JP2024506041A - 潰瘍性大腸炎を予防、処置、または改善するためのアミセリモド - Google Patents

潰瘍性大腸炎を予防、処置、または改善するためのアミセリモド Download PDF

Info

Publication number
JP2024506041A
JP2024506041A JP2023547694A JP2023547694A JP2024506041A JP 2024506041 A JP2024506041 A JP 2024506041A JP 2023547694 A JP2023547694 A JP 2023547694A JP 2023547694 A JP2023547694 A JP 2023547694A JP 2024506041 A JP2024506041 A JP 2024506041A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dose
subject
administering
amicelimod
days
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023547694A
Other languages
English (en)
Inventor
ジミン イ
ニール スラトキン
エズラ アール. ロウ
ジーブ ハイマンソン
Original Assignee
ボシュ ヘルス アイルランド リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ボシュ ヘルス アイルランド リミテッド filed Critical ボシュ ヘルス アイルランド リミテッド
Publication of JP2024506041A publication Critical patent/JP2024506041A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/13Amines
    • A61K31/135Amines having aromatic rings, e.g. ketamine, nortriptyline
    • A61K31/137Arylalkylamines, e.g. amphetamine, epinephrine, salbutamol, ephedrine or methadone
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/04Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for ulcers, gastritis or reflux esophagitis, e.g. antacids, inhibitors of acid secretion, mucosal protectants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Cereal-Derived Products (AREA)

Abstract

アミセリモドを用いて潰瘍性大腸炎(UC)および他の炎症性胃腸障害を処置するための方法が本明細書に記載される。この処置方法は、後続の維持用量よりも多い初期用量でアミセリモドを投与する工程を含む。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2021年2月8日に出願された「METHOD OF TREATING OR AMELIORATING ULCERATIVE COLITIS」を表題とする米国仮特許出願番号63/147,060の恩典を主張し、その開示の全体を参照により本明細書に組み入れる。
背景
潰瘍性大腸炎(UC)は、結腸に影響する慢性、突発性の炎症疾患である。それは、主に15~30歳の患者で発生し、50~70歳の間に第2のより小さなピークがある、二峰性の発症パターンを有する。それは、粘膜表面に制限される特徴がある炎症の再発および緩和により特徴づけられる。疾患分布は、結腸の関与の程度によって、直腸炎から左側大腸炎または広範囲大腸炎(全大腸炎(pancolitis))までの階級に分けられる。潰瘍性大腸炎の発症率および有病率は、全世界で年々増加している。
UCおよび胃腸管の他の障害の安全かつ効果的な処置に対する要望が依然として満たされていない。本開示は、この要望に取り組むものである。
その必要のある対象の胃腸管において潰瘍性大腸炎および/または炎症を予防、処置、および/または改善する方法が提供される。
特定の態様において、この方法は、第1の投与期間に、第1の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩もしくは鏡像異性体を対象に投与する工程、および第2の投与期間に、第2の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩もしくは鏡像異性体を対象に投与する工程を含み、第1の用量は第2の用量よりも多い。
特定の態様において、この方法は、第1の投与期間に、治療的に有効な第1の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩もしくは鏡像異性体を対象に投与する工程、および第2の投与期間に、治療的に有効な第2の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩もしくは鏡像異性体を対象に投与する工程を含み、第1の用量は第2の用量よりも多い。
特定の態様において、本開示は、その必要のある対象において潰瘍性大腸炎を処置または改善する方法であって、第1の投与期間に、アミセリモドを含む第1の用量の組成物を対象に投与する工程、および第2の投与期間に、アミセリモドを含む第2の用量の組成物を対象に投与する工程を含み、第1の用量は第2の用量よりも多い、前記方法を含む。
特定の態様において、本開示は、その必要のある対象において潰瘍性大腸炎を処置または改善する方法であって、第1の投与期間に、第1の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与する工程、および第2の投与期間に、第2の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与する工程を含み、第1の用量は第2の用量よりも多い、前記方法を含む。
特定の態様において、本開示は、その必要のある対象において潰瘍性大腸炎を処置または改善する方法であって、第1の投与期間に、治療的に有効な第1の用量のアミセリモドを対象に投与する工程、および第2の投与期間に、治療的に有効な第2の用量のアミセリモドを対象に投与する工程を含み、第1の用量は第2の用量よりも多い、前記方法を含む。
特定の態様において、本開示は、その必要のある対象において軽度から中等度の潰瘍性大腸炎を処置する方法であって、第1の投与期間に、アミセリモドを含む第1の用量の組成物を対象に投与する工程、および第2の投与期間に、アミセリモドを含む第2の用量の組成物を対象に投与する工程を含み、第1の用量は第2の用量よりも多い、前記方法を含む。
特定の態様において、本開示は、その必要のある対象において軽度から中等度の潰瘍性大腸炎を処置する方法であって、第1の投与期間に、第1の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与する工程、および第2の投与期間に、第2の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与する工程を含み、第1の用量は第2の用量よりも多い、前記方法を含む。
特定の態様において、本開示は、その必要のある対象において軽度から中等度の潰瘍性大腸炎を処置する方法であって、第1の投与期間に、治療的に有効な第1の用量のアミセリモドを対象に投与する工程、および第2の投与期間に、治療的に有効な第2の用量のアミセリモドを対象に投与する工程を含み、第1の用量は第2の用量よりも多い、前記方法を含む。
特定の態様において、本開示は、その必要のある対象において胃腸管における炎症を処置または改善する方法であって、第1の投与期間に、アミセリモドを含む第1の用量の組成物を対象に投与する工程、および第2の投与期間に、アミセリモドを含む第2の用量の組成物を対象に投与する工程を含み、第1の用量は第2の用量よりも多い、前記方法を含む。
特定の態様において、本開示は、その必要のある対象において胃腸管における炎症を処置または改善する方法であって、第1の投与期間に、第1の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与する工程、および第2の投与期間に、第2の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与する工程を含み、第1の用量は第2の用量よりも多い、前記方法を含む。
特定の態様において、本開示は、その必要のある対象において胃腸管における炎症を処置または改善する方法であって、第1の投与期間に、治療的に有効な第1の用量のアミセリモドを対象に投与する工程、および第2の投与期間に、治療的に有効な第2の用量のアミセリモドを対象に投与する工程を含み、第1の用量は第2の用量よりも多い、前記方法を含む。
上記方法のいくつかの態様において、対象への前記第1の用量の投与は、対象において陰性変時作用を誘導しない。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量は前記第2の用量よりも約1.5~約2.5倍多い。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は約0.05mg~約10mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第2の用量の投与は約0.05mg~約10mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は約0.1mg~約1mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第2の用量の投与は約0.1mg~約1mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または約1.0mgのアミセリモドの投与を含む。上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または約1.0mg未満のアミセリモドの投与を含む。上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または約1.0mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、約0.8mgのアミセリモドの投与を含む。上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、約0.4mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第2の用量の投与は、約0.4mgのアミセリモドの投与を含む。上記方法のいくつかの態様において、前記第2の用量の投与は、約0.2mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1および第2の用量の投与は、独立して、1つまたは複数の単位用量の投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、単位用量あたり約0.05mg~約10mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第2の用量の投与は、単位用量あたり約0.05mg~約10mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、単位用量あたり約0.1mg~約1mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第2の用量の投与は、単位用量あたり約0.1mg~約1mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、単位用量あたり少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または約1.0mgのアミセリモドの投与を含む。上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、単位用量あたり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または約1.0mg未満のアミセリモドの投与を含む。上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、単位用量あたり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または約1.0mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、単位用量あたり約0.8mgのアミセリモドの投与を含む。上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、単位用量あたり約0.4mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第2の用量の投与は、単位用量あたり約0.4mgのアミセリモドの投与を含む。上記方法のいくつかの態様において、前記第2の用量の投与は、単位用量あたり約0.2mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1および第2の用量の投与は、独立して、1日用量のアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、1日用量あたり約0.05mg~約10mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第2の用量の投与は、1日用量あたり約0.05mg~約10mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、1日用量あたり約0.1mg~約1mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第2の用量の投与は、1日用量あたり約0.1mg~約1mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、1日用量あたり少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または約1.0mgのアミセリモドの投与を含む。上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、1日用量あたり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または約1.0mg未満のアミセリモドの投与を含む。上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、1日用量あたり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または約1.0mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、1日用量あたり約0.8mgのアミセリモドの投与を含む。上記方法のいくつかの態様において、前記第1の用量の投与は、1日用量あたり約0.4mgのアミセリモドの投与を含む。
上記方法のいくつかの態様において、前記第2の用量の投与は、1日用量あたり約0.4mgのアミセリモドの投与を含む。上記方法のいくつかの態様において、前記第2の用量の投与は、1日用量あたり約0.2mgのアミセリモドの投与を含む。
図面は、本願の様々な態様を限定ではなく、概略的に、例として示すものである。
図1は、第1相臨床研究の処置における、ベースラインからの絶対リンパ球数の算術平均(標準偏差)変化(Thou/μL)を時間に対して示している。 図2は、提案されるアミセリモド研究における、二重盲検期間のタイムラインを示している。 図3は、提案されるアミセリモド研究における、非盲検延長(OLE)期間のタイムラインを示している。
発明の詳細な説明
ここからは、開示される技術思想の特定の態様が詳細に参照されている。開示される技術思想は、列挙されている請求項発明に関連して記載されているが、例示される技術思想は、請求項発明を開示される技術思想に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。
本願を通じて、範囲形式で表される値は、その範囲の上下限値として明示的に示されている数値を含むだけでなく、その範囲内に含まれるすべての個々の数値または部分範囲も、各数値および部分範囲があたかも明示的に示されているものとして含む、柔軟な様式で解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」または「約0.1%~5%」の範囲は、約0.1%~約5%だけでなく、示されている範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%、および4%)ならびに部分範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むと解釈されるべきである。「約X~Y」という表現は、そうでないことが示されていない限り、「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、または約Z」という表現は、そうでないことが示されていない限り、「約X、約Y、または約Z」と同じ意味を有する。
本願において、「1つの(a)」、「1つの(an)」、または「その(the)」という用語は、文脈がそうでなことを明確に示していない限り、1つまたは2つ以上を含むよう使用される。「または、もしくは」という用語は、そうでないことが示されていない限り、非排他的な「または、もしくは」を表すよう使用される。「AおよびBのうちの少なくとも1つ」または「AまたはBのうちの少なくとも1つ」という表現は、「A、B、またはAおよびB」と同じ意味を有する。加えて、本願で用いられる表現法または用語法は、それ以外のことが定義されていない限り、説明を目的としたものにすぎず、限定を目的としたものではないことが理解されるべきである。小節の表題の使用はいずれも、本願の読解を助けることが意図されており、限定と解釈されるべきでなく、小節の表題に関連する情報は、その特定の小節の中または外に存在し得る。本願で参照されているすべての刊行物、特許、および特許書類は、個別に参照により組み入れられるように、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書に記載される方法において、行為は、時間的または操作的順序が明示的に示されている場合を除いて、任意の順で実施され得る。さらに、示されている行為は、それらが別々に実施されることを明示されている請求項の文言が示していない限り、同時に実施され得る。例えば、Xを実施するという請求項記載の行為およびYを実施するという請求項記載の行為は、1つの運用の中で同時に実施され得、その場合に生じるプロセスは、請求項記載のプロセスの文言上の範囲に包含される。
定義
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、値または範囲において一定のばらつき、例えば、示されている値または示されている範囲の上下限値の10%以内、5%以内、または1%以内のばらつきを許容し得、かつ示されている値または範囲そのものを含む。
「実質的に」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、もしくは少なくとも約99.999%、もしくはそれ以上、または100%のような、大部分、またはほとんどの部分を表す。「実質的に含まない」という用語は、本明細書で使用される場合、有さないことまたは存在する物質の量がその物質を含む組成物の物性に影響しないよう、その組成物の約0wt%~約5wt%がその物質である、または約0wt%~約1wt%、または約5wt%もしくはそれ未満、または約4.5wt%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01もしくは約0.001wt%もしくはそれ以下未満、約4.5wt%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01もしくは約0.001wt%もしくはそれ以下に等しい、もしくは約4.5wt%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01もしくは約0.001wt%もしくはそれ以下より多くがその物質であるように、微量だけ有することを意味し得る。「実質的に含まない」という用語は、ある組成物の約0wt%~約5wt%がその物質である、または約0wt%~約1wt%、または約5wt%もしくはそれ未満、または約4.5wt%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01もしくは約0.001wt%もしくはそれ以下未満、約4.5wt%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01もしくは約0.001wt%もしくはそれ以下に等しい、もしくは約4.5wt%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01もしくは約0.001wt%もしくはそれ以下より多く、または約0wt%がその物質であるように、微量だけ有することを意味し得る。
「疾患」は、その動物が恒常性を維持することができず、かつその疾患が改善されない場合、その動物の健康が悪化し続ける、動物の健康状態である。
これに対して、動物における「障害」は、その動物が恒常性を維持することができるが、その動物の健康状態が、その障害が存在しない場合よりも望ましくない健康状態である。未処置のままでも、障害は必ずその動物の健康状態をさらに低下させるとは限らない。
本明細書で使用される場合、「有効な量」、「薬学的に有効な量」および「治療的に有効な量」という用語は、所望の生物学的効果を提供する薬剤の非毒性であるが十分な量を表す。その結果は、兆候、症状、もしくは病因の減少および/もしくは緩和、または生体系の任意の他の所望の変化であり得る。任意の個々の例における適切な治療的な量は、従来的な実験を用いて当業者により決定され得る。
本明細書で使用される場合、「有効性」という用語は、アッセイにおいて達成される最大効果(Emax)を表す。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、化合物の生物学的活性または特性を打ち消さず、比較的非毒性である物質、例えば担体または希釈剤を表す、すなわち、その物質は、望ましくない生物学的効果を生じることなくまたはそれを含む組成物の任意の成分と有害な様式で相互作用することなく個体に投与され得る。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という語は、無機酸もしくは塩基、有機酸もしくは塩基、その溶媒和物、水和物、またはクラスレートを含む、薬学的に許容される非毒性の酸または塩基から調製される投与される化合物の塩を表す。例えば、薬学的に許容される塩は、塩酸塩であり得る。
適切な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸からまたは有機酸から調製され得る。無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸(硫酸塩および硫酸水素塩が含まれる)ならびにリン酸(リン酸水素塩およびリン酸二水素塩が含まれる)が含まれる。適切な有機酸は、脂肪族、環式脂肪族、芳香族、アラリファティック、複素環、カルボン酸およびスルホン酸クラスの有機酸から選択され得、その例には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、マロン酸、サッカリン、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、4-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルギン酸、β-ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸が含まれる。
本明細書に記載される化合物の適切な薬学的に許容される塩基付加塩には、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属塩を含む金属塩、例えば、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、および亜鉛塩が含まれる。薬学的に許容される塩基付加塩にはまた、塩基性アミンから生成される有機塩、例えば、N,N'-ジベンジルエチレン-ジアミン、クロロプロカイン、クロリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)およびプロカインも含まれる。これらの塩はすべて、対応する化合物から、例えば化合物を適切な酸または塩基と反応させることにより調製され得る。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、本明細書に記載される化合物を、その意図されている機能が発揮され得るよう患者内にまたは患者に運搬または輸送するのに関与する薬学的に許容される物質、組成物または担体、例えば液体または固体増量剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、賦形剤、増粘剤、溶媒またはカプセル化物質を意味する。典型的に、そのような構築物は、1つの器官または身体の部分から別の器官または身体の部分に運搬または輸送される。各々の担体は、本明細書に記載される化合物を含む製剤の他の成分と適合し、かつ患者にとって有害ではないという意味で「許容される」ものでなければならない。薬学的に許容される担体として機能し得る物質のいくつかの例には、糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばカカオバターおよび坐剤ワックス;油、例えばピーナツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油およびダイズ油;グリコール、例えばプロピレングリコール;ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;界面活性剤、アルギン酸;発熱物質非含有水;等張性生理食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝溶液;ならびに薬学的製剤において使用される他の非毒性、適合性の物質が含まれる。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」にはまた、本明細書に記載される化合物の活性と適合しかつ患者にとって生理学的に許容される任意かつすべてのコーティング、抗細菌および抗真菌剤、ならびに吸収遅延剤等が含まれる。補助的な活性化合物もまた、組成物に組み込まれ得る。「薬学的に許容される担体」にはさらに、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩も含まれ得る。本明細書に記載される方法または化合物と共に使用される薬学的組成物に含まれ得る他の追加の成分は、当技術分野で公知であり、例えば、参照により本明細書に組み入れられるRemington's Pharmaceutical Sciences (Genaro, Ed., Mack Publishing Co., 1985, Easton, PA)に記載されている。
「患者」、「対象」、または「個体」という用語は、本明細書で言い換え可能に使用され、インビトロであろうがインサイチューであろうが、本明細書に記載される方法に適合する任意の動物またはその細胞を表す。非限定的な態様において、患者、対象または個体はヒトである。
本明細書で使用される場合、「効力(potency)」という用語は、その最大応答の半分(ED50)を生じるのに必要とされる用量を表す。
「治療」的処置は、病理の兆候を示す対象に対して、その兆候を減少させるまたは除去する目的で行われる処置である。
本明細書で使用される場合、「処置」または「処置する」という用語は、本明細書において想定されている状態または本明細書において想定されている状態の症状を有する患者への、本明細書で想定されている状態または本明細書で想定されている状態の症状を治療する、治癒する、緩和する、救済する、変化させる、矯正する、改善する、向上させるまたはそれらに影響を与える目的での、治療剤、すなわち本明細書に記載される化合物もしくは化合物群の(単独でのもしくは別の薬剤と組み合わせての)適用もしくは投与、または(例えば、診断もしくはエクスビボ適用のために)患者から単離された組織もしくは細胞株への治療剤の適用もしくは投与、と定義される。そのような処置は、ゲノム薬理学の分野から得られる知識に基づき個別仕立てにされ得るまたは改良され得る。
本明細書で使用される場合、「調整する」および「調整」は、生物学的分子(例えば、タンパク質、遺伝子、ペプチド、抗体等)の生物学的活性の変化であって、そのような変化がその生物学的分子の生物学的活性の増加(例えば、増加した活性、アゴニズム、活性化、発現、上方調節、および/もしくは増加した発現)または生物学的活性の減少(例えば、減少した活性、アンタゴニズム、抑制、不活性化、下方調節、および/もしくは減少した発現)に関連し得るものを表す。
「QD」、「qd」、または「q.d.」という用語は、1日1回(quaque di)、1日1回(once a day)、または1日1回(once daily)を意味する。「BID」、「bid」、または「b.i.d.」という用語は、1日2回(bis in die)、1日2回(twice a day)、または1日2回(twice daily)を意味する。「TID」、「tid」、または「t.i.d.」という用語は、1日3回(ter in die)、1日3回(three times a day)、または1日3回(three times daily)を意味する。「QID」、「qid」、または「q.i.d」という用語は、1日4回(quater in die)、1日4回(four times a day)、または1日4回(four times daily)を意味する。
組成物
いくつかの態様において、本明細書に記載される本開示は、化合物アミセリモド(MT-1303)および/または当該化合物を含む組成物を投与する方法に関する。アミセリモドは、経口利用可能な選択的S1P受容体モジュレーターである。遊離塩基形態のアミセリモドは、式Iで示される。
Figure 2024506041000001
いくつかの態様において、および適用可能な場合、アミセリモドという用語は、その遊離塩基および薬学的に許容される塩(例えば、アミセリモド塩酸塩)の両方を含む。アミセリモドは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第8,809,304号に記載されている。
アミセリモドは、インビボでその活性な代謝産物である式IIに示されるMT-1303-Pの(S)鏡像異性体((S)-MT-1303-P)に効率的に変換される。
Figure 2024506041000002
(S)-MT-1303-Pは、高度に選択的なS1P1受容体アゴニストである。(S)-MT-1303-Pは、ヒトS1P4受容体およびヒトS1P5受容体よりも強力にヒトS1P1受容体に対してアゴニスト活性を示し、ヒトS1P2受容体またはS1P3受容体に対してはアゴニスト活性を示さなかった。アミセリモドおよびMT-1303-Pの長い半減期(ヒトにおいておよそ400時間)は、どちらも約10週の期間をかけてゆっくりと定常状態へと蓄積し得ることを示している。
0.1 mg/kgまたはそれより多い経口用量のアミセリモドは、マウス、ラット、およびカニクイザルにおいて末梢血リンパ球(PBL)の数を有意に減少させた。MT-1303投与後の末梢リンパ球数の減少は、リンパ球性S1P1受容体のインターナライゼーションの誘導による二次リンパ器官からのS1P1受容体依存的リンパ球放出の阻害に起因すると推定される。アミセリモドの経口投与は、SCIDマウスにおけるCD4+CD45RBhigh T細胞の養子移入の際に大腸炎を減少させ、アミセリモドの効果は、このモデルにおけるマウス抗腫瘍壊死因子α(TNF-α)抗体のそれに匹敵した。
いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、アミセリモドおよび薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を表す。
いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、アミセリモド、および/またはその薬学的に許容される塩、ならびに薬学的に許容される賦形剤を含む。
いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、アミセリモドの薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む。
いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、治療的に有効な量のアミセリモド、および/またはその薬学的に許容される塩、ならびに薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、治療的に有効な量のアミセリモドの薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む。
本明細書に記載される化合物を含む組成物には、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物が含まれる。特定の態様において、組成物は、経口または非経口、例えば経皮、経粘膜(例えば舌下、舌、(経)頬、(経)尿道、膣(例えば、経膣および膣周囲)、鼻(内)および(経)直腸、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、髄腔内、皮下、筋内、皮内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入、ならびに局所投与等の投与経路用に製剤化される。特定の態様において、本明細書に記載される組成物は、経口的に利用可能な組成物である。
いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、錠剤またはカプセルの剤形にされ得る。いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、錠剤の形態にされる。いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、カプセルの形態にされる。
いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、アミセリモド、および/またはその薬学的に許容される塩、ならびにマンニトール、無水リン酸水素カルシウム、およびタルクからなる群より選択される薬学的に許容される賦形剤を含む。
いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、アミセリモド、および/またはその薬学的に許容される塩、ならびにマンニトール、無水リン酸水素カルシウム、およびタルクの1つまたは複数を含む。
いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、アミセリモド、および/またはその薬学的に許容される塩、ならびにマンニトール、無水リン酸水素カルシウム、およびタルクを含む薬学的に許容される賦形剤を含む。
いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物は、カプセルの形態であり、かつ、マンニトール、無水リン酸水素カルシウム、タルク、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される薬学的に許容される賦形剤と共に、アミセリモド、および/またはその薬学的に許容される塩を含む。
本明細書に記載される組成物は、記載される方法にしたがい本明細書に示される用量のアミセリモドを提供し得る。
特定の態様において、投与の容易性および用量の均一性のために、当該化合物を単位剤形で製剤化するのが特に有利である。単位剤形は、本明細書で使用される場合、処置される患者への一元的な投薬に適した物理的に隔離された単位を表し、各単位は、必要とされる薬学的媒体と共に所望の治療効果を生じるよう計算された既定量の治療化合物を含む。本明細書に記載される化合物の単位剤形は、(a)治療化合物の固有の特徴および達成されるべき具体的な治療効果、ならびに(b)そのような治療化合物の配合/製剤化の分野に特有の制約によって決定され、それらに直接的に左右される。
特定の態様において、本明細書に記載される組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤または担体を用いて製剤化される。特定の態様において、本明細書に記載される組成物は、治療的に有効な量の本明細書に記載される化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む。
担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、それらの適切な混合物、ならびに植物油を含む溶媒または分散媒であり得る。適当な流動性は、例えば、コーティング、例えばレシチンの使用により、分散物の場合は必要とされる粒子サイズの維持により、および界面活性剤の使用により維持され得る。微生物の活動の予防は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等により達成され得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウム、または多価アルコール、例えばマンニトールおよびソルビトールを組成物に含めることが好ましい。注射可能な組成物の延長された吸収は、吸収遅延剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンを含めることによりもたらされ得る。
特定の態様において、本明細書に記載される組成物は、1日に1~5回の範囲またはそれ以上の用量で患者に投与される。他の態様において、本明細書に記載される組成物は、1日に1回、2日に1回、3日に1回~1週に1回、および2週に1回を含むがこれらに限定されない用量の範囲で患者に投与される。本明細書に記載される様々な組み合わせ組成物の投与頻度は年齢、処置する疾患または障害、性別、全般的健康、および他の要因を含むがこれらに限定されない多くの要因に依存して個体ごとに異なることが当業者に直ちに明らかとなる。したがって、本明細書に記載される化合物および組成物の投与は、何らかの具体的な投薬レジメンに限定されると解釈されるべきでなく、ある患者に投与される正確な用量および組成は、その患者についてのすべての他の要因を考慮して担当医により決定される。
特定の態様において、本明細書に記載される組成物は、治療的に有効な量の本明細書に記載される化合物を単独でまたは第2の薬剤と組み合わせて保持する容器、および患者において疾患または障害の1つまたは複数の症状を処置する、予防する、または減少させるために当該化合物を使用するための説明書を含むパッケージ化された薬学的組成物である。
製剤は、従来的な賦形剤、すなわち、当業者に公知の、経口、非経口、鼻、静脈内、皮下、腸、または任意の他の適切な投与様式に適した薬学的に許容される有機または無機担体物質と組み合わせて使用され得る。薬学的調製物は滅菌され得、所望の場合、補助的薬剤、例えば、滑沢剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝剤、着色剤、香味および/または風味物質等と混合される。それらはまた、所望の場合、他の活性薬剤、例えば他の鎮痛剤と組み合わされ得る。
本明細書に記載される任意の組成物の投与経路には、経口、鼻、直腸、膣内、非経口、頬側、舌下または局所が含まれる。本明細書に記載される組成物において使用される化合物は、任意の適切な経路による投与用に、例えば、経口または非経口、例えば経皮、経粘膜(例えば舌下、舌、(経)頬、(経)尿道、膣(例えば経膣および膣周囲)、鼻(内)および(経)直腸)、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、髄腔内、皮下、筋内、皮内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入、ならびに局所投与用に、製剤化され得る。
適切な組成物および剤形には、例えば、錠剤、カプセル、カプレット、ピル、ジェルキャップ、トローチ、分散物、懸濁物、溶液、シロップ、顆粒、ビーズ、経皮パッチ、ジェル、粉末、ペレット、マグマ(magma)、ロゼンジ、クリーム、ペースト、プラスター、ローション、ディスク、坐剤、鼻または経口投与用の液体噴霧物、吸入用の乾燥粉末またはエアゾール化製剤、膀胱内投与用の組成物および製剤等が含まれる。本明細書に記載される製剤および組成物は、本明細書に記載される具体的な製剤および組成物に限定されないことを理解されるべきである。
経口投与
経口適用の場合、錠剤、糖衣錠、液体、ドロップ、坐剤、またはカプセル、カプレットおよびジェルキャップが特に適する。経口使用が意図されている組成物は、当技術分野で公知の任意の方法にしたがい調製され得、そのような組成物は、錠剤の製造に適した不活性、非毒性の薬学的賦形剤からなる群より選択される1つまたは複数の薬剤を含み得る。そのような賦形剤には、例えば、不活性希釈剤、例えばラクトース;造粒・崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン;結合剤、例えばデンプン;および滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムが含まれる。錠剤は非コーティングであり得るまたはそれらは見た目の良さのためにまたは活性成分の放出を遅らせるために公知の技術によりコーティングされ得る。経口使用のための製剤はまた、活性成分が不活性希釈剤と混合された硬質ゼラチンカプセルとして提供され得る。
経口投与の場合、本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容される賦形剤、例えば結合剤(例えばポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース);増量剤(例えばトウモロコシデンプン、ラクトース、微結晶セルロースもしくはリン酸カルシウム);滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、もしくはシリカ);崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)を用いて従来的手段により調製される錠剤またはカプセルの形態にされ得る。所望の場合、錠剤は、適切な方法およびコーティング物質、例えばColorcon, West Point, Pa.から入手可能なOPADRY(商標)フィルムコーティングシステム(例えば、OPADRY(商標)OYタイプ、OYCタイプ、Organic Enteric OY-Pタイプ、Aqueous Enteric OY-Aタイプ、OY-PMタイプおよびOPADRY(商標)White、32K18400)を用いてコーティングされ得る。経口投与用の液体調製物は、溶液、シロップまたは懸濁物の形態にされ得る。液体調製物は、薬学的に許容される添加物、例えば懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロースまたは硬化食用油脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性媒体(例えば、アーモンド油、油性エステルまたはエチルアルコール);および保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸)を用いて従来的手段により調製され得る。
本明細書に記載される組成物は、経口または頬側投与に適した製剤として調製され、パッケージ化され、または販売され得る。本明細書に記載される化合物を含む錠剤は、例えば、活性成分を、任意で1つまたは複数の追加の成分と共に圧縮または成型することにより製造され得る。圧縮錠は、適切な装置において、任意で結合剤、滑沢剤、賦形剤、界面活性剤、および分散剤の1つまたは複数と混合された、自由流動形態、例えば粉末または顆粒調製物中で活性成分を圧縮することによって調製され得る。成型錠は、適切なデバイスにおいて、活性成分、薬学的に許容される担体、および少なくともその混合物を湿潤させるのに十分な液体の混合物を成型することにより調製され得る。錠剤の製造において使用される薬学的に許容される賦形剤には、不活性希釈剤、造粒・崩壊剤、分散剤、界面活性剤、崩壊剤、結合剤、および滑沢剤が含まれるがこれらに限定されない。
適切な分散剤には、ジャガイモデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ポロクサマー407、またはポロクサマー188が含まれるがこれらに限定されない。1つまたは複数の分散剤は各々、その剤形の重量に対して約0.01% w/w~約90% w/wの量で組成物中に個別に存在し得る。1つまたは複数の分散剤は各々、その剤形の重量に対して少なくとも約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/wの量、約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/wを超える量、または約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/w未満の量で組成物中に個別に存在し得る。
界面活性剤(surface-active agents)(界面活性剤(surfactants))には、陽イオン性、陰イオン性、もしくは非イオン性界面活性剤、またはそれらの組み合わせが含まれる。適切な界面活性剤には、ベヘントリモニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、ベンゾドデシニウムブロミド、カルバエトペンデシニウムブロミド、セタルコニウムクロリド、セトリモニウムブロミド、セトリモニウムクロリド、セチルピリジンクロリド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ドミフェンブロミド、ラウリルメチルグルセス-10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トンゾニウムブロミド、ステアラルコニウムクロリド、オクテニジンジヒドロクロリド、オラフルル、N-オレイル-1,3-プロパンジアミン、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホナート、ラウリル硫酸アンモニウム、パーフルオロノナン酸アンモニウム、ドキュセート、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウレス硫酸マグネシウム、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロノナン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロオクタン酸、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラルリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、パレス硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムエステル、セトマクロゴル1000、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、コカミドジエタノールアミン、コカミドモノエタノールアミン、デシルグルコシド、デシルポリグルコース、モノステアリン酸グリセロール、オクチルフェノキシポリエトキシエタノールCA-630、イソセテス-20、ラウリルグルコシド、オクチルフェノキシポリエトキシエタノールP-40、ノノキシノール-9、ノノキシノール、ノニルフェノキシポリエトキシエタノール(NP-40)、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、N-オクチルベータ-D-チオグルコピラノシド、オクチルグルコシド、オレイルアルコール、PEG-10ヒマワリグリセリド、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリドカノール、ポロクサマー、ポロクサマー407、ポリエトキシル化獣脂アミン、ポリリシノール酸ポリグリセロール、ポリソルベート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ステアリルアルコール、サーファクチン、Triton X-100、およびTween 80が含まれるがこれらに限定されない。1つまたは複数の界面活性剤は各々、その剤形の重量に対して約0.01% w/w~約90% w/wの量で組成物中に個別に存在し得る。1つまたは複数の界面活性剤は各々、その剤形の重量に対して少なくとも約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/wの量、約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/wを超える量、または約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/w未満の量で組成物中に個別に存在し得る。
適切な希釈剤には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、微結晶セルロース、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、およびリン酸ナトリウム、Cellactose(登録商標)80(75%α-ラクトース一水和物および25%セルロース粉末)、マンニトール、糊化済デンプン(pre-gelatinized starch)、デンプン、スクロース、塩化ナトリウム、タルク、無水ラクトース、ならびに粒状ラクトースが含まれるがこれらに限定されない。1つまたは複数の希釈剤は各々、その剤形の重量に対して約0.01% w/w~約90% w/wの量で組成物中に個別に存在し得る。1つまたは複数の希釈剤は各々、その剤形の重量に対して少なくとも約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/wの量、約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/wを超える量、または約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/w未満の量で組成物中に個別に存在し得る。
適切な造粒・崩壊剤には、スクロース、コポビドン、トウモロコシデンプン、微結晶セルロース、メチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、糊化済デンプン、ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、クエン酸、クロスカルメロースナトリウム、セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスポビドン、およびアルギン酸が含まれるがこれらに限定されない。1つまたは複数の造粒または崩壊剤は各々、その剤形の重量に対して約0.01% w/w~約90% w/wの量で組成物中に個別に存在し得る。1つまたは複数の造粒または崩壊剤は各々、その剤形の重量に対して少なくとも約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/wの量、約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/wを超える量、または約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/w未満の量で組成物中に個別に存在し得る。
適切な結合剤には、ゼラチン、アカシア、糊化済トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、無水ラクトース、ラクトース一水和物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、ポリアクリルアミド、スクロース、デキストロース、マルトース、ゼラチン、ポリエチレングリコールが含まれるがこれらに限定されない。1つまたは複数の結合剤は各々、その剤形の重量に対して約0.01% w/w~約90% w/wの量で組成物中に個別に存在し得る。1つまたは複数の結合剤は各々、その剤形の重量に対して少なくとも約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/wの量、約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/wを超える量、または約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/w未満の量で組成物中に個別に存在し得る。
適切な滑沢剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、鉱油、ポリエチレングリコール、ポロクサマー407、ポロクサマー188、ラウレス硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、シリカ、およびタルクが含まれるがこれらに限定されない。1つまたは複数の滑沢剤は各々、その剤形の重量に対して約0.01% w/w~約90% w/wの量で組成物中に個別に存在し得る。1つまたは複数の滑沢剤は各々、その剤形の重量に対して少なくとも約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/wの量、約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/wを超える量、または約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、もしくは90% w/w未満の量で組成物中に個別に存在し得る。
錠剤は、非コーティングであり得るまたはそれらは対象の胃腸管において遅延崩壊を達成しそれによって活性成分の持続放出および吸収を提供するために公知の方法を用いてコーティングされ得る。例として、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような物質が、錠剤をコーティングするために使用され得る。さらに例として、錠剤は、米国特許第4,256,108号;同第4,160,452号;および同第4,265,874号に記載される方法を用いて浸透圧制御放出錠剤を形成するようコーティングされ得る。錠剤はさらに、薬学的に見た目がよく味がよい調製物を提供するよう、甘味剤、香味剤、着色剤、保存剤、またはこれらのいくつかの組み合わせを含み得る。
錠剤はまた、コーティングが特定のpH、例えば約pH 5.0~約pH 7.5で溶解し始め、それによって本明細書に記載される化合物を放出するよう、腸溶コーティングされ得る。コーティングは、例えば、腸の任意の所望の区画を含む特定場所での本明細書に記載される化合物の放出を可能にする酸性またはアルカリ性基を有するEUDRAGIT(登録商標)L、S、FS、および/またはEポリマーを含み得る。コーティングはまた、例えば、pH非依存的膨潤による本明細書に記載される化合物の時間制御放出を可能にする陽イオンまたは中性基を有するEUDRAGIT(登録商標)RLおよび/またはRSポリマーを含み得る。
処置、改善、および/または予防方法
いくつかの態様において、本開示は、潰瘍性大腸炎(UC)を予防、処置、および/または改善する方法、ならびにその必要のある対象において胃腸(GI)管における炎症を減少させる方法を含む。そのような方法は、少なくとも第1および第2の用量の本明細書に記載される組成物の投与を含み、第1の用量は第2の用量と比較してより多量のアミセリモドを含む。アミセリモドが陰性変時作用(他のS1Pモジュレーターの既知の副作用)を有していないことに一部起因して、驚くべきことに、アミセリモドは、用量漸増を必要とすることなく本明細書に記載される処置方法において使用され得ることが見いだされた。実際、本明細書の方法により示されるように、アミセリモドは、選択されたインビボ濃度を達成する負荷アミセリモド用量と、その後の選択されたインビボ濃度を維持する、各々がより少量の維持アミセリモド用量とを提供することにより、疾患(例えば、UC)を処置するよう使用され得る。
UCの病因論
UCの正確な原因は未だ分かっていない。結腸上皮細胞(結腸細胞)、粘膜バリアおよび上皮バリアにおけるバリア不良が、UCの発病において強く示唆されている。UC患者の結腸粘膜において発生するダメージは、リンパ球流出を含む強い炎症カスケードをともなう。様々な要因がこの病態生理論に寄与することが報告されており、これらには、増殖因子活性化受容体ガンマ(PPAR-γ、NF-κB依存的炎症の負の調節因子)の発現減少;トレフォイル因子(バリアの完全性に寄与するタンパク質)における変化、ディスバイオシス、Toll様受容体2(TLR2)およびTLR4の発現増加、ならびにスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)の上方調節が含まれる。
これらの知見のいくつかが結腸組織における一次炎症に起因するものなのかまたはそれに対して二次的なものなのかははっきりしない。自然リンパ球(ILC)は、ILC3(慢性的な腸炎症の主要なメディエーター)を通じたUCの発病における中心的存在であり得る。ILCが疾患発生のドライバーであり得るという可能性が、潜在的な新規の治療標的を見出させた。UCの病因論の別の可能性のある要因は、免疫系の機能障害である。自然および適応細胞免疫の両方が疾患発生の鍵となる。UCは、修飾Tヘルパー2(modified T-helper-2;Th2)病である。UC患者由来の結腸粘膜固有層細胞は、インターロイキン5(IL-5)およびIL-4を産生するTh2極性化T細胞を含むことが見いだされ、IL-13 mRNAレベルは、UC患者由来の直腸生検において有意に増加していた。
加えて、非古典的ナチュラルキラーT細胞により産生されるIL-13(おそらくILCファミリーのメンバー)は、潰瘍性大腸炎における上皮の細胞傷害性およびバリアの機能障害の鍵となるメディエーターである。化学誘因物質、例えば(潰瘍性大腸炎患者において上方調節される)CXCL8の放出による全身循環から炎症粘膜への循環白血球の動員は、炎症応答の増幅に重要である。炎症促進性サイトカインは、粘膜血管の血管内皮において接着分子、例えば粘膜アドレシン細胞接着分子1(MadCAM-1)の発現を上方調節し、これが白血球の接着および組織への漏出を促進し、炎症の周期を永続させる。炎症の間、MadCAM-1は、α4β7インテグリンとの相互作用を通じて、腸関連リンパ組織に対するリンパ球のホーミングを媒介する。
UCの処置
UCの医学的管理の主目的は、寛解を誘導し維持することであり、長期的目標は、身体的障害、結腸切除術、および結腸直腸癌を防ぐことである。寛解の標的には、直腸出血の停止および排便習慣の向上と定義される、臨床的症状の解消、ならびにしばしばゼロまたは1の内視鏡Mayoスコアと定義される、内視鏡的治癒が含まれる。軽度から中等度のUCにおける第1線の治療は、5-ASA(5-アミノサリチル酸)薬であり、これは坐剤、浣腸、または経口製剤として投与され得る。5-ASA薬に応答しないまたはそれによって寛解を達成しない患者は、コルチコステロイドで処置され得る。しかし、コルチコステロイドは、長期的有効性の欠如および副作用の危険から、寛解の維持のために使用されるべきでない。中等度のUCを有する患者はまた、寛解の誘導のために免疫モジュレーター(チオプリンまたはメトトレキサート)と共にまたはそれなしで生物学的薬剤を用いて管理され得る。チオプリン(アザチオプリンまたは6-メルカプトプリン)は、ステロイド依存的な中等度から重度の疾患を有する患者において寛解を維持するために使用され得る。抗TNF-α薬、例えばインフリキシマブ、アダリムマブ、およびゴリムマブは、中等度から重度の疾患において寛解を誘導し維持するのに効果的であることが示されている。UCの処置は、軽度から中等度のUCの処置であり得、ここで軽度のUCは3または4の改定版Mayoスコアと定義され、中等度のUCは5~8の改定版Mayoスコアと定義される。
UCの複数の発病経路を標的とする治療剤は、開発中であるかまたは最近承認され、ほとんどが中等度から重度の疾患用である。これらには、α4インテグリンアンタゴニスト(例えばベドリズマブ、エトロリズマブ、AJM300)、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤(例えばアプレミラスト)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)阻害剤(例えばRDP-58(酢酸デルミチド(delmitide acetate)))、Janusキナーゼ(JAK)阻害剤(例えばトファシチニブ、フィルゴチニブ、ウパダシチニブ、TD-1473、およびASP015K)、ならびにスフィンゴシン受容体モジュレーター(例えばオザミモド、エトラシモド、およびアミセリモド)が含まれる。
UCにおけるスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)
S1Pは、細胞成長、形質転換、遊走、および細胞死を含む様々な生理学的応答の調節に関与する構造的、代謝的、および生理活性脂質である。それはスフィンゴシンキナーゼによりスフィンゴシンから生成される多機能性リン脂質メディエーターであり、5つのタイプのGタンパク質共役S1P受容体(S1P1、S1P2、S1P3、S1P4、およびS1P5)に結合する。S1PおよびS1P1受容体は、二次リンパ器官からのリンパ球放出において必須の役割を果たしている。リンパ球性S1P1受容体を欠くマウスにおいて、リンパ球は、二次リンパ器官から抹消に出てくることができない。腸の炎症疾患における炎症部位で検出される高いS1P濃度は、炎症シグナル、免疫細胞の関与、および他の炎症促進因子のさらなる放出を強化する。UCにおけるS1P受容体に対する注目は、ほぼすべてのGI組織におけるこれらの受容体の普遍的発現およびS1Pシグナル伝達機構の調整を通じた炎症関連病理の修正の可能性により定義される。
その必要のある対象において潰瘍性大腸炎を予防、処置、および/または改善する方法は、第1の投与期間に、第1の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩もしくは鏡像異性体を対象に投与する工程、および第2の投与期間に、第2の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩もしくは鏡像異性体を対象に投与する工程を含み、ここで第1の用量は第2の用量よりも多い。
様々な態様において、本明細書に記載される方法は、任意の他のスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体モジュレーター、非経口(IVまたは直腸)コルチコステロイド、免疫抑制剤、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、またはサリドマイド、タクロリムス、静脈内免疫グロブリン、血漿分離療法、または血球成分除去療法、任意の生物剤または新たに承認されるUC治療剤(例えばインフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、ゴリムマブ、エタネルセプト、ベドリズマブ、ウステキヌマブ、トファシチニブ、またはナタリズマブ)、クラスIまたはクラスIII抗不整脈薬、カルシウムチャネルブロッカー、βブロッカー、QT間隔を延長することが判明している薬物、および上記の組み合わせを同時に用いているまたは過去1~30日以内に用いた任意の対象へのアミセリモドの投与を含まない。
様々な態様において、本明細書に記載される方法は、経口または直腸5-ASAおよび経口コルチコステロイドからなる群より選択される非安定用量の薬剤を用いている任意の対象へのアミセリモドの投与を含まない。本明細書で使用される場合、「非安定用量」は、本明細書に記載される方法にしたがう第1の用量のアミセリモドから28日以内に変更される薬物の用量である。
様々な態様において、対象のGI管における炎症の処置は、本明細書に記載されるUCを処置する方法のいずれかを用いて達成され得る。様々な態様において、対象のGI管における炎症の処置は、UC以外の炎症性腸疾患(IBD)、UC、クローン病(CD)、セリアック病、過敏性腸症候群(IBS)等の結果であるまたはそれらにより引き起される。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、軽度から中等度のUCの処置のために提供され得る。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、軽度のUCの処置のために提供され得る。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、中等度のUCの処置のために提供され得る。
様々な態様において、対象への第1の用量の投与は、対象において心拍数の陰性変時作用を誘導しない。心臓における変時作用には、心拍数またはリズムの変化が含まれ得る。陰性変時作用は、心拍数の低下をもたらす変時作用であり、徐脈(bradyarrhythimia)(徐脈(bradycardia))が含まれる。
S1P受容体モジュレーターが陰性変時作用を誘導し得るという知見に少なくとも一部起因して、当業者は、変時作用の発生を減少させるまたは発生させない特定の投薬レジメンが必要であり得ることを認識している。例えば、米国特許第8,492,441号は具体的に、当業者が、S1P受容体モジュレーターまたはアゴニストを、その初期用量(しばしば負荷用量と呼ばれる)が標準1日用量よりも少ないことおよびその用量が初期用量から標準1日用量へと1または複数段階を経て増加され得ることを確実にするように投与するよう手引きしている。先行技術で開示されたS1P受容体モジュレーターベースの治療と異なり、アミセリモドの特有の安全性およびPKプロフィールは、目標定常状態濃度を迅速に達成するために後続のまたは現在の維持用量のアミセリモドよりも多い初期用量(すなわち負荷用量)のアミセリモドの送達を許容する本明細書に記載される方法に至らしめた。
本明細書に記載される方法は、少なくとも2つの用量を含み、その初期用量(例えば、第1の用量)は、後続の用量または用量群(例えば、第2の用量)よりも多い。例えば、初期用量が薬物処置の負荷用量フェーズの間に投与され得、これに続いて処置の維持用量フェーズに、後続の、より少ない用量が投与され得る。いくつかの態様において、この方法は、第1の用量の本明細書に記載される組成物および第2の用量の本明細書に記載される組成物の投与を含む。
第1の用量は、いくつかの態様において、第2の用量よりも約1.1~約5倍多い、または第2の用量よりも約1.5~約2.5倍多い。いくつかの態様において、第1の用量は、第2の用量よりも約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、18.、1.9、2.0、2.1、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.8、2.9、3.0、3.2、3.4、3.6、3.8、4.0、4.2、4.4、4.6、4.8、または5.0倍多い。いくつかの態様において、第1の用量は、第2の用量よりも少なくとも約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、18.、1.9、2.0、2.1、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.8、2.9、3.0、3.2、3.4、3.6、3.8、4.0、4.2、4.4、4.6、4.8、または5.0倍多い。いくつかの態様において、第1の用量は、第2の用量よりも最大約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、18.、1.9、2.0、2.1、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.8、2.9、3.0、3.2、3.4、3.6、3.8、4.0、4.2、4.4、4.6、4.8、または5.0倍多い。様々な態様において、第1の用量は第2の用量よりも約2倍多い。
第1の用量および第2の用量は、様々な態様において、各々1日用量である。第1の用量は、投与される際、いくつかの態様において、1日1回(QD)、2回(BID)、3回(TID)、または4回(QID)対象に与えられる。様々な態様において、第1の用量は、1日1回対象に投与される。第2の用量は、投与される際、いくつかの態様において、1日1回(QD)、2回(BID)、3回(TID)、または4回(QID)対象に与えられる。様々な態様において、第2の用量は、1日1回対象に投与される。
アミセリモドは、約400時間の半減期を有する。例えば、アミセリモドは、約17~20時間の半減期を有するエトラシモドよりも約20倍長い終末相半減期を有する。実験において、1日用量のアミセリモドは、14日間の0.4 mg QD投与後に治療的定常状態に達した。第13日に、アミセリモド0.4 mg QDの定常状態AUCおよびCmaxは、第1日との比較でアミセリモドの場合10倍、アミセリモド-Pの場合4倍増加した。このAUCおよびCmaxの増加は、絶対リンパ球数の漸減と相関関係を有していた。リンパ球数の減少は、アミセリモド中断後も維持され、これにより持続的な治療的アミセリモドAUCが、一部、それに付随する半減期に起因することが示された。したがって、アミセリモドは、本明細書に記載される方法にしたがい、所望の処置、例えば潰瘍性大腸炎の管理を達成するために1日1回よりも少ない頻度で投与され得る。いくつかの態様において、第2の用量は、第2の投与期間(例えば、維持用量フェーズ)に、第2の投与期間の間1日おきに、または第2の投与期間の間2日おきに、または第2の投与期間の間3日おきに、または第2の投与期間の間4日おきに、または第2の投与期間の間5日おきに、または第2の投与期間の間6日おきに、または第2の投与期間の間7日おきに、QD、BID、TID、またはQIDで投与され得る。
いくつかの態様において、第2の用量は、第2の投与期間(例えば、維持用量フェーズ)に、第2の投与期間の間1日おきに、または第2の投与期間の間2日おきに、または第2の投与期間の間3日おきに、または第2の投与期間の間4日おきに、または第2の投与期間の間5日おきに、または第2の投与期間の間6日おきに、または第2の投与期間の間7日おきに、QDで投与され得る。いくつかの態様において、第2の用量は、第2の投与期間(例えば、維持用量フェーズ)に、第2の投与期間の間1日おきに、または第2の投与期間の間2日おきに、または第2の投与期間の間3日おきに、または第2の投与期間の間4日おきに、または第2の投与期間の間5日おきに、または第2の投与期間の間6日おきに、または第2の投与期間の間7日おきに、BIDで投与され得る。いくつかの態様において、第2の用量は、第2の投与期間(例えば、維持用量フェーズ)に、第2の投与期間の間1日おきに、または第2の投与期間の間2日おきに、または第2の投与期間の間3日おきに、または第2の投与期間の間4日おきに、または第2の投与期間の間5日おきに、または第2の投与期間の間6日おきに、または第2の投与期間の間7日おきに、TIDで投与され得る。いくつかの態様において、第2の用量は、第2の投与期間(例えば、維持用量フェーズ)に、第2の投与期間の間1日おきにQD、BID、TID、またはQIDで投与され得る。いくつかの態様において、第2の用量は、第2の投与期間(例えば、維持用量フェーズ)に、第2の投与期間の間1日おきにQDで投与され得る。いくつかの態様において、第2の用量は、第2の投与期間(例えば、維持用量フェーズ)に、第2の投与期間の間1日おきにBIDで投与され得る。いくつかの態様において、第2の用量は、第2の投与期間(例えば、維持用量フェーズ)に、第2の投与期間の間1日おきにTIDで投与され得る。
第1の用量および第2の用量は各々、独立して、約0.05mg~約10mgのアミセリモドを含み得る。いくつかの態様において、第1および第2の用量は各々独立して、約0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mgのアミセリモドを含む。いくつかの態様において、第1および第2の用量は各々独立して、少なくとも約0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mgのアミセリモドを含む。いくつかの態様において、第1および第2の用量は各々独立して、最大約0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mgのアミセリモドを含む。
様々な態様において、第1の用量および第2の用量は各々独立して、第1の用量が第2の用量よりも多いという条件で、約0.1mg~約1mgのアミセリモドを含む。様々な態様において、第1の用量は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1.0mgのアミセリモドを含む。様々な態様において、第1の用量は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1.0mgのアミセリモドを含む。様々な態様において、第1の用量は、最大約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1.0mgのアミセリモドを含む。様々な態様において、第1の用量は、約0.8mgまたは約0.4mgを含む。
アミセリモド用量は、本明細書に記載される任意の賦形剤を本明細書に記載される量で含むよう製剤化され得る。様々な態様において、アミセリモドは、経口投与用に製剤化される。アミセリモドの経口投薬物は、いくつかの態様において、マンニトール、リン酸水素カルシウム無水物、およびタルクを含み得る。
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法にしたがい送達されるアミセリモド用量は、表1に記載されるカプセル形態の組成物であり得る。
(表1)アミセリモド組成物の例
Figure 2024506041000003
1)アミセリモド原薬の実際の重量は効力に関して調節される。リン酸水素カルシウム無水物の量もまた、存在するアミセリモド原薬の量にしたがい調節される。
2)ゼラチンカプセルはゼラチン、二酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、およびタルクから構成される。
いくつかの態様において、第1の投与期間(例えば、負荷用量フェーズ)は1~21日である。いくつかの態様において、第1の投与期間は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21日である。いくつかの態様において、第1の投与期間は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21日である。いくつかの態様において、第1の投与期間は最大約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21日である。様々な態様において第1の投与期間は1~14日である。第1の投与期間は、いくつかの態様において、少なくとも11、12、13、または14日である。第1の投与期間は、いくつかの態様において、少なくとも11日である。
第2の投与期間(例えば、維持用量フェーズ)は少なくとも約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、または90日である。いくつかの態様において、第2の投与期間は最大約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、または90日である。いくつかの態様において、第2の投与期間は約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、または90日である。いくつかの態様において、第2の投与期間は約20~90日である。いくつかの態様において、第2の投与期間は対象を処置するために必要である限り続く。様々な態様において、第2の投与期間は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月である。いくつかの態様において、第2の投与期間は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月である。いくつかの態様において、第2の投与期間は最大約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月である。いくつかの態様において、第2の投与期間は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12年である。いくつかの態様において、第2の投与期間は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12年である。いくつかの態様において、第2の投与期間は最大約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12年である。いくつかの態様において、第2の投与期間は、対象の生涯にわたって続く。
第1または第2の用量のアミセリモドは、様々な剤形のものを含む、本明細書に記載される任意の組成物であり得る。アミセリモド用量の量にかかわらず、第1または第2の用量のアミセリモドは、組成的に同一または異なり得(例えば、異なるタイプまたは量の薬学的に許容される賦形剤または担体)、各々は少なくとも1つの本明細書に記載される薬学的賦形剤または担体を含み得る。アミセリモドは、いくつかの態様において、第1または第2用量における唯一の活性剤である。いくつかの態様において、アミセリモドを投与する方法はさらに、少なくとも1つの追加の治療剤の投与を含む。追加の治療剤は、アミセリモドと順次または同時のいずれかで投与され得る。単位剤形のアミセリモドは、アミセリモドおよび少なくとも1つの追加の治療剤を含み得る。様々な態様において、追加の治療剤は抗炎症剤である。
適切な追加の治療剤には、非限定的に、5-ASA、例えばメサラミン、スルファサラジン、オルサラジン、またはバルサラジド等;NSAID、例えばアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、セレコキシブ、メフェナム酸、エトリコキシブ、またはインドメタシン等;ステロイド、例えばプレドニゾン、ベクロメタゾン、またはブデソニドが含まれる。
特定の態様において、対象への本明細書に記載される組成物の投与は、対象においてUCまたはGI管における炎症を処置する上で同様の結果を達成するのに必要とされる追加の治療剤単独の用量と比較してより低用量の追加の治療剤の投与を実現する。例えば、特定の態様において、本明細書に記載される組成物は、追加の治療剤の活性を強化し、それによってより低用量の追加の治療剤が対象において同じ効果を提供することができる。
特定の態様において、本明細書に記載される組成物および追加の治療剤は、対象に共投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物および追加の治療剤は、対象に順次投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物および追加の治療剤は対象に同時に投与される。いくつかの態様において、第1の用量の本明細書に記載される組成物は、追加の治療剤と共投与される。いくつかの態様において、第2の用量の本明細書に記載される組成物は、追加の治療剤と共投与される。いくつかの態様において、第1の用量の本明細書に記載される組成物および第2の用量の本明細書に記載される組成物は、追加の治療剤と共投与される。
本明細書に記載される様々な態様は、例として提供される以下の実施例を参照することによってより理解することができる。本明細書に記載される方法の範囲は、本明細書に示されている実施例に限定されない。
実施例1
アミセリモド用量が漸増される第1相無作為化、二重盲検、プラセボ対照研究において、健常対象におけるアミセリモドの安全性を評価した。
この研究の目的は、リンパ球移動を調節することが示され、炎症性腸疾患の処置に関して開発段階にある選択的スフィンゴシン1-リン酸受容体モジュレーターであるアミセリモドの安全性プロフィールを評価することであった。
ネステッドクロスオーバー設計の無作為化、二重盲検、多用量、プラセボ対照、並行研究により、アミセリモドの安全性および忍容性プロフィールを評価した。28日の処置期間の間、健常な成人を2:1:1比で以下の通りに無作為化した:単回用量のプラセボの後に経口アミセリモド(定常状態濃度を達成するよう0.4~1.6mgの範囲で用量が漸増される);単回用量の経口モキシフロキサシン400mgの後にプラセボ;またはプラセボの後に単回用量のモキシフロキサシン400mg(安全性分析においては、モキシフロキサシンのアームを組み合わせた)。安全性集団には、少なくとも1つの用量の処置を受けた全対象を含めた。有害事象(AE)および重篤なAEを収集した。処置発AEは、研究薬投与時または投与後に発生または悪化したAEと定義した。臨床ラボラトリパラメータ(リンパ球数を含む)、身体検査、生命兆候、および心電図パラメータ(心拍数、PR、QRS、およびQT間隔を含む)の変化を記録した。リンパ球数が≦0.2 x 109/Lとなった場合、対象が離脱するのを許可した。
安全性集団は、190名の対象を含み、そのうちの95名がアミセリモドを投与され、95名が組み合わされたモキシフロキサシン群であった。対象は40%が女性であり、83%が白人であり、平均(標準偏差)年齢は39.0(8.8)歳であった。中止率は、アミセリモド群では8%(n=8)、モキシフロキサシン群では4%(n=4)であった。3名の対象が、低リンパ球数の停止基準に合致したために中止された。1名の対象は、(先行する4日間のうちの3日間でアミセリモド1.6mgを投与された後の)第26日に、入院、カルディオバージョンを必要とする心房細動のアミセリモド関連重篤AEを経験し、中止となった。死亡は報告されなかった。すべての他のAEは、軽度から中等度の重篤度であった。白血球数の減少が、最も多く報告されたTEAE(治療下で発現した有害事象)であり、その次が頭痛および便秘であった(表2)。
(表2)処置群による治療下で発現した有害事象(>5%) - 事象を報告した対象の数(投薬を行った対象の%)
Figure 2024506041000004
白血球数の減少は、研究中止後に正常範囲に戻り、後遺症はなかった。好中球、リンパ球およびヘモグロビンの減少、ならびにクレアチンキナーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの増加が報告されたが、そのすべてが後遺症なしに解消した。アミセリモドについての平均絶対リンパ球数は、投薬前(1.681 thou/μL)から第27日の0.424 thou/μLの底値への漸減を示した(図1)。生命兆候、身体検査、およびECGパラメータの変化は正常限度内であった。
この研究は、複数の漸増された用量のアミセリモドが健常対象において概ね十分に忍容されることを示している。
実施例2
アミセリモドを用いて、非盲検延長期間のある無作為化、二重盲検、プラセボ対照、3アーム、多施設、並行群研究を実施する。この研究の主目的は、活動性の軽度から中等度の潰瘍性大腸炎を有する対象における、経口アミセリモド(MT-1303)の12週時点での有効性および安全性をプラセボとの比較で評価することである。
副次的目的は、二重盲検期間の終了後最大36週間の非盲検アミセリモドによる維持処置の有効性および安全性を評価することである。
研究設計
本研究は、すべての対象に対して、(最大28日間の)スクリーニング期間および12週間の二重盲検処置期間(第1日~第85日)を含む。本研究を第85日まで完了した対象には、適格性を有する場合、本研究のOLE期間において第48週(第337日)まで処置を受け続け、第60週(第421日)に安全性フォローアップを受ける機会を与える。OLE期間に参加しないことを選択するまたは適格性を有さない対象については、第24週(第169日/EOS)までの安全性フォローアップ期間において二重盲検期間後84日間追跡する。
およそ336名の対象を、二重盲検期間の間12週にわたって3つの処置のうちの1つを受けるよう、1:1:1比(処置群あたりおよそ112名)で無作為割り当てする。以下の用量群を評価する。
・A群(低用量):0.4mg QDのアミセリモド負荷用量(第1~14日)、その後に0.2mg QDの維持用量(第15~85日);
・B群(高用量):0.8mg QDのアミセリモド負荷用量(第1~14日)、その後に0.4mg QDの維持用量(第15~85日);
・C群(プラセボ):対応するプラセボ、QD。
処置群あたりおよそ20名の対象が、選択された施設において、連続PKサンプル採取に参加する。残りの対象は、断続的にPKサンプル収集される。無作為化は、重篤度(軽度UC[3または4の改訂版Mayoスコア]または中等度UC[5~8の改訂版Mayoスコア])および同時コルチコステロイド使用(Y/N)により階層化される。無作為化された対象の最大80%が中等度UCを有し、無作為化された対象の最大30%が軽度UCを有するようにする。第85日の来院時に行われる評価は、OLE(非盲検延長)期間に参加する対象のベースライン評価として扱われる。
OLE期間に進まない対象の場合、第85日の最終用量は、二重盲検期間の無作為化割り当て(すなわち、盲検プラセボまたは活性IMP)にしたがう。OLE期間に参加する対象の場合、第85日の用量は、OLE期間の非盲検アミセリモドの第1の用量(すなわち、0.4mg QD)となる。二重盲検期間についての研究設計の概略図を図2に提供する。OLE期間の概略図を図3に提供する。
研究集団の選択
北米、欧州、アフリカおよびアジア太平洋地域のおよそ175の臨床施設のおよそ336名の対象(処置群あたり112名)を本研究に参加させる。
参加適格性基準
対象の適格性または異常の臨床的有意性に関する治験責任医師(Investigator)の質問に関しては、Medical Monitor研究での議論を強く推奨する。本研究に参加する適格者となるために、候補者は、スクリーニングおよびベースライン来院の際に、または列挙されている個々の適格性基準に示されている時点で、以下の適格性基準を満たさなければならない:
1. 対象がインフォームドコンセントに署名する時点で、18~75歳(18および75歳を含む)の男性または女性の対象。
2. 正常な生命兆候。・無熱性、・心拍数55~100bpm、・収縮期血圧>90かつ<150mmHg、・拡張期血圧>50かつ<90mmHg、・呼吸数>10かつ<20/分。
3. (組織病理学報告により裏付けられる)臨床的および内視鏡的証拠により無作為化の少なくとも12週前に確認される活動性の軽度から中等度のUC(3~8の改訂版Mayoスコア)の診断。
・軽度のUCは3または4の改訂版Mayoスコアと定義される。
・中等度のUCは5~8の改訂版Mayoスコアと定義される。
4. 中央の治験審査者(reviewer)により決定される、≧2である、スクリーニング結腸内視鏡検査からの内視鏡サブスコア。
5. スクリーニング結腸内視鏡検査により確認される、肛門縁から≧15cm伸びる活動性UCの証拠。
6. 対象が彼らのUCの処置のために経口もしくは直腸5-アミノサリチル酸(5-ASA)または経口コルチコステロイド(≦20mgプレドニゾロン当量)を投与されている場合、彼らは無作為前に少なくとも28日間安定用量下になければならない。
7. すべての受胎能を有する女性(WOCBP)は、スクリーニング来院時の血清妊娠検査およびその後の各研究来院時の尿妊娠検査で陰性でなければならず、かつ本研究への彼女らの参加中および最終用量のIMP後12週間、許可された避妊方法を使用することに同意しなければならない。
8. 患者手帳の使用に関する実習を完了するおよび本研究を通して適時な様式で患者手帳を完了する意思および能力。
除外基準
候補者は、スクリーニングもしくはベースライン来院時にまたは列挙される個々の基準に示されている時点で以下の除外基準のいずれかが存在する場合、研究への登録から除外される。
潰瘍性大腸炎に関する除外基準
1. クローン病、判別困難な大腸炎、大腸炎(偽膜性、顕微鏡的、もしくは虚血性)またはセリアック病の診断。
2. 劇症大腸炎、腹部膿瘍、中毒性巨大結腸、腸閉塞、または腸穿孔の現在または最近(無作為化前12週以内)の証拠。
3. 肛門縁から15cm以内の直腸炎症と定義される、直腸炎の診断。
4. 無作為化前1年以内の何らかの結腸切除または結腸亜全摘術の病歴または証拠。
5. 回腸瘻造設術、結腸瘻造設術、または既知の修復された症候性腸狭窄の病歴または証拠。
6. 非切除腺腫性結腸ポリープまたは結腸粘膜異形成の病歴または証拠。
7. UCに対する外科的介入を現在必要としているまたは本研究の間にUCに対する外科的介入が必要となることが予見されること。
全般的健康および併発している状態に関する除外基準
8. 無作為化前4週間以内の臨床的に有意な感染(例えば、肺炎、腎盂腎炎、敗血症)または無作為化前6ヶ月以内の入院を必要とする過去の臨床的に有意な感染。
9. 活動性SARS-CoV-2感染またはCOVID-19に関連する合併症。
10. リンパ腫または他のリンパ増殖性疾患の病歴。
11. 以下のいずれかにより証明される、活動性または潜在性結核。
a. 結核の病歴
b. スクリーニング期間中のQuantiFERON-TB Gold(登録商標)(またはT-SPOT(登録商標))における陽性または判定不能な結果。QuantiFERON-TB Gold(またはT-SPOT)において判定不能な結果が確認される場合、一度に限り再検査を許可することができる。
c. スクリーニング期間中の活動性または潜在性結核を排除することができない胸部X線における陽性または判定不能な結果。
12. 以下のいずれかにより証明されるB型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、または水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の感染。
a. B型肝炎、C型肝炎の病歴。
b. スクリーニング期間中のHBV、HCV、またはHIV検査についての陽性の結果。
c. 帯状疱疹発生の病歴。
13. 現在活動性である原発性または続発性免疫不全の病歴。
14. 進行性多巣性白質脳症(PML)の病歴または無作為化前の陽性のPML客観的チェックリストにより決定されるPMLの存在。
15. 脱髄性疾患の病歴または存在。
16. スクリーニング来院から60日以内のC.ディフィシル(C.difficile)大腸炎/下痢。C.ディフィシルに対する処置の成功から7日後に再スクリーニングが行われ得る。
17. 無作為化前4週間以内の(VZV(水痘帯状疱疹ウイルス)ワクチンを含む)生または弱毒化生ワクチンの接種(注:非生ワクチンは許容される)。
18. 心筋梗塞、不安定狭心症、脳卒中、一過性虚血性発作、入院を伴う非代償性心不全、またはクラスIII/IV心不全の最近(直近6ヶ月以内)の発症。
19. Mobitz II型第2度または第3度房室(AV)ブロックまたは洞不全症候群の病歴。
20. クラスIもしくはクラスIII抗不整脈薬を用いる、または心拍数を低下させるカルシウムチャネルブロッカー(例えば、ベラパミルもしくはジルチアゼム)、β-ブロッカーを用いる、または心拍数を低下させ得る任意の他の薬(例えば、イバブラジン、硫酸マグネシウム)を用いる進行中の処置。
21. QT/QTc延長の既知の高い危険(例えば、QT延長症候群または急死の家族歴)。
22. 処置に成功した皮膚の基底細胞癌および扁平上皮内癌(in situ squamous cell carcinomas)を除く、悪性物の(スクリーニング前5年以内の)病歴または存在。
23. (スクリーニング中にOCT(光干渉断層撮影)により評価される)黄斑浮腫、ブドウ膜炎、もしくは発展型網膜症(evolutive retinopathy)、または治験責任医師の見解として黄斑浮腫の危険を高め得る任意の他の状態の病歴または存在。
24. インスリンを使用しているまたはその診断後>8年の疾患期間があるまたは有意な合併状態(例えば、網膜症、腎症、もしくは神経症)がある1型糖尿病または2型糖尿病。スクリーニング期間中にヘモグロビンA1c(HbA1c)>7.5%である対象も除外される。
25. 薬物乱用(例えば、ドラッグのしくはアルコール)または研究手順に協力する対象の能力を制限する任意の他の要因(例えば、深刻な精神状態)の病歴または証拠。
投与された医薬に関する除外基準
26. UCに対する生物学的処置の2回またはそれ以上の失敗(根本的な非応答者)の病歴または証拠。
27. スクリーニング来院前28日以内の不安定用量の経口もしくは直腸5-ASAまたは経口コルチコステロイド。
28. スクリーニング来院前28日以内または示されているような以下のいずれかの使用:
a. 非経口(IVまたは直腸)コルチコステロイド
b. シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、またはサリドマイド
c. タクロリムス
d. 静脈内免疫グロブリン、血漿分離療法、または血球成分除去療法
e. スクリーニング来院から8週以内の任意の生物剤または新たに承認されたUC治療剤(例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、ゴリムマブ、エタネルセプト、ベドリズマブ、ウステキヌマブ、トファシチニブ、またはナタリズマブ)
29. 無作為化28日前の免疫抑制剤(例えば、AZA、6-メルカプトプリン、またはメトトレキサート)の使用。
30. スクリーニング来院前14日以内の不安定用量のプロバイオティクス。
31. スクリーニング来院前14日以内の不安定用量の下痢止め剤(ロペラミド、ジフェノキシレート)。
32. スクリーニング来院前14日以内のUCの処置のための(安定用量の5-ASA以外の)浣腸または坐剤の使用。
33. スクリーニング来院前12ヶ月以内の糞便微生物叢移植(FMT)の使用。
34. リンパ球除去療法(例えば、抗CD4、クラドリビン、リツキシマブ、オクレリズマブ、シクロホスファミド、ミトキサントロン、全身照射、骨髄移植、アレムツズマブ、ダクリズマブ)の使用の病歴または証拠。
35. WOCBPの場合、スクリーニング来院前12週以内の、経口避妊薬の開始、または不安定用量の経口避妊薬の摂取。
36. アミセリモド、フィンゴリモド、オザニモド、およびエトラシモドを含むスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体モジュレーターに対する非応答またはそれを用いた処置の失敗の病歴。
37. IMPの任意の成分(例えば、マンニトールまたはゼラチン)に対するアレルギー、過敏症または任意の深刻な反応の既知の病歴。
38. 無作為化前12週以内またはその治験薬の5半減期以内のいずれか長い方の任意の治験薬による以前の処置。
39. 本研究中に(治験的処置または治験用途で承認治療が行われる)任意の他の治験的臨床試験に参加する計画または現在参加していること。
ECGおよびPFT知見に関する除外基準
40. スクリーニング時または無作為化時(投薬前)の12リードECGにおいて低心拍数(毎分<55拍[bpm])であること。
41. スクリーニング時または無作為化時(投薬前)の12リードECGにおいて、Fridericia式を用いた補正QT間隔(QTcF)が女性の場合は≧470ミリ秒、男性の場合は≧450ミリ秒であること。
42. 任意の伝導異常、例えばウォルフパーキンソンホワイト。
43. 12リードECG(スクリーニング時もしくは無作為化時[投薬前])におけるおよび/または24時間ECG(スクリーニング時)における、対象の健康を危険にさらす可能性があると治験責任医師が憂慮する臨床的に有意な異常知見(例えば、急性虚血、伝導異常、または不整脈)。
44. スクリーニング時に1秒間努力呼気容量(FEV1)または努力肺活量(FVC)が予想される値の<70%であること。
45. DLCOを評価する施設においては、その値(mL/分/mmHg)が年齢、身長、および性別から予想される正常値の<80%であること。
ラボラトリー知見に関する除外基準
46. スクリーニング期間中の以下のラボラトリー異常のいずれか:
a. ヘモグロビン(Hb)<9.0g/dL
b. 白血球(WBC)数<3.50 x 109/L(<3,500/μL)
c. 好中球数<1.50 x 109/L(<1,500/μL)
d. リンパ球数<0.80 x 109/L(<800/μL)
e. アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)またはアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)>2 x 正常の上限(ULN)
f. ビリルビン>1.5 x ULN。ギルバート症候群を有する対象は最大5.0mg/dlの総ビリルビンまで参加することができる。
47. スクリーニング来院前60日以内の腸内病原体、病原性ovaもしくは寄生生物、またはクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile (C. difficle))について陽性の糞便試験。
48. (女性対象のみ)閉経の証拠(ホルモンまたは手術)が提供された場合を除いて、スクリーニング来院時(血清ベータヒト絨毛性ゴナドトロピン[hCG]レベルもしくは尿ディップスティック)またはベースライン来院時(尿ディップスティック)における陽性の妊娠試験。授乳中の対象も除外される。
一般的除外
49. 研究への参加、データの収集、または研究の完了を妨げ得る任意の身体的または精神的状態。
50. 治験責任医師または治験依頼者(Sponsor)の見解として、対象を参加不適格にする、その他の明示されていない理由。
対象の完了
対象は、最後の予定された研究手順の時点で研究を完了する。これは、OLE期間へと継続しない対象の場合は第169日(第24週)であり、OLE期間を完了する対象の場合は第421日(第60週)である。
対象の中止
すべての対象は、明示されたものであろうとなかろうと、任意の理由によって任意の時点で、かつ不利益なしに、本研究への参加から自由に離脱することができる。通常の対象の管理に関してはいかなる制約も課されず、かつ対象は、適切な場合、希望によりまたは彼らの担当医により臨床的に必要と決定されたときはいつでも、他の従来的治療に供され得る。治験責任医師と治験依頼者、または治験委任者(designee)の間での相談を通じて、以下の理由のいずれかによるIMP処置からのまたは本研究からの対象の離脱が検討される。
・対象がコンセントを撤回する場合。
・対象が禁止されている医薬を摂取する必要があるまたは対象が禁止されている医薬を摂取している場合。
・確認された絶対リンパ球数(ALC)≦0.2 x 109/L。
- ≦0.2 x 109/LのALC値が1回報告された場合、48時間以内に2回目の値を得る。対象は、それ以外のことが示されていない限り、この時間中IMPを維持する。
- 再取得値が>0.2 x 109/Lであった場合、対象は中断なしに処置を継続する。
- 再取得値が≦0.2 x 109/Lであった場合、IMP処置を中止し、リンパ球数を念入りにモニタリングする。加えて、対象は最終処置(EOT)来院を完了すべきである。≦0.2 x 109/LのALCを有する対象は、彼らのALC値が正常の下限(LLN)に達するまで毎週ベースでモニタリングされるべきである。
・以下を含むがこれらに限定されない、12リード安全性ECGで検出された任意の臨床的に有意な異常の発生:
- 新たに発生した第2度AVブロック、Mobitz II型
- 新たに発生した第3度AVブロック
- 確認されたQTc>500ミリ秒および/または少なくとも1時間間隔の2回の機会で測定される>60ミリ秒のQTcのベースラインからの増加
ベースライン安全性ECGは、投与前第1日と定義される。任意の臨床的に有意に異常なECGを有する対象は除外し、必要な管理およびフォローアップに関して心臓専門医に相談すべきである。
・安全性ECGモニタリングに基づくおよび治験責任医師が臨床的に重大とみなす45 bpmを下回る対象の非睡眠時HR降下。
・対象が、>3 x ULNのALTおよび/またはASTの増加を有すると共に、同時に>2 x ULNの総ビリルビンの増加を有するまたは関連する臨床的症状を発現し、別の病因(例えば、ギルバート症候群)の証拠を有さない。
・対象が>5 x ULNのALTおよび/またはASTの増加を有する。 - >5 x ULNのALTおよび/またはAST値が1回報告された場合、48時間以内に2回目の値を得る。対象は、それ以外のことが示されていない限り、この時間中IMPを維持する。 - 再取得値が≦5 x ULNであった場合、対象は中断なしに処置を継続する。 - 再取得値が>5 x ULNであった場合、IMP処置を中止する。
・対象が>8 x ULNのALTおよび/またはASTの増加を示す。2回目の値を可能な限り早く(24時間以内に)得る。IMPは、異常な値の確認を受け取るまで維持されるべきである。確認された場合、IMPを恒久的に中止すべきである。
・上記基準に合致する上昇したALT/ASTを有する任意の対象は、ALT/ASTがベースラインレベルに達するまでモニタリングされるべきである。
・対象が本研究中に黄斑浮腫を発症する。
・対象が許容できないAEまたはSAEを経験する。
・対象が、(治験的処置または治験用途で承認治療が行われる)別の治験的臨床研究に参加する。
・対象が妊娠する。研究処置は直ちに中止しなければならない。第7.5.2節の指示にしたがい妊娠を報告する。
・対象がプロトコルにしたがう意思がないまたはしたがうことができない。
・治験責任医師または治験依頼者の裁量により。
・本調査への参加を継続することが対象にとって最良の医学的関心事ではないとする治験責任医師の決定。
対象を中止とする前に、対象に接触し、可能な限り多くのフォローアップデータを得るための最後の研究来院を設定し、そしてすべての研究資料を回収するためにあらゆる努力がなされるべきである。第85日より前に離脱または中止となった対象は、第85日/EOT来院のために予定されていた評価にしたがい最終処置手順を受ける。OLE期間中に離脱または中止となった対象は、第48週(第337日/EOT)来院のために予定されていた評価にしたがい最終処置手順を受ける。二重盲検およびOLEの両方の期間において、すべての患者が、安全性フォローアップ来院のために、研究薬中止から84日(±10日)後に戻ってくることを促される。対象の離脱は、原書類および適用される症例報告書(eCRF)に明記される。対象の離脱の通知を、治験依頼者または治験委任者に対して行う。本研究を離脱したまたはフォローアップ不能となった対象は、置き換えられない。
フォローアップ不能
来院スケジュールにより規定される予定された来院のために戻ってこない対象は、フォローアップ不能とみなされ得る。施設は、最低2回の電話での呼び出しを通じて対象に接触することを試みる。それでもなお対象と接触できない場合、施設は、最後に知らされた対象の住所宛てに承認されたレターまたは同様の認証された郵送物を送付する。対象からの接触がない場合、施設はその対象をフォローアップ不能とみなす。すべてのフォローアップの試みを記録し、対象の原子書類と共に維持し、適用されるeCRFを完了させる。
研究期間
計画されている参加期間はおよそ24ヶ月である。各対象は、最大4週間スクリーニングされ、その後に12週の二重盲検期間に移行する。本研究のOLE期間に参加する対象は、最大でさらに36週の研究処置(第48週まで)および処置完了から12週後(第60週)の安全性フォローアップを受ける。本研究のOLE期間に参加しない対象は、処置完了から12週後(第24週)にフォローされる。二重盲検およびOLEの両方の期間の場合の総予想研究期間はおよそ40ヶ月である。
処置
本研究においてアミセリモドは0.2mgまたは0.4mgのいずれかのカプセルとして提供する。二重盲検期間において、対象を、グループA、グループB、またはグループCの3つのグループの1つに無作為化する。0.2mg、0.4mg、およびプラセボカプセルは、盲検性を維持するために外見上同一である。治験責任医師、施設スタッフ、対象および治験依頼者の研究員(または彼らの治験委任者)は、対象が無作為化された研究群に関して盲検下に置かれる。対象は、各々の日のほぼ同じ時間にIMPを摂取すべきである。対象は以下のように投薬される。
・負荷投薬(第1~14日)
〇 グループA(低用量):2つの0.2mgアミセリモドカプセル、経口、QD
〇 グループB(高用量):2つの0.4mgアミセリモドカプセル、経口、QD
〇 グループC(プラセボ):2つのプラセボカプセル、経口QD。
最初の14日間の投薬の後、すべての対象が、毎日2つのカプセルから毎日1つのカプセルに切り替えられ、以下のように投薬される。
・維持投薬(第15~85日):
〇 グループA(低用量):1つの0.2mgアミセリモドカプセル、経口、QD
〇 グループB(高用量):1つの0.4mgアミセリモドカプセル、経口、QD
〇 グループC(プラセボ):1つのプラセボカプセル、経口QD。
本研究のOLE期間へと継続される対象は、第48週(第337日)まで0.4mg QDの非盲検アミセリモドを投与される。
有効性および安全性変数
主要有効性変数
主要有効性評価のために改訂版Mayoスコアを使用する。潰瘍性大腸炎の疾患活動に関するMayoスコアは、疾患重篤度の評価を提供し、治療中に対象をモニタリングするために使用され得る。スコア付けは、内視鏡的知見、糞便頻度、直腸出血、および/または医師による総合評価(Physician Global Assessment; PGA)についてのサブスコアの合算により行い、より高いスコアがより悪い重篤度を示す。各サブスコアは0~3の範囲である。この研究における主要有効性分析は、内視鏡的知見サブスコア+糞便頻度サブスコア+直腸出血サブスコアの和と定義され、0~9の範囲である改訂版Mayoスコアを使用する。Mayo内視鏡サブスコアを決定するために内視鏡検査を行う。現場および中央の両方で結果の読み取りを行う。エンドポイント分析における内視鏡サブスコアは、中央で読み取られた内視鏡結果に基づく。直腸出血サブスコアおよび糞便頻度サブスコアは、患者が報告する症状に基づき評価する。対象は、彼らの最も悪い1日の直腸出血および糞便頻度を記録するために日記をつける。
副次的および予備的有効性変数
主要有効性分析のための改訂版Mayoスコアに加えて、副次的および予備的分析のために、内視鏡知見、糞便頻度、直腸出血および/または医師による総合評価(PGA)を用いる各種Mayoスコア付けを反復して評価する。これらには、完全Mayoスコア(内視鏡+糞便頻度+直腸出血+PGAサブスコア)、2成分Mayoスコア(直腸出血+内視鏡サブスコア)、ならびにMayoスコア付けに基づく臨床および寛解結果が含まれる。内視鏡検査からの初版Geboes指標スコア(original Geboes index core;OGS)が、中央の治験審査者により治験依頼者に提供される。UC関連バイオマーカーを試験する。安全性ラボラトリー評価のために取得された血液サンプルを、血清CRPレベルを決定するためにも使用する。糞便サンプルを、便中カルプロテクチンおよび便中ラクトフェリンの存在/非存在を決定するために収集する。生活の向上および質に関する対象の評価は、それぞれ、PGI-CおよびEQ-5D-3Lにより評価する。
安全性変数
有害事象(AE)および重度有害事象(SAE)
本研究を通じてAEおよびSAEを収集し、重篤度およびIMPとの関係について等級付ける。
身体検査
スクリーニング来院時に完全な身体検査を行い、ベースライン来院時に再度行う。他の来院時には症状に応じた身体検査を行う。
生命兆候
体温、呼吸数、血圧、およびHRを測定する。
血圧およびHRの測定は少なくとも5分間仰臥位にある対象において行うが、彼らが研究手順および/もしくはAE(例えば、吐き気、目眩)を理由として着座しているもしくは半リクライニング状態にある場合または治験責任医師もしくは治験委任者によって必要とみなされる場合はこの限りでない。
生命兆候は、第1日の、第1の用量の前に測定する。すべての他の来院時においては、生命兆候を投薬前に測定する。採血と同時刻に予定されている場合、生命兆候は血液収集の前に行う。
ECGモニタリング
対象は、治験責任医師または治験委任者により、彼らの医学的判断で、継続した研究への参加が対象の最良の関心事とならないECG知見が存在する場合または対象が本明細書に記載される中止条件を満たす場合、研究から外される。
24時間ECG
心臓状態を有する対象を除外するために、スクリーニング来院時に二十四(24)時間モニターを用いて連続的なECGデータを収集する。スクリーニング来院後の24時間から収集されたデータは、適格性の決定のために、ベースライン来院前またはベースライン来院時に中央の治験審査者によって審査される。
24時間ECGの収集は、IMP投薬前1時間以内に開始する。
標準12リードECG
研究用ECGは、治験責任医師または治験委任者によって現場で解釈される、標準的な、1回の12リードECGとして計画される。中央のECG治験審査者との協議は、必要に応じて行われ得る。対象は、各12リードECG前に少なくとも10分間、横になるべきである。治験責任医師は、必要とみなされる場合、他の時点で安全性のために追加のECGを実施し得る。
肺機能検査(PFT)
評価されるPFTは、1秒間努力呼気容量(FEV1)、および努力呼気肺活量(FVC)、ならびに一酸化炭素に対する肺の拡散能力(DLCO)である。DLCOは、設備が利用可能な施設で行われる。スクリーニングPFTは、第1日より少なくとも8日前に行われなければならない。対象のPFTが質の問題で除外基準に合致する場合、スクリーニング期間中にPFTが1度反復され得る。
眼科試験
黄斑浮腫の存在を決定するため、光干渉断層撮影(OCT)を行う。
進行性多巣性白質脳症(PML)チェックリスト
各来院時に、PMLチェックリストを用いてPMLの兆候または症状の存在について対象をモニタリングする。PML主観的チェックリストは、各来院時に治験責任医師または適切な治験委任者によって、および対象または彼/彼女の家族がその症状を報告したときはいつでも、行われる。陽性の主観的チェックリストが確認された場合、IMP投薬は中断され、客観的チェックリストが治験責任医師によって行われる。陽性の主観的チェックリストの一部に対応する客観的チェックリストの一部のみが行われる。IMP投薬は、その症状の重篤度に関する治験責任医師の評価に基づき再開され得る。
臨床ラボラトリー検査
採血物は、絶食(8時間)状態で収集する。ラボラトリー安全性試験は、治験責任医師または治験委任者によって必要とみなされる場合、様々な予定されていない時点で行われ得る。血液および尿サンプルの収集、調製および輸送についての詳細は、ラボラトリーマニュアルに提供される。
表3に示されるラボ検査に加えて、糞便サンプルを、微生物学的検査のためならびに便中UC関連バイオマーカー検査(カルプロテクチンおよびラクトフェリン)のために収集する。糞便サンプルの収集、調製および輸送についての詳細は、ラボラトリーマニュアルに提供される。
(表3)臨床ラボラトリー検査
Figure 2024506041000005
1WBCおよび絶対好中球数(ANC)が治験責任医師に提供される。リンパ球数の結果(絶対、百分率、およびサブセット)を含むすべての他のWBC分画値、絶対値、および百分率値は、二重盲検期間を通じて盲検性を維持する。リンパ球数は非盲検の治験審査者にのみ利用可能である。
2血清化学検査は少なくとも8時間の絶食後に行う。
3スクリーニング時に、Cockcroft-Gault式を用いてクレアチニンクリアランスを計算する。
4尿検査がタンパク質、血液、亜硝酸塩および/または白血球エステラーゼについて陽性である場合、(赤血球、白血球、細菌、円柱および上皮細胞に関する)顕微鏡試験を行う。
薬物動態(PK)および薬力学(PD)変数
二重盲検期間においてすべての対象は、第1、15、29、57、85、および169/EOS日に投薬前(1時間以内)PKサンプルを収集される。OLE期間において、すべての対象は、第99、113、169、225、281、337、および421日に投薬前(1時間以内)PKサンプルを収集される。
各処置群におけるおよそ20名の対象のサブセットは、第1日および第85日に連続PKサンプル採取を受ける。血液サンプルは、投薬1時間前(投薬前)および投薬1、2、4、6、8、10、12、および24時間後に収集する。
血液サンプル収集の枠は、最初の2時間について±5分、4時間~12時間の時点から±30分、および24時間時点から±2時間とする。投薬前サンプル収集の枠は1時間である。PKサンプルの収集、調製、標識および輸送の指示は、ラボラトリーマニュアルに提供される。
上記のPKサンプル収集に加えて、PKサンプル収集は、心臓関連SAEが起こった場合に取得される。対象がさらなる処置を中止する場合、対象の最後の投薬から3日以内にPK分析のための追加の血液サンプルを収集する。
アミセリモドおよびMT-1303-PのPD特性のために、総リンパ球数およびリンパ球数のベースラインからの変化を評価する。リンパ球数のための血液サンプルは、研究薬投与前に収集すべきである。臨床ラボラトリー検査から得られたリンパ球数は、査定のために、独立した、非盲検の、適任の医学博士に送られる。
予備的PD変数
各リンパ球サブセットについてのリンパ球サブセット数およびベースラインからの変化を評価する。スクリーニングを除くすべての来院時に、リンパ球サブセットの評価のために別の血液サンプルを収集する。リンパ球サブセット数のための血液サンプルは、研究薬投与前に収集すべきである。リンパ球サブセットは、以下のパネルを含む:(1)T、Bおよびナチュラルキラー細胞ならびに(2)T細胞サブセット。
併用薬および併用措置
併用薬
併用薬は、インフォームドコンセントの署名からEOS(最終研究)来院の間に投与される任意の薬物または物質である。
研究開発目的で承認された治療を用いるまたは開発段階の未承認の研究薬を用いる任意の他の薬物、生物剤、またはデバイスの臨床試験または処置への参加は許可されない。
併用薬の投与に関連する有害事象は、適切なeCRFに記録しなければならない。
対象が以下のUC処置を受けている場合、彼らは無作為化前少なくとの28日間安定用量下になければならず、かつ本研究を通して安定用量で維持されなければならない:
・経口または直腸5-ASA、
・経口コルチコステロイド(≦20mgプレドニゾロン当量)。
禁止薬
本研究中に禁止薬を摂取した対象は中止となる。禁止薬のためのプロトコルの変更は考慮されない。以下の製品を用いる処置は、本研究中許可されない:
・任意の他のスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体モジュレーター(フィンゴリモド、オザニモド、およびエトラシモドを含む)の使用。
・不安定用量での経口または直腸5-ASA(例えば、メサラミン、スルファサラジン、オルサラジン、またはバルサラジド)の使用。
・スクリーニング来院時に評価される経口コルチコステロイドを用いる処置の開始または経口コルチコステロイドの安定用量(≦20 mgプレドニゾロン当量)の変更。
・非経口(IVまたは直腸)コルチコステロイドの使用。
・免疫抑制剤(例えば、AZA、6-MP、またはMTX)の使用。
・シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、またはサリドマイドの使用。
・タクロリムスの使用。
・静脈内免疫グロブリン、血漿分離療法、または血球成分除去療法の使用。
・任意の生物剤または新たに承認されるUC処置剤(例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、ゴリムマブ、エタネルセプト、ベドリズマブ、ウステキヌマブ、トファシチニブ、またはナタリズマブ)の使用。
・クラスIもしくはクラスIII抗不整脈薬、カルシウムチャネルブロッカー、β-ブロッカー、またはQT間隔を延ばす薬物の使用。
併用措置
併用措置は、対象が本研究に参加したときからEOSまたはEOT来院までの間に行われる任意の治療的介入(例えば、手術/生検、理学療法)または診断評価(例えば、血液ガス測定、細菌培養)である。
併用療法または措置の使用は、eCRF完了の指示にしたがい、対象のeCRFに記録されなければならない。これらの治療または措置の実施に関連する有害事象は、適切なeCRFに記述されなければならない。
処置の継続
第85日の来院を完了した対象は、適格性を有する場合、最大1年間活性アミセリモドを受けるOLE期間に継続する機会が与えられる。IMPを耐えることができない、適格性を有さない、またはOLE期間に継続しないことを選択した対象は、IMPを受けることを継続せず、IMP処置の完了から84日[12週]後である第169日の安全性フォローアップ来院のために診療所に戻される。
OLE期間に継続する対象は、最大1年間(48週)IMP処置を受けた後に、アミセリモドの処置を終了する。
本明細書で使用されている用語および表現は、限定ではなく説明のために使用されており、そのような用語および表現の使用にあたっては、示され説明されている特徴またはその一部の任意の等価物を排除する意図は存在せず、本明細書に記載される態様の範囲内で様々な改変がなされ得ると認識されている。したがって、本明細書の開示は具体的な態様を含んでいるが、本明細書に開示される組成物、方法、および技術思想の任意の特徴、改変およびバリエーションが当業者によって想起され得ること、ならびにそのような改変およびバリエーションは本開示の態様の範囲内であるとみなされることが理解されるべきである。

Claims (50)

  1. その必要のある対象において潰瘍性大腸炎を処置または改善する方法であって、
    第1の投与期間に、第1の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩もしくは鏡像異性体を該対象に投与する工程、および
    第2の投与期間に、第2の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩もしくは鏡像異性体を該対象に投与する工程
    を含み、該第1の用量が該第2の用量よりも多い、該方法。
  2. 前記対象への前記第1の用量の投与が、前記対象において心拍数の陰性変時作用を誘導しない、請求項1記載の方法。
  3. 前記第1の用量が前記第2の用量よりも約1.5~約2.5倍多い、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記第1の用量が前記第2の用量よりも約2倍多い、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  5. 前記第1の用量および前記第2の用量のうちの少なくとも1つが1日用量である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  6. 前記第1の用量および前記第2の用量が各々独立して約0.05mg~約10mgである、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  7. 前記第1の用量および前記第2の用量が各々独立して約0.1mg~約1mgである、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  8. 前記第1の用量が約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または約1.0mgである、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  9. 前記第1の用量が約0.8mgまたは約0.4mgである、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  10. 第1の投与期間が1~21日である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  11. 第1の投与期間が1~14日である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  12. 第1の投与期間が少なくとも11日である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  13. 第2の投与期間が少なくとも1年である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  14. 潰瘍性大腸炎を処置または改善する少なくとも1つの追加の治療剤を前記対象に投与する工程をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  15. 対象の胃腸(GI)管において炎症を減少させる方法であって、
    第1の投与期間に、第1の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩もしくは鏡像異性体を該対象に投与する工程、および
    第2の投与期間に、第2の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩もしくは鏡像異性体を該対象に投与する工程
    を含み、該第1の用量が該第2の用量よりも多い、該方法。
  16. 前記対象への前記第1の用量の投与が、前記対象において心拍数の陰性変時作用を誘導しない、請求項15記載の方法。
  17. 前記第1の用量が前記第2の用量よりも約1.5~約2.5倍多い、請求項15または16記載の方法。
  18. 前記第1の用量が前記第2の用量よりも約2倍多い、請求項15~17のいずれか一項記載の方法。
  19. 前記第1の用量および前記第2の用量のうちの少なくとも1つが1日用量である、請求項15~18のいずれか一項記載の方法。
  20. 前記第1の用量および前記第2の用量が各々独立して約0.05mg~約10mgである、請求項15~19のいずれか一項記載の方法。
  21. 前記第1の用量が約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または約1.0mgである、請求項15~20のいずれか一項記載の方法。
  22. 前記第1の用量が約0.8mgまたは約0.4mgである、請求項15~21のいずれか一項記載の方法。
  23. 第1の投与期間が1~14日である、請求項15~22のいずれか一項記載の方法。
  24. 第2の投与期間が少なくとも1年である、請求項15~23のいずれか一項記載の方法。
  25. 潰瘍性大腸炎を処置または改善する少なくとも1つの追加の治療剤を前記対象に投与する工程をさらに含む、請求項15~24のいずれか一項記載の方法。
  26. その必要のある対象において軽度から中等度の潰瘍性大腸炎を処置する方法であって、
    第1の投与期間に、第1の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩もしくは鏡像異性体を該対象に投与する工程、および
    第2の投与期間に、第2の用量のアミセリモドまたはその薬学的に許容される塩もしくは鏡像異性体を該対象に投与する工程
    を含み、該第1の用量が該第2の用量よりも多い、該方法。
  27. 前記対象への前記第1の用量の投与が、前記対象において心拍数の陰性変時作用を誘導しない、請求項26記載の方法。
  28. 前記第1の用量が前記第2の用量よりも約1.5~約2.5倍多い、請求項26または27記載の方法。
  29. 前記第1の用量が前記第2の用量よりも約2倍多い、請求項26~28のいずれか一項記載の方法。
  30. 前記第1の用量および前記第2の用量のうちの少なくとも1つが1日用量である、請求項26~29のいずれか一項記載の方法。
  31. 前記第1の用量および前記第2の用量が各々独立して約0.05mg~約10mgである、請求項26~30のいずれか一項記載の方法。
  32. 前記第1の用量および前記第2の用量が各々独立して約0.1mg~約1mgである、請求項26~31のいずれか一項記載の方法。
  33. 前記第1の用量が約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または約1.0mgである、請求項26~32のいずれか一項記載の方法。
  34. 前記第1の用量が約0.8mgまたは約0.4mgである、請求項26~33のいずれか一項記載の方法。
  35. 第1の投与期間が1~21日である、請求項26~34のいずれか一項記載の方法。
  36. 第1の投与期間が1~14日である、請求項26~35のいずれか一項記載の方法。
  37. 第1の投与期間が少なくとも11日である、請求項26~36のいずれか一項記載の方法。
  38. 第2の投与期間が少なくとも1年である、請求項26~37のいずれか一項記載の方法。
  39. 潰瘍性大腸炎を処置または改善する少なくとも1つの追加の治療剤を前記対象に投与する工程をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  40. 前記第1の用量が、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回(TID)、または1日4回(QID)投与される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  41. 前記第1の用量が1日1回(QD)投与される、請求項40記載の方法。
  42. 前記第2の用量が、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回(TID)、または1日4回(QID)投与される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  43. 前記第2の用量が1日1回(QD)投与される、請求項42記載の方法。
  44. 前記第2の用量が、第2の投与期間に、1日おきにQD、BID、TID、またはQIDで投与される、請求項40~43のいずれか一項記載の方法。
  45. 前記第2の用量が、第2の投与期間に、2日ごとにQD、BID、TID、またはQIDで投与される、請求項40~43のいずれか一項記載の方法。
  46. 前記第2の用量が、第2の投与期間に、3日ごとにQD、BID、TID、またはQIDで投与される、請求項40~43のいずれか一項記載の方法。
  47. 前記第2の用量が、第2の投与期間に、4日ごとにQD、BID、TID、またはQIDで投与される、請求項40~43のいずれか一項記載の方法。
  48. 前記第2の用量が、第2の投与期間に、5日ごとにQD、BID、TID、またはQIDで投与される、請求項40~43のいずれか一項記載の方法。
  49. 前記第2の用量が、第2の投与期間に、6日ごとにQD、BID、TID、またはQIDで投与される、請求項40~43のいずれか一項記載の方法。
  50. 前記第2の用量が、第2の投与期間に、7日ごとにQD、BID、TID、またはQIDで投与される、請求項40~43のいずれか一項記載の方法。
JP2023547694A 2021-02-08 2022-02-08 潰瘍性大腸炎を予防、処置、または改善するためのアミセリモド Pending JP2024506041A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202163147060P 2021-02-08 2021-02-08
US63/147,060 2021-02-08
PCT/EP2022/053030 WO2022167690A1 (en) 2021-02-08 2022-02-08 Amiselimod for preventing, treating, or ameliorating ulcerative colitis

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024506041A true JP2024506041A (ja) 2024-02-08

Family

ID=80447376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023547694A Pending JP2024506041A (ja) 2021-02-08 2022-02-08 潰瘍性大腸炎を予防、処置、または改善するためのアミセリモド

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP4288041A1 (ja)
JP (1) JP2024506041A (ja)
CN (1) CN116940350A (ja)
AU (1) AU2022217475A1 (ja)
CA (1) CA3207440A1 (ja)
MX (1) MX2023009249A (ja)
TW (1) TW202245742A (ja)
WO (1) WO2022167690A1 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4256108A (en) 1977-04-07 1981-03-17 Alza Corporation Microporous-semipermeable laminated osmotic system
US4160452A (en) 1977-04-07 1979-07-10 Alza Corporation Osmotic system having laminated wall comprising semipermeable lamina and microporous lamina
US4265874A (en) 1980-04-25 1981-05-05 Alza Corporation Method of delivering drug with aid of effervescent activity generated in environment of use
CN101346346B (zh) 2005-12-15 2012-08-22 田边三菱制药株式会社 胺化合物及其医药用途
RU2561681C2 (ru) 2008-12-22 2015-08-27 Новартис Аг Схема приема агониста рецептора s1p

Also Published As

Publication number Publication date
CN116940350A (zh) 2023-10-24
AU2022217475A1 (en) 2023-08-24
EP4288041A1 (en) 2023-12-13
MX2023009249A (es) 2023-10-23
TW202245742A (zh) 2022-12-01
WO2022167690A1 (en) 2022-08-11
CA3207440A1 (en) 2022-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6244497B1 (ja) 選択的s1p1レセプターアゴニストの投与法
JP4938905B2 (ja) 選択的s1p1レセプターアゴニストの投与法
US20220152053A1 (en) Methods and compositions for treating various disorders
JP2015500225A (ja) 癌の併用処置
AU2015230986A1 (en) Cenicriviroc for the treatment of fibrosis
JP2015526458A5 (ja)
WO2015185014A1 (zh) 喹啉衍生物用于治疗软组织肉瘤的方法和用途以及用于治疗软组织肉瘤的药物组合物
US20150157645A1 (en) Combination of a 17-alpha-hydroxylase (c17,20-lyase) inhibitor and a specific pi-3k inhibitor for treating a tumor disease
AU2015315628A1 (en) Use of reslizumab to treat moderate to severe eosinophilic asthma
JP2022536623A (ja) 肺動脈性肺高血圧症の治療方法
KR20200062241A (ko) 시포니모드의 투여 요법
CN101677972A (zh) 一种用于治疗神经变性疾病的奈拉美生的新组合物
JP2024506041A (ja) 潰瘍性大腸炎を予防、処置、または改善するためのアミセリモド
WO2022268083A1 (zh) 吡咯并嘧啶化合物及其药物组合物治疗慢性移植物抗宿主病的用途
JP2024519835A (ja) タウロデオキシコール酸またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む新型コロナウイルス感染症(covid-19)の治療用組成物
JP2022062153A (ja) デュラグルチドを使用する方法およびデュラグルチドを含有する組成物
JP2023502015A (ja) マルチターゲット型プロテインキナーゼ阻害剤の用途
KR20220074913A (ko) S1p1 수용체와 관련된 상태를 치료하는 방법
JP2008513430A (ja) 月経前症候群および月経前不快気分障害の処置のためのピンドロール
RU2821032C1 (ru) Способы лечения заболеваний, связанных с рецептором s1p1
WO2021224494A1 (en) New treatments of viral infections
RU2672555C2 (ru) Комбинация ингибитора pi3 киназы с паклитакселом для использования при лечении или предотвращении рака головы и шеи
US20230218596A1 (en) Methods involving neutrophil elastase inhibitor alvelestat for treating coronavirus infection
WO2020207355A1 (zh) 含氨氯地平、氯噻酮和阿米洛利的药物组合物
KR20220128984A (ko) sGC 자극제를 사용한 당뇨병성 신장병증의 치료