JP2024128377A - 二成分現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナーの帯電性と飛翔性が高いレベルで両立した二成分現像剤を提供する。【解決手段】トナー粒子を含有するトナーと磁性キャリアとを有する二成分現像剤であって、該トナー粒子は結着樹脂Aを含み、該磁性キャリアは、磁性コア粒子と、該磁性コア粒子の表面を被覆し、微粒子Cを含有する樹脂被覆層とを有し、該樹脂被覆層を構成する樹脂を樹脂Bとし、光電子分光装置で測定される、該結着樹脂A、該樹脂B、該微粒子Cの仕事関数をそれぞれWA[eV]、WB[eV]、WC[eV]としたとき、該WA[eV]、該WB[eV]、該WC[eV]が、下記の式(1)及び式(2)を満たし、|WA-WB|≦0.15 (1)0.30≦WA-WC≦2.50 (2)走査型電子顕微鏡により測定される、該磁性キャリアにおける該微粒子Cの露出率が、2.0%以上12.0%以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法を用いて静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用される磁性キャリア、及び二成分現像剤に関する。
近年、電子写真に対する要望は常に高まり続けており、高画質化が求められている。高画質化を達成するためには、現像・転写・定着といったプロセスにおいて、高い画像再現性を達成することが不可欠である。特に現像プロセスにおいてはトナーが潜像に対して忠実に飛翔し現像されることで、高い画像再現性を獲得することが可能となる。
従来、電子写真方式の画像形成方法は、静電潜像担持体上に種々の手段を用いて静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させて、静電潜像を現像する方法が一般的に使用されている。この現像に際しては、磁性キャリアと呼ばれる担体粒子をトナーと混合し、摩擦帯電させて、トナーに適当量の正または負の電荷を付与し、その電荷をドライビングフォースとして現像させる二成分現像方式が広く採用されている。二成分現像方式は、磁性キャリアに対して現像剤の撹拌、搬送、帯電などの機能を付与できるため、トナーとの機能分担が明確であり、このため現像剤性能の制御性が良いなどの利点がある。ここで磁性キャリアは、磁気を持たせて搬送性を獲得するためのコアと、トナーへの帯電付与能を獲得させるための被覆樹脂がコアに被覆された構成であることが多い(例えば特許文献1、2)。
上述の高い画像再現性を発現するためには、二成分現像剤において、トナーの帯電性と飛翔性が高いレベルで両立することが必要である。
このような要望に対し、トナーの外添剤量を増やすことで飛翔性を向上することができる。一方で、キャリアへ移行する外添剤量が増えた結果、キャリアの帯電能が低下し、トナーの帯電性が不十分となることがあった。
特許文献3に記載のキャリアは、キャリア被覆樹脂中にカーボンブラック粒子が添加されていることから、電荷の局在化を抑えることができるため、トナーとキャリアの静電付着力を抑制し、優れたトナーの飛翔性を発揮する。また、特許文献4に記載のキャリアは、キャリア被覆樹脂中に帯電付与能の高いメラミン樹脂が添加されていることから、トナーの帯電性が向上する。
特開2006-47697号公報 特開2010-164829号公報 特開2021-148998号公報 特開2022-138658号公報
しかしながら、特許文献3に記載のキャリアは、抵抗の低いカーボンブラックに由来して、キャリアの帯電能が低下し、トナーの帯電性が劣る場合があることがわかった。
また、特許文献4に記載のキャリアは、メラミンに由来して電荷が局在化するため、トナーとキャリアの静電付着力が高くなり、飛翔性が劣る場合があることがわかった。
以上のことから、二成分現像剤においてトナーの飛翔性及び帯電性を満足するには課題を有している。そこで、優れた飛翔性及び帯電性を示す二成分現像剤の開発が急務となっている。
本発明者らは、トナーの飛翔性及び帯電性に優れた二成分現像剤の検討を進めた。
本発明者らが鋭意検討した結果、キャリアとトナーの仕事関数と、キャリアに含まれる帯電付与粒子の露出率を制御することで帯電性と飛翔性を両立できることを見出した。仕事関数とは、物質表面において、表面から1個の電子を無限遠まで取り出すのに必要な最小エネルギー(eV)のことである。仕事関数の値が小さいと電子が取り出しやすいため、その物質は帯電しやすいと考えられる。
本効果のメカニズムに関しては明確ではないが、以下のように考えられる。
トナーの帯電性と飛翔性を両立するためには、トナーの平均帯電量と表面における帯電均一性を両立させることが重要と考えられる。
トナー母体とキャリア被覆樹脂の仕事関数差を小さくすることで、発生する電荷が小さくなり、トナーとキャリアの静電付着力は低下し、飛翔性は向上する。しかし、トナー母体とキャリア被覆樹脂の仕事関数差を小さくすると、トナーの帯電性は低下する。帯電性を向上させるためには、帯電付与粒子をキャリア被覆樹脂に添加することが考えられる。このとき、帯電付与粒子とキャリア被覆樹脂の仕事関数差が小さいと帯電性は向上せず、仕事関数差が大きいと帯電性は高くなるものの、トナー表面における電荷の局在化が強くなる結果、トナーの帯電分布が均一化されず、飛翔性が低下すると考えられる。また、帯電付与粒子の露出率が低いと帯電性は向上せず、露出率が高いと帯電性が過剰となり、静電付着力が高くなる結果、飛翔性が低下する。
即ち、トナー母体、キャリア被覆樹脂、帯電付与粒子の仕事関数の関係、および帯電付与粒子の露出率が適度になることにより、帯電性と飛翔性を両立できると考えられる。
上記知見に基づいて導き出された本発明の二成分現像剤は、
トナー粒子を含有するトナーと磁性キャリアとを有する二成分現像剤であって、
該トナー粒子は結着樹脂Aを含み、
該磁性キャリアは磁性コア粒子と、該磁性コア粒子の表面を被覆し、微粒子Cを含有する樹脂被覆層とを有し、該樹脂被覆層を構成する樹脂を樹脂Bとし、
光電子分光装置で測定される、該結着樹脂A、該樹脂B、該微粒子Cの仕事関数をそれぞれWA[eV]、WB[eV]、WC[eV]としたとき、該WA[eV]、該WB[eV]、該WC[eV]が、下記の式(1)及び式(2)を満たし、
|WA-WB|≦0.15 (1)
0.30≦WA-WC≦2.50 (2)
走査型電子顕微鏡により測定される、該磁性キャリアにおける該微粒子Cの露出率が、2.0%以上12.0%以下であることを特徴とする二成分現像剤である。
本発明によれば、トナーの飛翔性及び帯電性に優れた二成分現像剤を提供することができる。
帯電量の測定装置の一例を示す説明図である。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明の構成としては、トナー粒子を含有するトナーと磁性キャリアとを有する二成分現像剤であって、
該トナー粒子は結着樹脂Aを含み、
該磁性キャリアは、磁性コア粒子と、該磁性コア粒子の表面を被覆し、微粒子Cを含有する樹脂被覆層とを有し、該樹脂被覆層を構成する樹脂を樹脂Bとし、
光電子分光装置で測定される、該結着樹脂A、該樹脂B、該微粒子Cの仕事関数をそれぞれWA[eV]、WB[eV]、WC[eV]としたとき、該WA[eV]と該WB[eV]が、下記の式(1)を満たす。
|WA-WB|≦0.15 (1)
2つの物質間の電荷の移動を考慮したとき、電荷はエネルギー準位が高いものから低いものへ移動する。仕事関数は物質から電荷を取り出すためのエネルギーであるため、2つの物質の仕事関数差が小さいほど、エネルギー準位差は小さく、帯電しにくいと考えられる。即ち、結着樹脂Aと樹脂Bの仕事関数差|WA-WB|を上記範囲にすることで、トナー粒子と磁性キャリア表面の樹脂Bとの摩擦帯電による電荷を抑え、その結果として局所帯電による静電付着力の増加を抑制させ、飛翔性が向上する。しかし、摩擦帯電による電荷発生が小さいため、平均帯電量が不十分となる。
そこで更に、本発明の構成としては、該WA[eV]と該WC[eV]が、下記の式(2)を満たし、
0.30≦WA-WC≦2.50 (2)
走査型電子顕微鏡により測定される、該磁性キャリアにおける該微粒子Cの露出率は2.0%以上12.0%以下であることも満たす。
平均帯電量を向上させるためには、結着樹脂Aと微粒子Cの仕事関数差を大きくすることが考えられる。しかし、仕事関数差を大きくすると、微粒子Cによる帯電能が過剰になる結果、トナーにおいて局所帯電しやすくなり、帯電均一性が悪化する。そこで、結着樹脂Aと微粒子Cの仕事関数差|WA-WC|と、微粒子Cの露出率を上記範囲とすることで、帯電能が適度である微粒子がキャリア表面に多く含まれることになり、結果として、適度に帯電したサイト(帯電サイト)がトナー中(トナーの粒子群)に均一に分散するようになり、帯電均一性が向上する。
更に、磁性キャリアに含まれる微粒子Cにより、トナーを帯電させることができ、結果として平均帯電量が向上する。
以上により、平均帯電量と帯電均一性が向上した結果、二成分現像剤の帯電性と飛翔性を両立できる。
以下、本発明の各構成成分について記載する。
〔磁性キャリア〕
本発明の磁性キャリアについて説明する。磁性キャリアには磁性コア粒子、樹脂被覆層が含まれる。
<磁性コア粒子>
本発明に係る磁性キャリアの磁性コア粒子としては、従来のフェライト、マグネタイト等の磁性体粒子を使用することができる。また、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型の磁性コアも用いることができる。また、空孔を有するフェライトやマグネタイト粒子に樹脂を充填させた形態の磁性コア粒子を用いることができる。
中でもバインダー型の磁性コア粒子もしくは空孔を有する磁性体粒子に樹脂を充填させた形態の磁性コアは、磁性キャリアの比重を小さくすることができる為、長寿命化の観点から好ましい。なお、多孔質形状の磁性粒子の空孔に含有させる樹脂としては、被覆樹脂として使用する共重合体樹脂を用いることもできるが、これに限らず、公知の樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、被覆樹脂として用いる共重合体が好ましいが、それ以外にも例えば、以下のものが挙げられる。ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフルオロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、ノボラック樹脂、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートといった芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂。
熱硬化性樹脂としては、例えば、以下のものが挙げられる。フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素-メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン-グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂。
磁性コア粒子は、体積平均粒径(D50)が20μm以上80μm以下であることが被覆樹脂を均一に被覆でき、磁性キャリア付着防止及び高画質画像を得るための現像剤磁気ブラシの密度を適度にする上で好ましい。
<キャリア樹脂被覆層>
本発明の磁性キャリアは樹脂被覆層を含有する。樹脂被覆層は樹脂Bにより構成され、微粒子Cを含む。
<樹脂B>
樹脂Bとしては、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;スチレン系共重合樹脂、(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン-アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂などの如き樹脂などを用いることができる。
また、樹脂Bとして反応性官能基を有する樹脂を用いてもよい。反応性官能基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基などの公知の官能基を選択することができる。具体的には、カルボキシ基を有する樹脂としてはアクリル酸やメタクリル酸、イタコン酸をモノマーとして重合させた樹脂、ヒドロキシ基を有する樹脂としては3-ヒドロキシメチルアクリル、2-ヒドロキシエチルアクリル酸、2-ヒドロキシプロピルアクリル酸、2-ヒドロキシプロピルメタクリル酸、2-ヒドロキシブチルアクリル酸等からなる樹脂、ビニル基を有する樹脂としてはアクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等、からなる樹脂、エポキシ基を有する樹脂としてはグリシジル酸アクリル酸、アクリル酸ヒドロキシブチルグリシジルエーテル、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランからなる樹脂、アミンを有する樹脂としてはアクリルアミドやメタクリルアミドからなる樹脂が挙げられる。
この中でも、樹脂Bはポリエステル樹脂であることが好ましい。前述の通り、トナー粒子と樹脂Bとの摩擦帯電を抑制するため、後述のトナーの結着樹脂Aとキャリアの樹脂Bは仕事関数差が小さいことが好ましく、例えば同じ樹脂を使うことにより仕事関数差を小さくすることができる。ポリエステル樹脂を用いることでトナー粒子と樹脂Bとの摩擦帯電を抑制させ、飛翔性が向上する。
本発明において、光電子分光装置で測定される、該結着樹脂A、該樹脂Bの仕事関数をそれぞれWA[eV]、WB[eV]としたとき、下記の式(1)を満たす。
|WA-WB|≦0.15 (1)
上記範囲にあることで、トナーと磁性キャリアの静電付着力を低減させ、飛翔性を向上できる。|WA-WB|が0.15を超えると、トナーが帯電され、トナーと磁性キャリアとの静電付着力が大きくなり、飛翔性が低下する。
トナーと磁性キャリアの仕事関数差をさらに小さくすることで、静電付着力をさらに低減させ、飛翔性を向上することができるため、|WA-WB|の値は、好ましくは|WA-WB|≦0.10、より好ましくは|WA-WB|≦0.05である。
<微粒子C>
本発明において、樹脂被覆層は微粒子Cを含む。前述の通り、微粒子Cは適度な帯電能を有し、かつキャリア表面に広く露出しているため、トナーを適度にかつ均一に帯電させる。該微粒子Cは、仕事関数をWC[eV]としたとき、下記の式(2)を満たす。
0.30≦WA-WC≦2.50 (2)
上記範囲にあることで、トナーへの帯電付与性を担保しつつ、トナーの帯電分布が均一化され帯電性及び飛翔性を向上できる。WA-WCが0.30未満だと、仕事関数差が小さいがために発生する電荷が小さくなり、トナーへの帯電付与が困難になる。WA-WCが2.50を超えると、トナーが過剰帯電され、飛翔性が低下する。
適切な帯電量及び高い飛翔性が得られる観点から、WA-WCは好ましくは0.35≦WA-WC≦2.00、より好ましくは0.40≦WA-WC≦1.50である。
また、微粒子Cの仕事関数WC[eV]の範囲は、高い飛翔性を得る観点から、5.00以上5.90以下であることが好ましい。
本発明において、後述の測定方法により測定される微粒子Cの露出率は2.0%以上12.0%以下である。露出率は面積露出率であり、真上から露出した粒子を見た際の粒子の単位面積の総和を、キャリア表面の単位面積で割ったものである。
上記範囲にあることで、トナーへの帯電付与性を担保しつつ、過剰帯電を抑え、帯電性及び飛翔性を向上できる。
露出率が2.0%未満であると、帯電サイト数が不足するため、トナーへの帯電が困難になる。露出率が12.0%を超えると、帯電サイト数が過剰となり、トナーが過剰帯電され、結果飛翔性が低下する。
適切な帯電量及び高い飛翔性が得られる観点から、微粒子Cの露出率は好ましくは3.0%以上11.0%以下、より好ましくは4.0%以上10.0%以下である。
微粒子Cとしては式(2)を満たす材質である必要がある。微粒子Cとしてはシリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。この中でも、シリカを使用することが、トナー帯電分布を均一化でき、飛翔性が向上する観点からより好ましい。
また、微粒子Cの仕事関数は、微粒子Cを表面処理することにより、調整することができる。表面処理の方法としては、カップリング剤を用いた表面処理が挙げられる。
微粒子Cの個数平均粒径は、7nm以上150nm以下であることが好ましい。個数平均粒径が150nmを超えると、微粒子Cがキャリア表面上で局所的に存在するため、トナーが局所帯電し易くなる結果、飛翔性が悪化する。一方で個数平均粒径が7nmに満たないと、粒子が露出した際のトナー粒子と微粒子Cの接触頻度が足りなくなり、帯電付与が困難になる。上述の範囲にあることで、トナーへの帯電を担保しつつ、帯電分布を均一化でき飛翔性が向上する。帯電付与性を担保し、より帯電分布を均一化し飛翔性を向上させるために、微粒子Cの個数平均粒径は10nm以上50nm以下であることがより好ましい。
<その他の添加剤>
さらに、被覆樹脂中に導電性微粒子を含有することも可能である。導電性微粒子は、電子写真用キャリアの比抵抗を適宜コントロールすることができる。被覆樹脂に添加する導電性微粒子の含有量は、被覆樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。導電性微粒子としては、例えばカーボンブラック、銀などが挙げられる。
〔トナー〕
本発明のトナーにはトナー粒子が含まれる。トナーは、必要に応じて無機微粒子を含んでもよい。
<トナー粒子>
本発明のトナー粒子について説明する。トナー粒子には結着樹脂Aが含まれる。トナー粒子は、必要に応じて離型剤、着色剤を含んでもよい。
<結着樹脂A>
本発明のトナー粒子には結着樹脂Aが含まれる。結着樹脂Aは、2種以上の異なる樹脂から構成されても良い。結着樹脂Aとして、下記の重合体などを用いることが可能である。ポリスチレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;スチレン系共重合樹脂、(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン-アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。その中でも、ポリエステル樹脂を主成分としていることが、帯電性および飛翔性の観点から好ましい。
ポリエステル樹脂に用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価もしくは3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価もしくは3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。
ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコールモノマーとしては、以下の多価アルコールモノマーを使用することができる。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
Figure 2024128377000001
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)
式(B)で示されるジオール類;
Figure 2024128377000002
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが用いられる。これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
ポリエステル樹脂に用いられる多価カルボン酸モノマーとしては、以下の多価カルボン酸モノマーを使用することができる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n-ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n-オクテニルコハク酸、n-オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n-ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物又はこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらの2価のカルボン酸等及び3価以上のカルボン酸は、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述のアルコールモノマー及びカルボン酸モノマーを同時に仕込み、エステル化反応またはエステル交換反応、及び縮合反応を経て重合し、ポリエステル樹脂を製造する。また、重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。ポリエステル樹脂の重合に際しては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の重合触媒を用いることができる。特に、本発明の結着樹脂は、スズ系触媒を使用して重合されたポリエステル樹脂がより好ましい。
また、ポリエステル樹脂の酸価は5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であり、水酸基価は20mgKOH/g以上70mgKOH/g以下であることが帯電性及び飛翔性の観点から好ましい。
<離型剤>
本発明におけるトナー粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤としては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらの離型剤の中でも、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスの如き脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。
本発明では、離型剤は、結着樹脂100質量部あたり3質量部以上15質量部以下で使用されることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。
<着色剤>
本発明におけるトナー粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70が挙げられる。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。
これらの着色剤は、単独または混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及びトナーへの分散性の点から選択される。
着色剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
<無機微粒子>
トナーには、流動性を高めることを主の目的として、無機微粒子を含有していてもよく、トナー表面に付着されている形態であることが好ましい。
トナーと磁性キャリアとの離型性を高めるためのスペーサー粒子としての無機微粒子としては、個数分布基準の最大ピーク粒径80nm以上200nm以下のシリカ粒子が好ましい。スペーサー粒子として機能させつつ、トナーからの脱離をより良好に抑制するためには、100nm以上150nm以下であることがより好ましい。
また、トナーの流動性を改善させるためには、個数分布基準の最大ピーク粒径が20nm以上50nm以下の無機微粒子を含有させることが好ましく、前記シリカ粒子と併用することも好ましい形態である。
更に、流動性や転写性の向上を狙って、トナー粒子にその他の外添剤が添加されていてもよい。トナー粒子表面に外添される外添剤は、酸化チタン、酸化アルミナ、シリカの如き無機微粒子を含むことが好ましく、複数の種類を併用しても良い。
前記外添剤の総含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.3質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.8質量部以上4.0質量部以下であることがより好ましい。その中で個数分布基準の最大ピーク粒径80nm以上200nm以下のシリカ粒子の含有量は、0.1質量部以上2.5質量部以下、より好ましくは、0.5質量部以上2.0質量部以下である。この範囲内であれば、スペーサー粒子として効果がより顕著となる。
また、外添剤として用いられるシリカ粒子や無機微粒子の表面は、疎水化処理をされていることが好ましい。疎水化処理は、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤の如きカップリング剤;脂肪酸及びその金属塩;シリコーンオイル;またはそれらの組み合わせによってなされることが好ましい。
チタンカップリング剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート。
また、シランカップリング剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o-メチルフェニルトリメトキシシラン、p-メチルフェニルトリメトキシシラン。
脂肪酸としては、例えば、以下のものが挙げられる。ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸の如き長鎖脂肪酸。それらの脂肪酸金属塩の金属としては、例えば、亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムが挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルが挙げられる。
〔トナーの製造方法〕
トナー粒子の製造方法は特に制限されず、粉砕法、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法、分散重合法などの公知の方法を用いることができる。その中でも、トナー表面のワックスを制御する観点から、粉砕法が好ましい。すなわち、トナー粒子は粉砕トナー粒子であることが好ましい。
以下、粉砕法でのトナー製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、離型剤、着色剤、結晶性ポリエステル、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー(西村機械製作所社製)、V型ミキサー(西村機械製作所社製)、ドラム型ミキサー(エイシン社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)、ナウタミキサ(ホソカワミクロン社製)、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級する。
その後、トナー粒子の表面にシリカ微粒子などの無機微粒子を外添処理してトナーを得る。無機微粒子を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種無機微粒子を所定量配合し、ダブルコン・ミキサー(西村機械製作所社製)、V型ミキサー(西村機械製作所社製)、ドラム型ミキサー(エイシン社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業社製)、ナウタミキサ(ホソカワミクロン社製)、メカノハイブリッド(日本コークス工業社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
〔磁性キャリアの製造方法〕
磁性キャリアは種類により製造方法が異なる。
以下に、一例として多孔質形状の磁性粒子の製造工程を詳細に説明する。
(磁性コア粒子の製造方法)
(工程1)秤量・混合工程:
まず、フェライトの原料を、秤量し、混合する。
フェライトは次の一般式で表される焼結体である。
(M12O)x(M2O)y(Fe23z
(式中、M1は1価、M2は2価の金属であり、x+y+z=1.0とした時、x及びyは、それぞれ0≦(x,y)≦0.8であり、zは、0.2<z<1.0である。)
式中において、M1及びM2としては、Li、Fe、Mn、Mg、Sr、Cu、Zn、Ca、からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を用いることが好ましい。そのほかにもNi、Co、Ba、Y、V、Bi、In、Ta、Zr、B、Mo、Na、Sn、Ti、Cr、Al、Si、希土類なども用いることができる。
フェライト原料としては上述の金属元素の金属粒子、又はその酸化物、水酸化物、シュウ酸塩、炭酸塩などが挙げられる。混合する装置としては、例えば以下のものが挙げられる。ボールミル、遊星ミル、ジオットミル、振動ミル。特にボールミルが混合性の観点から好ましい。具体的には、ボールミル中に、秤量したフェライト原料、ボールを入れ、好ましくは0.1時間以上20.0時間以下、粉砕・混合する。
(工程2)仮焼成工程:
粉砕・混合したフェライト原料を、大気中又は窒素雰囲気下で、好ましくは焼成温度700℃以上1200℃以下の範囲で、好ましくは0.5時間以上5.0時間以下仮焼成し、フェライト化する。焼成には、例えば以下の炉が用いられる。バーナー式焼却炉、ロータリー式焼成炉、電気炉などが挙げられる。
(工程3)粉砕工程:
上記工程2で作製した仮焼フェライトを粉砕機で粉砕する。粉砕機としては、所望の粒径が得られれば特に限定されない。例えば以下のものがあげられる。クラッシャーやハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ジオットミルなどが挙げられる。フェライト粉砕品を所望の粒径にするために、例えば、ボールミルやビーズミルでは用いるボールやビーズの素材、粒径、運転時間を制御することが好ましい。具体的には、仮焼フェライトスラリーの粒径を小さくするためには、比重の重いボールを用いたり、粉砕時間を長くすればよい。また、仮焼フェライトの粒度分布を広くするためには、比重の重いボールやビーズを用い、粉砕時間を短くすることで得ることができる。また、粒径の異なる複数の仮焼フェライトを混合することでも分布の広い仮焼フェライトを得ることができる。また、ボールミルやビーズミルは、乾式より湿式の法が、粉砕品がミルの中で舞い上がることがなく粉砕効率が高い。このため、乾式より湿式の方がより好ましい。
(工程4)造粒工程:
仮焼フェライトの粉砕品に対し、水、バインダーと、必要に応じて、細孔調整剤を加える。細孔調整剤としては、発泡剤や樹脂微粒子が挙げられる。発泡剤として、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸アンモニウムが挙げられる。
上記バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが用いられる。
樹脂微粒子として、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体のようなスチレン共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂;脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール類及びジフェノール類から選択されるモノマーを構造単位として有するポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂の微粒子が挙げられる。
上記工程3において、湿式で粉砕した場合は、フェライトスラリー中に含まれている水も考慮し、バインダーと必要に応じて細孔調整剤を加えることが好ましい。
得られたフェライトスラリーを、噴霧乾燥機を用い、好ましくは100℃以上200℃以下の加温雰囲気下で、乾燥・造粒する。噴霧乾燥機としては、所望の多孔質形状の磁性粒子の粒径が得られれば特に限定されない。例えば、スプレードライヤーが使用できる。
(工程5)本焼成工程:
次に、造粒品を、好ましくは800℃以上1400℃以下で、好ましくは1時間以上24時間以下焼成する。焼成温度を上げ、焼成時間を長くすることで、多孔質形状の磁性粒子の焼成が進み、その結果、細孔径は小さく、かつ、細孔の数も減る。
(工程6)選別工程:
以上の様に焼成した粒子を解砕した後に、必要に応じて、分級や篩で篩分して粗大粒子や微粒子を除去してもよい。
(工程7)充填工程:
多孔質形状の磁性粒子の空隙に、樹脂を充填する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、及び流動床のような塗布方法により多孔質形状の磁性粒子を樹脂溶液に含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。また、樹脂を溶剤に希釈し、これを多孔質形状の磁性粒子の空隙に添加する方法も採用できる。
ここで用いられる溶剤は、樹脂を溶解できるものであればよい。有機溶剤に可溶な樹脂である場合は、有機溶剤として、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノールが挙げられる。また、水溶性の樹脂又はエマルジョンタイプの樹脂である場合には、溶剤として水を用いればよい。
上記樹脂溶液における樹脂固形分の量は、好ましくは1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上30質量%以下である。50質量%以下であると、粘度が高すぎず多孔質形状の磁性粒子の空隙に樹脂溶液が均一に浸透しやすい。一方、1質量%以上であると樹脂量が適量であり、多孔質形状の磁性粒子への樹脂の付着力が良好になる。その後に、磁性コア粒子の表面を樹脂で被覆する方法としては、特に限定されないが、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、乾式法、及び流動床のような塗布方法により被覆する方法が挙げられる。
(被覆樹脂の被覆方法)
磁性コア粒子表面への被覆樹脂の被覆処理の方法については、特に制限されず、公知の方法で行うことができる。例えば、磁性コア粒子と被覆樹脂溶液を撹拌しながら溶剤を揮発させ、磁性コア粒子表面に被覆樹脂を被覆する所謂浸漬法がある。具体的には、万能混合撹拌機(不二パウダル社製)、ナウタミキサ(ホソカワミクロン社製)、真空脱気ニーダー等が挙げられる。また、流動層を形成しながらスプレーノズルから被覆樹脂溶液を吹きつけ、磁性コア粒子表面に被覆樹脂を被覆する方法もある。具体的には、スピラコーター(岡田精工社製)、スパイラフロー(フロイント産業社製)が挙げられる。また、被覆樹脂を粒子の状態で磁性キャリアコアに対して、乾式で被覆を行う方法もある。具体的には、ハイブリダイザー(奈良機械製作所社製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ハイフレックスグラル(深江パウテック製)、シータ・コンポーザ(徳寿工作所社製)等の装置を用いた処理方法を挙げることができる。
〔二成分現像剤の製造方法〕
本発明の二成分現像剤は、トナーと磁性キャリアとを有する二成分現像剤である。
具体的にはトナーと磁性キャリアを混合して製造される。混合には一般的な混合装置を用いることができる。例えば、ダブルコン・ミキサー(西村機械製作所社製)、V型ミキサー(西村機械製作所社製)、ドラム型ミキサー(エイシン社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)、ナウタミキサ(ホソカワミクロン社製)等がある。これらの装置を使用することにより、均一にトナーとキャリアが混合され、補給用現像剤と現像器中の現像剤の混合性が良好になる。
トナーを磁性キャリアと混合する場合、その際のキャリア混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、好ましくは2質量%以上15質量%以下、より好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
〔物性の測定方法〕
次に、トナー及びキャリアの各種物性の測定方法について説明する。
<二成分現像剤の分離>
電界分離式帯電量測定装置(エトワス社製)を使用して、二成分現像剤中のトナーと磁性キャリアを分離する。トナーと磁性キャリアを分離する際、一回に1.5gの二成分現像剤を用いる。スリーブに二成分現像剤をセットし、-4kVの印加電圧を与えながら、1分間、2000rpmにてスリーブ内部の磁石(1000ガウス)を回転させると、円筒(ステンレス製)の内側にトナーのみが飛翔し、スリーブ上に磁性キャリアのみが残る。このトナーと磁性キャリアを採取することで、二成分現像剤からトナーと磁性キャリアを効果的に回収することができる。
<トナーからのトナー粒子の分離>
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)200gを加え、湯せんをしながら溶解させショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブに該ショ糖濃厚液31gと、6mLのコンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を入れ、分散液を作製する。この分散液にトナー1gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。
遠心分離用チューブをシェイカー(「KM Shaker」(model: V.SX);いわき産業社製)にて1分当たり350往復の条件で20分間振盪する。振盪後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて、3500rpm、30分の条件で遠心分離を行う。
遠心分離後のガラスチューブ内においては、最上層には結着樹脂Aを有するトナー粒子が存在し、下層の水溶液側には無機微粒子が存在する。下層の水溶液を採取して、遠心分離を行い、ショ糖と外添剤粒子とを分離する。必要に応じて、遠心分離を繰り返し行い、分離を十分に行った後、分散液を乾燥する。
<磁性キャリアからの樹脂Bと微粒子Cの分離>
磁性キャリアから樹脂Bと微粒子Cを分離する方法としては、1.0gの磁性キャリアをカップに取り、10.0gのトルエンを用いて被覆樹脂を溶解する。
被覆樹脂を溶解した後、磁性コア粒子、樹脂B、微粒子Cを含んだ溶液を、PTFEタイプメンブレンフィルター孔径5.00μm(ADVANTEC社製)を使用してろ過することにより、樹脂Bと微粒子Cを含むろ液が得られる。また、ろ過速度を向上させるために、吸引ろ過を行ってもよい。
上記ろ液中の樹脂Bと微粒子Cは遠心分離により分離する。
遠心分離用チューブ内の溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替え、遠心分離機(H-9R;コクサン社製)にて3500rpm、30minの条件で遠心分離することで、分離液と沈降物が得られる。得られた分離液を乾固させることにより、樹脂Bが得られる。その後、ガラスチューブに残った沈降物にトルエンを添加し、再度遠心分離を行う。その後、液体成分を除去し、ガラスチューブに残った成分を乾固させることにより微粒子Cを得る。この操作により、樹脂Bと微粒子Cとが分離する。
<仕事関数WA、WB、WCの測定方法>
仕事関数WA、WB、WCは、光電子分光装置(AC-3;理研計器社製)を使用して測定する。上記方法により得られた結着樹脂A、樹脂B、微粒子Cの粉体を該測定用ホルダーに広げて載置する。
UV光源:重水素ランプ
照射光量:150nW
スポットサイズ:2×5mm
エネルギー走査範囲:4.0乃至7.0eV
測定時間:10sec/1ポイント
以上の条件より測定を行い、同装置の仕事関数計ソフトを使用して演算処理され得られるものである。仕事関数に関しては、繰り返し精度(標準偏差)0.02eVで測定される。
<微粒子Cの露出率>
本発明の磁性キャリアについて、走査型電子顕微鏡(S-4800;日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、画像を撮影し、露出率を算出した。画像撮影及び露出率の算出は以下の通りに行った。
(試料作製)
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上に微粒子Cを吹きつける。さらにエアブローして、余分な微粒子Cを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(表面観察)
微粒子Cの露出率の算出は、S-4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は2次電子像と比べてチャージアップが少ないため、微粒子Cの露出率を精度良く測定することができる。
所望の倍率(2万~4万倍)においてピントを合わせ、ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。磁性キャリア1粒子に対して写真を1枚撮影し、少なくとも磁性キャリア30粒子以上について画像を得る。
(微粒子Cの露出率測定)
観察した画像を、画像解析ソフトウェア「ImageJ」(アメリカ国立衛生研究所(NIH)製のオープンソースソフトウェア)を用いて二値化する。観察した画像について、「Image-Adjust-Threshold」を選択し、表示されたダイヤログボックスで所望の範囲(1μm×1μm)が可視化できるように閾値を設定し、二値化する。同じ画像を同様の手順で、閾値のみを変更することで、微粒子Cのみが抽出されるようにし、二値化を行う。
二値化した後、磁性キャリア粒子上における、微粒子Cの露出率(単位:面積%)を求める。
上記測定を二値化した画像100枚について行い、微粒子Cの露出率(単位:面積%)の平均値を微粒子Cの露出率とする。
<微粒子Cの一次粒子の個数平均粒径の測定法>
微粒子Cの個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)(JEM2800;日本電子社製)を用いて測定する。
まず、測定サンプルの調整を行う。測定する微粒子約5mgに対し、イソプロパノール1mlを加え、超音波分散機(超音波洗浄機)で5分間分散させる。次に、TEM用の支持膜付きマイクログリッド(150メッシュ)に上記分散液を1滴たらし、乾燥させることで測定サンプルを準備した。
次に、透過型電子顕微鏡(TEM)により、加速電圧200kVの条件のもと、視野中の微粒子が十分に測長できる倍率(例えば200k~1M倍)にて画像を取得し、ランダムに100個の微粒子の粒径を測定して個数平均粒径を求める。粒径の測定は手動、または計測ツールを用いても良い。
<磁性キャリアの体積平均粒径(D50)の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置(マイクロトラックMT3300EX;日機装社製)にて測定を行った。
磁性キャリア、多孔質磁性コアの体積平均粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機(ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac;日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、減圧源として集塵機を用い、風量約33L/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウェア上で自動的に行う。粒径は体積平均の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3-202D)を用いて行う。測定条件は下記のとおりである。
SetZero時間:10秒
測定時間:10秒
測定回数:1回
粒子屈折率:1.81%
粒子形状:非球形
測定上限:1408μm
測定下限:0.243μm
測定環境:温度23℃、相対湿度50%
<トナー粒子中の構成成分の同定方法>
上述の方法で得たトナー粒子に対し、含まれる各材料の溶剤への溶解度差を利用して、トナー粒子から各材料を分離することができる。23℃のテトラヒドロフラン(THF)にトナー粒子を溶解させ乾固させることで、可溶分(結着樹脂A)と不溶分(離型剤、着色剤)を分離する。
結着樹脂Aが2種類以上の樹脂を含む場合、10.0gのTHFに溶解させ、以下の装置を用いて分取する。
(装置構成)
LC-908(日本分析工業社製)
JRS-86(リピートインジェクタ:日本分析工業社製)
JAR-2(オートサンプラー:日本分析工業社製)
FC-201(フラクションコレクタ:ギルソン社製)
(カラム構成)
JAIGEL-1H~5H(20φ×600mm:分取カラム)(日本分析工業社製)
(測定条件)
温度:40℃
溶媒:THF
流量:5mL/min.
検出器:RI(示差屈折)
樹脂の分子量分布に基づき、下記方法で特定した樹脂構成を用いて、樹脂のピーク分子量(Mp)となる溶出時間を予め測定し、その前後で樹脂を分取する。その後溶剤を除去し、乾燥させる。
結着樹脂中のモノマーユニットの含有割合の測定は、1H-NMRにより以下の条件にて行う。
測定装置 :FT NMR装置 JNM-EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料 :測定試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
得られた1H-NMRチャートより、各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークの積分値S1、S2、S3、Snを算出する。
各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は、上記積分値S1、S2、S3及びSnを用いて、以下のようにして求める。なお、n1、n2、n3はそれぞれの部位について着眼したピークが帰属される構成要素における水素の数である。
各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S1/n1)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3)+(Sn/nn))}×100
同様の操作の分子項を変更し、各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの量を算出する。
なお、各種重合性単量体に由来するモノマーユニットに水素原子が含まれない重合性単量体が使用されている場合は、13C-NMRを用いて測定原子核を13Cとし、シングルパルスモードにて測定を行い、1H-NMRにて同様にして算出する。
<酸価の測定方法>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。酸価はJIS K 0070-1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
1.試薬の準備:
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。
炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1M塩酸25mLを三角フラスコに取り、フェノールフタレイン溶液を数滴加え、水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した水酸化カリウム溶液の量から求める。0.1M塩酸は、JIS K 8001-1998に準じて作成されたものを用いる。
2.操作:
(A)本試験
結着樹脂2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を数滴加え、水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
3.酸価の算出:
AV=[(B-AB)×f×5.61]/S
ここで、AV:酸価(mgKOH/g)、A:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、B:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
<キャリア中の樹脂Bと微粒子Cの同定方法>
上記方法で得た樹脂Bと微粒子Cに対し、フーリエ変換赤外分光分析装置(Spectrum One;パーキンエルマー社製)、核磁気共鳴装置(JNM-EX400;日本電子社製),X線回折装置(粉末X線回折装置「SmartLab」;リガク社製)等を用いて同定することができる。
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
1.Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
2.ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
3.発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
4.前記2.のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
5.前記4.のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
6.サンプルスタンド内に設置した前記1.の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記5.の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
7.測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「算術径」が重量平均粒径(D4)である。
[本発明の実施形態に含まれる構成]
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)トナー粒子を含有するトナーと磁性キャリアとを有する二成分現像剤であって、
該トナー粒子は結着樹脂Aを含み、
該磁性キャリアは磁性コア粒子と、該磁性コア粒子の表面を被覆し、微粒子Cを含有する樹脂被覆層とを有し、該樹脂被覆層を構成する樹脂を樹脂Bとし、
光電子分光装置で測定される、該結着樹脂A、該樹脂B、該微粒子Cの仕事関数(eV)をそれぞれWA、WB、WCとしたとき、該WA、該WB、該WCが、下記の式(1)及び式(2)を満たし、
|WA-WB|≦0.15 (1)
0.30≦WA-WC≦2.50 (2)
走査型電子顕微鏡により測定される、該磁性キャリアにおける該微粒子Cの露出率が、2.0%以上12.0%以下であることを特徴とする二成分現像剤。
(構成2)前記微粒子Cの仕事関数WC(eV)の範囲が、5.00以上5.90以下である構成1に記載の二成分現像剤。
(構成3)前記微粒子Cの一次粒子の個数平均粒径が、7nm以上150nm以下の範囲にある構成1または2に記載の二成分現像剤。
(構成4)前記微粒子Cは、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデンから選ばれる微粒子である構成1~3のいずれかに記載の二成分現像剤。
<トナー1の製造例>
・ポリエステル1 90質量部
(組成(モル%)〔ビスフェノールAエチレンオキサイド(2.2モル付加物):ビスフェノールAプロピレンオキサイド(2.2モル付加物):フマル酸:トリメリット酸=10:40:47:3〕、重量平均分子量=52000、酸価=14mgKOH/g)
・パラフィンワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃) 5質量部
・C.I.ピグメントブルー 15:3 5質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型;日本コークス工業社製)を用いて、回転数1500rpm、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM-30型;池貝社製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250;ターボ工業社製)にて微粉砕した。さらにファカルティ(F-300;ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、重量平均粒径(D4)が5.5μmのトナー粒子1を得た。
次に、
トナー粒子1 100質量部
シリカ微粒子A(個数平均粒径(D1)が120nm) 2.0質量部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM-10C型;日本コークス工業社製)を用いて、回転数1900rpm、回転時間3minで混合したのち、表面処理装置(特開2018-151431号公報などに記載の処理装置)によって熱処理を行い熱処理トナー粒子1を得た。運転条件はフィード量=5kg/hrとし、熱風温度=160℃、熱風流量=6m3/min.、冷風温度=-5℃、冷風流量=4m3/min.、ブロワー風量=20m3/min.、インジェクションエア流量=1m3/min.とした。
得られた熱処理トナー粒子1を、慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)を用いて分級し、重量平均粒径(D4)が5.5μmのトナー1を得た。
<トナー2の製造例>
(ポリエステル2のセグメント1の製造例)
・ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2mol)45.5質量部 (34.1mol%)
・ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物(平均付加モル数2.2mol)27.7質量部 (22.7mol%)
・テレフタル酸 26.5質量部 (42.6mol%)
・フマル酸 0.2質量部 (0.5mol%)
十分に加熱乾燥した撹拌装置を備えた反応容器に、上記材料を秤量した。上記混合物100質量部に対し2-エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒)を0.5質量部加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら260℃に昇温し、セグメント1を重合した。
(ポリエステル2のセグメント2の製造例)
・エチレンジオール 20.7質量部(41.2mol%)
・テレフタル酸 79.3質量部 (58.8mol%)
十分に加熱乾燥した撹拌装置を備えた反応容器に、上記材料を秤量した。上記混合物100質量部に対し2-エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒)を0.5質量部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら200℃に昇温し、セグメント2を重合した。
(ポリエステル2の製造例)
ポリエステル2はセグメント1とセグメント2を共重合することにより得られる。
・セグメント1 89.3質量部 (50.0mol%)
・セグメント2 10.7質量部 (50.0mol%)
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を投入した。そして、セグメント総量100質量部に対して、触媒として2-エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒)を0.5質量部添加した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2.5時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した。
・メタクリル酸メチル 0.5部(1.5mol%)
次に、窒素雰囲気下にて撹拌しながら、上記材料を投入した。そして、セグメント総量100質量部に対して、重合開始剤であるジクミルパーオキサイド0.5部の混合物を、160℃で、2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、さらに200℃まで昇温し、反応を行い、軟化点が105℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、ポリエステル2(重量平均分子量=20000、酸価=7)を得た。
ポリエステル1をポリエステル2に変更した以外は、トナー1の製造例と同様にして、重量平均粒径(D4)が5.5μmのトナー2を得た。
<トナー3の製造例>
ポリエステル樹脂1をスチレン-アクリル樹脂1(組成(モル%)〔スチレン:nブチルアクリレート:アクリル酸=76:22:2〕、Mw=51000、酸価=9mgKOH/g)に変更した以外は、トナー1の製造例と同様にして、重量平均粒径(D4)が5.5μmのトナー3を得た。
<磁性コア粒子1の製造例>
(工程1:秤量及び混合工程)
Fe23 68.1質量%
MnCO3 28.6質量%
Mg(OH)2 1.9質量%
SrCO3 1.4質量%
上記フェライト原材料を秤量し、フェライト原材料80質量部に水20質量部を加えて粉砕し、スラリーを調製した。スラリーの固形分濃度は、80質量%とした。
(工程2:仮焼成工程)
得られたスラリーをスプレードライヤー(大川原化工機社製)により乾燥した後、バッチ式電気炉で、窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)、温度1040℃で3.0時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。
(工程3:粉砕工程)
得られた仮焼フェライトをクラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、水を加え、スラリーを調製した。スラリーの固形分濃度を70質量%とした。該スラリーを、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた湿式ボールミルで3時間粉砕し、さらに直径1mmのジルコニアを用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕し、体積基準の50%粒子径(D50)が1.2μmの仮焼フェライトスラリーを得た。
(工程4:造粒工程)
上記仮焼フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール1.5質量部を添加した後、スプレードライヤー(大川原化工機社製)で球状粒子に造粒、乾燥した。得られた造粒物に対して、粒度調整を行った後、ロータリー式電気炉を用いて730℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーなどの有機物を除去した。
(工程5:焼成工程)
窒素雰囲気下(酸素濃度1.0体積%)で、室温から焼成温度(1150℃)になるまでの時間を2時間とし、温度1100℃で4時間保持し、焼成した。その後、8時間をかけて温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
(工程6:選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、目開き150μmの篩で篩分して粗大粒子を除去、風力分級を行い、微粉を除去し、さらに磁力選鉱により低磁力分を除去してフェライト系芯材粒子を得た。得られたフェライト系芯材粒子は、多孔質状で空孔を有していた。
(工程7:充填工程)
得られたフェライト系芯材粒子100質量部を混合撹拌機(ダルトン社製の万能撹拌機NDMV型)の撹拌容器内に入れ、60℃に温度を保ち、2.3kPaまで減圧しながら窒素を導入した。そこにメチルフェニルシリコーンレジン50質量部に対し、トルエン50質量部をマルチブレンダーミキサーで10分間撹拌したものをフェライト系芯材粒子に滴下した。滴下量はフェライト系芯材粒子100質量部対して、樹脂成分の固形分として5.1質量部となるように調整した。
滴下終了後2.5時間そのまま撹拌を続けた後、70℃まで温度を上げ、減圧下で溶剤を除去して、フェライト系芯材粒子の粒子内に上記樹脂組成物を充填した。
冷却後、得られたフェライト系芯材粒子を回転可能な混合容器内に、スパイラル羽根を有する混合機(ドラムミキサーUD-AT型;杉山重工業社製)に移し、窒素雰囲気下で、2℃/分の昇温速度で、撹拌機の設定温度220℃に昇温した。この温度で1.0時間加熱撹拌を行い、樹脂を硬化させ、さらに1.0時間、200℃を保持しながら撹拌を続けた。
その後室温まで冷却し、樹脂が充填、硬化されたフェライト系芯材粒子を取り出し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。さらに、振動篩にて粗大粒子を取り除き樹脂が充填された磁性コア粒子1を得た。磁性コア粒子1の体積分布基準の50%粒径(D50)は、40.1μmであった。
<磁性キャリア1の製造例>
樹脂Bとしてポリエステル樹脂1を16.4質量部、微粒子Cとしてシリカ1を1.6質量部をトルエン30.0質量部へ添加し、撹拌した。さらに撹拌したコート溶液と、磁性コア粒子1を82.0質量部、真空脱気ニーダーに投入した。なお投入量は、磁性キャリアのコート膜厚が500nmになるように、コート溶液の量を調整した。
15分間常温で30rpmで混合を続け、その後100℃、0.10MPaまで昇温減圧して30分間30rpmで混合し溶媒除去及び塗布操作を行った。
その後コート用液の固形成分で被覆された磁性キャリアを、回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(ドラムミキサーUD-AT型;杉山重工業社製)に移す。混合容器を1分間に10回転させて撹拌しながら、窒素雰囲気下に温度120℃で2時間熱処理した。次いで、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口150μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)が39.1μmの磁性キャリア1を得た。
<磁性キャリア2~25の製造方法>
磁性キャリア1の製造方法と同様にして、表1に示される磁性コア粒子、樹脂B、及び微粒子Cの組合せで、磁性キャリア2~25を得た。表2に微粒子Cの特性を示す。
Figure 2024128377000003
Figure 2024128377000004
〔実施例1〕
91.0部の磁性キャリア1と9.0部のトナー1をV型混合機(V-20、セイシン企業社製)により混合し、二成分現像剤1を得た。物性を表3に示す。
〔実施例2~20、比較例1~6〕
二成分現像剤1の製造例において、表3に示すトナーと磁性キャリアの組み合わせで、二成分現像剤2~26を得た。物性を表3に示す。
Figure 2024128377000005
<評価>
以下の評価試験を行い、二成分現像剤を評価した。評価結果を表4に示す。
[帯電性の評価方法]
帯電量(mC/kg)は以下のようにして測定する。
測定は、温度30℃,相対湿度80%環境下で行う。二成分現像剤を50ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ、12時間静置する。次に、振とう機(YS-8D型;ヤヨイ社製)を用いて200rpmで5分間振とうする。次いで、図1に示す摩擦帯電量測定装置において、底に635メッシュのスクリーン3Aのある金属製の測定容器2Aに前記混合物0.15gを入れ、金属製のフタ4Aをする。この時の測定容器2A全体の質量を秤りW1(g)とする。次に吸引機1A(測定容器2Aと接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7Aから吸引し風量調節弁6Aを調節して真空計5Aの圧力を1.5kPaとする。この状態で2分間吸引を行い、現像剤を吸引除去する。この時の電位計9Aの電位をV(ボルト)とする。ここで8Aはコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定機全体の質量を秤りW2(g)とする。サンプルの摩擦帯電量Q(mC/kg)は下式のように計算される。
Q=CV/(W1-W2)
本発明ではC以上を問題ないレベルと判断した。
(評価基準)
A:摩擦帯電量QがQ≦-32mC/kg
B:摩擦帯電量Qが-32mC/kg<Q≦-27mC/kg
C:摩擦帯電量Qが-27mC/kg<Q≦-23mC/kg
D:摩擦帯電量QがQ>-23mC/kg
[飛翔性の評価方法]
トナーの飛翔性(%)は以下のようにして測定する。
測定は電界分離式帯電量測定装置(エトワス社製)を使用して行った。
上記装置は帯電量測定装置だが、測定の過程で内スリーブにコートした二成分現像剤中のトナーを、電界を用いて外スリーブに飛翔させ、その割合を算出することでトナーの飛翔性を評価した。
二成分現像剤1gを印加電圧3kV、時間60sec、内スリーブと外スリーブとのギャップ 3mmという条件下において、トナーと磁性キャリアとを分離する。そして、外スリーブに付着したトナーの質量をt(g)、現像剤の質量をd(g)としたとき、トナーの飛翔性Eは以下の式で算出できる。
飛翔性E=t/d×100 (%)
本発明ではC以上を問題ないレベルと判断した。
(評価基準)
A:飛翔性Eが85%以上
B:飛翔性Eが75%以上85%未満
C:飛翔性Eが65%以上75%未満
D:飛翔性Eが65%未満
Figure 2024128377000006

Claims (4)

  1. トナー粒子を含有するトナーと磁性キャリアとを有する二成分現像剤であって、
    該トナー粒子は結着樹脂Aを含み、
    該磁性キャリアは磁性コア粒子と、該磁性コア粒子の表面を被覆し、微粒子Cを含有する樹脂被覆層とを有し、該樹脂被覆層を構成する樹脂を樹脂Bとし、
    光電子分光装置で測定される、該結着樹脂A、該樹脂B、該微粒子Cの仕事関数(eV)をそれぞれWA、WB、WCとしたとき、該WA、該WB、該WCが、下記の式(1)及び式(2)を満たし、
    |WA-WB|≦0.15 (1)
    0.30≦WA-WC≦2.50 (2)
    走査型電子顕微鏡により測定される、該磁性キャリアにおける該微粒子Cの露出率が、2.0%以上12.0%以下であることを特徴とする二成分現像剤。
  2. 前記微粒子Cの仕事関数WC(eV)の範囲が、5.00以上5.90以下である請求項1に記載の二成分現像剤。
  3. 前記微粒子Cの一次粒子の個数平均粒径が、7nm以上150nm以下の範囲にある請求項1または2に記載の二成分現像剤。
  4. 前記微粒子Cは、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデンから選ばれる微粒子である請求項1または2に記載の二成分現像剤。
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