JP2024505686A - ヒトパラインフルエンザウイルス1-4(hpiv1-4)の検出のための組成物及び方法 - Google Patents

ヒトパラインフルエンザウイルス1-4(hpiv1-4)の検出のための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

生物学的サンプル又は非生物学的サンプル中のHPIV1-4を含むヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV)の存在又は非存在を迅速に検出するための方法が記載される。本方法は、増幅する工程、ハイブリダイズする工程、及び検出する工程を実施することを含み得る。さらに、HPIV1-4を標的とするプライマー及びプローブ、並びにHPIV1-4の標的領域を検出するために設計されたキットが提供される。HPIV1-4の増幅及び検出のためのキット、反応混合物、及びオリゴヌクレオチド(例えば、プライマー及びプローブ)も記載される。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
この特許出願は、2021年1月29日に出願された米国仮特許出願番号US63/143,144及び2021年2月5日に出願された米国仮特許出願番号US63/146,158号に対する優先権を主張し、これらの出願は両方ともその全体が本明細書に援用される。
発明の分野
本開示は、in vitro診断の分野に関する。この分野では、本発明は、サンプル中に存在し得る標的核酸の増幅及び検出、特に、プライマー及びプローブを使用した、ヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)の配列変異及び/又は個々の変異を含む標的核酸の増幅、検出及び/又は定量に関する。本発明はさらに、HPIV(HPIV1-4を含む)を含むHPIVの増幅及び検出のためのプライマー及びプローブを含有する反応混合物及びキットを提供する。
発明の背景
ヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV)は、ヒトパラインフルエンザを引き起こすウイルスである。HPIVは、パラミクソウイルス科に属する4つの異なる一本鎖RNAウイルスのグループであり、ヒトパラインフルエンザウイルス1型(HPIV1、HPIV-1、又はHPIV血清型1と呼ばれる)、ヒトパラインフルエンザウイルス2型(HPIV2又はHPIV-2又はHPIV血清型2と呼ばれる)、ヒトパラインフルエンザウイルス3型(HPIV3又はHPIV-3又はHPIV血清型3と呼ばれる)、及びヒトパラインフルエンザウイルス4型(HPIV4又はHPIV-4又はHPIV血清型4と呼ばれる)(すなわち、まとめてHPIV1-4又はHPIV血清型1-4)として知られる。これら4つの異なるウイルスを合わせて、ヒトパラインフルエンザウイルス1-4型、又はHPIV1-4と呼ぶことがある。HPIV1-4は遺伝的にも抗原的にも異なる。それらの構造的及び生物学的特徴の大部分は類似しているが、しかし、HPIV1-4はそれぞれ、異なる年齢のヒトに感染し、異なる疾患を引き起こすように適応している。全体として、HPIV1-4が属するパラミクソウイルス科のウイルスは、疾病負荷と経済的影響の観点から最もコストがかかるウイルスの1つである。HPIVは2つの属に分類される;(1)HPIV1及びHPIV3を含むレスピロウイルス;及び(2)HPIV2及びHPIV4を含むルブラウイルス。HPIV4はまた、モノクローナル抗体との反応性に基づいて、2つの異なる抗原性サブグループ4a及び4bに分類されている。特に、HPIVは、セグメント化されていないマイナス鎖ゲノムRNAを含むエンベロープウイルスである。HPIVの複製は、付着による侵入、融合、ゲノム転写、及び複製によって開始される。続いて、新たに合成されたウイルス成分は細胞膜の集合部位に輸送され、そこで新たに形成されたビリオンが細胞から出芽する。
すべてのHPIV1-4について、RNAゲノムは核タンパク質と強固に結合してらせん状のヌクレオキャプシドを形成し、ウイルスのRNAポリメラーゼがヌクレオカプシドに結合する。複製は完全に細胞質内で起こり、子孫ビリオンが感染細胞の原形質膜で組み立てられ、出芽によって放出される。ビリオンは、ウイルス特異的糖タンパク質スパイクを備えた脂質エンベロープによって囲まれた線維状のヌクレオカプシドコアで構成されている。ゲノムを含むことに加えて、HPIV1-4のヌクレオカプシドには、リンタンパク質(Pタンパク質)と巨大タンパク質(Lタンパク質)という2つの他のタンパク質も含まれている。脂質膜の外層にはスパイク状のヘマグルチニンノイラミニダーゼ(HN)及び融合(F)糖タンパク質があり、ウイルス膜又は感染細胞の表面から伸びている。ウイルスの脂質二重層の下にはマトリックス(M)タンパク質があり、これは主要な構造タンパク質の中で最も小さく、パラミクソウイルスで生成される最も豊富なタンパク質でもある。ウイルス膜はウイルスRNAを包含しており、このRNAは核タンパク質(NP)でカプシド形成されてヌクレオカプシドを形成し、このヌクレオカプシドはPタンパク質とLタンパク質で構成されるポリメラーゼ複合体に結合して生物学的に活性なリボヌクレオカプシドを形成する。ヌクレオカプシドタンパク質(又は核タンパク質又はNP)は、(P及びLタンパク質とともに)RNA依存性RNAポリメラーゼ活性に関与すると考えられている。すべてのパラインフルエンザウイルスのゲノムRNAは、NP、P、M、F、HN、及びLタンパク質をコードする6つの別々の非重複ポリアデニル化mRNAを生成する。Pタンパク質をコードするmRNAは、C及びV(アクセサリータンパク質)をコードするいくつかの追加のORFを含んでいる。ゲノムは、3’から5’の順に、リーダー配列、NP、P、M、F、HN、Lの遺伝子、及びトレーラー配列から構成されている。
HPIV1-4を含むパラインフルエンザウイルスは、クループ、気管支炎、及び肺炎の原因物質として機能する呼吸器病原体である。HPIV感染症は、米国で毎年数十万人の入院の原因となっている。HPIVは、特に小児に重篤な呼吸器感染症を引き起こす。HPIVは主に気道で複製され、エアロゾル化によって感染する。小児において、パラインフルエンザによる最も一般的な種類の病気は、鼻炎、咽頭炎、及び気管支炎である。しかし、免疫無防備状態の患者の感染症は通常長期化し、さらに重症化する可能性がある。様々な型のHPIVの臨床症状には大きな多様性がある。例えば、HPIV1及びHPIV2は小児の喉頭気管気管支炎(クループ)のほとんどの症例(米国では年間約60万症例)を引き起こすが、一方、HPIV3は入院の3~10%の原因であり、通常は気管支炎、肺炎、クループ、又は肺炎を引き起こす。HPIV4はあまり認識されていないが、軽度から重度の気道疾患を引き起こす可能性がある。HPIVは通常、乳児や幼児、免疫系が低下している人に感染するが、誰でもHPIVに感染する可能性がある。さらに、人は一生のうちに複数回のHPIV感染症にかかる可能性がある。再感染は通常、風邪のような症状を伴う軽度の上気道疾患を引き起こすが、人によっては再感染によって肺炎、気管支炎、細気管支炎などの重篤な下気道疾患を引き起こす可能性もある。高齢者や免疫力が低下又は弱くなっている人は、重度の感染症にかかるリスクが高くなる。HPIVは通常、感染性の飛沫との直接接触によって、又は感染者の呼吸、咳、くしゃみによる空気感染によって伝染する。HPIVは、空気中の飛沫中では1時間以上、表面では数時間、最長で10時間感染力を維持する可能性がある。残念ながら、HPIV感染症に対する効果的な治療法は、あったとしてもごくわずかである。リバビリンは、HPIV3感染症に対する潜在的な有効性を有することが示されている薬物のひとつである。さらに、HPIV1-4のいずれも含むHPIVに対する有効なワクチンはない。
HPIV感染症を検査室で診断する既存の方法には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイによるウイルスゲノムの直接検出、免疫蛍光法又は酵素イムノアッセイ法による呼吸器分泌物(症状発現後1週間以内に採取)中のウイルス抗原の直接検出、細胞培養物におけるウイルスの分離と同定、及び/又は適切に採取されたペアの血清検体間のHPIV特異的IgG抗体、又は単一血清検体中の特異的IgM抗体の有意な上昇の実証が挙げられる。咽頭スワブ、鼻咽頭スワブ、鼻洗浄液、鼻吸引はすべてHPIVを回収するために成功裏に使用されているが、HPIVの臨床サンプルを採取する最適な方法は十分に研究されていないが、使用される検出方法(例えば、PCR又は組織培養など)、患者の年齢、及び患者の一般的な健康状態(すなわち、免疫無防備状態、又は慢性肺疾患を患っている)に依存すると考えられている(例えば、Hendrickson,“Parainfluenza Viruses,Clin.Microbiol.Rev.16(2):242-264(2003)を参照)。高いウイルス回収率を達成した少数の研究(HPIV-1及びHPIV-3)では、最適なウイルス分離のために推奨される鼻洗浄液又は鼻吸引液が使用されていた。サンプル中のHPIVに対する抗体を検出する方法もあり、これには酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ、HI、補体結合、ウェスタンブロット法、及び中和アッセイが含まれる。しかし、HPIVの感染中に、密接に関連したHPIV血清群に対する異種抗体が発生することは、血清学的診断を行おうとする際の永続的な問題である。HPIV抗原を直接検出するために、ELISA、ラジオイムノアッセイ、及びフルオロイムノアッセイも開発されている。さらに、電子顕微鏡はHPIVの存在を簡単に示すことができるが、多くのパラミクソウイルスは同じように見えるため、電子顕微鏡の使用は高価である。さらに、免疫蛍光もサンプル中のHPIVを検出する手段として広く使用されているが、臨床材料の直接IF染色によるHPIVの検出は、非常にばらつきがあり、時には期待はずれの結果をもたらすこともあった。組織培養物をスライド上で増殖させ、ウイルスの吸収と細胞感染を促進するために最初に遠心分離を使用するシェルバイアルアッセイは、HPIVを迅速に同定するための別の方法であるが、これらの技術では感度の問題が報告されている。HPIV RNAは、ノーザンハイブリダイゼーション又はウイルス特異的プローブを使用したドットブロット分析によって直接検出できるが、これらの方法は時間がかかり、一貫性のない結果が得られ、感度が不足している。多くの臨床サンプル中のHPIV RNAの量は、生物学的(組織培養)又は分子増幅のいずれかを行わなければ、検出を可能にするのに十分ではない。PCRがHPIVの検出に適切であることを実証した研究がいくつかあり、HPIV-1、HPIV-2、及びHPIV-3を検出するための多重RT-PCRアッセイが開発されている。別のグループは、サンプル中のHPIV1-4を検出するための多重RT-PCRアッセイを開発したと主張しているが、このアッセイには感度の問題がある(例えば、Aguilar,et al.,“Detection and Identification of Human Parainfluenza Viruses 1,2,3,and 4 in Clinical Samples of Pediatric Patients by Multiplex Reverse Transcription-PCR,”Journal of Clinical Microbiology 38(3):1191-1195(2000)を参照)。したがって、当技術分野では、サンプル中のHPIV1-4の存在を検出及び/又は定量するための、迅速で信頼性があり、特異的かつ高感度な方法が依然として必要とされている。
分子診断の分野では、核酸の増幅及び検出はかなり重要である。そのような方法は、ウイルスや細菌などの任意の数の微生物を検出するために使用することができる。最も顕著で広く使用されている増幅技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。他の増幅技術としては、リガーゼ連鎖反応、ポリメラーゼリガーゼ連鎖反応、Gap-LCR、修復連鎖反応、3SR、NASBA、鎖置換増幅(SDA)、転写媒介増幅(TMA)及びQβ増幅が挙げられる。PCRに基づく分析のための自動化されたシステムは、しばしば、同じ反応容器におけるPCRプロセス中の産物増幅のリアルタイム検出を利用する。そのような方法の重要な点は、レポーター基又は標識を有する修飾オリゴヌクレオチドの使用である。
本発明は、ヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)の信頼性が高く、感度が高く、再現性のある増幅及び検出を対象とする。プライマー及びプローブは、ヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)に対する包括性を最大化し、同じ科(パラミクソウイルス科)の他のウイルスを除外するように設計されており、それによって他のテンプレート(例えば、他のウイルステンプレート)との交差反応を防止している。このヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)アッセイは、cobas(登録商標)6800/8800システムで使用することができる。本発明のプライマー及びプローブは、4つのHPIV標的すべてを検出するために、多重標的アッセイとして使用され得る。設計戦略は、HPIV1-4ゲノムから保存された配列領域を選択し、各標的についていくつかのプライマー及びプローブの組み合わせを評価することであった。これらの候補は、単一の個別のHPIV型を検出するために個別に使用することができ、例えば、サンプル中のHPIV1を検出するための1つのアッセイ、サンプル中のHPIV2を検出するための1つのアッセイ、サンプル中のHPIV3を検出するための1つのアッセイ、及びサンプル中のHPIV4を検出するための1つのアッセイである。あるいは、これらの候補を多重アッセイにおいて同時に使用して、単一サンプル中のHPIV1-4を検出することもできる。このようにして、単一のアッセイでサンプル中の4つの異なる型のHPIV(HPIV1-4)の存在を検出することができる。4つの型のHPIV(HPIV1-4)を標的とする多重アッセイとして使用する場合、プライマーの4つの異なるセットとプローブが使用される(プライマーの各セットとプローブはHPIV1、HPIV2、HPIV3、及びHPIV4を検出する)。もちろん、候補を二重アッセイ又は三重アッセイにおいて使用して、それぞれ2つの標的又は3つの標的を同時に検出することができる。候補は、ヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)の1~4つのHPIV標的の間の任意の場所を検出するアッセイの任意の構成で使用することができる。
本開示の特定の実施態様は、生物学的サンプル又は非生物学的サンプル中のヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)の存在又は非存在の迅速な検出、例えば、単一の試験管又は容器内でのリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるHPIV1-4の多重検出及び定量化のための方法に関する。実施態様は、増幅工程及びハイブリダイズ工程を含み得る、少なくとも1つのサイクリング工程を実施することを含む、ヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)の検出方法を含む。さらに、実施態様は、単一のチューブ又は容器内でヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)を検出するために設計されたプライマー、プローブ、及びキットを含む。
本開示の一実施態様は、ヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)の1つ又は複数の標的核酸を検出する方法を対象とする。特に、本開示の一実施態様は、ウイルス収集培地/ユニバーサルトランスポート培地(UTM)で収集された鼻咽頭サンプル中のヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)の1つ又は複数の標的核酸を検出するための方法を対象とする。
本開示の1つの態様は、サンプル中のヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV)を検出するための方法であって、ここでHPIVは、ヒトパラインフルエンザウイルス1型(HPIV-1)、ヒトパラインフルエンザウイルス2型(HPIV-2)、ヒトパラインフルエンザウイルス3型(HPIV-3)、及び/又はヒトパラインフルエンザウイルス4型(HPIV-4)を含み、(a)HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4のうちの1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプルをプライマーの1つ又は複数のセットと接触させてHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;(b)HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4のうちの1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、1つ又は複数のプローブをHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物と接触させることを含むハイブリダイゼーション工程を実施すること;並びに(c)HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、ここで、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在は、サンプル中の、それぞれ、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の存在を示し、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の非存在は、サンプルからの、それぞれ、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の非存在を示す、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出すること、を含み;プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブは、(1)HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号1の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-1の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号3の核酸配列若しくはその相補体を含む、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は(2)HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号4の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-2の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は(3)HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-3の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は(4)HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-4の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ、を含む方法を対象とする。別の実施態様では、サンプルは、生物学的サンプルである。別の実施態様では、生物学的サンプルは、全血、呼吸器検体、鼻咽頭サンプル、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、及び軟部組織感染部である。別の実施態様では、生物学的サンプルは、鼻咽頭サンプルである。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブが標識される。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブは、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている。別の実施態様では、工程(c)におけるHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することは、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸に特異的なプローブのドナー蛍光部分とアクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、ここで、蛍光の存在又は非存在は、それぞれ、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の存在又は非存在を示す。
本開示の別の態様は、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の1つ又は複数の標的核酸を同時に検出するための方法であって、(a)HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4のうちの1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプルをプライマーの1つ又は複数のセットと接触させてHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;(b)HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4のうちの1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、1つ又は複数のプローブをHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物と接触させることを含むハイブリダイゼーション工程を実施すること;並びに(c)HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、ここで、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在は、サンプル中の、それぞれ、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の存在を示し、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の非存在は、サンプルからの、それぞれ、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の非存在を示す、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出すること、を含み;プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブは、(1)HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号1の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-1の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号3の核酸配列若しくはその相補体を含む、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は(2)HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号4の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-2の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は(3)HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-3の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は(4)HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-4の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ、を含む方法を対象とする。別の実施態様では、サンプルは、生物学的サンプルである。別の実施態様では、生物学的サンプルは、全血、呼吸器検体、鼻咽頭サンプル、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、及び軟部組織感染部である。別の実施態様では、生物学的サンプルは、鼻咽頭サンプルである。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブが標識されている。実施態様では、1つ又は複数のプローブは、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている。別の実施態様では、工程(c)におけるHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することは、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸に特異的なプローブのドナー蛍光部分とアクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、ここで、蛍光の存在又は非存在は、それぞれ、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の存在又は非存在を示す。
本開示の別の態様は、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプル中の第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸を検出するための方法であって、(a)第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプルをプライマーの1つ又は複数のセットと接触させて、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;(b)第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、1つ又は複数のプローブを前記増幅産物と接触させることを含むハイブリダイゼーション工程を実施すること;並びに(c)第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、ここで、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在は、サンプル中の、それぞれ、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の存在を示し、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の非存在は、サンプル中の、それぞれ、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の非存在を示す、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出すること、を含み;プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブは、(1)第1の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第1の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号1の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;第1の標的核酸に対するプローブは、配列番号3の核酸配列、若しくはその相補体を含む、第1の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は(2)第2の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第2の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号4の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;第2の標的核酸に対するプローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、第2の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は(3)第3の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第3の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;第3の標的核酸に対するプローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、第3の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は(4)第4の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第4の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;第4の標的核酸に対するプローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、第4の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ、を含み;第1の標的核酸はHPIV-1の標的核酸であり、第2の標的核酸はHPIV-2の標的核酸であり、第3の標的核酸はHPIV-3の標的核酸であり、第4の標的核酸はHPIV-4の標的核酸である、方法を対象とする。別の実施態様では、サンプルは、生物学的サンプルである。別の実施態様では、生物学的サンプルは、全血、呼吸器検体、鼻咽頭サンプル、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、及び軟部組織感染部である。別の実施態様では、生物学的サンプルは、鼻咽頭サンプルである。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブが標識されている。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブは、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている。別の実施態様では、工程(c)において、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することは、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸に対するプローブのドナー蛍光部分とアクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、ここで、蛍光の存在は、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の存在を示し、蛍光の非存在は、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の非存在を示す。
別の態様は、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプル中の第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸を同時に検出するための方法であって、(a)第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプルをプライマーの1つ又は複数のセットと接触させて、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;(b)第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、1つ又は複数のプローブを、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物と接触させることを含むハイブリダイゼーション工程を実施すること;並びに(c)第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、ここで、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在は、サンプル中の、それぞれ、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の存在を示し、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の非存在は、サンプル中の、それぞれ、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の非存在を示す、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出すること、を含み;プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブは、(1)第1の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第1の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号1の核酸配列又はその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列又はその相補体を含む第2のプライマーを含み;第1の標的核酸に対するプローブは、配列番号3の核酸配列、又はその相補体を含む、第1の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ;(2)第2の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第2の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号4の核酸配列又はその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む第2のプライマーを含み;第2の標的核酸に対するプローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列、又はそれらの相補体を含む、第2の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ;(3)第3の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第3の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;第3の標的核酸に対するプローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列、又はそれらの相補体を含む、第3の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ;並びに(4)第4の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第4の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;第4の標的核酸に対するプローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列、又はそれらの相補体を含む、第4の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ、を含み;第1の標的核酸はHPIV-1の標的核酸であり、第2の標的核酸はHPIV-2の標的核酸であり、第3の標的核酸はHPIV-3の標的核酸であり、第4の標的核酸はHPIV-4の標的核酸である、方法を対象とする。別の実施態様では、サンプルは、生物学的サンプルである。別の実施態様では、生物学的サンプルは、全血、呼吸器検体、鼻咽頭サンプル、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、及び軟部組織感染部である。別の実施態様では、生物学的サンプルは、鼻咽頭サンプルである。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブが標識されている。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブは、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている。別の実施態様では、工程(c)において、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することは、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸に対するプローブのドナー蛍光部分とアクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、ここで、蛍光の存在は、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の存在を示し、蛍光の非存在は、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の非存在を示す。
別の態様は、サンプル中に存在し得るHPIVを検出するためのキットであって、HPIVがHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4を含み、キットが増幅試薬及び検出試薬を含む、キットを対象とし、ここで、増幅試薬及び検出試薬は、(i)DNAポリメラーゼ;(ii)ヌクレオチドモノマー;並びに(iii)プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブを含み、ここで、プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブは、(1)HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号1の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-1の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号3の核酸配列若しくはその相補体を含む、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は(2)HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号4の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-2の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は(3)HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-3の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は(4)HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-4の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ、を含む。別の実施態様では、サンプルは、生物学的サンプルである。別の実施態様では、生物学的サンプルは、全血、呼吸器検体、鼻咽頭サンプル、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、及び軟部組織感染部である。別の実施態様では、生物学的サンプルは、鼻咽頭サンプルである。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブが標識されている。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブは、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている。
別の態様は、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸を同時検出するためのキットであって、増幅試薬及び検出試薬を含むキットを対象とし、ここで、増幅試薬及び検出試薬は、(i)DNAポリメラーゼ;(ii)ヌクレオチドモノマー;並びに(iii)プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブを含み、ここで、プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブは、(1)HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、プライマーのセットは、配列番号1の核酸配列又はその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列又はその相補体を含む第2のプライマーを含み;プローブは、配列番号3の核酸配列又はその相補体を含む、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;(2)HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、プライマーのセットは、配列番号4の核酸配列又はその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む第2のプライマーを含み;プローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列、又はそれらの相補体を含む、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;(3)HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、プライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;プローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列、又はそれらの相補体を含む、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに(4)HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、プライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;プローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列、又はそれらの相補体を含む、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ、を含む。別の実施態様では、サンプルは、生物学的サンプルである。別の実施態様では、生物学的サンプルは、全血、呼吸器検体、鼻咽頭サンプル、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、及び軟部組織感染部である。別の実施態様では、生物学的サンプルは、鼻咽頭サンプルである。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブが標識されている。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブは、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている。
別の態様は、サンプル中のHPIV-1を検出する方法であって、(a)HPIV-1の1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプルをプライマーの1つ又は複数のセットと接触させてHPIV-1の標的核酸の増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;(b)HPIV-1の1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、1つ又は複数のプローブをHPIV-1の標的核酸の増幅産物と接触させることを含むハイブリダイゼーション工程を実施すること;並びに(c)HPIV-1の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、ここで、HPIV-1の標的核酸の増幅産物の存在は、サンプル中のHPIV-1の存在を示し、HPIV-1の標的核酸の増幅産物の非存在は、サンプルからのHPIV-1の非存在を示す、HPIV-1の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出すること、を含み;プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブは、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブを含み、ここで、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号1の核酸配列又はその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列又はその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-1の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号3の核酸配列又はその相補体を含む、方法を対象とする。別の実施態様は、サンプル中のHPIV-2を検出する方法であって、(a)HPIV-2の1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプルをプライマーの1つ又は複数のセットと接触させてHPIV-2の標的核酸の増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;(b)HPIV-2の1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、1つ又は複数のプローブをHPIV-2の標的核酸の増幅産物と接触させることを含むハイブリダイゼーション工程を実施すること;並びに(c)HPIV-2の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、ここで、HPIV-2の標的核酸の増幅産物の存在は、サンプル中のHPIV-2の存在を示し、HPIV-2の標的核酸の増幅産物の非存在は、サンプルからのHPIV-2の非存在を示す、HPIV-2の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出すること、を含み;プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブは、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブを含み、ここで、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号4の核酸配列又はその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-2の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列又はその相補体を含む、方法を対象とする。別の実施態様は、サンプル中のHPIV-3を検出する方法であって、(a)HPIV-3の1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプルをプライマーの1つ又は複数のセットと接触させてHPIV-3の標的核酸の増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;(b)HPIV-3の1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、1つ又は複数のプローブをHPIV-3の標的核酸の増幅産物と接触させることを含むハイブリダイゼーション工程を実施すること;並びに(c)HPIV-3の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、ここで、HPIV-3の標的核酸の増幅産物の存在は、サンプル中のHPIV-3の存在を示し、HPIV-3の標的核酸の増幅産物の非存在は、サンプルからのHPIV-3の非存在を示す、HPIV-3の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出すること、を含み;プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブは、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブを含み、ここで、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列又はその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列又はその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-3の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列又はその相補体を含む、方法を対象とする。別の実施態様は、サンプル中のHPIV-4を検出する方法であって、(a)HPIV-4の1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプルをプライマーの1つ又は複数のセットと接触させてHPIV-4の標的核酸の増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;(b)HPIV-4の1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、1つ又は複数のプローブをHPIV-4の標的核酸の増幅産物と接触させることを含むハイブリダイゼーション工程を実施すること;並びに(c)HPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、ここで、HPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在は、サンプル中のHPIV-4の存在を示し、HPIV-4の標的核酸の増幅産物の非存在は、サンプルからのHPIV-4の非存在を示す、HPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出すること、を含み;プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブは、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブを含み、ここで、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列又はその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列又はその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-3の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列又はその相補体を含む、方法を対象とする。別の関連する実施態様は、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4を検出する方法であって、これらの方法を実行することを含む方法を対象とする。別の実施態様では、サンプルは、生物学的サンプルである。別の実施態様では、生物学的サンプルは、全血、呼吸器検体、鼻咽頭サンプル、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、及び軟部組織感染部である。別の実施態様では、生物学的サンプルは、鼻咽頭サンプルである。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブが標識されている。別の実施態様では、1つ又は複数のプローブは、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている。
他の態様は、100以下のヌクレオチドを有する、配列番号1~19から選択されるヌクレオチドの配列若しくはその相補体を含むか、又はそれらからなるオリゴヌクレオチドを提供する。別の態様では、本開示は、配列番号1~19のうちの1つ若しくはその相補体と少なくとも70%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%若しくは95%など)を有する核酸を含むオリゴヌクレオチドであって、100個以下のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドを提供する。一般に、これらのオリゴヌクレオチドは、これらの実施態様では、プライマー核酸、プローブ核酸などであり得る。これらの特定の実施態様では、オリゴヌクレオチドは40以下のヌクレオチド(例えば、35以下のヌクレオチド、30以下のヌクレオチド、25以下のヌクレオチド、20以下のヌクレオチド、15以下のヌクレオチド等)を有する。いくつかの実施態様では、オリゴヌクレオチドは、例えば非修飾ヌクレオチドと比較して核酸ハイブリダイゼーション安定性を変化させるために、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、任意に少なくとも1つの標識及び/又は任意に少なくとも1つのクエンチャー部分を含む。いくつかの実施態様では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの保存的に修飾された変異を含む。特定の核酸配列の「保存的に修飾された変異」若しくは単に「保存的変異」とは、同一若しくは本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸、若しくは核酸がアミノ酸配列をコードしない場合、本質的に同一の配列を指す。当技術分野の当業者であれば、コードされた配列中の単一のヌクレオチド又は低いパーセント比率のヌクレオチド(典型的には5%未満、より典型的には4%、2%又は1%未満)を変更、付加又は欠失させる個々の置換、欠失又は付加は、改変がアミノ酸の欠失、アミノ酸の付加、又は化学的に類似したアミノ酸によるアミノ酸の置換をもたらす「保存的に修飾された変異」であることを認識するであろう。
一態様では、増幅は、5’から3’へのヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を使用することができる。したがって、ドナー蛍光部分及びアクセプター部分、例えばクエンチャーは、プローブの長さに沿って互いに5~20ヌクレオチド(例えば、7又は10ヌクレオチド)以内であり得る。他の態様では、プローブは、二次構造の形成を可能にする核酸配列を含む。そのような二次構造の形成は、第1の蛍光部分と第2の蛍光部分との間の空間的近接をもたらし得る。この方法によれば、プローブ上の第2の蛍光部分はクエンチャーであり得る。
本開示はまた、個体からの生体サンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)又はHPIV(HPIV1-4を含む)核酸の存在又は非存在を検出する方法を提供する。これらの方法は、例えば、血液スクリーニング及び診断試験における使用のために、血漿中のHPIV(HPIV1-4を含む)核酸の存在若しくは非存在を検出するために使用することができる。さらに、当業者であれば、同じ試験を使用して、尿及び他の種類のサンプルを評価し、HPIV(HPIV1-4を含む)核酸を検出及び/又は定量することができる。そのような方法は、一般に、増幅工程及び色素結合工程を含む少なくとも1つのサイクリング工程を実施することを含む。典型的には、増幅工程は、サンプル中に核酸分子が存在する場合、サンプルを複数対のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させて1つ又は複数の増幅産物を生成することを含み、色素結合工程は、増幅産物を二本鎖DNA結合色素と接触させることを含む。そのような方法はまた、増幅産物への二本鎖DNA結合色素の結合の存在又は非存在を検出することを含み、結合の存在はサンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)核酸の存在を示し、結合の非存在はサンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)核酸の非存在を示す。代表的な二本鎖DNA結合色素は、臭化エチジウムである。他の核酸結合色素としては、DAPI、Hoechst色素、PicoGreen(登録商標)、RiboGreen(登録商標)、OliGreen(登録商標)、及びシアニン色素、例えばYO-YO(登録商標)及びSYBR(登録商標)Greenが挙げられる。さらに、そのような方法は、増幅産物と二本鎖DNA結合色素との間の融解温度を決定することを含むことができ、ここで、融解温度は、HPIV(HPIV1-4を含む)核酸の存在又は非存在を確認する。
さらなる態様では、HPIV(HPIV1-4を含む)の1つ又は複数の核酸を検出及び/又は定量するためのキットが提供される。キットは、遺伝子標的の増幅に特異的なプライマーの1つ又は複数のセット;及び増幅産物の検出に特異的な1つ又は複数の検出可能なオリゴヌクレオチドプローブを含み得る。
一態様では、キットは、ドナー及び対応するアクセプター部分、例えば他の蛍光部分又はダーククエンチャーで既に標識されているプローブを含むことができ、又はプローブを標識するためのフルオロフォア部分を含み得る。キットはまた、ヌクレオシド三リン酸、核酸ポリメラーゼ、及び核酸ポリメラーゼの機能に必要な緩衝液を含むことができる。
キットはまた、サンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)核酸の存在若しくは非存在を検出するためのプライマー、プローブ、及びフルオロフォア部分を使用するための添付文書及び説明書を含むことができる。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様又は同等の方法及び材料が本主題の実施又は試験で使用され得るが、好適な方法及び材料が以下に記載される。さらに、材料、方法、及び実施例は、単なる例示であり、限定することを意図したものではない。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が援用される。矛盾する場合は、定義を含む本明細書が優先する。
本発明の1つ又は複数の実施態様の詳細は、添付の図面及び以下の説明に示されている。本発明の他の特徴、目的及び利点は、図面及び発明を実施するための形態、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
特許又は出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を含む本特許又は特許出願公開の写しは、請求に応じて、必要な手数料を支払うことにより、特許庁によって提供されることになる。
図1は、アッセイで使用される様々なHPIV1-4標的の異なるプローブ色素標識を示す。例えば、HEX色素はHPIV1のプローブ専用、COU色素はHPIV2のプローブ専用、JA270色素はHPIV3のプローブ専用、FAM色素はHPIV4のプローブ専用、Cy5.5色素は内部標準(GIC)専用である。 図2は、4つのHPIV標的(HPIV1-4)のそれぞれについての各アッセイ用のプライマーのセット及びプローブの配列を示す。 図3は、HPIV1標的の増幅及び検出のためのプライマーのセット(配列番号1及び2)及びプローブ(配列番号3)のアラインメントを示す。 図4は、HPIV2標的の増幅及び検出のためのプライマーのセット(配列番号4及び5)及びプローブ(配列番号6及び7)のアラインメントを示す。 図5は、HPIV3標的の増幅及び検出のためのプライマーのセット(配列番号8及び9)及びプローブ(配列番号10)のアラインメントを示す。 図6は、HPIV4標的の増幅及び検出のためのプライマーのセット(配列番号11及び12)及びプローブ(配列番号13及び14)のアラインメントを示す。 図7Aは、実施例2(配列番号1~3を含むHPIV1のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV1のIVT転写産物の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。 図7Bは、実施例2(配列番号1~3を含むHPIV1のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV1アッセイの効率を示す。 図8Aは、実施例3(配列番号4、5、及び7を含むHPIV2のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV2アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。 図8Bは、実施例3(配列番号4、5、及び7を含むHPIV2のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV2アッセイの効率を示す。 図8Cは、実施例3(配列番号4、5、及び7を含むHPIV2のオリゴヌクレオチドを使用)に記載の3つの異なる試験条件下でのプライマー及びプローブの濃度を示す。 図8Dは、様々なプライマー及びプローブ濃度に対する3つの異なる条件下でのHPIV2アッセイの性能の増殖曲線を示しており、プライマー及びプローブ濃度の増加によりシグナルが改善されることを示している。 図9Aは、実施例4(配列番号8~10を含むHPIV3のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV3アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。 図9Bは、実施例4(配列番号8~10を含むHPIV3のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV3アッセイの効率を示す。 図10Aは、実施例5(配列番号11~13を含むHPIV4のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。 図10Bは、実施例5(配列番号11~13を含むHPIV4のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV4アッセイの効率を示す。 図11A及び図11Bは、以下のオリゴヌクレオチド:HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を使用して、実施例6に記載のように、ウイルス溶出液からのHPIV1-4標的核酸を多重様式で同時に増幅及び検出するHPIV1-4プライマー及びプローブの性能の増殖曲線及びデータをそれぞれ示す。 図11A及び図11Bは、以下のオリゴヌクレオチド:HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を使用して、実施例6に記載のように、ウイルス溶出液からのHPIV1-4標的核酸を多重様式で同時に増幅及び検出するHPIV1-4プライマー及びプローブの性能の増殖曲線及びデータをそれぞれ示す。 図12Aは、実施例7で用いた人為的鼻咽頭模擬臨床サンプルの組成を示し、これらは、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を検出するためのHPIV1-4オリゴヌクレオチドを試験するために使用された。 図12B(HPIV1)、図12C(HPIV2)、図12D(HPIV3)、及び図12E(HPIV4)は、人為的鼻咽頭模擬臨床サンプルに対するHPIV1-4多重アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。図12B~12Dは、HPIV1~4オリゴヌクレオチドが、多重設定において人為的人工鼻咽頭模擬臨床サンプルから標的HPIV1-4核酸を同時に検出できることを実証する。 図12B(HPIV1)、図12C(HPIV2)、図12D(HPIV3)、及び図12E(HPIV4)は、人為的鼻咽頭模擬臨床サンプルに対するHPIV1-4多重アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。図12B~12Dは、HPIV1~4オリゴヌクレオチドが、多重設定において人為的人工鼻咽頭模擬臨床サンプルから標的HPIV1-4核酸を同時に検出できることを実証する。 図12B(HPIV1)、図12C(HPIV2)、図12D(HPIV3)、及び図12E(HPIV4)は、人為的鼻咽頭模擬臨床サンプルに対するHPIV1-4多重アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。図12B~12Dは、HPIV1~4オリゴヌクレオチドが、多重設定において人為的人工鼻咽頭模擬臨床サンプルから標的HPIV1-4核酸を同時に検出できることを実証する。 図12B(HPIV1)、図12C(HPIV2)、図12D(HPIV3)、及び図12E(HPIV4)は、人為的鼻咽頭模擬臨床サンプルに対するHPIV1-4多重アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。図12B~12Dは、HPIV1~4オリゴヌクレオチドが、多重設定において人為的人工鼻咽頭模擬臨床サンプルから標的HPIV1-4核酸を同時に検出できることを実証する。 図13A~Dは、実施例8に記載のように、HPIV1-4プライマー及びプローブが、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいてウイルス溶出液から標的HPIV1-4核酸を同時に特異的に検出することを示す。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。結果を、図13A(HPIV1)、図13B(HPIV2)、図13C(HPIV3)、及び図13D(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。これらの結果は、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、意図されたそれぞれの標的に対して特異的であることを示す。図13A~13Dに見られるように、特定のHPIV型に対する意図しないチャネルにおいてこれらのウイルス溶出液を使用した場合、交差反応性は観察されなかった。 図13A~Dは、実施例8に記載のように、HPIV1-4プライマー及びプローブが、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいてウイルス溶出液から標的HPIV1-4核酸を同時に特異的に検出することを示す。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。結果を、図13A(HPIV1)、図13B(HPIV2)、図13C(HPIV3)、及び図13D(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。これらの結果は、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、意図されたそれぞれの標的に対して特異的であることを示す。図13A~13Dに見られるように、特定のHPIV型に対する意図しないチャネルにおいてこれらのウイルス溶出液を使用した場合、交差反応性は観察されなかった。 図13A~Dは、実施例8に記載のように、HPIV1-4プライマー及びプローブが、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいてウイルス溶出液から標的HPIV1-4核酸を同時に特異的に検出することを示す。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。結果を、図13A(HPIV1)、図13B(HPIV2)、図13C(HPIV3)、及び図13D(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。これらの結果は、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、意図されたそれぞれの標的に対して特異的であることを示す。図13A~13Dに見られるように、特定のHPIV型に対する意図しないチャネルにおいてこれらのウイルス溶出液を使用した場合、交差反応性は観察されなかった。 図13A~Dは、実施例8に記載のように、HPIV1-4プライマー及びプローブが、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいてウイルス溶出液から標的HPIV1-4核酸を同時に特異的に検出することを示す。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。結果を、図13A(HPIV1)、図13B(HPIV2)、図13C(HPIV3)、及び図13D(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。これらの結果は、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、意図されたそれぞれの標的に対して特異的であることを示す。図13A~13Dに見られるように、特定のHPIV型に対する意図しないチャネルにおいてこれらのウイルス溶出液を使用した場合、交差反応性は観察されなかった。 図14A及び図14Bは、実施例9に記載の、HPIV1-4のいずれか及びすべてについて陰性であることが知られているサンプルに対するHPIV1-4多重アッセイの性能のPCR増殖曲線を示す。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。これらの研究は、HPIV1-4陰性溶出液に対するHPIV1-4オリゴヌクレオチドの特異性を試験するために設計された。その結果は、図14A及び図14Bに示すように、HPIV1-4に対して陰性であることが知られている鼻咽頭溶出液に対してHPIV1-4オリゴヌクレオチドを用いても、どのチャンネルにおいても増幅が無いことを示している。 図14A及び図14Bは、実施例9に記載の、HPIV1-4のいずれか及びすべてについて陰性であることが知られているサンプルに対するHPIV1-4多重アッセイの性能のPCR増殖曲線を示す。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。これらの研究は、HPIV1-4陰性溶出液に対するHPIV1-4オリゴヌクレオチドの特異性を試験するために設計された。その結果は、図14A及び図14Bに示すように、HPIV1-4に対して陰性であることが知られている鼻咽頭溶出液に対してHPIV1-4オリゴヌクレオチドを用いても、どのチャンネルにおいても増幅が無いことを示している。 図15は、4つのHPIV標的(HPIV1-4)のそれぞれについての各アッセイ用のプライマーのセット及びプローブの配列を示す。 図16Aは、実施例10(配列番号1~3を含むHPIV1のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV1のIVT転写産物の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。 図16Bは、実施例10(配列番号1~3を含むHPIV1のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV1アッセイの効率を示す。 図16Cは、実施例10(配列番号4~6を含むHPIV2のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV2のIVT転写産物の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。 図16Dは、実施例10(配列番号4~6を含むHPIV2のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV2アッセイの効率を示す。 図16Eは、実施例10(配列番号15~17を含むHPIV3のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV3のIVT転写産物の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。 図16Fは、実施例10(配列番号15~17を含むHPIV3のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV3アッセイの効率を示す。 図16Gは、実施例10(配列番号11、13、18及び19を含むHPIV4のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV4のIVT転写産物の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。 図16Hは、実施例10(配列番号11、13、18、及び19を含むHPIV4のオリゴヌクレオチドを使用)に記載のHPIV4アッセイの効率を示す。 図17Aは、実施例11に記載されているように、以下のオリゴヌクレオチド:HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11)、13、18、及び19)を使用して、ウイルス溶出液からHPIV1-4標的核酸を一重鎖様式で同時に増幅及び検出するHPIV1-4プライマー及びプローブの性能の増殖曲線を示す。 図17Bは、実施例11に記載されるように、以下のオリゴヌクレオチド:HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19)を使用して、排他性を試験するために、他の呼吸器ウイルス標的の存在下でHPIV1-4標的核酸を同時に増幅及び検出するHPIV1-4プライマー及びプローブの性能の増殖曲線を示す。 図18Aは、実施例12で使用した人為的人工鼻咽頭マトリックス溶出液の組成を示す。実施例12は、人為的鼻咽頭模擬臨床サンプルで試験された、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19)を検出するためのHPIV1-4オリゴヌクレオチドを記載する。 図18B(HPIV1)、図18C(HPIV2)、図18D(HPIV3)、及び図18E(HPIV4)は、人為的鼻咽頭模擬臨床サンプルにおけるHPIV1-4多重アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。図18B、図18C、図18D、及び図18Eは、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、多重設定において人為的人工鼻咽頭模擬臨床サンプルから標的HPIV1-4核酸を同時に検出できることを実証する。 図18B(HPIV1)、図18C(HPIV2)、図18D(HPIV3)、及び図18E(HPIV4)は、人為的鼻咽頭模擬臨床サンプルにおけるHPIV1-4多重アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。図18B、図18C、図18D、及び図18Eは、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、多重設定において人為的人工鼻咽頭模擬臨床サンプルから標的HPIV1-4核酸を同時に検出できることを実証する。 図18B(HPIV1)、図18C(HPIV2)、図18D(HPIV3)、及び図18E(HPIV4)は、人為的鼻咽頭模擬臨床サンプルにおけるHPIV1-4多重アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。図18B、図18C、図18D、及び図18Eは、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、多重設定において人為的人工鼻咽頭模擬臨床サンプルから標的HPIV1-4核酸を同時に検出できることを実証する。 図18B(HPIV1)、図18C(HPIV2)、図18D(HPIV3)、及び図18E(HPIV4)は、人為的鼻咽頭模擬臨床サンプルにおけるHPIV1-4多重アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。図18B、図18C、図18D、及び図18Eは、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、多重設定において人為的人工鼻咽頭模擬臨床サンプルから標的HPIV1-4核酸を同時に検出できることを実証する。 図19A、図19B、図19C、及び図19Dは、実施例13に記載のように、HPIV1-4プライマー及びプローブが、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいてウイルス溶出液から標的HPIV1-4核酸を同時に特異的に検出することを示す。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。結果を、図19A(HPIV1)、図19B(HPIV2)、図19C(HPIV3)、及び図19D(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。これらの結果は、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、意図されたそれぞれの標的に対して特異的であることを示している。図19A、図19B、図19C、及び図19Dに見られるように、特定のHPIV型に対する意図しないチャネルにおいてこれらのウイルス溶出液を使用した場合、交差反応性は観察されなかった。 図19A、図19B、図19C、及び図19Dは、実施例13に記載のように、HPIV1-4プライマー及びプローブが、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいてウイルス溶出液から標的HPIV1-4核酸を同時に特異的に検出することを示す。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。結果を、図19A(HPIV1)、図19B(HPIV2)、図19C(HPIV3)、及び図19D(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。これらの結果は、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、意図されたそれぞれの標的に対して特異的であることを示している。図19A、図19B、図19C、及び図19Dに見られるように、特定のHPIV型に対する意図しないチャネルにおいてこれらのウイルス溶出液を使用した場合、交差反応性は観察されなかった。 図19A、図19B、図19C、及び図19Dは、実施例13に記載のように、HPIV1-4プライマー及びプローブが、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいてウイルス溶出液から標的HPIV1-4核酸を同時に特異的に検出することを示す。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。結果を、図19A(HPIV1)、図19B(HPIV2)、図19C(HPIV3)、及び図19D(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。これらの結果は、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、意図されたそれぞれの標的に対して特異的であることを示している。図19A、図19B、図19C、及び図19Dに見られるように、特定のHPIV型に対する意図しないチャネルにおいてこれらのウイルス溶出液を使用した場合、交差反応性は観察されなかった。 図19A、図19B、図19C、及び図19Dは、実施例13に記載のように、HPIV1-4プライマー及びプローブが、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいてウイルス溶出液から標的HPIV1-4核酸を同時に特異的に検出することを示す。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。結果を、図19A(HPIV1)、図19B(HPIV2)、図19C(HPIV3)、及び図19D(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。これらの結果は、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、意図されたそれぞれの標的に対して特異的であることを示している。図19A、図19B、図19C、及び図19Dに見られるように、特定のHPIV型に対する意図しないチャネルにおいてこれらのウイルス溶出液を使用した場合、交差反応性は観察されなかった。
核酸増幅によるHPIV(HPIV1-4を含む)感染症の診断は、HPIV(HPIV1-4を含む)感染症を迅速、正確、確実に、特異的且つ高感度に検出及び/又は定量するための方法を提供する。非生物学的サンプル又は生物学的サンプル中のDNA及び/又はRNAを含むHPIV(HPIV1-4を含む)核酸を検出及び/又は定量するためのリアルタイムPCRアッセイが本明細書に記載される。HPIV(HPIV1-4を含む)を検出及び/又は定量するためのプライマー及びローブが提供され、そのようなプライマー及びプローブを含む製造品又はキットも提供される。他の方法と比較してHPIV(HPIV1-4を含む)の検出のためのリアルタイムPCRの特異性及び感度が上昇し、サンプルの封じ込め、増幅産物のリアルタイム検出及び定量化を含むリアルタイムPCRの機能が改善されたことにより、臨床検査室におけるHPIV(HPIV1-4を含む)感染症の日常的な診断のためのこの技術の実施が実現可能になる。さらに、この技術は、血液スクリーニング並びに予後診断に使用することができる。このHPIV(HPIV1-4を含む)検出アッセイはまた、HPIV1-4の検出及び増幅のためのオリゴヌクレオチドのすべてがサンプルに添加され、HPIV1-4のためのオリゴヌクレオチドが、サンプル中に存在する場合、それぞれの標的核酸を並行して同時に増幅及び検出することができるように、多重化することもできる。このようにして、単一のサンプルを単一の反応及び反応容器内で4つの異なる型のHPIV(HPIV1-4)の存在についてアッセイすることができる。このような多重アッセイは、コスト削減の観点からも、またサンプルが制限される状況においても有利である。
本開示は、例えば、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用してHPIV(HPIV1-4を含む)を特異的に同定するために、HPIV(HPIV1-4を含む)ゲノムにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマー及び蛍光標識加水分解プローブを含む。
開示される方法は、1つ又は複数のプライマー対を使用してサンプルからの核酸分子遺伝子標的の1つ又は複数の部分を増幅することを含む、少なくとも1つのサイクリング工程を実施することを含み得る。本明細書で使用される「HPIVプライマー」又は「HPIV1-4プライマー」は、HPIV(HPIV1-4を含む)ゲノムに見出される核酸配列に特異的にアニールし、それぞれの増幅産物を生成する適切な条件下でそこからDNA合成を開始するオリゴヌクレオチドプライマーを指す。議論されるHPIV(HPIV1-4を含む)プライマーの各々は、各増幅産物の少なくとも一部が標的に対応する核酸配列を含むように標的にアニールする。1つ又は複数の核酸がサンプル中に存在すれば、1つ又は複数の増幅産物が生成され、したがって、1つ又は複数の増幅産物の存在がサンプル中にHPIV(HPIV1-4を含む)が存在することを示す。増幅産物は、HPIV(HPIV1-4を含む)に対する1つ又は複数の検出可能なプローブに相補的な核酸配列を含まなければならない)。本明細書で使用される「HPIVプローブ(複数可)」又は「HPIV1-4プローブ(複数可)」は、HPIV(HPIV1-4を含む)ゲノムに見出される核酸配列に特異的にアニールするオリゴヌクレオチドプローブを指す。各サイクリング工程は、増幅工程、ハイブリダイゼーション工程、及び検出工程を含み、試料は、試料中のHPIV(HPIV1-4を含む)の存在又は非存在を検出するために1つ又は複数の検出可能なHPIV(HPIV1-4を含む)プローブと接触させる。
本明細書で使用される場合、「増幅する」という用語は、鋳型核酸分子(例えばHPIV(HPIV1-4を含む)ゲノムからの核酸分子)の一方若しくは両方の鎖に相補的な核酸分子を合成するプロセスを指す。核酸分子を増幅することは、典型的には、テンプレート核酸を変性すること、プライマーの融解温度未満の温度でプライマーをテンプレート核酸にアニールすること、及び増幅産物を生成するためにプライマーから酵素的に伸長することを含む。増幅には、典型的には、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、DNAポリメラーゼ酵素(例えば、Platinum(登録商標)Taq)並びにポリメラーゼ酵素の最適な活性のための適切な緩衝液及び/又は補因子(例えば、MgCl及び/又はKCl)の存在が必要である。
本明細書で使用される「プライマー」という用語は、当業者に知られており、オリゴマー化合物、主にオリゴヌクレオチドを指すが、鋳型依存性DNAポリメラーゼによるDNA合成を「プライミング」することができる修飾オリゴヌクレオチドも指しており、すなわち、例えばオリゴヌクレオチドの3’末端が遊離3’-OH基を提供し、そこに、3’から5’へのホスホジエステル結合を確立する鋳型依存性DNAポリメラーゼによってさらに「ヌクレオチド」が結合され得て、それによってデオキシヌクレオシド三リン酸が使用され、それによってピロリン酸が放出される。
「ハイブリダイズする」という用語は、増幅産物への1つ又は複数のプローブのアニーリングを指す。「ハイブリダイゼーション条件」は、典型的には、プローブの融解温度より低いが、プローブの非特異的ハイブリダイゼーションを回避する温度を含む。
「5’から3’へのヌクレアーゼ活性」という用語は、典型的には核酸鎖合成に関連し、それによってヌクレオチドが核酸鎖の5’末端から除去される核酸ポリメラーゼの活性を指す。
「熱安定性ポリメラーゼ」という用語は、熱安定性であるポリメラーゼ酵素を指し、すなわち、該酵素は、鋳型に相補的なプライマー伸長産物の形成を触媒し、二本鎖鋳型核酸の変性をもたらすのに必要な時間にわたり高温に曝された場合、不可逆的には変性しない。一般に、合成は各プライマーの3’末端で開始され、テンプレート鎖に沿って5’から3’方向へ進行する。熱安定性ポリメラーゼは、例えば、サーマス・サーモフィルス(Thermus flavus)、T.ルーバー(T.ruber)、T.サーモフィルス(T.thermophilus)、T.アクアティカス(T.aquaticus)、T.ラクテウス(T.lacteus)、T.ルベンス(T.rubens)、バチルス・ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、及びメタノサーマス・フェルビダス(Methanothermus fervidus)から単離されている。それにもかかわらず、必要に応じて酵素が補充されるならば、熱安定性でないポリメラーゼをPCRアッセイに用いることもできる。
「その相補体」という用語は、所与の核酸と同じ長さであり、正確に相補的である核酸を指す。
核酸に関して使用される場合の「伸長」又は「延長」という用語は、追加のヌクレオチド(又は他の類似の分子)が核酸に組み込まれる場合を指す。例えば、核酸は、ヌクレオチドを取り込む生体触媒によって、例えば、典型的には核酸の3’末端にヌクレオチドを付加するポリメラーゼによって、任意に伸長される。
2つ以上の核酸配列の文脈における「同一」又は「同一性パーセント」という用語は、例えば、当業者が利用できる配列比較アルゴリズムの1つを使用して測定した場合、又は目視検査によって測定した場合に、最大の一致を得るために比較及び整列された場合同一であるか、又は同一ヌクレオチドの特定の割合を有する2つ以上の配列又は部分配列を指す。パーセント配列同一性及び配列類似性の決定に適した例示的なアルゴリズムは、BLASTプログラムであり、例えば、Altschul et al.(1990)“Basic local alignment search tool”J.Mol.Biol.215:403-410,Gish et al.(1993)“Identification of protein coding regions by database similarity search”Nature Genet.3:266-272,Madden et al.(1996)“Applications of network BLAST server”Meth.Enzymol.266:131-141,Altschul et al.(1997)“Gapped BLAST and PSI-BLAST:a new generation of protein database search programs”Nucleic Acids Res.25:3389-3402、及びZhang et al.(1997)“PowerBLAST:A new network BLAST application for interactive or automated sequence analysis and annotation”Genome Res.7:649-656に記載されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
オリゴヌクレオチドの文脈における「修飾ヌクレオチド」とは、オリゴヌクレオチド配列の少なくとも1つのヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドに所望の特性を提供する異なるヌクレオチドによって置き換えられる変化を指す。本明細書に記載のオリゴヌクレオチド中で置換され得る例示的な修飾ヌクレオチドとしては、例えば、t-ブチルベンジル、C5-メチル-dC、C5-エチル-dC、C5-メチル-dU、C5-エチル-dU、2,6-ジアミノプリン、C5-プロピニル-dC、C5-プロピニル-dU、C7-プロピニル-dA、C7-プロピニル-dG、C5-プロパルギルアミノ-dC、C5-プロパルギルアミノ-dU、C7-プロパルギルアミノ-dA、C7-プロパルギルアミノ-dG、7-デアザ-2-デオキシ-キサントシン、ピラゾロピリミジン類似体、擬似dU、ニトロピロール、ニトロインドール、2’-0-メチルリボ-U、2’-0-メチルリボ-C、N4-エチル-dC、N6-メチル-dA、5-プロピニルdU、5-プロピニルdC、7-デアザ-デオキシグアノシン(デアザG(u-デアザ))などが挙げられる。オリゴヌクレオチド中で置換され得る多くの他の修飾ヌクレオチドは、本明細書で言及されるか、又は当技術分野で知られている。特定の実施態様では、修飾ヌクレオチド置換は、対応する非修飾オリゴヌクレオチドの融解温度と比較して、オリゴヌクレオチドの融解温度(Tm)を修飾する。さらに説明すると、いくつかの実施態様では、特定の修飾ヌクレオチド置換は、非特異的核酸増幅を減少させ(例えば、プライマー二量体形成などを最小限に抑え)、意図した標的アンプリコンの収率を増加させることなどができる。これらのタイプの核酸修飾の例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,001,611号に記載されている。他の修飾ヌクレオチド置換は、オリゴヌクレオチドの安定性を変化させ得るか、又は他の望ましい特徴を提供し得る。
HPIV(HPIV1-4を含む)標的核酸の検出/定量
本開示は、例えば、HPIV(HPIV1-4を含む)核酸配列の一部を増幅することによってHPIV(HPIV1-4を含む)を検出する方法を提供する。具体的には、HPIV(HPIV1-4を含む)核酸分子標的を増幅し、検出及び/又は定量するためのプライマー及びプローブが、本開示の実施態様によって提供される。
HPIV(HPIV1-4を含む)の検出及び/又は定量のために、HPIV(HPIV1-4を含む)を増幅及び検出/定量するためのプライマー及びプローブが提供される。本明細書に例示されるもの以外のHPIV(HPIV1-4を含む)核酸もまた、サンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)を検出するために使用することができる。例えば、機能的変異体は、日常的な方法を使用して当業者によって特異性及び/又は感度について評価され得る。代表的な機能的バリアントには、例えば、本明細書に開示されるHPIV(HPIV1-4を含む)核酸における1つ以上の欠失、挿入、及び/又は置換が含まれ得る。
より具体的には、オリゴヌクレオチドの実施態様はそれぞれ、配列番号1~19から選択される配列を有する核酸、配列番号1~19の1つと少なくとも、例えば80%、90%、若しくは95%の配列同一性を有するその実質的に同一のバリアント、又は配列番号1~19の相補体及びそのバリアントを含む。
一実施態様では、HPIV(HPIVを含むと疑われる生物学的サンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)の検出を提供するために、HPIV(HPIV1-4を含む)プライマーのセット及びプローブが使用される(表1)。プライマーのセット及びプローブは、配列番号1~19の核酸配列を含むか又はそれらからなる、HPIV(HPIV1-4を含む)核酸配列に特異的なプライマー及びプローブを含むか、又はそれらからなり得る。別の実施態様では、HPIV(HPIV1-4を含む)標的のためのプライマー及びプローブは、配列番号1~19のプライマー及びプローブのいずれかの機能的に活性なバリアントを含むか、又はそれらからなる。
配列番号1~19のプライマー及び/又はプローブのいずれかの機能的に活性なバリアントは、開示される方法においてプライマー及び/又はプローブを使用することによって同定され得る。配列番号1~19のいずれかのプライマー及び/又はプローブの機能的に活性なバリアントは、記載された方法又はキットにおいて、配列番号1~19のそれぞれの配列と比較して、同様又はより高い特異性及び感度を提供するプライマー及び/又はプローブに関する。
Figure 2024505686000001
バリアントは、例えば、配列番号1~19のそれぞれの配列の5’末端及び/又は3’末端における1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失又は置換などの1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失又は置換によって、配列番号1~19の配列から変化し得る。上に詳述したように、プライマー及び/又はプローブは化学的に修飾されていてもよく、すなわち、プライマー及び/又はプローブは修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチド化合物を含んでいてもよい。したがって、プローブ(又はプライマー)は修飾オリゴヌクレオチドである。「修飾ヌクレオチド」(又は「ヌクレオチド類似体」)は、いくつかの修飾によって天然の「ヌクレオチド」とは異なるが、依然として、塩基若しくは塩基様化合物、ペントフラノシル糖若しくはペントフラノシル糖様化合物、リン酸部分若しくはリン酸様部分、又はそれらの組み合わせからなる。例えば、「ヌクレオチド」の塩基部分に「標識」を結合させて、「修飾ヌクレオチド」を得ることができる。「ヌクレオチド」中の天然塩基は、例えば、7-デアザプリンで置き換えられてもよく、それによっても同様に「修飾ヌクレオチド」が得られる。用語「修飾ヌクレオチド」又は「ヌクレオチド類似体」は、本出願において互換的に使用される。「修飾ヌクレオシド」(又は「ヌクレオシド類似体」)は、「修飾ヌクレオチド」(又は「ヌクレオチド類似体」)について上に概説したように、何らかの修飾によって天然のヌクレオシドとは異なる。
HPIV(HPIV1-4を含む)標的をコードする核酸分子を増幅する修飾オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチド、例えば、HPIV(HPIV1-4を含む)の別の部分をコードする核酸は、例えば、OOLIGO(Molecular Biology Insights Inc.Cascade,Colo.)などのコンピュータプログラムを使用して設計することができる。増幅プライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドを設計する際の重要な特徴としては、検出(例えば、電気泳動によって)を容易にするための適切なサイズの増幅産物、一対のプライマーのメンバーに対する同様の融解温度、及び各プライマーの長さ(すなわち、プライマーは、配列特異性でアニールし、合成を開始するのに十分な長さである必要があるが、オリゴヌクレオチド合成中に正確性が低下するほど長くはない)が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、オリゴヌクレオチドプライマーは8~50ヌクレオチド長(例えば、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48又は50ヌクレオチド長)である。
プライマーのセットに加えて、本方法は、HPIV(HPIV1-4を含む)の存在又は非存在を検出するために1つ又は複数のプローブを使用し得る。「プローブ」という用語は、合成又は生物学的に生成された核酸(DNA又はRNA)を指し、これは、設計又は選択により、定義された所定のストリンジェンシーの下で、「標的核酸」、この場合はHPIV(HPIV1-4を含む)(標的)核酸に特異的に(すなわち、優先的に)ハイブリダイズすることを可能にする特定のヌクレオチド配列を含む。「プローブ」は、標的核酸を検出することを意味する「検出プローブ」と呼ぶこともできる。
いくつかの実施態様では、記載されたHPIV(HPIV1-4を含む)プローブは、少なくとも1つの蛍光標識で標識することができる。一実施態様では、HPIV(HPIV1-4を含む)プローブは、ドナー蛍光部分、例えば蛍光色素、及び対応するアクセプター部分、例えばクエンチャーで標識することができる。一実施態様では、プローブは、蛍光部分を含むか、又は蛍光部分からなり、核酸配列は、配列番号3、6、7、10、13、14及び/又は17を含むか、又はそれらからなる。
プローブとして使用されるオリゴヌクレオチドの設計は、プライマーの設計と同様の方法で行うことができる。実施態様は、増幅産物の検出のために単一のプローブ又は一対のプローブを使用することができる。実施態様に応じて、使用するプローブは、少なくとも1つの標識及び/又は少なくとも1種のクエンチャー部分を含み得る。プライマーと同様に、プローブは通常、同様の融解温度を有し、各プローブの長さは、配列特異的ハイブリダイゼーションが起こるのに十分でなければならないが、合成中に忠実度が低下するほど長くはない。オリゴヌクレオチドプローブは、一般に15~40(例えば、16、18、20、21、22、23、24、又は25)ヌクレオチド長である。
コンストラクトは、HPIV(HPIV1-4を含む)プライマー及びプローブの核酸分子(例えば、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18及び19)のうちの1つをそれぞれ含むベクターを含むことができる。コンストラクトは、例えば、対照鋳型核酸分子として使用することができる。使用に適したベクターは、市販されており、且つ/又は当技術分野で日常的な組換え核酸技術法によって製造される。HPIV(HPIV1-4を含む)核酸分子は、例えば、化学合成、HPIV(HPIV1-4を含む)からの直接クローニング、又は核酸増幅によって得ることができる。
本方法での使用に適したコンストラクトは、典型的には、HPIV(HPIV1-4を含む)核酸分子(例えば、配列番号1~19のうちの1つ又は複数の配列を含む核酸分子)に加えて、所望のコンストラクト及び/又は形質転換体を選択するための選択マーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子)をコードする配列、並びに複製起点を含む。ベクター系の選択は、通常、宿主細胞の選択、複製効率、選択性、誘導性及び回収の容易さを含むがこれらに限定されない、いくつかの要因に依存する。
HPIV(HPIV1-4を含む)核酸分子を含むコンストラクトは、宿主細胞内で増殖させることができる。本明細書で使用される宿主細胞という用語は、原核生物及び真核生物、例えば酵母、植物及び動物細胞を含むことを意味する。原核生物宿主としては、大腸菌(E.coli)、サルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)及びバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)が挙げられる。真核生物宿主としては、S.セレビシエ(S.cerevisiae)、S.ポンベ(S.pombe)、ピキア パストリス(Pichia pastoris)などの酵母、COS細胞又はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などの哺乳動物細胞、昆虫細胞、並びにアラビドプシス タリアナ(Arabidopsis thaliana)及びニコチアナ タバカム(Nicotiana tabacum)などの植物細胞が挙げられる。コンストラクトを、当業者に一般的に知られている技術のいずれかを使用して宿主細胞に導入することができる。例えば、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、熱ショック、リポフェクション、マイクロインジェクション及びウイルス媒介核酸移入は、核酸を宿主細胞に導入するための一般的な方法である。さらに、ネイキッドDNAを細胞に直接送達することができる(例えば、米国特許第5,580,859号及び同第5,589,466号参照)。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
米国特許第4,683,202号、同第4,683,195号、同第4,800,159号及び同第4,965,188号は、従来のPCR技術を開示している。PCRは、典型的には、選択された核酸鋳型(例えば、DNA又はRNA)に結合する2種のオリゴヌクレオチドプライマーを用いる。いくつかの実施態様において有用なプライマーには、記載されたHPIV(HPIV1-4を含む)核酸配列内で核酸合成の開始点として作用することができるオリゴヌクレオチドが含まれる(例えば、配列番号1、2、4、5、8、9、11、12、15、16、18及び/又は19)。プライマーは、従来の方法によって制限消化物から精製することができるか、又は合成的に生成することができる。プライマーは増幅効率を最大にするために一本鎖であることが好ましいが、プライマーは二本鎖であってもよい。二本鎖プライマーは、最初に変性され、すなわち、鎖を分離するために処理される。二本鎖核酸を変性させる1つの方法は、加熱によるものである。
鋳型核酸が二本鎖である場合、PCRで鋳型として使用することができるようにする前に、二本の鎖を分離することが必要である。鎖分離は、物理的、化学的、又は酵素的手段を含む任意の好適な変性方法によって達成することができる。核酸鎖を分離する1つの方法は、核酸が優位に変性する(例えば、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%を超える変性)まで加熱することを含む。鋳型核酸を変性させるのに必要な加熱条件は、例えば、緩衝塩濃度、並びに変性される核酸の長さ及びヌクレオチド組成に依存するが、典型的には、温度及び核酸長などの反応の特徴に応じて、一定時間は約90℃~約105℃の範囲である。変性は、典型的には、約30秒間~4分間(例えば、1分~2分30秒、又は1.5分)行われる。
二本鎖の鋳型核酸が熱により変性された場合、反応混合物は、その標的配列に対する各プライマーのアニーリングを促進する温度まで冷却される。アニーリングの温度は、通常、約35℃~約65℃、(例えば、約40℃~約60℃、約45℃~約50℃)である。アニーリング時間は、約10秒~約1分(例えば、約20秒~約50秒、約30秒~約40秒)であり得る。次に反応混合物は、ポリメラーゼの活性が促進又は最適化される温度、すなわち、アニールされたプライマーから伸長が起こり、鋳型核酸に相補的な産物を生成するのに十分な温度に調整される。温度は、核酸鋳型にアニーリングされる各プライマーから伸長産物を合成するのに十分である必要があるが、その相補的な鋳型から伸長産物を変性させるほど高温であってはならない(例えば、伸長のための温度は、一般的に、約40℃~約80℃(例えば、約50℃~約70℃、約60℃)の範囲である)。伸長時間は、約10秒~約5分(例えば、約30秒~約4分、約1分~約3分、約1分30秒~約2分)であり得る。
レトロウイルス又はRNAウイルスのゲノム、あるいはHPIV(HPIV1-4を含む)などのDNAウイルスによって産生されるmRNAは、リボ核酸、すなわちRNAで構成されている。そのような場合、鋳型核酸であるRNAは、酵素逆転写酵素の作用を介して相補的DNA(cDNA)に最初に転写されなければならない。逆転写酵素は、RNA鋳型及びRNAの3’末端に相補的な短いプライマーを使用して、第1鎖cDNAの合成を指示し、次いでこれをポリメラーゼ連鎖反応の鋳型として直接使用することができる。
PCRアッセイは、RNA又はDNA(cDNA)などのHPIV(HPIV1-4を含む)核酸を用いることができる。鋳型核酸は精製される必要はなく、ヒト細胞に含まれるHPIV(HPIV1-4を含む)核酸等の複合混合物の微量画分であり得る。HPIV(HPIV1-4を含む)核酸分子は、Diagnostic Molecular Microbiology:Principles and Applications(Persing et al.(eds),1993,American Society for Microbiology,Washington D.C.)に記載されているような日常的な技術によって生物学的サンプルから抽出され得る。核酸は、任意の数の供給源、例えばプラスミド、又は、細菌、酵母、ウイルス、細胞小器官、又は植物若しくは動物などの高等生物を含む天然供給源から得ることができる。
オリゴヌクレオチドプライマー(例えば、配列番号1、2、4、及び5)を、プライマー伸長を誘導する反応条件下でPCR試薬と組み合わせる。例えば、鎖伸長反応には、一般に、50mM KCl、10mM Tris-HCl(pH8.3)、15mM MgCl、0.001%(w/v)ゼラチン、0.5~1.0μgの変性された鋳型DNA、50pmolの各オリゴヌクレオチドプライマー、2.5UのTaqポリメラーゼ及び10%DMSO)が含まれる。反応物は、通常、それぞれ150~320μMのdATP、dCTP、dTTP、dGTP、又はそれらの1つ以上の類似体を含有する。
新規に合成された鎖は、反応の後続工程で使用できる二本鎖分子を形成する。標的HPIV(HPIV1-4を含む)核酸分子に対応する所望の量の増幅産物を生成するために、鎖分離、アニーリング、及び伸長の工程を必要に応じて何度でも繰り返すことができる。反応の制限因子は、反応中に存在するプライマー、熱安定性酵素、及びヌクレオシド三リン酸の量である。サイクリング工程(すなわち、変性、アニーリング、及び伸長)は、好ましくは少なくとも1回繰り返される。検出での使用では、サイクリング工程の数は、例えば、サンプルの性質による。サンプルが核酸の複雑な混合物である場合、検出に十分な標的配列を増幅するために、より多くのサイクリング工程が必要となる。一般に、サイクリング工程は少なくとも約20回繰り返されるが、40、60、又は100回繰り返してもよい。
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)
FRET技術(例えば、米国特許第4,996,143号、同第5,565,322号、同第5,849,489号、同第6,162,603号を参照)は、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター蛍光部分が互いに一定の距離内に配置されると、2つの蛍光部分間でエネルギー移動が生じ、それを可視化することができ、又は他の方法で検出及び/又は定量することができるという概念に基づいている。典型的に、ドナーは好適な波長の光照射によって励起されると、アクセプターにエネルギーを移動させる。典型的に、アクセプターは移動されたエネルギーを異なる波長の光照射の形態で再発光する。特定の系では、非蛍光エネルギーは、実質的に非蛍光のドナー部分(例えば、米国特許第7,741,467号を参照されたい)を含む生体分子を介して、ドナー部分とアクセプター部分との間で移動され得る。
一例では、オリゴヌクレオチドプローブは、ドナー蛍光部分又は色素(例えば、HEX又はFAM)と、蛍光性であってもなくてもよく、光以外の形態で伝達されたエネルギーを散逸させる対応するクエンチャー(例えば、BlackHole Quencher(商標)(BHQ)(BHQ-2など))とを含むことができる。プローブがインタクトである場合、エネルギー移動は、典型的には、ドナー蛍光部分からの蛍光発光がアクセプター部分によってクエンチされるように、ドナー部分とアクセプター部分との間で起こる。ポリメラーゼ連鎖反応の伸長工程中、増幅産物に結合したプローブは、ドナー蛍光部分の蛍光発光がもはやクエンチされないように、例えばTaqポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性によって切断される。この目的のための例示的なプローブは、例えば、米国特許第5,210,015号、同第5,994,056号、及び同第6,171,785号に記載されている。一般的に使用されるドナー-アクセプター対は、FAM-TAMRA対を包含する。一般的に使用されるクエンチャーは、DABCYL及びTAMRAである。一般的に使用されるダーククエンチャーは、BlackHole Quencher(商標)(BHQ)(BHQ2など)、(Biosearch Technologies,Inc.、カリフォルニア州ノヴァト)、Iowa Black(商標)(Integrated DNA Tech.,Inc.、アイオワ州コーラルビル)、BlackBerry(登録商標)Quencher 650(BBQ-650)(Berry&Assoc、ミシガン州デクスタ)を包含する。
別の例では、それぞれ蛍光部分を含む2つのオリゴヌクレオチドプローブは、HPIV(HPIV1-4を含む)標的核酸配列に対するオリゴヌクレオチドプローブの相補性によって決定される特定の位置で増幅産物にハイブリダイズすることができる。オリゴヌクレオチドプローブが適切な位置で増幅産物核酸にハイブリダイゼーションすると、FRETシグナルが生成される。ハイブリダイゼーション温度は、約10秒間~約1分間、約35℃~約65℃の範囲であり得る。
蛍光分析は、例えば、光子計数落射蛍光顕微鏡システム(適切なダイクロイックミラー及び特定の範囲の蛍光発光を監視するためのフィルターを備える)、光子計数光電子増倍管システム、又は蛍光光度計を使用して行うことができる。エネルギー移動を開始するため、又は蛍光体の直接検出を可能にするための励起は、アルゴンイオンレーザー、高強度水銀(Hg)アークランプ、キセノンランプ、光ファイバー光源、又は所望の範囲の励起のために適切にフィルタリングされた他の高強度光源を用いて行うことができる。
ドナー部分及び対応するアクセプター部分に関して本明細書で使用される場合、「対応する」とは、ドナー蛍光部分の発光スペクトルと重複する吸光度スペクトルを有するアクセプター蛍光部分又はダーククエンチャーを指す。アクセプター蛍光部分の発光スペクトルの波長最大値は、ドナー蛍光部分の励起スペクトルの波長最大値よりも少なくとも100nm大きくなければならない。したがって、それらの間で効率的な非照射エネルギー移動を生じさせることができる。
蛍光ドナー部分及び対応するアクセプター部分は、一般に、(a)高効率Foersterエネルギー移動、(b)大きな最終ストークスシフト(>100nm)、(c)可能な限り可視スペクトルの赤色部分(>600nm)への発光のシフト;及び(d)ドナー励起波長での励起によって生じるラマン水蛍光発光よりも高い波長への発光のシフトのために選択される。例えば、ドナー蛍光部分は、レーザー線付近のその最大励起波長(例えば、ヘリウム-カドミウム442nm又はアルゴン488nm)、高い吸光係数、高い量子収率、及び、その蛍光発光の対応するアクセプター蛍光部分の励起スペクトルとの良好な重複を有するものを選択することができる。対応するアクセプター蛍光部分は、高い吸光係数、高い量子収率、ドナー蛍光部分の発光とのその励起の良好な重複、及び可視スペクトルの赤色部分(>600nm)の発光を有するものを選択することができる。
FRET技術において様々なアクセプター蛍光部分と共に使用することができる代表的なドナー蛍光部分としては、フルオレセイン、ルシファーイエロー、B-フィコエリトリン、9-アクリジンイソチオシアネート、ルシファーイエローVS、4-アセトアミド-4’-イソチオ-シアナトスチルベン-2、2’-ジスルホン酸、7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン、スクシンミル1-ピレンブチレート、及び4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸誘導体が挙げられる。代表的なアクセプター蛍光部分としては、使用されるドナー蛍光部分に応じて、LC Red 640、LC Red 705、Cy5、Cy5.5、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ローダミンxイソチオシアネート、エリスロシンイソチオシアネート、フルオレセイン、ジエチレントリアミンペンタアセテート、又はランタニドイオンの他のキレート(例えば、ユウロピウム、又はテルビウム)が挙げられる。ドナー蛍光部分及びアクセプター蛍光部分は、例えば、Molecular Probes(オレゴン州ジャンクションシティ)又はSigma Chemical Co.(ミズーリ州セントルイス)から得ることができる。
ドナー及びアクセプターの蛍光部分は、リンカーアームを介して適切なプローブオリゴヌクレオチドに結合させることができる。リンカーアームはドナー蛍光部分とアクセプター蛍光部分との間の距離に影響を及ぼすので、各リンカーアームの長さは重要である。リンカーアームの長さは、ヌクレオチド塩基から蛍光部分までのオングストローム(Å)の距離であり得る。一般に、リンカーアームは約10Å~約25Åである。リンカーアームは、国際公開第84/03285号に記載されている種類のものであってもよい。国際公開第84/03285号はまた、リンカーアームを特定のヌクレオチド塩基に結合させる方法、及び蛍光部分をリンカーアームに結合させる方法も開示している。
LC Red 640などのアクセプター蛍光部分を、アミノリンカー(例えば、ABI(カリフォルニア州フォスターシティ)又はGlen Research(バージニア州スターリング)から入手可能なC6-アミノホスホラミダイト)を含有するオリゴヌクレオチドと組み合わせて、例えば、LC Red 640標識オリゴヌクレオチドを生成することができる。フルオレセインなどのドナー蛍光部分をオリゴヌクレオチドに結合させるためによく使用されるリンカーとしては、チオ尿素リンカー(FITC由来、例えばGlen Research又はChemGene(マサチューセッツ州アッシュランド)製のフルオレセイン-CPG)、アミド-リンカー(BioGenex(カリフォルニア州サンラモン)製のCX-フルオレセイン-CPGなどの、フルオレセイン-NHS-エステル由来)、又はオリゴヌクレオチド合成後にフルオレセイン-NHS-エステルの結合を必要とする3’-アミノ-CPGが挙げられる。
HPIV(HPIV1-4を含む)増幅産物(アンプリコン)の検出
本開示は、生物学的サンプル又は非生物学的サンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)の存在又は非存在を検出するための方法を提供する。提供される方法は、サンプルの汚染、偽陰性、及び偽陽性の問題を回避する。本方法は、HPIV(HPIV1-4を含む)プライマーの1つ又は複数の対を使用してサンプルからHPIV(HPIV1-4を含む)標的核酸分子の一部を増幅することを含む少なくとも1つのサイクリング工程を実施すること、及びFRET検出工程を含む。複数のサイクリング工程は、好ましくはサーモサイクラーで行われる。方法は、HPIV(HPIV1-4を含む)の存在を検出するためにHPIV(HPIV1-4を含む)プライマー及びプローブを使用して実施することができ、HPIV(HPIV1-4を含む)の検出は、サンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)の存在を示す。
本明細書に記載されるように、増幅産物は、FRET技術を利用する標識ハイブリダイゼーションプローブを使用して検出することができる。1つのFRETフォーマットは、TaqMan(登録商標)技術を利用して増幅産物の存在又は非存在、したがってHPIV(HPIV1-4を含む)の存在又は非存在を検出する。TaqMan(登録商標)技術は、例えば1種の蛍光部分又は色素(例えばHEX又はFAM)と、蛍光性であってもなくてもよい1種のクエンチャー(例えば、BHQ-2)で標識された1つの一本鎖ハイブリダイゼーションプローブとを利用する。第1の蛍光部分が適切な波長の光で励起されると、吸収されたエネルギーは、FRETの原理に従って第2の蛍光部分又はダーククエンチャーに移動する。第2の蛍光部分は、一般的には、クエンチャー分子である。PCR反応のアニーリング工程中、標識されたハイブリダイゼーションプローブは、標的DNA(すなわち、増幅産物)に結合し、その後の伸長段階中に、例えばTaqポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性によって分解される。その結果、蛍光部分とクエンチャー部分とが互いに空間的に分離される。結果として、クエンチャーの非存在下において第1の蛍光部分を励起すると、第1の蛍光部分からの蛍光発光を検出することができる。例として、ABI PRISM(登録商標)7700配列検出システム(Applied Biosystems)は、TaqMan(登録商標)技術を使用し、サンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)の存在又は非存在を検出するための本明細書に記載の方法を実施するのに適している。
FRETと組み合わせた分子ビーコンを使用して、リアルタイムPCR法を使用して増幅産物の存在を検出することもできる。分子ビーコン技術は、第1の蛍光部分及び第2の蛍光部分で標識されたハイブリダイゼーションプローブを使用する。第2の蛍光部分は一般的にはクエンチャーであり、蛍光標識は典型的にはプローブの各端部に配置される。分子ビーコン技術は、二次構造形成を可能にする配列(例えば、ヘアピン)を有するプローブオリゴヌクレオチドを使用する。プローブ内で二次構造が形成された結果、プローブが溶液中にある場合、両方の蛍光部位が空間的に近接する。標的核酸(すなわち、増幅産物)へのハイブリダイゼーション後、プローブの二次構造が破壊され、蛍光部分が互いに分離され、それにより、適切な波長の光による励起後、第1の蛍光部分の発光を検出することができる。
FRET技術の別の一般的な形式は、2つのハイブリダイゼーションプローブを利用する。各プローブは、異なる蛍光部分で標識することができ、一般に、標的DNA分子(例えば、増幅産物)内で互いに近接してハイブリダイズするように設計される。ドナー蛍光部分、例えばフルオレセインは、LightCycler(登録商標)Instrumentの光源によって470nmで励起される。FRETの間、フルオレセインは、そのエネルギーをアクセプター蛍光部分、例えばLightCycler(登録商標)-Red 640(LC Red 640)又はLightCycler(登録商標)-Red 705(LC Red 705)に伝達する。次いで、アクセプター蛍光部分はより長い波長の光を放出し、これはLightCycler(登録商標)機器の光学検出システムによって検出される。効率的なFRETは、蛍光部分が直接局所的に近接しており、ドナー蛍光部分の発光スペクトルがアクセプター蛍光部分の吸収スペクトルと重なっている場合にのみ起こり得る。放出されたシグナルの強度は、元の標的DNA分子の数(例えば、HPIV(HPIV1-4を含む)ゲノムの数)と相関させることができる。HPIV(HPIV1-4を含む)標的核酸の増幅が起こり、増幅産物が産生される場合、ハイブリダイズする工程は、プローブ対のメンバー間のFRETに基づく検出可能なシグナルをもたらす。
一般に、FRETの存在はサンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)の存在を示し、FRETの非存在はサンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)の非存在を示す。しかしながら、不十分な検体収集、輸送遅延、不適切な輸送条件、又は特定の収集スワブ(アルギン酸カルシウム又はアルミニウムシャフト)の使用はいずれも、試験結果の成功及び/又は精度に影響を及ぼし得る条件である。
本方法の実施に使用することができる代表的な生物学的サンプルとしては、全血、呼吸器検体、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻スワブ、鼻咽頭サンプル、創傷スワブ、血液培養物、皮膚及び軟部組織感染部が挙げられるが、これらに限定されない。生物学的サンプルの収集及び保存方法は、当業者に知られている。生物学的サンプルを(例えば、当技術分野で知られている核酸抽出方法及び/又はキットによって)処理してHPIV(HPIV1-4を含む)核酸を放出させ得、又はいくつかの場合では、生物学的サンプルをPCR反応成分及び適切なオリゴヌクレオチドと直接接触させ得る。一部の例では、生物学的サンプルは全血である。全血を典型的に収集する場合、全血を適切な温度で保存することを可能にする、ヘパリン、クエン酸塩、又はEDTAなどの抗凝固剤を含む容器に収集することが多い。しかし、そのような条件下では、全血内の核酸はかなりの量の分解を受ける。したがって、核酸を含む全血成分を溶解、変性及び安定化する試薬、例えば、核酸安定化溶液中に血液を回収することが有利であり得る。そのような場合、核酸は、後続の単離及びPCRなどの核酸試験などによる分析のために、より良好に保存及び安定化され得る。そのような核酸安定化溶液は当技術分野で周知であり、これには、限定するものではないが、pH7.5で4.2Mグアニジニウム塩(GuHCl)及び50mM Trisを含有するcobas PCR培地が含まれる。
サンプルは、分析前にサンプルを適切に保持及び保存するように設計された任意の方法又は装置によって回収することができる。そのような方法及び装置は、当技術分野で周知である。サンプルが全血などの生物学的サンプルである場合、方法又は装置は、採血管を含むことができる。このような採血管は、当該技術において周知であり、例えば採血チューブを含むことができる。多くの場合、採血チューブを使用することが有利であり得、この場合、採血管は、サンプル取り込みのために意図された空間内で圧力下にあり、例えば、バキュテナー採血チューブのような、真空チャンバを有する血液管などである。真空チャンバを有するそのような採血チューブ、例えばバキュテナー採血チューブは、当技術分野で周知である。核酸を含む全血成分を溶解、変性、及び安定化する溶液、例えば核酸安定化溶液を内部に含む採血管内に、吸引される全血が採血管内の核酸安定化溶液と直ちに接触するように、真空チャンバの有無にかかわらず、血液を回収することがさらに有利であり得る。
融解曲線分析は、サイクルプロファイルに含めることができる追加の工程である。融解曲線分析は、DNA二本鎖の半分が一本鎖に分離した温度として定義される融解温度(Tm)と呼ばれる特徴的な温度でDNAが融解するという事実に基づいている。DNAの融解温度は、主にそのヌクレオチド組成に依存する。したがって、G及びCヌクレオチドが豊富なDNA分子は、A及びTヌクレオチドが豊富なDNA分子よりも高いTmを有する。シグナルが失われる温度を検出することにより、プローブの融解温度を決定することができる。同様に、シグナルが発生する温度を検出することにより、プローブのアニール温度を決定することができる。HPIV(HPIV1-4を含む)増幅産物からのHPIV(HPIV1-4を含む)プローブの融解温度(複数可)により、サンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)の存在又は非存在を確認することができる。
各サーモサイクラーを運転している間に、対照サンプルも同様にサイクルすることができる。陽性対照サンプルは、例えば、対照プライマー及び対照プローブを使用して、(記載された標的遺伝子の増幅産物以外の)標的核酸対照鋳型を増幅することができる。陽性対照サンプルはまた、例えば、標的核酸分子を含むプラスミドコンストラクトを増幅することができる。そのようなプラスミド対照は、意図された標的の検出に使用されるのと同じプライマー及びプローブを使用して、内部で(例えば、サンプル中で)又は患者のサンプルと並んで実行される別々のサンプル中で増幅することができる。そのような対照は、増幅、ハイブリダイゼーション及び/又はFRET反応の成功又は失敗の指標である。各サーモサイクラーの実行には、例えば、標的鋳型DNAを欠く陰性対照を含めることもできる。陰性対照は汚染を測定することができる。これにより、システム及び試薬が偽陽性シグナルを生じないことが保証される。したがって、対照反応は、例えば、プライマーが配列特異性によりアニールし、伸長を開始する能力、並びにプローブが配列特異性によりハイブリダイズし、FRETが発生する能力を容易に決定することができる。
一実施態様では、本方法は、汚染を回避するための工程を含む。例えば、ウラシル-DNAグリコシラーゼを利用する酵素的方法は、あるサーモサイクラー運転と次のサーモサイクラー運転との間の汚染を低減又は排除するために、米国特許第5,035,996号、同第5,683,896号及び同第5,945,313号に記載される。
FRET技術と組み合わせた従来のPCR法を使用して、この方法を実施することができる。一実施態様では、LightCycler(登録商標)機器が使用される。以下の特許出願は、LightCycler(登録商標)技術で使用されるリアルタイムPCRを記載している:国際公開第97/46707号、同第97/46714号、及び同第97/46712号。
LightCycler(登録商標)は、PCワークステーションを使用して操作することができる。サンプルからのシグナルは、機械が光学ユニット上に毛細管を順次配置するときに得られる。ソフトウェアは、各測定の直後にリアルタイムで蛍光シグナルを表示することができる。蛍光取得時間は10~100ミリ秒(msec)である。各サイクリング工程の後、蛍光対サイクル数の定量的表示を、すべてのサンプルについて連続的に更新することができる。生成されたデータは、さらなる分析のために保存することができる。
LightCycler(登録商標)480 II Real-Time PCR Systemは、PCワークステーションを使用して操作することもできる。機器はサーマルブロックサイクラーを有し、ペルチェ素子を使用して加熱及び冷却が達成される。サンプルからの蛍光シグナルは、広域スペクトルにわたって光を発する高強度キセノンランプを使用して96ウェルプレートから得られる。特定の励起及び発光のための内蔵フィルターの柔軟な組み合わせによって、様々な蛍光色素及び検出フォーマットの使用が可能になる。ソフトウェアは、蛍光シグナルを表示し、CT値を計算することができ、生成されたデータは、さらなる分析のために保存することができる。
FRETの代替として、蛍光DNA結合色素(例えば、SYBR(登録商標)Green又はSYBR(登録商標)Gold(Molecular Probes))のような二本鎖DNA結合色素を用いて、増幅産物を検出することができる。二本鎖核酸との相互作用の際、このような蛍光DNA結合色素は、適当な波長の光で励起した後、蛍光シグナルを発する。また、核酸インターカレート色素などの二本鎖DNA結合色素を用いることもできる。二本鎖DNA結合色素を使用する場合、増幅産物の存在を確認するために、通常は融解曲線分析を行う。
当業者は、他の核酸又はシグナル増幅方法も使用され得ることを理解するであろう。そのような方法の例としては、限定されないが、分岐DNAシグナル増幅、ループ媒介等温増幅(LAMP)、核酸配列ベース増幅(NASBA)、自立配列複製(3 SR)、鎖置換増幅(SDA)、又はスマート増幅プロセスバージョン2(SMAP 2)が挙げられる。
本開示の実施態様は、1つ又は複数の市販の機器の構成によって限定されないことが理解される。
製造品/キット
本開示の実施態様は、HPIV(HPIV1-4を含む)を検出するための製造品又はキットをさらに提供する。製造品は、適切な包装材料と共に、標的HPIV(HPIV1-4を含む)遺伝子を検出するために使用されるプライマー及びプローブを含み得る。HPIV(HPIV1-4を含む)を検出するための代表的なプライマー及びプローブは、HPIV(HPIV1-4を含む)標的核酸分子にハイブリダイズし得る。さらに、キットはまた、固体支持体、緩衝液、酵素及びDNA標準のような、DNA固定化、ハイブリダイゼーション及び検出に必要な適切に包装された試薬及び材料を含み得る。プライマー及びプローブを設計する方法が本明細書に開示され、増幅してHPIV(HPIV1-4を含む)標的核酸分子にハイブリダイズするプライマー及びプローブの代表的な例が提供される。
製造品はまた、プローブを標識するための1つ以上の蛍光部分を含むことができ、あるいは、キットと共に供給されるプローブを標識することができる。例えば、製造品は、HPIV(HPIV1-4を含む)プローブを標識するためのドナー及び/又はアクセプター蛍光部分を含み得る。好適なFRETドナー蛍光部分及び対応するアクセプター蛍光部分の例を上に提供する。
製造品はまた、サンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)を検出するHPIV(HPIV1-4を含む)プライマー及びプローブを使用するための説明書を有する添付文書若しくは包装ラベルを含み得る。製造品は、本明細書に開示される方法を実施するための試薬(例えば、緩衝液、ポリメラーゼ酵素、補因子、又は汚染を防止するための薬剤)をさらに含み得る。そのような試薬は、本明細書に記載の市販の機器の1つに特異的であり得る。
本開示の実施態様はまた、サンプル中のHPIV(HPIV1-4を含む)を優先的及び/又は選択的に検出及び/又は定量するためのプライマーのセット及び1つ以上の検出可能なプローブを提供する。
本発明の実施態様を以下の実施例でさらに説明するが、これらの実施例は特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するものではない。
以下の実施例及び図は、主題の理解を助けるために提供されており、その範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されている。本発明の趣旨から逸脱することなく、記載された手順に修正を加えることができることが理解される。
この試験では、完全に自動化されたサンプル調製(核酸の抽出及び精製)に続いてPCR増幅及び検出を実施した。使用したシステムは、サンプル供給モジュール、移動モジュール、処理モジュール、及び分析モジュールからなる、cobas(登録商標)6800/8800システムであった。自動化したデータ管理は、cobas(登録商標)6800/8800のシステムによって実行された。
マスターミックスは、ヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)及び対照核酸に特異的な検出プローブを含んでいた。特定のヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)及び対照検出プローブは、それぞれレポーターとして機能する固有の蛍光色素で標識された。それぞれのプローブは、クエンチャーとして作用する第2の色素も有していた。レポーター色素は定義された波長で測定されるため、増幅されたヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)標的及び対照の検出及び識別が可能になる。完全なプローブの蛍光シグナルは、クエンチャー色素によって抑制された。PCR増幅工程の間、プローブの特異的な一本鎖DNA鋳型へのハイブリダイゼーションにより、DNAポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性により切断され、レポーター色素及びクエンチャー色素が分離し、蛍光シグナルが産生された。各PCRサイクルに伴い、切断プローブ量が増加し、レポーター色素の累積シグナルが同時に増加した。2つの特異的なレポーター色素が定義された波長で測定されるため、増幅されたヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)標的及び対照の同時検出及び識別が可能であった。
ヒトパラインフルエンザウイルス1-4(HPIV1-4)試験用のプライマー及びプローブは、アライメントに基づいて最も保存されている領域中のゲノムに従ってプライマー及びプローブをシーディングすること(seeding)によって設計した。オリゴヌクレオチドの1つのセット(配列番号1~3)は、HPIV1標的核酸を検出及び増幅するように設計された。オリゴヌクレオチドの別のセット(配列番号4~7)は、HPIV2標的核酸を検出及び増幅するように設計された。オリゴヌクレオチドの別のセット(配列番号8~10)は、HPIV3標的核酸を検出及び増幅するように設計された。オリゴヌクレオチドの別のセット(配列番号11~14)は、HPIV4標的核酸を検出及び増幅するように設計された。オリゴヌクレオチドの別のセット(配列番号15~17)は、HPIV3標的核酸を検出及び増幅するように設計された。オリゴヌクレオチドの別のセット(配列番号18~19及び13~14)は、HPIV4標的核酸を検出及び増幅するように設計された。オリゴヌクレオチドの別のセット(配列番号11、18~19及び13~14)は、HPIV4標的核酸を検出及び増幅するように設計された。
オリゴヌクレオチド(又はプライマー/プローブ)の各セットは、目的の特定の標的領域(すなわち、HPIV1、HPIV2、HPIV3、又はHPIV4)を増幅及び検出するために、それ自体の反応においてシングルプレックスで使用することができる。しかしながら、オリゴヌクレオチドのセットは、多重標的アッセイにおいても組み合わせることができ、それにより、反応混合物には1つ又は複数のオリゴヌクレオチドのセットが含まれるため(HPIV1については配列番号1~3、HPIV2については配列番号3~7、HPIV3については配列番号8~10又は配列番号15~17;及びHPIV4については配列番号11~14、又は配列番号18~19及び13~14、又は配列番号11、18~19及び13~14)、1回のリアルタイムPCR反応において、HPIV1-4標的核酸のいずれか又はすべてが増幅され、サンプル中で検出される(標的がサンプル中に存在する場合)。HPIV1標的核酸の検出については、フォワードプライマーは配列番号1の核酸配列に対応し、リバースプライマーは配列番号2の核酸配列に対応し、プローブは配列番号3の核酸配列に対応する。HPIV2標的核酸の検出については、フォワードプライマーは配列番号4の核酸配列に対応し、リバースプライマーは配列番号5の核酸配列に対応し、プローブは配列番号6及び/又は7の核酸配列に対応する。HPIV3標的核酸の検出については、フォワードプライマーは配列番号8の核酸配列に対応し、リバースプライマーは配列番号9の核酸配列に対応し、プローブは配列番号10の核酸配列に対応する。あるいは、HPIV3標的核酸の検出については、フォワードプライマーは配列番号15の核酸配列に対応し、リバースプライマーは配列番号16の核酸配列に対応し、プローブは配列番号17の核酸配列に対応する。HPIV4標的核酸の検出については、フォワードプライマーは配列番号11の核酸配列に対応し、リバースプライマーは配列番号12の核酸配列に対応し、プローブは配列番号13及び/又は14の核酸配列に対応する。あるいは、HPIV4標的核酸の検出については、フォワードプライマーは配列番号18の核酸配列に対応し、リバースプライマーは配列番号19の核酸配列に対応し、プローブは配列番号13及び/又は14の核酸配列に対応する。場合によっては、HPIV4標的核酸の検出のためのセットは、配列番号11の核酸配列に対応する第2のフォワードプライマーをさらに含む。これらのオリゴヌクレオチドは、HPIV1標的核酸(配列番号1~3に対応するオリゴヌクレオチドを使用)、HPIV2標的核酸(配列番号4~7に対応するオリゴヌクレオチドを使用)、HPIV3標的核酸(配列番号8~10又は配列番号15~17に対応するオリゴヌクレオチドを使用)、及びHPIV4標的核酸(配列番号11~14又は配列番号18~19及び13~14又は配列番号11、18~19及び13~14に対応するオリゴヌクレオチドを使用)の検出及び増幅のための個々のアッセイにおいて使用することができる。あるいは、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドが異なる型のHPIV(例えば、HPIV1-4)からの複数の核酸標的を同時に検出及び増幅するように設計された多重標的アッセイにおいて使用することができる。例えば、HPIV1、HPIV2、HPIV3、及び/又はHPIV4の検出及び増幅のためのオリゴヌクレオチドを同時にサンプルに添加することができる。多重アッセイには、4つの型のHPIV(HPIV1-4)のいずれか又ははすべてを、追加リソースを使用することなく、単一サンプルで検出できるという利点がある。このようにして、多重アッセイでは、リソース(例えば、PCR試薬、サンプル)、コスト、時間が節約される。多重アッセイにより、効率的、迅速、信頼性が高く、安価な方法で、単一のサンプルにおいて複数のHPIV型を同時に検出することができる。
実施例1:リアルタイムPCRによるHPIV1-4の検出のためのプライマー及びプローブの設計
HPIV1-4核酸試験は、4つの型のHPIV(HPIV1-4)をすべて検出するように設計された。ウイルス病原体特異的アッセイは、ゲノム内に見出された最適なオリゴヌクレオチド配列を用い、特定の包括性と排他性の要件に基づいて、独自のソフトウェアによって設計された。HPIV1-4アッセイの各々に対して特定の標的領域(すなわち、合計4つの標的領域)が選択された。HPIV1アッセイはLポリメラーゼタンパク質遺伝子を標的とし(図3を参照)、HPIV2アッセイは巨大タンパク質を標的とし(図4を参照)、HPIV3アッセイはヌクレオカプシドタンパク質において設計されており(図5を参照)、HPIV4アッセイは巨大タンパク質を標的とする(図6を参照)。各アッセイには、各HPIV型(HPIV1-4)に対して、1つのフォワードプライマー、1つのリバースプライマー、及び1つのプローブを有する。
実施例2:HPIV1プライマー及びプローブは、リアルタイムPCRアッセイでHPIV1のLポリメラーゼタンパク質遺伝子を増幅及び検出する
HPIV1オリゴヌクレオチドは、HPIV1(配列番号1~3)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。フォワードプライマー(配列番号1)の最終濃度は200nM、リバースプライマー(配列番号2)は150nM、プローブ(配列番号3)は75nMであった。HPIV1アッセイはHEXチャネルにおいて試験された。in vitroで生成された転写物は、以下の濃度で使用された:反応あたり10、10、10、10、及び10コピー。使用される試薬には、cobas(登録商標)6800/8800で使用するためのプロファイルと条件を備え、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800汎用PCRマスターミックスが含まれる。使用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロファイルを以下の表2に示す:
結果を図7Aに示し、これは、HPIV1アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示している。図7Aは、使用したHPIV1プライマー及びプローブ(配列番号1~3)がHPIV1を増幅及び検出できることを示している。図7Bは、HPIV1アッセイの効率を示し、HPIV1リアルタイムPCRアッセイが効率的であり、低い標的濃度で優れた感度を示すことを実証する。これらのデータは、HPIV1リアルタイムPCRアッセイが試験された範囲にわたって直線的であり、1回の反応あたり最大10コピーの標的を検出できることを示している。まとめると、これらのデータは、HPIV1リアルタイムアッセイ(配列番号1~3のオリゴヌクレオチド配列を含む)がHPIV1を検出及び増幅できることを実証する。
実施例3:HPIV2プライマー及びプローブは、リアルタイムPCRアッセイでHPIV1の巨大タンパク質遺伝子を増幅及び検出する
HPIV2オリゴヌクレオチドは、HPIV2(配列番号4、5及び7)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。フォワードプライマー(配列番号4)の最終濃度は150nM、リバースプライマー(配列番号5)は150nM、プローブ(配列番号7)は75nMであった。HPIV2アッセイはCOUチャネルにおいて試験された。in vitroで生成された転写物は、以下の濃度で使用された:反応あたり10、10、10、10、10及び10コピー。使用される試薬には、cobas(登録商標)6800/8800で使用するためのプロファイルと条件を備え、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800汎用PCRマスターミックスが含まれる。使用したcobas(登録商標)6800/8800PCRプロファイルは上の表2に示される。結果を図8Aに示し、これは、HPIV2アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示している。図8Aは、使用したHPIV2プライマー及びプローブ(配列番号4、5及び7)がHPIV2を増幅及び検出できることを示している。図8Bは、HPIV2アッセイの効率を示し、HPIV2リアルタイムPCRアッセイが効率的であり、低い標的濃度で優れた感度を示すことを実証する。これらのデータは、HPIV1リアルタイムPCRアッセイが試験された範囲にわたって直線的であることを示している。しかし、全体として、これらの結果は、RFIがより高い可能性があり、HPIV2アッセイの性能に関して改善が可能であることを示しており、アッセイの最適化(例えば、プライマー/プローブのオリゴヌクレオチド濃度)が必要であることを示唆している。この目的のために、プライマーとプローブの濃度が滴定された。3つの異なる濃度条件を試験した:(1)プライマー濃度150nM、プローブ濃度75nM;(2)プライマー濃度200nM、プローブ濃度100nM;(3)プライマー濃度300nM及びプローブ濃度100nM(図8Cに示される)。in vitroで生成された転写物は、以下の濃度で使用された:反応あたり10、10、10、及び10コピー。3つの異なる濃度条件のそれぞれの結果が図8Dに示されており、プライマー及びプローブの濃度が増加するとシグナルが改善されることを示している。これらの研究は、HPIV2アッセイが、反応あたり10コピーまで検出できるほど堅牢であることを示している。まとめると、これらのデータは、HPIV1リアルタイムアッセイ(配列番号4、5及び7のオリゴヌクレオチド配列を含む)がHPIV2を検出及び増幅できることを実証する。
実施例4:HPIV3プライマー及びプローブは、リアルタイムPCRアッセイでHPIV3のヌクレオカプシドタンパク質遺伝子を増幅及び検出する
HPIV3オリゴヌクレオチドは、HPIV3(配列番号8~10)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。フォワードプライマー(配列番号8)の最終濃度は200nM、リバースプライマー(配列番号9)は150nM、プローブ(配列番号10)は100nMであった。HPIV3アッセイはJA270チャネルにおいて試験された。in vitroで生成された転写物は、以下の濃度で使用された:反応あたり10、10、10、10、10及び10コピー。使用される試薬には、cobas(登録商標)6800/8800で使用するためのプロファイルと条件を備え、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800汎用PCRマスターミックスが含まれる。使用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロファイルは上の表2に示される。結果を図9Aに示し、これは、HPIV3アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示している。図9Aは、使用したHPIV3プライマー及びプローブ(配列番号9~10)がHPIV3を増幅及び検出できることを示している。図9Bは、HPIV3アッセイの効率を示し、HPIV3リアルタイムPCRアッセイが効率的であり、低い標的濃度で優れた感度を示すことを実証する。これらのデータは、HPIV3リアルタイムPCRアッセイが試験された範囲にわたって直線的であり、1回の反応あたり最大10コピーを検出できることを示している。まとめると、これらのデータは、HPIV3リアルタイムアッセイ(配列番号8~10のオリゴヌクレオチド配列を含む)がHPIV3を検出及び増幅できることを実証する。
実施例5:HPIV4プライマー及びプローブは、リアルタイムPCRアッセイでHPIV4の巨大タンパク質遺伝子を増幅及び検出する
HPIV4オリゴヌクレオチドは、HPIV3(配列番号11~13)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。フォワードプライマー(配列番号11)の最終濃度は200nM、リバースプライマー(配列番号12)は200nM、プローブ(配列番号13)は100nMであった。HPIV4アッセイはFAMチャネルにおいて試験された。in vitroで生成された転写物は、以下の濃度で使用された:反応あたり10、10、10、10、10及び10コピー。使用される試薬には、cobas(登録商標)6800/8800で使用するためのプロファイルと条件を備え、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800汎用PCRマスターミックスが含まれる。使用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロファイルは上の表2に示される。結果を図10Aに示し、これは、HPIV4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示している。図10Aは、使用したHPIV4プライマー及びプローブ(配列番号11~13)がHPIV4を増幅及び検出できることを示している。図10Bは、HPIV4アッセイの効率を示し、HPIV4リアルタイムPCRアッセイが効率的であり、低い標的濃度で優れた感度を示すことを実証する。これらのデータは、HPIV1リアルタイムPCRアッセイが試験された範囲にわたって直線的であり、4回の反応あたり最大10コピーを検出できることを示している。まとめると、これらのデータは、HPIV4リアルタイムアッセイ(配列番号11~13のオリゴヌクレオチド配列を含む)がHPIV4を検出及び増幅できることを実証する。
実施例6:HPIV1-4プライマー及びプローブは、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいて、ウイルス溶出物からの標的HPIV1-4核酸を同時に増幅及び検出する
HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。HPIV1アッセイ用のオリゴヌクレオチドはHEXチャンネルにおいて試験され、HPIV2アッセイ用のオリゴヌクレオチドはCOUチャンネルにおいて試験され、HPIV3アッセイ用のオリゴヌクレオチドはJA270チャンネルにおいて試験され、HPIV4アッセイ用のオリゴヌクレオチドはFAMチャンネルにおいて試験された。使用される試薬には、cobas(登録商標)6800/8800で使用するためのプロファイルと条件を備え、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800汎用PCRマスターミックスが含まれる。使用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロファイルは上の表2に示される。ウイルス溶出サンプルはZeptoMetrix(カタログ番号NATRVP-IDI(バッチ318302))から入手した。結果は図11A及び図11Bに示されており、ウイルス溶出液1~4の多重アッセイのそれぞれについてのPCR増殖曲線を示している。図11A及び図11Bは、使用したHPIV1-4プライマー及びプローブ(配列番号1~5及び7~13)がウイルス溶出液からHPIV1-4を増幅及び検出できることを示す。つまり、試験したウイルス溶出液はすべて、予想されたチャネルで検出された。まとめると、これらのデータは、HPIV1-4多重リアルタイムアッセイ(配列番号1~5及び6~13のオリゴヌクレオチド配列を含む)は、HPIV1-4の標的核酸配列を含むウイルス溶出液を検出及び増幅することができることを実証する。さらに、HPIV1-4アッセイの排他性について試験し、HPIV1-4を検出及び増幅するためのオリゴヌクレオチドと他の呼吸器ウイルス標的との間に交差反応性があるかどうかを確認した。この目的を達成するために、高力価ウイルス培養物からのアデノウイルス(AV)、エンテロウイルス/ライノウイルス(EV/RV)、及びヒトメタニューモウイルス(HMPV)を含む他の呼吸器ウイルス標的が使用された。この研究では、HPIV1-4(配列番号1~5及び6~13)の検出及び増幅用のオリゴヌクレオチドを、HPIV(HPIV1-4)並びにAV(AVB、AVE、AVC、及びAVA株)、EV/RV(EVA、EVB、EVD68、及びRVA株)及びHMPV標的に対するPCRアッセイにおいて試験した。AV、EV/RV、HMPV標的に対して特異的なプライマーも使用した。図11Bに示す結果は、HPIV1-4のオリゴヌクレオチドが、高力価ウイルス培養物からの複数の呼吸器ウイルス標的との交差反応性を示さないことを示している。したがって、これらの研究は、HPIV1-4オリゴヌクレオチドのHPIV1-4標的のみに対する排他性及び特異性を実証している。
実施例7:HPIV1-4プライマー及びプローブは、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいて、人為的鼻咽頭模擬臨床サンプルからの標的HPIV1-4核酸を同時に増幅及び検出する
HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。HPIV1アッセイ用のオリゴヌクレオチドはHEXチャンネルにおいて試験され、HPIV2アッセイ用のオリゴヌクレオチドはCOUチャンネルにおいて試験され、HPIV3アッセイ用のオリゴヌクレオチドはJA270チャンネルにおいて試験され、HPIV4アッセイ用のオリゴヌクレオチドはFAMチャンネルにおいて試験された。試験サンプルは、細胞、アルブミン、ムチンを含む臨床サンプルのバックグラウンドをシミュレートすることを意図した、人為的人工鼻咽頭マトリックス溶出液の存在下で試験され、以下の濃度で使用された:1回の反応あたり、10、10、10、及び10コピー。マトリックスの組成を図12Aに示す。使用される試薬には、cobas(登録商標)6800/8800で使用するためのプロファイルと条件を備え、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800汎用PCRマスターミックスが含まれる。使用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロファイルは上の表2に示される。結果を、図12B(HPIV1)、図12C(HPIV2)、図12D(HPIV3)、及び図12E(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。結果は、鼻咽頭マトリックスの存在下で、HPIV1-4型の感度が最小100コピー/反応までであることを示した。図12B~12Dは、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、多重設定において人為的人工鼻咽頭模擬臨床サンプルから標的HPIV1-4核酸を同時に増幅及び検出できることを実証する。人為的人工鼻咽頭マトリックスは鼻咽頭臨床サンプルをシミュレートしているため、これらのデータは、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが実際の鼻咽頭サンプルから標的HPIV1-4核酸を同時に増幅及び検出できることを示唆している。
実施例8:HPIV1-4プライマー及びプローブは、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいて、ウイルス溶出物からの標的HPIV1-4核酸を同時に特異的に増幅及び検出する
HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。HPIV1アッセイ用のオリゴヌクレオチドはHEXチャンネルにおいて試験され、HPIV2アッセイ用のオリゴヌクレオチドはCOUチャンネルにおいて試験され、HPIV3アッセイ用のオリゴヌクレオチドはJA270チャンネルにおいて試験され、HPIV4アッセイ用のオリゴヌクレオチドはFAMチャンネルにおいて試験された。試験したサンプルはウイルス溶出液(ATCCカタログ番号:HPIV1-VR-94;HPIV2-VR-92;HPIV3-VR-1782);ZeptoMetrixカタログ番号:HPIV4A-0810060CF)であって、ニートと1:100,000希釈の2つの濃度で試験した。使用される試薬には、cobas(登録商標)6800/8800で使用するためのプロファイルと条件を備え、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800汎用PCRマスターミックスが含まれる。使用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロファイルは上の表2に示される。これらの研究は、ウイルス溶出液に対するHPIV1-4オリゴヌクレオチドの特異性を試験するために設計された。結果を、図13A(HPIV1)、図13B(HPIV2)、図13C(HPIV3)、及び図13D(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。これらの結果は、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、意図されたそれぞれの標的に対して特異的であることを示している。図13A~13Dに見られるように、特定のHPIV型に対する意図しないチャネルにおいてこれらのウイルス溶出液を使用した場合、交差反応性は観察されなかった。まとめると、これらの研究は、HPIV1-4のオリゴヌクレオチドが多重設定において意図した標的を特異的に増幅及び検出することを実証する。
実施例9:HPIV1-4プライマー及びプローブは、HPIV1-4に対して陰性であることが知られている臨床サンプル中のHPIV1-4標的を増幅及び検出できないため、HPIV1-4標的に対する特異性を示す
HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4、5、及び7)、HPIV3(配列番号8~10)、及びHPIV4(配列番号11~13)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。HPIV1アッセイ用のオリゴヌクレオチドはHEXチャンネルにおいて試験され、HPIV2アッセイ用のオリゴヌクレオチドはCOUチャンネルにおいて試験され、HPIV3アッセイ用のオリゴヌクレオチドはJA270チャンネルにおいて試験され、HPIV4アッセイ用のオリゴヌクレオチドはFAMチャンネルにおいて試験された。試験されたサンプルは、HPIV1-4に対して陰性であることが知られている6人の個々の患者からの鼻咽頭溶出液であった。使用される試薬には、cobas(登録商標)6800/8800で使用するためのプロファイルと条件を備え、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800汎用PCRマスターミックスが含まれる。使用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロファイルは上の表2に示される。これらの研究は、HPIV1-4陰性溶出液に対するHPIV1-4オリゴヌクレオチドの特異性を試験するために設計された。結果は図14A及び図14Bに示されており、これらはHPIV1-4アッセイの性能のPCR増殖曲線を示している。これらの結果は、HPIV1-4に対して陰性であることが知られている鼻咽頭溶出液に対してHPIV1-4オリゴヌクレオチドを用いても、どのチャンネルにおいても増幅が無いことを示している。これらの結果は、意図した標的が鼻咽頭溶出液中に存在しない場合、HPIV1-4のオリゴヌクレオチドが交差反応し、且つ/又は不用意に核酸を増幅したりしないことを示している。
実施例10:HPIV1-4プライマー及びプローブは、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいて、ウイルス溶出物からの標的HPIV1-4核酸を同時に特異的に増幅及び検出する
HPIV1オリゴヌクレオチドは、HPIV1(配列番号1~3)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを図15に示す。in vitroで生成された転写物は、以下の濃度で使用された:反応あたり10、10、10、10、10及び10コピー。使用される試薬には、cobas(登録商標)6800/8800で使用するためのプロファイルと条件を備え、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800汎用PCRマスターミックスが含まれる。使用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロファイルは上の表2に示される。HPIV1について、フォワードプライマー(配列番号1)は400nMの濃度であり、リバースプライマー(配列番号2)は300nMの濃度であり、プローブ(配列番号3)は100nMの濃度である。HPIV2について、フォワードプライマー(配列番号4)は200nMの濃度であり、リバースプライマー(配列番号5)は150nMの濃度であり、プローブ(配列番号6)は100nMの濃度である。HPIV3について、フォワードプライマー(配列番号15)は500nMの濃度であり、リバースプライマー(配列番号16)は300nMの濃度であり、プローブ(配列番号17)は100nMの濃度である。HPIV4について、フォワードプライマー(配列番号11及び18)はそれぞれ100nM及び400nMの濃度であり、リバースプライマー(配列番号19)は400nMの濃度であり、プローブ(配列番号13)は100nMの濃度である。結果を、図16A(HPIV1)、図16B(HPIV2)、図16C(HPIV3)、及び図16D(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。
結果を図16Aに示し、これは、HPIV1アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示している。図16Aは、使用したHPIV1プライマー及びプローブ(配列番号1~3)がHPIV1を増幅及び検出できることを示している。図16Bは、HPIV1アッセイの効率を示し、HPIV1リアルタイムPCRアッセイが効率的であり、低い標的濃度で優れた感度を示すことを実証する。結果を図16Cに示し、これは、HPIV2アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示している。図16Cは、使用したHPIV2プライマー及びプローブ(配列番号4~6)がHPIV2を増幅及び検出できることを示している。図16Dは、HPIV2アッセイの効率を示し、HPIV2リアルタイムPCRアッセイが効率的であり、低い標的濃度で優れた感度を示すことを実証する。結果を図16Eに示し、これは、HPIV3アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示している。図16Eは、使用したHPIV3プライマー及びプローブ(配列番号15~17)がHPIV3を増幅及び検出できることを示している。図16Fは、HPIV3アッセイの効率を示し、HPIV3リアルタイムPCRアッセイが効率的であり、低い標的濃度で優れた感度を示すことを実証する。結果を図16Gに示し、これは、HPIV4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示している。図16Gは、使用したHPIV4プライマー及びプローブ(配列番号11、13、18及び19)がHPIV4を増幅及び検出できることを示している。図16Hは、HPIV4アッセイの効率を示し、HPIV4リアルタイムPCRアッセイが効率的であり、低い標的濃度で優れた感度を示すことを実証する。
これらのデータは、HPIV1、HPIV2、HPIV3、及びHPIV4のリアルタイムPCRアッセイが試験された範囲にわたって直線的であり、1回の反応あたり最大10コピーの標的を検出できることを示している。まとめると、これらのデータは、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19)のリアルタイムアッセイは、それぞれHPIV1、HPIV2、HPIV3、及びHPIV4を検出及び増幅できることを実証する。
実施例11:HPIV1-4プライマー及びプローブは、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいて、ウイルス溶出物からの標的HPIV1-4核酸を同時に増幅及び検出する
HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。HPIV1アッセイ用のオリゴヌクレオチドはHEXチャンネルにおいて試験され、HPIV2アッセイ用のオリゴヌクレオチドはCOUチャンネルにおいて試験され、HPIV3アッセイ用のオリゴヌクレオチドはJA270チャンネルにおいて試験され、HPIV4アッセイ用のオリゴヌクレオチドはFAMチャンネルにおいて試験された。HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。使用される試薬には、cobas(登録商標)6800/8800で使用するためのプロファイルと条件を備え、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800汎用PCRマスターミックスが含まれる。使用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロファイルは上の表2に示される。ウイルス培養物は、ZeptoMetrix(カタログ番号NATRVP-IDI(バッチ318302))及びATCCから入手した。結果を図17Aに示し、これは、ウイルス溶出液HPIV1-4シングルプレックスアッセイのそれぞれについてのPCR増殖曲線を示している。図17Aは、使用したHPIV1-4プライマー及びプローブ(HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19))は、ウイルス溶出液からHPIV1-4を検出及び増幅できることを示している。つまり、試験したウイルス溶出液はすべて、予想されたチャネルで検出された。まとめると、これらのデータは、HPIV1-4多重リアルタイムアッセイ(HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19))は、HPIV1-4の標的核酸配列を含むウイルス溶出液を検出及び増幅することができることを実証する。
さらに、HPIV1-4アッセイの排他性について試験し、HPIV1-4を検出及び増幅するためのオリゴヌクレオチドと他の呼吸器ウイルス標的との間に交差反応性があるかどうかを確認した。そのために、高力価ウイルス培養物からのアデノウイルス(AdV)、ヒトコロナウイルス(CoV)、エンテロウイルス(EV)、インフルエンザ、ヒトメタニューモウイルス(HMPV)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ライノウイルス(RV)、及び重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)を含む、他の呼吸器ウイルスの標的が使用された。この研究において、HPIV1-4の検出及び増幅のためのオリゴヌクレオチド(HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19))を、HPIV(HPIV1-4)、AdV(AdV-B、AdV-E、AdV-C株)、CoV(CoV229E、CoV HKU1+HPIV3(臨床サンプル)、CoV NL63、CoV OC43)、EV(EV D68及びEV C)、インフルエンザ(FluA H1N1、FluA H3N2、及びFluB)、HMPV(HMPV A1及びHMPV B1)、RSV(RSVA及びRSVB)、ライノウイルス(RV A及びRV B)、及びSARS-CoV-2溶出物に対するPCRアッセイにおいて試験した。図17Bに示す結果は、多重設定におけるHPIV1-4オリゴヌクレオチドは、高力価の複数の呼吸器ウイルス培養物からの複数の呼吸器ウイルス標的との交差反応性を示さないことを示している。したがって、これらの研究は、多重設定におけるHPIV1-4オリゴヌクレオチドのHPIV1-4標的のみに対する排他性及び特異性を実証している。
実施例12:HPIV1-4プライマー及びプローブは、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいて、人為的鼻咽頭模擬臨床サンプルからの標的HPIV1-4核酸を同時に増幅及び検出する
HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。HPIV1アッセイ用のオリゴヌクレオチドはHEXチャンネルにおいて試験され、HPIV2アッセイ用のオリゴヌクレオチドはCOUチャンネルにおいて試験され、HPIV3アッセイ用のオリゴヌクレオチドはJA270チャンネルにおいて試験され、HPIV4アッセイ用のオリゴヌクレオチドはFAMチャンネルにおいて試験された。試験サンプルは、細胞、及びムチンを含む臨床サンプルのバックグラウンドをシミュレートすることを意図した、人為的人工鼻咽頭マトリックス溶出液の存在下で試験され、以下の濃度で使用された:反応あたり5x10、5x10、5x10、5x10、及び5x10コピー。マトリックスの組成を図18Aに示す。使用される試薬には、cobas(登録商標)6800/8800で使用するためのプロファイルと条件を備え、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800汎用PCRマスターミックスが含まれる。使用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロファイルは上の表2に示される。結果を、図18B(HPIV1)、図18C(HPIV2)、図18D(HPIV3)、及び図18E(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。結果は、鼻咽頭マトリックスの存在下で、HPIV1-4型の感度が最小50コピー/反応までであることを示した。図18B、図18C、図18D、及び図18Eは、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、多重設定において人為的人工鼻咽頭模擬臨床サンプルから標的HPIV1-4核酸を同時に増幅及び検出できることを示す。データは、HPIV1-4多重アッセイが、鼻咽頭バックグラウンドの存在下で4つのHPIV型の感度を最小50コピー/反応まで示すことを示している。人為的人工鼻咽頭マトリックスは鼻咽頭臨床サンプルをシミュレートしているため、これらのデータは、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが実際の鼻咽頭サンプルから標的HPIV1-4核酸を同時に増幅及び検出できることを示唆している。
実施例13:HPIV1-4プライマー及びプローブは、HPIV1-4多重リアルタイムPCRアッセイにおいて、ウイルス溶出物からの標的HPIV1-4核酸を同時に特異的に増幅及び検出する
HPIV1-4オリゴヌクレオチドを、HPIV1(配列番号1~3)、HPIV2(配列番号4~6)、HPIV3(配列番号15~17)、及びHPIV4(配列番号11、13、18、及び19)を検出するためのプライマー/プローブを使用して試験した。HPIV1-4のオリゴヌクレオチドは、サンプルがHPIV1-4に対するすべてのオリゴヌクレオチドに同時に曝露されるように、多重条件下で試験された。HPIV1アッセイ用のオリゴヌクレオチドはHEXチャンネルにおいて試験され、HPIV2アッセイ用のオリゴヌクレオチドはCOUチャンネルにおいて試験され、HPIV3アッセイ用のオリゴヌクレオチドはJA270チャンネルにおいて試験され、HPIV4アッセイ用のオリゴヌクレオチドはFAMチャンネルにおいて試験された。試験したサンプルはウイルス溶出液(ATCCカタログ番号:HPIV1-VR-94;HPIV2-VR-92;HPIV3-VR-1782;HPIV-4B-VR1377);ZeptoMetrixカタログ番号:HPIV4A-0810060CF)であって、ニートと1:100,000希釈の2つの濃度で試験した。使用される試薬には、cobas(登録商標)6800/8800で使用するためのプロファイルと条件を備え、TaqMan(登録商標)増幅及び検出技術を使用するcobas(登録商標)6800/8800汎用PCRマスターミックスが含まれる。使用したcobas(登録商標)6800/8800 PCRプロファイルは上の表2に示される。これらの研究は、ウイルス溶出液に対するHPIV1-4オリゴヌクレオチドの特異性を試験するために設計された。結果を、図19A(HPIV1)、図19B(HPIV2)、図19C(HPIV3)、及び図19D(HPIV4)に示し、これらはHPIV1-4アッセイの性能の希釈系列のPCR増殖曲線を示す。これらの結果は、HPIV1-4オリゴヌクレオチドが、意図されたそれぞれの標的に対して特異的であることを示している。図19A、図19B、図19C、及び図19Dに見られるように、特定のHPIV型に対する意図しないチャネルにおいてこれらのウイルス溶出液を使用した場合、交差反応性は観察されなかった。まとめると、これらの研究は、HPIV1-4のオリゴヌクレオチドが多重設定において意図した標的を特異的に増幅及び検出することを実証する。
前述の発明を明確化及び理解するためにある程度詳細に説明してきたが、本開示を読むことにより、本発明の真の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更を行うことができることが当業者には明らかであろう。例えば、上述したすべての技術及び装置を、様々な組み合わせで使用することができる。本出願で引用されるすべての刊行物、特許、特許出願、及び/又は他の文献は、あたかも各個別の刊行物、特許、特許出願、及び/又は他の文献がすべての目的のために参照により組み込まれることが個別に示されているのと同程度に、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれる。

Claims (34)

  1. サンプル中のヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV)を検出するための方法であって、ここで前記HPIVは、ヒトパラインフルエンザウイルス1型(HPIV-1)、ヒトパラインフルエンザウイルス2型(HPIV-2)、ヒトパラインフルエンザウイルス3型(HPIV-3)、及び/又はヒトパラインフルエンザウイルス4型(HPIV-4)を含み、前記方法は、
    (a)HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4のうちの1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプルをプライマーの1つ又は複数のセットと接触させてHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;
    (b)HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4のうちの1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、1つ又は複数のプローブをHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物と接触させることを含むハイブリダイゼーション工程を実施すること;並びに
    (c)HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、ここで、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在は、サンプル中の、それぞれ、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の存在を示し、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の非存在は、サンプルからの、それぞれ、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の非存在を示す、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出すること、
    を含み;
    ここで、前記プライマーの1つ又は複数のセット及び前記1つ又は複数のプローブは、
    (1)HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号1の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-1の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号3の核酸配列若しくはその相補体を含む、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は
    (2)HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号4の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-2の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は
    (3)HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-3の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は
    (4)HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-4の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ、
    を含む、方法。
  2. 前記サンプルが、生物学的サンプルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生物学的サンプルが、全血、呼吸器検体、鼻咽頭サンプル、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、及び軟部組織感染部である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記生物学的サンプルが、鼻咽頭サンプルである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記1つ又は複数のプローブが標識されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記1つ又は複数のプローブが、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている、請求項5に記載の方法。
  7. 工程(c)におけるHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することは、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸に特異的なプローブのドナー蛍光部分とアクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、ここで、蛍光の存在又は非存在は、それぞれ、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の存在又は非存在を示す、請求項6に記載の方法。
  8. サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の1つ又は複数の標的核酸を同時に検出するための方法であって、前記方法は、
    (a)HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4のうちの1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプルをプライマーの1つ又は複数のセットと接触させてHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;
    (b)HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4のうちの1つ又は複数の標的核酸がサンプル中に存在する場合、1つ又は複数のプローブをHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物と接触させることを含むハイブリダイゼーション工程を実施すること;並びに
    (c)HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、ここで、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在は、サンプル中の、それぞれ、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の存在を示し、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の非存在は、サンプルからの、それぞれ、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の非存在を示す、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出すること、
    を含み;
    ここで、前記プライマーの1つ又は複数のセット及び前記1つ又は複数のプローブは、
    (1)HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号1の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-1の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号3の核酸配列若しくはその相補体を含む、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は
    (2)HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号4の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-2の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は
    (3)HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-3の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は
    (4)HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-4の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ、
    を含む、方法。
  9. 前記サンプルが、生物学的サンプルである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記生物学的サンプルが、全血、呼吸器検体、鼻咽頭サンプル、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、及び軟部組織感染部である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記生物学的サンプルが、鼻咽頭サンプルである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記1つ又は複数のプローブが標識されている、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記1つ又は複数のプローブが、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている、請求項12に記載の方法。
  14. 工程(c)におけるHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することは、HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸に特異的なプローブのドナー蛍光部分とアクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、ここで、蛍光の存在又は非存在は、それぞれ、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の存在又は非存在を示す、請求項13に記載の方法。
  15. 第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプル中の第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸を検出するための方法であって、前記方法は、
    (a)第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプルをプライマーの1つ又は複数のセットと接触させて、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;
    (b)第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、1つ又は複数のプローブを前記増幅産物と接触させることを含むハイブリダイゼーション工程を実施すること;並びに
    (c)第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、ここで、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在は、サンプル中の、それぞれ、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の存在を示し、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の非存在は、サンプル中の、それぞれ、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の非存在を示す、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出すること、
    を含み;
    ここで、前記プライマーの1つ又は複数のセット及び前記1つ又は複数のプローブは、
    (1)第1の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第1の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号1の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;第1の標的核酸に対するプローブは、配列番号3の核酸配列、若しくはその相補体を含む、第1の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は
    (2)第2の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第2の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号4の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;第2の標的核酸に対するプローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、第2の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は
    (3)第3の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第3の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;第3の標的核酸に対するプローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、第3の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は
    (4)第4の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第4の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;第4の標的核酸に対するプローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、第4の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ、
    を含み;
    ここで、前記第1の標的核酸はHPIV-1の標的核酸であり、前記第2の標的核酸はHPIV-2の標的核酸であり、前記第3の標的核酸はHPIV-3の標的核酸であり、前記第4の標的核酸はHPIV-4の標的核酸である、方法。
  16. 第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプル中の第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸を同時に検出するための方法であって、前記方法は、
    (a)第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプルをプライマーの1つ又は複数のセットと接触させて、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;
    (b)第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、1つ又は複数のプローブを、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物と接触させることを含むハイブリダイゼーション工程を実施すること;並びに
    (c)第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、ここで、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在は、サンプル中の、それぞれ、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の存在を示し、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の非存在は、サンプル中の、それぞれ、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の非存在を示す、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出すること、
    を含み;
    ここで、前記プライマーの1つ又は複数のセット及び前記1つ又は複数のプローブは、
    (1)第1の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第1の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号1の核酸配列又はその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列又はその相補体を含む第2のプライマーを含み;第1の標的核酸に対するプローブは、配列番号3の核酸配列、又はその相補体を含む、第1の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ;
    (2)第2の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第2の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号4の核酸配列又はその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む第2のプライマーを含み;第2の標的核酸に対するプローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列、又はそれらの相補体を含む、第2の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ;
    (3)第3の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第3の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;第3の標的核酸に対するプローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列、又はそれらの相補体を含む、第3の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ;並びに
    (4)第4の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブであって、ここで、第4の標的核酸に対するプライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;第4の標的核酸に対するプローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列、又はそれらの相補体を含む、第4の標的核酸に対するプライマーのセット及びプローブ、
    を含み;
    ここで、前記第1の標的核酸はHPIV-1の標的核酸であり、前記第2の標的核酸はHPIV-2の標的核酸であり、前記第3の標的核酸はHPIV-3の標的核酸であり、前記第4の標的核酸はHPIV-4の標的核酸である、方法。
  17. 前記サンプルが、生物学的サンプルである、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 前記生物学的サンプルが、全血、呼吸器検体、鼻咽頭サンプル、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、及び軟部組織感染部である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記生物学的サンプルが、鼻咽頭サンプルである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記1つ又は複数のプローブが標識されている、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記1つ又は複数のプローブが、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている、請求項20に記載の方法。
  22. 工程(c)において、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸の増幅産物の存在又は非存在を検出することは、第1の標的核酸、第2の標的核酸、第3の標的核酸、及び/又は第4の標的核酸に対するプローブのドナー蛍光部分とアクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、ここで、蛍光の存在は、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の存在を示し、蛍光の非存在は、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の非存在を示す、請求項21に記載の方法。
  23. サンプル中に存在し得るHPIVを検出するためのキットであって、前記HPIVがHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4を含み、前記キットは増幅試薬及び検出試薬を含み、ここで、前記増幅試薬及び検出試薬は、(i)DNAポリメラーゼ;(ii)ヌクレオチドモノマー;並びに(iii)プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブを含み、ここで、前記プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブは、
    (1)HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号1の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-1の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号3の核酸配列若しくはその相補体を含む、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は
    (2)HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号4の核酸配列若しくはその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列若しくはその相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-2の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は
    (3)HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-3の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに/又は
    (4)HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;HPIV-4の標的核酸に特異的なプローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列、あるいはそれらの相補体を含む、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ
    を含む、キット。
  24. 前記サンプルが、生物学的サンプルである、請求項23に記載のキット。
  25. 前記生物学的サンプルが、全血、呼吸器検体、鼻咽頭サンプル、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、及び軟部組織感染部である、請求項24に記載のキット。
  26. 前記生物学的サンプルが、鼻咽頭サンプルである、請求項25に記載のキット。
  27. 前記1つ又は複数のプローブが標識されている、請求項23~26のいずれか一項に記載のキット。
  28. 前記1つ又は複数のプローブが、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている、請求項27に記載のキット。
  29. HPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸がサンプル中に存在する場合、サンプル中のHPIV-1、HPIV-2、HPIV-3、及び/又はHPIV-4の標的核酸を同時検出するためのキットであって、前記キットは増幅試薬及び検出試薬を含み、ここで、前記増幅試薬及び検出試薬は、(i)DNAポリメラーゼ;(ii)ヌクレオチドモノマー;並びに(iii)プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブを含み、ここで、前記プライマーの1つ又は複数のセット及び1つ又は複数のプローブは、
    (1)HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、プライマーのセットは、配列番号1の核酸配列又はその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号2の核酸配列又はその相補体を含む第2のプライマーを含み;プローブは、配列番号3の核酸配列又はその相補体を含む、HPIV-1の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;
    (2)HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、プライマーのセットは、配列番号4の核酸配列又はその相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号5の核酸配列又はその相補体を含む第2のプライマーを含み;プローブは、配列番号6若しくは配列番号7の核酸配列、又はそれらの相補体を含む、HPIV-2の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;
    (3)HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、プライマーのセットは、配列番号8若しくは配列番号15の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号9若しくは配列番号16の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;プローブは、配列番号10若しくは配列番号17の核酸配列、又はそれらの相補体を含む、HPIV-3の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ;並びに
    (4)HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブであって、ここで、プライマーのセットは、配列番号11若しくは配列番号18の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第1のプライマー、及び配列番号12若しくは配列番号19の核酸配列、又はそれらの相補体を含む第2のプライマーを含み;プローブは、配列番号13若しくは配列番号14の核酸配列、又はそれらの相補体を含む、HPIV-4の標的核酸に特異的なプライマーのセット及びプローブ
    を含む、キット。
  30. 前記サンプルが、生物学的サンプルである、請求項29に記載のキット。
  31. 前記生物学的サンプルが、全血、呼吸器検体、鼻咽頭サンプル、尿、糞便検体、血液検体、血漿、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、及び軟部組織感染部である、請求項30に記載のキット。
  32. 前記生物学的サンプルが、鼻咽頭サンプルである、請求項31に記載のキット。
  33. 前記1つ又は複数のプローブが標識されている、請求項29~32のいずれか一項に記載のキット。
  34. 前記1つ又は複数のプローブが、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている、請求項33に記載のキット。
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