ、可溶性因子の生成および/または分泌は、インキュベーションの間の1つまたは複数の時点で測定される。一部の実施形態では、細胞は、組換え受容体刺激剤と共に、最大または約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約48時間または各々境界を含めて1時間から4時間の間、1時間から12時間の間、12時間から24時間の間、または24時間より長くインキュベートされ、可溶性因子、例えば、サイトカインの量が検出される。
一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤は、組換え受容体によって認識される抗原もしくはその部分が、または組換え受容体の細胞外ドメイン(例えば、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、scFv))に対して特異的な抗体、例えば、抗イディオタイプ抗体が付着している、または固定化されている粒子(例えば、ビーズ)である。一部の実施形態では、組換え受容体(例えば、CAR)および一定数の治療用細胞組成物の細胞が、粒子と共に、1:100、1:75、1:50、1:40、1:30、1:20、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、1:0.5、1:0.4、1:0.3、1:0.2もしくは1:0.1または約1:100、1:75、1:50、1:40、1:30、1:20、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、1:0.5、1:0.4、1:0.3、1:0.2もしくは1:0.1等を含む、治療用細胞組成物の細胞の、粒子に対する複数の比率で、または前記のいずれかの間の範囲、例えば、各々境界を含めて1:1から1:10または1:0.2~1:12の間の比率でインキュベートされる。一部の実施形態では、複数の比率は、本明細書において提供されるありとあらゆる比率を含む。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤は、組換え受容体によって認識される抗原を発現する細胞である。一部の実施形態では、組換え受容体はCARであり、調整された数の治療用細胞組成物の細胞が、一定数のこのような粒子と共に、治療用細胞組成物の細胞の、粒子に対する複数の比率で、例えば、1:100、1:75、1:50、1:40、1:30、1:20、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、1:0.5、1:0.4、1:0.3、1:0.2もしくは1:0.1または約1:100、1:75、1:50、1:40、1:30、1:20、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、1:0.5、1:0.4、1:0.3、1:0.2もしくは1:0.1で、または前記のいずれかの間の範囲、例えば、各々境界を含めて1:1から1:10または1:0.2~1:12の間の比率でインキュベートされる。一部の実施形態では、複数の比率は、本明細書において提供されるありとあらゆる比率を含む。
一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤は、組換え受容体によって認識される標的(例えば、抗原または抗体)を発現する細胞である。一部の実施形態では、組換え受容体(例えば、CAR)および一定数の治療用細胞組成物の細胞が、細胞と共に、1:100、1:75、1:50、1:40、1:30、1:20、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、1:0.5、1:0.4、1:0.3、1:0.2もしくは1:0.1または約1:100、1:75、1:50、1:40、1:30、1:20、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、1:0.5、1:0.4、1:0.3、1:0.2もしくは1:0.1を含む、治療用細胞組成物の細胞の、標的(例えば、抗原または抗体)を発現する細胞に対する複数の比率で、または前記のいずれかの間の範囲、例えば、各々境界を含めて1:1から1:10または1:0.2~1:12の間の比率でインキュベートされる。一部の実施形態では、複数の比率は、本明細書において提供されるありとあらゆる比率を含む。一部の実施形態では、組換え受容体はCARであり、調整された数の治療用細胞組成物の細胞は、一定数の、標的(例えば、抗原または抗体)を発現する細胞と共に、1:100、1:75、1:50、1:40、1:30、1:20、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、1:0.5、1:0.4、1:0.3、1:0.2もしくは1:0.1または約1:100、1:75、1:50、1:40、1:30、1:20、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、1:0.5、1:0.4、1:0.3、1:0.2もしくは1:0.1を含む、治療用細胞組成物の細胞の、抗原を発現する細胞に対する複数の比率で、または前記のいずれかの間の範囲、例えば、各々境界を含めて1:1から1:10または1:0.2~1:12の間の比率でインキュベートされる。一部の実施形態では、複数の比率は、本明細書において提供されるありとあらゆる比率を含む。
一部の実施形態では、各々境界を含む、細胞組成物の約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間および約1×10から約1×1010の間の細胞が、一定の量または濃度の組換え受容体刺激剤と共にインキュベートされる。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、一定体積の細胞培地の中で組換え受容体刺激剤と共にインキュベートされる。正確な体積は経験的に決定でき、アッセイが実行されている容器(例えば、マルチウェルプレート)の表面積の関数であるということは理解される。ある特定の実施形態では、細胞は、少なくとももしくは約1μL、少なくとももしくは約10μL、少なくとももしくは約25μL、少なくとももしくは約50μL、少なくとももしくは約100μL、少なくとももしくは約500μL、少なくとももしくは約1mL、少なくとももしくは約1.5mL、少なくとももしくは約2mL、少なくとももしくは約2.5mL、少なくとももしくは約5mL、少なくとももしくは約10mL、少なくとももしくは約20mL、少なくとももしくは約25mL、少なくとももしくは約50mL、少なくとももしくは約100mLまたは100mLより多い体積で組換え受容体刺激剤と共にインキュベートされる。ある特定の実施形態では、細胞は、各々境界を含む、約1μLから約100μLの間、約100μLから約500μLの間、約500μLから約1mLの間、約500μLから約1mLの間、約1mLから約10mLの間、約10mLから約50mLの間または約10mLから約100mLの間に入る体積中で組換え受容体刺激剤と共にインキュベートされる。ある特定の実施形態では、細胞は、境界を含む、約100μLから約1mLの間の体積中で組換え受容体刺激剤と共にインキュベートされる。特定の実施形態では、細胞は、約500μLの体積で組換え受容体刺激剤と共にインキュベートされる。一部の実施形態では、マルチウェルプレートは6ウェルプレートであり、体積は、1mLまたは約1mL~3mLまたは約3mLである。一部の実施形態では、マルチウェルプレートは12ウェルプレートであり、体積は、1mLまたは約1mL~2mLまたは約2mLである。一部の実施形態では、マルチウェルプレートは24ウェルプレートであり、体積は、0.5mLまたは約0.5mL~1mLまたは約1mLである。一部の実施形態では、マルチウェルプレートは48ウェルプレートであり、体積は、0.2mLまたは約0.2mL~0.4mLまたは約0.4mLである。一部の実施形態では、マルチウェルプレートは96ウェルプレートであり、体積は、0.1mLまたは約0.1mL~0.2mLまたは約0.2mLである。
一部の実施形態では、一定数の治療用細胞組成物の細胞が、各々境界を含めた約1fmolから約1pmolの間、約1pmolから約1nmolの間、約1nmolから約1μmolの間、約1μmolから約1mmolの間または約1mmolから1molの間で変わる濃度の組換え受容体刺激剤と共にインキュベートされる。特定の実施形態では、一定数の治療用細胞組成物の細胞が、各々境界を含めた約1fMから約1pMの間、約1pMから約1nMの間、約1nMから約1μMの間、約1μMから約1mMの間または約1mMから1molの間で変わる濃度の組換え受容体刺激剤と共にインキュベートされる。例示的単位として、pg/mL、pg/(mL/hr)、pg(mL×細胞)、pg/(mL×hr×細胞)およびpg/(mL×hr×10個細胞)が挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、組換え受容体依存性活性、例えば、CAR依存性活性の測定値は、試験された複数の比率の各々のインキュベーションの間の時点での、またはその最後での治療用細胞組成物中の可溶性因子の量もしくは濃度または相対量もしくは濃度である。特定の実施形態では、測定値は、対照測定値が差し引かれる、またはそれに対して正規化される。一部の実施形態では、対照測定値は、インキュベーションの前にとられた同一細胞組成物からの測定値である。特定の実施形態では、対照測定値は、結合分子と共にインキュベートされなかった同一の対照細胞組成物からとられた測定値である。ある特定の実施形態では、対照は、組換え受容体陽性細胞を含有しない細胞組成物からの結合分子と共のインキュベーションの間の同一時点でとられた測定値である。
一部の実施形態では、測定値は、対照と比較した量または濃度の正規化された比率である。特定の実施形態では、測定値は、時間量当たりの、例えば、分当たりの、または時間当たりの可溶性因子の量または濃度である。一部の実施形態では、測定値は、細胞当たりの、または細胞のセットもしくは参照数当たりの、例えば、100個細胞当たりの、10個細胞当たりの、10個細胞当たりの、10個細胞当たりの、10個細胞当たり等の可溶性因子の量または濃度である。特定のものでは、測定値は、細胞当たりの、または参照数の細胞当たりの可溶性因子の量または濃度である。一部の実施形態では、測定値は、組換え受容体を発現する細胞当たりの可溶性因子の量または濃度である。ある特定の実施形態では、測定値は、治療用細胞組成物の、組換え受容体を発現する細胞、CAR+細胞当たりの、時間量当たりの(例えば、分当たりの、または時間当たりの)可溶性因子の量または濃度である。一部の実施形態では、測定値は、組換え受容体または組換え受容体刺激剤の量または濃度当たりの時間量当たりの可溶性因子の量または濃度である。一部の実施形態では、測定値は、組換え受容体刺激剤の量または濃度当たりの、細胞当たりの、または細胞のセットもしくは参照数当たりの可溶性因子の量または濃度である。一部の実施形態では、測定値は、細胞当たりの、または細胞の参照数当たりの、組換え受容体または組換え受容体刺激剤の量または濃度当たりの、時間量当たりの可溶性因子の量または濃度である。一部の実施形態では、測定値は、組換え受容体を発現する細胞当たりの、組換え受容体または組換え受容体刺激剤の量または濃度当たりの可溶性因子の量または濃度である。ある特定の実施形態では、測定値は、治療用細胞組成物のCAR+細胞の量当たりの、組換え受容体または組換え受容体刺激剤の量または濃度当たりの、時間量当たりの可溶性因子の量または濃度である。
特定の実施形態では、組換え受容体-またはCAR-依存性活性は、2つまたはそれより多い可溶性因子の生成または分泌である。ある特定の実施形態では、組換え受容体-またはCAR-依存性活性は、2、3、4、5、6、7、8、9、10または10より多い可溶性因子の生成または分泌である。一部の実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9、10または10より多い可溶性因子の測定値が、算術平均または幾何平均に組み合わされる。特定の測定値では、組換え受容体依存性活性の測定値は、2、3、4、5、6、7、8、9、10または10より多い可溶性因子の分泌または混合物である。
特定の実施形態では、組換え受容体依存性活性の測定値は、例えば、対数変換によって変換される。ある特定の実施形態では、組換え受容体活性の測定値は、常用対数(log10(x))、自然対数(ln(x))または2を底とする対数(log(x))によって変換される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性の測定値は、2つより多い可溶性因子の生成または分泌の測定値の複合物である。一部の実施形態では、可溶性因子の生成または分泌の測2つより多い測定値は、複合測定値に組み合わされる前に変換される。特定の実施形態では、組換え受容体依存性活性の測定値は、参照測定値に対する正規化の前に変換される。ある特定の実施形態では、組換え受容体依存性活性の測定値は、参照測定値に対する正規化の前に変換される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性の正規化は、複数のインキュベーションから測定された最大組換え受容体依存性活性に対してである。
ある特定の実施形態では、可溶性因子はサイトカインである。サイトカインは、細胞コミュニケーションにおいて広範囲に機能する小さいシグナル伝達分子の大きな群である。サイトカインは、インターロイキン、ケモカインおよびインターフェロンを含む種々の免疫調節分子と関連することが最も多い。あるいは、サイトカインは、4つのファミリー、IL-2サブファミリー、IFNサブファミリーおよびIL-10サブファミリーを含む4つのアルファヘリックスファミリー;トランスフォーミング増殖因子ベータファミリーのメンバーを含む、IL-1ファミリー、IL-17ファミリーおよびシステイン-ノットサイトカインに分類されるその構造を特徴とする場合がある。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、インターロイキン、インターフェロンおよびケモカインを含む1つまたは複数の可溶性因子の生成または分泌である。特定の実施形態では、組換え受容体依存性活性、例えば、CAR依存性活性は、IL-2ファミリーメンバー、IFNサブファミリーメンバー、IL-10サブファミリーメンバー、IL-1ファミリーメンバー、IL-17ファミリーメンバー、システイン-ノットサイトカインおよび/またはトランスフォーミング増殖因子ベータファミリーのメンバーのうち1つまたは複数以上の生成または分泌である。
特定の実施形態では、組換え受容体依存性またはCAR依存性活性は、IL-1、IL-1β、IL-2、sIL-2Ra、IL-3、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-12、IL-13、IL 27、IL-33、IL-35、TNF、TNFアルファ、CXCL2、CCL2、CCL3、CCL5、CCL17、CCL24、PGD2、LTB4、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージ炎症タンパク質(MIP)-1a、MIP-1b、Flt-3L、フラクタルカイン(fracktalkine)および/またはIL-5のうち1つまたは複数の生成および/または分泌である。ある特定の実施形態では、CAR依存性活性は、Th17サイトカインの生成または分泌である。一部の実施形態では、Th17サイトカインはGMCSFである。一部の実施形態では、CAR依存性活性は、Th2サイトカインの生成または分泌を含み、Th2サイトカインは、IL-4、IL-5、IL-10またはIL-13である。
ある特定の実施形態では、組換え受容体-またはCAR-依存性活性は、炎症性サイトカインの生成または分泌である。炎症性サイトカインは、炎症反応の開始において役割を果たし、自然免疫応答を媒介して病原に対する宿主防御を調節する。炎症性サイトカインとして、インターロイキン(IL)、インターロイキン-l-ベータ(IL-1)、インターロイキン-3(IL-3)、インターロイキン-5(IL-5)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-13(IL-13)、腫瘍壊死因子(TNF)、CXC-ケモカインリガンド2(CXCL2)、CC-ケモカインリガンド2(CCL2)、CC-ケモカインリガンド3(CCL3)、CC-ケモカインリガンド5(CCL5)、CC-ケモカインリガンド17(CCL17)、CC-ケモカインリガンド24(CCL24)、プロスタグランジンD2(PGD2)およびロイコトリエンB4(LTB4)ならびにIL-33が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、組換え受容体-またはCAR-依存性活性は、インターロイキンおよび/またはTNFファミリーメンバーの生成およびまたは分泌である。特定の実施形態では、組換え受容体-またはCAR-依存性活性は、IL-1、IL-6、IL-8およびIL-18、TNF-アルファまたはそれらの組合せの生成およびまたは分泌である。
特定の実施形態では、組換え受容体活性(例えばCAR依存性活性)は、IL-2、IFN-ガンマ、TNF-アルファまたはそれらの組合せの分泌である。一部の実施形態では、組換え受容体活性(例えばCAR依存性活性)は、IL-2の分泌である。一部の実施形態では、組換え受容体活性(例えばCAR依存性活性)は、IFN-ガンマの分泌である。一部の実施形態では、組換え受容体活性(例えばCAR依存性活性)は、TNF-アルファの分泌である。
特定の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、治療用細胞組成物の細胞溶解性(細胞傷害性)活性である。一部の実施形態では、組換え受容体依存性細胞溶解活性は、組換え受容体を発現する細胞または組換え受容体を発現する細胞を含有する細胞組成物を、組換え受容体によって結合される、および/または認識される抗原および/またはエピトープを発現する変動する量の標的細胞を用いて、曝露すること、インキュベートすることおよび/または接触させることによって評価される。細胞溶解活性は、経時的に標的細胞数を直接的または間接的に測定することによって測定され得る。例えば、標的細胞は、検出可能であり、次いで標的細胞が溶解されるようなマーカー、または生存可能な標的細胞において検出可能である検出可能なマーカーのような検出可能なマーカーと共にインキュベートされ、その後、組換え受容体を発現する細胞と共にインキュベートされる場合がある。これらの読み取り値は、標的細胞数および/または標的細胞死を直接または間接に提供し、アッセイの間の種々の時点で測定され得る。標的細胞数の低減および/または標的細胞死の増大は、細胞の細胞溶解活性を示す。細胞溶解アッセイを実施するための適した方法は、当技術分野で公知であり、クロム-51放出アッセイ、非放射活性クロムアッセイ、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)、PKH-2およびPKH-26等の蛍光色素を使用するフローサイトメトリーアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、組換え受容体-、例えば、CAR依存性細胞溶解活性は、組換え受容体を発現する細胞を含有する細胞組成物を、組換え受容体によって結合されるか、またはそれによって認識される抗原またはそのエピトープを発現する標的細胞と共にインキュベートすることによって測定される。ある特定の実施形態では、組換え受容体はCARである。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、抗原を発現する細胞と共に、10:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9もしくは約1:10を含む比率で、または各々境界を含めて10:1から1:1、3:1から1:3もしくは1:1から1:10の間の比率でインキュベートされる。一部の実施形態では、細胞組成物の細胞は、標的細胞と共に、比率約10:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9もしくは約1:10を含む治療用細胞組成物のCAR+細胞の、標的細胞に対する比率で、または各々境界を含めて10:1から1:1、3:1から1:3もしくは1:1から1:10の間の比率でインキュベートされる。
ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物の細胞は、標的細胞と共に、最大でまたは約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約8時間、約12時間、約18時間、約24時間、約48時間または48時間より長い間インキュベートされる。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の一定数の細胞が、抗原を発現する細胞と共に約18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間または24時間インキュベートされる。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の一定数の細胞、各々境界を含む、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間または約1×10から約1×1010の間の細胞が、変動する数の抗原発現細胞と共にインキュベートされて、複数の比率をもたらす。ある特定の実施形態では、治療用細胞組成物の一定量の細胞、各々境界を含む、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間、約1×10から約1×10の間または約1×10から約1×1010の間のCAR+細胞が、変動する数の抗原発現細胞と共にインキュベートされて、複数の比率をもたらす。
一部の実施形態では、活性の測定値は、対照に対して比較される。ある特定の実施形態では、対照は、細胞組成物と共にインキュベートされていない抗原発現細胞の培養物である。一部の実施形態では、対照は、同一比率で抗原発現細胞と共にインキュベートされているCAR+細胞を含有しない対照細胞組成物からの測定値である。
ある特定の実施形態では、細胞溶解活性アッセイの測定値は、試験された各比率についてのインキュベーションの間の時点で、またはその最後で生存可能である抗原発現細胞の数である。ある特定の実施形態では、測定値は、インキュベーションの際に放出される標的細胞死のマーカー、例えば、クロム-51の量である。一部の実施形態では、測定値は、単独でインキュベートされた対照の標的細胞の量から、所与の時点での同時インキュベーションにおける標的細胞の量を差し引くことによって決定される標的細胞死の量である。一部の実施形態では、測定値は、標的細胞の出発量と比較した、ある時点での残存する標的細胞のパーセンテージである。特定の実施形態では、測定値は、ある時間量にわたって死滅した細胞の量である。ある特定の実施形態では、測定値は、細胞組成物の各細胞当たりの死滅した細胞の量である。一部の実施形態では、測定値は、量である。細胞当たりの死滅した細胞の量、または細胞のセット数もしくは参照当たりの死滅した細胞の量、例えば、それだけには限らないが、組成物の100個細胞当たりの、10個細胞当たりの、10個細胞当たりの、10個細胞当たりの、10個細胞当たりの、10個細胞当たりの、10個細胞当たりの、10個細胞当たりの、または1010個細胞当たりの死滅した標的細胞の量である。特定の実施形態では、測定値は、細胞組成物の各CAR+細胞またはその参照数もしくはセット数当たりの死滅した細胞の量である。ある特定の実施形態では、測定値は、細胞組成物の細胞当たりの時間量当たりの死滅した細胞の量である。特定の実施形態では、測定値は、治療用細胞組成物のCAR+細胞当たりの時間量にわたる死滅した細胞の量である。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、治療用細胞組成物の細胞中の遺伝子の上方制御である。一部の実施形態では、組換え受容体依存性遺伝子上方制御活性は、組換え受容体を発現する細胞または組換え受容体を発現する細胞を含有する細胞組成物を、組換え受容体に結合し、刺激する変動する量の組換え受容体刺激剤を用いて、曝露すること、インキュベートすることおよび/または接触させることによって評価される。遺伝子活性の上方制御は、経時的に数によって直接的にまたは間接的に測定され得る。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、治療用細胞組成物の細胞中の遺伝子の下方制御である。一部の実施形態では、組換え受容体依存性遺伝子下方制御活性は、組換え受容体を発現する細胞または組換え受容体を発現する細胞を含有する細胞組成物を、組換え受容体に結合し、刺激する変動する量の組換え受容体刺激剤を用いて、曝露すること、インキュベートすることおよび/または接触させることによって評価される。遺伝子活性の下方制御は、経時的に数によって直接的にまたは間接的に測定され得る。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、治療用細胞組成物の細胞中の受容体の上方制御である。一部の実施形態では、組換え受容体依存性受容体上方制御活性は、組換え受容体を発現する細胞または組換え受容体を発現する細胞を含有する細胞組成物を、組換え受容体に結合し、刺激する変動する量の組換え受容体刺激剤を用いて、曝露すること、インキュベートすることおよび/または接触させることによって評価される。受容体活性の上方制御は、経時的に数によって直接的にまたは間接的に測定され得る。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、治療用細胞組成物の細胞中の受容体の下方制御である。一部の実施形態では、組換え受容体依存性受容体下方制御活性は、組換え受容体を発現する細胞または組換え受容体を発現する細胞を含有する細胞組成物を、組換え受容体に結合し、刺激する変動する量の組換え受容体刺激剤を用いて、曝露すること、インキュベートすることおよび/または接触させることによって評価される。受容体活性の下方制御は、経時的に数によって直接的にまたは間接的に測定され得る。
一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性の測定値を数学的モデルを使用してフィッティングして、組換え受容体依存性活性曲線を得る。カーブフィッティングによって、一部の場合には、治療用細胞組成物の挙動、例えば、組換え受容体依存性活性の推測または外挿が可能になる場合がある。カーブフィッティングを実施するための当技術分野で公知の任意の方法が使用され得るということが企図される。一部の実施形態では、曲線はS字形である。一部の実施形態では、複数のインキュベーションの各々から測定された組換え受容体依存性活性に基づいて、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率が決定される。一部の実施形態では、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率が、組換え受容体依存性活性曲線から推測、外挿または推定される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性曲線は、測定された最大組換え受容体依存性活性に対して正規化される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性曲線は、曲線の上側漸近線、適宜、上側漸近線の値の範囲に対して正規化される。
一部の実施形態では、本明細書で記載されるようなアッセイを含む方法は、組換え受容体依存性活性の測定値を検証するために2連または3連で、またはそれより多くで実施される場合がある。アッセイが例えば、2連、3連またはそれより多くで実施される一部の場合には、複製物の各々から測定された組換え受容体依存性活性が使用されて、組換え受容体依存性活性の記述統計的尺度が提供される。例えば、一部の場合には、複数の比率試験の各々について、組換え受容体依存性活性の各尺度の平均(例えば、加算平均)、中央値、標準偏差および/または分散が決定される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性の各尺度の平均が決定される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性の各尺度の標準偏差が決定される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性の平均尺度が数学的モデルを使用してフィッティングされ、組換え受容体依存性活性曲線が生成または推定される。一部の実施形態では、曲線は、平均最大値に対して正規化される。一部の実施形態では、曲線は、上側漸近線、適宜、上側漸近線の値の範囲の平均に対して正規化される。
本明細書で記載された尺度は、参照標準、例えば、本明細書において、例えば、節I-D-1に記載される参照標準を参照して使用され得る。
D.治療用細胞組成物の効力の決定
本明細書で提供される方法によって、治療用細胞組成物の効力を決定することが可能となる。本明細書(例えば、節-II)で記載されたもの等のプロセスならびに複数のインキュベーションを含み、各インキュベーションが、異なる比率の治療用組成物の細胞を、治療用細胞組成物中の組換え受容体依存性活性を刺激することが可能な組換え受容体刺激剤と共に培養することを含むアッセイにおいて、製造された治療用細胞組成物の細胞が培養されることを可能にする任意の他の製造プロセスによって製造された治療用細胞組成物の効力を評価するために、本明細書で記載されるアッセイを使用できることが企図される。一部の実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多い治療用細胞組成物が、本明細書で提供される方法に従って評価され得る。
試験された複数の比率の各々で組換え受容体依存性活性の測定値をとることによって、治療用細胞組成物の効力が決定され得る。一部の実施形態では、測定値は、2連、3連またはそれより多くの複製物にわたって加算平均または中央値をとることによって決定される複合物である。一部の実施形態では、測定値の標準偏差および/または分散は、決定され得る。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤に応じた、治療用細胞組成物の組換え受容体依存性活性の、複合測定値を含む1つまたは複数の測定値を、治療用細胞組成物の効力を決定するために使用できる。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性は、節I-Cに記載されるような任意のものであり得る。一部の実施形態では、組換え受容体刺激剤は、節I-Bに記載されるような任意のものであり得る。
一部の実施形態では、異なる比率での複数のインキュベーションは、カーブフィッティング法が適用され得る複数の測定値をもたらす。一部の実施形態では、複数の測定値は、複合測定値(例えば、平均値または中央値)を含む。例えば、組換え受容体依存性活性測定値を曲線、例えば、S字形とフィッティングして、治療用細胞組成物の挙動(例えば、感受性)の推測、外挿または推定を可能にできる。一部の実施形態では、測定値にフィッティングされた曲線を使用して、アッセイの際に直接調べなかった治療用組成物の挙動(例えば、感受性)を推定できる。例えば、曲線を使用して、下側漸近線;最小値;組換え受容体依存性活性の検出の喪失;最大半量の特定のパーセンテージ(10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%または90%)最大半量値(例えば、50%組換え受容体依存性活性);最大組換え受容体依存性活性の10%~90%、20%~80%、30%~70%または40%~60%の範囲(すなわち、以下に記載されるような最大活性);上側漸近線;および最大値および値または範囲の各々が生じる比率を推定できる。
任意の尺度、最大半量での比率、範囲、最大、最小、漸近線およびその複合尺度)を使用して、治療用細胞組成物の効力を決定できるということが企図される。一部の実施形態では、効力は相対効力である。
1.効力
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力は、組換え受容体依存性活性測定値のうち1つもしくは複数または範囲が生じる比率として定義される。一部の実施形態では、測定値のうち1つもしくは複数または範囲は、複製された実験から決定された複合測定値、例えば、平均または中央値である。一部の実施形態では、測定値および比率は、測定された組換え受容体依存性活性の組換え受容体依存性活性曲線から決定される。一部の実施形態では、測定された組換え受容体依存性活性は、治療用組成物について測定された最大活性に対して正規化される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性曲線は、治療用細胞組成物について測定された最大組換え受容体依存性活性に対して正規化される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性曲線は、治療用細胞組成物について測定された組換え受容体依存性活性の上側漸近線、適宜、漸近線にわたって測定された値の平均に対して正規化される。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力は、10%~90%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲である、またはその逆である。一部の実施形態では、10%~90%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲が、組換え受容体依存性活性曲線から推定される。一部の実施形態では、例えば、組換え受容体依存性活性尺度または組換え受容体依存性活性曲線が正規化される場合に、組換え受容体依存性活性値範囲の範囲は0.1~0.9または10%~90%である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力は、20%~80%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲である、またはその逆である。一部の実施形態では、20%~80%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲が、組換え受容体依存性活性曲線から推定される。一部の実施形態では、例えば、組換え受容体依存性活性尺度または組換え受容体依存性活性曲線が正規化される場合に、組換え受容体依存性活性値範囲の範囲は、0.2~0.8または20%~80%である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力は、30%~70%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲である、またはその逆である。一部の実施形態では、30%~70%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲が、組換え受容体依存性活性曲線から推定される。一部の実施形態では、例えば、組換え受容体依存性活性尺度または組換え受容体依存性活性曲線が正規化される場合に、組換え受容体依存性活性値範囲の範囲は0.3~0.7または30%~70%である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力は、40%~60%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲である、またはその逆である。一部の実施形態では、40%~60%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲が、組換え受容体依存性活性曲線から推定される。一部の実施形態では、例えば、組換え受容体依存性活性尺度または組換え受容体依存性活性曲線が正規化される場合に、組換え受容体依存性活性値範囲の範囲は0.4~0.6または40%~60%である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力は、最大半量の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲である。一部の実施形態では、最大半量の値が生じる最大半量値および比率が、組換え受容体依存性活性曲線から推定される。一部の実施形態では、例えば、組換え受容体依存性活性尺度または組換え受容体依存性活性曲線が正規化される場合に、最大半量の組換え受容体依存性活性値が0.5または50%である。
一部の実施形態では、例えば、組換え受容体依存性活性曲線がS字形によってフィッティングされる場合、曲線の線形部分が決定される。一部の実施形態では、効力は、測定値および曲線の線形部分からの対応する比率である。一部の実施形態では、最大半量値測定値および比率は、曲線の線形部分から決定される。
2.相対効力
本明細書で提供される方法は、異なる治療用細胞組成物、例えば、参照標準に対して、治療用細胞組成物の効力の決定を可能にする。この種の効力は、相対効力と呼ばれる場合もある。例えば、本明細書で提供される方法に従って評価された治療用細胞組成物を、例えば、本明細書で提供される方法に従って評価される、異なる治療用細胞組成物(例えば、参照標準、例えば、以下に記載されるような)と比較して、治療用細胞組成物の効力が互いにどのように関連するかを決定できる。これは、複数の治療用細胞組成物を比較して、どの組成物が最高効力または最適効力を有するかを決定できるという利点を与える。一部の実施形態では、最適効力は、対象において治療効果、例えば、持続的な応答、無増悪生存を誘発できる効力である。一部の実施形態では、最適効力は、対象において毒性をもたらさない効力である。一部の実施形態では、最適効力は、対象において治療効果、例えば、持続的な応答、無増悪生存を誘発でき、毒性をもたらさない効力である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の相対効力は、参照標準の組換え受容体依存性活性測定値のうち1つまたは複数または範囲が生じる比率(複数可)に対して比較される、治療用細胞組成物の組換え受容体依存性活性測定値のうち1つまたは複数または範囲が生じる比率(複数可)として定義される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準のうち一方または両方の測定値のうち1つまたは複数または範囲は、複製された実験から決定された複合測定値、例えば、平均または中央値である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の測定値および比率は、それぞれ、組成物の測定された組換え受容体依存性活性の組換え受容体依存性活性曲線から決定される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の測定された組換え受容体依存性活性は、それぞれ治療用組成物および参照標準について測定された最大活性に対して正規化される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性曲線は、それぞれ治療用細胞組成物および参照標準について測定された最大組換え受容体依存性活性に対して正規化される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性曲線は、それぞれ治療用細胞組成物および参照標準について測定された組換え受容体依存性活性の上側漸近線、適宜、漸近線にわたる測定された値の平均に対して正規化される。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の相対効力は、標準参照の、10%~90%の組換え受容体依存性活性が生じる範囲と比較された、またはその逆である、10%~90%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲である、またはその逆である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の10%~90%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲が、それぞれ治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性曲線から推定される。一部の実施形態では、例えば、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性尺度または組換え受容体依存性活性曲線が正規化される場合には、組換え受容体依存性活性値範囲の範囲は、0.1~0.9または10%~90%である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の相対効力は、標準参照の20%~80%の組換え受容体依存性活性が生じる範囲と比較して、20%~80%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲である、または逆もまた同様である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の20%~80%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲が、それぞれ治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性曲線から推定される。一部の実施形態では、例えば、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性尺度または組換え受容体依存性活性曲線が正規化される場合には、組換え受容体依存性活性値範囲の範囲は、0.2~0.8または20%~80%である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の相対効力は、標準参照の30%~70%の組換え受容体依存性活性が生じる範囲と比較して、30%~70%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲である、または逆もまた同様である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の30%~70%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲が、それぞれ治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性曲線から推定される。一部の実施形態では、例えば、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性尺度または組換え受容体依存性活性曲線が正規化される場合には、組換え受容体依存性活性値範囲の範囲は、0.3~0.7または30%~70%である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の相対効力は、標準参照の30%~70%の組換え受容体依存性活性が生じる範囲と比較して、40%~60%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲である、または逆もまた同様である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の40%~60%の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲が、それぞれ治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性曲線から推定される。一部の実施形態では、例えば、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性尺度または組換え受容体依存性活性曲線が正規化される場合には、組換え受容体依存性活性値範囲の範囲は、0.4~0.6または40%~60%である。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の相対効力は、標準参照の30%~70%の組換え受容体依存性活性が生じる範囲と比較して、最大半量の組換え受容体依存性活性が生じる比率の範囲である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の最大半量値および最大半量値が生じる比率が、それぞれ治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性曲線から推定される。一部の実施形態では、例えば、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性尺度または組換え受容体依存性活性曲線が正規化される場合には、最大半量の組換え受容体依存性活性値は0.5または50%である。
一部の実施形態では、例えば、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性曲線がS字形によってフィッティングされる場合には、曲線の線形部分が決定される。一部の実施形態では、相対効力は、治療用細胞組成物の測定値および曲線の線形部分からの対応する比率と、参照標準の測定値および曲線の線形部分からの対応する比率の比較である。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の最大半量の値の測定値および比率は、曲線の線形部分から決定される。
一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照組成物の上記のものなどの測定値間の比較は除算である。例えば、治療用細胞組成物の最大半量の組換え受容体依存性活性が生じる比率は、参照標準の最大半量の組換え受容体依存性活性が生じる比率によって除される。一部の実施形態では、相対効力は、比率として表される。一部の実施形態では、相対効力は、パーセンテージとして表される。
一部の実施形態では、例えば、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性曲線が上記のようにS字形によってフィッティングされ、正規化される場合には、相対効力は、曲線間の相違である。一部の実施形態では、曲線間の相違は、正規化された曲線の線形部分について測定される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性曲線、例えば、S字形曲線の正規化を使用して、治療用細胞組成物および参照標準の組換え受容体依存性活性曲線を直接比較できる。
a.参照標準
特定の実施形態は、治療用細胞組成物の組換え受容体依存性活性(例えば、CAR+依存性活性)の測定値を、参照標準の参照測定値(すなわち、参照尺度)と比較して、例えば、相対効力を決定することができることを企図する。特定の実施形態では、参照測定値は、参照標準の組換え受容体依存性活性の予め決定された測定値またはその値である。一部の実施形態では、参照標準の組換え受容体依存性活性は、本明細書で開示される方法に従って評価される。一部の実施形態では、参照標準は、組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率が検証されている治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準は、組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率が検証されており、曲線、例えば、S字形が測定された活性にフィッティングされて、組換え受容体依存性活性曲線を生成する治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準の組換え受容体依存性活性曲線が正規化される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性曲線は、最大の測定された組換え受容体依存性活性に対して正規化される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性曲線は、組換え受容体依存性活性曲線の上側漸近線に対して正規化される。一部の実施形態では、組換え受容体依存性活性曲線は、正規化される。組換え受容体依存性活性曲線の上側漸近線にわたって算出された平均値に対して正規化される。一部の実施形態では、参照標準は、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす検証された調整された比率を含む治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす検証された調整された比率が、組換え受容体依存性活性曲線から決定される。
一部の実施形態では、参照標準は、市販の治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準は、比較される治療用細胞組成物を製造するために使用された製造プロセスに対して同一である製造プロセスを使用して製造された治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準は、比較される治療用細胞組成物を製造するために使用された製造プロセスとは異なる製造プロセスを使用して製造された治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準は、比較される治療用細胞組成物と同一の組換え受容体を含む治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準は、比較される治療用細胞組成物と異なる組換え受容体を含む治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準は、比較される同一対象から製造された治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準は、比較される治療用細胞組成物が製造された異なる対象から製造された治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準は、健康な対象に由来する治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準は、疾患または状態を有する対象に由来する。一部の実施形態では、参照標準は、がんを有する対象に由来する。一部の実施形態では、参照標準は、上記のもののうち1つまたは複数の組合せであり得る。
一部の実施形態では、参照標準は、対象に投与されている。特定の実施形態では、対象への参照標準の投与は、対象への投与後に許容可能な安全性プロファイルをもたらすと観察され、決定された。特定の実施形態では、参照標準の投与は、重度の毒性を全くもたらさなかった。ある特定の実施形態では、参照標準の投与は、重度の神経毒性を全くもたらさなかった。特定の実施形態では、参照標準は、神経毒性についてのグレード4以下、グレード3以下、グレード2以下、グレード1以下またはグレード0スコアと関連していた治療用細胞組成物である。一部の実施形態では、参照標準は、許容可能な安全性プロファイルと関連していた。特定の実施形態では、許容可能な安全性プロファイルは、観察されるグレード1以上、観察されるグレード2以上、観察されるグレード3以上またはグレード4以上の神経毒性がないことである。ある特定の実施形態では、参照標準は、観察されたグレード3以上の神経毒性がないこという許容可能な安全性プロファイルと関連する。特定の実施形態では、参照標準は、グレード3以上の神経毒性がないことという許容可能な安全性プロファイルと関連する。
ある特定の実施形態では、参照標準は、対象への投与後に所望の有効性をもたらすと観察されているか、または決定されている。ある特定の実施形態では、対象は、参照標準を投与された対象と同様に、抗原を発現するか、または抗原と関連する疾患または状態を有する。特定の実施形態では、参照標準は、完全奏功(CR)をもたらすと観察されているか、または決定されている。特定の実施形態では、参照標準は、持続的な応答をもたらすと観察されているか、または決定されている。
II.操作されたT細胞を生成する方法
一部の実施形態では、本明細書において提供される治療用細胞組成物の効力の方法を、操作された細胞の治療用組成物(例えば、アウトプット組成物)、例えば、組換えタンパク質、例えば、組換え受容体。例えば、T細胞受容体(TCR)またはキメラ抗原受容体(CAR)を発現する操作されたCD4+T細胞および/または操作されたCD8+T細胞を生成することに関連して使用できる。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法は、細胞療法を製造すること、作製することまたは生成することに関連して使用され、細胞の単離、分離、選択、活性化または刺激、形質導入、洗浄、懸濁、希釈、濃縮および/または製剤化のための工程等のさらなる処理工程に関連して使用され得る。一部の実施形態では、操作された細胞、例えば、操作されたCD4+T細胞および/または操作されたCD8+T細胞を作製または生成する方法は、対象から細胞を単離すること、刺激条件下で調製すること、処理すること、インキュベートすることおよび/または細胞を操作すること(例えば、形質導入すること)のうち1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、方法は、インプット細胞、例えば、一次細胞を、生物学的試料からまず単離し、例えば、選択または分離する;インプット細胞を刺激条件下でインキュベートし、例えば、形質導入またはトランスフェクションによって、ベクター粒子、例えば、ウイルスベクター粒子を用いて操作して、細胞中に組換えポリヌクレオチドを導入する;操作された細胞、例えば、形質導入された細胞を培養して、例えば、細胞を拡大増殖する;および細胞をアウトプット組成物に製剤化するために、細胞の全てまたは一部分を収集、回収および/または容器に充填する順序で実施される処理工程を含む。一部の実施形態では、CD4+およびCD8+T細胞は、例えば、別個のインプット組成物中で互いに独立に製造されるが、製造するプロセスは、同一の処理工程を含む。一部の実施形態では、CD4+およびCD8+T細胞は、例えば、同一のインプット組成物に一緒に製造される。一部の実施形態では、作製されたアウトプット組成物(例えば、治療用細胞組成物)の細胞は、凍結保存の前後に同一対象中に再導入される。一部の実施形態では、操作された細胞のアウトプット組成物(例えば、治療用細胞組成物)は、療法、例えば、自家細胞療法、同種異系細胞療法において使用するのに適している。例示的製造方法は、公開国際特許出願、公開番号WO2019/089855に記載されており、その開示内容は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。
A.試料および細胞調製物
特定の実施形態では、提供される方法は、生物学的試料から細胞を単離、選択および/または濃縮して、濃縮された細胞、例えば、T細胞の1つまたは複数のインプット組成物を作製することに関連して使用される。一部の実施形態では、提供される方法は、試料、例えば、対象、例えば、特定の疾患もしくは状態を有するもの、または細胞療法を必要とするものまたは細胞療法が投与されるものから得られたものまたはそれに由来するものからの、細胞またはその組成物の単離を含む。一部の態様では、対象は、ヒト、例えば、細胞が単離、処理および/または操作されている、特定の治療的介入、例えば、養子細胞療法を必要とする患者である対象である。したがって、細胞は、一部の実施形態では、一次細胞、例えば、一次ヒト細胞である。試料は、対象から直接的に採取された組織、流体および他の試料を含む。生物学的試料は、生物学的供給源または処理される試料から直接的に取得された試料であり得る。生物学的試料として、それだけには限らないが、体液、例えば、血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗、組織および臓器試料が挙げられ、それらに由来する処理された試料を含む。
一部の態様では、試料は、血液または血液由来試料であるか、またはアフェレーシスもしくは白血球アフェレーシス生成物であるか、もしくはそれに由来する。例示的試料として、全血、末梢血単核細胞(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、腸関連リンパ系組織、粘膜関連リンパ系組織、脾臓、他のリンパ系組織、肝臓、肺、胃、腸、結腸、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、子宮頸部、精巣、卵巣、扁桃腺または他の臓器および/またはそれらに由来する細胞が挙げられる。試料には、細胞療法、例えば、養子細胞療法の文脈において、自家および同種異系供給源からの試料が含まれる。
一部の例では、例えば、アフェレーシスまたは白血球アフェレーシスによって対象の循環血液から細胞が得られる。試料は、一部の態様では、T細胞を含むリンパ球、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球および/または血小板を含有し、一部の態様では、赤血球および血小板以外の細胞を含有する。
一部の実施形態では、対象から収集された血液細胞を洗浄して、例えば、血漿画分を除去し、細胞をその後の処理工程のために適当な緩衝液または培地に入れる。一部の実施形態では、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄する。一部の実施形態では、洗浄溶液は、カルシウムおよび/またはマグネシウムおよび/または二価カチオンの多くもしくは全てを欠く。一部の態様では、洗浄工程は、半自動化「フロースルー」遠心機(例えば、Cobe 2991セルプロセッサー、Baxter)によって製造元の説明書に従って達成される。一部の態様では、洗浄工程は、製造元の説明書に従って、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)によって達成される。一部の実施形態では、細胞は、洗浄後、様々な生体適合性の緩衝液、例えば、Ca++/Mg++非含有のPBSなどに再懸濁される。ある特定の実施形態では、血液細胞試料の成分は除去され、細胞は培養培地に直接再懸濁される。
一部の実施形態では、調製方法は、単離、選択および/または濃縮および/または形質導入および操作のためのインキュベーションの前もしくは後のいずれか、ならびに/または操作された細胞の培養および/または回収の後の、細胞を凍結する、例えば、凍結保護するための工程を含む。一部の実施形態では、凍結し、その後に解凍する工程によって、細胞集団において顆粒球およびある程度まで単球が除去される。一部の実施形態では、細胞は、例えば、血漿および血小板を除去するための洗浄工程後に凍結溶液に懸濁される。種々の公知の凍結溶液およびパラメーターのいずれも、一部の態様において、使用され得る。一部の実施形態では、細胞は、12.5%、12.0%、11.5%、11.0%、10.5%、10.0%、9.5%、9.0%、8.5%、8.0%、7.5%、7.0%、6.5%、6.0%、5.5%もしくは5.0% DMSOの、または約12.5%、12.0%、11.5%、11.0%、10.5%、10.0%、9.5%、9.0%、8.5%、8.0%、7.5%、7.0%、6.5%、6.0%、5.5%もしくは5.0% DMSOまたは1%から15%の間、6%から12%の間、5%から10%の間もしくは6%から8%の間のDMSOの最終濃度を有する培地および/または溶液中で凍結される、例えば、クライオ凍結または低温保存される。特定の実施形態では、細胞は、5.0%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.25%、1.0%、0.75%、0.5%もしくは0.25%または約5.0%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.25%、1.0%、0.75%、0.5%もしくは0.25%のHSA、または0.1%から-5%の間、0.25%から4%の間、0.5%から2%の間または1%から2%の間のHASの最終濃度を有する培地および/または溶液中で凍結される、例えば、クライオ凍結または低温保存される。一例は、20% DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBSまたは他の適した細胞凍結培地を使用することを含む。次いで、これを培地を用いて1:1希釈し、その結果、DMSOおよびHASの最終濃度はそれぞれ10%および4%となる。次いで、一般に、細胞は、1分当たり1°または約1°の速度で-80℃にまたは約-80℃に凍結され、液体窒素保存タンクの気相中で保存される。
一部の実施形態では、細胞または集団の単離は、1つまたは複数の調製および/または非親和性ベースの細胞分離工程を含む。一部の例では、細胞は、洗浄され、遠心分離され、および/または例えば、不要な成分を除去する、望ましい成分を富化する、特定の試薬に感受性の細胞を溶解または除去するための1種または複数の試薬の存在下でインキュベートされる。一部の例では、細胞は、1つまたは複数の特性、例えば密度、接着特性、サイズ、特定の成分に対する感受性および/または耐性に基づき分離される。一部の実施形態では、本方法は、密度に基づく細胞分離方法、例えば赤血球の溶解およびパーコールまたはフィコール勾配による遠心分離による末梢血液からの白血球の調製を含む。
一部の実施形態では、選択工程の少なくとも一部分は、選択試薬と共の細胞のインキュベーションを含む。例えば、選択方法の一部としての選択試薬(単数または複数)とのインキュベーションは、1つまたは複数の特定の分子、例えば、表面マーカー、例えば、表面タンパク質、細胞内マーカーまたは核酸の細胞中または細胞上の発現または存在に基づく、1つまたは複数の異なる細胞種の選択のための1種または複数の選択試薬を使用して実施され得る。一部の実施形態では、このようなマーカーに基づいて分離するための選択試薬(単数または複数)を使用する任意の公知の方法が使用され得る。一部の実施形態では、選択試薬(単数または複数)は、親和性-または免疫親和性-ベースの分離である分離をもたらす。例えば、選択は、一部の態様では、1つまたは複数のマーカー、通常、細胞表面マーカーの細胞の発現または発現レベルに基づいて細胞および細胞集団を分離するための試薬(単数または複数)と共のインキュベーションを含み、例えば、このようなマーカーに特異的に結合する抗体または結合パートナーと共のインキュベーションと、一般的にその後の洗浄工程および抗体または結合パートナーに結合していない細胞からの抗体または結合パートナーに結合している細胞の分離による。
このようなプロセスの一部の態様では、一定体積の細胞が、一定量の所望の親和性ベースの選択試薬と混合される。免疫親和性ベースの選択は、分離されている細胞と、細胞上のマーカーに特異的に結合する分子、例えば、固体表面、例えば、粒子上の抗体または他の結合パートナーの間の好都合なエネルギー相互作用をもたらす任意のシステムまたは方法を使用して実施され得る。一部の実施形態では、方法は、細胞のマーカーに対して特異的な選択剤(例えば、抗体)を用いてコーティングされている粒子、例えば、ビーズ、例えば、磁性ビーズを使用して実施される。粒子(例えば、ビーズ)は、エネルギー的に有利な相互作用を促進することを補助するために一定の細胞密度対粒子(例えば、ビーズ)比率を有して、振盪または混合しながらチューブまたはバッグ等の容器中で細胞とインキュベートまたは混合され得る。他の場合には、本方法は、細胞の選択を含み、選択の全てまたは一部分は、例えば、遠心回転下で遠心チャンバーの内部空洞中で実施される。一部の実施形態では、選択試薬、例えば、免疫親和性ベースの選択試薬と共の細胞のインキュベーションが遠心チャンバー中で実施される。ある特定の実施形態では、単離または分離は、国際特許出願公開番号WO2009/072003またはUS20110003380に記載されるシステム、デバイスまたは装置を使用して実施される。一例では、システムは、国際公開番号WO2016/073602に記載されるようなシステムである。
一部の実施形態では、遠心チャンバーの空洞においてこのような選択工程またはその部分(例えば、抗体がコーティングされた粒子、例えば、磁性ビーズと共のインキュベーション)を行うことによって、ユーザーは、種々の溶液の体積、処理の間の溶液の添加およびそのタイミング等のある特定のパラメーターを制御することが可能であり、これによって、他の利用可能な方法と比較して利点を提供できる。例えば、インキュベーションの際に空洞中の液体体積を減少させる能力は、空洞中の細胞の総数に影響を及ぼすことなく選択に使用される粒子(例えば、ビーズ試薬)の濃度、したがって、溶液の化学ポテンシャルを増大できる。これは、順に、処理されている細胞と、選択に使用される粒子の間の対相互作用を増強できる。一部の実施形態では、チャンバー中でインキュベーション工程を実施することによって、例えば、本明細書に記載されるようなシステム、回路および制御と関連する場合に、ユーザーがインキュベーションの間の所望の時間(複数可)で溶液の撹拌を行うことを可能にし、これによって、相互作用も改善され得る。
一部の実施形態では、選択試薬と共の細胞のインキュベーションを含む選択工程の少なくとも一部分が遠心チャンバー中で実施される。このようなプロセスの一部の態様では、一定体積の細胞が、製造元の説明書に従って同一数の細胞および/または細胞の体積を選択するためにチューブまたは容器中で同様の選択を実施する場合に普通使用されるものよりもかなり少ない、一定量の所望の親和性ベースの選択試薬と混合される。一部の実施形態では、製造元の説明書に従う同数の細胞および/または同一体積の細胞のチューブまたは溶液ベースのインキュベーションにおける細胞の選択に使用される同一選択試薬(複数可)の5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、25%以下、50%以下、60%以下、70%以下または80%以下である選択試薬(単数または複数)の量が使用される。
一部の実施形態では、細胞の選択、例えば、免疫親和性ベースの選択のために、細胞は、選択緩衝液も含有する、組成物中でチャンバーの空洞中で、選択試薬、例えば、濃縮するおよび/または枯渇させることが望まれるが、組成物中の他の細胞上では望まれない細胞上の表面マーカーに特異的に結合する分子、例えば、ポリマーまたは表面、例えば、ビーズ、例えば、磁性ビーズ、例えば、CD4およびCD8に対して特異的なモノクローナル抗体にカップリングされた磁性ビーズ等の足場にカップリグされていてもよい抗体と共にインキュベートされる。記載されるような一部の実施形態では、選択試薬は、選択が振盪または回転を伴ってチューブ中で実施される場合に同数の細胞または同一体積の細胞の選択のほぼ同一または同様の効率を達成するために通常使用される、または必要であるであろう選択試薬の量と比較して、実質的に少ない量(例えば、量の5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%以下である)でチャンバーの空洞中の細胞に添加される。一部の実施形態では、インキュベーションは、細胞および選択試薬に選択緩衝液を添加して、標的体積を達成し、例えば、10mL~200mL、例えば、少なくともまたは約少なくともまたは約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mLまたは200mLの試薬をインキュベーションして実施される。一部の実施形態では、選択緩衝液および選択試薬は、細胞の添加の前に予め混合される。一部の実施形態では、選択緩衝液および選択試薬は、細胞に別個に添加される。一部の実施形態では、選択インキュベーションは、周期性に穏やかに混合する条件を用いて実施され、これは、エネルギー的に有利な相互作用の促進を補助でき、それによって、高い選択効率を達成しながらより少ない全体的な選択試薬の使用が可能となる。
一部の実施形態では、選択試薬を用いるインキュベーションの総持続期間は、5分~6時間または約5分~約6時間、例えば、30分~3時間、例えば、少なくともまたは約少なくとも30分、60分、120分または180分である。
一部の実施形態では、インキュベーションは一般に、回転の存在下でなどの混合条件下で、一般に、比較的低い力または速度、例えば、細胞をペレット化するために使用されるものよりも低い速度、例えば、600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpmで(例えば、600rpm、1000rpmまたは1500rpmもしくは1700rpmまたは約600rpm、1000rpmまたは1500rpmもしくは1700rpmまたは少なくとも600rpm、1000rpmまたは1500rpmもしくは1700rpmで)、例えば、80g~100gまたは約80g~約100g(例えば、80g、85g、90g、95gもしくは100gまたは約80g、85g、90g、95gもしくは100gまたは少なくとも80g、85g、90g、95gもしくは100gで)のチャンバーまたは他の容器の試料または壁でのRCFで実施される。一部の実施形態では、回転は、低速と、その後の休息期間の回転の反復間隔、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10秒間の回転および/または休息、例えば、およそ1または2秒の回転と、その後のおよそ5、6、7または8秒の休息を使用して実施される。
一部の実施形態では、このようなプロセスは、チャンバーが不可欠である完全に閉鎖されたシステム内で実施される。一部の実施形態では、このプロセス(および一部の態様では、1つまたは複数のさらなる工程、例えば、アフェレーシス試料等の細胞を含有する試料を洗浄する前の洗浄工程も)は、自動化プログラムを使用して単一の閉鎖されたシステム中で、適当な時間で細胞、試薬および他の構成要素がチャンバー中に引き込まれ、押し出され、洗浄および結合工程を完了するために遠心分離が達成されるような自動化様式で実施される。
一部の実施形態では、細胞および選択試薬(単数および/または複数)のインキュベーションおよび/または混合後に、インキュベートされた細胞は、特定の試薬(単数または複数)の有無に基づいて細胞について選択するために分離に付される。一部の実施形態では、分離は、細胞の選択試薬と共のインキュベーションが実施された同一の閉鎖されたシステム中で実施される。一部の実施形態では、選択試薬と共のインキュベーション後に、選択試薬が結合した細胞を含むインキュベートされた細胞が、細胞の免疫親和性ベースの分離のためのシステム中に移される。一部の実施形態では、免疫親和性ベースの分離のためのシステムは、磁性分離カラムであるか、またはそれを含有する。
このような分離工程は、試薬、例えば、抗体または結合パートナーを結合している細胞がさらなる使用のために保持されるポジティブ選択および/または試薬、例えば、抗体または結合パートナーに結合していない細胞が保持されるネガティブ選択をベースとする場合がある。一部の例では、さらなる使用のために両画分が保持される。一部の態様では、不均一な集団中の細胞種を特異的に同定する抗体が利用可能ではない場合にはネガティブ選択が特に有用である場合があり、その結果、所望の集団以外の細胞によって発現されるマーカーに基づいて分離が最良に実施される。
一部の実施形態では、プロセス工程は、例えば、親和性ベースの選択を実施できるシステムまたは装置を使用する、インキュベートされた細胞の負および/またはポジティブ選択をさらに含む。一部の実施形態では、単離は、ポジティブ選択による特定の細胞集団の濃縮、またはネガティブ選択による特定の細胞集団の枯渇によって実施される。一部の実施形態では、ポジティブまたはネガティブ選択は、細胞を、それぞれポジティブまたはネガティブに選択された細胞上で発現された、または相対的に高いレベルで(マーカーhigh)発現された(マーカー+)1つまたは複数の表面マーカーに特異的に結合する1つまたは複数の抗体または他の結合剤と共にインキュベートすることによって達成される。同一選択工程、例えば、ポジティブまたはネガティブ選択工程の複数ラウンドを実施できる。ある特定の実施形態では、ポジティブにまたはネガティブに選択された画分は、ポジティブまたはネガティブ選択工程を反復すること等によって選択のプロセスに付される。一部の実施形態では、選択は、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または9回より多く反復される。ある特定の実施形態では、同一選択が最大5回実施される。ある特定の実施形態では、同一選択工程は、3回実施される。
分離は、特定の細胞集団または特定のマーカーを発現する細胞の100%の濃縮または除去をもたらす必要はない。例えば、マーカーを発現するもの等の特定の種類の細胞のポジティブ選択または濃縮とは、そのような細胞の数またはパーセンテージを増加させることを指すが、マーカーを発現していない細胞の完全な不在をもたらす必要はない。同様に、マーカーを発現するもの等の特定の種類の細胞のネガティブ選択、除去または枯渇とは、そのような細胞の数またはパーセンテージを減少させることを指すが、全てのこのような細胞の完全な除去をもたらす必要はない。
一部の例では、分離工程の複数ラウンドが実施され、ある工程からポジティブにまたはネガティブに選択された画分が、その後のポジティブまたはネガティブ選択等の別の分離工程に付される。一部の例では、単一分離工程が、細胞を、各々、ネガティブ選択のために標的化されるマーカーに対して特異的な複数の抗体または結合パートナーと共にインキュベートすることによって同時に複数のマーカーを発現する細胞を枯渇させることができる。同様に、細胞を、種々の細胞種で発現される複数の抗体または結合パートナーと共にインキュベートすることによって、複数の細胞種が同時にポジティブに選択され得る。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の分離工程は、1回より多く反復されるおよび/または実施される。一部の実施形態では、ポジティブまたはネガティブ選択工程を反復することによって、分離工程に起因するポジティブにまたはネガティブに選択された画分が、同一分離工程に付される。一部の実施形態では、ポジティブに選択された細胞の収率を増大するために、ネガティブに選択された細胞の純度を増大するために、および/またはネガティブに選択された画分からポジティブに選択された細胞をさらに除去するために、単一分離工程が1回より多く反復および/または実施される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の分離工程は、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回より多く実施および/または反復される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の選択工程は、1から10回の間、1から5回の間または4から5回の間、実施および/または反復される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の選択工程が3回反復される。
例えば、一部の態様では、T細胞、例えば、ポジティブな、または高レベルの1つまたは複数の表面マーカーを発現する細胞、例えば、CD28+、CD62L+、CCR7+、CD27+、CD127+、CD4+、CD8+、CD45RA+、および/またはCD45RO+T細胞特定の亜集団が、ポジティブまたはネガティブ選択技術によって単離される。一部の実施形態では、このような細胞は、このようなマーカーに特異的に結合する1つまたは複数の抗体または結合パートナーと共のインキュベーションによって選択される。一部の実施形態では、抗体または結合パートナーを、磁性ビーズまたは常磁性ビーズ等の固体支持体またはマトリックスに直接的または間接的に等でコンジュゲートして、選択を達成できる。例えば、CD3+、CD28+T細胞を、CD3/CD28がコンジュゲートしている磁性ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expanderおよび/またはExpACT(登録商標)ビーズ)を使用してポジティブに選択できる。
一部の実施形態では,T細胞は、非T細胞、例えば、B細胞、単球または他の白血球、例えば、CD14で発現されたマーカーのネガティブ選択によってPBMC試料から分離される。一部の態様では、CD4+ヘルパーおよびCD8+細胞傷害性T細胞を分離するために、CD4+またはCD8+選択工程が使用される。このようなCD4+およびCD8+集団は、1つまたは複数のナイーブ、記憶および/またはエフェクターT細胞亜集団で発現された、または相対的に高度に発現されたマーカーについてのポジティブまたはネガティブ選択によって亜集団にさらに選別され得る。
一部の実施形態では、CD8+T細胞は、それぞれの亜集団と関連する表面抗原に基づいたポジティブまたはネガティブ選択等によってナイーブ幹細胞、中枢記憶幹細胞、エフェクター記憶幹細胞および/または中枢記憶幹細胞がさらに濃縮または枯渇される。一部の実施形態では、中枢記憶T(TCM)細胞の濃縮は、有効性を増大するため、例えば、投与後の長期間生存、拡大増殖および/または生着を改善するために実施され、これは一部の態様では、このような亜集団において特に頑強である。Terakura et al.、(2012) Blood.1:72-82;Wang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701を参照されたい。一部の実施形態では、TCMが濃縮されたCD8+T細胞およびCD4+T細胞を組み合わせることによって、有効性がさらに増強される。
実施形態では、記憶T細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+およびCD62L-サブセットの両方に存在する。PBMCは、抗CD8および抗CD62L抗体等を使用してCD62L-CD8+および/またはCD62L+CD8+画分について濃縮または枯渇され得る。
一部の実施形態では、中枢記憶T(TCM)細胞の濃縮は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3および/またはCD127のポジティブまたは高い表面発現に基づいており、一部の態様では、CD45RAおよび/またはグランザイムBを発現する、または高度に発現する細胞についてのネガティブ選択に基づいている。一部の態様では、TCM細胞について濃縮されたCD8+集団の単離は、CD4、CD14、CD45RAを発現する細胞の枯渇、CD62Lを発現する細胞についてのポジティブ選択または濃縮によって実施される。一態様では、中枢記憶T(TCM)細胞の濃縮は、CD4発現に基づいて選択された細胞のネガティブ画分を用いて出発して実施され、これは、CD14およびCD45RAの発現に基づくネガティブ選択およびCD62Lに基づくポジティブ選択に付される。
このような選択は、一部の態様では、同時に実施され、他の態様では、いずれかの順序で逐次実施される。一部の態様では、CD8+T細胞集団または亜集団の調製において使用される同一CD4発現ベースの選択工程はまた、CD4+T細胞集団または亜集団を作製するために使用され、その結果、CD4ベースの分離から得られたポジティブおよびネガティブ画分の両方が保持され、方法のその後の工程、適宜、以下の1つまたは複数のさらなるポジティブまたはネガティブ選択工程において使用される。一部の実施形態では、CD4+T細胞集団の選択およびCD8+T細胞集団の選択は、同時に実施される。一部の実施形態では、CD4+T細胞集団およびCD8+T細胞集団の選択は、いずれかの順序で逐次実施される。一部の実施形態では、細胞を選択する方法として、公開された米国出願番号US20170037369に記載されるものを挙げることができる。一部の実施形態では、選択されたCD4+T細胞集団および選択されたCD8+T細胞集団は、選択後に組み合わされる場合がある。一部の態様では、選択されたCD4+T細胞集団および選択されたCD8+T細胞集団は、本明細書で記載されるようなバイオリアクターバッグ中で組み合わされる場合がある。一部の実施形態では、選択されたCD4+T細胞集団および選択されたCD8+T細胞集団は、個別に処理され、それによって、選択されたCD4+T細胞集団は、CD4+T細胞が濃縮され、刺激試薬(例えば、抗CD3/抗CD28磁性ビーズ)と共にインキュベートされ、組換えタンパク質(例えば、CAR)をコードするウイルスベクターで形質導入され、T細胞を拡大増殖する条件下で培養され、選択されたCD8+T細胞集団は、CD8+T細胞が濃縮され、刺激試薬(例えば、抗CD3/抗CD28磁性ビーズ)と共にインキュベートされ、組換えタンパク質(例えば、CAR)、例えば、同一ドナーからのCD4+T細胞の操作のためと同一の組換えタンパク質をコードするウイルスベクターで形質導入され、提供された方法と一致するなどのT細胞を拡大増殖する条件下で培養される。
特定の実施形態では、生物学的試料、例えば、PBMCまたは他の白血球の試料がCD4+T細胞の選択に付され、ネガティブおよびポジティブ画分の両方が保持される。ある特定の実施形態では、CD8+T細胞は、ネガティブ画分から選択される。一部の実施形態では、生物学的試料は、CD8+T細胞の選択に付され、ネガティブおよびポジティブ画分の両方が保持される。ある特定の実施形態では、CD4+T細胞は、ネガティブ画分から選択される。
特定の例では、PBMCの試料または他の白血球細胞試料がCD4+T細胞の選択に付され、ネガティブおよびポジティブ画分の両方が保持される。ネガティブ画分は、次いで、CD14およびCD45RAまたはCD19の発現に基づくネガティブ選択および中枢記憶T細胞に特徴的なマーカー、例えば、CD62LまたはCCR7に基づいたポジティブ選択に付され、ポジティブおよびネガティブ選択は、いずれかの順序で実施される。
CD4+Tヘルパー細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を同定することによってナイーブ、中枢記憶およびエフェクター細胞に選別される。CD4+リンパ球は、標準方法によって得ることができる。一部の実施形態では、ナイーブCD4+Tリンパ球は、CD45RO-、CD45RA+、CD62L+またはCD4+T細胞である。一部の実施形態では、中枢記憶CD4+T細胞は、CD62L+およびCD45RO+である。一部の実施形態では、エフェクターCD4+T細胞は、CD62L-およびCD45RO-である。
一例では、ネガティブ選択によってCD4+T細胞を濃縮するために、モノクローナル抗体カクテルは通常、CD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DRおよびCD8に対する抗体を含む。一部の実施形態では、抗体または結合パートナーが固体支持体またはマトリックス、例えば、磁性ビーズまたは常磁性ビーズに結合されて、ポジティブおよび/またはネガティブ選択のための細胞の分離が可能となる。例えば、一部の実施形態では、細胞および細胞集団は、免疫磁気(または親和性磁気)分離技術を使用して分離または単離される(Methods in Molecular Medicine, vol. 58: Metastasis Research Protocols, Vol. 2: Cell Behavior In Vitro and In Vivo, p 17-25 Edited by: S. A. Brooks and U. Schumacher (c) Humana Press Inc., Totowa, NJに概説されている)。
一部の態様では、分離しようとする細胞のインキュベートされる試料または組成物は、小さい、磁化できる、または磁気的に応答性の材料、例えば磁気的に応答性の粒子またはマイクロパーティクル、例えば常磁性ビーズ(例えば、DynalbeadsまたはMACS(登録商標)ビーズなど)を含有する選択試薬と共にインキュベートされる。磁気的に応答性の材料、例えば、粒子は一般に、分離することが望ましい、例えばネガティブまたはポジティブ選択することが望ましい細胞、複数の細胞、または細胞の集団上に存在する分子、例えば表面マーカーに特異的に結合する結合パートナー、例えば抗体に、直接的または間接的に付着される。
一部の実施形態では、磁気粒子またはビーズは、特異的な結合メンバー、例えば抗体または他の結合パートナーに結合した磁気的に応答性の材料を含む。磁気分離方法で使用される多くの周知の磁気的に応答性の材料、例えば、参照により本明細書に組み入れられるMolday、米国特許第4,452,773号、および欧州特許明細書EP452342Bに記載されるものが公知である。コロイドサイズの粒子、例えばOwenの米国特許第4,795,698号、およびLibertiらの米国特許第5,200,084号に記載されるものも使用され得る。
インキュベーションは一般に、磁気粒子またはビーズに付着した抗体または結合パートナーまたはこのような抗体もしくは結合パートナーに特異的に結合する分子、例えば、二次抗体もしくは他の試薬が、細胞表面分子が試料内の細胞上に存在する場合、それに特異的に結合する条件下で実施される。
ある特定の実施形態では、磁気的に応答性の粒子は、一次抗体または他の結合パートナー、二次抗体、レクチン、酵素、またはストレプトアビジンでコーティングされる。ある特定の実施形態では、磁気粒子は、1種または複数のマーカーに特異的な一次抗体のコーティングを介して細胞に付着する。ある特定の実施形態では、ビーズではなく細胞が一次抗体または結合パートナーで標識され、次いで細胞型特異的な二次抗体、または他の結合パートナー(例えば、ストレプトアビジン)でコーティングされた磁気粒子が添加される。ある特定の実施形態では、ストレプトアビジンでコーティングされた磁気粒子は、ビオチン化した一次または二次抗体と共に使用される。
一部の態様では、分離は、試料が磁場に置かれ、磁気的に応答性の、または磁化できる粒子が付着された細胞が磁石に引き付けられ、非標識細胞から分離されることになる手順で達成される。ポジティブ選択については、磁石に引き付けられる細胞が保持され、ネガティブ選択については、引き付けられない細胞(非標識細胞)が保持される。一部の態様では、同一選択工程の間にポジティブおよびネガティブ選択の組合せが実施され、ポジティブおよびネガティブ画分が保持され、さらに処理されるか、またはさらなる分離工程に付される。
一部の実施形態では、親和性ベースの選択は、磁気活性化細胞選別(MACS)(Miltenyi Biotech、Auburn、CA)を介する。磁気活性化細胞選別(MACS)、例えば、CliniMACSシステムは、磁化された粒子が付着した細胞の高純度選択が可能である。ある特定の実施形態では、MACSは、外部の磁場を適用した後に非標的および標的種が逐次的に溶出される様式で作動する。すなわち、磁化された粒子に付着した細胞はその場に保持されたままで、付着していない種が溶出される。次いで、この第1の溶出工程が完了した後に、磁場にトラップされ、溶出が妨げられた種が、それらを溶出および回収できるような何らかの方式で解放される。ある特定の実施形態では、非標的細胞は、細胞の不均一集団から標識され、枯渇される。
一部の実施形態では、磁気的に応答性の粒子は、その後インキュベート、培養および/または操作されることになる細胞に付着したままであり、一部の態様では、粒子は、患者に投与するための細胞に付着したままである。一部の実施形態では、磁化できる、または磁気的に応答性の粒子は、細胞から除去される。細胞から磁化できる粒子を除去するための方法は公知であり、これとして、例えば、競合する非標識抗体、磁化できる粒子または切断可能なリンカーにコンジュゲートした抗体の使用が挙げられる。一部の実施形態では、磁化できる粒子は、生分解性である。
一部の実施形態では、単離および/または選択の結果、濃縮されたT細胞、例えば、CD3+T細胞、CD4+T細胞および/またはCD8+T細胞の1つまたは複数のインプット組成物が得られる。一部の実施形態では、単一生物学的試料から2つまたはそれより多い別個のインプット組成物が単離、選択、濃縮または取得される。一部の実施形態では、別個のインプット組成物は、同一対象から収集、採取および/または取得された別個の生物学的試料から単離、選択、濃縮および/または取得される。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数のインプット組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%または100%でもしくは約100%でCD3+T細胞を含む濃縮されたT細胞の組成物であるか、またはそれを含む。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞のインプット組成物は、本質的にCD3+T細胞からなる。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数のインプット組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%または100%でもしくは約100%でCD4+T細胞を含む濃縮されたCD4+T細胞の組成物であるか、またはそれを含む。ある特定の実施形態では、CD4+T細胞のインプット組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満または0.01%未満のCD8+T細胞を含み、および/またはCD8+T細胞を含有せず、および/またはCD8+T細胞を含まない、もしくは実質的に含まない。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、本質的にCD4+T細胞からなる。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%または100%でもしくは約100%でCD8+T細胞であるか、またはそれを含むCD8+T細胞の組成物であるか、またはそれを含む。ある特定の実施形態では、CD8+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満または0.01%未満のCD4+T細胞を含有し、および/またはCD4+T細胞を含有せず、および/またはCD4+T細胞を含まない、もしくは実質的に含まない。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、本質的にCD8+T細胞からなる。
一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の1つまたは複数のインプット組成物は、単離、選択および/または濃縮後に凍結、例えば、低温保存および/またはクライオ凍結される。一部の実施形態では、1つまたは複数のインプット組成物は、細胞の組成物をインキュベートすること、活性化すること、刺激すること、操作すること、形質導入すること、トランスフェクトすること、培養すること、拡大増殖すること、回収することおよび/または製剤化することを含む任意の工程の前に、凍結される、例えば、低温保存および/またはクライオ凍結される。特定の実施形態では、1つまたは複数のクライオ凍結インプット組成物は、例えば、-80℃で、または約-80℃で、12時間から7日の間、24時間から120時間の間または2日から5日の間保存される。特定の実施形態では、1つまたは複数のクライオ凍結インプット組成物は、-80℃で、または約-80℃で、10日、9日、8日、7日、6日または5日、4日、3日、2日または1日未満の時間量の間保存される。一部の実施形態では、1つまたは複数のクライオ凍結インプット組成物は、-80℃で、または約-80℃で、1日、2日、3日、4日、5日もしくは6日間または約1日、2日、3日、4日、5日もしくは6日間保存される。
B.細胞の活性化および刺激
一部の実施形態では、提供される方法は、細胞を刺激条件下でインキュベートすることに関連して使用される。一部の実施形態では、刺激条件は、細胞、例えば、CD4+T細胞またはCD8+T細胞中のシグナル、例えば、TCRおよび/または共受容体から生じたシグナルを活性化または刺激する、ならびに/または活性化もしくは刺激可能である条件を含む。一部の実施形態では、刺激条件は、刺激試薬、例えば、細胞のシグナルを活性化もしくは刺激する、および/または活性化もしくは刺激可能である試薬と共に、および/またはそれの存在下で細胞を培養すること、栽培すること、インキュベートすること、活性化すること、増殖させることのうち1つまたは複数の工程を含む。一部の実施形態では、刺激性試薬は、TCRおよび/または共受容体を刺激および/または活性化する。特定の実施形態では、刺激試薬は、節II-B-1に記載される試薬である。
ある特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の1つまたは複数の組成物は、節II-Cに提供される技術等によって細胞を遺伝子操作する、例えば、細胞をトランスフェクトおよび/または形質導入する前に刺激条件下でインキュベートされる。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の1つまたは複数の組成物は、1つまたは複数の組成物が生物学的試料から単離、選択、濃縮または取得された後に、刺激条件下でインキュベートされる。特定の実施形態では、1つまたは複数の組成物がインプット組成物である。特定の実施形態では、1つまたは複数のインプット組成物は、インキュベーションの前に事前にクライオ凍結されており、保存され、解凍される。
ある特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の1つまたは複数の組成物は、濃縮されたT細胞の2つの別個の組成物、例えば、別個のインプット組成物であるか、またはそれを含む。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の2つの別個の組成物、例えば、同一生物学的試料から選択、単離および/または濃縮された、濃縮されたT細胞の2つの別個の組成物は、刺激条件下で別個にインキュベートされる。ある特定の実施形態では、2つの別個の組成物は、濃縮されたCD4+T細胞の組成物を含む。特定の実施形態では、2つの別個の組成物は、濃縮されたCD8+T細胞の組成物を含む。一部の実施形態では、濃縮されたCD4+T細胞および濃縮されたCD8+T細胞の2つの別個の組成物は、刺激条件下で別個にインキュベートされる。
一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の単一組成物は、刺激条件下でインキュベートされる。ある特定の実施形態では、単一組成物は、濃縮されたCD4+T細胞の組成物である。一部の実施形態では、単一組成物は、インキュベーションの前に別個の組成物から組み合わされた濃縮されたCD4+およびCD8+T細胞の組成物である。
一部の実施形態では、刺激条件下でインキュベートされる濃縮されたCD4+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%または100%で、または約100%でCD4+T細胞を含む。ある特定の実施形態では、刺激条件下でインキュベートされる濃縮されたCD4+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満または0.01%未満のCD8+T細胞を含み、および/またはCD8+T細胞を含有せず、および/またはCD8+T細胞を含まない、もしくは実質的に含まない。
一部の実施形態では、刺激条件下でインキュベートされる濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%または100%で、もしくは約100%でCD8+T細胞を含む。ある特定の実施形態では、刺激条件下でインキュベートされる濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満または0.01%未満のCD4+T細胞を含み、および/またはCD4+T細胞を含有せず、および/またはCD4+T細胞を含まない、もしくは実質的に含まない。
一部の実施形態では、濃縮されたCD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、単一組成物中に組み合わされ、刺激条件下でインキュベートされる。ある特定の実施形態では、濃縮されたCD4+および濃縮されたCD8+T細胞の別個の刺激された組成物は、インキュベーションが実施され、および/または完了した後に、単一組成物に組み合わされる。一部の実施形態では、刺激されたCD4+および刺激されたCD8+T細胞の別個の刺激された組成物は、インキュベーションが実施され、および/または完了した後に、別個に処理され、それによって、刺激されたCD4+T細胞集団(例えば、刺激性の抗CD3/抗CD28磁性ビーズ刺激試薬と共にインキュベートされた)は、組換えタンパク質(例えば、CAR)をコードするウイルスベクターで形質導入され、T細胞を拡大増殖する条件下で培養され、刺激されたCD8+T細胞集団(例えば、刺激性の抗CD3/抗CD28磁性ビーズ刺激試薬と共にインキュベートされた)は、組換えタンパク質(例えば、CAR)、例えば、同一ドナーからのCD4+T細胞の操作のためと同一の組換えタンパク質をコードするウイルスベクターで形質導入され、提供された方法と一致するなどのT細胞を拡大増殖する条件下で培養される。
一部の実施形態では、刺激条件下でのインキュベーションは、刺激条件、例えば、集団中の細胞の増殖、拡大増殖、活性化、および/または生存を誘導するように、抗原曝露を模倣するために、/または遺伝子操作のため、例えば組換え抗原受容体の導入のために細胞を刺激するように設計された条件の存在下でのインキュベーションによってを含む、培養、栽培、刺激、活性化、増殖を挙げることができる。特定の実施形態では、刺激条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、薬剤、例えば、栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオンおよび/または刺激因子、例えば、サイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体および細胞を活性化するように設計された任意の他の薬剤のうち1つまたは複数を含み得る。
一部の態様では、刺激条件下での刺激および/またはインキュベーションは、Riddell et al.の米国特許第6,040,1 77号、Klebanoff et al.(2012) J Immunother. 35(9): 651-660、Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82、および/またはWang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701に記載されるもの等の技術に従って実施される。
一部の実施形態では、細胞、例えば、T細胞、細胞の組成物および/または細胞集団、例えば、CD4およびCD8T細胞または組成物、集団またはその亜集団は、培養開始組成物フィーダー細胞、例えば、非分裂末梢血単核細胞(PBMC)に添加すること(例えば、得られた細胞の集団が、拡大増殖されようとする最初の集団中の各Tリンパ球について少なくとも約5、10、20または40またはそれより多いPBMCフィーダー細胞を含有するように)および培養物をインキュベートすること(例えば、T細胞の数を拡大増殖するのに十分な時間)によって拡大増殖される。一部の態様では、非分裂フィーダー細胞は、ガンマ-照射されたPBMCフィーダー細胞を含み得る。一部の実施形態では、PBMCは、細胞分裂を防ぐために約3000~3600ラドの範囲でガンマ線を照射される。一部の態様では、フィーダー細胞は、T細胞の集団の添加の前に培養培地に添加される。
一部の実施形態では、刺激条件は、ヒトTリンパ球の増殖に適した温度、例えば、少なくとも約25セルシウス度、一般的に少なくとも約30度、一般的に37または約37セルシウス度を含む。一部の実施形態では、培養の間に、例えば、37セルシウス度から35セルシウス度への温度シフトが達成される。適宜、インキュベーションは、フィーダー細胞として非分裂EBVで形質転換したリンパ芽球様細胞(LCL)を添加することを含んでいてもよい。LCLは、約6000~10,000ラドの範囲でガンマ線照射されていてもよい。LCLフィーダー細胞は、一部の態様では、任意の適した量で、例えばLCLフィーダー細胞の最初のTリンパ球に対する比率が少なくとも約10:1で提供される。
実施形態では、抗原特異的であるCD4およびCD8の集団は、ナイーブまたは抗原特異的Tリンパ球を、抗原で刺激することによって取得できる。例えば、感染対象からT細胞を単離することおよび同一抗原を用いてインビトロで細胞を刺激することによって、サイトメガロウイルス抗原に対する抗原特異的T細胞株またはクローンを作製できる。ナイーブT細胞も使用され得る。
特定の実施形態では、刺激条件は、細胞を刺激試薬と共にインキュベートすること、培養することおよび/または栽培することを含む。特定の実施形態では、刺激試薬は、節II-B-1に記載される試薬である。ある特定の実施形態では、刺激試薬は、ビーズを含有するか、またはそれを含む。例示的刺激試薬は、抗CD3/抗CD28磁性ビーズであるか、またはそれを含む。ある特定の実施形態では、刺激条件下で細胞をインキュベートすること、培養することおよび/または栽培することのはじめおよび/または開始は、細胞を刺激試薬と接触させると、および/または刺激試薬と共にインキュベートすると生じる。特定の実施形態では、細胞は、細胞の遺伝子操作、例えば、形質導入またはトランスフェクション等による組換えポリヌクレオチドの細胞への導入の前、その間および/またはその後にインキュベートされる。
一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、3:1、2.5:1、2:1、1.5:1、1.25:1、1.2:1、1.1:1、1:1、0.9:1、0.8:1、0.75:1、0.67:1、0.5:1、0.3:1もしくは0.2:1または約3:1、2.5:1、2:1、1.5:1、1.25:1、1.2:1、1.1:1、1:1、0.9:1、0.8:1、0.75:1、0.67:1、0.5:1、0.3:1もしくは0.2:1の刺激試薬および/またはビーズ、例えば、抗CD3/抗CD28磁性ビーズの、細胞に対する比率でインキュベートされる。特定の実施形態では、刺激試薬および/またはビーズの細胞に対する比率は、2.5:1から0.2:1の間、2:1から0.5:1の間、1.5:1から0.75:1の間、1.25:1から0.8:1の間、1.1:1から0.9:1の間である。特定の実施形態では、刺激試薬の細胞に対する比率は、約1:1であるか、または1:1である。
特定の実施形態では、3:1または細胞当たり3未満の刺激試薬、例えば、抗CD3/抗CD28磁性ビーズの比率、例えば、1:1の比率で細胞をインキュベートすることによって、インキュベーションの際に、例えば、活性化誘導性細胞死等によって生じる細胞死の量が低減される。一部の実施形態では、細胞は、3未満(または3:1または細胞当たり3未満のビーズ)の、ビーズの細胞に対する比率で刺激試薬、例えば、抗CD3/抗CD28磁性ビーズと共にインキュベートされる。特定の実施形態では、3:1未満または細胞当たり3未満のビーズの比率、例えば、1:1の比率で細胞をインキュベートすることによって、インキュベーションの際に、例えば、活性化誘導性細胞死等によって生じる細胞死の量が低減される。
特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、刺激試薬、例えば、抗CD3/抗CD28磁性ビーズと共に、3:1未満の細胞当たりの刺激試薬および/またはビーズの比率、例えば、1:1の比率などでインキュベートされ、生存するT細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または少なくとも99.9%が、インキュベーションが完了した後、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日もしくは7日より長い間または少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日もしくは7日より長い間、例えば、生存可能であり、および/または壊死、プログラム細胞死もしくはアポトーシスを起こさない。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物が、刺激試薬と共に3:1未満の細胞当たりの刺激試薬および/またはビーズの比率、例えば、1:1の比率でインキュベートされ、インキュベーションの際に細胞の50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満または0.01%未満が活性化誘導性細胞死を起こす。
ある特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、刺激試薬、例えば、抗CD3/抗CD28磁性ビーズと共に、3:1未満の細胞当たりのビーズの比率、例えば、1:1の比率でインキュベートされ、組成物の細胞は、濃縮されたT細胞の組成物が刺激試薬と共に3:1またはそれより大きい比率でインキュベートされる例示的および/または代替プロセスを受けている細胞と比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍もしくは少なくとも100倍多い生存を有する。
一部の実施形態では、刺激試薬と共にインキュベートされた濃縮されたT細胞の組成物は、1.0×10個細胞/mL~1.0×10個細胞/mLまたは約1.0×10個細胞/mL~約1.0×10個細胞/mL、例えば、少なくともまたは約少なくともまたは約1.0×10個細胞/mL、5×10個細胞/mL、1×10個細胞/mL、5×10個細胞/mL、1×10個細胞/mL、5×10個細胞/mLまたは1×10個細胞/mLを含む。一部の実施形態では、刺激試薬と共にインキュベートされた濃縮されたT細胞の組成物は、約0.5×10個細胞/mL、1×10個細胞/mL、1.5×10個細胞/mL、2×10個細胞/mL、2.5×10個細胞/mL、3×10個細胞/mL、3.5×10個細胞/mL、4×10個細胞/mL、4.5×10個細胞/mL、5×10個細胞/mL、5.5×10個細胞/mL、6×10個細胞/mL、6.5×10個細胞/mL、7×10個細胞/mL、7.5×10個細胞/mL、8×10個細胞/mL、8.5×10個細胞/mL、9×10個細胞/mL、9.5×10個細胞/mLまたは10×10個細胞/mL、例えば、約2.4×10個細胞/mLを含む。
一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、刺激試薬と共に、約25~約38℃、例えば、約30~約37℃、例えば、約37℃±2℃の温度でインキュベートされる。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、刺激試薬と共に、約2.5%~約7.5%、例えば、約4%~約6%、例えば、5%±0.5%もしくは約5%±0.5%のCOレベルでインキュベートされる。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、刺激試薬と共に、37℃もしくは約37℃の温度および/または5%もしくは約5%のCOレベルでインキュベートされる。
特定の実施形態では、刺激条件は、濃縮されたT細胞の組成物を、1つまたは複数のサイトカインと共に、および/または1つまたは複数のサイトカインの存在下でインキュベートすること、培養すること、および/または栽培することを含む。特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、組換えサイトカインである。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、ヒト組換えサイトカインである。ある特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、T細胞によって発現される、および/またはT細胞にとって内因性である受容体に結合する、および/またはそれに結合可能である。特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、サイトカインの4-アルファ-ヘリックスバンドルファミリーのメンバーであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、サイトカインの4-アルファ-ヘリックスバンドルファミリーのメンバーには、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン15(IL-15)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、IL-15であるか、またはこれを含む。特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、IL-7であるか、またはこれを含む。特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、IL-2であるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、刺激条件は、記載されたように、刺激試薬、例えば、抗CD3/抗CD28磁性ビーズの存在下で、および1つまたは複数の組換えサイトカインの存在下で濃縮されたT細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞または濃縮されたCD8+T細胞の組成物をインキュベートすることを含む。
特定の実施形態では、濃縮されたCD4+T細胞の組成物は、IL-2、例えば、組換えIL-2と共にインキュベートされる。理論に捉われようとは思わないが、特定の実施形態は、一部の対象から取得されるCD4+T細胞が、細胞療法において使用するのに適したアウトプット細胞、例えば、操作された細胞の組成物を作製するプロセスを通じて成長、分裂および拡大増殖を可能にする量でIL-2を産生しない、または十分に産生しないことを企図する。一部の実施形態では、濃縮されたCD4+T細胞の組成物を、組換えIL-2の存在下で刺激条件下でインキュベートすることによって、組成物のCD4+T細胞が、インキュベーション工程の間およびプロセスを通じて生存、成長、拡大増殖および/または活性化し続ける確率または可能性が増大する。一部の実施形態では、組換えIL-2の存在下での濃縮されたCD4+T細胞の組成物をインキュベートすることによって、細胞療法に適した濃縮されたCD4+T細胞のアウトプット組成物、例えば、操作されたCD4+T細胞が、濃縮されたCD4+T細胞の組成物から生成される確率および/または可能性が、組換えIL-2の存在下で濃縮されたCD4+T細胞の組成物をインキュベートしない代替および/または例示的方法と比較して、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍または少なくとも100倍増大する。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインの量または濃度は、国際単位(IU)を用いて測定および/または定量化される。国際単位は、ビタミン、ホルモン、サイトカイン、ワクチン、血液製品および同様の生物活性物質を定量化するために使用され得る。一部の実施形態では、IUは、比重および強度の国際参照標準、例えば、WHOヒトIL-2の第1国際標準、86/504との比較による生物学的調製物の効力の測定単位であるか、またはこれを含む。国際単位は、公開されており、国際的な共同研究活動に由来する、生物活性単位を報告するための唯一の認識され、標準化された方法である。特定の実施形態では、サイトカインの組成物、試料または供給源のIUは、類似のWHO標準製品を用いる製品比較試験によって得ることができる。例えば、一部の実施形態では、ヒト組換えIL-2、IL-7またはIL-15の組成物、試料または供給源のIU/mgは、それぞれ、WHO標準IL-2製品(NIBSCコード:86/500)、WHO標準IL-17製品(NIBSCコード:90/530)およびWHO標準IL-15製品(NIBSCコード:95/554)に対して比較される。
一部の実施形態では、IU/mgでの生物活性は、(ng/mlでのED50-1×10と同等である。特定の実施形態では、組換えヒトIL-2またはIL-15のED50は、CTLL-2細胞を用いた細胞増殖の最大半量の刺激(XTT切断)に必要な濃度と同等である。ある特定の実施形態では、組換えヒトIL-7のED50は、PHA活性化ヒト末梢血リンパ球の増殖の最大半量の刺激に必要な濃度と同等である。IL-2のアッセイおよびIUの算出に関連する詳細は、Wadhwa et al., Journal of Immunological Methods (2013), 379 (1-2): 1-7;およびGearing and Thorpe, Journal of Immunological Methods (1988), 114 (1-2): 3-9に論じられており、IL-15のアッセイおよびIUの算出に関連する詳細は、参照によりその全文で本明細書に組み込まれる、Soman et al. Journal of Immunological Methods (2009) 348 (1-2): 83-94に論じられている。
特定の実施形態では、濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、IL-2および/またはIL-15の存在下で刺激条件下でインキュベートされる。ある特定の実施形態では、濃縮されたCD4+T細胞の組成物は、IL-2、IL-7および/またはIL-15の存在下で刺激条件下でインキュベートされる。一部の実施形態では、IL-2、IL-7および/またはIL-15は、組換え型である。ある特定の実施形態では、IL-2、IL-7および/またはIL-15はヒトである。特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、ヒト組換えIL-2、IL-7および/またはIL-15であるか、またはそれを含む。一部の態様では、濃縮されたT細胞組成物のインキュベーションはまた、刺激試薬、例えば、抗CD3/抗CD28磁性ビーズの存在を含む。
一部の実施形態では、細胞は、1IU/mlから1,000IU/mlの間、10IU/mlから50IU/mlの間、50IU/mlから100IU/mlの間、100IU/mlから200IU/mlの間、100IU/mlから500IU/mlの間、250IU/mlから500IU/mlの間または500IU/mlから1,000IU/mlの間の濃度のサイトカイン、例えば、組換えヒトサイトカインと共にインキュベートされる。
一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、1IU/mlから200IU/mlの間、10IU/mlから200IU/mlの間、10IU/mlから100IU/mlの間、50IU/mlから150IU/mlの間、80IU/mlから120IU/mlの間、60IU/mlから90IU/mlの間または70IU/mlから90IU/mlの間の濃度のIL-2、例えば、ヒト組換えIL-2と共にインキュベートされる。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、50IU/ml、55IU/ml、60IU/ml、65IU/ml、70IU/ml、75IU/ml、80IU/ml、85IU/ml、90IU/ml、95IU/ml、100IU/ml、110IU/ml、120IU/ml、130IU/ml、140IU/mlもしくは150IU/mlまたは約50IU/ml、55IU/ml、60IU/ml、65IU/ml、70IU/ml、75IU/ml、80IU/ml、85IU/ml、90IU/ml、95IU/ml、100IU/ml、110IU/ml、120IU/ml、130IU/ml、140IU/mlもしくは150IU/mlの濃度の組換えIL-2と共にインキュベートされる。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、85IU/mlの、または約85IU/mlの組換えIL-2の存在下でインキュベートされる。一部の実施形態では、組換えIL-2と共にインキュベートされた組成物は、T細胞、例えば、CD4+T細胞および/またはCD8+T細胞の集団について濃縮される。一部の実施形態では、T細胞の集団は、CD4+T細胞の集団である。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、濃縮されたCD8+T細胞の組成物である。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、CD8+T細胞について濃縮され、CD4+T細胞は濃縮されず、および/またはCD4+T細胞は、組成物からネガティブに選択されるか、または枯渇される。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、濃縮されたCD4+T細胞の組成物である。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、CD4+T細胞について濃縮され、CD8+T細胞は濃縮されず、および/またはCD8+T細胞は、組成物からネガティブに選択されるか、または枯渇される。一部の実施形態では、組換えIL-2と共にインキュベートされた濃縮されたCD4+T細胞組成物はまた、記載される量等の組換えIL-7および/または組換えIL-15と共にインキュベートされ得る。一部の実施形態では、組換えIL-2と共にインキュベートされた濃縮されたCD8+T細胞組成物はまた、記載された量等の組換えIL-15と共にインキュベートされ得る。
一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、100IU/mlから2,000IU/mlの間、500IU/mlから1,000IU/mlの間、100IU/mlから500IU/mlの間、500IU/mlから750IU/mlの間、750IU/mlから1,000IU/mlの間または550IU/mlから650IU/mlの間の濃度の組換えIL-7、例えば、ヒト組換えIL-7と共にインキュベートされる。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、50IU/ml、100IU/ml、150IU/ml、200IU/ml、250IU/ml、300IU/ml、350IU/ml、400IU/ml、450IU/ml、500IU/ml、550IU/ml、600IU/ml、650IU/ml、700IU/ml、750IU/ml、800IU/ml、750IU/ml、750IU/ml、750IU/mlもしくは1,000IU/mlまたは約50IU/ml、100IU/ml、150IU/ml、200IU/ml、250IU/ml、300IU/ml、350IU/ml、400IU/ml、450IU/ml、500IU/ml、550IU/ml、600IU/ml、650IU/ml、700IU/ml、750IU/ml、800IU/ml、750IU/ml、750IU/ml、750IU/mlもしくは1,000IU/mlの濃度の組換えIL-7と共にインキュベートされる。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、600IU/mlまたは約600IU/mlの組換えIL-7の存在下でインキュベートされる。一部の実施形態では、組換えIL-7と共にインキュベートされる組成物は、T細胞、例えば、CD4+T細胞の集団について濃縮される。一部の実施形態では、組換えIL-7と共にインキュベートされた濃縮されたCD4+T細胞組成物はまた、記載された量等の組換えIL-2および/または組換えIL-15と共にインキュベートされる場合がある。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、CD4+T細胞について濃縮され、CD8+T細胞は濃縮されず、および/またはCD8+T細胞は、組成物からネガティブに選択されるか、または枯渇される。一部の実施形態では、濃縮されたCD8+T細胞組成物は、組換えIL-7と共にインキュベートされない。
一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、0.1IU/mlから100IU/mlの間、1IU/mlから100IU/mlの間、1IU/mlから50IU/mlの間、5IU/mlから25IU/mlの間、25IU/mlから50IU/mlの間、5IU/mlから15IU/mlの間または10IU/mlから100IU/mlの間の濃度の組換えIL-15、例えば、ヒト組換えIL-15と共にインキュベートされる。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、1IU/ml、2IU/ml、3IU/ml、4IU/ml、5IU/ml、6IU/ml、7IU/ml、8IU/ml、9IU/ml、10IU/ml、11IU/ml、12IU/ml、13IU/ml、14IU/ml、15IU/ml、20IU/ml、25IU/ml、30IU/ml、40IU/mlもしくは50IU/mlまたは約1IU/ml、2IU/ml、3IU/ml、4IU/ml、5IU/ml、6IU/ml、7IU/ml、8IU/ml、9IU/ml、10IU/ml、11IU/ml、12IU/ml、13IU/ml、14IU/ml、15IU/ml、20IU/ml、25IU/ml、30IU/ml、40IU/mlもしくは50IU/mlの濃度の組換えIL-15と共にインキュベートされる。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、10IU/mlまたは約10IU/mlの組換えIL-15においてインキュベートされる。一部の実施形態では、組換えIL-15と共にインキュベートされた組成物は、T細胞、例えば、CD4+T細胞および/またはCD8+T細胞の集団について濃縮される。一部の実施形態では、T細胞の集団は、CD4+T細胞の集団である。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、濃縮されたCD8+T細胞の組成物である。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、CD8+T細胞について濃縮されており、CD4+T細胞は濃縮されず、および/またはCD4+T細胞は、組成物からネガティブに選択されるか、または枯渇される。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、濃縮されたCD4+T細胞の組成物である。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、CD4+T細胞について濃縮され、CD8+T細胞は濃縮されず、および/またはCD8+T細胞は、組成物からネガティブに選択されるか、または枯渇される。一部の実施形態では、組換えIL-15と共にインキュベートされた濃縮されたCD4+T細胞組成物はまた、記載される量等の組換えIL-7および/または組換えIL-2と共にインキュベートされる場合がある。一部の実施形態では、共にインキュベートされた組換えIL-15t濃縮されたCD8+T細胞組成物はまた、記載された量などの組換えIL-2と共にインキュベートされる場合がある。
特定の実施形態では、細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞は、1つまたは複数の抗酸化物質の存在下で刺激試薬と共にインキュベートされる。一部の実施形態では、抗酸化物質として、トコフェロール、トコトリエノール、アルファ-トコフェロール、ベータ-トコフェロール、ガンマ-トコフェロール、デルタ-トコフェロール、アルファ-トコトリエノール、ベータ-トコトリエノール、アルファ-トコフェロールキノン、トロロクス(6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、フラボノイド、イソフラボン、リコピン、ベータ-カロテン、セレン、ユビキノン、ルエチン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオン、タウリン、N-アセチルシステイン(NAC)、クエン酸、L-カルニチン、BHT、モノチオグリセロール、アスコルビン酸、没食子酸プロピル、メチオニン、システイン、ホモシステイン、グルタチオン、シスタミンおよびシスタチオン(cysstathionine)および/またはグリシン-グリシン-ヒスチジンを含む1種または複数の抗酸化物質が挙げられるが、これらに限定されない。一部の態様では、濃縮されたT細胞組成物、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞の、抗酸化物質と共のインキュベーションはまた、刺激試薬、例えば、抗CD3/抗CD28磁性ビーズおよび記載されたような1つまたは複数の組換えサイトカインの存在を含む。
一部の実施形態では、1種または複数の抗酸化物質は、硫黄含有オキシダント(oxidant)であるか、またはそれを含む。ある特定の実施形態では、硫黄抗酸化物質には、チオール含有抗酸化物質および/または例えば、環構造内に1つもしくは複数の硫黄部分を呈する抗酸化物質が含まれ得る。一部の実施形態では、硫黄含有抗酸化物質には、例えば、N-アセチルシステイン(NAC)および2,3-ジメルカプトプロパノール(DMP)、L-2-オキソ-4-チオゾリジンカルボキシレート(OTC)およびリポ酸が含まれ得る。特定の実施形態では、硫黄含有抗酸化物質は、グルタチオン前駆体である。一部の実施形態では、グルタチオン前駆体は、グルタチオンを導き出すための細胞内の1つまたは複数の工程において改変され得る分子である。特定の実施形態では、グルタチオン前駆体として、N-アセチルシステイン(NAC)、L-2-オキソチオゾリジン-4-カルボン酸(プロシステイン)、リポ酸、S-アリルシステインまたはメチルメチオニンスルホニウムクロリドを挙げることができるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞を、刺激条件下でインキュベートすることは、1つまたは複数の抗酸化物質の存在下で細胞をインキュベートすることを含む。特定の実施形態では、細胞は、1つまたは複数の抗酸化物質の存在下で刺激試薬を用いて刺激される。一部の実施形態では、細胞は、1ng/mlから100ng/mlの間、10ng/mlから1μg/mlの間、100ng/mlから10μg/mlの間、1μg/mlから100μg/mlの間、10μg/mlから1mg/mlの間、100μg/mlから1mg/mlの間、1500μg/mlから2mg/mlの間、500μg/mlから5mg/mlの間、1mg/mlから10mg/mlの間または1mg/mlから100mg/mlの間の1つまたは複数の抗酸化物質の存在下でインキュベートされる。一部の実施形態では、細胞は、1ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、100μg/ml、0.2mg/ml、0.4mg/ml、0.6mg/ml、0.8 mg/ml、1mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、10mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、50mg/ml、100mg/ml、200mg/ml、300mg/ml、400mg/ml、500mg/mlまたは約1ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、100μg/ml、0.2mg/ml、0.4mg/ml、0.6mg/ml、0.8mg/ml、1mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、10mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、50mg/ml、100mg/ml、200mg/ml、300mg/ml、400mg/ml、500mg/mlの1つまたは複数の抗酸化物質の存在下でインキュベートされる。一部の実施形態では、1つまたは複数の抗酸化物質は、硫黄含有抗酸化物質であるか、またはそれを含む。特定の実施形態では、1つまたは複数の抗酸化物質は、グルタチオン前駆体であるか、またはそれを含む。
一部の実施形態では、1つまたは複数の抗酸化物質は、N-アセチルシステイン(NAC)を含むか、またはそれを含む。一部の実施形態では、細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞を、刺激条件下でインキュベートすることは、NACの存在下で細胞をインキュベートすることを含む。特定の実施形態では、細胞は、NACの存在下で刺激試薬を用いて刺激される。一部の実施形態では、細胞は、1ng/mlから100ng/mlの間、10ng/mlから1μg/mlの間、100ng/mlから10μg/mlの間、1μg/mlから100μg/mlの間、10μg/mlから1mg/mlの間、100μg/mlから1mg/mlの間、1-500μg/mlから2mg/mlの間、500μg/mlから5mg/mlの間、1mg/mlから10mg/mlの間または1mg/mlから100mg/mlの間のNACの存在下でインキュベートされる。一部の実施形態では、細胞は、1ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、100μg/ml、0.2mg/ml、0.4mg/ml、0.6mg/ml、0.8mg/ml、1mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、10mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、50mg/ml、100mg/ml、200mg/ml、300mg/ml、400mg/ml、500mg/mlまたは約1ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、100μg/ml、0.2mg/ml、0.4mg/ml、0.6mg/ml、0.8mg/ml、1mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、10mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、50mg/ml、100mg/ml、200mg/ml、300mg/ml、400mg/ml、500mg/mlのNACの存在下でインキュベートされる。一部の実施形態では、細胞は0.8mg/mlと共にまたは約0.8mg/mlと共にインキュベートされる。
特定の実施形態では、濃縮されたT細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞の組成物を、1つまたは複数の抗酸化物質、例えば、NACの存在下でインキュベートすることによって、細胞の活性化が、抗酸化物質が存在しない代替および/または例示的プロセスにおいてインキュベートされる細胞と比較して低減される。ある特定の実施形態では、低減された活性化は、細胞における1つまたは複数の活性化マーカーの発現によって測定される。ある特定の実施形態では、活性化のマーカーとして、細胞内複雑性(例えば、側方散乱(SSC)を測定することによって決定されるような)の増大、細胞サイズ(例えば、細胞径および/または前方散乱(FSC)を測定することによって決定されるような)の増大、CD27の発現の増大および/またはCD25の発現の減少が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、組成物の細胞は、インキュベーション、操作、形質導入、トランスフェクション、拡大増殖もしくは製剤化の間もしくはその後またはインキュベーション後に生じるプロセスの任意の段階の間もしくはその後に調べた場合に、ネガティブな、低減したまたは低い発現および/または活性化のマーカーの程度を有する。一部の実施形態では、組成物の細胞は、プロセスが完了した後に、ネガティブな、低減されたまたは低い発現および/または活性化のマーカーの程度を有する。特定の実施形態では、アウトプット組成物の細胞は、ネガティブな、低減されたまたは低い発現および/または活性化のマーカーの程度を有する。
一部の実施形態では、細胞の相対サイズを決定するためにフローサイトメトリーが使用される。特定の実施形態では、細胞を分析し、サイズおよび内部の複雑性に基づいて細胞を互いに識別するためにFSCおよびSSCパラメーターが使用される。特定の実施形態では、実際の細胞のサイズを決定ために、既知サイズの粒子またはビーズが標準として測定され得る。一部の実施形態では、フローサイトメトリーは、染色、例えば、標識された抗体と組み合わせて使用されて、表面タンパク質、例えば、活性化のマーカー、例えば、CD25またはCD27の発現を測定または定量化する。
一部の実施形態では、濃縮されたT細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化物質、例えば、NACの存在下でインキュベートされ、細胞径は、インキュベーションが抗酸化物質の存在下で実施されない代替および/または例示的プロセスにおいてインキュベートされた細胞と比較して少なくとも0.25μm、0.5μm、0.75μm、1.0μm、1.5μm、2μm、2.5μm、3μm、3.5μm、4μm、4.5μm、5μmまたは5μmよりも多く低減される。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化物質、例えば、NACの存在下でインキュベートされ、FSCによって測定されるような細胞サイズは、インキュベーションが抗酸化物質の存在下で実施されない代替および/または例示的プロセスにおいてインキュベートされた細胞と比較して少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%または少なくとも90%低減される。
一部の実施形態では、濃縮されたT細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化物質、例えば、NACの存在下でインキュベートされ、SSCによって測定されるような細胞内複雑性は、インキュベーションが抗酸化物質の存在下で実施されない代替および/または例示的プロセスにおいてインキュベートされた細胞と比較して少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%または少なくとも90%低減される。
特定の実施形態では、濃縮されたT細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化物質、例えば、NACの存在下でインキュベートされ、例えば、フローサイトメトリーによって測定されるようなCD27の発現は、インキュベーションが抗酸化物質の存在下で実施されない代替および/または例示的プロセスにおいてインキュベートされた細胞と比較して少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%低減される。
ある特定の実施形態では、濃縮されたT細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化物質、例えば、NACの存在下でインキュベートされ、例えば、フローサイトメトリーによって測定されるようなCD25の発現は、インキュベーションが抗酸化物質の存在下で実施されない代替および/または例示的プロセスにおいてインキュベートされた細胞と比較して少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%,少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍増大される。
特定の実施形態では、1つまたは複数の抗酸化物質、例えば、NACの存在下で、濃縮されたT細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞の組成物をインキュベートすることは、節II-Dに記載されるような、例えば、インキュベーションまたは培養工程または段階の間の拡大増殖を増大する。一部の実施形態では、濃縮された細胞の組成物は、培養のはじめの3日以内に14日、12日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日以内に、または3日以内に、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍または10倍よりも大きい拡大増殖に達する。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化物質の存在下でインキュベートされ、組成物の細胞は、インキュベーションが抗酸化物質の存在下で実施されない代替および/または例示的プロセスにおいてインキュベートされた培養された細胞よりも、培養の間に、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍速い速度の拡大増殖を起こす。
特定の実施形態では、濃縮された細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞の組成物を、1つまたは複数の抗酸化物質、例えば、NACの存在下でインキュベートすることによって、例えば、アポトーシスによる細胞死の量が低減される。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化物質、例えば、NACの存在下でインキュベートされ、生存細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または少なくとも99.9%は、例えば、インキュベーションが完了した後1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日もしくは7日よりも長い間または少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日もしくは7日よりも長い間アポトーシスを起こさない。一部の実施形態では、組成物は、1つまたは複数の抗酸化物質、例えば、NACの存在下でインキュベートされ、組成物の細胞は、細胞が1つまたは複数の抗酸化物質の存在下でインキュベートされない例示的および/または代替プロセスを経験した細胞と比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍または少なくとも100倍大きい生存を有する。
特定の実施形態では、濃縮されたT細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、1つまたは複数の抗酸化物質、例えば、NACの存在下でインキュベートされ、カスパーゼ発現、例えば、カスパーゼ3発現は、インキュベーションが抗酸化物質の存在下で実施されない代替および/または例示的プロセスにおいてインキュベートされた細胞と比較して、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%低減される。
一部の実施形態では、組成物または細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞および/または濃縮されたCD8+T細胞は、記載されるもの等の刺激条件または刺激剤の存在下でインキュベートされる。このような条件は、集団中の細胞の増殖、拡大増殖、活性化および/または生存を誘導するように、抗原曝露を模倣するために、および/または遺伝子操作のため、例えば組換え抗原受容体の導入のために細胞を刺激するように設計されたものを含む。例示的刺激試薬、例えば、抗CD3/抗CD28磁性ビーズは、以下に記載されている。刺激試薬と共のインキュベーションはまた、1つまたは複数の刺激性サイトカインの存在下で、例えば、組換えIL-2、組換えIL-7および/または組換えIL-15のうち1つまたは複数の存在下で、および/または上記のものなどの少なくとも1つの抗酸化物質、例えば、NACの存在下で実施され得る。一部の実施形態では、濃縮されたCD4+T細胞の組成物は、記載されるような量等の刺激剤、組換えIL-2、組換えIL-7、組換えIL-15およびNACと共にインキュベートされる。一部の実施形態では、濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、記載されるような量等の刺激剤、組換えIL-2、組換えIL-15およびNACと共に刺激条件下でインキュベートされる。
一部の実施形態では、刺激および/または活性化の条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、薬剤、例えば、栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオンおよび/または刺激因子、例えば、サイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体および細胞を活性化するように設計された任意の他の薬剤のうち1つまたは複数を含み得る。
一部の態様では、インキュベーションは、Riddell et al.の米国特許第6,040,177号、Klebanoff et al.(2012) J Immunother. 35(9): 651-660、Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82、および/またはWang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701に記載されるもの等の技術に従って実施される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の刺激条件または刺激剤の存在下でのインキュベーションの少なくとも一部分は、国際公開公報番号WO2016/073602に記載されるもの等の遠心回転下で遠心チャンバーの内部空洞中で実施される。一部の実施形態では、遠心チャンバー中で実施されるインキュベーションの少なくとも一部分は、刺激および/または活性化を誘導するために試薬(単数または複数)との混合を含む。一部の実施形態では、細胞、例えば、選択された細胞が、遠心チャンバー中で刺激条件または刺激剤と混合される。このようなプロセスの一部の態様では、一定体積の細胞が、細胞培養プレートまたは他のシステムにおいて同様の刺激を実施する場合に普通使用されるものよりもかなり少ない一定量の1つまたは複数の刺激条件または刺激剤と混合される。
一部の実施形態では、刺激剤は、選択が遠心チャンバー中での混合を行わずに、例えば、周期性の振盪または回転を伴ってチューブまたはバッグ中で実施される場合に同数の細胞または同一体積の細胞の選択のほぼ同一または同様の効率を達成するために通常使用される、または必要であるであろう刺激剤の量と比較して、実質的に少ない量(例えば、量の5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%以下である)でチャンバーの空洞中の細胞に添加される。一部の実施形態では、インキュベーションは、細胞および刺激剤にインキュベーション緩衝液を添加して、標的体積を達成し、例えば、約10mL~約200mLまたは約20mL~約125mL、例えば、少なくともまたは約少なくともまたは約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、105mL、110mL、115mL、120mL、125mL、130mL、135mL、140mL、145mL、150mL、160mL、170mL、180mL、190mLまたは200mLの試薬をインキュベーションして実施される。一部の実施形態では、インキュベーション緩衝液および刺激剤は、細胞への添加の前に予め混合される。一部の実施形態では、インキュベーション緩衝液および刺激剤は、細胞に別個に添加される。一部の実施形態では、刺激インキュベーションは、周期性に穏やかに混合する条件を用いて実施され、これは、エネルギー的に有利な相互作用の促進を補助でき、それによって、細胞の刺激および活性化を達成しながらより少ない全体的な刺激剤の使用が可能となる。
一部の実施形態では、インキュベーションは一般に、回転の存在下でなどの混合条件下で、一般に、比較的低い力または速度、例えば、細胞をペレット化するために使用されるものよりも低い速度、例えば、600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpmで(例えば、600rpm、1000rpmまたは1500rpmもしくは1700rpmまたは約600rpm、1000rpmまたは1500rpmもしくは1700rpmまたは少なくとも600rpm、1000rpmまたは1500rpmもしくは1700rpmで)、例えば、80g~100gまたは約80g~約100g(例えば、80g、85g、90g、95gもしくは100gまたは約80g、85g、90g、95gもしくは100gまたは少なくとも80g、85g、90g、95gもしくは100gで)のチャンバーまたは他の容器の試料または壁でのRCFで実施される。一部の実施形態では、回転は、低速と、その後の休息期間の回転の反復間隔、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10秒間の回転および/または休息、例えば、およそ1または2秒の回転と、その後のおよそ5、6、7または8秒の休息を使用して実施される。
一部の実施形態では、例えば、刺激剤とのインキュベーションの総持続期間は、約1時間から96時間、1時間から72時間、1時間から48時間、4時間から36時間、8時間から30時間、18時間から30時間または12時間から24時間、例えば、少なくともまたは約少なくともまたは約6時間、12時間、18時間、24時間、36時間または72時間の間である。一部の実施形態では、さらなるインキュベーションは、1時間から48時間、4時間から36時間、8時間から30時間もしくは12時間から24時間の間または約1時間から48時間、4時間から36時間、8時間から30時間もしくは12時間から24時間の間の時間である。
一部の実施形態では、細胞は、例えば、節II-Cに記載されるもの等の形質導入および/またはトランスフェクションによって、ポリヌクレオチド、例えば、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを細胞に導入する工程の前および/またはその間に、細胞は、刺激条件下で培養、栽培および/またはインキュベートされる。ある特定の実施形態では、細胞は、刺激条件下で、遺伝子操作の前、30分から2時間の間、1時間から8時間の間、1時間から6時間の間、6時間から12時間の間、12時間から18時間の間、16時間から24時間の間、12時間から36時間の間、24時間から48時間の間、24時間から72時間の間、42時間から54時間の間、60時間から120時間の間、96時間から120時間の間、90時間から1日から7日の間、3日から8日の間、1日から3日の間、4日から6日の間、または4日から5日の間の時間量の間培養、栽培および/またはインキュベートされる。一部の実施形態では、細胞は、操作の前約2日間インキュベートされる。
ある特定の実施形態では、細胞は、細胞を遺伝子操作する前に、および/またはその間に、刺激試薬と共におよび/または刺激試薬の存在下でインキュベートされる。ある特定の実施形態では、細胞は、刺激試薬と共におよび/または刺激試薬の存在下で、12時間から36時間の間、24時間から48時間の間、24時間から72時間の間、42時間から54時間の間、60時間から120時間の間、96時間から120時間の間、90時間から2日から7日の間、3日から8日の間、1日から8日の間、4日から6日の間、または4日から5日の間の時間量の間、インキュベートされる。特定の実施形態では、細胞は、細胞を遺伝子操作する前に、および/またはその間に、10日、9日、8日、7日、6日または5日、4日未満の時間量の間、または168時間、162時間、156時間、144時間、138時間、132時間、120時間、114時間、108時間、102時間もしくは96時間未満の時間量の間、培養、栽培および/またはインキュベートされる。特定の実施形態では、細胞は、刺激試薬と共におよび/または刺激試薬の存在下で4日、5日、6日もしくは7日間または約4日、5日、6日もしくは7日間インキュベートされる。一部の実施形態では、細胞は、刺激試薬と共におよび/または刺激試薬の存在下で、4日間または約4日間インキュベートされる。特定の実施形態では、細胞は、刺激試薬と共におよび/または刺激試薬の存在下で、5日間または約5日間インキュベートされる。ある特定の実施形態では、細胞は、刺激試薬と共におよび/または刺激試薬の存在下で、7日間または約7日間インキュベートされる。
一部の実施形態では、細胞を刺激条件下でインキュベートすることは、細胞を、節II-B-1に記載される刺激試薬と共にインキュベートすることを含む。一部の実施形態では、刺激試薬は、ビーズ、例えば、常磁性ビーズを含有するか、または含み、細胞は、刺激試薬と共に、3:1未満(ビーズ:細胞)の比率、例えば、1:1の比率でインキュベートされる。特定の実施形態では、細胞は、刺激試薬と共に、1つまたは複数のサイトカインおよび/または1つまたは複数の抗酸化物質の存在下でインキュベートされる。一部の実施形態では、濃縮されたCD4+T細胞の組成物は、1:1(ビーズ:細胞)の比率で刺激試薬と共に、組換えIL-2、IL-7、IL-15およびNACの存在下でインキュベートされる。ある特定の実施形態では、濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、1:1(ビーズ:細胞)の比率で刺激試薬と共に、組換えIL-2、IL-15およびNACの存在下でインキュベートされる。一部の実施形態では、刺激試薬は、インキュベーションのはじめまたは開始から、例えば、刺激試薬が添加された、または細胞と接触した時間から6日、5日もしくは4日で、6日、5日もしくは4日で以内で、または約6日、5日もしくは4日以内で細胞から除去および/または分離される。
1.刺激試薬
一部の実施形態では、濃縮された細胞の組成物を、刺激条件下でインキュベートすることは、細胞の組成物を、T細胞を活性化および/または拡大増殖させることが可能な刺激試薬を用いてインキュベートすることおよび/または接触させることであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、刺激試薬は、細胞中の1つまたは複数のシグナルを刺激および/または活性化可能である。一部の実施形態では、1つまたは複数のシグナルは、受容体によって媒介される。特定の実施形態では、1つまたは複数のシグナルは、シグナル伝達および/もしくは二次的メッセンジャー、例えば、cAMPおよび/もしくは細胞内カルシウムのレベルもしくは量の変化、1つもしくは複数の細胞タンパク質の量、細胞局在性、確認、リン酸化、ユビキチン化および/もしくは末端切断の変化、ならびに/または細胞性活性、例えば、転写、翻訳、タンパク質分解、細胞形態学、活性化状態および/もしくは細胞分裂の変化であるか、またはそれと関連する。特定の実施形態では、刺激試薬は、活性化する、および/またはTCR複合体の1つもしくは複数の構成要素の1つまたは複数の細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または1つもしくは複数の共刺激分子の1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化可能である。
ある特定の実施形態では、刺激試薬は、細胞、例えば、T細胞を活性化および/または拡大増殖することを可能にする1つまたは複数の試薬、例えば、生体分子にコンジュゲートまたは連結している粒子、例えば、ビーズを含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数の薬剤が、ビーズに結合している。一部の実施形態では、ビーズは、生体適合性である、すなわち、生物学的使用に適した材料から構成されている。一部の実施形態では、ビーズは、培養細胞、例えば、培養T細胞に対して非毒性である。一部の実施形態では、ビーズは、薬剤と細胞間の相互作用を可能にする方法において薬剤を付着させることが可能である任意の粒子である。
一部の実施形態では、刺激試薬は、ビーズに、例えば、ビーズの表面に結合しているか、そうでなければ、付着している細胞、例えば、T細胞を活性化および/または拡大増殖することが可能である1つまたは複数の薬剤を含有する。ある特定の実施形態では、ビーズは、非細胞粒子である。特定の実施形態では、ビーズは、コロイド粒子、ミクロスフェア、ナノ粒子、磁性ビーズ等を含み得る。一部の実施形態では、ビーズは、アガロースビーズである。ある特定の実施形態では、ビーズはセファロースビーズである。
特定の実施形態では、刺激試薬は、単分散であるビーズを含有する。ある特定の実施形態では、単分散であるビーズは、互いに5%未満の直径標準偏差を有するサイズ分散を含む。
一部の実施形態では、ビーズは、ビーズの表面にカップリング、コンジュゲートまたは連結(直接的または間接的)している薬剤などの1つまたは複数の薬剤を含有する。一部の実施形態では、本明細書で企図されるような薬剤として、RNA、DNA、タンパク質(例えば、酵素)、抗原、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗体断片、炭水化物、脂質、レクチンまたは所望の標的に対して親和性を有する任意の他の生体分子を挙げることができるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、所望の標的は、T細胞受容体および/またはT細胞受容体の構成要素である。ある特定の実施形態では、所望の標的はCD3である。ある特定の実施形態では、所望の標的は、T細胞共刺激分子、例えば、CD28、CD137(4-1-BB)、OX40またはICOSである。当技術分野で公知の利用可能な種々の方法によって、1つもしくは複数の薬剤を、ビーズに直接的または間接的に付着させることができる。付着は、共有結合性、非共有結合性、静電気性、または疎水性である場合があり、例えば、化学的手段、機械的手段または酵素的手段を含む種々の付着手段によって達成することができる。一部の実施形態では、生体分子(例えば、ビオチン化抗CD3抗体)を、ビーズに直接的に付着している別の生体分子(例えば、抗ビオチン抗体)を介してビーズに間接的に付着させることができる。
一部の実施形態では、刺激試薬は、ビーズと、細胞の表面上の高分子と直接的に相互作用する1つまたは複数の薬剤を含有する。ある特定の実施形態では、ビーズ(例えば、常磁性ビーズ)は、細胞上の1つまたは複数の高分子(例えば、1つまたは複数の細胞表面タンパク質)に対して特異的である1つまたは複数の薬剤(例えば、抗体)を介して細胞と相互作用する。ある特定の実施形態では、ビーズ(例えば、常磁性ビーズ)は、本明細書で記載される第1の薬剤、例えば、一次抗体(例えば、抗ビオチン抗体)または他の生体分子を用いて標識され、次いで、第2の薬剤、例えば、二次抗体(例えば、ビオチン化抗CD3抗体)または他の第2の生体分子(例えば、ストレプトアビジン)が添加され、それによって、二次抗体または他の二次生体分子は、粒子上のこのような一次抗体または他の生体分子に特異的に結合する。
一部の実施形態では、刺激試薬は、ビーズ(例えば、常磁性ビーズ)に付着しており、細胞(例えば、T細胞)上の以下の高分子のうち1つまたは複数に特異的に結合する、1つまたは複数の薬剤(例えば、抗体)を含有する:CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD25、CD27、CD28、CD29、CD31、CD44、CD45RA、CD45RO、CD54(ICAM-1)、CD127、MHCI、MHCII、CTLA-4、ICOS、PD-1、OX40、CD27L(CD70)、4-1BB(CD137)、4-1BBL、CD30L、LIGHT、IL-2R、IL-12R、IL-1R、IL-15R;IFN-ガンマR、TNF-アルファR、IL-4R、IL-10R、CD18/CDl la(LFA-1)、CD62L(L-セレクチン)、CD29/CD49d (VLA-4)、ノッチリガンド(例えば、デルタ様1/4、Jagged 1/2など)、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7およびCXCR3またはこれらの高分子またはその断片に対する対応するリガンドを含むその断片。一部の実施形態では、ビーズに付着している薬剤(例えば、抗体)は、細胞(例えば、T細胞)上の以下の高分子のうち1つまたは複数に特異的に結合する:CD28、CD62L、CCR7、CD27、CD127、CD3、CD4、CD8、CD45RAおよび/またはCD45RO。一部の実施形態では、ビーズに付着している1つまたは複数の薬剤は、抗体である。抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する全長抗体を含む)、ポリエピトープ性特異性を有する抗体組成物、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体、ダイアボディおよび単鎖分子ならびに抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)2およびFv)が含まれ得る。一部の実施形態では、刺激試薬は、抗体断片(抗原結合断片を含む)、例えば、Fab、Fab’-SH、Fv、scFvまたは(Fab’)2断片である。本明細書で企図される抗体に、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgE定常領域を含む任意のアイソタイプの定常領域を使用できること、およびこのような定常領域は、任意のヒトまたは動物種(例えば、マウス種)から取得できることは認められよう。
一部の実施形態では、薬剤は、T細胞受容体の1つもしくは複数の構成要素に結合し、および/または認識する抗体である。特定の実施形態では、薬剤は、抗CD3抗体である。ある特定の実施形態では、薬剤は、共受容体に結合し、および/または認識する抗体である。一部の実施形態では、刺激試薬は、抗CD28抗体を含む。特定の実施形態では、刺激剤は、抗CD3抗体および抗CD28抗体を含有する。一部の実施形態では、抗体はFabである。一部の実施形態では、刺激剤は、抗CD3 Fabおよび抗CD28 Fabを含有する。
一部の実施形態では、刺激剤は、PCT公開番号WO/2015/158868またはWO2019/197949に記載されるもの等の抗CD3/抗CD28ストレプトアビジンオリゴマー試薬である。
一部の実施形態では、刺激剤は、抗CD3/抗CD28ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expanderおよび/またはExpACT(登録商標)ビーズ)である。
一部の実施形態では、ビーズは、約0.001μmより大きい、約0.01μmより大きい、約0.1μmより大きい、約1.0μmより大きい、約10μmより大きい、約50μmより大きい、約100μmより大きい、または約1000μmより大きい、約1500μm以下の直径を有する。一部の実施形態では、ビーズは、約1.0μm~約500μm、約1.0μm~約150μm、約1.0μm~約30μm、約1.0μm~約10μm、約1.0μm~約5.0μm、約2.0μm~約5.0μmまたは約3.0μm~約5.0μmの直径を有する。一部の実施形態では、ビーズは、約3μm~約5μmの直径を有する。一部の実施形態では、ビーズは、少なくともまたは少なくとも約または約0.001μm、0.01μm、0.1μm、0.5μm、1.0μm、1.5μm、2.0μm、2.5μm、3.0μm、3.5μm、4.0μm、4.5μm、5.0μm、5.5μm、6.0μm、6.5μm、7.0μm、7.5μm、8.0μm、8.5μm、9.0μm、9.5μm、10μm、12μm、14μm、16μm、18μmもしくは20μmの直径を有する。ある特定の実施形態では、ビーズは、4.5μmまたは約4.5μmの直径を有する。ある特定の実施形態では、ビーズは、2.8μmまたは約2.8μmの直径を有する。
一部の実施形態では、ビーズは、0.001g/cmより大きい、0.01g/cmより大きい、0.05g/cmより大きい、0.1g/cmより大きい、0.5g/cmより大きい、0.6g/cmより大きい、0.7g/cmより大きい、0.8g/cmより大きい、0.9g/cmより大きい、1g/cmより大きい、1.1g/cmより大きい、1.2g/cmより大きい、1.3g/cmより大きい、1.4g/cmより大きい、1.5g/cmより大きい、2g/cmより大きい、3g/cmより大きい、4g/cmより大きい、または5g/cmより大きい密度を有する。一部の実施形態では、ビーズは、約0.001g/cmから約100g/cm、約0.01g/cmから約50g/cm、約0.1g/cmから約10g/cm、約0.1g/cmから約.5g/cm、約0.5g/cmから約1g/cm、約0.5g/cmから約1.5g/cm、約1g/cmから約1.5g/cm、約1g/cmから約2g/cmまたは約1g/cmから約5g/cmの間の密度を有する。一部の実施形態では、ビーズは、約0.5g/cm、約0.5g/cm、約0.6g/cm、約0.7g/cm、約0.8g/cm、約0.9g/cm、約1.0g/cm、約1.1g/cm、約1.2g/cm、約1.3g/cm、約1.4g/cm、約1.5g/cm、約1.6g/cm、約1.7g/cm、約1.8g/cm、約1.9g/cmまたは約2.0g/cmの密度を有する。ある特定の実施形態では、ビーズは、約1.6g/cmの密度を有する。特定の実施形態では、ビーズまたは粒子は、約1.5g/cmの密度を有する。ある特定の実施形態では、粒子は、約1.3g/cmの密度を有する。
ある特定の実施形態では、複数のビーズが、均一の密度を有する。ある特定の実施形態では、均一密度は、平均ビーズ密度の10%未満、5%未満または1%未満の密度標準偏差を含む。
一部の実施形態では、ビーズは、約0.001の粒子各1グラム当たりのm(m/g)~約1,000m/g、約.010m/g~約100m/g、約0.1m/g~約10m/g、約0.1m/g~約1m/g、約1m/g~約10m/g、約10m/g~約100m/g、約0.5m/g~約20m/g、約0.5m/g~約5m/gまたは約1m/g~約4m/gの間の表面積を有する。一部の実施形態では、粒子またはビーズは、約1m/g~約4m/gの表面積を有する。
一部の実施形態では、ビーズは、磁場において反応する。一部の実施形態では、ビーズは、磁性ビーズである。一部の実施形態では、磁性ビーズは常磁性である。特定の実施形態では、磁性ビーズは、超常磁性である。ある特定の実施形態では、ビーズは、磁場に曝露されるまで磁気特性を全く呈さない。
特定の実施形態では、ビーズは、磁気コア、常磁性コアまたは超常磁性コアを含む。一部の実施形態では、磁気コアは、金属を含有する。一部の実施形態では、金属は、鉄、ニッケル、銅、コバルト、ガドリニウム、マンガン、タンタル、亜鉛、ジルコニウムまたはこれらの任意の組合せであり得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、磁気コアは、金属酸化物(例えば、鉄酸化物)、フェライト(例えば、マンガンフェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライト等)、ヘマタイトおよび金属合金(例えば、CoTaZn)を含む。一部の実施形態では、磁気コアは、フェライト、金属、金属合金、鉄酸化物または二酸化クロムのうち1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、磁気コアは、元素鉄またはその化合物を含む。一部の実施形態では、磁気コアは、磁鉄鉱(Fe3O4)、磁赤鉄鉱(γFe2O3)またはグレイジャイト(Fe3S4)のうち1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、内部コアは、鉄酸化物(例えば、Fe)を含む。
ある特定の実施形態では、ビーズは、表面官能化コートまたはコーティングで覆われた磁性、常磁性および/または超常磁性コアを含有する。一部の実施形態では、コートは、それだけには限らないが、ポリマー、多糖、シリカ、脂肪酸、タンパク質、炭素、アガロース、セファロースまたはそれらの組合せを挙げることができる材料を含有し得る。一部の実施形態では、ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体、ポリグルタルアルデヒド、ポリウレタン、ポリスチレンまたはポリビニルアルコールであり得る。ある特定の実施形態では、外側コートまたはコーティングは、ポリスチレンを含む。特定の実施形態では、外側コーティングは、表面官能化されている。
一部の実施形態では、刺激試薬は、金属酸化物コア(例えば、鉄酸化物コア)およびコートを含有するビーズを含み、金属酸化物コアは、少なくとも1つの多糖(例えば、デキストラン)を含み、コートは、少なくとも1つの多糖(例えば、アミノデキストラン)、少なくとも1つのポリマー(例えば、ポリウレタン)およびシリカを含む。一部の実施形態では、金属酸化物コアは、コロイド鉄酸化物コアである。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の薬剤は、抗体またはその抗原結合断片を含む。特定の実施形態では、1つまたは複数の薬剤は、抗CD3抗体および抗CD28抗体またはその抗原結合断片を含む。一部の実施形態では、刺激試薬は、抗CD3抗体、抗CD28抗体および抗ビオチン抗体を含む。一部の実施形態では、刺激試薬は、抗ビオチン抗体を含む。一部の実施形態では、ビーズは、約3μm~約10μmの直径を有する。一部の実施形態では、ビーズは、約3μm~約5μmの直径を有する。ある特定の実施形態では、ビーズは、約3.5μmの直径を有する。
一部の実施形態では、刺激試薬は、金属酸化物コア(例えば、鉄酸化物内部コア)およびコート(例えば、保護的コート)を含むビーズに付着していている1つまたは複数の薬剤を含み、コートはポリスチレンを含む。ある特定の実施形態では、ビーズは、常磁性(例えば、超常磁性)鉄コア、例えば、磁鉄鉱(Fe)および/または磁赤鉄鉱(γFe)cを含むコアおよびポリスチレンコートまたはコーティングを含む、単分散、常磁性(例えば、超常磁性)ビーズである。一部の実施形態では、ビーズは、非多孔性である。一部の実施形態では、ビーズは、1つまたは複数の薬剤が付着される官能化表面を含有する。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の薬剤は、共有結合によってビーズに表面で結合される。一部の実施形態では、1つまたは複数の薬剤として、抗体またはその抗原結合断片が挙げられる。一部の実施形態では、1つもしくは複数の薬剤として、抗CD3抗体および抗CD28抗体が挙げられる。一部の実施形態では、刺激試薬は、抗CD3/抗CD28磁性ビーズであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、1つもしくは複数の薬剤として、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体ならびに標識された抗体(例えば、ビオチン化抗体)、例えば、標識された抗CD3または抗CD28抗体に結合可能な抗体またはその抗原断片が挙げられる。ある特定の実施形態では、ビーズは、約1.5g/cmの密度および約1m/g~約4m/gの表面積を有する。特定の実施形態では、ビーズは、約4.5μmの直径および約1.5g/cmの密度を有する、単分散の超常磁性ビーズである。一部の実施形態では、約2.8μmの平均直径および約1.3g/cmの密度を有する、ビーズは、単分散の超常磁性ビーズである。
一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の組成物は、刺激試薬と共に、3:1、2.5:1、2:1、1.5:1、1.25:1、1.2:1、1.1:1、1:1、0.9:1、0.8:1、0.75:1、0.67:1、0.5:1、0.3:1もしくは0.2:1または約3:1、2.5:1、2:1、1.5:1、1.25:1、1.2:1、1.1:1、1:1、0.9:1、0.8:1、0.75:1、0.67:1、0.5:1、0.3:1もしくは0.2:1の、ビーズの細胞に対する比率でインキュベートされる。特定の実施形態では、ビーズの細胞に対する比率は、2.5:1から0.2:1の間、2:1から0.5:1の間、1.5:1から0.75:1の間、1.25:1から0.8:1の間、1.1:1から0.9:1の間である。特定の実施形態では、刺激試薬の細胞に対する比率は、約1:1であるか、または1:1である。
2.細胞からの刺激試薬の除去
ある特定の実施形態では、刺激試薬、例えば、抗CD3/抗CD28磁性ビーズは、細胞から除去される、および/または分離される。理論に捉われようとは思わないが、特定の実施形態は、刺激試薬と細胞の間の結合および/または会合は、一部の状況では、インキュベーションの間に経時的に低減される場合があるということを企図する。ある特定の実施形態では、刺激試薬と細胞の間の結合および/または会合を低減するために1つもしくは複数の薬剤が添加される場合がある。特定の実施形態では、細胞培養条件の変化、例えば、培地温度またはpHは、刺激試薬と細胞の間の結合および/または会合を低減する場合がある。したがって、一部の実施形態では、刺激試薬は、例えば、同様にインキュベーション、細胞培養システムおよび/または溶液から細胞を除去することなく、細胞とは別に、インキュベーション、細胞培養システムおよび/または溶液から除去される場合がある。
刺激試薬(例えば、粒子、例えば、ビーズ粒子または磁化できる粒子であるか、またはそれを含有する刺激試薬)を細胞から除去する方法は公知である。一部の実施形態では、競合抗体の使用、例えば、刺激試薬の一次抗体に結合し、細胞上のその抗原に対する親和性を変更し、それによって、穏やかな脱離を可能にする非標識抗体等を使用できる。一部の場合には、脱離後、競合抗体は粒子(例えば、ビーズ粒子)と会合したままである場合があり、未反応抗体は、洗浄除去されるか、または洗浄除される場合があり、細胞は、抗体を単離、選択、濃縮および/または活性化することがない。このような試薬の例示的なものとして、DETACaBEAD(Friedl et al. 1995; Entschladen et al. 1997)がある。一部の実施形態では、粒子(例えば、ビーズ粒子)は、切断可能なリンカー(例えば、DNAリンカー)の存在下で除去される場合があり、それによって、粒子が結合した抗体が、リンカー(例えば、CELLection、Dynal)にコンジュゲートされる。一部の場合には、リンカー領域は、例えば、DNアーゼまたは他の放出緩衝液の添加によって、単離後に細胞から粒子(例えば、ビーズ粒子)を除去するための切断可能な部位を提供する。一部の実施形態では、細胞からの粒子(例えば、ビーズ粒子)の放出のために他の酵素法も使用できる。一部の実施形態では、粒子(例えば、ビーズ粒子または磁化できる粒子)は、生分解性である。
一部の実施形態では、刺激試薬は、磁性、常磁性および/または超常磁性であり、および/または磁性、常磁性および/または超常磁性であるビーズを含有し、刺激試薬は、細胞を場に曝露することによって細胞から除去され得る。磁場を発生させるための磁石を含有する適した装置の例として、DynaMag CTS(Thermo Fisher)、Magnetic Separator(Takara)およびEasySep Magnet(Stem Cell Technologies)が挙げられる。
特定の実施形態では、刺激試薬は、提供された方法の完了の前に、例えば、本明細書において提供される方法によって生成された操作された細胞の回収、収集および/または製剤化の前に細胞から除去または分離される。一部の実施形態では、刺激試薬は、細胞を操作する、例えば、形質導入するまたはトランスフェクトする前に、細胞から除去および/または分離される。特定の実施形態では、刺激試薬は、細胞を操作する工程の後に細胞から除去および/または分離される。ある特定の実施形態では、刺激試薬は、細胞の培養の前に、例えば、増殖および/または拡大増殖を促進する条件下で、操作された、例えば、トランスフェクトされた、または形質導入された細胞を培養する前に除去される。
ある特定の実施形態では、刺激試薬は、一定時間量の後に細胞から分離および/または除去される。特定の実施形態では、時間量は、刺激条件下でのインキュベーションの始動および/または開始からの時間量である。特定の実施形態では、インキュベーションの始動は、細胞が刺激試薬および/または刺激試薬を含有する培地もしくは溶液と接触する時間またはほぼその時間と考えられる。特定の実施形態では、刺激試薬は、インキュベーションの始動または開始後10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日もしくは2日以内または約10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日もしくは2日以内に細胞から除去または分離される。特定の実施形態では、刺激試薬は、インキュベーションの始動または開始後、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日もしくは2日で、または約9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日もしくは2日で細胞から除去および/または分離される。ある特定の実施形態では、刺激試薬は、インキュベーションの始動または開始後、168時間、162時間、156時間、144時間、138時間、132時間、120時間、114時間、108時間、102時間もしくは96時間で、または約168時間、162時間、156時間、144時間、138時間、132時間、120時間、114時間、108時間、102時間もしくは96時間で細胞から除去および/または分離される。特定の実施形態では、刺激試薬は、インキュベーションの始動および/または開始後5日で、または約5日で細胞から除去および/または分離される。一部の実施形態では、刺激試薬は、インキュベーションの始動および/または開始後4日で、または約4日で細胞から除去および/または分離される。
C.細胞を操作すること
一部の実施形態では、提供される方法は、疾患または状態を有する対象に、組換え抗原受容体を発現する細胞を投与することを含む。遺伝子操作された構成要素、例えば、組換え受容体、例えば、CARまたはTCRを導入するための種々の方法は、周知であり、提供される方法および組成物と共に使用できる。例示的方法として、ウイルス、例えば、レトロウイルスまたはレンチウイルスによる形質導入、トランスポゾンおよびエレクトロポレーションを介するものを含む、受容体をコードする核酸の移行のためのものが挙げられる。
受容体を発現し、提供される方法によって投与される細胞の中に、操作された細胞がある。遺伝子操作することは、一般に、レトロウイするによる形質導入、トランスフェクションまたは形質転換等によって、組換え構成成分または操作された構成成分をコードする核酸を、細胞を含有する組成物中に導入することを含む。
一部の実施形態では、本明細書において提供される方法は、濃縮されたT細胞の1つまたは複数の組成物を操作することと関連して使用される。ある特定の実施形態では、操作することは、組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド、例えば、組換えポリヌクレオチドの導入であるか、またはそれを含む。特定の実施形態では、組換えタンパク質は、組換え受容体、例えば、節IIに記載されるいずれかである。細胞における組換え受容体等の組換えタンパク質をコードする核酸分子の導入は、いくつかの公知のベクターのいずれかを使用して実施され得る。このようなベクターには、レンチウイルス性およびガンマレトロウイルス性のシステムならびにPiggyBac等のトランスポゾンベースのシステムまたはスリーピングビューティーベースの遺伝子移入システムを含むウイルス性および非ウイルス性のシステムが含まれる。例示的な方法として、ウイルス性、例えば、レトロウイルス性またはレンチウイルス性、形質導入、トランスポゾンおよびエレクトロポレーションを介するものを含む、受容体をコードする核酸の移入のための方法が挙げられる。一部の実施形態では、操作することによって、濃縮されたT細胞の1つまたは複数の操作された組成物が生成される。
ある特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の1つまたは複数の組成物は、節II-Dに提供される方法等によって増殖および/または拡大増殖を促進する条件下で細胞を培養する前に、操作される、例えば、形質導入される、またはトランスフェクトされる。特定の実施形態では、1つまたは複数の組成物が、節II-Bに提供された方法に記載されるもの等の刺激条件下で刺激され、活性化され、および/またはインキュベートされた後に、濃縮されたT細胞の1つまたは複数の組成物は、操作される。特定の実施形態では、1つまたは複数の組成物は刺激された組成物である。特定の実施形態では、1つまたは複数の刺激された組成物は、操作することの前に、事前にクライオ凍結されており、保存され、解凍される。
ある特定の実施形態では、刺激されたT細胞の1つまたは複数の組成物は、濃縮されたT細胞の2つの別個の刺激された組成物であるか、またはそれを含む。特定の実施形態では、濃縮されたT細胞の2つの別個の組成物、例えば、同一の生物学的試料から選択、単離および/または濃縮された濃縮されたT細胞の2つの別個の組成物が別個に操作される。ある特定の実施形態では、2つの別個の組成物は、濃縮されたCD4+T細胞の組成物を含む。特定の実施形態では、2つの別個の組成物は、濃縮されたCD8+T細胞の組成物を含む。一部の実施形態では、上記のような刺激条件下でのインキュベーション後等の濃縮されたCD4+T細胞および濃縮されたCD8+T細胞の2つの別個の組成物が、遺伝子操作される。一部の実施形態では、濃縮されたT細胞の単一組成物が遺伝子操作される。ある特定の実施形態では、単一組成物は、濃縮されたCD4+T細胞の組成物である。一部の実施形態では、単一組成物は、操作することの前に別個の組成物から組み合わされている、濃縮されたCD4+およびCD8+T細胞の組成物である。
一部の実施形態では、操作される、例えば、形質導入される、またはトランスフェクトされる刺激されたCD4+T細胞等の濃縮されたCD4+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%または100%で、または約100%でCD4+T細胞を含む。ある特定の実施形態では、操作される刺激されたCD4+T細胞等の濃縮されたCD4+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満または0.01%未満のCD8+T細胞を含み、および/またはCD8+T細胞を含有せず、および/またはCD8+T細胞を含まない、もしくは実質的に含まない。
一部の実施形態では、操作される、例えば、形質導入される、またはトランスフェクトされる刺激されたCD8+T細胞等の濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%または100%で、または約100%でCD8+T細胞を含む。ある特定の実施形態では、操作される刺激されたCD8+T細胞等の濃縮されたCD8+T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満または0.01%未満のCD4+T細胞を含み、および/またはCD4+T細胞を含有せず、および/またはCD4+T細胞を含まない、もしくは実質的に含まない。
一部の実施形態では、濃縮されたCD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、単一組成物に組み合わされ、遺伝子操作される、例えば、形質導入される、またはトランスフェクトされる。ある特定の実施形態では、濃縮されたCD4+および濃縮されたCD8+T細胞の別個の操作された組成物は、遺伝子操作が実施され、および/または完了した後に、単一組成物に組み合わされる。特定の実施形態では、濃縮されたCD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物、例えば、刺激されたCD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、遺伝子操作が実施され、および/または完了した後に、T細胞の培養および/または拡大増殖のために別個に操作され、別個に処理される。
一部の実施形態では、組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド、例えば、組換えポリヌクレオチドの導入は、濃縮されたCD4+またはCD8+T細胞、例えば、刺激されたCD4+またはCD8+T細胞を、ポリヌクレオチドを含有するウイルス粒子と接触させることによって実施される。一部の実施形態では、接触は、スピノキュレーション(spinoculation)(例えば、遠心による接種)などの遠心分離を用いて達成され得る。一部の実施形態では、細胞、ウイルス粒子および試薬を含有する組成物が、一般に、比較的低い力または速度、例えば、細胞をペレット化するために使用されるものよりも低い速度、例えば、600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpmで(例えば、600rpm、1000rpmもしくは1500rpmもしくは1700rpmまたは約600rpm、1000rpmもしくは1500rpmもしくは1700rpmまたは少なくとも600rpm、1000rpmもしくは1500rpmもしくは1700rpmで)回転され得る。一部の実施形態では、回転は、ある力で、例えば、チャンバーまたは空洞の内壁または外壁で測定されるような、例えば、100g~3200gの、または約100g~約3200gの(例えば、100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000gもしくは3200gの、または約100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000gもしくは3200gの、または少なくとももしくは約100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000gもしくは3200gの)、例えば、693gまたは約693gの相対遠心力で実施される。用語「相対遠心力」またはRCFは、一般に、回転の軸と比較されるような空間中の特定の点での、地球の重力に対する、物体または物質(回転している、細胞、試料またはペレットおよび/またはチャンバーもしくは他の容器中のある点など)に与えられる有効力であると理解される。値は、重力、回転速度および回転の半径(回転の軸と、RCFが測定されている物体、物質または粒子からの距離)を考慮して周知の式を使用して決定され得る。一部の実施形態では、細胞、例えば、濃縮されたCD4+T細胞または濃縮されたCD8+T細胞の刺激された組成物からの細胞の、ウイルスを用いる、接触、インキュベーションおよび/または操作の少なくとも一部分は、約100gから3200g、1000gから2000g、1000gから3200g、500gから1000g、400gから1200g、600gから800g、600から700gまたは500gから700gの間の回転を伴って実施される。一部の実施形態では、回転は、600gから700gの間、例えば、693gまたは約693gである。
ある特定の実施形態では、操作、形質導入、および/またはトランスフェクションの少なくとも一部分は、回転、例えば、スピノキュレーションおよび/または遠心分離を伴って実施される。一部の実施形態では、回転は、5分、10分、15分、30分、60分、90分、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、12時間、24時間、48時間、72時間、2日、3日、4日、5日、6日の間、約5分、10分、15分、30分、60分、90分、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、12時間、24時間、48時間、72時間、2日、3日、4日、5日、6日の間、または少なくとももしくは約5分、10分、15分、30分、60分、90分、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、12時間、24時間、48時間、72時間、2日、3日、4日、5日、6日の間、または少なくとも7日間実施される。一部の実施形態では、回転は、60分間または約60分間実施される。ある特定の実施形態では、回転は、約30分間実施される。一部の実施形態では、回転は、600gから700gの間、例えば、693gまたは約693gで約30分間、実施される。
ある特定の実施形態では、操作され、形質導入され、および/またはトランスフェクトされようとする生細胞数は、約5×10個細胞~約100×10個細胞、例えば、約10×10個細胞~約100×10個細胞、約100×10個細胞~約200×10個細胞、約200×10個細胞~約300×10個細胞、約300×10個細胞~約400×10個細胞、約400×10個細胞~約500×10個細胞または約500×10個細胞~約100×10個細胞の範囲である。特定の例では、操作され、形質導入され、および/またはトランスフェクトされようとする生細胞数は、約300×10個細胞または約300×10個細胞未満である。
ある特定の実施形態では、操作、形質導入および/またはトランスフェクションの少なくとも一部分は、約5mL~約100mL、例えば、約10mL~約50mL、約15mL~約45mL、約20mL~約40mL、約25mL~約35mLまたは30mLの、または約30mLの体積(例えば、スピノキュレーション体積)で行われる。ある特定の実施形態では、スピノキュレーション後の細胞ペレット体積は、約1mL~約25mL、例えば、約5mL~約20mL、約5mL~約15mL、約5mL~約10mLまたは10mの、または約10mLの範囲である。
一部の実施形態では、遺伝子導入は、まず細胞を刺激することによって、例えば、細胞を、例えば、サイトカインまたは活性化マーカーの発現によって測定されるような、増殖、生存および/または活性化などの応答を誘導する刺激と組み合わせることと、続いて、活性化された細胞の形質導入および臨床適用に十分な数までの培養での拡大増殖によって達成される。ある特定の実施形態では、遺伝子導入は、節I-Bに記載される方法のいずれか等によって、まず刺激条件下で細胞をインキュベートすることによって達成される。
一部の実施形態では、遺伝子操作の方法は、組成物の1つまたは複数の細胞を組換えタンパク質、例えば、組換え受容体をコードする核酸分子と接触させることによって実施される。一部の実施形態では、接触は、スピノキュレーション(例えば、遠心接種)などの遠心分離により成し遂げられ得る。このような方法は、国際公開公報番号WO2016/073602に記載されるようなもののいずれかを含む。例示的な遠心分離チャンバーは、Biosafe SAによって生成され、販売されるもの、例えば、Sepax(登録商標)およびSepax(登録商標)2システムと共に使用するためのもの、例えば、A-200/FおよびA-200遠心分離チャンバーおよびこのようなシステムと共に使用するための種々のキットを含む。例示的なチャンバー、システムおよび処理機器およびキャビネットが、例えば、米国特許第6,123,655号、米国特許第6,733,433号および公開された米国特許出願公開番号US2008/0171951および公開された国際特許出願公開番号WO00/38762に記載されており、それらの各々の開示内容は、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。このようなシステムと共に使用するための例示的キットとして、製品名CS-430.1、CS-490.1、CS-600.1またはCS-900.2の下でBioSafe SAによって販売される単回使用キットが挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、システムは、システムにおいて行われる形質導入工程および1つまたは複数の様々な他の処理工程、例えば、本明細書または国際公開第WO2016/073602号に記載の遠心チャンバーシステムを用いてまたはこれと接続して実施され得る1つまたは複数の処理工程の態様を作動、自動化、制御および/またはモニタリングする器具類を含む、他の器具類と共に含まれ、および/または他の器具類と関連し設置される。この器具類は一部の実施形態では、キャビネット内に含有される。一部の実施形態では、器具類はキャビネットを含み、キャビネットは、制御回路を含有する筐体、遠心分離機、カバー、モーター、ポンプ、センサー、ディスプレイ、およびユーザーインタフェースを含む。例示的なデバイスは、米国特許第6,123,655号、米国特許第6,733,433号およびUS 2008/0171951に記載されている。
一部の実施形態では、システムは、一連の容器、例えば、バッグ、チューブ、活栓、クランプ、コネクタ、および遠心チャンバーを含む。一部の実施形態では、容器、例えばバッグには、同じ容器または別々の容器、例えば同じバッグまたは別々のバッグ中に形質導入される細胞およびウイルスベクター粒子を含有する1つまたは複数の容器、例えばバッグが挙げられる。一部の実施形態では、システムは、該方法の間に成分および/または組成物を希釈、再懸濁、および/または洗浄するためにチャンバーおよび/または他のコンポーネントに入れられる媒体、例えば希釈液および/もしくは洗浄液を含有する1つまたは複数の容器、例えばバッグをさらに含む。容器は、システムの1つまたは複数の位置、例えば、投入ライン、希釈液ライン、洗浄ライン、廃液ラインおよび/またはアウトプットラインに対応する位置で接続することができる。
一部の実施形態では、チャンバーは、チャンバーを回転させることができる遠心分離機と、その回転軸の周辺などで結合される。回転は、細胞の形質導入に関連するインキュベーションの前、最中、および/もしくは後で、ならびに/または1つもしくは複数の他の処理工程中に起こってもよい。故に、一部の実施形態では、1つまたは複数の様々な処理工程は、回転下で、例えば、特定の力で実施される。遠心分離中、チャンバーが垂直に位置し、側壁および軸が垂直または概ね垂直であり、端壁が水平または概ね水平であるように、チャンバーは典型的には垂直回転または概ね垂直回転することができる。
一部の実施形態では、細胞を含有する組成物およびウイルスベクター粒子を含有する組成物、および適宜空気は、キャビティーに組成物を提供する前に組み合わされてもよく、または混合されてもよい。一部の実施形態では、細胞を含有する組成物およびウイルスベクター粒子を含有する組成物、および適宜空気は別々に提供され、キャビティー中で組み合わされ、混合される。一部の実施形態では、細胞を含有する組成物、ウイルスベクター粒子を含有する組成物、および適宜空気は、任意の順番で内部キャビティーに提供することができる。そのような一部の実施形態のいずれかでは、細胞およびウイルスベクター粒子を含有する組成物は、そのようなものが遠心チャンバーの内側もしくは外側で組み合わされるかもしくは混合されるかどうか、ならびに/または細胞およびウイルスベクター粒子が一緒にもしくは別々に、例えば同時にまたは連続的に遠心チャンバーに提供されるかどうかにかかわらず、いったん一緒に組み合わされるかまたは混合されれば、インプット組成物である。
一部の実施形態では、空気などの気体の体積の取り込みは、形質導入方法では回転などの細胞およびウイルスベクター粒子のインキュベートの前に生じる。一部の実施形態では、空気などの気体の体積の取り込みは、形質導入方法では細胞およびウイルスベクター粒子のインキュベーション、例えば回転中に生じる。
一部の実施形態では、形質導入組成物を構成する細胞またはウイルスベクター粒子の液体体積、および適宜空気の体積は、所定の体積であってもよい。体積は、システムに関連する回路にプログラムされたおよび/または該回路によって制御される体積であってもよい。
一部の実施形態では、形質導入組成物および適宜気体、例えば空気の取り込みは、所望のまたは所定の体積がチャンバーの内部キャビティーに取り込まれるまで手動、半自動および/または自動で制御される。一部の実施形態では、システムに関連するセンサーは、遠心チャンバーに出入りする液体および/または気体を、その色、流量および/または密度などを介して検出することができ、関連する回路と通信して、そのような所望のまたは所定の体積の取り込みが達成されるまで、適宜取り込みを停止または継続させることができる。一部の態様では、取り込みを止めることなくシステムに気体、例えば空気を通過させることができるように、気体(例えば、空気)ではなくシステム中の液体のみを検出するようにプログラムされるかまたは検出することができるセンサーが製造され得る。一部のそのような実施形態では、気体、例えば空気の取り込みが望まれる間、非透明のチューブがセンサー付近のラインに設置されてもよい。一部の実施形態では、気体、例えば空気の取り込みは、手動で制御されてもよい。
提供される方法の態様では、遠心チャンバーの内部キャビティーは高速回転に供される。一部の実施形態では、回転は、液体インプット組成物および適宜空気の取り込みの前に、同時に、その後に、または断続的に行われる。一部の実施形態では、回転は、液体インプット組成物および適宜空気の取り込みの後に行われる。一部の実施形態では、回転は、内部キャビティーの側壁の内面および/または細胞の表層における800g、1000g、1100g、1500、1600g、1800g、2000g、2200g、2500g、3000g、3500gもしくは4000g、または約800g、約1000g、約1100g、約1500、約1600g、約1800g、約2000g、約2200g、約2500g、約3000g、約3500gもしくは約4000g、または少なくとも800g、少なくとも1000g、少なくとも1100g、少なくとも1500、少なくとも1600g、少なくとも1800g、少なくとも2000g、少なくとも2200g、少なくとも2500g、少なくとも3000g、少なくとも3500gもしくは少なくとも4000g、または少なくとも約800g、少なくとも約1000g、少なくとも約1100g、少なくとも約1500、少なくとも約1600g、少なくとも約1800g、少なくとも約2000g、少なくとも約2200g、少なくとも約2500g、少なくとも約3000g、少なくとも約3500gもしくは少なくとも約4000gの相対遠心力での遠心チャンバーの遠心分離による。一部の実施形態では、回転は、1100g超または約1100g超、例えば1200g超もしくは約1200g超、1400g超もしくは約1400g超、1600g超もしくは約1600g超、1800g超もしくは約1800g超、2000g超もしくは約2000g超、2400g超もしくは約2400g超、2800g超もしくは約2800g超、3000g超もしくは約3000g超、または3200g超もしくは約3200g超の力での遠心分離による。一部の実施形態では、回転は、1600gであるかまたは約1600gである力での遠心分離による。
一部の実施形態では、形質導入の方法は、形質導入組成物および適宜空気の5分超もしくは約5分超、例えば10分超もしくは約10分超、15分超もしくは約15分超、20分超もしくは約20分超、30分超もしくは約30分超、45分超もしくは約45分超、60分超もしくは約60分超、90分超もしくは約90分超、または120分超もしくは約120分超にわたる遠心チャンバーにおける回転または遠心分離を含む。一部の実施形態では、形質導入組成物および適宜空気は、5分を超えるが60分以下、45分以下、30分以下、または15分間以下にわたって遠心チャンバー中で回転または遠心分離される。特定の実施形態では、形質導入は、60分または約60分にわたる回転または遠心分離を含む。
一部の実施形態では、形質導入の方法は、形質導入組成物および適宜空気の10分以上60分以下もしくは約10分以上約60分以下、15分以上60分以下もしくは約15分以上約60分以下、15分以上45分以下もしくは約15分以上約45分以下、30分以上60分以下もしくは約30分以上約60分以下、または45分以上60分以下もしくは約45分以上約60分以下にわたる、ならびに内部キャビティーの側壁の内面および/または細胞の表層における少なくとも1000g、少なくとも1100g、少なくとも1200g、少なくとも1400g、少なくとも1500g、少なくとも1600g、少なくとも1800g、少なくとも2000g、少なくとも2200g、少なくとも2400g、少なくとも2800g、少なくとも3200gもしくは少なくとも3600g、または1000g超、1100g超、1200g超、1400g超、1500g超、1600g超、1800g超、2000g超、2200g超、2400g超、2800g超、3200g超もしくは3600g超、または約1000g、約1100g、約1200g、約1400g、約1500g、約1600g、約1800g、約2000g、約2200g、約2400g、約2800g、約3200gもしくは約3600gの力での遠心チャンバーにおける回転または遠心分離を含む。特定の実施形態では、形質導入の方法は、形質導入組成物、例えば細胞およびウイルスベクター粒子の、60分または約60分にわたる1600gまたは約1600gでの回転または遠心分離を含む。
一部の実施形態では、チャンバーのキャビティー中の気体、例えば空気は、チャンバーから排出される。一部の実施形態では、気体、例えば空気は、閉鎖系の一部として遠心チャンバーと作動可能に連結された容器に排出される。一部の実施形態では、容器は非含有または空の容器である。一部の実施形態では、チャンバーのキャビティー中の空気、例えば気体は、滅菌チューブラインを介して内部チャンバーのキャビティーに作動可能に接続されたフィルターを通じて排出される。一部の実施形態では、空気は、手動、半自動または自動プロセスを使用して排出される。一部の実施形態では、空気は、形質導入が開始された細胞またはウイルスベクターで形質導入された細胞などのインキュベートされた細胞およびウイルスベクター粒子を含有するアウトプット組成物を、チャンバーのキャビティーから圧搾する前に、同時に、断続的にまたはその後にチャンバーから排出される。
一部の実施形態では、形質導入および/または他のインキュベーションは、連続的もしくは半連続的プロセスとして、またはその一部として行われる。一部の実施形態では、連続的プロセスは、インキュベーションの少なくとも一部の間、例えば遠心分離の間の、細胞およびウイルスベクター粒子(例えば、形質導入組成物)の連続的取り込み(単一の既存の組成物として、またはその一部を同じ容器、例えばキャビティーに連続的に入れ、それによって混合することによる)、ならびに/または容器からの液体の連続的圧搾もしくは排出、および適宜気体(例えば、空気)の排出を含む。一部の実施形態では、連続的取り込みおよび連続的圧搾は、少なくとも一部は同時に実施される。一部の実施形態では、連続的取り込みは、インキュベーションの一部の間、例えば遠心分離の一部の間に起こり、連続的圧搾はインキュベーションの別の部分の間に生じる。2つは交互であってもよい。故に、連続的取り込みおよび圧搾により、インキュベーションを実施しながら、試料のより大きな全体積の試料を処理する、例えば形質導入することが可能になる。
一部の実施形態では、インキュベーションは連続的プロセスの一部であり、方法は、インキュベーションの少なくとも一部の間、チャンバーの回転中に前記形質導入組成物のキャビティーへの連続的取り込みを行うこと、ならびにインキュベーションの一部の間、チャンバーの回転中に少なくとも1つの開口部を通じてキャビティーから液体の連続的圧搾および、適宜気体(例えば、空気)の排出を行うことを含む。
一部の実施形態では、半連続的インキュベーションは、キャビティーへの組成物の取り込み、インキュベーション、アウトプット容器などへのキャビティーからの液体の圧搾および適宜キャビティーからの気体(例えば、空気)の排出、次いでより多くの細胞および処理のための他の試薬、例えば、ウイルスベクター粒子を含有する後続の(例えば、第2、第3の等)組成物の取り込み、ならびにプロセスの反復を行う間に交互に繰り返すことによって実施される。例えば、一部の実施形態では、インキュベーションは半連続的プロセスの一部であり、方法は、インキュベーションの前に、前記少なくとも1つの開口部を通じてキャビティーへの形質導入組成物の取り込みを行うこと、ならびにインキュベーションに続いて、キャビティーから流体の圧搾を行うこと;細胞およびウイルスベクター粒子を含む別の形質導入組成物の前記内部キャビティーへの取り込みを行うこと;および前記別の形質導入組成物中の前記細胞が前記ベクターで形質導入される条件下で、別の形質導入組成物を前記内部キャビティーでインキュベートすることを含む。プロセスは、いくつかの追加の回については反復的に継続されてもよい。この点で、半連続的または連続的方法は、さらに大きな体積および/または数の細胞の作製を可能にすることができる。
一部の実施形態では、形質導入インキュベーションの一部は遠心チャンバーで行われ、回転または遠心分離を含む条件下で行われる。
一部の実施形態では、方法は、細胞およびウイルスベクター粒子のインキュベーションのさらなる一部が回転または遠心分離なしで実施されるインキュベーションを含み、一般に、チャンバーの回転または遠心分離を含むインキュベーションの少なくとも一部に続いて実施される。ある特定の実施形態では、細胞およびウイルスベクター粒子のインキュベーションは、回転または遠心分離なしで、少なくとも1時間、6時間、12時間、24時間、32時間、48時間、60時間、72時間、90時間、96時間、3日間、4日間、5日間、または5日間超にわたって実施される。ある特定の実施形態では、インキュベーションは、72時間または約72時間にわたって実施される。
一部のそのような実施形態では、さらなるインキュベーションは、1つまたは複数の細胞の宿主ゲノムへのウイルスベクターの組込みをもたらす条件下で行われる。インキュベーションが宿主ゲノムへのウイルスベクター粒子の組込みをもたらしたかどうかを評価または決定し、それ故にさらなるインキュベーションのための条件を経験的に決定することは、当業者のレベルの範囲内である。一部の実施形態では、宿主ゲノムへのウイルスベクターの組込みは、インキュベーション後にウイルスベクター粒子のゲノムに含有される核酸によってコードされる異種タンパク質などの組換えタンパク質の発現レベルを測定することによって評価することができる。組換え分子の発現レベルを評価するためのいくつかの周知の方法、例えば、親和性ベースの方法、例えば細胞表面タンパク質の関連では、フローサイトメトリーなどによる例えば免疫親和性ベースの方法による検出が使用されてもよい。一部の例では、発現は、形質導入マーカーおよび/またはレポーターコンストラクトの検出によって測定される。一部の実施形態では、切断された表面タンパク質をコードする核酸がベクター内に含められ、発現および/またはその増強のマーカーとして使用される。
一部の実施形態では、細胞、ベクター、例えばウイルス粒子を含有する組成物、および試薬は一般に、比較的低い力または速度、例えば、細胞をペレット化するのに使用される速度より低い速度、例えば600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpm(例えば、600rpm、1000rpm、もしくは1500rpmもしくは1700rpm、または約600rpm、約1000rpm、もしくは約1500rpmもしくは約1700rpm、または少なくとも600rpm、少なくとも1000rpm、もしくは少なくとも1500rpmもしくは少なくとも1700rpm)で回転され得る。一部の実施形態では、回転は、例えばチャンバーまたはキャビティーの内壁または外壁で測定した場合、100g~3200gまたは約100g~約3200g(例えば、100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000gもしくは3200g、または約100g、約200g、約300g、約400g、約500g、約1000g、約1500g、約2000g、約2500g、約3000gもしくは約3200g、または少なくとも100g、少なくとも200g、少なくとも300g、少なくとも400g、少なくとも500g、少なくとも1000g、少なくとも1500g、少なくとも2000g、少なくとも2500g、少なくとも3000gもしくは少なくとも3200g、または少なくとも約100g、少なくとも約200g、少なくとも約300g、少なくとも約400g、少なくとも約500g、少なくとも約1000g、少なくとも約1500g、少なくとも約2000g、少なくとも約2500g、少なくとも約3000gもしくは少なくとも約3200g)の力、例えば、相対遠心力で行われる。用語「相対遠心力」またはRCFは、回転軸と比較した空間中の特定の点における、地球の重力と比べた物体または物質(細胞、試料、もしくはペレットおよび/または回転されるチャンバーまたは他の容器中の点など)に与えられる有効な力と一般に理解される。値は、重力、回転速度および回転半径(回転軸、およびRCFが測定される物体、物質、または粒子からの距離)を考慮して、周知の式を使用して決定することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作、例えば形質導入の少なくとも一部の間に、および/または遺伝子操作の後で、細胞は、上記のように、遺伝子操作された細胞の培養、例えば細胞の培養または拡大などのためにバイオリアクターバッグアセンブリーに移される。
ある特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、形質導入アジュバントの存在下で操作され、例えば形質導入またはトランスフェクトされる。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数のポリカチオンの存在下で操作される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数の形質導入アジュバントの存在下で形質導入され、例えば、ウイルスベクター粒子とインキュベートされる。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数の形質導入アジュバントの存在下でトランスフェクトされ、例えば、非ウイルスベクターとインキュベートされる。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の形質導入アジュバントの存在は、操作(例えば、形質導入またはトランスフェクト)される組成物の細胞の量、部分、および/またはパーセンテージを増加させることなどによって遺伝子デリバリーの効率を高める。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の形質導入アジュバントの存在は、トランスフェクションの効率を高める。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の形質導入アジュバントの存在は、形質導入の効率を高める。特定の実施形態では、ポリカチオンの存在下で操作される細胞の少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%が、組換えポリヌクレオチドを含有または発現する。一部の実施形態では、形質導入アジュバントの存在なしで細胞を操作する代替のおよび/または例示的な方法と比較して、ポリカチオンの存在下で組換え形質導入アジュバントを含有または発現するように、組成物の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍多い細胞が操作される。
一部の実施形態では、濃縮細胞の組成物は、100μg/ml未満、90μg/ml未満、80μg/ml未満、75μg/ml未満、70μg/ml未満、60μg/ml未満、50μg/ml未満、40μg/ml未満、30μg/ml未満、25μg/ml未満、20μg/ml未満、またはμg/ml未満、10μg/mlの形質導入アジュバントの存在下で操作される。ある特定の実施形態では、提供される方法との使用に適した形質導入アジュバントには、ポリカチオン、フィブロネクチンまたはフィブロネクチン由来断片もしくは変異体、RetroNectin、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、細胞は、サイトカイン、例えば、組換えヒトサイトカインの存在下で、1IU/ml~1,000IU/ml、10IU/ml~50IU/ml、50IU/ml~100IU/ml、100IU/ml~200IU/ml、100IU/ml~500IU/ml、250IU/ml~500IU/ml、または500IU/ml~1,000IU/mlの濃度で操作される。
一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、IL-2、例えば、ヒト組換えIL-2の存在下で、1IU/ml~200IU/ml、10IU/ml~100IU/ml、50IU/ml~150IU/ml、80IU/ml~120IU/ml、60IU/ml~90IU/ml、または70IU/ml~90IU/mlの濃度で操作される。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、組換えIL-2の存在下で、50IU/ml、55IU/ml、60IU/ml、65IU/ml、70IU/ml、75IU/ml、80IU/ml、85IU/ml、90IU/ml、95IU/ml、100IU/ml、110IU/ml、120IU/ml、130IU/ml、140IU/ml、もしくは150IU/ml、または約50IU/ml、約55IU/ml、約60IU/ml、約65IU/ml、約70IU/ml、約75IU/ml、約80IU/ml、約85IU/ml、約90IU/ml、約95IU/ml、約100IU/ml、約110IU/ml、約120IU/ml、約130IU/ml、約140IU/ml、もしくは約150IU/mlの濃度で操作される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、85IU/mlまたは約85IU/mlの存在下で操作される。一部の実施形態では、T細胞の集団は、CD4+ T細胞の集団である。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、CD4+ T細胞が濃縮され、CD8+ T細胞は濃縮されない、および/またはCD8+ T細胞は負に選択されるかもしくは組成物から枯渇される。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD8+ T細胞の組成物である。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、CD8+ T細胞が濃縮CD4+ T細胞は濃縮されない、および/またはCD4+ T細胞は負に選択されるかもしくは組成物から枯渇される。
一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、組換えIL-7、例えば、ヒト組換えIL-7の存在下で、100IU/ml~2,000IU/ml、500IU/ml~1,000IU/ml、100IU/ml~500IU/ml、500IU/ml~750IU/ml、750IU/ml~1,000IU/ml、または550IU/ml~650IU/mlの濃度で操作される。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、IL-7の存在下で、50IU/ml、100IU/ml、150IU/ml、200IU/ml、250IU/ml、300IU/ml、350IU/ml、400IU/ml、450IU/ml、500IU/ml、550IU/ml、600IU/ml、650IU/ml、700IU/ml、750IU/ml、800IU/ml、750IU/ml、750IU/ml、750IU/ml、もしくは1,000IU/ml、または約50IU/ml、約100IU/ml、約150IU/ml、約200IU/ml、約250IU/ml、約300IU/ml、約350IU/ml、約400IU/ml、約450IU/ml、約500IU/ml、約550IU/ml、約600IU/ml、約650IU/ml、約700IU/ml、約750IU/ml、約800IU/ml、約750IU/ml、約750IU/ml、約750IU/ml、もしくは約1,000IU/mlの濃度で操作される。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、600IU/mlまたは約600IU/mlのIL-7の存在下で操作される。一部の実施形態では、組換えIL-7の存在下で操作される組成物は、T細胞、例えば、CD4+ T細胞の集団が濃縮される。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、CD4+ T細胞が濃縮され、CD8+ T細胞は濃縮されない、および/またはCD8+ T細胞は負に選択されるかもしくは組成物から枯渇される。
一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、組換えIL-15、例えば、ヒト組換えIL-15の存在下で、0.1IU/ml~100IU/ml、1IU/ml~50IU/ml、5IU/ml~25IU/ml、25IU/ml~50IU/ml、5IU/ml~15IU/ml、または10IU/ml~100IU/mlの濃度で操作される。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、IL-15の存在下で、1IU/ml、2IU/ml、3IU/ml、4IU/ml、5IU/ml、6IU/ml、7IU/ml、8IU/ml、9IU/ml、10IU/ml、11IU/ml、12IU/ml、13IU/ml、14IU/ml、15IU/ml、20IU/ml、25IU/ml、30IU/ml、40IU/ml、もしくは50IU/ml、または約1IU/ml、約2IU/ml、約3IU/ml、約4IU/ml、約5IU/ml、約6IU/ml、約7IU/ml、約8IU/ml、約9IU/ml、約10IU/ml、約11IU/ml、約12IU/ml、約13IU/ml、約14IU/ml、約15IU/ml、約20IU/ml、約25IU/ml、約30IU/ml、約40IU/ml、もしくは約50IU/mlの濃度で操作される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、10IU/mlまたは約10IU/mlのIL-15中で操作される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、10IU/mlまたは約10IU/mlの組換えIL-15中でインキュベートされる。一部の実施形態では、組換えIL-15の存在下で操作される組成物は、T細胞、例えば、CD4+ T細胞および/またはCD8+ T細胞の集団が濃縮される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD8+ T細胞の組成物である。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、CD8+ T細胞が濃縮CD4+ T細胞は濃縮されない、および/またはCD4+ T細胞は負に選択されるかもしくは組成物から枯渇される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD4+ T細胞の組成物である。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、CD4+ T細胞が濃縮され、CD8+ T細胞は濃縮されない、および/またはCD8+ T細胞は負に選択されるかもしくは組成物から枯渇される。
特定の実施形態では、濃縮CD8+ T細胞の組成物は、IL-2および/またはIL-15の存在下で操作される。ある特定の実施形態では、濃縮CD4+ T細胞の組成物は、IL-2、IL-7、および/またはIL-15の存在下で操作される。一部の実施形態では、IL-2、IL-7、および/またはIL-15は組換えである。ある特定の実施形態では、IL-2、IL-7、および/またはIL-15はヒトである。特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、ヒト組換えIL-2、IL-7、および/もしくはIL-15であるか、またはこれらを含む。
特定の実施形態では、細胞は、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で操作される。一部の実施形態では、1つまたは複数の抗酸化剤には、トコフェロール、トコトリエノール、アルファ-トコフェロール、ベータ-トコフェロール、ガンマ-トコフェロール、デルタ-トコフェロール、アルファ-トコトリエノール、ベータ-トコトリエノール、アルファ-トコフェロールキノン、トロロックス(6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、フラボノイド、イソフラボン、リコピン、ベータ-カロテン、セレン、ユビキノン、ルテイン(luetin)、S-アデノシルメチオニン、グルタチオン、タウリン、N-アセチルシステイン(NAC)、クエン酸、L-カルニチン、BHT、モノチオグリセロール、アスコルビン酸、没食子酸プロピル、メチオニン、システイン、ホモシステイン、グルタチオン(gluthatione)、シスタミンおよびシスタチオニン、ならびに/またはグリシン-グリシン-ヒスチジンが挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、1つまたは複数の抗酸化剤は、硫黄含有酸化剤であるか、またはこれを含む。ある特定の実施形態では、硫黄含有抗酸化剤は、例えば環状構造内に1つまたは複数の硫黄部分を示す、チオール含有抗酸化剤および/または抗酸化剤を含んでもよい。一部の実施形態では、硫黄含有抗酸化剤には、例えば、N-アセチルシステイン(NAC)および2,3-ジメルカプトプロパノール(DMP)、L-2-オキソ-4-チアゾリジンカルボン酸(OTC)およびリポ酸を挙げることができる。特定の実施形態では、硫黄含有抗酸化剤はグルタチオン前駆体である。一部の実施形態では、グルタチオン前駆体は、細胞内で1つまたは複数の段階で改変されてグルタチオンを得る分子である。特定の実施形態では、グルタチオン前駆体には、N-アセチルシステイン(NAC)、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸(プロシステイン)、リポ酸、S-アリルシステイン、またはメチルメチオニンスルホニウムクロリドを挙げることができるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、細胞は、1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で操作される。一部の実施形態では、細胞は、1ng/ml~100ng/ml、10ng/ml~1μg/ml、100ng/ml~10μg/ml、1μg/ml~100μg/ml、10μg/ml~1mg/ml、100μg/ml~1mg/ml、500μg/ml~2mg/ml、500μg/ml~5mg/ml、1mg/ml~10mg/ml、または1mg/ml~100mg/mlの1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で操作される。一部の実施形態では、細胞は、1ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、100μg/ml、0.2mg/ml、0.4mg/ml、0.6mg/ml、0.8mg/ml、1mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、10mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、50mg/ml、100mg/ml、200mg/ml、300mg/ml、400mg/ml、500mg/ml、または約1ng/ml、約10ng/ml、約100ng/ml、約1μg/ml、約10μg/ml、約100μg/ml、約0.2mg/ml、約0.4mg/ml、約0.6mg/ml、約0.8mg/ml、約1mg/ml、約2mg/ml、約3mg/ml、約4mg/ml、約5mg/ml、約10mg/ml、約20mg/ml、約25mg/ml、約50mg/ml、約100mg/ml、約200mg/ml、約300mg/ml、約400mg/ml、約500mg/mlの1つまたは複数の抗酸化剤の存在下で操作される。一部の実施形態では、1つまたは複数の抗酸化剤は、硫黄含有抗酸化剤であるか、またはこれを含む。特定の実施形態では、1つまたは複数の抗酸化剤は、グルタチオン前駆体であるか、またはこれを含む。
一部の実施形態では、細胞は、NACの存在下で操作される。一部の実施形態では、細胞は、1ng/ml~100ng/ml、10ng/ml~1μg/ml、100ng/ml~10μg/ml、1μg/ml~100μg/ml、10μg/ml~1mg/ml、100μg/ml~1mg/ml、1,500μg/ml~2mg/ml、500μg/ml~5mg/ml、1mg/ml~10mg/ml、または1mg/ml~100mg/mlのNACの存在下で操作される。一部の実施形態では、細胞は、1ng/ml、10ng/ml、100ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、100μg/ml、0.2mg/ml、0.4mg/ml、0.6mg/ml、0.8mg/ml、1mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、10mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、50mg/ml、100mg/ml、200mg/ml、300mg/ml、400mg/ml、500mg/ml、または約1ng/ml、約10ng/ml、約100ng/ml、約1μg/ml、約10μg/ml、約100μg/ml、約0.2mg/ml、約0.4mg/ml、約0.6mg/ml、約0.8mg/ml、約1mg/ml、約2mg/ml、約3mg/ml、約4mg/ml、約5mg/ml、約10mg/ml、約20mg/ml、約25mg/ml、約50mg/ml、約100mg/ml、約200mg/ml、約300mg/ml、約400mg/ml、約500mg/mlのNACの存在下で操作される。一部の実施形態では、細胞は、0.8mg/mlまたは約0.8mg/mlで操作される。
一部の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD4+ T細胞または刺激CD8+ T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数のポリカチオンの存在下で操作される。一部の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD4+ T細胞または刺激CD8+ T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数のポリカチオンの存在下で形質導入され、例えば、ウイルスベクター粒子とインキュベートされる。特定の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD4+ T細胞または刺激CD8+ T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、1つまたは複数のポリカチオンの存在下でトランスフェクトされ、例えば、非ウイルスベクターとインキュベートされる。ある特定の実施形態では、1つまたは複数のポリカチオンの存在は、操作(例えば、形質導入またはトランスフェクト)される組成物の細胞の量、部分、および/またはパーセンテージを増加させることなどによって遺伝子デリバリーの効率を高める。ある特定の実施形態では、1つまたは複数のポリカチオンの存在は、トランスフェクションの効率を高める。ある特定の実施形態では、1つまたは複数のポリカチオンの存在は、形質導入の効率を高める。特定の実施形態では、ポリカチオンの存在下で操作される細胞の少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%が、組換えポリヌクレオチドを含有または発現する。一部の実施形態では、ポリカチオンの存在なしで細胞を操作する代替のおよび/または例示的な方法と比較して、ポリカチオンの存在下で組換えポリヌクレオチドを含有または発現するように、組成物の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍多い細胞が操作される。
ある特定の実施形態では、濃縮細胞の組成物、例えば、濃縮CD4+ T細胞の組成物または濃縮CD8+ T細胞、例えばその刺激T細胞の組成物は、例えばポリカチオンの存在下で細胞を操作する例示的なおよび/または代替の方法と比べて、低い濃度または量のポリカチオンの存在下で操作される。ある特定の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD4+ T細胞または刺激CD8+ T細胞などの濃縮細胞の組成物は、細胞を操作する例示的なおよび/または代替のプロセスの90%未満、80%未満、75%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満の量および/または濃度のポリカチオンの存在下で操作される。一部の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD4+ T細胞または刺激CD8+ T細胞などの濃縮細胞の組成物は、100μg/ml未満、90μg/ml未満、80μg/ml未満、75μg/ml未満、70μg/ml未満、60μg/ml未満、50μg/ml未満、40μg/ml未満、30μg/ml未満、25μg/ml未満、20μg/ml、またはμg/ml未満、10μg/mlのポリカチオンの存在下で操作される。特定の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD4+ T細胞または刺激CD8+ T細胞などの濃縮細胞の組成物は、1μg/ml、5μg/ml、10μg/ml、15μg/ml、20μg/ml、25μg/ml、30μg/ml、35μg/ml、40μg/ml、45μg/ml、もしくは50μg/ml、または約1μg/ml、約5μg/ml、約10μg/ml、約15μg/ml、約20μg/ml、約25μg/ml、約30μg/ml、約35μg/ml、約40μg/ml、約45μg/ml、もしくは約50μg/mlのポリカチオンの存在下で操作される。
特定の実施形態では、ポリカチオンの存在下で、例えば刺激T細胞、例えば、刺激CD4+ T細胞または刺激CD8+ T細胞などの濃縮細胞の組成物を操作することは、例えば壊死、プログラム細胞死、またはアポトーシスによる細胞死の量を低減する。一部の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD4+ T細胞または刺激CD8+ T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、低量のポリカチオン、例えば、100μg/ml未満、50μg/ml、または10μg/mlの存在下で操作され、細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%は、操作工程中または操作工程が完了した少なくとも1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後、7日後、もしくは7日超後に生存している、例えば、壊死、プログラム細胞死、またはアポトーシスを起こさない。一部の実施形態では、組成物は、より高い量または濃度のポリカチオン、例えば、50μg/ml超、100μg/ml、500μg/ml、または1,000μg/mlの存在下で細胞を操作する代替のおよび/または例示的な方法と比較して、低い濃度または量のポリカチオンの存在下で操作され、組成物の細胞は、例示的なおよび/または代替のプロセスを受ける細胞と比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍大きい生存を有する。
一部の実施形態では、ポリカチオンは正に荷電される。ある特定の実施形態では、ポリカチオンは、細胞とベクター、例えば、ウイルスまたは非ウイルスベクターの間の反発力を低減し、細胞表面へのベクターの接触および/または結合を媒介する。一部の実施形態では、ポリカチオンは、ポリブレン、DEAE-デキストラン、硫酸プロタミン、ポリ-L-リジン、またはカチオン性リポソームである。
特定の実施形態では、ポリカチオンは硫酸プロタミンである。一部の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD4+ T細胞または刺激CD8+ T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、500μg/ml未満もしくは約500μg/ml、400μg/ml未満もしくは約400μg/ml、300μg/ml未満もしくは約300μg/ml、200μg/ml未満もしくは約200μg/ml、150μg/ml未満もしくは約150μg/ml、100μg/ml未満もしくは約100μg/ml、90μg/ml未満もしくは約90μg/ml、80μg/ml未満もしくは約80μg/ml、75μg/ml未満もしくは約75μg/ml、70μg/ml未満もしくは約70μg/ml、60μg/ml未満もしくは約60μg/ml、50μg/ml未満もしくは約50μg/ml、40μg/ml未満もしくは約40μg/ml、30μg/ml未満もしくは約30μg/ml、25μg/ml未満もしくは約25μg/ml、20μg/mlまたは約20μg/ml、または15μg/ml未満もしくは約15μg/ml、または10μg/ml未満もしくは約10μg/mlの硫酸プロタミンの存在下で操作される。特定の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD4+ T細胞または刺激CD8+ T細胞などの濃縮細胞の組成物は、1μg/ml、5μg/ml、10μg/ml、15μg/ml、20μg/ml、25μg/ml、30μg/ml、35μg/ml、40μg/ml、45μg/ml、50μg/ml、55μg/ml、60μg/ml、75μg/ml、80μg/ml、85μg/ml、90μg/ml、95μg/ml、100μg/ml、105μg/ml、110μg/ml、115μg/ml、120μg/ml、125μg/ml、130μg/ml、135μg/ml、140μg/ml、145μg/ml、もしくは150μg/ml、または約1μg/ml、約5μg/ml、約10μg/ml、約15μg/ml、約20μg/ml、約25μg/ml、約30μg/ml、約35μg/ml、約40μg/ml、約45μg/ml、約50μg/ml、約55μg/ml、約60μg/ml、約75μg/ml、約80μg/ml、約85μg/ml、約90μg/ml、約95μg/ml、約100μg/ml、約105μg/ml、約110μg/ml、約115μg/ml、約120μg/ml、約125μg/ml、約130μg/ml、約135μg/ml、約140μg/ml、約145μg/ml、約もしくは150μg/mlの硫酸プロタミンの存在下で操作される。
一部の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD4+ T細胞などの操作された濃縮CD4+ T細胞の組成物は、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+ T細胞を含む。ある特定の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD4+ T細胞などの操作される濃縮CD4+ T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD8+ T細胞を含む、および/またはCD8+ T細胞を含有しない、および/またはCD8+ T細胞がないかもしくは実質的にない。
一部の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD8+ T細胞などの操作される濃縮CD8+ T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+ T細胞を含む。ある特定の実施形態では、刺激T細胞、例えば、刺激CD8+ T細胞などの操作される濃縮CD8+ T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD4+ T細胞を含む、および/またはCD4+ T細胞を含有しない、および/またはCD4+ T細胞がないかもしくは実質的にない。
一部の実施形態では、細胞の操作は、培養、ベクター、例えば、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターとの接触、該ベクターとのインキュベーションを含む。ある特定の実施形態では、操作は、細胞を培養すること、細胞をベクターと接触させること、および/または細胞をベクターとインキュベートすることを含み、4時間、6時間、8時間、12時間、16時間、18時間、24時間、30時間、36時間、40時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、もしくは7日間、もしくは7日間を超えて、約4時間、約6時間、約8時間、約12時間、約16時間、約18時間、約24時間、約30時間、約36時間、約40時間、約48時間、約54時間、約60時間、約72時間、約84時間、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、もしくは約7日間、もしくは約7日間を超えて、または少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも16時間、少なくとも18時間、少なくとも24時間、少なくとも30時間、少なくとも36時間、少なくとも40時間、少なくとも48時間、少なくとも54時間、少なくとも60時間、少なくとも72時間、少なくとも84時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、もしくは少なくとも7日間、もしくは少なくとも7日間を超えて行われる。特定の実施形態では、操作は、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、もしくは84時間、または約24時間、約36時間、約48時間、約60時間、約72時間、もしくは約84時間、または2日間、3日間、4日間、もしくは5日間、または約2日間、約3日間、約4日間、もしくは約5日間細胞を培養すること、細胞をベクターと接触させること、および/または細胞をベクターとインキュベートすることを含む。一部の実施形態では、操作工程は、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、もしくは84時間、または約24時間、約36時間、約48時間、約60時間、約72時間、もしくは約84時間行われる。ある特定の実施形態では、操作は、約60時間または約84時間、72時間もしくは約72時間、または2日間もしくは約2日間行われる。
一部の実施形態では、操作は、約25~約38℃、例えば約30~約37℃、約36~約38℃、または37℃±2℃もしくは約37℃±2℃の温度で行われる。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、約2.5%~約7.5%、例えば約4%~約6%のCOレベル、例えば5%±0.5%もしくは約5%±0.5%で操作される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、37℃もしくは約37℃の温度および/または5%もしくは約5%のCOレベルで操作される。
一部の実施形態では、細胞、例えば、CD4+および/またはCD8+ T細胞は、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含有するように細胞を遺伝子操作、例えば、形質導入またはトランスフェクションする1つまたは複数の工程が行われた後に培養される。一部の実施形態では、培養(cultivation)は、培養(culture)、インキュベーション、刺激、活性化、拡大、および/または増殖を含み得る。一部のそのような実施形態では、さらなる培養は、1つまたは複数の細胞の宿主ゲノムへのウイルスベクターの組込みをもたらす条件下で行われる。インキュベーションおよび/または操作は、培養または細胞培養のためのユニット、チャンバー、ウェル、カラム、管、チューブセット、バルブ、バイアル、培養皿、バッグ、または他の容器などの培養容器で実施され得る。一部の実施形態では、組成物または細胞は、刺激条件または刺激剤の存在下でインキュベートされる。そのような条件には、集団での細胞の増殖、拡大、活性化、および/もしくは生存を誘導する、抗原曝露を模倣する、ならびに/または組換え抗原受容体の導入などの遺伝子操作のためにプライムするように設計された条件が挙げられる。
一部の実施形態では、さらなるインキュベーションは、室温を超える、例えば25℃を超えるまたは約25℃を超える、例えば一般に約32℃、35℃もしくは37℃を超えるまたは約32℃、約35℃もしくは約37℃を超える温度で実施される。一部の実施形態では、さらなるインキュベーションは、37℃±2℃または約37℃±2℃の温度、例えば37℃または約37℃の温度で行われる。
一部の実施形態では、さらなるインキュベーションは、細胞の刺激および/または活性化のための条件下で行われ、該条件には、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、剤、例えば、栄養分、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えば、サイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、および細胞を活性化するように設計された任意の他の薬剤のうちの1つまたは複数を挙げることができる。
一部の実施形態では、刺激条件または刺激剤には、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる1つまたは複数の剤(例えば、刺激剤および/または補助剤)、例えばリガンドが挙げられる。一部の態様では、一次シグナルをデリバリーする、例えば、ITAM誘導シグナルの活性化を開始するのに適した剤、例えばTCR成分に特異的なもの、および/または共刺激シグナルを促進する剤、例えばT細胞共刺激受容体に特異的なもの、例えば、例えばビーズなどの固体支持体に適宜結合された抗CD3、抗CD28、もしくは抗41-BB、および/または1つもしくは複数のサイトカインなどの剤は、T細胞におけるTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードを活性化または開始する。抗CD3/抗CD28ビーズ[例えば、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expander、および/またはExpACT(登録商標)ビーズ]は、刺激剤の中の1つである。適宜、拡大方法は、抗CD3および/または抗CD28抗体を培養培地に添加する工程をさらに含んでもよい。一部の実施形態では、刺激剤は、IL-2および/またはIL-15、例えば、少なくとも約10単位/mLのIL-2濃度を含む。
一部の実施形態では、刺激条件または刺激剤には、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる1つまたは複数の剤、例えばリガンドが挙げられる。一部の態様では、剤は、T細胞におけるTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードを活性化または開始する。そのような剤には、抗体、例えば、例えばビーズなどの固体支持体に結合した、TCR成分および/もしくは共刺激受容体に特異的な抗体、例えば抗CD3、抗CD28、ならびに/または1つもしくは複数のサイトカインを挙げることができる。適宜拡大方法は、抗CD3および/または抗CD28抗体を培養培地に添加する工程(例えば、少なくとも約0.5ng/mlの濃度で)をさらに含んでもよい。一部の実施形態では、刺激剤は、IL-2および/またはIL-15、例えば、少なくとも約10単位/mL、少なくとも約50単位/mL、少なくとも約100単位/mLまたは少なくとも約200単位/mLのIL-2濃度を含む。
条件には、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、剤、例えば、栄養分、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えば、サイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、および細胞を活性化するように設計された任意の他の剤のうちの1つまたは複数を挙げることができる。
一部の態様では、インキュベーションは、Riddellらの米国特許第6,040,1 77号、Klebanoff et al.(2012) J Immunother. 35(9): 651-660、Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82、および/またはWang et al. (2012) J Immunother. 35(9): 689-701に記載されているものなどの手法に従って実施される。
一部の実施形態では、さらなるインキュベーションは接触が生じる同じ容器または装置で実施される。一部の実施形態では、さらなるインキュベーションは回転または遠心分離なしに実施され、一般には、例えば遠心分離またはスピノキュレーションに関連する回転下で行われるインキュベーションの少なくとも一部に続いて実施される。一部の実施形態では、さらなるインキュベーションは、クロマトグラフィーマトリックスの外側などの固定相の外側で、例えば、溶液中で実施される。
一部の実施形態では、さらなるインキュベーションは、ウイルス粒子および試薬との接触に続いて異なる容器または装置への細胞組成物の移動、例えば自動移動などにより、接触が生じるものとは異なる容器または装置で実施される。
一部の実施形態では、例えばエクスビボ拡大を促進するためのさらなる培養またはインキュベーションは、24時間超、2日超、3日超、4日超、5日超、6日超、7日超、8日超、9日超、10日超、11日超、12日超、13日超もしくは14日超、または約24時間超、約2日超、約3日超、約4日超、約5日超、約6日超、約7日超、約8日超、約9日超、約10日超、約11日超、約12日超、約13日超もしくは約14日超にわたって実施される。一部の実施形態では、さらなる培養またはインキュベーションは、6日以下、5日以下、4日以下、3日以下、2日以下または24時間以下にわたって実施される。
一部の実施形態では、例えば刺激剤とのインキュベーションの合計持続時間は、1時間~96時間、1時間~72時間、1時間~48時間、4時間~36時間、8時間~30時間もしくは12時間~24時間、または約1時間~約96時間、約1時間~約72時間、約1時間~約48時間、約4時間~約36時間、約8時間~約30時間もしくは約12時間~約24時間、例えば少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間もしくは少なくとも72時間、または約少なくとも6時間、約少なくとも12時間、約少なくとも18時間、約少なくとも24時間、約少なくとも36時間もしくは約少なくとも72時間、または約6時間、約12時間、約18時間、約24時間、約36時間もしくは約72時間である。一部の実施形態では、さらなるインキュベーションは、1時間以上48時間以下、4時間以上36時間以下、8時間以上30時間以下もしくは12時間以上24時間以下、または約1時間以上約48時間以下、約4時間以上約36時間以下、約8時間以上約30時間以下もしくは約12時間以上約24時間以下の時間にわたる。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、さらなる培養またはインキュベーションを含まない、例えば、エクスビボ拡大工程を含まないか、または実質的により短いエクスビボ拡大工程を含む。
一部の実施形態では、刺激試薬は、操作前に細胞から除去および/または分離される。特定の実施形態では、刺激試薬は、操作後に細胞から除去および/または分離される。ある特定の実施形態では、刺激剤は、操作の後、操作された細胞を増殖および/または拡大を促進する例えば条件下で培養する前に、細胞から除去および/または分離される。ある特定の実施形態では、刺激試薬は、節I-B-1に記載されている刺激試薬である。特定の実施形態では、刺激試薬は、節I-B-2に記載されているように細胞から除去および/または分離される。
1.ベクターおよび方法
一部の実施形態では、細胞、例えばT細胞は、組換え受容体を発現するように遺伝子操作される。一部の実施形態では、操作は、組換え受容体またはその部分もしくは成分をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを導入することによって実施される。また、組換え受容体をコードするポリヌクレオチド、ならびにそのような核酸および/またはポリヌクレオチドを含有するベクターまたはコンストラクトも提供される。
特定の実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターまたは非ウイルスベクターである。一部の例では、ベクターは、レトロウイルスベクター、例えば、レンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターなどのウイルスベクターである。
一部の実施形態では、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドは、組換え受容体の発現を制御するように作動可能に連結された少なくとも1つのプロモーターを含有する。一部の例では、ポリヌクレオチドは、組換え受容体の発現を制御するように作動可能に連結された2つ、3つ、またはそれより多いプロモーターを含有する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、適宜およびポリヌクレオチドがDNAベースであるかまたはRNAベースであるかを考慮して、ポリヌクレオチドが導入される宿主のタイプ(例えば、細菌、真菌、植物、または動物)に特異的な、転写および翻訳開始および終止コドンなどの調節配列を含有することができる。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、プロモーター、エンハンサー、イントロン、ポリアデニル化シグナル、コザックコンセンサス配列、内部リボソーム進入部位(IRES)、2A配列、およびスプライスアクセプターまたはドナーなどの調節/制御エレメントを含有することができる。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、組換え受容体および/または1つもしくは複数の追加のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結した非天然プロモーターを含有することができる。一部の実施形態では、プロモーターは、RNA pol I、pol IIまたはpol IIIプロモーターの中から選択される。一部の実施形態では、プロモーターは、RNAポリメラーゼII(例えば、CMV、SV40初期領域またはアデノウイルス主要後期プロモーター)によって認識される。別の実施形態では、プロモーターは、RNAポリメラーゼIII(例えば、U6またはH1プロモーター)によって認識される。一部の実施形態では、プロモーターは、非ウイルスプロモーター、またはサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーターなどのウイルスプロモーター、およびマウス幹細胞ウイルスの長末端反復で見出されるプロモーターであってもよい。他の既知のプロモーターも企図される。
一部の実施形態では、プロモーターは、恒常性プロモーターであるか、またはこれを含む。例示的な恒常性プロモーターには、例えば、サルウイルス40初期プロモーター(SV40)、サイトメガロウイルス前初期プロモーター(CMV)、ヒトユビキチンCプロモーター(UBC)、ヒト伸長因子1αプロモーター(EF1α)、マウスホスホグリセリン酸キナーゼ1プロモーター(PGK)、およびCMV初期エンハンサー(CAGG)と結合したニワトリβ-アクチンプロモーターが挙げられる。一部の実施形態では、恒常性プロモーターは合成または改変プロモーターである。一部の実施形態では、プロモーターは、骨髄増殖性肉腫ウイルスエンハンサーを有する改変MoMuLV LTRのU3領域を含有する合成プロモーターであるMNDプロモーター[Challita et al. (1995) J. Virol. 69(2) :748-755を参照]であるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、プロモーターは組織特異的プロモーターである。別の実施形態では、プロモーターはウイルスプロモーターである。別の実施形態では、プロモーターは非ウイルスプロモーターでる。一部の実施形態では、例示的なプロモーターには、ヒト伸長因子1アルファ(EF1α)プロモーターもしくはその改変型、またはMNDプロモーターを挙げることができるが、これらに限定されない。
別の実施形態では、プロモーターは調節されたプロモーター(例えば、誘導性プロモーター)である。一部の実施形態では、プロモーターは、誘導性プロモーターまたは抑制性プロモーターである。一部の実施形態では、プロモーターは、Lacオペレーター配列、テトラサイクリンオペレーター配列、ガラクトースオペレーター配列もしくはドキシサイクリンオペレーター配列を含むか、もしくはそのアナログであるか、またはLacリプレッサーもしくはテトラサイクリンリプレッサー、もしくはそのアナログによって結合もしくは認識されることができる。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、調節エレメント、例えばプロモーターを含まない。
一部の例では、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列は、シグナルペプチドをコードするシグナル配列を含有する。シグナルペプチドの非限定的な例示的な例には、例えば、配列番号10に記載され、配列番号9に記載されたヌクレオチド配列によってコードされるGMCSFRアルファ鎖シグナルペプチド、配列番号11に記載されたCD8アルファシグナルペプチド、または配列番号12に記載されたCD33シグナルペプチドが挙げられる。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、1つまたは複数の追加のポリペプチド、例えば、1つもしくは複数のマーカーおよび/または1つもしくは複数のエフェクター分子をコードする核酸配列を含有する。一部の実施形態では、1つまたは複数のマーカーには、形質導入マーカー、サロゲートマーカーおよび/または耐性マーカーまたは選択マーカーが挙げられる。例えば1つまたは複数の追加のポリペプチドをコードする、導入される追加の核酸配列の中には、移入された細胞の生存能および/または機能の促進などによって治療の有効性を改善することができる核酸配列;細胞の選択および/または評価のための遺伝子マーカーを提供するための、例えば、インビボ(in vivo)生存または局在化を評価するための核酸配列;Lupton S. D. et al., Mol. and Cell Biol., 11:6 (1991);およびRiddell et al., Human Gene Therapy 3:319-338 (1992)によって記載される(ドミナントポジティブ選択マーカーとネガティブ選択マーカーとの融合から得られる二機能性選択融合遺伝子の使用を記載するWO1992008796およびWO1994028143、ならびに米国特許第6,040,177号も参照)、例えばインビボでのネガティブ選択に対して細胞を感受性にすることによる、安全性を改善するための核酸配列が挙げられる。
一部の実施形態では、マーカーは、形質導入マーカーまたはサロゲートマーカーである。形質導入マーカーまたはサロゲートマーカーは、ポリヌクレオチド、例えば、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを導入されたT細胞を検出するのに使用することができる。一部の実施形態では、形質導入マーカーは、細胞の改変を示すまたは確認することができる。一部の実施形態では、サロゲートマーカーは、細胞表面で組換え受容体、例えばCARと共発現されるように作られるタンパク質である。特定の実施形態では、そのようなサロゲートマーカーは、活性をほとんどまたは全く有さないように改変された表面タンパク質である。ある特定の実施形態では、サロゲートマーカーは、組換え受容体をコードする同じポリヌクレオチドにコードされる。一部の実施形態では、組換え受容体をコードする核酸配列は、マーカーをコードする核酸配列に作動可能に連結され、適宜、内部リボソーム進入部位(IRES)、または自己切断ペプチドもしくはリボソームスキッピングを引き起こすペプチド、例えば2A配列をコードする核酸によって隔てられる。外因性マーカー遺伝子は、一部の例では細胞の検出または選択を可能にするために、ならびに一部の例では、細胞排除および/または細胞自殺も促進するために、操作された細胞に関連して利用され得る。
例示的なサロゲートマーカーには、細胞表面ポリペプチドの切断型、例えば、非機能性であり、シグナルもしくは通常は細胞表面ポリペプチドの完全長型によって形質導入されるシグナルを形質導入しないもしくはすることができない、および/または内在化しないもしくはすることができない切断型を挙げることができる。例示的な切断型細胞表面ポリペプチドには、増殖因子または他の受容体の切断型、例えば、切断型ヒト上皮増殖因子受容体2(tHER2)、切断型上皮増殖因子受容体(tEGFR、配列番号2または3に記載された例示的なtEGFR配列)、または前立腺特異的膜抗原(PSMA)もしくはその改変型、例えば切断型PSMA(tPSMA)が挙げられる。一部の態様では、tEGFRは、抗体セツキシマブ(Erbitux(登録商標))または他の治療用抗EGFR抗体もしくは結合分子によって認識されるエピトープを含有してもよく、該抗体または結合分子は、tEGFRコンストラクトおよびコードされた外因性タンパク質で操作された細胞を同定もしくは選択する、ならびに/またはコードされた外因性タンパク質を発現する細胞を排除もしくは分離するのに使用され得る。米国特許第8,802,374号およびLiu et al., Nature Biotech. 2016 April; 34(4): 430-434を参照)。一部の態様では、マーカー、例えばサロゲートマーカーは、CD34、NGFR、CD19もしくは切断CD19、例えば切断型非ヒトCD19、または上皮成長因子受容体(例えば、tEGFR)の全体または部分(例えば、切断型)を含む。切断型EGFR(例えば、tEGFR)の例示的なポリペプチドは、配列番号2もしくは3に記載されたアミノ酸の配列、または配列番号2もしくは3に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。
一部の実施形態では、マーカーは、検出可能なタンパク質、例えば蛍光タンパク質、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、例えばスーパーフォールドGFP(super-fold GFP)(sfGFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、例えば、tdTomato、mCherry、mStrawberry、AsRed2、DsRedまたはDsRed2、シアン蛍光タンパク質(CFP)、青緑色蛍光タンパク質(BFP)、高感度青色蛍光タンパク質(EBFP)、および黄色蛍光タンパク質(YFP)、ならびに蛍光タンパク質の種変異体、単量体変異体、コドン最適化され、安定化され、および/または増強された変異体を含むそれらの変異体であるか、またはこれらを含む。一部の実施形態では、マーカーは、ルシフェラーゼ、大腸菌(E. coli)由来のlacZ遺伝子、アルカリホスファターゼ、分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)などの酵素であるか、またはこれらを含む。例示的な発光レポーター遺伝子には、ルシフェラーゼ(luc)、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β-グルクロニダーゼ(GUS)またはそれらの変異体が挙げられる。一部の態様では、酵素の発現は、発現時に検出され得る基質の添加および酵素の機能的活性によって検出することができる。
一部の実施形態では、マーカーは、耐性マーカーまたは選択マーカーである。一部の実施形態では、耐性マーカーまたは選択マーカーは、外因性の薬剤または薬物に対する耐性を与えるポリペプチドであるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、耐性マーカーまたは選択マーカーは抗生物質耐性遺伝子である。一部の実施形態では、耐性マーカーまたは選択マーカーは、哺乳動物細胞に抗生物質耐性を与える抗生物質耐性遺伝子である。一部の実施形態では、耐性マーカーまたは選択マーカーは、ピューロマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ブラストサイジン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、ジェネティシン耐性遺伝子、もしくはゼオシン耐性遺伝子、またはそれらの改変型であるか、またはこれらを含む。
本明細書に記載されたいずれの組換え受容体および/または追加のポリペプチドも、組換え受容体をコードする1つまたは複数の核酸配列を任意の組み合わせ、配向または配置で含有する1つまたは複数のポリヌクレオチドによってコードされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたはそれより多いポリヌクレオチドが、1つ、2つ、3つもしくはそれより多い異なるポリペプチド、例えば、組換え受容体もしくはその部分もしくは成分、ならびに/または1つもしくは複数の追加のポリペプチド、例えば、マーカーおよび/もしくはエフェクター分子をコードしてもよい。一部の実施形態では、1つのポリヌクレオチドが、組換え受容体、例えばCAR、またはその部分もしくは成分をコードする核酸配列、および1つまたは複数の追加のポリペプチドをコードする核酸配列を含有する。一部の実施形態では、1つのベクターまたはコンストラクトが、組換え受容体、例えばCAR、またはその部分もしくは成分をコードする核酸配列を含有し、別々のベクターまたはコンストラクトが、1つまたは複数の追加のポリペプチドをコードする核酸配列を含有する。一部の実施形態では、組換え受容体をコードする核酸配列および1つまたは複数の追加のポリペプチドをコードする核酸配列は、2つの異なるプロモーターに作動可能に連結される。一部の実施形態では、組換え受容体をコードする核酸は、1つまたは複数の追加のポリペプチドをコードする核酸の上流に存在する。一部の実施形態では、組換え受容体をコードする核酸は、1つまたは複数の追加のポリペプチドをコードする核酸の下流に存在する。
ある特定の例では、1つのポリヌクレオチドが、2つまたはそれより多い異なるポリペプチド鎖、例えば、組換え受容体および1つまたは複数の追加のポリペプチド、例えば、マーカーおよび/またはエフェクター分子をコードする核酸配列を含有する。一部の実施形態では、2つまたはそれより多い異なるポリペプチド鎖、例えば、組換え受容体および1つまたは複数の追加のポリペプチドをコードする核酸配列は、2つの別々のポリヌクレオチドに存在する。例えば、2つの別々のポリヌクレオチドが提供され、それぞれは、細胞での発現のために個々に細胞に移入または導入され得る。一部の実施形態では、マーカーをコードする核酸および組換え受容体をコードする核酸は、細胞のゲノム内の異なる位置に存在するか、または挿入される。一部の実施形態では、マーカーをコードする核酸および組換え受容体をコードする核酸は、2つの異なるプロモーターに作動可能に連結される。
一部の実施形態、例えば、ポリヌクレオチドが第1および第2の核酸配列を含有する実施形態では、異なるポリペプチド鎖の各々をコードするコード配列は、同じであってもまたは異なっていてもよいプロモーターに作動可能に連結され得る。一部の実施形態では、核酸分子は、2つまたはそれより多い異なるポリペプチド鎖の発現を駆動するプロモーターを含有することができる。一部の実施形態では、そのような核酸分子は、マルチシストロニック(バイシストロニックまたはトリシストロニック、例えば、米国特許第6,060,273号を参照)であり得る。一部の実施形態では、組換え受容体をコードする核酸および1つまたは複数の追加のポリペプチドをコードする核酸配列は、同じプロモーターに作動可能に連結され、適宜、内部リボソーム進入部位(IRES)、または自己切断ペプチドもしくはリボソームスキッピングを引き起こすペプチド、例えば2Aエレメントをコードする核酸によって隔てられる。例えば、例示的なマーカー、および適宜リボソームスキッピング配列は、PCT公開WO2014031687に開示されるいずれかであってもよい。
一部の実施形態では、転写ユニットは、単一のプロモーターからのメッセージによる遺伝子産物(例えば、組換え受容体および追加のポリペプチドをコードする)の共発現を可能にするIRESを含有する、バイシストロニックユニットとして操作することができる。あるいは、一部の例では、単一のプロモーターが、単一のオープンリーディングフレーム(ORF)中に、自己切断ペプチド(例えば、2A配列)またはプロテアーゼ認識部位(例えば、フューリン)をコードする配列によって互いに隔てられた2つまたは3つの遺伝子(例えば、マーカーをコードする、および組換え受容体をコードする)を含有するRNAの発現を指示してもよい。ORFは故に、翻訳中(2Aの場合)または翻訳後のどちらかに、個々のタンパク質にプロセシングされる単一ポリペプチドをコードする。一部の例では、T2Aなどのペプチドは、2AエレメントのC末端におけるペプチド結合の合成をリボソームにスキップさせ(リボソームスキッピング)、2A配列の末端と下流の次のペプチドの間に分離をもたらすことができる[例えば、de Felipe,遺伝子 Vaccines and Ther. 2:13 (2004)およびde Felipe et al. Traffic 5:616-626 (2004)を参照]。様々な2Aエレメントが知られている。本明細書に開示された方法およびシステムにおいて使用することができる2A配列の例には、米国特許公開第20070116690号に記載の口蹄疫ウイルス(F2A、例えば配列番号8)、A型ウマ鼻炎ウイルス(E2A、例えば配列番号7)、トセア・アシグナ(Thosea asigna)ウイルス(T2A、例えば、配列番号1または4)、およびブタテッショウウイルス-1(P2A、例えば、配列番号5または6)由来の2A配列が挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、組換え受容体および/または追加のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、ベクターに含有されるか、または1つもしくは複数のベクターにクローニングすることができる。一部の実施形態では、1つまたは複数のベクターは、宿主細胞、例えば、操作用の細胞を形質転換またはトランスフェクトするのに使用することができる。例示的なベクターには、導入、増殖および拡大のため、もしくは発現のため、またはその両方のために設計されたベクター、例えば、プラスミドおよびウイルスベクターが挙げられる。一部の態様では、ベクターは、発現ベクター、例えば組換え発現ベクターである。一部の実施形態では、組換え発現ベクターは、標準的な組換えDNA法を使用して調製することができる。
一部の実施形態では、ベクターは、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences)、pBluescriptシリーズ(Stratagene、ラホヤ、カリフォルニア)、pETシリーズ(Novagen、マジソン、ウィスコンシン)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech、ウプサラ、スウェーデン)、またはpEXシリーズ(Clontech、パロアルト、カリフォルニア)のベクターであってもよい。一部の例では、λG10、λGT11、λZapII(Stratagene)、λEMBL4、およびλNM1149などのバクテリオファージベクターも使用され得る。一部の実施形態では、植物発現ベクターが使用されてもよく、pBI01、pBI101.2、pBI101.3、pBI121およびpBIN19(Clontech)が挙げられる。一部の実施形態では、動物発現ベクターにては、pEUK-Cl、pMAMおよびpMAMneo(Clontech)が挙げられる。
一部の実施形態では、組換え受容体および/または1つまたは複数の追加のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、レトロウイルス形質導入、トランスフェクション、または形質転換などによって培養細胞を含有する組成物に導入される。
一部の実施形態では、ベクターは、レトロウイルスベクターなどのウイルスベクターである。一部の実施形態では、組換え受容体および/または追加のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、レトロウイルスもしくはレンチウイルスベクターを介して、またはトランスポゾンを介して細胞に導入される[例えば、Baum et al. (2006) Molecular Therapy: The Journal of the American Society of Gene Therapy. 13:1050-1063;Frecha et al. (2010) Molecular Therapy 18:1748-1757;およびHackett et al. (2010) Molecular Therapy 18:674-683を参照]。
一部の実施形態では、ベクターには、ウイルスベクター、例えば、レトロウイルスまたはレンチウイルスベクター、非ウイルスベクターまたはトランスポゾン、例えば、スリーピングビューティートランスポゾン系、サルウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクター、レンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクター、例えば、ガンマ-レトロウイルスベクター、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚性幹細胞ウイルス(MESV)、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、脾フォーカス形成ウイルス(SFFV)、またはアデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するレトロウイルスベクターが挙げられる。
一部の実施形態では、1つまたは複数のポリヌクレオチドは、電気穿孔を使用してT細胞に導入される[例えば、Chicaybam et al, ( 2013) PLoS ONE 8(3): e60298およびVan Tedeloo et al. (2000) Gene Therapy 7(16): 1431-1437を参照]。一部の実施形態では、組換え核酸は、転位を介してT細胞に移入される[例えば、Manuri et al. (2010) Hum Gene Ther 21(4): 427-437;Sharma et al. (2013) Molec Ther Nucl Acids 2, e74;およびHuang et al. (2009) Methods Mol Biol 506: 115-126を参照]。免疫細胞に遺伝物質、例えば、ポリヌクレオチドおよび/またはベクターを導入し、発現させる他の方法には、リン酸カルシウムトランスフェクション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons,新たなYork. N.Y.に記載の)、プロトプラスト融合、カチオン性リポソーム媒介トランスフェクション;タングステン粒子促進微粒子銃(tungsten particle-facilitated microparticle bombardment)[Johnston, Nature, 346: 776-777 (1990)];およびリン酸ストロンチウムDNA共沈[Brash et al., Mol.Cell Biol., 7: 2031-2034 (1987)]、ならびに例えば、国際特許出願公開番号WO2014055668、および米国特許第7,446,190号に記載された他のアプローチが挙げられる。
一部の実施形態では、組換え受容体および/または追加のポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドまたはベクターは、拡大中または拡大後のどちらかに細胞、例えばT細胞に導入されてもよい。ポリヌクレオチドまたはベクターのこの導入は、例えば、任意の適切なレトロウイルスベクターを用いて実施することができる。得られた遺伝子操作された細胞は、次いで初期刺激(例えば、抗CD3/抗CD28刺激)から解放され、その後、第2のタイプの刺激の存在下で(例えば、新たに導入された組換え受容体を介して)刺激され得る。この第2のタイプの刺激は、ペプチド/MHC分子、遺伝子導入された受容体の同族(架橋)リガンド(例えば、CARの天然の抗原および/またはリガンド)、または新たな受容体のフレームワーク内で直接結合する(例えば、受容体内の定常領域を認識することによって)任意のリガンド(抗体など)の形態の抗原刺激を含み得る。例えば、Cheadle et al, “Chimeric antigen receptors for T-cell based therapy” Methods Mol Biol. 2012; 907:645-66またはBarrett et al., Chimeric Antigen Receptor Therapy for Cancer Annual Review of Medicine Vol. 65: 333347 (2014)を参照。
一部の例では、細胞、例えばT細胞が活性化されることを必要としないベクターが使用され得る。一部のそのような例では、細胞は、活性化の前に選択および/または形質導入され得る。故に、細胞は、細胞培養の前に、または細胞培養に続いて、および一部の例では、少なくとも一部の培養と同時にまたは少なくとも一部の培養の間に操作され得る。
a.ウイルスベクター粒子
一部の実施形態では、1つまたは複数のポリヌクレオチドは、サルウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来する例えばベクターなどの組換え感染性ウイルス粒子を使用して細胞に導入される。一部の実施形態では、1つまたは複数のポリヌクレオチドは、組換えレンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクター、例えばガンマ-レトロウイルスベクターを使用してT細胞に導入される(例えば、Koste et al. (2014) Gene Therapy 2014 Apr 3. doi: 10. 1038/gt.2014.25;Carlens et al. (2000) Exp Hematol 28( 10): 1137-46;Alonso-Camino et al. (2013) Mol Ther Nucl Acids 2, e93;Park et al., Trends Biotechnol. 2011 November 29(11): 550-557を参照)。
一部の実施形態では、ベクターはレトロウイルスベクターである。一部の実施形態では、レトロウイルスベクターは、長末端反復配列(LTR)、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚性幹細胞ウイルス(MESV)、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、脾フォーカス形成ウイルス(SFFV)、またはアデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するレトロウイルスベクターを有する。ほとんどのレトロウイルスベクターはマウスレトロウイルスに由来する。一部の実施形態では、レトロウイルスには、任意のトリまたは哺乳動物細胞源に由来するものが挙げられる。レトロウイルスは、典型的には両種指向性であり、両種指向性は、レトロウイルスがヒトを含むいくつかの種の宿主細胞に感染することができることを意味する。1つの実施形態では、発現される遺伝子は、レトロウイルスgag、polおよび/またはenv配列を交換する。多くの例示的なレトロウイルスシステムが記載されている[例えば、米国特許第5,219,740号;第6,207,453号;第5,219,740号;Miller and Rosman (1989) BioTechniques 7:980-990;Miller, A. D. (1990) Human Gene Therapy 1:5- 14;Scarpa et al. (1991) Virology 180:849-852;Bums et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:8033-8037;およびBoris-Lawrie and Temin (1993) Cur. Opin. Genet. Develop. 3: 102-109]。
レンチウイルス形質導入の方法は公知である。例示的方法は、例えば、Wang et al. (2012) J. Immunother. 35(9): 689-701; Cooper et al. (2003) Blood. 101:1637-1644; Verhoeyen et al. (2009) Methods Mol Biol. 506: 97-114;およびCavalieri et al. (2003) Blood. 102(2): 497-505に記載されている。
一部の実施形態では、ウイルスベクター粒子は、レトロウイルスゲノムベースのベクターに由来する、例えばレンチウイルスゲノムベースのベクターに由来するゲノムを含有する。提供されたウイルスベクターの一部の態様では、組換え受容体、例えば、抗原受容体、例えば、CARをコードする異種核酸は、ベクターゲノムの5’LTRと3’LTR配列の間に含有される、および/またはその間に位置する。
一部の実施形態では、ウイルスベクターゲノムは、レンチウイルスゲノム、例えば、HIV-1ゲノムまたはSIVゲノムである。例えば、レンチウイルスベクターは、病原性遺伝子を多様に弱毒化するによって生成されており、例えば、治療目的のために遺伝子env、vif、vpuおよびnefを欠失させて、ベクターをより安全にすることができる。レンチウイルスベクターは周知である。Naldini et al.. (1996 and 1998);Zufferey et al., (1997);Dull et al., 1998、米国特許第6,013,516号;および同5,994,136号を参照されたい)。一部の実施形態では、これらのウイルスベクターは、プラスミドベースまたはウイルスベースであり、外来核酸を統合するための、選択のための、および宿主細胞への核酸の移動のための必須の配列を保持するように構成される。公知のレンチウイルスは、保管所またはコレクション、例えば、American Type Culture Collection(「ATCC」;10801 University Blvd.、Manassas、Va. 20110-2209)から容易に得ることができる、または商業的に利用可能な技術を使用して公知の供給源から単離できる。
レンチウイルスベクターの限定されない例として、レンチウイルス、例えば、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)、HIV-2、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1(HTLV-1)、HTLV-2またはウマ感染貧血ウイルス(E1AV)に由来するものが挙げられる。例えば、レンチウイルスベクターは、HIV病原性遺伝子を多様に弱毒化することによって生成されており、例えば、治療目的のために遺伝子env、vif、vpr、vpuおよびnefを欠失させ、ベクターをより安全にする。レンチウイルスベクターは当該技術分野で公知である、Naldini et al., (1996 and 1998);Zufferey et al., (1997);Dull et al., 1998、米国特許第6,013,516号;および同5,994,136号を参照されたい)。一部の実施形態では、これらのウイルスベクターは、プラスミドベースまたはウイルスベースであり、外来核酸を統合するための、選択のための、および宿主細胞への核酸の移動のための必須の配列を保持するように構成される。公知のレンチウイルスは、保管所またはコレクション、例えば、American Type Culture Collection(「ATCC」;10801 University Blvd.、Manassas、Va. 20110-2209)から容易に得ることができる、または商業的に利用可能な技術を使用して公知の供給源から単離できる。
一部の実施形態では、ウイルスゲノムベクターは、レトロウイルス、例えば、レンチウイルスの5’および3’LTRの配列を含有し得る。一部の態様では、ウイルスゲノムコンストラクトは、レンチウイルスの5’および3’LTR由来の配列を含有し得る、特に、レンチウイルスの5’LTR由来のRおよびU5配列ならびにレンチウイルス由来の不活性化された3’LTRまたは自己不活性化3’LTRを含有し得る。LTR配列は、任意の種に由来する任意のレンチウイルスに由来するLTR配列であり得る。例えば、それらは、HIV、SIV、FIVまたはBIV由来のLTR配列であり得る。通常、LTR配列は、HIV LTR配列である。
一部の実施形態では、HIVウイルスベクターなどのウイルスベクターの核酸は追加の転写ユニットを欠く。ベクターゲノムは、不活性化または自己不活性化3’LTRを含有することができる(Zufferey et al. J Virol 72: 9873, 1998; Miyoshi et al., J Virol 72:8150, 1998)。例えば、ウイルスベクターRNAを生成するために使用される核酸の3’LTRのU3領域における欠失を使用して、自己不活性化(SIN)ベクターを生成できる。次いで、この欠失を逆転写の際にプロウイルスのDNAの5’LTRに移すことができる。自己不活性化ベクターは一般に、3’の長い末端反復配列(LTR)からエンハンサーおよびプロモーター配列の欠失を有し、これは、ベクター統合の際に5’LTR中にコピーされる。一部の実施形態では、LTRの転写活性を消失させるために、TATAボックスの除去を含む十分な配列が排除され得る。これは、形質導入された細胞における全長ベクターRNAの生成を妨げ得る。一部の態様では、3’LTRのU3エレメントは、そのエンハンサー配列、TATAボックスSp1、およびNF-カッパB部位の欠失を含有する。自己不活性化3’LTRの結果として、侵入および逆転写後に生成されるプロウイルスは、不活性化された5’LTRを含有する。これは、ベクターゲノムの動員および隣接する細胞性プロモーターに対するLTRの影響のリスクを低減することによって安全性を改善し得る。自己不活性化3’LTRは、当該技術分野で公知の任意の方法によって構築できる。一部の実施形態では、これは、ベクターのベクター力価またはインビトロもしくはインビボ特性に影響しない。
適宜、ウイルスコンストラクト、例えば、異種プロモーター配列において、レンチウイルス5’LTR由来のU3配列をプロモーター配列と置き換えることができる。これは、パッケージング細胞株から回収されたウイルスの力価を増大し得る。エンハンサー配列もまた、含まれ得る。 パッケージング細胞株においてウイルスRNAゲノムの発現を増大する任意のエンハンサー/プロモーターの組合せが使用され得る。一例では、CMVエンハンサー/プロモーター配列が使用される(米国特許第5,385,839号および米国特許第5,168,062号)。
ある特定の実施形態では、統合に欠陥のあるレトロウイルスベクターゲノム、例えば、レンチウイルスベクターゲノムを構築することによって、挿入変異誘発のリスクを最小にすることができる。非組込みベクターゲノムを生成するために様々なアプローチを追求できる。一部の実施形態では、不活性インテグラーゼを有するタンパク質をコードするように、pol遺伝子のインテグラーゼ酵素構成要素中に突然変異(複数可)を操作することができる。一部の実施形態では、ベクターゲノム自体を改変して、例えば、一方または両方の付着部位を変異または欠失させることによって、または欠失もしくは改変によって3’LTR近位ポリプリントラクト(PPT)を非機能性にすることによって統合を妨げることができる。一部の実施形態では、非遺伝的アプローチが利用可能であり、これらには、インテグラーゼの1つまたは複数の機能を阻害する薬理学的薬剤が含まれる。アプローチは、相互に排他的ではなく、すなわち、それらのうち2つより多くを一度に使用できる。例えば、インテグラーゼおよび付着部位の両方が非機能的である場合があり、またはインテグラーゼおよびPPT部位が非機能的である場合があり、または結合部位およびPPT部位が非機能的である場合があり、またはそれらの全てが非機能的である場合がある。適宜そのような方法およびウイルスベクターゲノムは公知であり、利用可能である[Philpott and Thrasher, Human Gene Therapy 18:483, 2007;Engelman et al. J Virol 69:2729, 1995;Brown et al J Virol 73:9011 (1999);WO 2009/076524;McWilliams et al., J Virol 77: 1 1150, 2003;Powell and Levin J Virol 70:5288, 1996を参照]。
一部の実施形態では、ベクターは、宿主細胞、例えば、原核生物の宿主細胞における増殖のための配列を含有する。一部の実施形態では、ウイルスベクターの核酸は、原核細胞、例えば、細菌細胞における増殖のための1つまたは複数の複製の起源を含有する。一部の実施形態では、原核生物の複製起点を含むベクターはまた、その発現が検出可能なまたは薬物耐性などの選択マーカーを付与する遺伝子を含有し得る。
ウイルスベクターゲノムは通常、パッケージングまたはプロデューサー細胞株中にトランスフェクトされ得るプラスミド形態で構築される。そのゲノムがウイルスベクターゲノムのRNAコピーを含有するレトロウイルス粒子を生成するために、様々な公知の方法のいずれも使用できる。一部の実施形態では、ウイルスベースの遺伝子デリバリーシステムの作成には少なくとも2つの構成要素、第1には、構造タンパク質を包含するパッケージングプラスミドならびにウイルスベクター粒子を生成するのに必要な酵素、第2には、ウイルスベクター自体、すなわち、移動されるべき遺伝物質が関与している。バイオセイフティー保護は、これらの構成要素の一方または両方の設計に導入され得る。
一部の実施形態では、パッケージングプラスミドは、全てのレトロウイルス、例えば、HIV-1、エンベロープタンパク質以外のタンパク質を含有し得る(Naldini et al., 1998)。他の実施形態では、ウイルスベクターは、追加のウイルス遺伝子、例えば病原性に関連するもの、例えば、vpr、vif、vpuおよびnef、ならびに/またはHIVの主要なトランス活性化因子であるTatを欠いていてもよい。一部の実施形態では、レンチウイルスベクター、例えば、HIVベースのレンチウイルスベクターは、組換えを介した野生型ウイルスの再構築の可能性を低減または排除する親ウイルスの3つの遺伝子のみ:gag、polおよびrevを含む。
一部の実施形態では、ウイルスベクターゲノムは、ウイルスベクターゲノムから転写されたウイルスゲノムRNAをウイルス粒子にパッケージングするのに必要な全ての成分を含有するパッケージング細胞株に導入される。あるいは、ウイルスベクターゲノムは、目的の1つまたは複数の配列、例えば組換え核酸に加えてウイルス成分をコードする1つまたは複数の遺伝子を含んでもよい。しかし、一部の態様では、標的細胞におけるゲノムの複製を防ぐために、複製に必要とされる内因性ウイルス遺伝子が除去され、パッケージング細胞株に別々に提供される。
一部の実施形態では、パッケージング細胞株は、粒子を生成するのに必要な構成要素を含有する1つまたは複数のプラスミドベクターでトランスフェクトされる。一部の実施形態では、パッケージング細胞株は、LTR、シス作用性パッケージング配列および目的の配列、すなわち、抗原受容体、例えば、CARをコードする核酸を含むウイルスベクターゲノムを含有するプラスミドならびにウイルスの酵素的および/または構造的構成要素、例えば、Gag、polおよび/またはrevをコードする1つまたは複数のヘルパープラスミドでトランスフェクトされる。一部の実施形態では、レトロウイルスベクター粒子を生成する種々の遺伝子構成要素を分離するために複数のベクターが利用される。一部のこのような実施形態では、別個のベクターをパッケージング細胞に提供することによって、そうでなければ複製能力のあるウイルスを生成する可能性がある組換え事象の機会が低減される。一部の実施形態では、レトロウイルス構成要素の全てを有する単一プラスミドベクターが使用され得る。
一部の実施形態では、レトロウイルスベクター粒子、例えば、レンチウイルスベクター粒子は、宿主細胞の形質導入効率を増大するための偽型である。例えば、レトロウイルスベクター粒子、例えば、レンチウイルスベクター粒子は、一部の実施形態では、VSV-G糖タンパク質を有する偽型であり、これは、形質導入され得る細胞種に拡大する広い細胞宿主域を提供する。一部の実施形態では、パッケージング細胞株は、異種指向性、多指向性または両種指向性エンベロープ、例えば、Sindbisウイルスエンベロープ、GALVまたはVSV-Gを含むようになど、非天然エンベロープ糖タンパク質をコードするプラスミドまたはポリヌクレオチドでトランスフェクトされる。
一部の実施形態では、パッケージング細胞株は、レンチウイルスベクター粒子へのウイルスゲノムRNAのパッケージングにイントランスで(in trans)必要であるウイルス調節および構造タンパク質を含む構成要素を提供する。一部の実施形態では、パッケージング細胞株は、レンチウイルスタンパク質を発現可能であり、機能的レンチウイルスベクター粒子を生成可能である任意の細胞株であり得る。一部の態様では、適したパッケージング細胞株として、293(ATCC CCL X)、293T、HeLA(ATCC CCL 2)、D17(ATCC CCL 183)、MDCK(ATCC CCL 34)、BHK(ATCC CCL-10)およびCf2Th(ATCC CRL 1430)細胞が挙げられる。
一部の実施形態では、パッケージング細胞株は、ウイルスタンパク質(複数可)を安定に発現する。例えば、一部の態様では、gag、pol、revおよび/または他の構造遺伝子を含有するが、LTRおよびパッケージング構成要素を有さないパッケージング細胞株を構築できる。一部の実施形態では、パッケージング細胞株を、異種タンパク質をコードする核酸分子および/またはエンベロープ糖タンパク質をコードする核酸を含有するウイルスベクターゲノムと共に、1つまたは複数のウイルスタンパク質をコードする核酸分子を用いて一過性にトランスフェクトできる。
一部の実施形態では、ウイルスベクターならびにパッケージングおよび/またはヘルパープラスミドは、パッケージング細胞株中にトランスフェクションまたは感染を介して導入される。パッケージング細胞株は、ウイルスベクターゲノムを含有するウイルスベクター粒子を産生する。トランスフェクションまたは感染の方法は周知である。限定されない例として、リン酸カルシウム、DEAE-デキストランおよびリポフェクション法、エレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションが挙げられる。
組換えプラスミドおよびレトロウイルスLTRおよびパッケージング配列が特別の細胞株中に導入される場合に(例えば、リン酸カルシウム沈殿によって、例えば)、パッケージング配列は、組換えプラスミドのRNA転写物がウイルス粒子中にパッケージングされることを可能にでき、次いで、培養培地中に分泌され得る。組換えレトロウイルスを含有する培地は、一部の実施形態では、次いで、収集され、適宜、濃縮され、遺伝子導入のために使用される。例えば、一部の態様では、パッケージング細胞株へのパッケージングプラスミドおよびトランスファーベクターの同時トランスフェクション後に、当業者によって使用される標準方法によってウイルスベクター粒子が培養培地から回収され、力価測定される。
一部の実施形態では、レトロウイルスベクター、例えば、レンチウイルスベクターは、レンチウイルス粒子の生成を可能にするプラスミドの導入によって、パッケージング細胞株、例えば、例示的なHEK 293T細胞株において生成され得る。一部の実施形態では、パッケージング細胞は、トランスフェクトされ、ならびに/またはgagおよびpolをコードするポリヌクレオチドおよび組換え受容体、例えば、抗原受容体、例えば、CARをコードするポリヌクレオチドを含有する。一部の実施形態では、パッケージング細胞株は、適宜および/もしくはさらにトランスフェクトされる、ならびに/またはrevタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有する。一部の実施形態では、パッケージング細胞株は、適宜および/もしくはさらにトランスフェクトされる、ならびに/または非天然エンベロープ糖タンパク質、例えば、VSV-Gをコードするポリヌクレオチドを含有する。一部のこのような実施形態では、細胞、例えば、HEK 293T細胞のトランスフェクションのおよそ2日後、細胞上清は、組換えレンチウイルスベクターを含有し、これは回収され、力価測定され得る。
回収され、および/または生成されたレトロウイルスベクター粒子を使用して、記載されたような方法を使用して標的細胞に形質導入できる。ひとたび、標的細胞においてウイルスRNAが逆転写されると、核中に移入され、宿主ゲノム中に安定に統合される。ウイルスRNAの組込みの1日後または2日後に、組換えタンパク質、例えば、CARなどの抗原受容体の発現が検出され得る。
一部の実施形態では、提供される方法は、複数の細胞を含む細胞組成物をウイルス粒子と接触させること、例えばインキュベーショすることによって細胞を形質導入する方法を含む。一部の実施形態では、トランスフェクトまたは形質導入される細胞は、対象から得られた一次細胞、例えば対象から濃縮および/または選択された細胞であるか、またはこれを含む。
一部の実施形態では、組成物の形質導入される細胞の濃度は、1.0×10細胞/mL~1.0×10細胞/mLまたは約1.0×10細胞/mL~約1.0×10細胞/mL、例えば、少なくとも1.0×10細胞/mL、少なくとも5×10細胞/mL、少なくとも1×10細胞/mL、少なくとも5×10細胞/mL、少なくとも1×10細胞/mL、少なくとも5×10細胞/mLもしくは少なくとも1×10細胞/mL、または約少なくとも1.0×10細胞/mL、約少なくとも5×10細胞/mL、約少なくとも1×10細胞/mL、約少なくとも5×10細胞/mL、少なくとも1×10細胞/mL、少なくとも5×10細胞/mLもしくは少なくとも1×10細胞/mL、または約1.0×10細胞/mL、少なくとも5×10細胞/mL、少なくとも1×10細胞/mL、少なくとも5×10細胞/mL、少なくとも1×10細胞/mL、少なくとも5×10細胞/mLもしくは少なくとも1×10細胞/mLである。
一部の実施形態では、ウイルス粒子は、形質導入される細胞の総数当たりのウイルスベクター粒子のコピーまたはその感染単位(IU)のある特定の比率(IU/細胞)で提供される。例えば、一部の実施形態では、ウイルス粒子は、接触中に細胞1個当たり0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、もしくは60IU、または約0.5、約1、約2、約3、約4、約5、約10、約15、約20、約30、約40、約50、もしくは約60IU、または少なくとも0.5、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、もしくは少なくとも60IU、または少なくとも約0.5、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約もしくは少なくとも約60IUのウイルスベクター粒子で存在する。
一部の実施形態では、ウイルスベクター粒子の力価は、1×10IU/ml~1×10IU/mLまたは約1×10IU/ml~約1×10IU/mL、例えば、5×10IU/ml~5×10IU/mLまたは約5×10IU/ml~約5×10IU/mL、例えば、少なくとも6×10IU/mL、少なくとも7×10IU/mL、少なくとも8×10IU/mL、少なくとも9×10IU/mL、少なくとも1×10IU/mL、少なくとも2×10IU/mL、少なくとも3×10IU/mL、少なくとも4×10IU/mL、または少なくとも5×10IU/mLである。
一部の実施形態では、形質導入は、100未満、例えば一般に60未満、50未満、40未満、30未満、20未満、10未満、5未満またはそれより低い感染多重度(MOI)で達成することができる。
一部の実施形態では、方法は、細胞をウイルス粒子と接触させることまたはインキュベートすることを含む。一部の実施形態では、接触は、30分間~72時間、例えば、30分間~48時間、30分間~24時間または1時間~24時間、例えば、少なくとも30分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間もしくはそれ以上、または約少なくとも30分間、約少なくとも1時間、約少なくとも2時間、約少なくとも6時間、約少なくとも12時間、約少なくとも24時間、約少なくとも36時間もしくはそれ以上、または約30分間、約1時間、約2時間、約6時間、約12時間、約24時間、約36時間もしくはそれ以上である。
一部の実施形態では、接触は溶液中で行われる。一部の実施形態では、細胞およびウイルス粒子は、0.5mL~500mまたは約0.5mL~約500mL、例えば、0.5mL~200mL、0.5mL~100mL、0.5mL~50mL、0.5mL~10mL、0.5mL~5mL、5mL~500mL、5mL~200mL、5mL~100mL、5mL~50mL、5mL~10mL、10mL~500mL、10mL~200mL、10mL~100mL、10mL~50mL、50mL~500mL、50mL~200mL、50mL~100mL、100mL~500mL、100mL~200mLもしくは200mL~500mL、または約0.5mL~約200mL、約0.5mL~約100mL、約0.5mL~約50mL、約0.5mL~約10mL、約0.5mL~約5mL、約5mL~約500mL、約5mL~約200mL、約5mL~約100mL、約5mL~約50mL、約5mL~約10mL、約10mL~約500mL、約10mL~約200mL、約10mL~約100mL、約10mL~約50mL、約50mL~約500mL、約50mL~約200mL、約50mL~約100mL、約100mL~約500mL、約100mL~約200mLもしくは約200mL~約500mLの体積で接触される。
ある特定の実施形態では、インプット細胞は、ウイルスDNAによってコードされた組換え受容体に結合するかまたは該受容体を認識する結合分子を含む粒子と処理され、インキュベートされ、または接触される。
一部の実施形態では、ウイルスベクター粒子との細胞のインキュベーションは、ウイルスベクター粒子で形質導入された細胞を含むアプトプット組成物をもたらすかまたは生成する。
b.非ウイルスベクター
一部の実施形態では、組換え核酸は、電気穿孔によりT細胞に移入される[例えば、Chicaybam et al, (2013) PLoS ONE 8(3): e60298 and Van Tedeloo et al. (2000) Gene Therapy 7(16): 1431-1437を参照]。一部の実施形態では、組換え核酸は、転位によりT細胞に移入される[例えば、Manuri et al. (2010) Hum Gene Ther 21(4): 427-437; Sharma et al. (2013) Malec Ther Nucl Acids 2, e74; and Huang et al. (2009) Methods Mal Biol 506: 115-126を参照]。遺伝物質を免疫細胞に導入し、発現させる他の方法には、リン酸カルシウムトランスフェクション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York. N.Y.に記載されているような)、プロトプラスト融合、カチオン性リポソーム媒介トランスフェクション;タングステン粒子促進微粒子銃[Johnston, Nature, 346: 776-777 (1990)];およびリン酸ストロンチウムDNA共沈[Brash et al., Mol. Cell Biol., 7: 2031-2034 (1987)]が挙げられる。
組換え産物をコードする核酸を移入するための他のアプローチおよびベクターは、例えば、国際特許出願、公開番号:WO2014055668、および米国特許第7,446,190号に記載されたものである。
一部の実施形態では、組換え核酸は、トランスポゾンによりT細胞に移入される。トランスポゾン(転移因子)は、ゲノム内の1つの遺伝子座から別の遺伝子座へ移動することができるDNAの可動セグメントである。これらの因子は、保存的「カットアンドペースト」機構を介して移動する:トランスポザーゼは、トランスポゾンのその元の位置からの切り出しを触媒し、ゲノム中の他の場所でのその再組込みを促進する。トランスポザーゼ欠損因子は、別のトランスポザーゼ遺伝子によってトランスポザーゼが提供されるならば移動することができる。故に、トランスポゾンは、ウイルス形質導入系を使用することなく外来DNAを宿主ゲノムに組み込むのに利用することができる。哺乳動物細胞、例えばヒト初代白血球との使用に適したトランスポゾンの例には、スリーピングビューティーおよびピギーバックが挙げられるが、これらに限定されない。
トランスポゾンベースのトランスフェクションは、トランスポザーゼおよびトランスポゾンからなる2成分系である。一部の実施形態では、該系は、付随するトランスポザーゼによって認識される逆方向反復/直列反復(IR/DR)配列と隣接している外来DNA(本明細書ではカーゴDNAとも呼ばれる)、例えば組換え受容体をコードする遺伝子を含むように操作されたトランスポゾンを含む。一部の実施形態では、非ウイルスプラスミドは、プロモーターの制御下でトランスポザーゼをコードする。宿主細胞へのプラスミドのトランスフェクションはトランスポザーゼの一過性発現をもたらし、故にトランスフェクション後の初期には、トランスポゾンをゲノムDNAに組み込むのに十分なレベルでトランスポザーゼが発現される。一部の実施形態では、トランスポザーゼ自体はゲノムDNAに組み込まれず、それ故にトランスポザーゼの発現は時間と共に減少する。一部の実施形態では、トランスポザーゼ発現は、対応するトランスポゾンを約4時間未満、約8時間未満、約12時間未満、約24時間未満、約2日未満、約3日未満、約4日未満、約5日未満、約6日未満、約7日未満、約2週間未満、約3週間未満、約4週間未満、約週間未満、または約8週間未満にわたって組み込むのに十分なレベルで宿主細胞によって発現される。一部の実施形態では、カーゴDNAを切り出すことができる内因性トランスポザーゼを少なくとも宿主は発現しないため、宿主のゲノムに導入されるカーゴDNAは、その後宿主のゲノムから除去されない。
スリーピングビューティー(SB)は、サケ科の魚のゲノムに含まれる休眠因子から再構築される、トランスポゾンのTc/1マリナースーパーファミリーの合成メンバーである。SBトランスポゾンベースのトランスフェクションは、トランスポザーゼおよび、TAジヌクレオチドへの正確な組込みをもたらす逆方向反復/直列反復(IR/DR)配列を含有するトランスポゾンからなる2成分系である。トランスポゾンは、IR/DRと隣接している目的の発現カセットと共に設計される。SBトランスポザーゼは、スリーピングビューティートランスポゾンのIRに位置する特異的な結合部位に結合する。SBトランスポザーゼは、該触媒酵素の結合部位を含む逆方向末端反復と両側で隣接しているカーゴ配列をコードする可動性因子である、トランスポゾン(SB)の組込みを媒介する。SBが遺伝子配列を脊椎動物染色体にカットアンドペースト機構を通じてTA標的ジヌクレオチドで挿入すると、安定な発現が生じる。この系は、初代ヒト末梢血白血球を含む様々な脊椎動物細胞タイプを操作するのに使用されている。一部の実施形態では、細胞は、カーゴ遺伝子、例えば、SB IR配列と隣接している組換え受容体またはCARをコードする遺伝子を含むSBトランスポゾンと接触され、インキュベートされ、および/または処理される。特定の実施形態では、トランスフェクトされる細胞は、SB IR配列と隣接しているカーゴ遺伝子、例えばCARをコードする遺伝子を含むSBトランスポゾンを含むプラスミドと接触され、インキュベートされ、および/または処理される。ある特定の実施形態では、プラスミドはさらに、SB IR配列と隣接していないSBトランスポザーゼをコードする遺伝子を含む。
ピギーバック(PB)は、カーゴDNAを宿主の、例えばヒトのゲノムDNAに組み込むのに使用することができる別のトランスポゾン系である。PBトランスポザーゼは、トランスポゾンの両端に位置するPBトランスポゾン特異的逆方向末端反復配列(ITR)を認識し、内容物を元の部位から効率的に移動させ、それらをTTAA染色体部位に効率的に組み込む。PBトランスポゾン系は、PBベクターの2つのITR間の目的の遺伝子を標的ゲノムに動員できるようにする。PB系は、初代ヒト細胞を含む様々な脊椎動物細胞タイプを操作するのに使用されている。一部の実施形態では、トランスフェクトされる細胞は、PB IR配列と隣接しているカーゴ遺伝子、例えばCARをコードする遺伝子を含むPBトランスポゾンと接触され、インキュベートされ、および/または処理される。特定の実施形態では、トランスフェクトされる細胞は、PB IR配列と隣接しているカーゴ遺伝子、例えばCARをコードする遺伝子を含むPBトランスポゾンを含むプラスミドと接触され、インキュベートされ、および/または処理される。ある特定の実施形態では、プラスミドはさらに、PB IR配列と隣接していないSBトランスポザーゼをコードする遺伝子を含む。
一部の実施形態では、対象の方法において使用されるトランスポゾン/トランスポザーゼの様々なエレメント、例えばSBまたはPBベクターは、制限酵素切断、ライゲーションおよび分子クローニングの標準的な方法によって作製することができる。対象のベクターを構築するための1つのプロトコールは、以下の工程を含む。まず、所望の成分のヌクレオチド配列および外来配列を含有する精製された核酸断片が、最初の供給源、例えば、トランスポザーゼ遺伝子を含むベクター由来の制限エンドヌクレアーゼにより切断される。次いで、所望のヌクレオチド配列を含有する断片が、従来の分離方法を使用して、例えばアガロースゲル電気泳動によって、異なるサイズの不要な断片から分離される。所望の断片がゲルから切り出され、所望の配列、例えば、上に記載の対象のベクターの様々なエレメントに対応する配列を含有する環状核酸またはプラスミドが作製されるように、適切な立体配置で互いにライゲーションされる。所望する場合、そのように構築された環状分子は、次いで原核生物宿主、例えば大腸菌で増幅される。これらの工程に含まれる切断、プラスミド構築、細胞形質転換およびプラスミド生成の手順は当業者に周知であり、制限およびライゲーションに必要とされる酵素は市販されている。[例えば、R. Wu, Ed., Methods in Enzymology, Vol. 68, Academic Press, N.Y. (1979);T. Maniatis, E. F. Fritsch and J. Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1982);カタログ1982-83、New England Biolabs,Inc.;カタログ1982-83、Bethesda Research Laboratories,Inc.を参照。対象の方法において使用されるベクターの構築方法の例は、以下の実験の節で提供される。代表的なスリーピングビューティートランスポゾン系の調製は、WO98/40510およびWO99/25817にも開示されている]。
一部の実施形態では、トランスポゾンによる形質導入は、トランスポザーゼ遺伝子を含むプラスミド、およびトランスポザーゼによって認識される逆方向反復/直列反復(IR/DR)配列と隣接しているカーゴDNA配列を含有するトランスポゾンを含むプラスミドを用いて行われる。ある特定の実施形態では、カーゴDNA配列は、異種タンパク質、例えば、組換えT細胞受容体またはCARをコードする。一部の実施形態では、プラスミドは、トランスポザーゼおよびトランスポゾンを含む。一部の実施形態では、トランスポザーゼは、ユビキタスプロモーター、または標的細胞でのトランスポザーゼの発現を駆動するのに適した任意のプロモーターの制御下にある。ユビキタスプロモーターには、EF1a、CMB、SV40、PGK1、Ubc、ヒトβ-アクチン、CAG、TRE、UAS、Ac5、CaMKIIa、およびU6が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、カーゴDNAは、ゲノムDNAへのカーゴDNAの安定な組込みを有する細胞の選択を可能にする選択カセットを含む。適切な選択カセットには、カナマイシン耐性遺伝子、スペクチノマイシン耐性遺伝子、ストレプトマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、カルベニシリン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ブレオマイシン耐性遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子、およびポリミキシンB耐性遺伝子をコードする選択カセットが挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、トランスポゾンにより形質導入するための成分、例えば、SBトランスポザーゼおよびSBトランスポゾンを含むプラスミドが標的細胞に導入される。標的細胞の位置に応じて、標的細胞への系の成分のインビトロまたはインビボでの導入を提供することができる、任意の簡便なプロトコールが使用され得る。例えば、標的細胞が単離細胞である場合、系は、標的細胞の生存能を許容する細胞培養条件下で、例えば、標準的な形質転換法を使用して細胞に直接導入されてもよい。そのような手法には:ウイルス感染、形質転換、コンジュゲーション、プロトプラスト融合、電気穿孔、パーティクルガン技術、リン酸カルシウム沈殿、直接マイクロインジェクション、ウイルスベクターデリバリー等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。方法の選択は、一般に、形質転換される細胞のタイプ、および形質転換が行われる環境(すなわち、インビトロ、エクスビボ、またはインビボ)に依存する。これらの方法の一般的な考察は、Ausubel, et al, Short Protocols in Molecular Biology, 3rd ed., Wiley & Sons, 1995に見出すことができる。
一部の実施形態では、SBトランスポゾンおよびSBトランスポザーゼ供給源は、トランスポゾンを担持するベクターからの逆方向反復隣接核酸の切り出し、および標的細胞のゲノムへの切り出された核酸のその後の組込みに十分な条件下で、多細胞生物、例えば、哺乳動物またはヒトの標的細胞に導入される。一部の実施形態は、必要なトランスポザーゼ活性が、導入されたトランスポゾンと共に標的細胞に存在することを確保する工程をさらに含む。トランスポゾンベクター自体の構造、すなわち、トランスポザーゼ活性を有する産物をコードする領域をベクターが含むか否かに応じて、方法は、必要なトランスポザーゼ活性をコードする第2のベクターを標的細胞に導入することをさらに含み得る。
一部の実施形態では、細胞に導入されるトランスポゾンを含むベクター核酸の量およびトランスポザーゼをコードするベクター核酸の量は、所望の切り出しおよび標的細胞ゲノムへのトランスポゾン核酸の挿入をもたらすのに十分である。かくして、導入されるベクター核酸の量は、標的細胞に挿入されることが望まれる十分な量のトランスポザーゼ活性および核酸の十分なコピー数を提供するはずである。標的細胞に導入されるベクター核酸の量は、使用される特定の導入プロトコール、例えば、使用される特定のエクスビボ投与プロトコールの効率に応じて異なる。
ベクターDNAが必要なトランスポザーゼと組み合わせて標的細胞に侵入すると、逆方向反復と隣接しているベクターの核酸領域、すなわち、スリーピングビューティートランスポザーゼによって認識される逆方向反復の間に位置するベクター核酸は、提供されたトランスポザーゼを介してベクターから切り出され、標的化細胞のゲノムに挿入される。かくして、標的細胞へのベクターDNAの導入に続いて、その後のトランスポザーゼ媒介切り出しと、ベクターによって運ばれる外因性核酸の、標的化細胞のゲノムへの挿入が起こる。特定の実施形態では、ベクターは、SBトランスポゾンおよび/またはSBトランスポザーゼでトランスフェクトされる細胞の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、または少なくとも20%のゲノムに組み込まれる。一部の実施形態では、標的細胞ゲノムへの核酸の組込みは安定であり、すなわち、ベクター核酸は、一過性の期間を超えて標的細胞ゲノム中に存在したままであり、染色体遺伝物質の一部が標的細胞の子孫に受け継がれる。
ある特定の実施形態では、トランスポゾンは、様々なサイズの核酸、すなわちポリヌクレオチドを標的細胞ゲノムに組み込むのに使用される。一部の実施形態では、対象の方法を使用して標的細胞ゲノムに挿入されるDNAのサイズは、約0.1kb~200kb、約0.5kb~100kb、約1.0kb~約8.0kb、約1.0~約200kb、約1.0~約10kb、約10kb~約50kb、約50kb~約100kb、または約100kb~約200kbにわたる。一部の実施形態では、対象の方法を使用して標的細胞ゲノムに挿入されるDNAのサイズは、約1.0kb~約8.0kbにわたる。一部の実施形態では、対象の方法を使用して標的細胞ゲノムに挿入されるDNAのサイズは、約1.0~約200kbにわたる。特定の実施形態では、対象の方法を使用して標的細胞ゲノムに挿入されるDNAのサイズは、約1.0kb~約8.0kbにわたる。
D.細胞の培養および/または拡大
一部の実施形態では、提供される方法は、細胞を培養するための、例えば、増殖および/または拡大を促進する条件下で細胞を培養するための1つまたは複数の工程を含む。一部の実施形態では、細胞は、遺伝子操作する工程、例えば、組換えポリペプチドを形質導入またはトランスフェクションによって細胞に導入する工程に続いて、増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される。特定の実施形態では、細胞は、刺激条件下でインキュベートされ、組換えポリヌクレオチド、例えば、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドで形質導入またはトランスフェクトされた後に培養される。一部の実施形態では、培養は、濃縮T細胞の1つまたは複数の培養組成物を生成する。
ある特定の実施形態では、刺激T細胞および形質導入T細胞を含む濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物、例えば、そのようなCD4+およびCD8+ T細胞の別々の組成物が、例えば、細胞を製剤化する前に、増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される。一部の態様では、増殖および/または拡大の促進などのための培養の方法は、節I-Fなど、本明細書に提供される方法を含む。特定の実施形態では、濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物は、1つまたは複数の組成物が操作された後、例えば、形質導入またはトランスフェクトされた後に培養される。特定の実施形態では、1つまたは複数の組成物は操作された組成物である。特定の実施形態では、1つまたは複数の操作された組成物は前もって低温凍結および保管されており、培養の前に解凍される。
ある特定の実施形態では、操作されたT細胞の1つまたは複数の組成物は、濃縮T細胞の2つの別々の組成物であるか、またはこれを含む。特定の実施形態では、組換え受容体(例えば、CAR)と共に導入される濃縮T細胞の2つの別々の組成物、例えば、同じ生体試料から選択、単離、および/または濃縮された濃縮T細胞の2つの別々の組成物は、細胞の増殖および/または拡大を促進する条件下で別々に培養される。一部の実施形態では、条件は刺激条件である。ある特定の実施形態では、2つの別々の組成物は、濃縮CD4+ T細胞、例えば、組換え受容体をコードする核酸と共に導入され、および/または組換え受容体を発現する操作されたCD4+ T細胞の組成物を含む。特定の実施形態では、2つの別々の組成物は、濃縮CD8+ T細胞、例えば、組換え受容体をコードする核酸と共に導入され、および/または組換え受容体を発現する操作されたCD8+ T細胞の組成物を含む。一部の実施形態では、濃縮CD4+ T細胞および濃縮CD8+ T細胞、例えば、操作されたCD4+ T細胞および操作されたCD8+ T細胞の2つの別々の組成物は、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で別々に培養される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の単一組成物が培養される。ある特定の実施形態では、単一組成物は濃縮CD4+ T細胞の組成物である。一部の実施形態では、単一組成物は、培養の前に別々の組成物から組み合わされた濃縮CD4+およびCD8+ T細胞の組成物である。
一部の実施形態では、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される濃縮CD4+ T細胞の組成物、例えば操作されたCD4+ T細胞は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+ T細胞を含む。一部の実施形態では、組成物は、組換え受容体を発現する、および/または組換え受容体をコードする組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされている、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+ T細胞を含む。ある特定の実施形態では、培養される濃縮CD4+ T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD8+ T細胞を含む、および/またはCD8+ T細胞を含有しない、および/またはCD8+ T細胞がないかもしくは実質的にない。
一部の実施形態では、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される濃縮CD8+ T細胞、例えば操作されたCD8+ T細胞の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+ T細胞を含む。特定の実施形態では、組成物は、組換え受容体を発現する、および/または組換え受容体をコードする組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされている、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしく約100%のCD8+ T細胞を含む。ある特定の実施形態では、刺激条件下でインキュベートされる濃縮CD8+ T細胞の組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしくは0.01%未満のCD4+ T細胞を含む、および/またはCD4+ T細胞を含有しない、および/またはCD4+ T細胞がないかもしくは実質的にない。
一部の実施形態では、濃縮CD4+およびCD8+ T細胞の別々の組成物、例えば、操作されたCD4+および操作されたCD8+ T細胞の別々の組成物は、単一組成物へと組み合わされ、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される。特定の実施形態では、濃縮CD4+および濃縮CD8+ T細胞の別々の培養組成物は、培養が行われた、および/または完了した後に単一組成物へと組み合わされる。特定の実施形態では、濃縮CD4+およびCD8+ T細胞の別々の組成物、例えば、操作されたCD4+および操作されたCD8+ T細胞の別々の組成物は、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で別々に培養される。
一部の実施形態では、細胞、例えば操作された細胞は、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mL、1,000mL、1,200mL、1,400mL、1,600mL、1,800mL、2,000mL、2,200mL、もしくは2,400mLである、約100mL、約200mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mL、約1,000mL、約1,200mL、約1,400mL、約1,600mL、約1,800mL、約2,000mL、約2,200mL、もしくは約2,400mLである、または少なくとも100mL、少なくとも200mL、少なくとも300mL、少なくとも400mL、少なくとも500mL、少なくとも600mL、少なくとも700mL、少なくとも800mL、少なくとも900mL、少なくとも1,000mL、少なくとも1,200mL、少なくとも1,400mL、少なくとも1,600mL、少なくとも1,800mL、少なくとも2,000mL、少なくとも2,200mL、もしくは少なくとも2,400mLである培地の体積で培養される。一部の実施形態では、細胞は、後で異なる体積に調整される初期体積で培養される。特定の実施形態では、体積は後で培養中に調整される。特定の実施形態では、体積は培養中に初期体積から増量される。ある特定の実施形態では、体積は、培養中に細胞が密度を達成すると増量される。ある特定の実施形態では、初期体積は500mLであるか、または約500mLである。
特定の実施形態では、体積は、培養中に細胞が密度または濃度を達成すると初期体積から増量される。特定の実施形態では、細胞が0.1×10細胞/ml、0.2×10細胞/ml、0.4×10細胞/ml、0.6×10細胞/ml、0.8×10細胞/ml、1×10細胞/ml、1.2×10細胞/ml、1.4×10細胞/ml、1.6×10細胞/ml、1.8×10細胞/ml、2.0×10細胞/ml、2.5×10細胞/ml、3.0×10細胞/ml、3.5×10細胞/ml、4.0×10細胞/ml、4.5×10細胞/ml、5.0×10細胞/ml、6×10細胞/ml、8×10細胞/ml、もしくは10×10細胞/ml、約0.1×10細胞/ml、約0.2×10細胞/ml、約0.4×10細胞/ml、約0.6×10細胞/ml、約0.8×10細胞/ml、約1×10細胞/ml、約1.2×10細胞/ml、約1.4×10細胞/ml、約1.6×10細胞/ml、約1.8×10細胞/ml、約2.0×10細胞/ml、約2.5×10細胞/ml、約3.0×10細胞/ml、約3.5×10細胞/ml、約4.0×10細胞/ml、約4.5×10細胞/ml、約5.0×10細胞/ml、約6×10細胞/ml、約8×10細胞/ml、もしくは約10×10細胞/ml、または少なくとも0.1×10細胞/ml、少なくとも0.2×10細胞/ml、少なくとも0.4×10細胞/ml、少なくとも0.6×10細胞/ml、少なくとも0.8×10細胞/ml、少なくとも1×10細胞/ml、少なくとも1.2×10細胞/ml、少なくとも1.4×10細胞/ml、少なくとも1.6×10細胞/ml、少なくとも1.8×10細胞/ml、少なくとも2.0×10細胞/ml、少なくとも2.5×10細胞/ml、少なくとも3.0×10細胞/ml、少なくとも3.5×10細胞/ml、少なくとも4.0×10細胞/ml、少なくとも4.5×10細胞/ml、少なくとも5.0×10細胞/ml、少なくとも6×10細胞/ml、少なくとも8×10細胞/ml、もしくは少なくとも10×10細胞/mlの密度および/または濃度を達成すると増量される。一部の実施形態では、体積は、細胞が0.6×10細胞/ml、少なくとも0.6×10細胞/ml、または約0.6×10細胞/mlの密度および/または濃度を達成すると、体積は初期体積から増量される。一部の実施形態では、密度および/または濃度は、培養物中の生細胞の密度および/または濃度である。特定の実施形態では、細胞が0.1×10生細胞/ml、0.2×10生細胞/ml、0.4×10生細胞/ml、0.6×10生細胞/ml、0.8×10生細胞/ml、1×10生細胞/ml、1.2×10生細胞/ml、1.4×10生細胞/ml、1.6×10生細胞/ml、1.8×10生細胞/ml、2.0×10生細胞/ml、2.5×10生細胞/ml、3.0×10生細胞/ml、3.5×10生細胞/ml、4.0×10生細胞/ml、4.5×10生細胞/ml、5.0×10生細胞/ml、6×10生細胞/ml、8×10生細胞/ml、もしくは10×10生細胞/ml、約0.1×10生細胞/ml、約0.2×10生細胞/ml、約0.4×10生細胞/ml、約0.6×10生細胞/ml、約0.8×10生細胞/ml、約1×10生細胞/ml、約1.2×10生細胞/ml、約1.4×10生細胞/ml、約1.6×10生細胞/ml、約1.8×10生細胞/ml、約2.0×10生細胞/ml、約2.5×10生細胞/ml、約3.0×10生細胞/ml、約3.5×10生細胞/ml、約4.0×10生細胞/ml、約4.5×10生細胞/ml、約5.0×10生細胞/ml、約6×10生細胞/ml、約8×10生細胞/ml、もしくは約10×10生細胞/ml、または少なくとも0.1×10生細胞/ml、少なくとも0.2×10生細胞/ml、少なくとも0.4×10生細胞/ml、少なくとも0.6×10生細胞/ml、少なくとも0.8×10生細胞/ml、少なくとも1×10生細胞/ml、少なくとも1.2×10生細胞/ml、少なくとも1.4×10生細胞/ml、少なくとも1.6×10生細胞/ml、少なくとも1.8×10生細胞/ml、少なくとも2.0×10生細胞/ml、少なくとも2.5×10生細胞/ml、少なくとも3.0×10生細胞/ml、少なくとも3.5×10生細胞/ml、少なくとも4.0×10生細胞/ml、少なくとも4.5×10生細胞/ml、少なくとも5.0×10生細胞/ml、少なくとも6×10生細胞/ml、少なくとも8×10生細胞/ml、もしくは少なくとも10×10生細胞/mlの密度および/または濃度を達成すると増量される。一部の実施形態では、体積は、生細胞が0.6×10生細胞/ml、少なくとも0.6×10生細胞/ml、または約0.6×10生細胞/mlの密度および/または濃度を達成すると、体積は初期体積から増量される。一部の実施形態では、細胞または生細胞の密度および/または濃度は、デジタルホログラフィー顕微鏡法(DHM)または微分デジタルホログラフィー顕微鏡法(differential digital holography microscopy)(DDHM)を含む光学的方法を含む、記載されている方法の使用などによって、培養中に決定またはモニタリングすることができる。
一部の実施形態では、細胞は密度および/または濃度を達成し、体積は100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mL、1,000mL、1,200mL、1,400mL、1,600mL、1,800mL、2,000mL、2,200mLもしくは2,400mL、約100mL、約200mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mL、約1,000mL、約1,200mL、約1,400mL、約1,600mL、約1,800mL、約2,000mL、約2,200mLもしくは約2,400mL、または少なくとも100mL、少なくとも200mL、少なくとも300mL、少なくとも400mL、少なくとも500mL、少なくとも600mL、少なくとも700mL、少なくとも800mL、少なくとも900mL、少なくとも1,000mL、少なくとも1,200mL、少なくとも1,400mL、少なくとも1,600mL、少なくとも1,800mL、少なくとも2,000mL、少なくとも2,200mLもしくは少なくとも2,400mL増量される。一部の実施形態では、体積は500mL増量される。特定の実施形態では、体積は、500mL、600mL、700mL、800mL、900mL、1,000mL、1,200mL、1,400mL、1,600mL、1,800mL、2,000mL、2,200mLもしくは2,400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mL、約1,000mL、約1,200mL、約1,400mL、約1,600mL、約1,800mL、約2,000mL、約2,200mLもしくは約2,400mL、または少なくとも500mL、少なくとも600mL、少なくとも700mL、少なくとも800mL、少なくとも900mL、少なくとも1,000mL、少なくとも1,200mL、少なくとも1,400mL、少なくとも1,600mL、少なくとも1,800mL、少なくとも2,000mL、少なくとも2,200mLもしくは少なくとも2,400mLの体積に増量される。ある特定の実施形態では、体積は1,000mLの体積に増量される。ある特定の実施形態では、体積は1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10分ごとに、5mL、10mL、20mL、25mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、75mL、80mL、90mL、もしくは100mL、少なくとも5mL、少なくとも10mL、少なくとも20mL、少なくとも25mL、少なくとも30mL、少なくとも40mL、少なくとも50mL、少なくとも60mL、少なくとも70mL、少なくとも75mL、少なくとも80mL、少なくとも90mL、もしくは少なくとも100mL、または約5mL、約10mL、約20mL、約25mL、約30mL、約40mL、約50mL、約60mL、約70mL、約75mL、約80mL、約90mL、もしくは約100mLの速度で増量される。ある特定の実施形態では、速度は8分ごとに50mLであるか、または8分ごとに約50mLである。
一部の実施形態では、濃縮T細胞、例えば操作されたT細胞の組成物は、増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される。一部の実施形態では、そのような条件は、集団での細胞の増殖、拡大、活性化、および/または生存を誘導するように設計され得る。特定の実施形態では、刺激条件には、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、薬剤、例えば、栄養分、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えば、サイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、ならびに細胞の成長、分裂、および/または拡大を促進するように設計された任意の他の薬剤のうちの1つまたは複数を挙げることができる。
一部の実施形態では、培養は、ヒトTリンパ球などの初代免疫細胞の成長に適した温度、例えば、少なくとも摂氏約25度、一般に少なくとも約30度、および一般に摂氏37度または摂氏約37度を一般に含む条件下で行われる。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、25~38℃、例えば30~37℃の温度、例えば37℃±2℃または約37℃±2℃でインキュベートされる。一部の実施形態では、インキュベーションは、培養(culture)、例えば培養(cultivation)または拡大が、細胞の所望のまたは閾値の密度、濃度、数または用量をもたらすまでの期間実施される。一部の実施形態では、インキュベーションは、培養(culture)、例えば培養(cultivation)または拡大が、生細胞の所望のまたは閾値の密度、濃度、数または用量をもたらすまでの期間実施される。一部の実施形態では、インキュベーションは、24時間超、48時間超、72時間超、96時間超、5日間超、6日間超、7日間超、8日間超、9日間超もしくはそれ以上、または約24時間超、約48時間超、約72時間超、約96時間超、約5日間超、約6日間超、約7日間超、約8日間超、約9日間超もしくはそれ以上、または24時間、48時間、72時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間もしくはそれ以上、または約24時間、約48時間、約72時間、約96時間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間もしくはそれ以上である。一部の実施形態では、細胞の密度、濃度および/または数または用量は、デジタルホログラフィー顕微鏡法(DHM)または微分デジタルホログラフィー顕微鏡法(DDHM)を含む光学的方法を含む、記載されている方法の使用などによって、培養中に決定またはモニタリングすることができる。
一部の実施形態では、刺激試薬は、培養の前に細胞から除去および/または分離される。ある特定の実施形態では、刺激剤は、操作の後、操作された細胞を増殖および/または拡大を促進する、例えば条件下で培養する前に、細胞から除去および/または分離される。一部の実施形態では、刺激試薬は、本明細書において、例えば節I-B-1に記載されている刺激試薬である。特定の実施形態では、刺激試薬は、本明細書において、例えば節I-B-2に記載されているように細胞から除去および/または分離される。
特定の実施形態では、操作されたT細胞などの濃縮T細胞の組成物、例えば、操作されたCD4+ T細胞および操作されたCD8+ T細胞の別々の組成物は、1つまたは複数のサイトカインの存在下で培養される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは組換えサイトカインである。特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインはヒト組換えサイトカインである。ある特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、T細胞によって発現される、および/またはT細胞に対して内因性である受容体に結合する、および/または結合することができる。特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、サイトカインの4-アルファ-ヘリックスバンドルファミリーのメンバーであるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、サイトカインの4-アルファ-ヘリックスバンドルファミリーのメンバーには、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン15(IL-15)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、IL-15であるか、またはこれを含む。特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、IL-7であるか、またはこれを含む。特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、組換えIL-2であるか、またはこれを含む。
特定の実施形態では、操作されたCD4+ T細胞などの濃縮CD4+ T細胞の組成物は、組換えIL-2と共に培養される。一部の実施形態では、操作されたCD4+ T細胞などの濃縮CD4+ T細胞の組成物を組換えIL-2の存在下で培養することは、組成物のCD4+ T細胞が、培養工程中およびプロセス全体を通して生存、成長、拡大、および/または活性化し続ける可能性または確率を高める。一部の実施形態では、操作されたCD4+ T細胞などの濃縮CD4+ T細胞の組成物を組換えIL-2の存在下で培養することは、濃縮CD4+ T細胞、例えば、細胞療法に適した操作されたCD4+ T細胞のアウトプット組成物が、濃縮CD4+ T細胞の組成物から生成される可能性および/または確率を、濃縮CD4+ T細胞の組成物を組換えIL-2の存在下で培養しない代替のおよび/または例示的な方法と比較して少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、または少なくとも200% CD4+高める。
一部の実施形態では、操作されたCD4+ T細胞および操作されたCD8+ T細胞の別々の組成物などの細胞は、サイトカイン、例えば組換えヒトサイトカインと共に、1IU/ml~2,000IU/ml、10IU/ml~100IU/ml、50IU/ml~500IU/ml、100IU/ml~200IU/ml、500IU/ml~1400IU/ml、250IU/ml~500IU/ml、または500IU/ml~2,500IU/mlの濃度で培養される。
一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物、例えば、操作されたCD4+ T細胞およびCD8+ T細胞の別々の組成物は、組換えIL-2、例えばヒト組換えIL-2と共に、2IU/ml~500IU/ml、10IU/ml~250IU/ml、100IU/ml~500IU/ml、または100IU/ml~400IU/mlの濃度で培養される。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、IL-2と共に50IU/ml、75IU/ml、100IU/ml、125IU/ml、150IU/ml、175IU/ml、200IU/ml、225IU/ml、250IU/ml、300IU/ml、もしくは400IU/ml、または約50IU/ml、約75IU/ml、約100IU/ml、約125IU/ml、約150IU/ml、約175IU/ml、約200IU/ml、約225IU/ml、約250IU/ml、約300IU/ml、もしくは約400IU/mlの濃度で培養される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、組換えIL-2と共に200IU/mlの濃度で培養される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD4+ T細胞の組成物、例えば、操作されたCD4+ T細胞の組成物である。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、濃縮CD8+ T細胞の組成物、例えば、操作されたCD8+ T細胞の組成物である。
一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物、例えば、操作されたCD4+ T細胞およびCD8+ T細胞の別々の組成物は、IL-7、例えばヒト組換えIL-7と共に、10IU/ml~5,000IU/ml、500IU/ml~2,000IU/ml、600IU/ml~1,500IU/ml、500IU/ml~2,500IU/ml、750IU/ml~1,500IU/ml、または1,000IU/ml~2,000IU/mlの濃度で培養される。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、IL-7と共に100IU/ml、200IU/ml、300IU/ml、400IU/ml、500IU/ml、600IU/ml、700IU/ml、800IU/ml、900IU/ml、1,000IU/ml、1,200IU/ml、1,400IU/ml、もしくは1,600IU/ml、または約100IU/ml、約200IU/ml、約300IU/ml、約400IU/ml、約500IU/ml、約600IU/ml、約700IU/ml、約800IU/ml、約900IU/ml、約1,000IU/ml、約1,200IU/ml、約1,400IU/ml、もしくは約1,600IU/mlの濃度で培養される。一部の実施形態では、細胞は、組換えIL-7の存在下、1,200IU/mlまたは約1,200IU/mlの濃度で培養される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、操作されたCD4+ T細胞などの濃縮CD4+ T細胞の組成物である。
一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物、例えば、操作されたCD4+ T細胞およびCD8+ T細胞の別々の組成物は、IL-15、例えばヒト組換えIL-15と共に、0.1IU/ml~200IU/ml、1IU/ml~50IU/ml、5IU/ml~25IU/ml、25IU/ml~50IU/ml、5IU/ml~15IU/ml、または10IU/ml~100IU/mlの濃度で培養される。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、IL-15と共に約1IU/ml、2IU/ml、3IU/ml、4IU/ml、5IU/ml、6IU/ml、7IU/ml、8IU/ml、9IU/ml、10IU/ml、11IU/ml、12IU/ml、13IU/ml、14IU/ml、15IU/ml、20IU/ml、25IU/ml、30IU/ml、40IU/ml、50IU/ml、100IU/ml、もしくは200IU/ml、または約1IU/ml、約2IU/ml、約3IU/ml、約4IU/ml、約5IU/ml、約6IU/ml、約7IU/ml、約8IU/ml、約9IU/ml、約10IU/ml、約11IU/ml、約12IU/ml、約13IU/ml、約14IU/ml、約15IU/ml、約20IU/ml、約25IU/ml、約30IU/ml、約40IU/ml、約50IU/ml、約100IU/ml、もしくは約200IU/mlの濃度で培養される。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、組換えIL-15と共に20IU/mlの濃度で培養される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、操作されたCD4+ T細胞などの濃縮CD4+ T細胞の組成物である。特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、操作されたCD8+ T細胞などの濃縮CD8+ T細胞の組成物である。
特定の実施形態では、操作されたCD8+ T細胞などの濃縮CD8+ T細胞の組成物は、記載されているような量などのIL-2および/またはIL-15の存在下で培養される。ある特定の実施形態では、操作されたCD4+ T細胞などの濃縮CD4+ T細胞の組成物は、記載されているような量などのIL-2、IL-7、および/またはIL-15の存在下で培養される。一部の実施形態では、IL-2、IL-7、および/またはIL-15は、組換えである。ある特定の実施形態では、IL-2、IL-7、および/またはIL-15は、ヒトである。特定の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインは、ヒト組換えIL-2、IL-7、および/またはIL-15であるか、またはこれらを含む。
特定の実施形態では、培養は閉鎖系で行われる。ある特定の実施形態では、培養は滅菌条件下の閉鎖系で行われる。特定の実施形態では、培養は、提供された系の1つまたは複数の工程と同じ閉鎖系で行われる。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は閉鎖系から取り出され、培養用のバイオリアクターに入れられ、および/または接続される。培養用の適切なバイオリアクターの例には、GE Xuri W25、GE Xuri W5、Sartorius BioSTAT RM 20 | 50、Finesse SmartRocker Bioreactor Systems、およびPall XRS Bioreactor Systemsが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、バイオリアクターは、培養工程の少なくとも一部の間に、細胞を灌流および/または混合するのに使用される。
一部の実施形態では、閉じ込められ、接続されている間に培養された細胞、および/またはバイオリアクターの制御下で培養された細胞は、バイオリアクターなしで培養された細胞、例えば、混合、揺動、運動、および/または灌流なしなどの静的条件下で培養された細胞より迅速に培養中に拡大する。一部の実施形態では、閉じ込められ、接続されている間に培養された細胞、および/またはバイオリアクターの制御下で培養された細胞は、14日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、60時間、48時間、36時間、24時間、または12時間以内に閾値の拡大、細胞計数、および/または密度に達するか、またはそれらを達成する。一部の実施形態では、閉じ込められ、接続されている間に培養された細胞、および/またはバイオリアクターの制御下で培養された細胞は、細胞が閉じ込められ、接続されている間に培養されない、および/またはバイオリアクターの制御下で培養されない例示的なおよび/または代替のプロセスで培養された細胞より、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、閾値の拡大、細胞計数、および/または密度に達するか、またはそれらを達成する。
一部の実施形態では、混合は、揺動および/または運動であるか、またはこれらを含む。一部の例では、バイオリアクターは運動または揺動に供されてもよく、これは一部の態様では酸素移動を増加させることができる。バイオリアクターの運動は、水平軸に沿った回転、垂直軸に沿った回転、バイオリアクターの傾いたもしくは傾斜した水平軸に沿った揺動運動、またはそれらの任意の組合せが挙げられ得るが、これらに限定されない。一部の実施形態では、インキュベーションの少なくとも一部は揺動により実施される。揺動速度および揺動角度は、所望の撹拌を達成するように調整することができる。一部の実施形態では揺動角度は、20°、19°、18°、17°、16°、15°、14°、13°、12°、11°、10°、9°、8°、7°、6°、5°、4°、3°、2°または1°である。ある特定の実施形態では、揺動角度は6~16°である。他の実施形態では、揺動角度は7~16°である。他の実施形態では、揺動角度は8~12°である。一部の実施形態では、揺動速度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、1 12、13、14 15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40rpmである。一部の実施形態では、揺動速度は、4~12rpm、例えば4rpm以上6rpm以下である。
一部の実施形態では、バイオリアクターは、0.01L/分、0.05L/分、0.1L/分、0.2L/分、0.3L/分、0.4L/分、0.5L/分、1.0L/分、1.5L/分、もしくは2.0L/分もしくは2.0L/分超、または約0.01L/分、約0.05L/分、約0.1L/分、約0.2L/分、約0.3L/分、約0.4L/分、約0.5L/分、約1.0L/分、約1.5L/分、もしくは約2.0L/分もしくは約2.0L/分超、または少なくとも0.01L/分、少なくとも0.05L/分、少なくとも0.1L/分、少なくとも0.2L/分、少なくとも0.3L/分、少なくとも0.4L/分、少なくとも0.5L/分、少なくとも1.0L/分、少なくとも1.5L/分、もしくは少なくとも2.0L/分もしくは少なくとも2.0L/分超の定常気流で37℃または37℃付近の温度、および5%または5%付近のCOレベルを維持する。ある特定の実施形態では、培養の少なくとも一部は、例えば培養の開始に関するタイミングおよび/または培養細胞の密度に応じて、灌流により、例えば、290ml/日、580ml/日、および/または1160ml/日の速度で行われる。一部の実施形態では、細胞培養拡大の少なくとも一部は、揺動運動により、例えば5°~10°、例えば6°の角度で、5~15rpm、例えば6rpmまたは10rpmの速度などの一定の揺動速度で行われる。
一部の実施形態では、培養工程の少なくとも一部は、一定の灌流、例えば遅い定常速度の灌流下で行われる。一部の実施形態では、灌流は、液体、例えば使用された培地の流出および新鮮な培地の流入であるか、またはこれを含む。ある特定の実施形態では、灌流は、使用された培地を新鮮な培地と交換する。一部の実施形態では、培養の少なくとも一部は、灌流下、100ml/日、200ml/日、250ml/日、275ml/日、290ml/日、300ml/日、350ml/日、400ml/日、450ml/日、500ml/日、550ml/日、575ml/日、580ml/日、600ml/日、650ml/日、700ml/日、750ml/日、800ml/日、850ml/日、900ml/日、950ml/日、1000ml/日、1100ml/日、1160ml/日、1200ml/日、1400ml/日、1600ml/日、1800ml/日、2000ml/日、2200ml/日、もしくは2400ml/日、または約100ml/日、約200ml/日、約250ml/日、約275ml/日、約290ml/日、約300ml/日、約350ml/日、約400ml/日、約450ml/日、約500ml/日、約550ml/日、約575ml/日、約580ml/日、約600ml/日、約650ml/日、約700ml/日、約750ml/日、約800ml/日、約850ml/日、約900ml/日、約950ml/日、約1000ml/日、約1100ml/日、約1160ml/日、約1200ml/日、約1400ml/日、約1600ml/日、約1800ml/日、約2000ml/日、約2200ml/日、もしくは約2400ml/日、または少なくとも100ml/日、少なくとも200ml/日、少なくとも250ml/日、少なくとも275ml/日、少なくとも290ml/日、少なくとも300ml/日、少なくとも350ml/日、少なくとも400ml/日、少なくとも450ml/日、少なくとも500ml/日、少なくとも550ml/日、少なくとも575ml/日、少なくとも580ml/日、少なくとも600ml/日、少なくとも650ml/日、少なくとも700ml/日、少なくとも750ml/日、少なくとも800ml/日、少なくとも850ml/日、少なくとも900ml/日、少なくとも950ml/日、少なくとも1000ml/日、少なくとも1100ml/日、少なくとも1160ml/日、少なくとも1200ml/日、少なくとも1400ml/日、少なくとも1600ml/日、少なくとも1800ml/日、少なくとも2000ml/日、少なくとも2200ml/日、もしくは少なくとも2400ml/日の定常速度で行われる。
特定の実施形態では、培養は灌流なしの条件下で開始され、灌流は一定および/または所定の時間後、例えば、培養の始まりまたは開始の12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、もしくは72時間超後、または約12時間、約24時間、約36時間、約48時間、約60時間、約72時間、もしくは約72時間超後、または少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、少なくとも48時間、少なくとも60時間、少なくとも72時間、もしくは少なくとも72時間超後に開始される。特定の実施形態では、細胞の密度または濃度が一定または所定の密度または濃度に達すると、灌流が開始される。一部の実施形態では、培養細胞が、0.1×10細胞/ml、0.2×10細胞/ml、0.4×10細胞/ml、0.6×10細胞/ml、0.8×10細胞/ml、1×10細胞/ml、1.2×10細胞/ml、1.4×10細胞/ml、1.6×10細胞/ml、1.8×10細胞/ml、2.0×10細胞/ml、2.5×10細胞/ml、3.0×10細胞/ml、3.5×10細胞/ml、4.0×10細胞/ml、4.5×10細胞/ml、5.0×10細胞/ml、6×10細胞/ml、8×10細胞/ml、もしくは10×10細胞/ml、約0.1×10細胞/ml、約0.2×10細胞/ml、約0.4×10細胞/ml、約0.6×10細胞/ml、約0.8×10細胞/ml、約1×10細胞/ml、約1.2×10細胞/ml、約1.4×10細胞/ml、約1.6×10細胞/ml、約1.8×10細胞/ml、約2.0×10細胞/ml、約2.5×10細胞/ml、約3.0×10細胞/ml、約3.5×10細胞/ml、約4.0×10細胞/ml、約4.5×10細胞/ml、約5.0×10細胞/ml、約6×10細胞/ml、約8×10細胞/ml、もしくは約10×10細胞/ml、または少なくとも0.1×10細胞/ml、少なくとも0.2×10細胞/ml、少なくとも0.4×10細胞/ml、少なくとも0.6×10細胞/ml、少なくとも0.8×10細胞/ml、少なくとも1×10細胞/ml、少なくとも1.2×10細胞/ml、少なくとも1.4×10細胞/ml、少なくとも1.6×10細胞/ml、少なくとも1.8×10細胞/ml、少なくとも2.0×10細胞/ml、少なくとも2.5×10細胞/ml、少なくとも3.0×10細胞/ml、少なくとも3.5×10細胞/ml、少なくとも4.0×10細胞/ml、少なくとも4.5×10細胞/ml、少なくとも5.0×10細胞/ml、少なくとも6×10細胞/ml、少なくとも8×10細胞/ml、もしくは少なくとも10×10細胞/mlの密度または濃度に達すると、灌流が開始される。特定の実施形態では、生細胞の密度または濃度が一定または所定の密度または濃度に達すると、灌流が開始される。一部の実施形態では、培養生細胞が、0.1×10生細胞/ml、0.2×10生細胞/ml、0.4×10生細胞/ml、0.6×10生細胞/ml、0.8×10生細胞/ml、1×10生細胞/ml、1.2×10生細胞/ml、1.4×10生細胞/ml、1.6×10生細胞/ml、1.8×10生細胞/ml、2.0×10生細胞/ml、2.5×10生細胞/ml、3.0×10生細胞/ml、3.5×10生細胞/ml、4.0×10生細胞/ml、4.5×10生細胞/ml、5.0×10生細胞/ml、6×10生細胞/ml、8×10生細胞/ml、もしくは10×10生細胞/ml、約0.1×10生細胞/ml、約0.2×10生細胞/ml、約0.4×10生細胞/ml、約0.6×10生細胞/ml、約0.8×10生細胞/ml、約1×10生細胞/ml、約1.2×10生細胞/ml、約1.4×10生細胞/ml、約1.6×10生細胞/ml、約1.8×10生細胞/ml、約2.0×10生細胞/ml、約2.5×10生細胞/ml、約3.0×10生細胞/ml、約3.5×10生細胞/ml、約4.0×10生細胞/ml、約4.5×10生細胞/ml、約5.0×10生細胞/ml、約6×10生細胞/ml、約8×10生細胞/ml、もしくは約10×10生細胞/ml、または少なくとも0.1×10生細胞/ml、少なくとも0.2×10生細胞/ml、少なくとも0.4×10生細胞/ml、少なくとも0.6×10生細胞/ml、少なくとも0.8×10生細胞/ml、少なくとも1×10生細胞/ml、少なくとも1.2×10生細胞/ml、少なくとも1.4×10生細胞/ml、少なくとも1.6×10生細胞/ml、少なくとも1.8×10生細胞/ml、少なくとも2.0×10生細胞/ml、少なくとも2.5×10生細胞/ml、少なくとも3.0×10生細胞/ml、少なくとも3.5×10生細胞/ml、少なくとも4.0×10生細胞/ml、少なくとも4.5×10生細胞/ml、少なくとも5.0×10生細胞/ml、少なくとも6×10生細胞/ml、少なくとも8×10生細胞/ml、もしくは少なくとも10×10生細胞/mlの密度または濃度に達すると、灌流が開始される。
特定の実施形態では、灌流は培養中に異なる速さで行われる。例えば、一部の実施形態では、灌流の速度は培養細胞の密度および/または濃度に依存する。ある特定の実施形態では、灌流の速度は、細胞が一定または所定の密度または濃度に達すると増加される。灌流速度は変化し得、例えば、培養中に1つの一定の灌流速度から増加した一定の灌流速度に、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、5倍超、10倍超、15倍超、20倍超、25倍超、50倍超、または100倍超変化し得る。一部の実施形態では、一定の灌流速度は、細胞が0.6×10細胞/ml、0.8×10細胞/ml、1×10細胞/ml、1.2×10細胞/ml、1.4×10細胞/ml、1.6×10細胞/ml、1.8×10細胞/ml、2.0×10細胞/ml、2.5×10細胞/ml、3.0×10細胞/ml、3.5×10細胞/ml、4.0×10細胞/ml、4.5×10細胞/ml、5.0×10細胞/ml、6×10細胞/ml、8×10細胞/ml、もしくは10×10細胞/ml、約0.6×10細胞/ml、約0.8×10細胞/ml、約1×10細胞/ml、約1.2×10細胞/ml、約1.4×10細胞/ml、約1.6×10細胞/ml、約1.8×10細胞/ml、約2.0×10細胞/ml、約2.5×10細胞/ml、約3.0×10細胞/ml、約3.5×10細胞/ml、約4.0×10細胞/ml、約4.5×10細胞/ml、約5.0×10細胞/ml、約6×10細胞/ml、約8×10細胞/ml、もしくは約10×10細胞/ml、または少なくとも0.6×10細胞/ml、少なくとも0.8×10細胞/ml、少なくとも1×10細胞/ml、少なくとも1.2×10細胞/ml、少なくとも1.4×10細胞/ml、少なくとも1.6×10細胞/ml、少なくとも1.8×10細胞/ml、少なくとも2.0×10細胞/ml、少なくとも2.5×10細胞/ml、少なくとも3.0×10細胞/ml、少なくとも3.5×10細胞/ml、少なくとも4.0×10細胞/ml、少なくとも4.5×10細胞/ml、少なくとも5.0×10細胞/ml、少なくとも6×10細胞/ml、少なくとも8×10細胞/ml、もしくは少なくとも10×10細胞/mlの一定または所定の細胞密度または濃度に達すると増加する。一部の実施形態では、一定の灌流速度は、細胞が0.6×10生細胞/ml、0.8×10生細胞/ml、1×10生細胞/ml、1.2×10生細胞/ml、1.4×10生細胞/ml、1.6×10生細胞/ml、1.8×10生細胞/ml、2.0×10生細胞/ml、2.5×10生細胞/ml、3.0×10生細胞/ml、3.5×10生細胞/ml、4.0×10生細胞/ml、4.5×10生細胞/ml、5.0×10生細胞/ml、6×10生細胞/ml、8×10生細胞/ml、もしくは10×10生細胞/ml、約0.6×10生細胞/ml、約0.8×10生細胞/ml、約1×10生細胞/ml、約1.2×10生細胞/ml、約1.4×10生細胞/ml、約1.6×10生細胞/ml、約1.8×10生細胞/ml、約2.0×10生細胞/ml、約2.5×10生細胞/ml、約3.0×10生細胞/ml、約3.5×10生細胞/ml、約4.0×10生細胞/ml、約4.5×10生細胞/ml、約5.0×10生細胞/ml、約6×10生細胞/ml、約8×10生細胞/ml、もしくは約10×10生細胞/ml、または少なくとも0.6×10生細胞/ml、少なくとも0.8×10生細胞/ml、少なくとも1×10生細胞/ml、少なくとも1.2×10生細胞/ml、少なくとも1.4×10生細胞/ml、少なくとも1.6×10生細胞/ml、少なくとも1.8×10生細胞/ml、少なくとも2.0×10生細胞/ml、少なくとも2.5×10生細胞/ml、少なくとも3.0×10生細胞/ml、少なくとも3.5×10生細胞/ml、少なくとも4.0×10生細胞/ml、少なくとも4.5×10生細胞/ml、少なくとも5.0×10生細胞/ml、少なくとも6×10生細胞/ml、少なくとも8×10生細胞/ml、もしくは少なくとも10×10生細胞/mlの一定または所定の生細胞密度または濃度に達すると増加する。一部の実施形態では、培養中の、例えば灌流下の細胞または生細胞の密度および/または濃度は、デジタルホログラフィー顕微鏡法(DHM)または微分デジタルホログラフィー顕微鏡法(DDHM)を含む光学的方法を含む、記載されている方法の使用などによって決定またはモニタリングすることができる。
一部の実施形態では、培養は灌流なしの条件下で開始され、細胞の密度または濃度が一定または所定の密度または濃度に達すると、灌流が開始される。一部の実施形態では、細胞の密度または濃度が一定または所定の密度または濃度に達すると、100ml/日、200ml/日、250ml/日、275ml/日、290ml/日、300ml/日、350ml/日、400ml/日、450ml/日、500ml/日、550ml/日、575ml/日、580ml/日、600ml/日、650ml/日、700ml/日、750ml/日、800ml/日、850ml/日、900ml/日、950ml/日、1000ml/日、1100ml/日、1160ml/日、1200ml/日、1400ml/日、1600ml/日、1800ml/日、2000ml/日、2200ml/日、もしくは2400ml/日、約100ml/日、約200ml/日、約250ml/日、約275ml/日、約290ml/日、約300ml/日、約350ml/日、約400ml/日、約450ml/日、約500ml/日、約550ml/日、約575ml/日、約580ml/日、約600ml/日、約650ml/日、約700ml/日、約750ml/日、約800ml/日、約850ml/日、約900ml/日、約950ml/日、約1000ml/日、約1100ml/日、約1160ml/日、約1200ml/日、約1400ml/日、約1600ml/日、約1800ml/日、約2000ml/日、約2200ml/日、もしくは約2400ml/日、または少なくとも100ml/日、少なくとも200ml/日、少なくとも250ml/日、少なくとも275ml/日、少なくとも290ml/日、少なくとも300ml/日、少なくとも350ml/日、少なくとも400ml/日、少なくとも450ml/日、少なくとも500ml/日、少なくとも550ml/日、少なくとも575ml/日、少なくとも580ml/日、少なくとも600ml/日、少なくとも650ml/日、少なくとも700ml/日、少なくとも750ml/日、少なくとも800ml/日、少なくとも850ml/日、少なくとも900ml/日、少なくとも950ml/日、少なくとも1000ml/日、少なくとも1100ml/日、少なくとも1160ml/日、少なくとも1200ml/日、少なくとも1400ml/日、少なくとも1600ml/日、少なくとも1800ml/日、少なくとも2000ml/日、少なくとも2200ml/日、もしくは少なくとも2400ml/日の速度で灌流が開始される。一部の実施形態では、培養細胞または培養生細胞が、0.1×10細胞/ml、0.2×10細胞/ml、0.4×10細胞/ml、0.6×10細胞/ml、0.8×10細胞/ml、1×10細胞/ml、1.2×10細胞/ml、1.4×10細胞/ml、1.6×10細胞/ml、1.8×10細胞/ml、2.0×10細胞/ml、2.5×10細胞/ml、3.0×10細胞/ml、3.5×10細胞/ml、4.0×10細胞/ml、4.5×10細胞/ml、5.0×10細胞/ml、6×10細胞/ml、8×10細胞/ml、もしくは10×10細胞/ml、約0.1×10細胞/ml、約0.2×10細胞/ml、約0.4×10細胞/ml、約0.6×10細胞/ml、約0.8×10細胞/ml、約1×10細胞/ml、約1.2×10細胞/ml、約1.4×10細胞/ml、約1.6×10細胞/ml、約1.8×10細胞/ml、約2.0×10細胞/ml、約2.5×10細胞/ml、約3.0×10細胞/ml、約3.5×10細胞/ml、約4.0×10細胞/ml、約4.5×10細胞/ml、約5.0×10細胞/ml、約6×10細胞/ml、約8×10細胞/ml、もしくは約10×10細胞/ml、または少なくとも0.1×10細胞/ml、少なくとも0.2×10細胞/ml、少なくとも0.4×10細胞/ml、少なくとも0.6×10細胞/ml、少なくとも0.8×10細胞/ml、少なくとも1×10細胞/ml、少なくとも1.2×10細胞/ml、少なくとも1.4×10細胞/ml、少なくとも1.6×10細胞/ml、少なくとも1.8×10細胞/ml、少なくとも2.0×10細胞/ml、少なくとも2.5×10細胞/ml、少なくとも3.0×10細胞/ml、少なくとも3.5×10細胞/ml、少なくとも4.0×10細胞/ml、少なくとも4.5×10細胞/ml、少なくとも5.0×10細胞/ml、少なくとも6×10細胞/ml、少なくとも8×10細胞/ml、もしくは少なくとも10×10細胞/mlの密度または濃度に達すると、灌流が開始される。
ある特定の実施形態では、培養の少なくとも一部は、ある特定の速度の灌流により行われ、灌流速度は、細胞の密度または濃度が一定または所定の密度または濃度に達すると、100ml/日、200ml/日、250ml/日、275ml/日、290ml/日、300ml/日、350ml/日、400ml/日、450ml/日、500ml/日、550ml/日、575ml/日、580ml/日、600ml/日、650ml/日、700ml/日、750ml/日、800ml/日、850ml/日、900ml/日、950ml/日、1000ml/日、1100ml/日、1160ml/日、1200ml/日、1400ml/日、1600ml/日、1800ml/日、2000ml/日、2200ml/日、もしくは2400ml/日、約100ml/日、約200ml/日、約250ml/日、約275ml/日、約290ml/日、約300ml/日、約350ml/日、約400ml/日、約450ml/日、約500ml/日、約550ml/日、約575ml/日、約580ml/日、約600ml/日、約650ml/日、約700ml/日、約750ml/日、約800ml/日、約850ml/日、約900ml/日、約950ml/日、約1000ml/日、約1100ml/日、約1160ml/日、約1200ml/日、約1400ml/日、約1600ml/日、約1800ml/日、約2000ml/日、約2200ml/日、もしくは約2400ml/日、または少なくとも100ml/日、少なくとも200ml/日、少なくとも250ml/日、少なくとも275ml/日、少なくとも290ml/日、少なくとも300ml/日、少なくとも350ml/日、少なくとも400ml/日、少なくとも450ml/日、少なくとも500ml/日、少なくとも550ml/日、少なくとも575ml/日、少なくとも580ml/日、少なくとも600ml/日、少なくとも650ml/日、少なくとも700ml/日、少なくとも750ml/日、少なくとも800ml/日、少なくとも850ml/日、少なくとも900ml/日、少なくとも950ml/日、少なくとも1000ml/日、少なくとも1100ml/日、少なくとも1160ml/日、少なくとも1200ml/日、少なくとも1400ml/日、少なくとも1600ml/日、少なくとも1800ml/日、少なくとも2000ml/日、少なくとも2200ml/日、もしくは少なくとも2400ml/日に増加される。一部の実施形態では、培養細胞または培養生細胞が、0.1×10細胞/ml、0.2×10細胞/ml、0.4×10細胞/ml、0.6×10細胞/ml、0.8×10細胞/ml、1×10細胞/ml、1.2×10細胞/ml、1.4×10細胞/ml、1.6×10細胞/ml、1.8×10細胞/ml、2.0×10細胞/ml、2.5×10細胞/ml、3.0×10細胞/ml、3.5×10細胞/ml、4.0×10細胞/ml、4.5×10細胞/ml、5.0×10細胞/ml、6×10細胞/ml、8×10細胞/ml、もしくは10×10細胞/ml、約0.1×10細胞/ml、約0.2×10細胞/ml、約0.4×10細胞/ml、約0.6×10細胞/ml、約0.8×10細胞/ml、約1×10細胞/ml、約1.2×10細胞/ml、約1.4×10細胞/ml、約1.6×10細胞/ml、約1.8×10細胞/ml、約2.0×10細胞/ml、約2.5×10細胞/ml、約3.0×10細胞/ml、約3.5×10細胞/ml、約4.0×10細胞/ml、約4.5×10細胞/ml、約5.0×10細胞/ml、約6×10細胞/ml、約8×10細胞/ml、もしくは約10×10細胞/ml、または少なくとも0.1×10細胞/ml、少なくとも0.2×10細胞/ml、少なくとも0.4×10細胞/ml、少なくとも0.6×10細胞/ml、少なくとも0.8×10細胞/ml、少なくとも1×10細胞/ml、少なくとも1.2×10細胞/ml、少なくとも1.4×10細胞/ml、少なくとも1.6×10細胞/ml、少なくとも1.8×10細胞/ml、少なくとも2.0×10細胞/ml、少なくとも2.5×10細胞/ml、少なくとも3.0×10細胞/ml、少なくとも3.5×10細胞/ml、少なくとも4.0×10細胞/ml、少なくとも4.5×10細胞/ml、少なくとも5.0×10細胞/ml、少なくとも6×10細胞/ml、少なくとも8×10細胞/ml、もしくは少なくとも10×10細胞/mlの密度または濃度に達すると、灌流が開始される。一部の実施形態では、細胞が300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mL、もしくは1000mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mL、もしくは約1000mL、または少なくとも300mL、少なくとも400mL、少なくとも500mL、少なくとも600mL、少なくとも700mL、少なくとも800mL、少なくとも900mL、もしくは少なくとも1000mLの体積で培養される場合に灌流が行われる。一部の実施形態では、体積は1000mLである。
ある特定の実施形態では、培養は、灌流なしかまたはある特定の速度の灌流のいずれかによる条件下で開始され、細胞の密度または濃度が0.61×10細胞/ml、約0.61×10細胞/ml、または少なくとも0.61×10細胞/mlの濃度に達すると、灌流速度が290ml/日、約290ml/日、または少なくとも290ml/日に増加される。ある特定の実施形態では、細胞が1000mL、約1000mL、または少なくとも1000mLの体積で培養される場合、細胞の密度または濃度が0.61×10細胞/ml、約0.61×10細胞/ml、または少なくとも0.61×10細胞/mlの濃度に達すると、細胞は290ml/日、約290ml/日、または少なくとも290ml/日の速度で灌流される。一部の実施形態では、細胞の密度または濃度が0.81×10細胞/ml、約0.81×10細胞/ml、または少なくとも0.81×10細胞/mlの濃度に達すると、灌流速度は580ml/日、約580ml/日、または少なくとも580ml/日に増加される。ある特定の実施形態では、細胞の密度または濃度が1.01×10細胞/ml、約1.01×10細胞/ml、または少なくとも1.01×10細胞/mlの濃度に達すると、灌流速度は1160ml/日、約1160ml/日、または少なくとも1160ml/日に増加される。一部の実施形態では、細胞の密度または濃度が1.2×10細胞/ml、約1.2×10細胞/ml、または少なくとも1.2×10細胞/mlの濃度に達すると、灌流速度は1160ml/日、約1160ml/日、または少なくとも1160ml/日に増加される。
提供された実施形態の態様では、本明細書および上に記載の灌流が開始または増加されるタイミングを含む灌流の速度は、培養中に細胞の密度および/もしくは濃度を評価する、または生細胞の密度および/もしくは濃度を評価することから決定される。一部の実施形態では、細胞の密度および/または濃度は、デジタルホログラフィー顕微鏡法(DHM)または微分デジタルホログラフィー顕微鏡法(DDHM)を含む光学的方法を含む、記載されている方法を使用して決定することができる。
一部の実施形態では、操作されたT細胞、例えば、操作されたCD4+ T細胞または操作されたCD8+ T細胞などの濃縮細胞の組成物は、界面活性剤の存在下で培養される。特定の実施形態では、組成物の細胞を培養することは、培養中、例えば、混合、揺動、運動、および/または灌流により生じ得るせん断応力の量を低減する。特定の実施形態では、操作されたT細胞、例えば、操作されたCD4+ T細胞または操作されたCD8+ T細胞などの濃縮T細胞の組成物は、界面活性剤と共に培養され、培養中または培養が完了した少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、または7日超後に、T細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%が生存し、例えば、生存可能であり、および/または壊死、プログラム細胞死、もしくはアポトーシスを起こさない。特定の実施形態では、操作されたT細胞、例えば、操作されたCD4+ T細胞または操作されたCD8+ T細胞などの濃縮細胞の組成物は、界面活性剤の存在下で培養され、細胞の50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満または0.01% 未満が、せん断応力またはせん断誘発応力などによる細胞死、例えば、プログラム細胞死、アポトーシス、および/または壊死を起こさない。
特定の実施形態では、操作されたT細胞、例えば、操作されたCD4+ T細胞または操作されたCD8+ T細胞などの濃縮細胞の組成物は、0.1μl/ml~10.0μl/ml、0.2μl/ml~2.5μl/ml、0.5μl/ml~5μl/ml、1μl/ml~3μl/ml、または2μl/ml~4μl/mlの界面活性剤の存在下で培養される。一部の実施形態では、操作されたT細胞、例えば、操作されたCD4+ T細胞または操作されたCD8+ T細胞などの濃縮細胞の組成物は、0.1μl/ml、0.2μl/ml、0.4μl/ml、0.6μl/ml、0.8μl/ml、1μl/ml、1.5μl/ml、2μl/ml、2.5μl/ml、5μl/ml、10μl/ml、25μl/ml、もしくは50μl/ml、約0.1μl/ml、約0.2μl/ml、約0.4μl/ml、約0.6μl/ml、約0.8μl/ml、約1μl/ml、約1.5μl/ml、約2μl/ml、約2.5μl/ml、約5μl/ml、約10μl/ml、約25μl/ml、もしくは約50μl/ml、または少なくとも0.1μl/ml、少なくとも0.2μl/ml、少なくとも0.4μl/ml、少なくとも0.6μl/ml、少なくとも0.8μl/ml、少なくとも1μl/ml、少なくとも1.5μl/ml、少なくとも2μl/ml、少なくとも2.5μl/ml、少なくとも5μl/ml、少なくとも10μl/ml、少なくとも25μl/ml、もしくは少なくとも50μl/mlの界面活性剤の存在下で培養される。ある特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、2μl/mlまたは約2μl/mlの界面活性剤の存在下で培養される。
一部の実施形態では、界面活性剤は、液体および/または固体の表面張力を低減する薬剤であるか、またはこれを含む。例えば、界面活性剤には、脂肪アルコール(例えば、ステリルアルコール)、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル(例えば、Triton X-100)、またはポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(例えば、ポリソルベート20、40、60)が挙げられる。ある特定の実施形態では界面活性剤は、ポリソルベート80(PS80)、ポリソルベート20(PS20)、ポロキサマー188(P188)からなる群から選択される。例示的な実施形態では、合成流加培地の界面活性剤の濃度は、PS80約0.0025%~約0.25%(v/v);PS20約0.0025%~約0.25%(v/v);またはP188約0.1%~約5.0%(w/v)である。
一部の実施形態では、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、またはそれらに添加される非イオン性界面活性剤であるか、またはこれらを含む。適切なアニオン性界面活性剤には、スルホン酸アルキル、リン酸アルキル、ホスホン酸アルキル、ラウリン酸カリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硫酸アルキル、アルギン酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸およびそれらの塩、カルボキシメチルセルロースナトリウム、コール酸および他の胆汁酸(例えば、デオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、グリコデオキシコール酸)およびそれらの塩(例えば、デオキシコール酸ナトリウム)が挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、適切な非イオン性界面活性剤には:グリセリルエステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ポリオキシエレチン脂肪酸エステル、ソルビタンエステル、モノステアリン酸グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アリールアルキルポリエーテルアルコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマー)、ポラキサミン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、非結晶性セルロース、デンプンおよびヒドロキシエチルデンプン(HES)などのデンプン誘導体を含む多糖類、ポリビニルアルコール、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。ある特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンコポリマー、好ましくはプロピレングリコールとエチレングリコールのブロックコポリマーである。そのようなポリマーは、商標POLOXAMERの下に販売されている[PLURONIC(登録商標)F68またはKolliphor(登録商標)P188とも呼ばれる場合がある]。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの中には、短いアルキル鎖を有するものが含まれる。そのような界面活性剤の1つの例は、SOLUTOL(登録商標)HS 15、ポリエチレン-660-ヒドロキシステアレートである。
一部の実施形態では、適切なカチオン性界面活性剤には、天然のリン脂質、合成リン脂質、第4級アンモニウム化合物、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、キトサン、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、塩酸アシルカルニチン、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、ジオレオイルトリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)、ジミリストイルトリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、ジメチルアミノエタンカルバモイルコレステロール(DC-Chol)、1,2-ジアシルグリセロ-3-(O-アルキル)ホスホコリン、O-アルキルホスファチジルコリン、アルキルピリジニウムハライド、または例えばn-オクチルアミンおよびオレイルアミンなどの長鎖アルキルアミンが挙げられ得るが、これらに限定されない。
双性イオン性界面活性剤は電気的に中性であるが、同じ分子内に局所正電荷および負電荷を有する。適切な双性イオン性界面活性剤には、双性イオン性リン脂質が挙げられるが、これに限定されない。適切なリン脂質には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ジアシル-グリセロ-ホスホエタノールアミン[ジミリストイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DSPE)、およびジオレオリル(dioleolyl)-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DOPE)など]が挙げられるが、これらに限定されない。アニオン性リン脂質および双性イオン性リン脂質を含むリン脂質の混合物が、本発明では使用され得る。そのような混合物には、リゾリン脂質、卵リン脂質もしくは大豆リン脂質、またはそれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。リン脂質は、アニオン性、双性イオン性、またはリン脂質の混合物であるかにかかわらず、塩化もしくは脱塩化、水素化もしくは部分的水素化されてもよいか、または天然半合成もしくは合成であってもよい。
ある特定の実施形態では、界面活性剤は、ポロキサマー、例えばポロキサマー188である。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、0.1μl/ml~10.0μl/ml、0.2μl/ml~2.5μl/ml、0.5μl/ml~5μl/ml、1μl/ml~3μl/ml、または2μl/ml~4μl/mlのポロキサマーの存在下で培養される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、0.1μl/ml、0.2μl/ml、0.4μl/ml、0.6μl/ml、0.8μl/ml、1μl/ml、1.5μl/ml、2μl/ml、2.5μl/ml、5μl/ml、10μl/ml、25μl/ml、もしくは50μl/ml、約0.1μl/ml、約0.2μl/ml、約0.4μl/ml、約0.6μl/ml、約0.8μl/ml、約1μl/ml、約1.5μl/ml、約2μl/ml、約2.5μl/ml、約5μl/ml、約10μl/ml、約25μl/ml、もしくは約50μl/ml、または少なくとも0.1μl/ml、少なくとも0.2μl/ml、少なくとも0.4μl/ml、少なくとも0.6μl/ml、少なくとも0.8μl/ml、少なくとも1μl/ml、少なくとも1.5μl/ml、少なくとも2μl/ml、少なくとも2.5μl/ml、少なくとも5μl/ml、少なくとも10μl/ml、少なくとも25μl/ml、もしくは少なくとも50μl/mlの界面活性剤の存在下で培養される。ある特定の実施形態では、濃縮T細胞の組成物は、2μl/mlまたは約2μl/mlのポロキサマーの存在下で培養される。
特定の実施形態では、細胞が閾値の量、濃度、および/または拡大を達成すると、細胞の収集などによって培養は終了する。特定の実施形態では、細胞が、例えば培養の始まりまたは開始時点の細胞の密度の量の観点でおよび/または該量に関して、1.5倍の拡大、2倍の拡大、2.5倍の拡大、3倍の拡大、3.5倍の拡大、4倍の拡大、4.5倍の拡大、5倍の拡大、6倍の拡大、7倍の拡大、8倍の拡大、9倍の拡大、10倍の拡大、もしくは10倍超の拡大を達成するか、または約もしくは少なくとも1.5倍の拡大、2倍の拡大、2.5倍の拡大、3倍の拡大、3.5倍の拡大、4倍の拡大、4.5倍の拡大、5倍の拡大、6倍の拡大、7倍の拡大、8倍の拡大、9倍の拡大、10倍の拡大、もしくは10倍超の拡大を達成すると、培養は終了する。一部の実施形態では、閾値拡大は、例えば培養の始まりまたは開始時点の細胞の密度の量の観点でおよび/または該量に関して、4倍の拡大である。
一部の実施形態では、細胞が細胞の閾値総量、例えば閾値細胞計数を達成すると、細胞の収集などによって培養は終了する。一部の実施形態では、細胞が閾値総有核細胞(TNC)数を達成すると、培養は終了する。一部の実施形態では、細胞が細胞の閾値生存量、例えば閾値生細胞計数を達成すると、培養は終了する。一部の実施形態では、閾値細胞計数は、50×10細胞、100×10細胞、200×10細胞、300×10細胞、400×10細胞、600×10細胞、800×10細胞、1000×10細胞、1200×10細胞、1400×10細胞、1600×10細胞、1800×10細胞、2000×10細胞、2500×10細胞、3000×10細胞、4000×10細胞、5000×10細胞、10,000×10細胞、12,000×10細胞、15,000×10細胞もしくは20,000×10細胞であるか、または約50×10細胞、約100×10細胞、約200×10細胞、約300×10細胞、約400×10細胞、約600×10細胞、約800×10細胞、約1000×10細胞、約1200×10細胞、約1400×10細胞、約1600×10細胞、約1800×10細胞、約2000×10細胞、約2500×10細胞、約3000×10細胞、約4000×10細胞、約5000×10細胞、約10,000×10細胞、約12,000×10細胞、約15,000×10細胞もしくは約20,000×10細胞であるか、または少なくとも50×10細胞、少なくとも100×10細胞、少なくとも200×10細胞、少なくとも300×10細胞、少なくとも400×10細胞、少なくとも600×10細胞、少なくとも800×10細胞、少なくとも1000×10細胞、少なくとも1200×10細胞、少なくとも1400×10細胞、少なくとも1600×10細胞、少なくとも1800×10細胞、少なくとも2000×10細胞、少なくとも2500×10細胞、少なくとも3000×10細胞、少なくとも4000×10細胞、少なくとも5000×10細胞、少なくとも10,000×10細胞、少なくとも12,000×10細胞、少なくとも15,000×10細胞もしくは少なくとも20,000×10細胞であるか、または生細胞の前述の閾のいずれかである。特定の実施形態では、細胞が閾値細胞計数を達成すると、培養は終了する。一部の実施形態では、閾値細胞計数が達成された後、6時間時点、12時間時点、24時間時点、36時間時点、1日時点、2日時点、3日時点、4日時点、5日時点、6日時点、もしくは7日以上の時点、約6時間時点、約12時間時点、約24時間時点、約36時間時点、約1日時点、約2日時点、約3日時点、約4日時点、約5日時点、約6日時点、もしくは約7日以上の時点、または6時間以内、12時間以内、24時間以内、36時間以内、1日以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、もしくは7日以上以内で培養は終了する。特定の実施形態では、閾値細胞計数が達成された後、1日または約1日時点で培養は終了される。ある特定の実施形態では、閾値密度は、0.1×10細胞/ml、0.5×10細胞/ml、1×10細胞/ml、1.2×10細胞/ml、1.5×10細胞/ml、1.6×10細胞/ml、1.8×10細胞/ml、2.0×10細胞/ml、2.5×10細胞/ml、3.0×10細胞/ml、3.5×10細胞/ml、4.0×10細胞/ml、4.5×10細胞/ml、5.0×10細胞/ml、6×10細胞/ml、8×10細胞/ml、もしくは10×10細胞/mlである、約0.1×10細胞/ml、約0.5×10細胞/ml、約1×10細胞/ml、約1.2×10細胞/ml、約1.5×10細胞/ml、約1.6×10細胞/ml、約1.8×10細胞/ml、約2.0×10細胞/ml、約2.5×10細胞/ml、約3.0×10細胞/ml、約3.5×10細胞/ml、約4.0×10細胞/ml、約4.5×10細胞/ml、約5.0×10細胞/ml、約6×10細胞/ml、約8×10細胞/ml、もしくは約10×10細胞/mlである、または少なくとも0.1×10細胞/ml、少なくとも0.5×10細胞/ml、少なくとも1×10細胞/ml、少なくとも1.2×10細胞/ml、少なくとも1.5×10細胞/ml、少なくとも1.6×10細胞/ml、少なくとも1.8×10細胞/ml、少なくとも2.0×10細胞/ml、少なくとも2.5×10細胞/ml、少なくとも3.0×10細胞/ml、少なくとも3.5×10細胞/ml、少なくとも4.0×10細胞/ml、少なくとも4.5×10細胞/ml、少なくとも5.0×10細胞/ml、少なくとも6×10細胞/ml、少なくとも8×10細胞/ml、もしくは少なくとも10×10細胞/mlであるか、または生細胞の前述の閾値のいずれかである。特定の実施形態では、細胞が閾値密度を達成すると、培養は終了する。一部の実施形態では、閾値密度が達成された後、6時間時点、12時間時点、24時間時点、36時間時点、1日時点、2日時点、3日時点、4日時点、5日時点、6日時点、もしくは7日以上の時点、約6時間時点、約12時間時点、約24時間時点、約36時間時点、約1日時点、約2日時点、約3日時点、約4日時点、約5日時点、約6日時点、もしくは約7日以上の時点、または6時間以内、12時間以内、24時間以内、36時間以内、1日以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、もしくは7日以上以内で培養は終了する。特定の実施形態では、閾値密度が達成された後、1日または約1日時点で培養は終了される。
一部の実施形態では、培養工程は、閾値の量、密度、および/または拡大を細胞が達成するために必要とされる時間の量にわたって行われる。一部の実施形態では、培養は、6時間、12時間、18時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、7日間、8日間、9日間、10日間、1週間、2週間、3週間、もしくは4週間、または約6時間、約12時間、約18時間、約24時間、約36時間、約48時間、約60時間、約72時間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約1週間、約2週間、約3週間、もしくは約4週間、または6時間未満、12時間未満、18時間未満、24時間未満、36時間未満、48時間未満、60時間未満、72時間未満、2日間未満、3日間未満、4日間未満、5日間未満、6日間未満、7日間未満、7日間未満、8日間未満、9日間未満、10日間未満、1週間未満、2週間未満、3週間未満、もしくは4週間未満行われる。特定の実施形態では、異なる生体試料から単離、濃縮、および/または選択された濃縮T細胞の複数の別々の組成物の細胞が閾値密度を達成するのに必要とされる時間の平均量は、6時間、12時間、18時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、2日間、3日間 4日間、5日間、6日間、7日間、7日間、8日間、9日間、10日間、1週間、2週間、3週間、もしくは4週間、約6時間、約12時間、約18時間、約24時間、約36時間、約48時間、約60時間、約72時間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約1週間、約2週間、約3週間、もしくは約4週間、または6時間未満、12時間未満、18時間未満、24時間未満、36時間未満、48時間未満、60時間未満、72時間未満、2日間未満、3日間未満、4日間未満、5日間未満、6日間未満、7日間未満、7日間未満、8日間未満、9日間未満、10日間未満、1週間未満、2週間未満、3週間未満、もしくは4週間未満である。ある特定の実施形態では、異なる生体試料から単離、濃縮、および/または選択された濃縮T細胞の複数の別々の組成物の細胞が閾値密度を達成するために必要とされる時間の平均量は、6時間、12時間、18時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、2日間、3日間 4日間、5日間、6日間、7日間、7日間、8日間、9日間、10日間、1週間、2週間、3週間、もしくは4週間であり、約6時間、約12時間、約18時間、約24時間、約36時間、約48時間、約60時間、約72時間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約1週間、約2週間、約3週間、もしくは約4週間であり、または6時間未満、12時間未満、18時間未満、24時間未満、36時間未満、48時間未満、60時間未満、72時間未満、2日間未満、3日間未満、4日間未満、5日間未満、6日間未満、7日間未満、7日間未満、8日間未満、9日間未満、10日間未満、1週間未満、2週間未満、3週間未満、もしくは4週間未満である。
ある特定の実施形態では、培養工程は、最低4日間、5日間、6日間、7日間、7日間、8日間、9日間、もしくは10日間にわたって、および/または細胞が1000×10細胞、1200×10細胞、1400×10細胞、1600×10細胞、1800×10細胞、2000×10細胞、2500×10細胞、3000×10細胞、4000×10細胞、もしくは5000×10細胞、または約1000×10細胞、約1200×10細胞、約1400×10細胞、約1600×10細胞、約1800×10細胞、約2000×10細胞、約2500×10細胞、約3000×10細胞、約4000×10細胞、もしくは約5000×10細胞の閾値細胞計数(または数)もしくは閾値生細胞計数(または数)を達成した12時間後、24時間後、36時間後、1日後、2日後、もしくは3日後まで行われる。一部の実施形態では、培養工程は、細胞が1200×10細胞または約1200×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで行われ、最低10日間にわたって、および/または細胞が5000×10細胞もしくは約5000×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで培養される。一部の実施形態では、培養工程は、細胞が1200×10細胞または約1200×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで行われ、最低9日間にわたって、および/または細胞が5000×10細胞もしくは約5000×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで培養される。一部の実施形態では、培養工程は、細胞が1000×10細胞または約1000×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで行われ、最低8日間にわたって、および/または細胞が4000×10細胞もしくは約4000×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで培養される。ある特定の実施形態では、培養は拡大工程であり、最低4日間、5日間、6日間、7日間、7日間、8日間、9日間、もしくは10日間にわたって、および/または細胞が1000×10細胞、1200×10細胞、1400×10細胞、1600×10細胞、1800×10細胞、2000×10細胞、2500×10細胞、3000×10細胞、4000×10細胞、もしくは5000×10細胞、または約1000×10細胞、約1200×10細胞、約1400×10細胞、約1600×10細胞、約1800×10細胞、約2000×10細胞、約2500×10細胞、約3000×10細胞、約4000×10細胞、もしくは約5000×10細胞の閾値細胞計数(または数)または閾値生細胞計数(または数)を達成した12時間後、24時間後、36時間後、1日後、2日後、もしくは3日後まで行われる。一部の実施形態では、拡大工程は、細胞が1200×10細胞または約1200×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで行われ、最低10日間にわたって、および/または細胞が5000×10細胞もしくは約5000×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで拡大される。一部の実施形態では、拡大工程は、細胞が1200×10細胞または約1200×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで行われ、最低9日間にわたって、および/または細胞が5000×10細胞もしくは約5000×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで拡大される。一部の実施形態では、拡大工程は、細胞が1000×10細胞または約1000×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで行われ、最低8日間にわたって、および/または細胞が4000×10細胞もしくは約4000×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで拡大される。一部の実施形態では、拡大工程は、細胞が1400×10細胞または約1400×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで行われ、最低5日間にわたって、および/または細胞が4000×10細胞もしくは約4000×10細胞の閾値細胞計数を達成した1日後まで拡大される。
一部の実施形態では、培養は、少なくとも最小限の時間行われる。一部の実施形態では、培養は、最小限の時間の前に閾値が達成されたとしても、少なくとも14日間、少なくとも12日間、少なくとも10日間、少なくとも7日間、少なくとも6日間、少なくとも5日間、少なくとも4日間、少なくとも3日間、少なくとも2日間、少なくとも36時間、少なくとも24時間、少なくとも12時間、または少なくとも6時間行われる。一部の実施形態では、培養が行われる最小限の時間を増加することは、一部の例では、培養細胞、製剤化された細胞、および/またはアプトプット組成物の細胞における活性化を低減し得、および/または1つもしくは複数の活性化マーカーのレベルを低減し得る。一部の実施形態では、最小培養時間は、例示的なプロセス(例えば、選択工程;解凍工程;および/または活性化工程)の所定の時点から細胞が収集される日までである。
提供された実施形態の態様では、培養中の細胞または生細胞の密度および/または濃度は、培養中に、例えば、閾値の量、密度、および/または拡大が記載されているように達成されるまで、モニタリングまたは実施される。一部の実施形態ではそのような方法には、デジタルホログラフィー顕微鏡法(DHM)または微分デジタルホログラフィー顕微鏡法(DDHM)を含む光学的方法を含む、記載されているものが挙げられる。
ある特定の実施形態では、培養細胞はアプトプット細胞である。一部の実施形態では、操作されたT細胞などの濃縮T細胞の培養された組成物は、濃縮T細胞のアウトプット組成物である。特定の実施形態では、培養されたCD4+ T細胞および/またはCD8+ T細胞は、アウトプットCD4+および/またはCD8+ T細胞である。特定の実施形態では、操作されたCD4+ T細胞などの濃縮CD4+ T細胞の培養された組成物は、濃縮CD4+ T細胞のアウトプット組成物である。一部の実施形態では、操作されたCD8+ T細胞などの濃縮CD8+ T細胞の培養された組成物は、濃縮CD8+ T細胞のアウトプット組成物である。
一部の実施形態では、細胞は、1つまたは複数のサイトカインの存在下、増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される。特定の実施形態では、培養の少なくとも一部は、一定の混合および/または灌流、例えば、バイオリアクターによって制御された混合または灌流により行われる。一部の実施形態では、細胞は1つまたは複数のサイトカインの存在下で、一定の混合および/または灌流からのせん断および/またはせん断応力を低減するための界面活性剤、例えば、ポロキサマー188などのポロキサマーを用いて培養される。一部の実施形態では、操作されたCD4+ T細胞などの濃縮CD4+ T細胞の組成物は、組換えIL-2、IL-7、IL-15、およびポロキサマーの存在下で培養され、培養の少なくとも一部は、一定の混合および/または灌流により行われる。ある特定の実施形態では、操作されたCD8+ T細胞などの濃縮CD8+ T細胞の組成物は、組換えIL-2、IL-15、およびポロキサマーの存在下で培養され、培養の少なくとも一部は、一定の混合および/または灌流により行われる。一部の実施形態では、培養は、例えば培養の始まりと比較して少なくとも4倍の閾値拡大に細胞が達するまで行われる。
1.培養中の細胞のモニタリング
一部の実施形態では、細胞は、培養工程中にモニタリングされる。モニタリングは、例えば、細胞形態、細胞生存能、細胞死、および/または聖望濃度(例えば、生細胞濃度)を確かめる(例えば、測定する、定量化する)ために行われ得る。一部の実施形態では、モニタリングは、人間のオペレーターなどによって手動で行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、自動化システムによって行われる。自動化システムは、培養細胞をモニタリングするために最小限の手動入力を必要としてもよく、または手動入力を必要としなくてもよい。一部の実施形態では、モニタリングは、手動および自動化システムの両方によって行われる。
ある特定の実施形態では、細胞は、手動入力を必要とする自動化システムによってモニタリングされる。一部の実施形態では、自動化システムは、培養を受けている細胞をバイオリアクターから取り除き、モニタリングし、その後バイオリアクターに戻すことができるように、バイオリアクター、例えば本明細書に記載のバイオリアクターに適合可能である。一部の実施形態では、モニタリングおよび培養は閉ループ構成で生じる。一部の態様では、閉ループ構成にあって、自動化システムおよびバイオリアクターは無菌のままである。実施形態では、自動化システムは無菌である。一部の実施形態では、自動化システムはインラインシステムである。
一部の実施形態では、自動化システムは、細胞形態、細胞生存能、細胞死、および/または細胞濃度(例えば、生細胞濃度)を検出するための光学的手法(例えば、顕微鏡法)の使用を含む。例えば、細胞の特徴、生存能、および濃度を決定するのに適した任意の光学的手法が本明細書において企図される。有用な光学的手法の非限定的な例には、include 明視野顕微鏡法、蛍光顕微鏡法、微分干渉(DIC)顕微鏡法、位相差顕微鏡法、デジタルホログラフィー顕微鏡法(DHM)、微分デジタルホログラフィー顕微鏡法(DDHM)、またはそれらの組合せが挙げられる。微分デジタルホログラフィー顕微鏡法、DDHM、および微分DHMは、本明細書において互換的に使用され得る。ある特定の実施形態では、自動化システムには、微分デジタルホログラフィー顕微鏡が挙げられる。ある特定の実施形態では、自動化システムには、照射手段(例えば、レーザー、led)を含む微分デジタルホログラフィー顕微鏡が挙げられる。DDHM方法論および使用の記載は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるUS 7,362,449;EP 1,631,788;US 9,904,248;およびUS 9,684,281に見出すことができる。
DDHMは、細胞の標識なしの非破壊的イメージングを可能にし、高コントラストのホログラフィック画像をもたらす。画像は、オブジェクト分割およびさらなる解析を受けて、画像化されたオブジェクト(例えば、培養細胞、細胞残屑)を定量的に記述する複数の形態的特徴を得ることができる。そのため、様々な特徴(例えば、細胞形態、細胞生存能、細胞濃度)が、DDHMから、例えば、画像取得、画像処理、画像分割、および特徴抽出の工程を使用して直接評価または算出され得る。一部の実施形態では、自動化システムは、ホログラフィック画像を記録するためのデジタル記録装置を含む。一部の実施形態では、自動化システムは、ホログラフィック画像を分析するためのアルゴリズムを含むコンピューターを含む。一部の実施形態では、自動化システムは、ホログラフィック画像分析の結果を表示するためのモニターおよび/またはコンピューターを含む。一部の実施形態では、分析は自動化される(すなわち、ユーザー入力の非存在下で行うことができる)。培養中の細胞をモニタリングするための適切な自動化システムの例には、Ovizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA、ブリュッセル、ベルギー)が挙げられるが、これに限定されない。
ある特定の実施形態では、モニタリングは、培養工程中に連続的に行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程中リアルタイムで行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程中別個の時点で行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程中の間中少なくとも15分ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも30分ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも45分ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも1時間ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも2時間ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも4時間ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも6時間ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも8時間ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも10時間ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも12時間ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも14時間ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも16時間ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも18時間ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも20時間ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも22時間ごとに行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも1日1回行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも2日ごとに1回行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも3日ごとに1回行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも4日ごとに1回行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも5日ごとに1回行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも6日ごとに1回行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも7日ごとに1回行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも8日ごとに1回行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも9日ごとに1回行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程の間中少なくとも10日ごとに1回行われる。一部の実施形態では、モニタリングは、培養工程中少なくとも1回行われる。
一部の実施形態では、DHMまたはDDHMなどの光学的手法の使用を含むモニタリングによって決定され得る細胞の特徴には、細胞生存能、細胞濃度、細胞数および/または細胞密度が挙げられる。一部の実施形態では、細胞生存能が特徴付けられ、または決定される。一部の実施形態では、細胞濃度、密度および/または数が特徴付けられ、または決定される。一部の実施形態では、生細胞濃度、生細胞数および/または生細胞密度が特徴付けられ、または決定される。一部の実施形態では、培養細胞は、上記などのように拡大の閾値に達するまで自動化システムによってモニタリングされる。一部の実施形態では、拡大の閾値に達すると、培養細胞は、自動または手動方法などによって、例えばヒトオペレーターによって収集される。拡大の閾値は、自動化システムによって決定される培養細胞の総濃度、密度および/または数に依存し得る。あるいは、拡大の閾値は、生細胞濃度、密度および/または数に依存し得る。
一部の実施形態では、収集された細胞は、薬学的に許容される担体の存在下などで、記載されているように製剤化される。一部の実施形態では、収集された細胞は、凍結保護剤の存在下で製剤化される。一部の実施形態では、治療用組成物の収集された細胞の効力は、上の節Iに提供された方法に従って効力が評価される。一部の実施形態では、治療用組成物の収集された細胞の効力は、凍結保存の前に効力が評価される。一部の実施形態では、治療用組成物の収集された細胞の効力は、凍結保存後に効力が評価される。
E.細胞および組換え受容体操作細胞の治療用組成物の製剤化
上(節I)に提供された方法に従って効力が評価される治療用細胞組成物を含有する、医薬組成物およびその製剤を含む組成物も提供される。一部の実施形態では、細胞療法および/または操作された細胞を製造、生成または作製するために提供される方法は、組換え受容体を発現する細胞を含有する治療用細胞組成物を作製するための提供された処理工程から得られる遺伝子操作された細胞の製剤化を含み得る。一部の実施形態では、細胞の製剤化に関連して提供される方法は、上に記載された処理工程を使用して形質導入および/または拡大された細胞などの形質導入細胞を閉鎖系で処理することを含む。一部の実施形態では、組換え抗原受容体、例えばCARまたはTCRを用いて操作された細胞を含む細胞の用量は、組成物または製剤、例えば、医薬組成物または製剤として提供される。そのような組成物は、疾患、状態、および障害の予防もしくは処置、または検出、診断、および予後方法などの提供される方法に従って使用することができる。
一部の例では、細胞療法および/または操作された細胞を製造、生成または作製するための1つまたは複数の工程(例えば、遠心チャンバーおよび/または閉鎖系で実施される)で処理された細胞は、培養(culturing)、例えば培養(cultivation)および拡大の前もしくは後の提供された形質導入処理工程、ならびに/または記載されているような1つもしくは複数の他の処理工程から得られる遺伝子操作された細胞の製剤化などの細胞の製剤化を含み得る。一部の例では、細胞は、単一の単位投与量の投与または複数の投与量の投与などの投与量の投与用の量で製剤化することができる。一部の実施形態では、上の節Iに提供された方法に従って決定される治療用組成物の細胞の効力は、単位用量および/または投与量の投与を決定するのに使用される。一部の実施形態では、治療用組成物の細胞の効力は、単位用量および/または投与量投与を決定する目的のために、節Iに提供された方法に従って評価される。一部の実施形態では、細胞の製剤化に関連して提供される方法は、上に記載された処理工程を使用して形質導入および/または拡大された細胞などの形質導入細胞を閉鎖系で処理することを含む。
ある特定の実施形態では、操作および培養されたT細胞、例えばアウトプットT細胞などの濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物、治療用細胞組成物が製剤化される。特定の実施形態では、操作および培養されたT細胞、例えばアウトプットT細胞などの濃縮T細胞の1つまたは複数の組成物、治療用細胞組成物は、1つまたは複数の組成物が操作および/または培養された後で製剤化される。特定の実施形態では、1つまたは複数の組成物はインプット組成物である。一部の実施形態では、1つまたは複数のインプット組成物は前もって低温凍結および保管されており、インキュベーションの前に解凍される。
ある特定の実施形態では、操作および培養されたT細胞、例えばアウトプットT細胞などの濃縮T細胞の1つまたは複数の治療用組成物は、濃縮T細胞の2つの別々の組成物、例えば、別々の操作および/または培養された組成物であるか、またはこれを含む。特定の実施形態では、濃縮T細胞の2つの別々の治療用組成物、例えば、同じ生体試料から選択、単離、および/または濃縮され、別々に操作され、別々に培養された濃縮CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞の2つの別々の組成物が別々に製剤化される。ある特定の実施形態では、2つの別々の治療用細胞組成物は、濃縮CD4+ T細胞の組成物、例えば、操作および/または培養されたCD4+ T細胞の組成物を含む。特定の実施形態では、2つの別々の治療用細胞組成物は、濃縮CD8+ T細胞の組成物、例えば、操作および/または培養されたCD8+ T細胞の組成物を含む。一部の実施形態では、濃縮CD4+ T細胞および濃縮CD8+ T細胞の2つの別々の治療用組成物、例えば、操作および培養されたCD4+ T細胞および操作および培養されたCD8+ T細胞の別々の組成物は別々に製剤化される。一部の実施形態では、濃縮T細胞の単一の治療用組成物が製剤化される。ある特定の実施形態では、単一の治療用組成物は、濃縮CD4+ T細胞の組成物、例えば、操作および/または培養されたCD4+ T細胞の組成物である。一部の実施形態では、単一の治療用組成物は、製剤化の前に別々の組成物から組み合わされた濃縮CD4+およびCD8+ T細胞の組成物である。
一部の実施形態では、濃縮CD4+およびCD8+ T細胞の別々の治療用組成物、例えば、操作および培養されたCD4+およびCD8+ T細胞の別々の組成物は、単一の治療用組成物に組み合わされ、製剤化される。ある特定の実施形態では、濃縮CD4+および濃縮CD8+ T細胞の別々の製剤化された治療用組成物は、製剤化が行われ、および/または完了した後で単一の治療用組成物に組み合わされる。特定の実施形態では、濃縮CD4+およびCD8+ T細胞の別々の治療用組成物、例えば、操作および培養されたCD4+およびCD8+ T細胞の別々の組成物は、別々の組成物として別々に製剤化される。
一部の実施形態では、操作および培養されたCD4+ T細胞、例えばアウトプットCD4+ T細胞などの、製剤化される濃縮CD4+ T細胞の治療用組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+ T細胞を含む。一部の実施形態では、組成物は、組換え受容体を発現する、および/または組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされている、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD4+ T細胞を含む。ある特定の実施形態では、操作および培養されたCD4+ T細胞、例えばアウトプットCD4+ T細胞などの、製剤化される濃縮CD4+ T細胞の治療用組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、もしく0.01%未満のCD8+ T細胞を含む、および/またはCD8+ T細胞を含有しない、および/またはCD8+ T細胞がないかもしくは実質的にない。
一部の実施形態では、操作および培養されたCD8+ T細胞、例えばアウトプットCD8+ T細胞などの、製剤化される濃縮CD8+ T細胞の治療用組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+ T細胞を含む。ある特定の実施形態では、治療用組成物は、組換え受容体を発現する、および/または組換えポリヌクレオチドで形質導入もしくはトランスフェクトされている、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%のCD8+ T細胞を含む。ある特定の実施形態では、操作および培養されたCD8+ T細胞、例えばアウトプットCD8+ T細胞などの、刺激条件下でインキュベートされる濃縮CD8+ T細胞の治療用組成物は、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、または0.01%未満のCD4+ T細胞を含む、および/またはCD4+ T細胞を含有しない、および/またはCD4+ T細胞がないかもしくは実質的にない。
ある特定の実施形態では、製剤化された細胞はアプトプット細胞である。一部の実施形態では、濃縮T細胞の製剤化された治療用組成物、例えば、操作および培養されたT細胞の製剤化された組成物は、濃縮T細胞のアウトプット組成物である。特定の実施形態では、製剤化されたCD4+ T細胞および/または製剤化されたCD8+ T細胞は、アウトプットCD4+および/またはCD8+ T細胞である。特定の実施形態では、濃縮CD4+ T細胞の製剤化された組成物は、濃縮CD4+ T細胞のアウトプット組成物である。一部の実施形態では、濃縮CD8+ T細胞の製剤化された組成物は、濃縮CD8+ T細胞のアウトプット組成物である。
一部の実施形態では、細胞は、バッグまたはバイアルなどの容器に製剤化することができる。一部の実施形態では、細胞は、閾値細胞計数、密度、および/または拡大が培養中に達成された後、0日~10日間、0~5日間、2日~7日間、0.5日~4日間、または1日~3日間製剤化される。ある特定の実施形態では、細胞は、閾値細胞計数、密度、および/または拡大が培養中に達成された後、12時間時点、18時間時点、24時間時点、1日時点、2日間時点、もしくは3日間時点、または約12時間時点、約18時間時点、約24時間時点、約1日時点、約2日間時点、もしくは約3日間時点、または12時間以内、18時間以内、24時間以内、1日以内、2日間以内、もしくは3日以内で製剤化される。一部の実施形態では、細胞は、閾値細胞計数、密度、および/または拡大が培養中に達成された後、1日または約1日時点で製剤化される。
一部の実施形態では、細胞は、一部の態様では、薬学的に許容される担体または賦形剤を含み得る薬学的に許容される緩衝液で製剤化される。一部の実施形態では、処理は、対象への投与のために薬学的に許容されるかまたは望ましい培地または製剤緩衝液への培地の交換を含む。一部の実施形態では、処理工程は、形質導入および/または拡大された細胞を洗浄して、1つまたは複数の適宜の薬学的に許容される担体または賦形剤を含み得る薬学的に許容される緩衝液中の細胞を交換することを含み得る。薬学的に許容される担体または賦形剤を含むそのような薬学的形態の例は、細胞および組成物を対象に投与するのに許容される形態と併せて以下に記載されるいずれかであり得る。医薬組成物は一部の実施形態では、疾患または状態を処置または予防するのに有効な量、例えば、治療有効量または予防有効量で細胞を含有する。
用語「医薬品製剤」とは、その中に含有される有効成分の生物活性を有効にさせるような形態にあり、製剤が投与される対象にとって容認しがたい毒性となる追加の成分を含有しない調製物を指す。
「薬学的に許容される担体」とは、対象にとって非毒性の、有効成分以外の医薬製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体には、緩衝液、賦形剤、安定剤、または保存料が挙げられるが、これらに限定されない。
一部の態様では、担体の選択は、一部には特定の細胞および/または投与の方法によって決定される。したがって、様々な適切な製剤がある。例えば、医薬組成物は保存料を含んでもよい。適切な保存料には、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、および塩化ベンザルコニウムが挙げられ得る。一部の態様では、2つまたはそれより多い保存料の混合物が使用される。保存料またはその混合物は、典型的には、組成物全体の約0.0001重量%~約2重量%の量で存在する。担体は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)に記載されている。薬学的に許容される担体は、一般に、使用される投与量および濃度ではレシピエントにとって非毒性であり、以下が挙げられるが、これらに限定されない:リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;保存料(オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、またはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む単糖、二糖、および他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤。
一部の態様では緩衝剤が組成物に含まれる。適切な緩衝剤には、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、および様々な他の酸および塩が挙げられる。一部の態様では、2つまたはそれより多い緩衝剤の混合物が使用される。緩衝剤またはその混合物は、典型的には組成物全体の約0.001%~約4重量%の量で存在する。投与可能な医薬組成物を調製する方法は公知である。例示的な方法は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Lippincott Williams & Wilkins; 21st ed. (May 1, 2005)により詳細に記載されている。
医薬組成物は一部の実施形態では、疾患または状態を処置または予防するのに有効な量、例えば、治療有効量または予防有効量で細胞を含有する。治療的有効性または予防的有効性は一部の実施形態では、処置された対象の定期的な評価によってモニタリングされる。状態に応じた数日間またはそれより長い反復投与については、疾患症状の所望の抑制が生じるまで処置が反復される。しかし、他の投与量レジメンが有用であることがあり、決定することができる。所望の投与量は、組成物の単回ボーラス投与、組成物の複数回ボーラス投与、または組成物の連続注入投与によってデリバリーすることができる。
細胞は、標準的な投与法、製剤、および/または装置を使用して投与することができる。組成物の保管および投与のための、製剤ならびにシリンジおよびバイアルなどの装置が提供される。細胞の投与は、自家または異種であってもよい。例えば、免疫応答性細胞または前駆体が1つの対象から得られ、同じ対象または異なる適合する対象に投与されてもよい。末梢血由来免疫応答性細胞またはそれらの子孫(例えば、インビボ、エクスビボまたはインビトロ由来)が、カテーテル投与、全身注射、局所注射、静脈内注射、または非経口投与を含む局所注射を介して投与されてもよい。治療用組成物(例えば、遺伝子改変された免疫応答性細胞を含有する医薬組成物)を投与する場合、治療用組成物は、一般に、単位投与量の注射可能な形態(溶液、懸濁液、エマルジョン)で製剤化される。
製剤は、経口、静脈内、腹腔内、皮下、肺内、経皮、筋肉内、鼻腔内、頬側、舌下、または坐薬投与用のものを含む。一部の実施形態では、細胞集団は非経口投与される。用語「非経口」は本明細書で使用される場合、静脈内、筋肉内、皮下、直腸、膣内、および腹腔内投与を含む。一部の実施形態では、細胞集団は、静脈内、腹腔内、または皮下注射による末梢全身デリバリーを使用して対象に投与される。
一部の実施形態における組成物は、滅菌液体調製物、例えば、等張水溶液、懸濁液、エマルジョン、分散液、または粘性組成物として提供され、該調製物は、一部の態様では選択されたpHに緩衝され得る。液体調製物は通常、ゲル、他の粘性組成物、および固体組成物より調製するのが容易である。さらに、液体組成物は、特に注射によって投与するのに幾分より便利である。一方、粘性組成物は、特定の組織とのより長い接触期間をもたらす適切な粘度範囲内で製剤化され得る。液体組成物または粘性組成物は担体を含むことができ、担体は、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)およびそれらの適切な混合物を含有する溶媒または分散媒体であってもよい。
滅菌注射用溶液は、滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロース等などの適切な担体、希釈液、または賦形剤との混合物などの溶媒に、細胞を組み込むことによって調製することができる。組成物は、凍結乾燥することもできる。組成物は、所望の投与経路および調製物に応じて、湿潤剤、分散剤、または乳化剤(例えば、メチルセルロース)、pH緩衝剤、ゲル化または粘性増強添加物、保存料、香味剤、着色料等などの補助物質を含有することができる。一部の態様では、適切な調製物を調製するのに標準的なテキストが調べられてもよい。
抗菌保存料、抗酸化剤、キレート剤、および緩衝液を含む、組成物の安定性および無菌性を増強する様々な添加物が添加され得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等によって確保することができる。注射可能な薬学的形態の持続的吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらすことができる。
インビボ投与に使用される製剤は、一般に無菌である。無菌性は、例えば、滅菌濾過膜を通じた濾過によって容易に達成され得る。
一部の実施形態では、製剤緩衝液は凍結保存料を含有する。一部の実施形態では、細胞は、1.0%~30%DMSO溶液、例えば5%~20%DMSO溶液または5%~10%DMSO溶液を含有する凍結保存料溶液を用いて製剤化される。一部の実施形態では、凍結保存溶液は、例えば、20%DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBS、または他の適切な細胞凍結培地であるか、またはこれを含有する。一部の実施形態では、凍結保存料溶液は、例えば、少なくともまたは約7.5%DMSOであるか、またはこれを含有する。一部の実施形態では、処理工程は、形質導入および/または拡大された細胞を洗浄して、凍結保存料溶液中の細胞を交換することを含み得る。一部の実施形態では、細胞は、12.5%、12.0%、11.5%、11.0%、10.5%、10.0%、9.5%、9.0%、8.5%、8.0%、7.5%、7.0%、6.5%、6.0%、5.5%、もしくは5.0%DMSO、または約12.5%、約12.0%、約11.5%、約11.0%、約10.5%、約10.0%、約9.5%、約9.0%、約8.5%、約8.0%、約7.5%、約7.0%、約6.5%、約6.0%、約5.5%、もしくは約5.0%DMSO、または1%~15%、6%~12%、5%~10%、もしくは6%~8%DMSOの最終濃度を含む培地および/または溶液に凍結され、例えば、低温凍結または凍結保存される。特定の実施形態では、細胞は、5.0%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.25%、1.0%、0.75%、0.5%、もしくは0.25%HSA、または約5.0%、約4.5%、約4.0%、約3.5%、約3.0%、約2.5%、約2.0%、約1.5%、約1.25%、約1.0%、約0.75%、約0.5%、もしくは約0.25%HSA、または0.1%~-5%、0.25%~4%、0.5%~2%、もしくは1%~2%HSAの最終濃度を含む培地および/または溶液に凍結され、例えば、低温凍結または凍結保存される。
特定の実施形態では、濃縮T細胞、例えば、刺激され、操作され、および/または培養されたT細胞の治療用組成物は、製剤化され、低温凍結され、次いで一定量の時間保管される。ある特定の実施形態では、製剤化され、低温凍結された細胞は、典型的には、注入のために細胞が放出されるまで複数のバイアルまたは容器で保管される。一部の実施形態では、特定の治療用組成物のバイアルまたは容器は、治療用細胞組成物の注入の前に、提供された効力アッセイを実施するのに使用されてもよい。特定の実施形態では、製剤化された低温凍結細胞は、1日~6カ月間、1カ月~3カ月間、1日~14日間、1日~7日間、3日~6日間、6カ月~12カ月間、または12カ月より長く保管される。一部の実施形態では、細胞は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、もしくは7日間、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、もしくは約7日間、または1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、もしくは7日間、または1日未満、2日未満、3日未満、4日未満、5日未満、6日未満、もしくは7日未満にわたって低温凍結され、保管される。ある特定の実施形態では、細胞は、保管後に解凍され、対象に投与される。ある特定の実施形態では、細胞は、5日間または約5日間保管される。
一部の実施形態では、細胞は、凍結保護剤を、10mL~1000mまたは約10mL~約1000mL、例えば、少なくともまたは約少なくともまたは約50mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mLまたは1000mLの体積で適宜含む、薬学的に許容される緩衝液で製剤化される。一部の実施形態では、治療用細胞組成物は、容器、例えば1つまたは複数のバイアルまたはバッグに保管される。一部の実施形態では、バイアルまたはバッグは、一般に、投与される細胞、例えば、その1つまたは複数の単位用量を含有する。単位用量は、対象に投与される細胞の量もしくは数、または投与される細胞の2倍(またはそれ以上)の数であってもよい。単位用量は、対象に投与されることになる細胞の最低用量または最も低い可能性のある用量であってもよい。
一部の実施形態では、容器、例えばバイアルまたはバッグの各々は、個々に単位用量の細胞を含む。故に、一部の実施形態では、各容器は、同じ、またはほぼ同じ、または実質的に同じ数の細胞を含む。一部の実施形態では、各単位用量は、少なくともまたは約少なくとも1×10、2×10、5×10、1×10、5×10、または1×10個の操作された細胞、全細胞、T細胞、またはPBMCを含む。一部の実施形態では、各容器、例えば、バッグまたはバイアル中の製剤化された細胞組成物の体積は、10mL~100mL、例えば、少なくともまたは約少なくともまたは約20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mLまたは100mLである。一部の実施形態では、容器、例えば、バッグまたはバイアル中の細胞は凍結保存されてもよい。一部の実施形態では、容器、例えばバイアルは、さらなる使用まで液体窒素で保管されてもよい。
一部の実施形態では、記載された工程の1つまたは複数を含む方法などによって作製された組換え受容体発現細胞(例えば、CAR発現細胞)を含有する組成物の細胞の効力、例えば相対的効力は、本明細書に記載された効力アッセイを使用して決定または測定される。一部の実施形態では、記載された工程の1つもしくは複数を含む方法などによって作製された組換え受容体発現細胞(例えば、CAR発現細胞)を含有し、および/または効力が決定されている組成物の細胞が、疾患または状態を処置するために対象に投与され得る。
III.組換え受容体
一部の実施形態では、治療用細胞組成物の効力、例えば相対的効力を決定するために提供される方法は、組換え組換え受容体、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)、またはT細胞受容体(TCR)を含有もしくは発現する、または含有もしくは発現するように操作された組成物由来の細胞で行われるか、または実施される。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、組換えタンパク質を発現または含有するように操作され、およびそのような作製され、操作された細胞の効力が決定または測定され得る細胞または、細胞を含有するおよび/もしくは細胞が濃縮された集団もしくは組成物を作製する、および/または作製することができる。様々な実施形態では、提供される方法は、1つまたは複数の組換え受容体を発現するように操作、形質転換、形質導入、またはトランスフェクトされた細胞である免疫細胞、例えばT細胞などの細胞組成物で実施される。
一部の実施形態では、提供される方法は、1つまたは複数の組換え受容体を発現する免疫細胞、例えばT細胞などの操作された細胞の効力を評価するための方法である。受容体の中には、抗原受容体および1つまたは複数のその成分を含有する受容体が含まれる。組換え受容体には、キメラ受容体、例えば、そのリガンド結合ドメインまたは結合性断片および細胞内シグナル伝達ドメインまたは領域を含有するもの、機能性非TCR抗原受容体、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞受容体(TCR)、例えば組換えまたはトランスジェニックTCR、キメラ自己抗体受容体(CAAR)および前述のいずれかのうちの成分が挙げられ得る。CARなどの組換え受容体は、一般に、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達成分に連結された細胞外抗原(またはリガンド)結合ドメインを、一部の態様ではリンカーおよび/または膜貫通ドメインを介して含む。一部の実施形態では、操作された細胞は、異なる成分、ドメインまたは領域を含有する2つまたはそれより多い受容体を発現する。一部の態様では、2つまたはそれより多い受容体は、組換え受容体の特異性、活性、抗原(またはリガンド)結合、機能および/または発現を空間的または時間的に調節または制御できる。
A.キメラ抗原受容体(CAR)
提供される方法の一部の実施形態では、キメラ抗原受容体などのキメラ受容体は、所望の標的[例えば、抗原(例えば、腫瘍抗原)]に対する特異性をもたらすリガンド結合ドメイン(例えば、抗体または抗体断片)を細胞内シグナル伝達ドメインと結び付ける1つまたは複数のドメインを含有する。一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次活性化シグナルをもたらす、T細胞活性化ドメインなどの活性化細胞内ドメイン部分である。一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、エフェクター機能を促進する共刺激シグナル伝達ドメインを含有するか、またはさらに含有する。一部の実施形態では、キメラ受容体は免疫細胞の中に遺伝子操作される場合、T細胞活性をモジュレートすることができ、一部の例では、T細胞分化または恒常性をモジュレートすることができ、それによって、養子細胞療法方法などで使用するための、インビボでの寿命、生存および/または持続性が改善された遺伝子操作された細胞をもたらす。
CARを含む例示的な抗原受容体、ならびにそのような受容体を細胞の中に操作および導入するための方法には、例えば、国際特許出願公開番号WO200014257、WO2013126726、WO2012/129514、WO2014031687、WO2013/166321、WO2013/071154、WO2013/123061、WO2015/168613、WO2016/030414、米国特許出願公開第US2002131960号、US2013287748号、US20130149337号、US20190389925号、米国特許第6,451,995号、7,446,190号、8,252,592号、8,339,645号、8,398,282号、7,446,179号、6,410,319号、7,070,995号、7,265,209号、7,354,762号、7,446,191号、8,324,353号、8,479,118号、10,266,580号および欧州特許出願番号EP2537416に記載されているもの、ならびに/またはSadelain et al., Cancer Discov. 2013 April; 3(4): 388-398;Davila et al. (2013) PLoS ONE 8(4): e61338; Turtle et al., Curr. Opin. Immunol., 2012 October; 24(5): 63339;Wu et al., Cancer, 2012 March 18(2): 160-75によって記載されているものが挙げられる。一部の態様では、抗原受容体には、米国特許第7,446,190号に記載のCAR、および国際特許出願公開番号WO/2014055668 A1に記載されているものが挙げられる。CARの例には、WO2014031687、US 8,339,645、US 7,446,179、US 2013/0149337、米国特許第7,446,190号、米国特許第8,389,282号、Kochenderfer et al., 2013, Nature Reviews Clinical Oncology, 10, 267-276 (2013);Wang et al. (2012) J. Immunother. 35(9): 689-701;およびBrentjens et al., Sci Transl Med. 2013 5(177)などの上述の刊行物のいずれかに開示のCARが挙げられる。WO2014031687、US 8,339,645、US 7,446,179、US 2013/0149337、米国特許第7,446,190号、および米国特許第8,389,282号も参照のこと。
CARなどのキメラ受容体は、一般に、例えば、抗体分子の一部、一般に抗体、例えばscFv抗体断片の可変重鎖(VH)領域および/または可変軽鎖(VL)領域などの細胞外標的結合ドメイン(例えば、抗原結合ドメイン)を含む。
一部の実施形態では、受容体によって標的化される抗原はポリペプチドである。一部の実施形態では、それは炭水化物または他の分子である。一部の実施形態では、抗原は、正常な、または標的化されていない細胞または組織と比較して、疾患または状態を有する細胞で、例えば、腫瘍または病原性の細胞で、選択的に発現または過剰発現される。他の実施形態では、抗原は、正常細胞で発現され、および/または操作された細胞で発現される。
一部の実施形態では、抗原は、αvβ6インテグリン(αvβ6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても知られる)、がん-精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られる)、癌胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体突然変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られる)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞軽鎖分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソテリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、癌胎児性抗原、黒色腫優先的発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても知られる)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても知られる)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドーパクロムトートメラーゼ、ドーパクロムデルタイソメラーゼまたはDCTとしても知られる)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原体発現抗原、またはユニバーサルタグを含むかもしくはユニバーサルタグに関連する抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子であるか、あるいはこれらを含む。一部の実施形態では、受容体によって標的化された抗原としては、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、例えば多数の公知のB細胞マーカーのいずれかが挙げられる。一部の実施形態では、抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bもしくはCD30であるか、またはこれらを含む。一部の実施形態では、抗原は、病原体特異的または病原体によって発現される抗原である、またはそれを含む。一部の実施形態では、抗原は、ウイルス抗原(例えば、HIV、HCV、HBV等に由来するウイルス抗原)、細菌抗原および/または寄生虫抗原である。
一部の実施形態では、抗体は、重鎖可変(VH)領域および軽鎖可変(VL)領域などの2つの抗体ドメインまたは領域を連結する1つまたは複数のリンカーを含む抗原結合性断片、例えばscFvである。リンカーは、典型的にはペプチドリンカー、例えば、フレキシブルおよび/または可溶性ペプチドリンカーである。リンカーの中には、グリシンおよびセリンおよび/または一部の例ではスレオニンに富むものがある。一部の実施形態では、リンカーは、可溶性を改善することができるリジンおよび/またはグルタミン酸などの荷電残基をさらに含む。一部の実施形態では、リンカーは、1つまたは複数のプロリンをさらに含む。一部の態様では、グリシンおよびセリン(および/またはスレオニン)に富むリンカーは、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のそのようなアミノ酸を含む。一部の実施形態では、それらは、少なくともまたは約50%、55%、60%、70%、もしくは75%のグリシン、セリン、および/もしくはスレオニンを含む。一部の実施形態では、リンカーは、実質的にグリシン、セリン、および/またはスレオニンのみから成る。リンカーは一般に、約5~約50アミノ酸長、典型的には10または約10~30または約30アミノ酸長、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30アミノ酸長、および一部の例では10~25アミノ酸長である。例示的なリンカーには、配列GGGGS(4GS;配列番号22)またはGGGS(3GS;配列番号23)の様々な数の反復、例えば、そのような配列の2、3、4、および5反復を有するリンカーが挙げられる。例示的なリンカーには、配列番号24(GGGGSGGGGSGGGGS)、配列番号25(GSTSGSGKPGSGEGSTKG)または配列番号26(SRGGGGSGGGGSGGGGSLEMA)に記載された配列を有するか、またはからなるものが挙げられる。
一部の実施形態において受容体によって標的化される抗原は、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原、例えば多くの公知のB細胞マーカーのいずれかを含む。一部の実施形態では、受容体によって標的化される抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bまたはCD30である。
一部の実施形態では、抗原または抗原結合ドメインはCD19である。一部の実施形態では、scFvは、CD19に対して特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含有する。一部の実施形態では、CD19と結合する抗体または抗体断片は、マウス由来の抗体、例えばFMC63およびSJ25C1である。一部の実施形態では、抗体または抗体断片は、ヒト抗体であり、例えば、米国特許公開番号US2016/0152723号に記載されるヒト抗体である。
本明細書において用語「抗体」は最も広い意味で使用され、インタクトな抗体ならびに、抗原結合性(Fab)断片、F(ab’)2断片、Fab’断片、Fv断片、組換えIgG(rIgG)断片、抗原を特異的に結合することができる重鎖可変(VH)領域、一本鎖可変断片(scFv)を含む一本鎖抗体断片、および単一ドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv、ナノボディ)断片を含む機能性(抗原結合性)抗体断片を含む、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体を含む。該用語は、遺伝子操作されたおよび/またはさもなければ改変された形態の免疫グロブリン、例えばイントラボディ、ペプチボディ、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、およびヘテロコンジュゲート抗体、多重特異性抗体、例えば二重特異性または三重特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディ、タンデムdi-scFv、タンデムtri-scFvを包含する。特に明記しない限り、用語「抗体」は、本明細書において「抗原結合性断片」とも呼ばれるその機能性抗体断片を包含すると理解されるべきである。この用語はまた、あらゆるクラスまたはサブクラスの抗体を含む無傷または全長抗体、例えば、IgGおよびそのサブクラス、IgM、IgE、IgA、およびIgDなども包含する。
「超可変領域」または「HVR」と同義の用語「相補性決定領域」および「CDR」は、抗原特異性および/または結合親和性を与える抗体可変領域内のアミノ酸の非連続配列を指すことが当技術分野で公知である。一般に、各重鎖可変領域(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)に3つのCDRがあり、各軽鎖可変領域(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)に3つのCDRがある。「フレームワーク領域」および「FR」は、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を指すことが当技術分野で公知である。一般に、各完全長重鎖可変領域に4つのFR(FR-H1、FR-H2、FR-H3、およびFR-H4)、および各完全長軽鎖可変領域に4つのFR(FR-L1、FR-L2、FR-L3、およびFR-L4)がある。
所与のCDRまたはFRの正確なアミノ酸配列の境界は、Kabat et al. ( 1991), “Sequences of Proteins of Immunological Interest,” 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(「Kabat」の番号付けスキーム);Al-Lazikani et al., (1997) JMB 273,927-948(「Chothia」の番号付けスキーム);MacCallum et al., J. Mol. Biol. 262:732-745 (1996), “Antibody-antigen 相互作用s: Contact analysis and binding site topography,” J. Mol. Biol. 262, 732-745.(「Contact」番号付けスキーム);Lefranc MP et al., “IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and lg superfamily V-like domains,” Dev Comp Immunol, 2003 Jan;27( 1):55-77(「IMGT」番号付けスキーム);Honegger A and Pliickthun A, “Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains: an automatic modeling and analysis tool,” J Mol Biol, 2001 Jun 8;309(3):65770(「Aho」番号付けスキーム);およびMartin et al., “Modeling antibody hypervariable loops: a combined algorithm,” PNAS, 1989, 86(23):9268-9272(「AbM」番号付けスキーム)によって記載されているものを含む多くの周知のスキームのいずれかを使用して容易に決定することができる。
所与のCDRまたはFRの境界は、同定に使用されるスキームに応じて異なり得る。例えば、Kabatスキームは構造的アライメントに基づくが、Chothiaスキームは構造情報に基づく。KabatおよびChothiaスキームの両方の番号付けは、挿入文字、例えば「30a」によって調節される挿入および一部の抗体で現れる欠失を用いる、最も一般的な抗体領域配列長に基づく。2つのスキームは、ある特定の挿入および欠失(「インデル」)を異なる位置に配置し、異なる番号付けをもたらす。Contactスキームは複合な結晶構造の解析に基づいており、Chothiaの番号付けスキームと多くの点で類似している。AbMスキームは、Oxford Molecular’s AbM抗体モデリングソフトウェアによって使用されるものに基づくKabatとChothiaの定義の妥協案である。
表1は、Kabat、Chothia、AbM、およびContactスキームによってそれぞれ同定されたCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3およびCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3の例示的な境界位置をリストしている。CDR-H1に関して、残基番号付けはKabatおよびChothia番号付けスキームの両方を使用してリストされる。FRはCDR間に位置し、例えば、FR-L1はCDR-L1の前に位置し、FR-L2はCDR-L1とCDR-L2の間に位置し、FR-L3はCDR-L2とCDR-L3の間に位置する、などである。なお、示されたKabatの番号付けスキームは、挿入をH35AおよびH35Bに配置するため、示されたKabatの番号付けの規定を使用して付番される場合、Chothia CDR-H1ループの末端はループの長さに応じてH32~H34で異なる。
故に、特に指定のない限り、所与の抗体またはその領域、例えばその可変領域の「CDR」または「相補性決定領域」または個々の指定されたCDR(例えば、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)は、上述のスキームまたは他の公知のスキームのいずれかによって定義される、ある(または特定の)相補性決定領域を包含すると理解されるべきである。例えば、特定のCDR(例えば、CDR-H3)が、所与のVまたはV領域アミノ酸配列中の対応するCDRのアミノ酸配列を含有すると述べられている場合、そのようなCDRは、上述のスキームまたは他の公知のスキームのいずれかによって定義される可変領域内の対応するCDR(例えば、CDR-H3)の配列を有することが理解される。一部の実施形態では、特定のCDR配列が指定される。提供された抗体の例示的なCDR配列は、様々な番号付けスキームを使用して記載されるが、提供された抗体は、他の上述の番号付けスキームまたは当業者に公知の他の番号付けスキームのいずれかに従って記載されるCDRを含み得ることが理解される。
同様に、特に指定のない限り、所与の抗体またはその領域、例えばその可変領域のFRまたは個々の指定されたFR(例えば、FR-H1、FR-H2、FR-H3、FR-H4)は、公知のスキームのいずれかによって定義される、ある(または特定の)フレームワーク領域を包含すると理解されるべきである。一部の例では、Kabat、Chothia、AbMもしくはContact方法、または他の公知のスキームによって定義されるCDRなどの、特定のCDR、FR、またはFRsもしくはCDRsを同定するためのスキームが指定される。他の場合では、CDRまたはFRの特定のアミノ酸配列が示される。
用語「可変領域」または「可変ドメイン」とは、抗原への抗体の結合に関与する抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然の抗体の重鎖および軽鎖の可変領域(それぞれ、VおよびV)は、一般に、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)および3つのCDRを含む各ドメインを含む、類似した構造を有する[例えば、Kindt et al. Kuby Immunology, 6th ed., W.H. Freeman and Co., page 91 (2007)を参照]。単一のVまたはVドメインは、抗原結合特異性を与えるのに十分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体が、該抗原に結合する抗体由来のVまたはVドメインを使用して単離されて、それぞれ相補的なVまたはVドメインのライブラリーをスクリーニングすることができる。例えば、Portolano et al., J. Immunol. 150:880-887 (1993); Clarkson et al., Nature 352:624-628 (1991)を参照のこと。
提供されたCARに含まれる抗体の中には抗体断片が含まれる。「抗体断片」または「抗原結合性断片」とは、インタクトな抗体が結合する抗原に結合する該インタクトな抗体の一部を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’);ダイアボディ;直鎖抗体;重鎖可変(V)領域、一本鎖抗体分子、例えばscFv、およびVH領域のみを含む単一ドメイン抗体;ならびに抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、提供されたCARの抗原結合性ドメインは、可変重鎖(V)および可変軽鎖(V)領域を含む抗体断片であるか、またはこれを含む。特定の実施形態では、抗体は、重鎖可変(V)領域および/または軽鎖可変(V)領域を含む一本鎖抗体断片、例えばscFvである。
一部の実施形態では、scFvは、FMC63から誘導される。FMC63は、一般的に、ヒト起源のCD19を発現するNalm-1および-16細胞に対して生じたマウスモノクローナルIgG1抗体を指す(Ling, N. R., et al. (1987). Leucocyte typing III. 302)。一部の実施形態では、FMC63抗体は、配列番号27および28にそれぞれ記載されたCDRH1およびH2、ならびに配列番号29または30に記載されたCDRH3、ならびに配列番号55に記載されたCDRL1、ならびに配列番号32または33に記載されたCDR L2、ならびに配列番号34または35に記載されたCDR L3を含む。一部の実施形態では、FMC63抗体は、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(V)、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(V)を含む。
一部の実施形態では、scFvは、配列番号31のCDRL1配列、配列番号32のCDRL2配列、および配列番号34のCDRL3配列を含有する可変軽鎖、ならびに/または配列番号27のCDRH1配列、配列番号28のCDRH2配列、および配列番号29のCDRH3配列を含有する可変重鎖を含む。一部の実施形態では、scFvは、配列番号36に記載された可変重鎖領域および配列番号37に記載された可変軽鎖領域を含む。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖はリンカーによって連結される。一部の実施形態では、リンカーは、配列番号25に記載される。一部の実施形態では、scFvは、順に、V、リンカー、およびVを含む。一部の実施形態では、scFvは、順に、VL、リンカー、およびVを含む。一部の実施形態では、scFvは、配列番号38に記載されたヌクレオチドの配列、または配列番号38に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を示す配列によってコードされる。一部の実施形態では、scFvは、配列番号39に記載されたアミノ酸の配列、または配列番号39に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を示す配列を含む。
一部の実施形態では、scFvは、SJ25C1から誘導される。SJ25C1は、ヒト起源のCD19を発現するNalm-1および-16細胞に対して生じたマウスモノクローナルIgG1抗体である(Ling, N. R., et al. (1987). Leucocyte typing III. 302)。一部の実施形態では、SJ25C1抗体は、配列番号51~53にそれぞれ記載されたCDRH1、H2およびH3、ならびに配列番号48~50にそれぞれ記載されたCDRL1、L2およびL3配列を含む。一部の実施形態では、SJ25C1抗体は、配列番号46のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(V)および配列番号47のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(V)を含む。
一部の実施形態では、scFvは、配列番号48のCDRL1配列、配列番号49のCDRL2配列、および配列番号50のCDRL3配列を含有する可変軽鎖、ならびに/または配列番号51のCDRH1配列、配列番号52のCDRH2配列、および配列番号53のCDRH3配列を含有する可変重鎖を含む。一部の実施形態では、scFvは、配列番号46に記載された可変重鎖領域および配列番号47に記載された可変軽鎖領域を含む。一部の実施形態では、可変重鎖および可変軽鎖は、リンカーによって連結される。一部の実施形態では、リンカーは配列番号24に記載される。一部の実施形態では、scFvは、順に、VH、リンカー、およびVLを含む。一部の実施形態では、scFvは、順に、VL、リンカー、およびVHを含む。一部の実施形態では、scFvは、配列番号54に記載されたアミノ酸の配列、または配列番号54に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を示す配列を含む。
一部の実施形態では、抗体または抗原結合性断片(例えば、scFvまたはVドメイン)はBCMAなどの抗原を特異的に認識する。一部の実施形態では、抗体または抗原結合性断片は、BCMAに特異的に結合する抗体もしくは抗原結合性断片に由来するか、またはBCMAに特異的に結合する抗体もしくは抗原結合性断片の変異体である。
一部の実施形態では、CARは、BCMA、例えばヒトBCMAに特異的な抗BCMA CARである。マウス抗ヒトBCMA抗体およびヒト抗ヒト抗体を含む抗BCMA抗体を含有するキメラ抗原受容体ならびにこのようなキメラ受容体を発現する細胞がこれまでに記載されている。Carpenter et al., Clin Cancer Res., 2013, 19(8):2048-2060、WO2016/090320、WO2016090327、WO2010104949A2およびWO2017173256を参照されたい。一部の実施形態では、抗原または抗原結合ドメインはBCMAである。一部の実施形態では、scFvは、BCMAに特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含有する。一部の実施形態では、BCMAに結合する抗体または抗体断片は、国際特許出願公開番号WO 2016/090327およびWO 2016/090320に記載された抗体または抗体断片由来のVHおよびVLであるか、またはこれを含有する。
一部の実施形態では、抗BCMA CARは、WO 2016/090320またはWO2016090327に記載された抗体に由来する可変重鎖(V)および/または可変軽鎖(V)領域を含有する抗原結合性ドメイン、例えばscFvを含有する。一部の実施形態では、抗原結合性ドメイン、例えばscFvは、配列番号55に記載されたVおよび配列番号56に記載されたVを含有する。一部の実施形態では、抗原結合性ドメイン、例えばscFvは、配列番号57に記載されたVおよび配列番号58に記載されたVを含有する。一部の実施形態では、抗原結合性ドメイン、例えばscFvは、配列番号59に記載されたVおよび配列番号60に記載されたVを含有する。一部の実施形態では、抗原結合性ドメイン、例えばscFvは、配列番号61に記載されたVおよび配列番号62に記載されたVを含有する。一部の実施形態では抗原結合性ドメイン、例えばscFvは、配列番号63に記載されたVおよび配列番号64に記載されたVを含有する。一部の実施形態では、抗原結合性ドメイン、例えばscFvは、配列番号65に記載されたVおよび配列番号66に記載されたVを含有する。一部の実施形態では、抗原結合性ドメイン、例えばscFvは、配列番号67に記載されたVおよび配列番号68に記載されたVを含有する。一部の実施形態では、VまたはVは、前述のVまたはV配列のいずれかに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い配列同一性を示す、およびBCMAへの結合を保持するアミノ酸の配列を有する。一部の実施形態では、V領域はV領域のアミノ末端側である。一部の実施形態では、V領域はV領域のカルボキシ末端側である。
一部の実施形態では、抗原または抗原結合ドメインは、GPRC5Dである。一部の実施形態では、scFvは、GPRC5Dに特異的な抗体または抗体断片由来のVおよびVを含有する。一部の実施形態では、GPRC5Dと結合する抗体または抗体断片は、国際特許出願公開番号WO2016/090329およびWO2016/090312に記載の抗体または抗体断片からのVおよびVであるかまたはそれを含有する。
一部の態様では、CARは、ユニバーサルタグまたはユニバーサルエピトープを結合または認識する、例えば、特異的に結合するリガンド(例えば、抗原)結合ドメインを含有する。一部の態様では、結合ドメインは、疾患または障害に関連する抗原を認識する異なる結合分子(例えば、抗体または抗原結合性断片)に連結できる分子、タグ、ポリペプチドおよび/またはエピトープと結合することができる。例示的なタグまたはエピトープとしては、色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート)またはビオチンが挙げられる。一部の態様では、タグに連結された結合分子(例えば、抗体または抗原結合性断片)は、疾患または障害に関連する抗原、例えば腫瘍抗原を認識し、タグに特異的なCARを発現する操作された細胞は、操作された細胞の細胞傷害性または他のエフェクター機能を発揮する。一部の態様では、疾患または障害に関連する抗原へのCARの特異性は、タグを有する結合分子(例えば抗体)によって提供され、異なる抗原を標的化するのに異なるタグを有する結合分子を使用してもよい。ユニバーサルタグまたはユニバーサルエピトープに特異的な例示的なCARとしては、例えば、US9,233,125、WO2016/030414、Urbanska et al., (2012) Cancer Res 72: 1844-1852、およびTamada et al., (2012) Clin Cancer Res 18:6436-6445に記載されたものが挙げられる。
一部の実施形態では、抗原は、病原体特異的または病原体発現抗原であるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、抗原は、ウイルス抗原(HIV、HCV、HBV等由来のウイルス抗原など)、細菌抗原、および/または寄生虫抗原である。一部の実施形態では、CARは、主要組織適合抗原(MHC)-ペプチド複合体として細胞表面に提示される、腫瘍関連抗原などの細胞内抗原を特異的に認識する抗体または抗原結合性断片(例えば、scFv)などのTCR様抗体を含有する。一部の実施形態では、MHC-ペプチド複合体を認識する抗体またはその抗原結合部分は、抗原受容体などの組換え受容体の一部として細胞で発現され得る。抗原受容体の中には、キメラ抗原受容体(CAR)などの機能性非T細胞受容体(TCR)抗原受容体が含まれる。一部の実施形態では、ペプチド-MHC複合体に対するTCR様特異性を示す抗体または抗原結合性断片を含有するCARは、TCR様CARとも呼ばれ得る。一部の実施形態では、CARはTCR様CARであり、抗原は、TCRと同様にMHC分子の状況において細胞表面で認識される、処理されたペプチド抗原、例えば細胞内タンパク質のペプチド抗原である。一部の実施形態では、TCR様CARのMHC-ペプチド複合体に特異的な細胞外抗原結合性ドメインは、一部の態様ではリンカーおよび/または膜貫通ドメインを介して、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達成分に連結される。一部の実施形態では、そのような分子は、典型的には、TCRなどの天然の抗原受容体を通じたシグナル、および適宜、共刺激受容体と組み合わせたそのような受容体を通じたシグナルを模倣または近似することができる。
「主要組織適合複合体」(MHC)への言及は、一部の場合には、細胞機構によって処理されたペプチド抗原を含むポリペプチドのペプチド抗原と複合体形成できる多型結合部位または結合溝を含有するタンパク質、一般に、糖タンパク質を指す。一部の場合において、MHC分子は、T細胞上の抗原受容体、例えばTCRまたはTCR様抗体によって認識可能なコンフォメーションでの抗原提示のために、例えばペプチドとの複合体、すなわちMHC-ペプチド複合体などとして、細胞表面上に提示されてもよいし、または細胞表面上で発現されてもよい。一般的に、MHCクラスI分子は、膜貫通α鎖、一部の場合において3つのαドメインを有する膜貫通α鎖、および非共有結合で会合したβ2ミクログロブリンを有するヘテロ二量体である。一般的に、MHCクラスII分子は、2つの膜貫通糖タンパク質、αおよびβで構成され、これらは両方、典型的には膜貫通型である。MHC分子は、抗原結合部位またはペプチド結合のための部位、および適切な抗原受容体による認識に必要な配列を含有するMHCの有効な部分を含んでいてもよい。一部の実施形態では、MHCクラスI分子は、サイトゾルに由来するペプチドを細胞表面に送達する、この場合、MHC-ペプチド複合体は、T細胞、例えば一般的にCD8T細胞によって認識されるが、一部の場合、CD4T細胞によって認識される。一部の実施形態では、MHCクラスII分子は、小胞系に由来するペプチドを細胞表面に送達し、この場合、これらは、典型的には、CD4T細胞によって認識される。一般的に、MHC分子は、連鎖した遺伝子座の群によってコードされており、これは集合的に、マウスではH-2、ヒトではヒト白血球抗原(HLA)と呼ばれる。したがって、典型的には、ヒトMHCはまた、ヒト白血球抗原(HLA)と称される場合もある。
用語「MHC-ペプチド複合体」または「ペプチド-MHC複合体」またはそれらの派生語は、ペプチド抗原およびMHC分子の複合体または会合を指し、これは例えば、一般的に、MHC分子の結合溝またはクレフトにおけるペプチドの非共有結合の相互作用による会合である。一部の実施形態では、MHC-ペプチド複合体は、細胞の表面上に存在するかまたは提示される。一部の実施形態では、MHC-ペプチド複合体は、抗原受容体、例えばTCR、TCR様CARまたはそれらの抗原結合部位によって特異的に認識され得る。
一部の実施形態では、ポリペプチドのペプチド、例えばペプチド抗原またはエピトープは、例えば抗原受容体による認識のために、MHC分子と会合することができる。一般的に、ペプチドは、それより長い生体分子、例えばポリペプチドまたはタンパク質の断片から誘導されるかまたはそれに基づく。一部の実施形態では、ペプチドは、典型的には、約8~約24アミノ酸の長さである。一部の実施形態では、ペプチドは、MHCクラスII複合体における認識のために、9~22アミノ酸または約9~約22アミノ酸の長さを有する。一部の実施形態では、ペプチドは、MHCクラスI複合体における認識のために、8~13アミノ酸または約8~約13アミノ酸の長さを有する。一部の実施形態では、MHC分子、例えばMHC-ペプチド複合体の状態でのペプチドの認識のとき、抗原受容体、例えばTCRまたはTCR様CARは、T細胞応答、例えばT細胞増殖、サイトカイン生産、細胞傷害性T細胞応答または他の応答を誘導するT細胞への活性化シグナルを生産するかまたはそのきっかけとなる。
一部の実施形態では、TCR様抗体または抗原結合部分は公知であるか、または公知の方法によって作製することができる(例えば、米国公開出願番号US 2002/0150914;US 2003/0223994;US 2004/0191260;US 2006/0034850;US 2007/00992530;US20090226474;US20090304679;および国際出願公開番号WO 03/068201を参照)。
一部の実施形態では、MHC-ペプチド複合体に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分は、特異的MHC-ペプチド複合体を含有する有効量の免疫原で宿主をヒト化して作製されてもよい。一部の例では、MHC-ペプチド複合体のペプチドは、MHCに結合することができる抗原、例えば腫瘍抗原、例えば、ユニバーサル腫瘍抗原、免疫原抗原または以下に記載の他の抗原のエピトープである。一部の実施形態では、有効量の免疫原が次いで、免疫応答を惹起するために宿主に投与され、この場合、免疫原は、MHC分子の結合溝におけるペプチドの3次元提示に対して免疫応答を惹起するのに十分な期間にわたりその3次元形態を保持する。次いで宿主から収集された血清をアッセイして、MHC分子の結合溝におけるペプチドの3次元提示を認識する望ましい抗体が生産されているかどうかを決定する。一部の実施形態では、抗体が、MHC分子単独、目的のペプチド単独、およびMHCと無関係のペプチドとの複合体からMHC-ペプチド複合体を区別できることを確認するために、生産された抗体を評価することができる。次いで望ましい抗体を単離することができる。
一部の実施形態では、MHC-ペプチド複合体に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部位は、抗体ライブラリーディスプレイ方法、例えばファージ抗体ライブラリーを採用することによって生産することができる。一部の実施形態では、突然変異体Fab、scFvまたは他の抗体形態のファージディスプレイライブラリーが生成されてもよく、例えば、ライブラリーのメンバーは、CDRまたはCDRsの1つまたは複数の残基で変異される。例えば、米国特許出願公開番号US20020150914、US20140294841;およびCohen CJ. et al. (2003) J Mal. Recogn. 16:324-332を参照のこと。
一部の実施形態では、抗原はCD20である。一部の実施形態では、scFvは、CD20に特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含有する。一部の実施形態では、CD20に結合する抗体または抗体断片は、リツキシマブである抗体、またはリツキシマブに由来する抗体であり、例えばリツキシマブscFvである。
一部の実施形態では、抗原はCD22である。一部の実施形態では、scFvは、CD22に特異的な抗体または抗体断片に由来するVHおよびVLを含有する。一部の実施形態では、CD22に結合する抗体または抗体断片は、m971である抗体、またはm971に由来する抗体であり、例えばm971 scFvである。
一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、抗体または抗体断片を含有する細胞外部分を含む。一部の態様では、キメラ抗原受容体は、抗体または断片および細胞内シグナル伝達ドメインを含有する細胞外部分を含む。一部の実施形態では、抗体または断片はscFvを含む。
一部の実施形態では、組換え受容体、例えばCARの抗体部分は、ヒンジ領域、例えばIgG4ヒンジ領域、および/またはCH1/CLおよび/またはFc領域などの免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部をさらに含む。一部の実施形態では、定常領域または位置は、ヒトIgG、例えば、IgG4またはIgG1のものである。一部の態様では、定常領域の部分は、抗原認識構成要素、例えば、scFvと膜貫通ドメインの間でスペーサー領域として働く。スペーサーは、スペーサーの不在下と比較して、抗原結合後に細胞の増大された反応性を提供する長さのものであり得る。例示的なスペーサーには、Hudecek et al. (2013) Clin. Cancer Res., 19:3153、国際特許出願公開番号WO2014031687、米国特許第8,822,647号または公開出願番号US2014/0271635に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、定常領域または部分は、ヒトIgG、例えばIgG4またはIgG1の定常領域または部分である。一部の実施形態では、スペーサーは、配列ESKYGPPCPPCP(配列番号69に記載された)を有し、配列番号70に記載された配列によってコードされる。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号71に記載された配列を有する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号72に記載された配列を有する。一部の実施形態では、定常領域または部分はIgDの定常領域または部分である。一部の実施形態では、スペーサーは、ヒンジ配列であるかまたはヒンジ配列を含む免疫グロブリン定常領域の一部である。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号73に記載された配列を有する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号69、70、71、72、または73のいずれかに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列を有する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号74~82に記載された配列を有する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号74~82のいずれかに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列を有する。
一部の実施形態では、抗原受容体は、細胞外ドメインに直接または間接的に連結された細胞内ドメインを含む。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインを連結する膜貫通ドメインを含む。一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインはITAMを含む。例えば、一部の態様では、抗原認識ドメイン(例えば、細胞外ドメイン)は、一般に、1つもしくは複数の細胞内シグナル伝達成分、例えば、抗原受容体複合体、例えばCARの場合ではTCR複合体を通じた活性化を模倣するシグナル伝達成分、および/または別の細胞表面受容体を介したシグナルに連結される。一部の実施形態では、キメラ受容体は、細胞外ドメイン(例えば、scFv)と細胞内シグナル伝達ドメインの間で連結または融合された膜貫通ドメインを含む。故に、一部の実施形態では、抗原結合成分(例えば、抗体)は、1つまたは複数の膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインに連結される。
一実施形態では、受容体、例えば、CAR中のドメインの1つと天然に関連する膜貫通ドメインが使用される。一部の場合には、膜貫通ドメインは、同一または異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへのこのようなドメインの結合を避けて、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小化するためにアミノ酸置換によって選択または改変される。
膜貫通ドメインは、一部の実施形態では、天然供給源に、または合成供給源に由来する。供給源が天然である場合には、ドメインは、一部の態様では、任意の膜結合または膜貫通タンパク質に由来する。膜貫通領域は、T細胞受容体のアルファ、ベータまたはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154に由来するものを含む(すなわち、少なくともこれらの膜貫通領域を含む)。あるいは、一部の実施形態における膜貫通ドメインは合成である。一部の態様では、合成膜貫通ドメインは、主に疎水性の残基、例えば、ロイシンおよびバリンを含む。一部の態様では、フェニルアラニン、トリプトファンおよびバリンのトリプレットは、合成膜貫通ドメインの各末端に見出される。一部の実施形態では、連結は、リンカー、スペーサー、および/または膜貫通ドメインによる。一部の態様では、膜貫通ドメインはCD28の膜貫通部分を含有する。
一部の実施形態では、細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインは、直接または間接的に連結することができる。一部の実施形態では、細胞外ドメインおよび膜貫通は、本明細書に記載されたいずれかなどのスペーサーによって連結される。一部の実施形態では、受容体は、膜貫通ドメインが由来する分子の細胞外部分、例えばCD28細胞外部分を含有する。
細胞内シグナル伝達ドメインの中には、天然の抗原受容体を通じたシグナル、共刺激受容体と組み合わせたそのような受容体を通じたシグナル、および/または共刺激受容体単独を通じたシグナルを模倣または近似するものが含まれる。一部の実施形態では、短いオリゴリンカーまたはポリペプチドリンカー、例えば、2から10個のアミノ酸長のリンカー、例えば、グリシンおよびセリンを含有するもの、例えば、グリシン-セリンダブレットが存在し、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインの間の連結を形成する。
T細胞活性化は、一部の態様では、2つのクラスの細胞質シグナル伝達配列:TCRを通じて抗原依存的一次活性化を開始するもの(一次細胞質シグナル伝達配列)、および抗原非依存的に作用して二次シグナルまたは共刺激シグナルをもたらすもの(二次細胞質シグナル伝達配列)によって媒介されると説明される。一部の態様では、CARは、そのようなシグナル伝達成分の一方または両方を含む。
受容体、例えばCARは、一般に、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達成分(複数可)を含む。一部の態様では、CARは、TCR複合体の一次活性化を調節する一次細胞質シグナル伝達配列を含む。刺激的方法で作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフまたはITAMとして知られているシグナル伝達モチーフを含有し得る。一次細胞質シグナル伝達配列を含有するITAMの例には、CD3ゼータ鎖、FcRガンマ、CD3ガンマ、CD3デルタおよびCD3イプシロンに由来するものが挙げられる。一部の実施形態では、CARの細胞質シグナル伝達分子は、細胞質シグナル伝達ドメイン、その部分、またはCD3ゼータに由来する配列を含有する。
一部の実施形態では、受容体は、TCR複合体の細胞内構成要素、例えば、T細胞活性化および細胞毒性を媒介するTCR CD3鎖、例えば、CD3ゼータ鎖を含む。したがって、一部の態様では、抗原結合部分は、1つまたは複数の細胞シグナル伝達モジュールに連結される。一部の実施形態では、細胞シグナル伝達モジュールは、CD3膜貫通ドメイン、CD3細胞内シグナル伝達ドメイン、および/または他のCD3膜貫通ドメインを含む。一部の実施形態では、受容体、例えばCARは、Fc受容体γ、CD8、CD4、CD25、またはCD16などの1つまたは複数の追加の分子の一部をさらに含む。例えば、一部の態様では、CARまたは他のキメラ受容体は、CD3ゼータ(CD3-ζ)またはFc受容体γとCD8、CD4、CD25またはCD16の間のキメラ分子を含む。
一部の実施形態では、CARまたは他のキメラ受容体が連結すると、受容体の細胞質ドメインまたは細胞内シグナル伝達ドメインは、CARを発現するように操作された免疫細胞、例えばT細胞の正常なエフェクター機能または応答の少なくとも1つを活性化する。例えば、一部の文脈では、CARは、T細胞の機能、例えば、細胞溶解活性またはTヘルパー活性、例えば、サイトカインまたは他の因子の分泌を誘導する。一部の実施形態では、無傷の免疫賦活性鎖の代わりに、抗原受容体構成要素または共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインの末端切断型部分が、例えば、それがエフェクター機能シグナルを伝達する場合には使用される。一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインはT細胞受容体(TCR)の細胞質配列を含み、一部の態様では、天然の状況でそのような受容体と協調作用して抗原受容体との結合後にシグナル伝達を開始する共受容体の細胞質配列も含む。
天然TCRの文脈において、完全活性化は、一般に、TCRを介したシグナル伝達だけでなく、共刺激シグナルも必要とする。したがって、一部の実施形態では、完全活性化を促進するために、二次または共刺激シグナルを生成するための構成要素もCAR中に含まれる。他の実施形態では、CARは、共刺激シグナルを生成するための構成要素を含まない。一部の態様では、さらなるCARは、同一細胞において発現され、二次または共刺激シグナルを生成するための構成要素を提供する。
一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、T細胞共刺激分子の細胞内ドメインを含有する。一部の実施形態では、CARは、共刺激受容体のシグナル伝達ドメインおよび/または膜貫通部分、例えばCD28、4-1BB、OX40、DAP10、およびICOSを含む。一部の態様では、同じCARが活性化成分および共刺激成分の両方を含む。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体は、T細胞共刺激分子またはその機能性変異体に由来する細胞内ドメインを、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインの間などに含有する。一部の態様では、T細胞共刺激分子はCD28または41BBである。
一部の実施形態では、活性化ドメインは1つのCARの中に含まれるのに対し、共刺激成分は別の抗原を認識する別のCARによって提供される。一部の実施形態では、CARは、両方とも同じ細胞で発現される活性化CARまたは刺激CAR、共刺激CARを含む(WO2014/055668を参照)。一部の態様では、細胞は、1つまたは複数の刺激CARもしくは活性化CARおよび/または共刺激CARを含む。一部の実施形態では、細胞は、疾患もしくは状態に関連するおよび/または特異的な抗原以外の抗原を認識するCARなどの抑制性CAR[iCAR、Fedorov et al., Sci. Transl. Medicine, 5(215) (December, 2013)を参照]をさらに含み、それにより、抑制性CARがそのリガンドに結合することによって、疾患標的化CARを通じてデリバリーされる活性化シグナルは減少または抑制されて、例えばオフターゲット効果を低減する。
一部の実施形態では、2つ受容体は、受容体のうちの1つのその抗原への連結は細胞を活性化するかまたは応答を誘導するが、第2の抑制性受容体のその抗原への連結はその応答を抑制するまたは弱めるように、それぞれ活性化シグナルおよび抑制性シグナルを細胞に誘導する。例は、活性化CARおよび抑制性CAR(iCARs)の組合せである。そのような戦略は、例えば、疾患または状態で発現されるが、正常な細胞でも発現される抗原に活性化CARが結合し、正常な細胞で発現されるが、疾患または状態の細胞では発現されない別々の抗原に抑制性受容体が結合する状況においてオフターゲット効果の可能性を低減するのに使用され得る。
一部の態様では、キメラ受容体は、抑制性CAR(例えば、iCAR)であるか、またはこれを含み、細胞におけるITAM促進応答および/または共刺激促進応答などの免疫応答を弱めるまたは抑制する細胞内成分を含む。そのような細胞内シグナル伝達成分の例は、PD-1、CTLA4、LAG3、BTLA、OX2R、TIM-3、TIGIT、LAIR-1、PGE2受容体、A2ARを含むEP2/4アデノシン受容体を含む、免疫チェックポイント分子で見出されるものである。一部の態様では、操作された細胞は、抑制性CARが細胞の応答(例えば、活性化CARおよび/または共刺激CARによって誘導される)を弱める役割を果たすように、そのような抑制性分子の、またはそのような抑制性分子に由来するシグナル伝達ドメイを含む抑制性CARを含む。
ある特定の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3(例えば、CD3ゼータ)細胞内ドメインに連結されたCD28膜貫通およびシグナル伝達ドメインを含む。一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ゼータ細胞内ドメインに連結されたキメラCD28およびCD137(4-1BB、TNFRSF9)共刺激ドメインを含む。
一部の実施形態では、CARは、1つまたは複数の、例えば2つ以上の共刺激ドメインおよび活性化ドメイン、例えば一次活性化ドメインを細胞質部分に包含する。例示的なCARには、CD3ゼータ、CD28、および4-1BBの細胞内成分が挙げられる。
一部の実施形態では、抗原受容体は、マーカーおよび/またはCARもしくは他の抗原受容体を発現する細胞をさらに含み、受容体を発現させるための細胞の形質導入または操作を確認するのに使用され得る細胞表面マーカーなどのサロゲートマーカーをさらに含む。一部の態様では、マーカーは、CD34、NGFR、または上皮成長因子受容体の全体または部分(例えば、切断型)、例えばそのような細胞表面受容体の切断バージョン(例えば、tEGFR)を含む。一部の実施形態では、マーカーをコードする核酸は、切断可能なリンカー配列、例えばT2Aなどのリンカー配列をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結される。例えば、マーカー、および適宜リンカー配列は、公開特許出願番号WO2014031687に開示されているいずれかであってもよい。例えば、マーカーは、T2A切断可能リンカー配列などのリンカー配列に適宜連結された切断型EGFR(tEGFR)であってもよい。
切断型EGFR(例えば、tEGFR)の例示的なポリペプチドは、配列番号2もしくは3に記載されたアミノ酸の配列、または配列番号2もしくは3に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。例示的なT2リンカー配列は、配列番号1もしくは4に記載されたアミノ酸の配列、または配列番号1もしくは4に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。
一部の実施形態では、マーカーは、T細胞で天然に見出されない、またはT細胞の表面で天然に見出されない分子、例えば細胞表面タンパク質、またはその部分である。一部の実施形態では、分子は、非自己分子、例えば非自己タンパク質、すなわち、細胞が養子移入される宿主の免疫系によって「自己」として認識されない分子である。
一部の実施形態では、マーカーは、治療機能を提供せず、かつ/または遺伝子操作についてのマーカーとして使用されること、例えば操作に成功した細胞を選択するため以外の効果を生産しない。他の実施形態では、マーカーは、治療用分子または別の方法で一部の所望の効果を発揮する分子、例えばインビボにおいて遭遇される細胞のリガンド、例えば養子移入およびリガンドとの遭遇に際して細胞の応答を向上および/または減弱する共刺激分子または免疫チェックポイント分子であってもよい。
一部の例では、CARは、第1、第2、および/または第3世代CARと呼ばれる。一部の態様では、第1世代CARは、抗原結合時にCD3鎖誘導シグナルだけをもたらすものであり;一部の態様では、第2世代CARは、そのようなシグナルおよび共刺激シグナルをもたらすもの、例えば、CD28またはCD137などの共刺激受容体由来の細胞内シグナル伝達ドメインを含むものであり;一部の態様では、第3世代CARは、異なる共刺激受容体の複数の共刺激ドメインを含むものである。
例えば、一部の実施形態では、CARは、記載されているいずれかを含む抗原に特異的な抗体、例えば、scFvなどの抗体断片、CD28の膜貫通部分である膜貫通ドメインもしくはCD28の膜貫通部分を含有する膜貫通ドメインまたはその機能性変異体、およびCD28のシグナル伝達部分を含有する細胞内シグナル伝達ドメインまたはその機能性変異体、およびCD3ゼータのシグナル伝達部分またはその機能性変異体を含有する。一部の実施形態では、CARは、記載されているいずれかを含む抗原に特異的な抗体、例えば、scFvなどの抗体断片、CD28の膜貫通部分である膜貫通ドメインもしくはCD28の膜貫通部分を含有する膜貫通ドメインまたはその機能性変異体、および4-1BBのシグナル伝達部分を含有する細胞内シグナル伝達ドメインまたはその機能性変異体、およびCD3ゼータのシグナル伝達部分またはその機能性変異体を含有する。一部のそのような実施形態では、受容体は、ヒトIg分子などのIg分子の一部、例えばIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジを含有するスペーサー、例えばヒンジのみのスペーサーをさらに含む。
一部の実施形態では、組換え受容体、例えばCARの膜貫通ドメインは、ヒトCD28の膜貫通ドメイン(例えば、アクセッション番号P01747.1)もしくはその変異体、例えば、配列番号83に記載されたアミノ酸の配列、または配列番号83に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を示アミノ酸の配列を含む膜貫通ドメインであるか、またはこれを含む;一部の実施形態では、組換え受容体の一部を含有する膜貫通ドメインは、配列番号84に記載されたアミノ酸の配列、またはそれに対して少なくとももしくは約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。
一部の実施形態では、組換え受容体、例えばCARの細胞内シグナル伝達成分は、ヒトCD28の細胞内共刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能性変異体もしくは部分、例えば、天然のCD28タンパク質の186~187位にLLからGGへの置換を有するドメインを含有する。例えば、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号85もしくは86に記載されたアミノ酸の配列、または配列番号85もしくは86に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列を含むことができる。一部の実施形態では、細胞内ドメインは、4-1BBの細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン(例えば、アクセッション番号Q07011.1)またはその機能性変異体もしくは部分、例えば、配列番号87に記載されたアミノ酸の配列、または配列番号87に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。
一部の実施形態では、組換え受容体、例えばCARの細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ゼータ刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能性変異体、例えば、ヒトCD3ζのアイソフォーム3の112 AA細胞質ドメイン(アクセッション番号:P20963.2)、または米国特許第7,446,190号もしくは米国特許第8,911,993号に記載のCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。例えば、一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号88、89もしくは90に記載されるアミノ酸の配列、または配列番号88、89もしくは90に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。
一部の態様では、スペーサーは、IgGのヒンジ領域のみ、例えば、IgG4またはIgG1のヒンジのみ、例えば、配列番号69に記載されたヒンジのみのスペーサーを含有する。他の実施形態では、スペーサーは、CH2および/またはCH3ドメインに適宜連結されたIgヒンジ、例えばIgG4由来ヒンジであるか、またはこれを含有する。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号72に記載されたような、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。一部の実施形態では、スペーサーは、配列番号71に記載されたような、CH3ドメインのみに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。一部の実施形態では、スペーサーは、グリシン-セリンリッチ配列または公知のフレキシブルリンカーなどの他のフレキシブルリンカーであるか、またはこれを含む。
例えば、一部の実施形態では、CARは、抗体、例えば、scFvを含む抗体断片、スペーサー、例えば、重鎖分子のヒンジ領域および/または1つまたは複数の定常領域などの免疫グロブリン分子の一部を含有するスペーサー、例えばIgヒンジ含有スペーサー、CD28由来膜貫通ドメインの全体または部分を含有する膜貫通ドメイン、CD28由来細胞内シグナル伝達ドメイン、ならびにCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。一部の実施形態では、CARは、抗体またはscFvなどの断片、Igヒンジ含有スペーサーのいずれかなどのスペーサー、CD28由来膜貫通ドメイン、4-1BB由来細胞内シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータ由来シグナル伝達ドメインを含む。
例示的なサロゲートマーカーは、細胞表面ポリペプチドの切断型、例えば、非機能性であり、シグナルもしくは通常は細胞表面ポリペプチドの完全長型によって形質導入されるシグナルを形質導入しないもしくはすることができない、および/または内在化しないもしくはすることができない切断型を挙げることができる。例示的な切断型細胞表面ポリペプチドには、増殖因子または他の受容体の切断型、例えば、切断型ヒト上皮成長因子受容体2(tHER2)、切断型上皮成長因子受容体(tEGFR、配列番号2または3に記載された例示的なtEGFR配列)、または前立腺特異的膜抗原(PSMA)もしくはその改変型が挙げられる。tEGFRは、抗体セツキシマブ[Erbitux(登録商標)]または他の治療用抗EGFR抗体もしくは結合分子によって認識されるエピトープを含有してもよく、該抗体または結合分子は、tEGFRコンストラクトおよびコードされた外因性タンパク質を発現するように操作された細胞を同定もしくは選択する、ならびに/またはコードされた外因性タンパク質を発現する別々の細胞を排除するのに使用され得る。[米国特許第8,802,374号およびLiu et al., Nature Biotech. 2016 April; 34(4): 430-434を参照]。一部の態様では、マーカー、例えばサロゲートマーカーは、CD34、NGFR、CD19もしくは切断CD19、例えば切断型非ヒトCD19、または上皮成長因子受容体(例えば、tEGFR)の全体または部分(例えば、切断型)を含む。一部の実施形態では、マーカーは、蛍光タンパク質、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、例えばスーパーフォールドGFP(sfGFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、例えば、tdTomato、mCherry、mStrawberry、AsRed2、DsRedまたはDsRed2、シアン蛍光タンパク質(CFP)、青緑色蛍光タンパク質(BFP)、高感度青色蛍光タンパク質(EBFP)、および黄色蛍光タンパク質(YFP)、ならびに蛍光タンパク質の種変異体、単量体変異体、およびコドン最適化および/または増強された変異体を含むそれらの変異体であるか、またはこれらを含む。一部の実施形態では、マーカーは、ルシフェラーゼ、大腸菌由来のlacZ遺伝子、アルカリホスファターゼ、分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)などの酵素であるか、またはこれらを含む。例示的な発光レポーター遺伝子には、ルシフェラーゼ(luc)、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β-グルクロニダーゼ(GUS)またはそれらの変異体が挙げられる。
一部の実施形態では、マーカーは、耐性マーカーまたは選択マーカーである。一部の実施形態では、耐性マーカーまたは選択マーカーは、外因性薬剤または薬物に対する耐性を与えるポリペプチドであるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、耐性マーカーまたは選択マーカーは抗生物質耐性遺伝子である。一部の実施形態では、耐性マーカーまたは選択マーカーは、哺乳動物細胞に抗生物質耐性を与える抗生物質耐性遺伝子である。一部の実施形態では、耐性マーカーまたは選択マーカーは、ピューロマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ブラストサイジン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、ジェネティシン耐性遺伝子、もしくはゼオシン耐性遺伝子、またはそれらの改変型であるか、またはこれらを含む。
一部の実施形態では、マーカーをコードする核酸は、切断可能なリンカー配列、例えばT2Aなどのリンカー配列をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結される。例えば、マーカー、および適宜リンカー配列は、PCT公開番号WO2014031687に開示されているいずれかであってもよい。
一部の実施形態では、そのようなCARコンストラクトをコードする核酸分子は、例えばCARをコードする配列の下流に、T2Aリボソームスキップエレメントおよび/またはtEGFR配列をコードする配列をさらに含む。一部の実施形態では、該配列は、配列番号1もしくは4に記載されたT2Aリボソームスキップエレメント、または配列番号1もしくは4に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列をコードする。
一部の実施形態では、抗原受容体(例えば、CAR)を発現するT細胞は、非免疫原性選択エピトープとして切断型EGFR(tEGFR)を発現するように生成することもでき(例えば、同じコンストラクトから2つのタンパク質を発現するようにT2Aリボソームスイッチによって隔てられたCARおよびtEGFRをコードするコンストラクトの導入によって)、次いでtEGFRは、そのような細胞を検出するマーカーとして使用することができる(例えば、米国特許第8,802,374号を参照)。一部の実施形態では、配列は、配列番号2もしくは3に記載されたtEGFR配列、または配列番号2もしくは3に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列をコードする。一部の場合には、ペプチド、例えば、T2Aは、リボソームが2AエレメントのC末端におけるペプチド結合の合成をスキップ(リボソームスキッピング)することをもたらし、2A配列の末端と下流の次のペプチドとの分離をもたらし得る(例えば、de Felipe. Genetic Vaccines and Ther. 2:13 (2004)およびdeFelipe et al. Traffic 5:616-626 (2004)を参照されたい)。多数の2Aエレメントが公知である。本明細書に開示された方法および核酸において使用することができる2A配列の例には、米国特許公開第20070116690号に記載の口蹄疫ウイルス(F2A、例えば、配列番号8)、A型ウマ鼻炎ウイルス(E2A、例えば、配列番号7)、トセア・アシグナウイルス(T2A、例えば、配列番号1または4)、およびブタテッショウウイルス-1(P2A、例えば、配列番号5または6)由来の2A配列が挙げられるが、これらに限定されない。
対象に投与される細胞によって発現された組換え受容体、例えば、CARは一般に、処置されている疾患または状態またはその細胞において発現される、それと関連している、および/またはそれに対して特異的である分子を認識する、または特異的に結合する。受容体は、分子、例えば、抗原へ特異的に結合すると、一般に、免疫賦活性シグナル、例えば、ITAMが形質導入されたシグナルを細胞中に送達し、それによって、疾患または状態に標的化された免疫応答を促進する。例えば、一部の実施形態では、細胞は、疾患もしくは状態の、または疾患もしくは状態と関連する細胞または組織によって発現された抗原に特異的に結合するCARを発現する。
B.キメラ自己抗体受容体(CAAR)
一部の実施形態では、組換え受容体はキメラ自己抗体受容体(CAAR)である。一部の実施形態では、CAARは、自己抗体に結合する、例えば特異的結合するか、または認識する。一部の実施形態では、CAARを発現する細胞、例えば、CAARを発現するように操作されたT細胞は、正常な抗体発現細胞ではなく自己抗体発現細胞に結合し、これを死滅させるのに使用することができる。一部の実施形態では、CAAR発現細胞は、自己免疫疾患などの、自己抗原の発現に関連する自己免疫疾患を処置するのに使用することができる。一部の実施形態では、CAAR発現細胞は、最終的に自己抗体を生成しおよびその細胞表面に自己抗体を提示するB細胞を標的化し、治療介入のための疾患特異的標的としてこれらのB細胞をマークすることができる。一部の実施形態では、CAAR発現細胞は、抗原特異的キメラ自己抗体受容体を使用して疾患を引き起こすB細胞を標的化することによって、自己免疫疾患における病原性B細胞を効率的に標的化し、死滅させるのに使用することができる。一部の実施形態では、組換え受容体は、米国特許出願公開番号US 2017/0051035に記載されているいずれかなどのCAARである。
一部の実施形態では、CAARは、自己抗体結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および1つまたは複数の細胞内シグナル伝達領域またはドメイン(互換的に細胞質シグナル伝達ドメインまたは領域とも呼ばれる)を含む。一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達領域は細胞内シグナル伝達ドメインを含む。一部の実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを刺激および/または誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分のシグナル伝達ドメイン[例えば、CD3ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインもしくは領域、またはその機能性変異体もしくはシグナル伝達部分]、および/または免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるか、またはこれらを含む。
一部の実施形態では、自己抗体結合ドメインは自己抗原またはその断片を含む。自己抗原の選択は、標的化される自己抗体のタイプに依存し得る。例えば、自己抗原は、特定の疾患状態、例えば、自己抗体媒介自己免疫疾患などの自己免疫疾患に関連する、B細胞などの標的細胞上の自己抗体を認識することができるため、自己抗原が選択され得る。一部の実施形態では、自己免疫疾患は尋常性天疱瘡(PV)を含む。例示的な自己抗原には、デスモグレイン1(Dsg1)およびDsg3が挙げられる。
C.T細胞受容体(TCR)
一部の実施形態では、標的ポリペプチド、例えば、腫瘍タンパク質、ウイルスタンパク質または自己免疫タンパク質の抗原のペプチドエピトープまたはT細胞エピトープを認識するT細胞受容体(TCR)またはその抗原結合部分を発現する、T細胞などの操作された細胞が提供される。
一部の実施形態では、「T細胞受容体」または「TCR」は、可変αおよびβ鎖(それぞれ、TCRαおよびTCRβとしても知られる)もしくは可変γおよびδ鎖(それぞれ、TCRαおよびTCRβとしても知られる)、またはそれらの抗原結合部分を含有し、MHC分子に結合したペプチドに特異的に結合することができる分子である。一部の実施形態では、TCRはαβ型である。典型的には、αβ型およびγδ型で存在するTCRは概ね構造的に類似しているが、それらを発現するT細胞は異なる解剖学的位置または機能を有し得る。TCRは、細胞の表面でまたは可溶型で見出され得る。一般に、TCRは、T細胞(またはTリンパ球)の表面で見出され、一般に、そこで主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に結合した抗原の認識に関与している。
特に明記しない限り、用語「TCR」は、完全なTCRおよびその抗原結合部分または抗原結合性断片を包含すると理解されるべきである。一部の実施形態では、TCRは、αβ型またはγδ型のTCRを含むインタクトなまたは完全長のTCRである。一部の実施形態では、TCRは、完全長TCRに満たないが、MHC分子中の結合した特定のペプチドに結合する、例えばMHC-ペプチド複合体に結合する、抗原結合部分である。一部の例では、TCRの抗原結合部分または断片は、完全長またはインタクトなTCRの構造ドメインの一部のみを含有し得るが、完全なTCRが結合するMHC-ペプチド複合体などのペプチドエピトープに依然として結合することができる。一部の例では、抗原結合部分は、特異的MHC-ペプチド複合体に結合するための結合部位を形成するのに十分なTCRの可変ドメイン、例えば、TCRの可変α鎖および可変β鎖を含有する。一般に、TCRの可変鎖は、ペプチド、MHCおよび/またはMHC-ペプチド複合体の認識に関与する相補性決定領域を含有する。
一部の実施形態では、TCRの可変ドメインは、一般に抗原認識および結合能および特異性に対する主要な寄与因子である、超可変ループまたは相補性決定領域(CDR)を含有する。一部の実施形態では、TCRのCDRまたはその組合せは、所与のTCR分子の抗原結合部位の全てまたは実質的に全てを形成する。TCR鎖の可変領域内の様々なCDRは、一般にフレームワーク領域(FR)によって隔てられ、CDRと比較してFRは、TCR分子間でより少ない可変性を一般に示す(例えば、Jares et al., Proc. Nat’ l Acad. Sci. U.S.A. 87:9138, 1990;Chothia et al., EMBO J. 7:3745, 1988を参照;また、Lefranc et al., Dev. Comp. Immunol. 27:55, 2003も参照のこと)。一部の実施形態では、CDR3は、抗原結合もしくは特異性に関与する主なCDRであるか、または抗原認識、および/もしくはペプチド-MHC複合体の処理されたペプチド部分との相互作用にとって、所与のTCR可変領域の3つのCDRの中で最も重要である。一部の状況では、アルファ鎖のCDR1は、ある特定の抗原ペプチドのN末端部分と相互作用することができる。一部の状況では、ベータ鎖のCDR1は、ペプチドのC末端部分と相互作用することができる。一部の状況では、CDR2は、MHC-ペプチド複合体のMHC部分との相互作用もしくは該部分の認識に最も強く寄与するかまたは関与する主要なCDRである。一部の実施形態では、β鎖の可変領域は、一般にスーパー抗原結合に関与し、抗原認識に関与しない、さらなる超可変領域(CDR4またはHVR4)を含有することができる[Kotb (1995) Clinical Microbiology Reviews, 8:411-426]。
一部の実施形態では、TCRは、定常ドメイン、膜貫通ドメインおよび/または短い細胞質テイルも含有することができる(例えば、Janeway et al., Immunobiology: The Immune System in Health and Disease, 3rd Ed., Current Biology Publications, p. 4:33, 1997を参照)。一部の態様では、TCRの各鎖は、1つのN末端免疫グロブリン可変ドメイン、1つの免疫グロブリン定常ドメイン、膜貫通領域、およびC末端の短い細胞質テイルを有することができる。一部の実施形態では、TCRは、シグナル伝達の媒介に関与するD3複合体のインバリアントタンパク質と会合する。
一部の実施形態では、TCR鎖は1つまたは複数の定常ドメインを含有する。例えば、所与のTCR鎖(例えば、α鎖またはβ鎖)の細胞外部分は、細胞膜に隣接する2つの免疫グロブリン様ドメイン、例えば、可変ドメイン(例えば、VαまたはVβ;典型的にはKabat番号付けに基づくアミノ酸1~116 Kabat et al., “Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Dept. Health and Human Services, Public Health Service National Institutes of Health, 1991, 5th ed.)および定常ドメイン(例えば、α鎖定常ドメインまたはCα、典型的にはKabat番号付けに基づくα鎖の117~259位、またはβ鎖定常ドメインまたはCβ、典型的にはKabatに基づくβ鎖の117~295位)を含有する。例えば、一部の例では、2つの鎖によって形成されるTCRの細胞外部分は2つの膜近位定常ドメイン、および2つの膜遠位可変ドメインを含有し、可変ドメインは各々CDRを含有する。TCRの定常ドメインは、システイン残基がジスルフィド結合を形成し、それによってTCRの2つの鎖を連結する短い連結配列を含有してもよい。一部の実施形態では、TCRが定常ドメインに2つのジスルフィド結合を有するように、TCRはαおよびβ鎖の各々に追加のシステイン残基を有してもよい。
一部の実施形態では、TCR鎖は膜貫通ドメインを含有する。一部の実施形態では、膜貫通ドメインは正に荷電される。一部の例では、TCR鎖は細胞質テイルを含有する。一部の例では、構造がTCRをCD3およびそのサブユニットのような他の分子と会合させる。例えば、膜貫通領域を有する定常ドメインを含有するTCRは、細胞膜にタンパク質を固定し、CD3シグナル伝達装置または複合体のインバリアントサブユニットと会合し得る。CDシグナル伝達サブユニット(例えば、CD3γ、CD3δ、CD3εおよびCD3ζ鎖)の細胞内テイルは、TCR複合体のシグナル伝達能力に関与する1つまたは複数の免疫受容体チロシン活性化モチーフまたはITAMを含有する。
一部の実施形態では、TCRは、2つの鎖αおよびβ(または適宜γおよびδ)のヘテロ二量体であってもよく、または一本鎖TCRコンストラクトであってもよい。一部の実施形態では、TCRは、ジスルフィド結合(複数可)などによって連結された2つの別々の鎖(αおよびβ鎖またはγおよびδ鎖)を含有するヘテロ二量体である。
一部の実施形態では、TCRは、実質的に完全長のコード配列が容易に利用可能なVα、β鎖の配列などの公知のTCR配列から生成することができる。細胞源からV鎖配列を含む完全長TCR配列を得る方法は周知である。一部の実施形態では、TCRをコードする核酸は、所与の細胞内のもしくは所与の細胞から単離されたTCRコード核酸のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、または市販のTCR DNA配列の合成などによって様々な供給源から得ることができる。
一部の実施形態では、TCRは、T細胞(例えば、細胞傷害性T細胞)、T細胞ハイブリドーマなどの細胞などの生物学的供給源、または他の市販の供給源から得られる。一部の実施形態では、T細胞はインビボで単離された細胞から得ることができる。一部の実施形態では、TCRは胸腺で選択されたTCRである。一部の実施形態では、TCRはネオエピトープ拘束性TCRである。一部の実施形態では、T細胞は、培養されたT細胞ハイブリドーマまたはクローンであってもよい。一部の実施形態では、TCRまたはその抗原結合部分もしくは抗原結合性断片は、TCRの配列の知識から合成で生成されてもよい。
一部の実施形態では、TCRは、標的ポリペプチド抗原、またはその標的T細胞エピトープに対する候補TCRのライブラリーのスクリーニングから同定または選択されたTCRから生成される。TCRライブラリーは、PBMC、脾臓または他のリンパ器官に存在する細胞を含む対象から単離されたT細胞由来のVαおよびVβのレパートリーの増幅によって生成することができる。一部の例では、T細胞は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)から増幅され得る。一部の実施形態では、TCRライブラリーがCD4+またはCD8+ T細胞から生成され得る。一部の実施形態では、TCRは健康な対象の正常なT細胞源から増幅され得る(すなわち、正常なTCRライブラリー)。一部の実施形態では、TCRは疾患を有する対象のT細胞源から増幅され得る(すなわち、疾患TCRライブラリー)。一部の実施形態では、ヒトから得られたT細胞などの試料でのRT-PCRなどによってVαおよびVβの遺伝子レパートリーを増幅するのに縮重プライマーが使用されてもよい。一部の実施形態では、増幅産物がリンカーによって隔てられるようにクローニングされるかまたは組み立てられるナイーブVαおよびVβライブラリーから、scTvライブラリーが組み立てられてもよい。対象および細胞供給源に応じて、ライブラリーはHLA対立遺伝子特異的であり得る。あるいは、一部の実施形態では、TCRライブラリーは、親または足場TCR分子の変異誘発または多様化によって生成することができる。一部の態様では、TCRは、例えばαまたはVβ鎖の変異誘発などによって定向進化に供される。一部の態様では、TCRのCDR内の特定の残基が変更される。一部の実施形態では、選択されたTCRが親和性成熟によって改変され得る。一部の実施形態では、ペプチドに対するCTL活性を評価するためにスクリーニングなどによって抗原特異的T細胞が選択され得る。一部の態様では、例えば抗原特異的T細胞に存在するTCRが、結合活性、例えば、抗原に対する特定の親和性またはアビディティーなどによって選択され得る。
一部の実施形態では、TCRまたはその抗原結合部分は、改変または操作されたものである。一部の実施形態では、特異的MHC-ペプチド複合体に対する親和性がより高いなど、特性が変更されたTCRを生成するのに定向進化方法が使用される。一部の実施形態では、定向進化は、酵母ディスプレイ[Holler et al. (2003) Nat Immunol, 4, 55-62; Holler et al. (2000) Proc Natl Acad Sci U S A, 97, 5387-92]、ファージディスプレイ[Li et al. (2005) Nat Biotechnol, 23, 349-54]、またはT細胞ディスプレイ[Chervin et al. (2008) J Immunol Methods, 339, 175-84]を含むがこれらに限定されないディスプレイ方法によって達成される。一部の実施形態では、ディスプレイアプローチは、既知の親または参照TCRの操作または改変を必要とする。例えば、一部の例では、CDRの1つまたは複数の残基が変異され、所望の変更された特性、例えば、所望の標的抗原に対するより高い親和性を有する変異体が選択される変異誘発TCRを作製するための鋳型として、野生型TCRが使用され得る。
一部の実施形態では、目的のTCRの作製または生成において使用するための標的ポリペプチドのペプチドは既知であるか、または容易に同定することができる。一部の実施形態では、TCRまたは抗原結合部分の生成における使用に適したペプチドは、以下に記載される標的ポリペプチドなどの目的の標的ポリペプチド中のHLA拘束性モチーフの存在に基づき決定することができる。一部の実施形態では、ペプチドは、利用可能なコンピューター予測モデルを使用して同定される。一部の実施形態では、MHCクラスI結合部位の予測に関するそのようなモデルには、ProPred1[Singh and Raghava (2001) Bioinformatics 17(12): 1236- 1237]、およびSYFPEITHI[Schuler et al. (2007) 226 Immunoinformatics Methods in Molecular Biology, 409(1): 75-93 2007を参照]が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、MHC拘束性エピトープは、全白人の約39~46%で発現され、それ故に、TCRまたは他のMHC-ペプチド結合分子の調製において使用するためのMHC抗原の適切な選択となるHLA-A0201である。
コンピューター予測モデルを使用したHLA-A0201結合モチーフならびにプロテアソームおよび免疫プロテアソームの切断部位は公知である。MHCクラスI 結合部位の予測に関するそのようなモデルには、ProPred1[Singh and Raghava, ProPred: prediction of HLA-DR binding sites. BIOINFORMATICS 17(12): 1236-1237 2001により詳細に記載されている]、およびSYFPEITHI[Schuler et al. SYFPEITHI, Database for Searching and T-Cell Epitope Prediction. in Immunoinformatics Methods in Molecular Biology, vol 409(1): 75-93 2007を参照]挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、TCRまたはその抗原結合部分は、結合特性などの1つまたは複数の特性が変更されている組換えにより作製された天然のタンパク質またはその変異型であってもよい。一部の実施形態では、TCRは様々な動物種、例えば、ヒト、マウス、ラット、または他の哺乳動物の1つに由来してもよい。TCRは細胞結合型または可溶型であってもよい。一部の実施形態では、提供される方法の目的のために、TCRは細胞の表面で発現される細胞結合型である。
一部の実施形態では、TCRは完全長TCRである。一部の実施形態では、TCRは抗原結合部分である。一部の実施形態では、TCRは二量体TCR(dTCR)である。一部の実施形態では、TCRは一本鎖TCR(sc-TCR)である。一部の実施形態では、dTCRまたはscTCRは、WO 03/020763、WO 04/033685、WO2011/044186に記載の構造を有する。
一部の実施形態では、TCRは膜貫通配列に対応する配列を含有する。一部の実施形態では、TCRは細胞質配列に対応する配列を含有する。一部の実施形態では、TCRはCD3とTCR複合体を形成することができる。一部の実施形態では、dTCRまたはscTCRを含むTCRのいずれかが、T細胞の表面で活性TCRを生成するシグナル伝達ドメインに連結されてもよい。一部の実施形態では、TCRは細胞の表面で発現される。
一部の実施形態ではdTCRは、TCRα鎖可変領域配列に対応する配列がTCRα鎖定常領域細胞外配列に対応する配列のN末端に融合される第1のポリペプチド、およびTCRβ鎖可変領域配列に対応する配列がTCRβ鎖定常領域細胞外配列に対応する配列のN末端に融合される第2のポリペプチドを含有し、第1および第2のポリペプチドはジスルフィド結合によって連結される。一部の実施形態では、結合は、天然の二量体αβTCRに存在する天然の鎖間ジスルフィド結合に対応し得る。一部の実施形態では、鎖間ジスルフィド結合は天然のTCRに存在しない。例えば、一部の実施形態では、1つまたは複数のシステインがdTCRポリペプチド対の定常領域細胞外配列に組み込まれてもよい。一部の例では、天然および非天然ジスルフィド結合の両方が望ましい場合がある。一部の実施形態では、TCRは、膜に固定するための膜貫通配列を含有する。
一部の実施形態では、dTCRは、可変αドメイン、定常αドメイン、および定常αドメインのC末端に結合した第1の二量体化モチーフを含有するTCRα鎖、ならびに可変βドメイン、定常βドメイン、および定常βドメインのC末端に結合した第1の二量体化モチーフを含むTCRβ鎖を含有し、第1および第2の二量体化モチーフは容易に相互作用して、第1の二量体化モチーフ中のアミノ酸と第2の二量体化モチーフ中のアミノ酸の間に共有結合を形成し、TCRα鎖とTCRβ鎖を連結する。
一部の実施形態では、TCRはscTCRである。典型的には、scTCRは、公知の方法を使用して生成することができ、例えば、Soo Hoo, W. F. et al. PNAS (USA) 89, 4759 (1992);Wuelfing, C. and Plueckthun, A., J. Mol. Biol. 242, 655 (1994);Kurucz, I. et al. PNAS (USA) 90 3830 (1993);国際公開PCT第WO96/13593号、WO96/18105号、WO99/60120号、WO99/18129号、WO03/020763号、WO2011/044186号;およびSchlueter, C. J. et al. J. Mol. Biol. 256, 859 (1996)を参照のこと。一部の実施形態では、scTCRは、TCR鎖の会合を容易にするための導入された非天然ジスルフィド鎖間結合を含有する(例えば、国際公開PCT第WO03/020763を参照)。一部の実施形態では、scTCRは、そのC末端に融合された異種ロイシンジッパーが鎖の会合を容易にする非ジスルフィド連結切断型TCRである(例えば、国際公開PCT第WO99/60120号を参照)。一部の実施形態では、scTCRは、ペプチドリンカーを介してTCRβ可変ドメインに共有結合されたTCRα可変ドメインを含有する(例えば、国際公開PCT第WO99/18129号を参照)。
一部の実施形態では、scTCRは、TCRα鎖可変領域に対応するアミノ酸配列によって構成される第1のセグメント、TCRβ鎖定常ドメイン細胞外配列に対応するアミノ酸配列のN末端に融合した、TCRβ鎖可変領域配列に対応するアミノ酸配列によって構成される第2のセグメント、および第1のセグメントのC末端を第2のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含有する。
一部の実施形態では、scTCRは、α鎖細胞外定常ドメイン配列のN末端に融合したα鎖可変領域配列によって構成される第1のセグメント、ならびに配列β鎖細胞外定常および膜貫通配列のN末端に融合したβ鎖可変領域配列によって構成される第2のセグメント、ならびに適宜、第1のセグメントのC末端を第2のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含有する。
一部の実施形態では、scTCRは、β鎖細胞外定常ドメイン配列のN末端に融合したTCRβ鎖可変領域配列によって構成される第1のセグメント、ならびに配列α鎖細胞外定常および膜貫通配列のN末端に融合したα鎖可変領域配列によって構成される第2のセグメント、ならびに適宜、第1のセグメントのC末端を第2のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含有する。
一部の実施形態では、第1および第2のTCRセグメントを連結するscTCRのリンカーは、TCR結合特異性を保持しながら、単一ポリペプチド鎖を形成することができる任意のリンカーであってもよい。一部の実施形態では、リンカー配列は、例えば、式-P-AA-P-(式中、Pはプロリンであり、AAはアミノ酸配列を表し、アミノ酸はグリシンおよびセリンである)を有し得る。一部の実施形態では、第1および第2のセグメントは対合され、その結果、それらの可変領域配列はそのような結合のために配向される。それ故に、一部の例では、リンカーは、第1のセグメントのC末端と第2のセグメントのN末端の間の距離に及ぶ十分な長さを有するか、またはその逆も同様であるが、標的リガンドへのscTCRの結合をブロックまたは低減するほど長くはない。一部の実施形態では、リンカーは、10~45個のアミノ酸または約10~約45個のアミノ酸、例えば10~30個のアミノ酸または26~41個のアミノ酸残基、例えば29、30、31または32個アミノ酸を含有することができる。一部の実施形態では、リンカーは、式-PGGG-(SGGGG)5-P-(式中、Pはプロリンであり、Gはグリシンであり、Sはセリンである)(配列番号91)を有する。一部の実施形態では、リンカーは、配列GSADDAKKDAAKKDGKS(配列番号92)を有する。
一部の実施形態では、scTCRは、α鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基を、β鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基に連結する共有ジスルフィド結合を含有する。一部の実施形態では、天然のTCRの鎖間ジスルフィド結合は存在しない。例えば、一部の実施形態では、1つまたは複数のシステインがscTCRポリペプチドの第1および第2のセグメントの定常領域細胞外配列に組み込まれ得る。一部の例では、天然および非天然ジスルフィド結合の両方が望ましい場合がある。
導入された鎖間ジスルフィド結合を含有するdTCRまたはscTCRの一部の実施形態では、天然ジスルフィド結合は存在しない。一部の実施形態では、天然の鎖間ジスルフィド結合を形成する1つまたは複数の天然システインは、別の残基、例えばセリンまたはアラニンに置換される。一部の実施形態では、導入されたジスルフィド結合は、第1および第2のセグメントの非システイン残基をシステインに変異させることによって形成されてもよい。TCRの例示的な非天然ジスルフィド結合は、公開国際PCT番号WO2006/000830に記載されている。
一部の実施形態では、TCRまたはその抗原結合性断片は、標的抗原に対する平衡結合定常が、10-5~10-12Mまたは約10-5~約10-12Mおよびその中の全ての個々の値および範囲の親和性を示す。一部の実施形態では、標的抗原は、MHC-ペプチド複合体またはリガンドである。
一部の実施形態では、αおよびβ鎖などのTCRをコードする核酸は、PCR、クローニングまたは他の適切な手段によって増幅され、適切な発現ベクターにクローニングされ得る。発現ベクターは、任意の適切な組換え発現ベクターであってもよく、任意の適切な宿主を形質転換またはトランスフェクトするのに使用することができる。適切なベクターには、増殖および拡大、もしくは発現または両方のために設計されたベクター、例えばプラスミドおよびウイルスが挙げられる。
一部の実施形態では、ベクターは、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences)、pBluescriptシリーズ(Stratagene、ラホヤ、カリフォルニア)、pETシリーズ(Novagen、マジソン、ウィスコンシン)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech、ウプサラ、スウェーデン)、またはpEXシリーズ(Clontech、パロアルト、カリフォルニア)のベクターであってもよい。一部の例では、λG10、λGT11、λZapII(Stratagene)、λEMBL4、およびλNM1149などのバクテリオファージベクターも使用することができる。一部の実施形態では、植物発現ベクターが使用されてもよく、これはpBI01、pBI101.2、pBI101.3、pBI121およびpBIN19(Clontech)を含む。一部の実施形態では、動物発現ベクターは、pEUK-Cl、pMAMおよびpMAMneo(Clontech)を含む。一部の実施形態では、レトロウイルスベクターなどのウイルスベクターが使用される。
一部の実施形態では、組換え発現ベクターは、標準的な組換えDNA法を使用して調製され得る。一部の実施形態では、ベクターは、必要に応じて、およびベクターがDNAベースかまたはRNAベースかを考慮しながら、ベクターが導入される宿主のタイプ(例えば、細菌、真菌、植物、または動物)に固有の転写および翻訳の開始および終止コドンなどの調節配列を含有することができる。一部の実施形態では、ベクターは、TCRまたは抗原結合部分(または他のMHC-ペプチド結合分子)をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結された非天然プロモーターを含有することができる。一部の実施形態では、プロモーターは、非ウイルスプロモーターまたはウイルスプロモーター、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーター、およびマウス幹細胞ウイルスの長末端反復で見出されるプロモーターであってもよい。他の既知のプロモーターも企図される。
一部の実施形態では、TCRをコードするベクターを生成するために、目的のTCRを発現するT細胞クローンから単離された全cDNAからαおよびβ鎖がPCR増幅され、発現ベクターにクローニングされる。一部の実施形態では、αおよびβ鎖は同じベクターにクローニングされる。一部の実施形態では、αおよびβ鎖は異なるベクタークローニングされる。一部の実施形態では、生成されたαおよびβ鎖は、レトロウイルス、例えばレンチウイルスのベクターに組み込まれる。
IV.投与方法
疾患、状態、および障害、例えばがんの処置などにおいて組成物を使用する方法も提供される。
本明細書(例えば、節I)に提供された方法に従って効力が評価された治療用細胞組成物を投与する方法、ならびにがんを含む疾患、状態、および障害を処置または予防するためのそのような細胞、集団、および組成物の使用が提供される。また、本明細書(例えば、節I)に提供された方法に従って効力が評価された治療用細胞組成物を使用する方法、ならびにがんを含む疾患、状態、および障害を処置または予防するためのそのような治療用細胞組成物の使用も提供される。特定の実施形態では、細胞、集団および組成物は、提供される方法のいずれかに従って作製および操作されたものである。一部の実施形態では、細胞、集団、および組成物は、処置されるべき特定の疾患または状態を有する対象または患者に、例えば、養子T細胞療法などの養子細胞療法を介して投与される。一部の実施形態では、インキュベーションおよび/または他の処理工程後の操作された組成物および作製終了時の組成物など、提供される方法によって調製された細胞および組成物が対象、例えば、疾患もしくは状態を有するまたは疾患もしくは状態のリスクがある対象に投与される。一部の態様では、方法はそれによって、例えば、操作されたT細胞によって認識される抗原を発現するがんの腫瘍負荷を低下させて、疾患または状態の1つまたは複数の症状を処置(例えば、改善)する。
そのような方法および使用は、例えば、インキュベーションおよび/または他の処理工程後の操作された組成物および作製終了時の組成物など、提供される方法によって調製された細胞および組成物を、がんなどの疾患、状態または障害を有する対象に投与して、疾患または障害の処置を達成することを含む、治療的方法および使用を含む。一部の実施形態では、組成物の効力は、本明細書で提供される方法に従って決定される。使用は、そのような方法および処置における組成物の使用、ならびにそのような治療的方法を実施するための医薬の調製におけるそのような組成物の使用を含む。一部の実施形態では、方法および使用はそれによって、対象における腫瘍またはがんなどの疾患または状態または障害を処置する。
養子細胞療法のための細胞の投与方法は公知であり、提供される方法および組成物と関連付けて使用することができる。例えば、養子T細胞療法方法は、例えば、Gruenberg et alの米国特許出願公開第2003/0170238号;Rosenbergの米国特許第4,690,915号;Rosenberg (2011) Nat Rev Clin Oneal. 8(10):577-85に記載されている。例えば、Themeli et al. (2013) Nat Biotechnol. 31(10): 928-933;Tsukahara et al. (2013) Biochem Biophys Res Commun 438(1): 84-9;Davila et al. (2013) PLoS ONE 8(4): e61338を参照のこと。
本明細書で使用される場合、「対象」はヒトまたは他の動物などの哺乳動物であり、典型的にはヒトである。一部の実施形態では、細胞、細胞集団、または組成物が投与される対象、例えば患者は、哺乳動物、典型的には、ヒトなどの霊長類である。一部の実施形態では、霊長類はサルまたは類人猿である。対象は、男性または女性であってもよく、乳児、若年、青年、成人、および老人の対象を含む任意の適切な年齢であり得る。一部の実施形態では、対象は、非霊長類哺乳動物、例えばげっ歯類である。
本明細書で使用される場合、「処置(treatment)」(およびその文法的変形、例えば「treat」または「treating」)とは、疾患もしくは状態もしくは障害、または症状、副作用または転帰、またはそれらに関連する表現型の完全もしくは部分的な改善または低減を指す。処置の望ましい効果には、疾患の発生または再発の予防、症状の軽減、疾患の任意の直接または間接的病理学的帰結の減少、転移の予防、疾患進行の減速、疾患状態の改善または緩和、および寛解または予後改善が挙げられるが、これらに限定されない。該用語は、疾患の完全な治癒、または任意の症状の完全な排除、または全ての症状もしくは転帰に対する効果を意味しない。
本明細書で使用される場合、「疾患の発症の遅延」は、疾患(がんなど)の発症を延期し、妨げ、遅くし、遅らせ、安定化し、抑制し、および/または先延ばしにすることを意味する。この遅延は、処置される疾患の病歴および/または個体に応じて様々な時間の長さになり得る。当業者には明らかなように、十分なまたは有意な遅延は、個体が疾患を発症しないという点で実質的に予防を包含し得る。例えば、転移の発生などの後期のがんが遅延され得る。
「予防(preventing)」は、本明細書で使用される場合、疾患に罹りやすい可能性はあるが、まだ疾患と診断されていない対象における疾患の発生または再発に関して、予防(prophylaxis)を提供することを含む。一部の実施形態では、提供された細胞および組成物は、疾患の発症を遅延するかまたは疾患の進行を遅くするのに使用される。
本明細書で使用される場合、機能または活性を「抑制する」ことは、目的の条件もしくはパラメーターを除けば同じである条件と比較して、またはあるいは別の条件と比較して、機能または活性を低減することである。例えば、腫瘍増殖を抑制する細胞は、該細胞の非存在での腫瘍の増殖速度と比べて腫瘍の増殖速を低下させる。
投与の文脈における剤、例えば、医薬製剤、細胞、または組成物の「有効量」とは、治療的または予防的結果などの所望の結果を達成するために必要な投与量/量および期間での有効な量を指す。
剤、例えば、医薬製剤または細胞の「治療有効量」とは、疾患、状態、もしくは障害の処置などに対する所望の治療的結果、および/または処置の薬物動体的もしくは薬力学的効果を達成するために必要な投与量および期間での有効な量を指す。治療有効量は、対象の病期、年齢、性別、および体重、ならびに投与される細胞集団などの要因に従って異なり得る。一部の実施形態では、提供される方法は、細胞および/または組成物を有効量、例えば治療有効量で投与することを含む。一部の実施形態では、治療用細胞組成物の決定された効力は、有効量、例えば治療有効量を決定するのに使用される。
「予防有効量」とは、所望の予防的結果を達成するために必要な投与量および期間での有効な量を指す。典型的には、必ずしもではないが、予防的用量は、疾患の初期段階の前にまたは初期段階で対象において使用されるため、予防有効量は治療有効量より少なくなる。一部の実施形態では、治療用細胞組成の決定された効力は、治療有効量を決定するのに使用される。
処置される疾患または状態は、抗原の発現が、疾患、状態または障害の病因に関連するおよび/または関与する、例えば、そのような疾患、状態、または障害を引き起こす、増悪させる、またはさもなければ関与する任意の疾患または状態であり得る。例示的な疾患および状態には、悪性腫瘍または細胞の形質転換(例えば、がん)、自己免疫疾患もしくは炎症性疾患、または例えば、細菌、ウイルスもしくは他の病原体に起因する感染症に関連する疾患または状態を挙げることができる。処置され得る様々な疾患および状態に関連する抗原を含む例示的な抗原は、上に記載されている。特定の実施形態では、キメラ抗原受容体またはトランスジェニックTCRは、疾患または状態に関連する抗原に特異的に結合する。
故に、提供される方法および使用は、養子細胞療法のための方法および使用を含む。一部の実施形態では、方法は、該細胞または該細胞を含有する組成物を、対象、組織、または細胞、例えば、疾患、状態もしくは障害を有するか、そのリスクがあるか、またはそれが疑われるものに投与することを含む。一部の実施形態では、細胞、集団、および組成物は、処置されるべき特定の疾患または状態を有する対象に、例えば、養子T細胞療法などの養子細胞療法を介して投与される。一部の実施形態では、細胞または組成物は、対象、例えば、疾患もしくは状態を有するかまたはそのリスクがある対象に投与され、疾患または状態の1つまたは複数の症状を改善する。
一部の実施形態では、細胞療法、例えば養子T細胞療法は自家移植によって実施される。自家移植では、細胞は、細胞療法を受けることになっている対象から、またはそのような対象に由来する試料から単離および/またはさもなければ調製される。故に、一部の態様では、細胞は、処置および細胞を必要とする対象、例えば患者に由来し、単離および処理後に同じ対象に投与される。
一部の実施形態では、細胞療法、例えば養子T細胞療法は同種移植によって実施される。同種移植では、細胞は、細胞療法を受けることになっている、または最終的に細胞療法を受ける対象(例えば第1の対象)以外の対象から単離および/またはさもなければ調製される。そのような実施形態では、細胞は次いで、同じ種の異なる対象、例えば第2の対象に投与される。一部の実施形態では、第1および第2の対象は遺伝的に同一である。一部の実施形態では、第1および第2の対象は遺伝的に類似している。一部の実施形態では、第2の対象は、第1の対象と同じHLAクラスまたはサブタイプを発現する。細胞は任意の適切な手段によって投与することができる。投薬および投与は、投与が短時間かまたは長期であるかに一部依存し得る。様々な投薬スケジュールには、単回投与または様々な時点にわたる複数回投与、ボーラス投与、およびパルス注入が挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、細胞、または細胞のサブタイプの個々の集団は、約100万~約1000億個の細胞の範囲で、および/または体重1キログラム当たりのその量の細胞で、例えば、100万~約500億個の細胞(例えば、約500万個の細胞、約2500万個の細胞、約5億個の細胞、約10億個の細胞、約50億個の細胞、約200億個の細胞、約300億個の細胞、約400億個の細胞、または前述の値のいずれか2つによって規定される範囲)、例えば約1000万~約1000億個の細胞(例えば、約2000万個の細胞、約3000万個の細胞、約4000万個の細胞、約6000万個の細胞、約7000万個の細胞、約8000万個の細胞、約9000万個の細胞、約100億個の細胞、約250億個の細胞、約500億個の細胞、約750億個の細胞、約900億個の細胞、または前述の値のいずれか2つによって規定される範囲)、および一部の例では約1億個の細胞~約500億個の細胞(例えば、約1億2000万細胞、約2億5000万個の細胞、約3億5000万個の細胞、約4億5000万個の細胞、約6億5000万個の細胞、約8億個の細胞、約9億個の細胞、約30億個の細胞、約300億個の細胞、約450億個の細胞)、またはこれらの範囲の間のおよび/もしくは体重1キログラム当たりの任意の値で対象に投与される。やはり、投与量は、特に疾患もしくは障害および/または患者および/または他の処置の特質に応じて異なり得る。一部の実施形態では、投与量は、治療用細胞組成物の効力に依存し得る。一部の実施形態では、細胞は、組合せ処置の一部として、例えば、別の治療介入、例えば抗体または操作された細胞または受容体または剤(細胞傷害性薬剤または治療剤など)と同時に、または任意の順で連続的に投与される。一部の実施形態において細胞は、1つもしくは複数の追加の治療剤と共に、または別の治療介入に関連して、同時にまたは任意の順で連続的に共投与される。一部の状況では、細胞集団が1つもしくは複数の追加の治療剤の効果を増強するように、またはその逆となるように、細胞は十分に近い時間内に別の治療と共投与される。一部の実施形態では、細胞は、1つまたは複数の追加の治療剤の前に投与される。一部の実施形態では、細胞は、1つまたは複数の追加の治療剤の後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数の追加の薬剤は、例えば持続性を増強するIL-2などのサイトカインを含む。一部の実施形態では、方法は化学療法剤の投与を含む。
細胞の投与後、一部の実施形態では操作された細胞集団(例えば、治療用細胞組成物)の生物活性が、例えばいくつかの公知の方法のいずれかによって測定される。評価するパラメーターには、インビボでは、例えばイメージングによる、またはエクスビボでは、例えばELISAもしくはフローサイトメトリーによる、抗原への操作されたまたは天然のT細胞または他の免疫細胞の特異的結合が挙げられる。ある特定の実施形態では、標的細胞を破壊する操作された細胞の能力は、例えば、Kochenderfer et al., J. Immunotherapy, 32(7): 689-702 (2009)、およびHerman et al. J. Immunological Methods, 285(1): 25-40 (2004)に記載された細胞傷害性アッセイなどの、当技術分野で公知の任意の適切な方法を使用して測定することができる。ある特定の実施形態では、細胞の生物活性は、CD 107a、IFNγ、IL-2、およびTNFなどの1つまたは複数のサイトカインの発現および/または分泌をアッセイすることによって測定される。一部の態様では生物活性は、腫瘍負荷または腫瘍量の低下などの臨床転帰を評価することによって測定される。
ある特定の実施形態では、操作された細胞は、それらの治療的または予防的有効性が向上するようにいくつもの方法でさらに改変される。例えば、集団によって発現される操作されたCARまたはTCRは、標的化部分に直接、またはリンカーを通じて間接的にコンジュゲートされ得る。化合物、例えばCARまたはTCRを標的化部分にコンジュゲートする行為は、当技術分野で公知である。例えば、Wadwa et al., J. Drug Targeting 3: 1 1 1 (1995)、および米国特許第5,087,616号を参照のこと。一部の実施形態では、治療的または予防的有効性の向上の確認は、本明細書(例えば、節I)に記載された効力を評価する方法を使用して決定される。
IV.定義
別に定義されない限り、本明細書において使用される、本分野の全ての用語、表記法ならびに他の技術および科学用語または用語法は、特許請求の範囲の主題が属する分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有することが意図される。一部の場合、通常理解される意味を有する用語は、明確にするためにおよび/または参照を容易にするために本明細書において定義され、本明細書におけるそのような定義の包含は、必ずしも、当該技術分野において一般的に理解されている定義との実質的な相違を表すとは解釈すべきでない。
本明細書において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、別に明確に示されない限り、複数の言及を含む。例えば、「1つの(a)」または「1つの(an)」とは、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を含む。本明細書において説明される態様および変形は、態様および変形「からなること」および/または「から本質的になること」を含むことが理解される。
本開示を通じて、特許請求される主題の様々な態様が範囲形式で提示される。範囲形式における説明は、単に便利および簡潔さのためであり、特許請求の範囲の主題の範囲に対する変更不能な限定として解釈すべきでないことを理解すべきである。したがって、範囲の記載は、特に開示される全ての可能な下位範囲およびその範囲内の個々の数値を有すると考えるべきである。例えば、ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各間の値、およびその示される範囲内の任意の他の示される値または間の値は、特許請求の範囲の主題の範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は独立して、より小さい範囲に含まれてもよく、また、特許請求の範囲の主題の範囲内に包含され、示される範囲内の任意の特に除外される限定を受ける。示される範囲が限定のうちの1つまたは両方を含む場合、また、それらの含まれる限定のいずれかまたは両方を除外する範囲は、特許請求の範囲の主題に含まれる。これは範囲の広さに関係なく適用される。
用語「約」とは、本明細書で使用される「約」という用語は、この技術分野の当業者に容易に知られるそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書中の「約」を伴う値またはパラメーターについての言及は、その値またはパラメーターそれ自体を対象とする実施形態を含み(かつ説明する)。例えば、「約X」に言及する説明は、「X」の説明を含む。
本明細書で使用される場合、ヌクレオチドまたはアミノ酸位置が、例えば配列表に記載された、開示された配列のヌクレオチドまたはアミノ酸位置「に対応する」という記載は、GAPアルゴリズムなどの標準的な整列アルゴリズムを使用して、開示された配列と同一性を最大化するように整列させたときに同定されるヌクレオチドまたはアミノ酸位置を指す。配列を整列させることにより、当業者は、例えば、保存されたおよび同一のアミノ酸残基をガイドとして使用して対応する残基を同定することができる。一般に、対応する位置を同定するために、アミノ酸の配列は最上位のマッチが得られるように整列される[例えば、Computational Molecular Biology, Lesk, A.M., ed., Oxford University Press, New York, 1988;Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W., ed., Academic Press, New York, 1993;Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., and Griffin, H.G., eds., Humana Press, New Jersey, 1994;Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987;およびSequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M Stockton Press, New York, 1991;Carrillo et al. (1988) SIAM J Applied Math 48: 1073を参照]。
用語「ベクター」とは、本明細書において、連結された別の核酸を増殖することが可能な核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、およびそれが導入されている宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターを含む。ある特定のベクターは、それらが作動可能に連結された核酸の発現を方向付けることができる。そのようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と呼ばれる。ベクターの中には、レトロウイルス、例えば、ガンマレトロウイルスおよびレンチウイルスのベクターなどのウイルスベクターが含まれる。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、および「宿主細胞培養物」という用語は互換的に使用され、そのような細胞の子孫を含む、外因性核酸が導入された細胞を指す。宿主細胞は、「形質転換体」および「形質転換細胞」を含み、これは、一次形質転換細胞および継代数にかかわらずそれに由来する子孫を含む。子孫は、核酸含量において親細胞に対して完全に同一ではない場合もあり、突然変異を含有する場合もある。元の形質転換細胞についてスクリーニングまたは選択されたものと同一の機能または生物活性を有する突然変異体子孫も本明細書で含まれる。
本明細書で使用する場合、細胞または細胞の集団が、特定のマーカーについて「陽性」であるという記載は、特定のマーカー、通常、表面マーカーの細胞上または細胞中での検出可能な存在を指す。表面マーカーについて言及する場合、この用語は、フローサイトメトリーによって、例えばマーカーに特異的に結合する抗体により染色し、前記抗体を検出することによって検出される表面発現の存在を指し、ここで、染色は、他は同一の条件下においてアイソタイプ適合対照について同じ手順を行って検出される染色を実質的に超えるレベルにおいて、かつ/またはそのマーカーについて陽性であることが公知の細胞についてのレベルと実質的に同様のレベルにおいて、かつ/またはそのマーカーについて陰性であることが公知の細胞についてのレベルよりも実質的に高いレベルにおいて、フローサイトメトリーによって検出可能である。
本明細書で使用される場合、細胞または細胞集団が特定のマーカーに対して「陰性」であるという記述は、特定のマーカー、典型的には表面マーカーの、細胞上または細胞内の実質的な検出可能な存在がないことを指す。表面マーカーに関して、該用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体で染色し、前記抗体を検出することによって検出されるような表面発現がないことを指し、他は同一の条件下のアイソタイプ適合対照を用いて同じ手順を行って検出される染色を実質的に上回るレベル、および/またはマーカーに対して陽性であることが公知の細胞より実質的に低いレベル、および/またはマーカーに対して陰性であることが公知の細胞と比較して実質的に同様のレベルでは、染色はフローサイトメトリーによって検出されない。
本明細書において使用される場合、「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」および「同一性パーセント」は、アミノ酸配列(参照ポリペプチド配列)について使用される場合、最大配列同一性パーセントを達成するように配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入した後の、かつ任意の保存的置換を配列同一性の部分として考慮しない、参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である、候補配列(例えば対象抗体または断片)中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のアラインメントは、当業者の技術内である種々の方法で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に利用可能なコンピューターソフトウェアを使用して達成できる。当業者は、比較されている配列の全長にわたって最大アラインメントを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、配列をアラインするための適当なパラメーターを決定できる。
アミノ酸置換は、ポリペプチド中の1個のアミノ酸と別のアミノ酸との交換を含み得る。置換は、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換であってもよい。アミノ酸置換は、目的の結合分子、例えば抗体に導入され、所望の活性、例えば、抗原結合の保持/改善、免疫原性の減少、またはADCCもしくはCDCの改善について産物がスクリーニングされ得る。
アミノ酸は一般に、以下の共通する側鎖特性に従って分類することができる:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖の向きに影響を与える残基:Gly、Pro;
(6)芳香族性:Trp、Tyr、Phe
一部の実施形態では、保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーと、同じクラスの別のメンバーとの交換を含み得る。一部の実施形態では、非保存的アミノ酸置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーと、別のクラスとの交換を含み得る。
本明細書において使用される場合、組成物は、2つまたはそれより多い、細胞を含む生成物、物質または化合物の任意の混合物を指す。それは、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性またはそれらの任意の組合せであり得る。
本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒトまたは他の動物などの哺乳動物であり、典型的にはヒトである。
別に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語、表記法、およびその他の技術的および科学的用語または専門用語は、請求された主題が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有することを意図している。一部の場合には、一般に理解されている意味を有する用語は、明確にするため、および/または容易な参照のために本明細書で定義されており、そのような定義を本明細書に含めることは、必ずしも当該技術分野で一般に理解されているものとの実質的な違いを表すと解釈されるべきではない。
V.例示的な実施形態
提供される実施形態の中には以下がある:
1.治療用細胞組成物の効力を決定する方法であって、
複数のインキュベーションを実施することであって、前記複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体を発現するように操作された細胞を含む治療用細胞組成物の細胞を組換え受容体刺激剤と共に培養することを含み、
組換え受容体への組換え受容体刺激剤の結合は、細胞において組換え受容体依存性活性を刺激し、
複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる調整された比率を含む、実施すること、
複数のインキュベーションの各々から組換え受容体依存性活性を測定すること、および
複数のインキュベーションの各々から測定された組換え受容体依存性活性に基づいて、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率を決定すること
を含む、方法。
2.参照標準の最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率に対して、治療用細胞組成物の最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率を比較することによって、治療用細胞組成物の相対効力を決定することをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
3.治療用細胞組成物の効力を決定する方法であって、
複数のインキュベーションを実施することであって、前記複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体を発現するように操作された細胞を含む治療用細胞組成物の細胞を組換え受容体刺激剤と共に培養することを含み、
組換え受容体への組換え受容体刺激剤の結合は、細胞において組換え受容体依存性活性を刺激し、
複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる調整された比率を含む、実施すること、
複数のインキュベーションの各々から組換え受容体依存性活性を測定すること、および
参照標準の最大半量の組換え受容体依存性活性に対して、治療用細胞組成物の最大半量の組換え受容体依存性活性を比較することによって、治療用細胞組成物の相対効力を決定すること
を含む、方法。
4.複数のインキュベーションの各々が、治療用組成物の一定数の細胞を、異なる量の組換え受容体刺激剤と共に培養して、複数の異なる調整された比率を生成することを含む、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
5.複数のインキュベーションの各々が、一定量の結合分子を、治療用組成物の異なる数の細胞と共に培養して、複数の異なる調整された比率を生成することを含む、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
6.2つまたはそれより多い、適宜、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多い治療用細胞組成物について、複数のインキュベーションが実施される、実施形態1~5のいずれかに記載の方法。
7.2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、各々同一の組換え受容体を含む、実施形態6に記載の方法。
8.2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、各々異なる組換え受容体を含む、実施形態6に記載の方法。
9.2つまたはそれより多い治療用細胞組成物のうち少なくとも1つが、他の治療用組成物とは異なる組換え受容体を含む、実施形態6に記載の方法。
10.2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、各々同一製造プロセスを使用して製造される、実施形態6~9のいずれかに記載の方法。
11.2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、各々異なる製造プロセスを使用して製造される、実施形態6~9のいずれかに記載の方法。
12.2つまたはそれより多い治療用細胞組成物のうち少なくとも1つが、他の治療用細胞組成物を製造するために使用されたものとは異なる製造プロセスを使用して製造される、実施形態6~9のいずれかに記載の方法。
13.2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、単一対象から得た細胞から生成される、実施形態6~12のいずれかに記載の方法。
14.2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、異なる対象から得た細胞から生成される、実施形態6~12のいずれかに記載の方法。
15.対象が健康な対象または疾患もしくは状態を有する対象である、実施形態13または実施形態14に記載の方法。
16.複数のインキュベーションが少なくとも3回のインキュベーションである、実施形態1から15のいずれかに記載の方法。
17.複数のインキュベーションが、少なくとも5回のインキュベーションである、実施形態1~16のいずれかに記載の方法。
18.複数のインキュベーションが少なくとも7回のインキュベーションである、実施形態1~17のいずれかに記載の方法。
19.複数のインキュベーションが、少なくとも10回のインキュベーションである、実施形態1~18のいずれかに記載の方法。
20.組換え受容体依存性活性が、サイトカイン発現、細胞溶解活性、受容体上方制御、受容体下方制御、増殖、遺伝子上方制御、遺伝子下方制御または細胞の健康のうち1つまたは複数を含む、実施形態1~19のいずれかに記載の方法。
21.組換え受容体依存性活性が、サイトカイン発現または生成を含むか、またはそれである、実施形態1~20のいずれかに記載の方法。
22.組換え受容体依存性活性が、サイトカイン発現または生成を含むか、またはそれであり、サイトカインがTNF-アルファ、IFNガンマ(IFNg)またはIL-2である、実施形態1~21のいずれかに記載の方法。
23.組換え受容体依存性活性が細胞溶解活性を含むか、またはそれである、実施形態1~22のいずれかに記載の方法。
24.組換え受容体依存性活性が受容体上方制御を含むか、またはそれである、実施形態1~23のいずれかに記載の方法。
25.組換え受容体依存性活性が受容体下方制御を含むか、またはそれである、実施形態1~24のいずれかに記載の方法。
26.組換え受容体依存性活性が増殖を含むか、またはそれである、実施形態1~25のいずれかに記載の方法。
27.組換え受容体依存性活性が、遺伝子上方制御を含むか、またはそれである、実施形態1~26のいずれかに記載の方法。
28.組換え受容体依存性活性が、遺伝子下方制御を含むか、またはそれである、実施形態1~27のいずれかに記載の方法。
29.組換え受容体依存性活性が、細胞の健康を含むか、またはそれである、実施形態1~28のいずれかに記載の方法。
30.組換え受容体依存性活性が、細胞の健康を含むか、またはそれであり、細胞の健康が、細胞死、細胞径、生細胞濃度および細胞計数のうち1つまたは複数を含む、実施形態1~29のいずれかに記載の方法。
31.複数のインキュベーションの各々で測定された組換え受容体依存性活性が、治療用細胞組成物について測定された最大受容体依存性活性に対して正規化される、実施形態1~30のいずれかに記載方法。
32.参照標準が、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす検証された調整された比率を含む治療用細胞組成物、市販の治療用細胞組成物、治療用細胞組成物を製造するために使用される製造プロセスと同一である製造プロセスを使用して製造された治療用細胞組成物、治療用細胞組成物を製造するために使用された製造プロセスとは異なる製造プロセスを使用して製造された治療用細胞組成物、治療用細胞組成物と同一の組換え受容体を含む治療用細胞組成物、治療用細胞組成物とは異なる組換え受容体を含む治療用細胞組成物、同一対象から製造された治療用細胞組成物または異なる対象から製造された治療用細胞組成物である、実施形態1~31のいずれかに記載の方法。
33.参照標準が、2つまたはそれより多い治療用組成物のうちの1つである、実施形態6~32のいずれかに記載の方法。
34.組換え受容体刺激剤が、組換え受容体の標的抗原またはその細胞外ドメイン結合部分、適宜、組換え抗原を含む、実施形態1~33のいずれかに記載の方法。
35.組換え受容体刺激剤が、抗原の細胞外ドメイン結合部分を含み、細胞外ドメイン結合部分が、組換え受容体によって認識されるエピトープを含む、実施形態34に記載の方法。
36.組換え受容体刺激剤が、組換え受容体の細胞外抗原結合ドメインに対して特異的な抗イディオタイプ抗体である、実施形態1~33のいずれかに記載の方法。
37.組換え受容体刺激剤が、固体支持体に固定化されるか、または付着している、実施形態1~36のいずれかに記載の方法。
38.固体支持体が、複数のインキュベーションが実施される容器、適宜、マイクロウェルプレートのウェルの表面である、実施形態37に記載の方法。
39.固体支持体がビーズである、実施形態37に記載の方法。
40.組換え受容体刺激剤が抗原発現細胞であり、細胞が、細胞株由来のクローンまたは対象から採取された一次細胞であってもよい、実施形態1~33のいずれかに記載の方法。
41.抗原発現細胞が細胞株である、実施形態40に記載の方法。
42.細胞株が腫瘍細胞株である、実施形態41に記載の方法。
43.抗原発現細胞が、組換え受容体の抗原を発現するように形質導入によって導入されていてもよい細胞である、実施形態40に記載の方法。
44.調整された比率が、参照標準の組換え受容体依存性活性の線形用量反応範囲を達成する、実施形態1~43のいずれかに記載の方法。
45.調整された比率が、参照標準の下側漸近線(最小)組換え受容体依存性活性および上側漸近線(最大)組換え受容体依存性活性を含む、実施形態44に記載の方法。
46.治療用細胞組成物が、生物学的試料から濃縮もしくは精製された単細胞サブタイプまたは適宜、生物学的試料から濃縮もしくは精製された細胞サブタイプを混合することによって得られた混合細胞サブタイプの集団を含む、実施形態1~35のいずれかに記載の方法。
47.生物学的試料が、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画細胞試料、リンパ球試料、白血球細胞試料、アフェレーシス生成物または白血球アフェレーシス生成物を含む、実施形態46に記載の方法。
48.治療用細胞組成物が一次細胞を含む、実施形態1~47のいずれかに記載の方法。
49.治療用細胞組成物が、処置されるべき対象から得た自家細胞を含む、実施形態1~38のいずれかに記載の方法。
50.治療用細胞組成物が同種異系細胞を含む、実施形態1~49のいずれかに記載の方法。
51.治療用細胞組成物が、CD3+、CD4+および/またはCD8+T細胞を含む、実施形態1~50のいずれかに記載の方法。
52.治療用細胞組成物がCD4+T細胞を含む、実施形態1~51のいずれかに記載の方法。
53.治療用細胞組成物がCD8+T細胞を含む、実施形態1~52のいずれかに記載の方法。
54.組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、実施形態1~53のいずれかに記載の方法。
55.複数のインキュベーションが、フラスコ、チューブまたはマルチウェルプレート中で実施される、実施形態1~54のいずれかに記載の方法。
56.複数のインキュベーションが、マルチウェルプレートのウェルにおいて個別に各々実施される、実施形態1~55のいずれかに記載の方法。
57.マルチウェルプレートが、96ウェルプレート、48ウェルプレート、12ウェルプレートまたは6ウェルプレートである、実施形態55または実施形態56に記載の方法。
58.最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率に基づいて、それを必要とする対象に投与するための治療用組成物の細胞の用量を決定することをさらに含む、実施形態1および4~57のいずれかに記載の方法。
59.相対効力に基づいて、それを必要とする対象に投与するための治療用組成物の細胞の用量を決定することをさらに含む、実施形態2~57のいずれかに記載の方法。
60.対象が疾患または状態を有する、実施形態58または実施形態59に記載の方法。
61.疾患または状態ががんである、実施形態60に記載の方法。
62.相対効力に基づいて、最適治療用細胞組成物効力を生成する製造プロセスを決定することをさらに含み、最適治療用細胞組成物効力が、完全な応答および/または持続性のある応答および/または毒性の低減と相関する、実施形態2~61のいずれかに記載の方法。
63.相対効力に基づいて、効力の分散が低減されたまたは低い治療用細胞組成物を生成する製造プロセスを決定することをさらに含み、低減されたまたは低い分散が、異なる製造プロセスにおける分散と比較して決定される、実施形態2~62のいずれかに記載の方法。
VI.実施例
以下の実施例は、説明的な目的のためにのみ含まれ、本発明の範囲を限定することを意図しない。
[実施例1]
抗原刺激に対する細胞療法製品の感受性を評価するためのアッセイ
組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体)を発現する細胞を含有する治療用細胞組成物の抗原刺激に対する感受性を測定するアッセイを設計した。
3名の患者または健康なヒトドナー由来の初代CD4+およびCD8+ T細胞を、ドナー白血球アファレーシス試料から単離したPBMCから選択した。CD4+およびCD8+ T細胞を、組換えIL-2、IL-7、およびIL-15の存在下の無血清培地中、抗CD3および抗CD28抗体または結合性断片の存在下で刺激した。刺激は18~30時間のインキュベーションによって実施した。特異的抗原(例えば、CD19またはBCMA)に対するキメラ抗原受容体(CAR)をコードするレンチウイルスベクターを細胞に形質導入した。CARは、抗原(例えば、CD19またはBCMA)に特異的なscFv抗原結合性ドメイン、免疫グロブリンスペーサー、膜貫通ドメイン(例えば、ヒトCD28由来の膜貫通ドメイン)、ならびにヒトCD3ゼータ細胞内シグナル伝達ドメインを含有する細胞内シグナル伝達ドメインおよび共刺激シグナル伝達ドメイン(例えば、ヒト4-1BB細胞内シグナル伝達ドメイン)を含有した。次いで、形質導入細胞を組換えサイトカインの存在下で拡大培養した。この例は、生成CAR発現T細胞を用いて例証されるが、該アッセイは、任意の抗原指向性組換え受容体の抗原特異的感受性を評価するのに使用することができる。
抗原特異的刺激に対する例示的な治療用細胞組成物の感受性を測定するために、一定濃度の治療用細胞組成物を調整された量の抗原発現標的細胞とインキュベートした。このアッセイにおいてエフェクター細胞として機能する治療用細胞組成物の約50,000個のCAR+ T細胞を、マルチウェルプレートの各ウェルに添加した。抗原発現標的細胞を、12:1~0.012:1の、抗原発現標的細胞のエフェクター細胞に対する比率(T:E比率)の調整された量で添加した。細胞を2~48時間共培養し、次いで抗原特異的応答をT細胞の機能的活性をモニタリングして評価した。この例示的なアッセイでは、16時間後に上清を回収して抗原特異的サイトカイン生成を評価した。
図1Aは、3つの例示的な生成した細胞産物に関する、ドナー別の各T:E比率での例示的な分泌サイトカインIFNγ濃度を示す。図1Bは、上方漸近線で観察された最大サイトカイン濃度(Vmax)に対して正規化されたサイトカイン分泌(y軸)を示す。
50%サイトカイン分泌(例えば、50%有効刺激またはES50)をもたらすT:E比率をドナーごとに決定し、相対的効力をドナー1(参照標準)と比べて算出した。比較のために、製剤の最大抗原刺激でのサイトカイン分泌を測定する伝統的アッセイ形式を使用して、3つの異なる細胞組成物産物を評価し、相対的効力もドナー1と比べて算出した。結果を表E1に示す。表E1に記載された結果は、最大抗原特異的刺激で治療用細胞組成物の細胞によって分泌されたサイトカインの量と、50%有効刺激(ES50)でのT:E比率によって決定される抗原特異的刺激に対するそれらの感受性の間の異なる関係を実証する。これらの結果は、伝統的アッセイが抗原刺激に対する抗原感受性の正確な尺度を提供し得ない飽和レベルの抗原刺激をもたらす可能性があるのに対し、提供されたアッセイは、抗原による刺激に対する抗原指向性治療用細胞組成物の感受性をより確実に測定することができることを示している。
本発明は、例えば本発明の種々の態様を説明するために提供される特定の開示される実施形態に、範囲が限定されることを意図しない。記載される組成物および方法の種々の改変は、本明細書の記載および教示から明らかになるであろう。そのような変形形態は、本開示の真の範囲および趣旨から逸脱することなく実施することができ、本開示の範囲内にあることが意図される。

Claims (65)

  1. 治療用細胞組成物の効力を決定する方法であって、
    複数のインキュベーションを実施することであって、前記複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体を発現するように操作された細胞を含む治療用細胞組成物の細胞を組換え受容体刺激剤と共に培養することを含み、
    組換え受容体への組換え受容体刺激剤の結合は、細胞において組換え受容体依存性活性を刺激し、
    複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる調整された比率を含む、実施すること、
    複数のインキュベーションの各々から組換え受容体依存性活性を測定すること、および
    複数のインキュベーションの各々から測定された組換え受容体依存性活性に基づいて、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率を決定すること
    を含む、方法。
  2. 参照標準の最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率に対して、治療用細胞組成物の最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率を比較することによって、治療用細胞組成物の相対効力を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 治療用細胞組成物の効力を決定する方法であって、
    複数のインキュベーションを実施することであって、前記複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体を発現するように操作された細胞を含む治療用細胞組成物の細胞を組換え受容体刺激剤と共に培養することを含み、
    組換え受容体への組換え受容体刺激剤の結合は、細胞において組換え受容体依存性活性を刺激し、
    複数のインキュベーションの各々は、組換え受容体刺激剤に対する治療用細胞組成物の細胞の異なる調整された比率を含む、実施すること、
    複数のインキュベーションの各々から組換え受容体依存性活性を測定すること、および
    参照標準の最大半量の組換え受容体依存性活性に対して、治療用細胞組成物の最大半量の組換え受容体依存性活性を比較することによって、治療用細胞組成物の相対効力を決定すること
    を含む、方法。
  4. 複数のインキュベーションの各々が、治療用組成物の一定数の細胞を、異なる量の組換え受容体刺激剤と共に培養して、複数の異なる調整された比率を生成することを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 複数のインキュベーションの各々が、一定量の組換え受容体刺激剤を、治療用組成物の異なる数の細胞と共に培養して、複数の異なる調整された比率を生成することを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  6. 2つまたはそれより多い、適宜、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多い治療用細胞組成物について、複数のインキュベーションが実施される、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、各々同一の組換え受容体を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、各々異なる組換え受容体を含む、請求項6に記載の方法。
  9. 2つまたはそれより多い治療用細胞組成物のうち少なくとも1つが、他の治療用組成物とは異なる組換え受容体を含む、請求項6に記載の方法。
  10. 2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、各々同一製造プロセスを使用して製造される、請求項6から9のいずれかに記載の方法。
  11. 2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、各々異なる製造プロセスを使用して製造される、請求項6から9のいずれかに記載の方法。
  12. 2つまたはそれより多い治療用細胞組成物のうち少なくとも1つが、他の治療用細胞組成物を製造するために使用されたものとは異なる製造プロセスを使用して製造される、請求項6から9のいずれかに記載の方法。
  13. 2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、単一対象から得た細胞から生成される、請求項6から12のいずれかに記載の方法。
  14. 2つまたはそれより多い治療用細胞組成物が、異なる対象から得た細胞から生成される、請求項6から12のいずれかに記載の方法。
  15. 対象が健康な対象または疾患もしくは状態を有する対象である、請求項13に記載の方法。
  16. 異なる対象の各々が同一の疾患または状態を有する、請求項14に記載の方法。
  17. 異なる対象の各々が、対象において疾患または状態を処置するための同一治療用細胞組成物を用いて処置されるべきである、請求項14に記載の方法。
  18. 複数のインキュベーションが少なくとも3回のインキュベーションである、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
  19. 複数のインキュベーションが、少なくとも5回のインキュベーションである、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
  20. 複数のインキュベーションが少なくとも7回のインキュベーションである、請求項1から19のいずれかに記載の方法。
  21. 複数のインキュベーションが、少なくとも10回のインキュベーションである、請求項1から20のいずれかに記載の方法。
  22. 組換え受容体依存性活性が、サイトカイン発現、細胞溶解活性、受容体上方制御、受容体下方制御、増殖、遺伝子上方制御、遺伝子下方制御または細胞の健康のうち1つまたは複数を含む、請求項1から21のいずれかに記載の方法。
  23. 組換え受容体依存性活性が、サイトカイン発現または生成を含むか、またはそれである、請求項1から22のいずれかに記載の方法。
  24. 組換え受容体依存性活性が、サイトカイン発現または生成を含むか、またはそれであり、サイトカインがTNF-アルファ、IFNガンマ(IFNg)またはIL-2である、請求項1から23のいずれかに記載の方法。
  25. 組換え受容体依存性活性が細胞溶解活性を含むか、またはそれである、請求項1から24のいずれかに記載の方法。
  26. 組換え受容体依存性活性が受容体上方制御を含むか、またはそれである、請求項1から25のいずれかに記載の方法。
  27. 組換え受容体依存性活性が受容体下方制御を含むか、またはそれである請求項1から26のいずれかに記載の方法。
  28. 組換え受容体依存性活性が増殖を含むか、またはそれである、請求項1から27のいずれかに記載の方法。
  29. 組換え受容体依存性活性が、遺伝子上方制御を含むか、またはそれである、請求項1から28のいずれかに記載の方法。
  30. 組換え受容体依存性活性が、遺伝子下方制御を含むか、またはそれである、請求項1から29のいずれかに記載の方法。
  31. 組換え受容体依存性活性が、細胞の健康を含むか、またはそれである、請求項1から30のいずれかに記載の方法。
  32. 組換え受容体依存性活性が、細胞の健康を含むか、またはそれであり、細胞の健康が、細胞死、細胞径、生細胞濃度および細胞計数のうち1つまたは複数を含む、請求項1から31のいずれかに記載の方法。
  33. 複数のインキュベーションの各々で測定された組換え受容体依存性活性が、治療用細胞組成物について測定された最大受容体依存性活性に対して正規化される、請求項1から32のいずれかに記載の方法。
  34. 参照標準が、最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす検証された調整された比率を含む治療用細胞組成物、市販の治療用細胞組成物、治療用細胞組成物を製造するために使用される製造プロセスと同一である製造プロセスを使用して製造された治療用細胞組成物、治療用細胞組成物を製造するために使用された製造プロセスとは異なる製造プロセスを使用して製造された治療用細胞組成物、治療用細胞組成物と同一の組換え受容体を含む治療用細胞組成物、治療用細胞組成物とは異なる組換え受容体を含む治療用細胞組成物、同一対象から製造された治療用細胞組成物または異なる対象から製造された治療用細胞組成物である、請求項1から33のいずれかに記載の方法。
  35. 参照標準が、2つまたはそれより多い治療用組成物のうちの1つである、請求項6から34のいずれかに記載の方法。
  36. 組換え受容体刺激剤が、組換え受容体の標的抗原またはその細胞外ドメイン結合部分、適宜、組換え抗原を含む、請求項1から35のいずれかに記載の方法。
  37. 組換え受容体刺激剤が、抗原の細胞外ドメイン結合部分を含み、細胞外ドメイン結合部分が、組換え受容体によって認識されるエピトープを含む、請求項36に記載の方法。
  38. 組換え受容体刺激剤が、組換え受容体の細胞外結合ドメインに対して特異的な抗体である、請求項1から35のいずれかに記載の方法。
  39. 組換え受容体刺激剤が、組換え受容体の細胞外抗原結合ドメインに対して特異的な抗イディオタイプ抗体である、請求項1から35および38のいずれかに記載の方法。
  40. 組換え受容体刺激剤が、固体支持体に固定化されるか、または付着している、請求項1から39のいずれかに記載の方法。
  41. 固体支持体が、複数のインキュベーションが実施される容器、適宜、マイクロウェルプレートのウェルの表面である、請求項40に記載の方法。
  42. 固体支持体がビーズである、請求項40の方法。
  43. 組換え受容体刺激剤が抗原発現細胞であり、細胞が、細胞株由来のクローンまたは対象から採取された一次細胞であってもよい、請求項1から35のいずれかに記載の方法。
  44. 抗原発現細胞が細胞株である、請求項43に記載の方法。
  45. 細胞株が腫瘍細胞株である、請求項44に記載の方法。
  46. 抗原発現細胞が、組換え受容体の抗原を発現するように形質導入によって導入されていてもよい細胞である、請求項43に記載の方法。
  47. 調整された比率が、参照標準の組換え受容体依存性活性の線形用量反応範囲を達成する、請求項1から46のいずれかに記載の方法。
  48. 調整された比率が、参照標準の下側漸近線(最小)組換え受容体依存性活性および上側漸近線(最大)組換え受容体依存性活性を含む、請求項47に記載の方法。
  49. 治療用細胞組成物が、生物学的試料から濃縮もしくは精製された単細胞サブタイプまたは適宜、生物学的試料から濃縮もしくは精製された細胞サブタイプを混合することによって得られた混合細胞サブタイプの集団を含む、請求項1から37のいずれかに記載の方法。
  50. 生物学的試料が、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画細胞試料、リンパ球試料、白血球細胞試料、アフェレーシス生成物または白血球アフェレーシス生成物を含む、請求項49に記載の方法。
  51. 治療用細胞組成物が一次細胞を含む、請求項1から50のいずれかに記載の方法。
  52. 治療用細胞組成物が、処置されるべき対象から得た自家細胞を含む、請求項1から51のいずれかに記載の方法。
  53. 治療用細胞組成物が同種異系細胞を含む、請求項1から52のいずれかに記載の方法。
  54. 治療用細胞組成物が、CD3+、CD4+および/またはCD8+T細胞を含む、請求項1から53のいずれかに記載の方法。
  55. 治療用細胞組成物がCD4+T細胞およびCD8+T細胞を含む、請求項1から54のいずれかに記載の方法。
  56. 組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、請求項1から55のいずれかに記載の方法。
  57. 複数のインキュベーションが、フラスコ、チューブまたはマルチウェルプレート中で実施される、請求項1から56のいずれかに記載の方法。
  58. 複数のインキュベーションの各々が、マルチウェルプレートのウェルにおいて個別に実施される、請求項1から57のいずれかに記載の方法。
  59. マルチウェルプレートが、96ウェルプレート、48ウェルプレート、12ウェルプレートまたは6ウェルプレートである、請求項57または請求項58に記載の方法。
  60. 最大半量の組換え受容体依存性活性をもたらす調整された比率に基づいて、それを必要とする対象に投与するための治療用組成物の細胞の用量を決定することをさらに含む、請求項1および4から59のいずれかに記載の方法。
  61. 相対効力に基づいて、それを必要とする対象に投与するための治療用組成物の細胞の用量を決定することをさらに含む、請求項2から59のいずれかに記載の方法。
  62. 対象が疾患または状態を有する、請求項60または請求項61に記載の方法。
  63. 疾患または状態ががんである、請求項15から62のいずれかに記載の方法。
  64. 相対効力に基づいて、最適治療用細胞組成物効力を生成する製造プロセスを決定することをさらに含み、最適治療用細胞組成物効力が、完全な応答および/または持続性のある応答および/または毒性の低減と相関する、請求項2から63のいずれかに記載の方法。
  65. 相対効力に基づいて、効力の分散が低減されたまたは低い治療用細胞組成物を生成する製造プロセスを決定することをさらに含み、低減されたまたは低い分散が、異なる製造プロセスにおける分散と比較して決定される、請求項2から64のいずれかに記載の方法。
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