JP2024073379A - 固形組成物 - Google Patents

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正道 西島
Masamichi Nishijima
佳之 小川
Yoshiyuki Ogawa
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】6-ギンゲロールとイブプロフェンを含有した組成物であって、6-ギンゲロールの安定性が改善された、優れた固形組成物を提供すること。【解決手段】(a)6-ギンゲロール、(b)イブプロフェン、及び(c)ボタンピを含有することを特徴とする固形組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、6-ギンゲロールとイブプロフェンを含有する固形組成物に関する。
6-ギンゲロールは生姜に含まれる辛味成分の一つであり、日本薬局方においてはショウキョウの定量指標成分として定められている(非特許文献1)。6-ギンゲロールには、抗酸化作用等の効果があることが知られている(非特許文献2)。また、6-ギンゲロールには抗炎症作用の効果があることも知られている(非特許文献3)。
イブプロフェンはフェニルプロピオン酸系の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs(non-steroidal anti-inflammatory drugs))の1種であり、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛、急性上気道炎や、手術後・外傷後・抜歯後等の消炎・鎮痛・解熱に有効なものとして知られている。
これまで、ショウキョウ(6-ギンゲロールを含む生薬)及びイブプロフェンはその有効性から配合剤としての検討がなされている(特許文献1及び2)。しかし、イブプロフェンがショウキョウの安定性やショウキョウ中の6-ギンゲロールの安定性に及ぼす影響については言及されておらず、当然ながらその改善方法は全く知られていない。また、これまでカンキョウ(6-ギンゲロールを含む生薬)及びイブプロフェンの配合剤としての検討はなされておらず、当然ながらイブプロフェンがカンキョウの安定性やカンキョウ中の6-ギンゲロールの安定性に及ぼす影響やその改善方法は全く知られていない。
特許6804190 特開平8-333265
第十七改正日本薬局方解説書 廣川書店 2016年 日本調理科学会誌 Vol. 48,No. 6,398-404(2015) RC Lantz、GJ Chen、M Sarihan、AM Solyom、SD Jolad、BN Timmermann、The effect of extracts from ginger rhizome on inflammatory mediator production、Phytomedicine(2007)123-8
本発明者らは、イブプロフェン、及び6-ギンゲロールを含有する固形組成物を製造したところ、6-ギンゲロールの含量が経時的に低下するという知見を得た。また、上記成分にシャクヤクを含有させると、6-ギンゲロールの経時的な含量低下がより顕著になるという知見を得た。
本発明は、前記背景、事情に鑑みなされたもので、6-ギンゲロールとイブプロフェンを含有した組成物であって、6-ギンゲロールの安定性が改善された固形組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、イブプロフェン及び6-ギンゲロールを配合した組成物、又はさらにシャクヤクを配合した組成物にボタンピを含有させると、6-ギンゲロールの含量低下が抑えられ、6-ギンゲロールの安定性が改善された組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は
(1)(a)6-ギンゲロール、(b)イブプロフェン、及び(c)ボタンピを含有することを特徴とする固形組成物、
(2)(a)6-ギンゲロールが、ショウキョウ又はカンキョウに由来する(1)に記載の固形組成物、
(3)さらに、(d)シャクヤクを含有する(1)又は(2)に記載の固形組成物、
(4)錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、丸剤、又はカプセル剤である(1)~(3)のいずれかに記載の固形組成物、
(5)(a)6-ギンゲロール、及び(b)イブプロフェンを含有する固形組成物において、(c)ボタンピを配合することによって、6-ギンゲロールの安定性を改善する方法、
(6)(a)6-ギンゲロール、(b)イブプロフェン、及び(d)シャクヤクを含有する固形組成物において、(c)ボタンピを配合することによって6-ギンゲロールの安定性を改善する方法、
(7)(a’)6-ギンゲロールを含む生薬、(b)イブプロフェン、及び(c)ボタンピを含有することを特徴とする固形組成物、
(8)(a’)6-ギンゲロールを含む生薬が、ショウキョウ及びカンキョウからなる群から選ばれる少なくとも1種である(7)に記載の固形組成物、
(9)さらに、(d)シャクヤクを含有する(7)又は(8)に記載の固形組成物、
(10)錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、丸剤、又はカプセル剤である(7)~(9)のいずれかに記載の固形組成物、
(11)(a’)6-ギンゲロールを含む生薬及び(b)イブプロフェンを含有する固形組成物において、(c)ボタンピを配合することによって、6-ギンゲロールの安定性を改善する方法、
(12)(a’)6-ギンゲロールを含む生薬、(b)イブプロフェン、及び(d)シャクヤクを含有する固形組成物において、(c)ボタンピを配合することによって6-ギンゲロールの安定性を改善する方法、
である。
本発明により、6-ギンゲロールの含量低下を抑制したイブプロフェン含有固形組成物の提供が可能となった。
本発明に用いられるイブプロフェンは、化学名(RS)-2-(4-Isobutylphenyl)propanoic acidで示される化合物であり、抗炎症作用や解熱鎮痛作用を有している公知化合物である。このようなイブプロフェンは公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
本発明の固形組成物中におけるイブプロフェンの含有量は、その薬効を示す量であれば特に限定されないが、好ましくは0.01~80質量%、より好ましくは0.1~70質量%、さらに好ましくは1~60質量%、特に好ましくは10~40質量%である。
6-ギンゲロールは化学名(S)-5-Hydroxy-1-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)-3-decanoneで示される化合物である。本発明で用いられる6-ギンゲロールの由来は特に限定されず、例えば、6-ギンゲロールを含む生薬(以下、「(a’)6-ギンゲロールを含む生薬」とも言う)を用いることができ、当該生薬は医薬品として使用可能なものであれば特に限定されない。6-ギンゲロールが由来する生薬として、好ましくはショウキョウ又はカンキョウである。
ショウキョウはショウガ科のショウガ(Zingiber officinale Roscoe)の根茎で、ときに周皮を除いたものであり、このようなショウキョウとしては、第18改正日本薬局方に掲載されているものを使用することができる他、それ以外のショウキョウも使用することができる。カンキョウはショウガ科のショウガ(Zingiber officinale Roscoe)の根茎を湯通し又は蒸したものであり、このようなカンキョウとしては、第18改正日本薬局方に掲載されているものを使用することができる他、それ以外のカンキョウも使用することができる。ショウキョウ又はカンキョウは、薬効を損なわない限り、どのような形態でも使用でき、生薬末又は抽出成分の形態も、通常の市販品又はその加工品を使用することができる。生薬末としては、例えば、乾燥刻み加工品をさらに細かく粉砕した粉末状(微粉末状)の乾燥末として使用可能であり、日本薬局方ショウキョウ末(日本粉末薬品株式会社)などが挙げられる。また、生薬からの抽出成分の形態も特に制限されるものではなく、例えば、乾燥エキス、エキス末、軟エキス、流エキス、エタノール又はエタノールと水を含むチンキなどいずれの形態でも使用できる。前記形態の内、好ましくは乾燥末、乾燥エキス、エキス末であり、より好ましくは乾燥末、エキス末である。
本発明の固形組成物中の6-ギンゲロール含有量は、組成物全量に対して、好ましくは0.00001~10質量%、より好ましくは0.0001~5質量%、さらに好ましくは0.0005~1質量%、特に好ましくは0.001~0.5質量%である。
本発明の固形組成物中の(a’)6-ギンゲロールを含む生薬の配合量は、組成物全量に対して原生薬換算量で、好ましくは0.01~50質量%、より好ましくは0.1~30質量%、さらに好ましくは0.5~20質量%、特に好ましくは1~10質量%である。
ボタンピは、古来単味又は漢方方剤として薬用に用いられてきたものであり、このようなボタンピとしては、第18改正日本薬局方に掲載されているものを使用することができる他、それ以外のボタンピも使用することができる。生薬末又は抽出成分の形態も、通常の市販品又はその加工品を使用することができる。生薬末としては、例えば、乾燥刻み加工品をさらに細かく粉砕した粉末状(微粉末状)の乾燥末として使用が可能であり、日本薬局方ボタンピ末(日本粉末薬品株式会社、松浦薬業株式会社)などが挙げられる。また、生薬からの抽出成分の形態も特に制限されるものではなく、例えば乾燥エキス、エキス末、軟エキス、流エキス、エタノール又はエタノールと水を含むチンキなどいずれの形態でも使用できる。前記形態の内、好ましくは乾燥末、乾燥エキス、エキス末であり、より好ましくは乾燥末、エキス末である。
本発明の固形組成物中のボタンピの配合量は、組成物全量に対して原生薬換算量で、好ましくは0.01~50質量%、より好ましくは0.1~40質量%、さらに好ましくは0.5~30質量%、特に好ましくは1~20質量%である。
シャクヤクは芍薬(Paeonia lactiflora Pallas)の根である。このようなシャクヤクとしては、第18改正日本薬局方に掲載されているものを使用することができる他、それ以外のシャクヤクも使用することができる。生薬末又は抽出成分の形態も、通常の市販品又はその加工品を使用することができる。生薬末としては、例えば、乾燥刻み加工品をさらに細かく粉砕した粉末状(微粉末状)の乾燥末として使用が可能であり、日本薬局方シャクヤク末(日本粉末薬品株式会社)などが挙げられる。また、生薬からの抽出成分の形態も特に制限されるものではなく、例えば乾燥エキス、エキス末、軟エキス、流エキス、エタノール又はエタノールと水を含むチンキなどいずれの形態でも使用できるが。前記形態の内、好ましくは乾燥末、乾燥エキス、エキス末であり、より好ましくは乾燥末、エキス末である。
本発明の固形組成物中のシャクヤクの配合量は、組成物全量に対して原生薬換算量で、好ましくは0.1~50質量%、より好ましくは1~40質量%、さらに好ましくは3~30質量%、特に好ましくは5~20質量%である。
(a)6-ギンゲロールと(b)イブプロフェンの配合比は、特に限定されないが、(b)イブプロフェン1質量部に対し、(a)6-ギンゲロールが好ましくは0.0000001~5質量部、より好ましくは0.0000005~1質量部、さらに好ましくは0.000001~0.1質量部、特に好ましくは0.00005~0.03質量部である。
(a’)6-ギンゲロールを含む生薬と(b)イブプロフェンの配合比は、特に限定されないが、(b)イブプロフェン1質量部に対し、(a’)6-ギンゲロールを含む生薬が原生薬換算量として、好ましくは0.0001~20質量部、より好ましくは0.001~10質量部、さらに好ましくは0.01~5質量部、特に好ましくは0.1~1質量部である。
(b)イブプロフェンと(c)ボタンピの配合比は、特に限定されないが、(b)イブプロフェン1質量部に対し、(c)ボタンピが原生薬換算量として、好ましくは0.001~50質量部、より好ましくは0.01~30質量部、さらに好ましくは0.1~10質量部、特に好ましくは1~5質量部である。
(a)6-ギンゲロールと(c)ボタンピの配合比は、特に限定されないが、(a)6-ギンゲロール1質量部に対し、(c)ボタンピが原生薬換算量として、好ましくは、1~5000質量部、より好ましくは5~4000質量部、さらに好ましくは10~3000質量部、特に好ましくは20~2000質量部である。
(a’)6-ギンゲロールを含む生薬と(c)ボタンピの配合比は、特に限定されないが、(a’)6-ギンゲロールを含む生薬の原生薬換算量1質量部に対し、(c)ボタンピが原生薬換算量として、好ましくは、0.005~50質量部、より好ましくは0.01~30質量部、さらに好ましくは0.1~10質量部、特に好ましくは1~5質量部である。
(b)イブプロフェンと(d)シャクヤクの配合比は、特に限定されないが、(b)イブプロフェン1質量部に対し、(d)シャクヤクが原生薬換算量として、好ましくは0.005~30質量部、より好ましくは0.01~10質量部、さらに好ましくは0.05~5質量部、特に好ましくは0.1~1質量部である。
(d)シャクヤクと(c)ボタンピの配合比は、特に限定されないが、(d)シャクヤクの原生薬換算量1質量部に対し、(c)ボタンピが原生薬換算量として、好ましくは、0.005~30質量部、より好ましくは0.01~10質量部、さらに好ましくは0.05~5質量部、特に好ましくは0.1~1質量部である。
(a)6-ギンゲロールと(d)シャクヤクの配合比は、特に限定されないが、(a)6-ギンゲロール1質量部に対し、(d)シャクヤクが原生薬換算量として、好ましくは、0.00001~80質量部、より好ましくは0.0001~50質量部、さらに好ましくは0.0005~30質量部、特に好ましくは0.001~20質量部である。
(a’)6-ギンゲロールを含む生薬と(d)シャクヤクの配合比は、特に限定されないが、(a)6-ギンゲロールを含む生薬の原生薬換算量1質量部に対し、(d)シャクヤクが原生薬換算量として、好ましくは、0.005~50質量部、より好ましくは0.01~30質量部、さらに好ましくは0.1~10質量部、特に好ましくは1~5質量部である。
(a)6-ギンゲロールと、(b)イブプロフェン及び(d)シャクヤクの合計量との配合比は、特に限定されないが、(a)6-ギンゲロール1質量部に対し、(b)イブプロフェン及び(d)シャクヤクの合計量として、好ましくは1~30000質量部、より好ましくは5~20000質量部、さらに好ましくは10~10000質量部、特に好ましくは60~9000質量部である。
(a’)6-ギンゲロールを含む生薬と、(b)イブプロフェン及び(d)シャクヤクの合計量との配合比は、特に限定されないが、(a’)6-ギンゲロールを含む生薬の原生薬換算量1質量部に対し、(b)イブプロフェン及び(d)シャクヤクの合計量として、好ましくは1~500質量部、より好ましくは5~300質量部、さらに好ましくは10~200質量部、特に好ましくは50~100質量部である。
(b)イブプロフェン及び(d)シャクヤクの合計量と(c)ボタンピとの配合比は、特に限定されないが、(c)ボタンピの原生薬換算量1質量部に対し、(b)イブプロフェン及び(d)シャクヤクの合計量として、好ましくは1~500質量部、より好ましくは5~300質量部、さらに好ましくは10~200質量部、特に好ましくは50~100質量部である。
本発明の固形組成物中には本発明の効果を損なわない質的、量的範囲で、通常用いられる他の有効成分、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、清涼化剤、着色剤、矯味矯臭剤、香料、コーティング剤などを配合することができる。
本発明の固形組成物に配合できる他の有効成分としては、例えば、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、ノスカピン類、気管支拡張剤、去痰剤、催眠鎮静剤、ビタミン類、抗炎症剤、胃粘膜保護剤、生薬類、漢方処方、カフェイン類等があげられ、これらからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有しても良い。
本発明の固形組成物に配合できる賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン類、結晶セルロース、ショ糖、糖アルコール等が挙げられ、崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、アルファー化デンプン等が挙げられ、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、プルラン等が挙げられ、流動化剤としては、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等が挙げられ、滑沢剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられ、清涼化剤としては、メントール、ハッカ油、ユーカリ油等が挙げられる。
本発明の固形組成物は、常法により製造することができ、その方法は特に限定されるものではない。
以下、(a)6-ギンゲロール(以下、(a)成分ともいう)又は(a’)6-ギンゲロールを含む生薬(以下、(a’)成分ともいう)を(A)成分とも表記する
例えば、(A)成分、(b)イブプロフェン(以下、(b)成分ともいう)、(c)ボタンピ(以下、(c)成分ともいう)を単に混合するだけでも良く、混合後に造粒しても良く、得られた造粒物を被覆してもよい。また、(A)成分、(b)成分又は(c)成分は必ずしも同一の造粒物に含まれている必要はない。 例えば、(A)成分と(c)成分を含有する造粒物を製造後に、(b)成分を混合する、あるいは、(A)成分と(b)成分を含有する造粒物を製造後に、(c)成分を混合する、あるいは、(A)成分と(c)成分を含有する造粒物と、(b)成分と(c)成分を含有する造粒物を製造後、2つの造粒物を混合する、等である。
また、(d)シャクヤク(以下、(d)成分ともいう)を配合する場合も、上記(A)成分、(b)成分、(c)成分を含有する組成物の製造方法と同様であり、例えば、単に、(A)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分を混合するだけでも良く、混合後に造粒や被覆等しても良い。
造粒方法も特に限定されず、湿式造粒法、乾式造粒法又は溶融造粒法などにより製造できるが、好ましくは湿式造粒法である。湿式造粒法には、例えば撹拌造粒法、流動層造粒法、練合造粒法、押し出し造粒法、転動流動造粒法が挙げられる。また得られた造粒物に適宜上記有効成分や賦形剤などの慣用の製剤添加剤を配合してもよい。また、このようにして得た混合物を打錠して錠剤とすることもできる。錠剤を製造する場合は、直接打錠法により製造してもよい。
一実施形態においては、(A)成分と(b)成分のように、相互作用を有する成分を安定に配合するために、直接接触させない技術である例えば別顆粒法やコーティング技術などの製造技術を用いなくても、これら有効成分を安定に配合することが可能である。
一実施形態においては、本発明の医薬組成物は、その製剤の構造が簡単であり、且つ、製造に時間と手間がかからない、優れた医薬組成物として提供できるものである。
本発明の固形組成物は、通常、日本薬局方の製剤通則に規定されている剤形であれば特に限定されないが、好ましくは錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤である。日本薬局方の製剤通則に規定されている錠剤には、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠及び溶解錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、有核錠、積層錠などが含まれる。また、錠剤に割線や識別性向上のためのマーク、刻印を設けることができる。さらに、本製剤の錠剤は、丸錠であってもよいし、異型錠であってもよい。
以下に実施例、対照例及び比較例を挙げ、本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。
(対照例1、比較例1及び2、実施例1及び2)
表1に示す配合量に従い、ショウキョウ末(日本粉末薬品株式会社製)、イブプロフェン(Solara Active社製)、シャクヤク末(日本粉末薬品株式会社製)、ボタンピ末(松浦薬業株式会社製)及び乳糖水和物(FONTERRA社製)を秤取、混合し調製物を得た。なお、ショウキョウ末100質量部中、6-ギンゲロールが0.51質量部含まれるショウキョウ末を使用した。
(試験例1)
対照例1、比較例1及び2、実施例1及び2の調製物を65℃条件下で1日間保存した。保存後の固形組成物について、それぞれ組成物中の6-ギンゲロール含量を測定し残存率(65℃、1日間保存前を100%とした理論仕込み量に対する残存率)(%)を求め、各実施例、比較例について、対照例1のギンゲロール残存率に対する比率(%)を算出した。結果を表1に示した。
表1に示すように、比較例1において6-ギンゲロールの含量が低下した。また、比較例2では比較例1よりも6-ギンゲロールの含量が低下した。一方、実施例1では、比較例1と比較して6-ギンゲロールの含量低下を抑制することができ、実施例2では、比較例2と比較して6-ギンゲロールの含量低下を抑制することができた。
以上より、ショウキョウ(6-ギンゲロールを含む生薬)及びイブプロフェン配合組成物、又はさらにシャクヤク配合組成物において、ボタンピを配合することにより、6-ギンゲロールの安定性が高まった組成物を製造することができた。
(比較例3、実施例3)
表2に示す配合量に従い、ショウキョウ末(日本粉末薬品株式会社製)、イブプロフェン(SHASUN社製)、ボタンピ末(日本粉末薬品株式会社製)及び乳糖水和物(FONTERRA社製)を秤取、混合し調製物を得た。なお、ショウキョウ末100質量部中、6-ギンゲロールが0.51質量部含まれるショウキョウ末を使用した。
(試験例2)
対照例1、比較例3、実施例3の調製物を65℃条件下で1日間保存した。保存後の固形組成物について、それぞれ組成物中の6-ギンゲロール含量を測定し残存率(65℃、1日間保存前を100%とした理論仕込み量に対する残存率)(%)を求め、各実施例、比較例について、対照例1のギンゲロール残存率に対する比率(%)を算出した。結果を表2に示した。
表2に示すように、比較例3において6-ギンゲロールの含量が低下した。一方、実施例3では、比較例3と比較して6-ギンゲロールの含量低下を抑制することができた。
以上より、ショウキョウ(6-ギンゲロールを含む生薬)及びイブプロフェン配合組成物において、ボタンピを配合することにより、6-ギンゲロールの安定性が高まった組成物を製造することができた。
(対照例2、比較例4、実施例4)
表3に示す配合量に従い、カンキョウ末(アルプス薬品工業株式会社製)、イブプロフェン(SHASUN社製)、ボタンピ末(日本粉末薬品株式会社製)及び乳糖水和物(FONTERRA社製)を秤取、混合し調製物を得た。なお、カンキョウ末100質量部中、6-ギンゲロールが0.08質量部含まれるカンキョウ末を使用した。
(試験例3)
対照例2、比較例4、実施例4の調製物を65℃条件下で1日間保存した。保存後の固形組成物について、それぞれ組成物中の6-ギンゲロール含量を測定し残存率(65℃、1日間保存前を100%とした理論仕込み量に対する残存率)(%)を求め、各実施例、比較例について、対照例2のギンゲロール残存率に対する比率(%)を算出した。結果を表3に示した。
表3に示すように、比較例4において6-ギンゲロールの含量が低下した。一方、実施例4では、比較例4と比較して6-ギンゲロールの含量低下を抑制することができた。
以上より、カンキョウ(6-ギンゲロールを含む生薬)及びイブプロフェン配合組成物において、ボタンピを配合することにより、6-ギンゲロールの安定性が高まった組成物を製造することができた。
(対照例3、比較例5及び6、実施例5及び6)
表4に示す配合量に従い、6-ギンゲロール(富士フイルム和光純薬株式会社製)、イブプロフェン(SHASUN社製)、シャクヤク末(日本粉末薬品株式会社製)、ボタンピ末(日本粉末薬品株式会社製)及び乳糖水和物(FONTERRA社製)を秤取、混合し調製物を得た。
(試験例4)
対照例3、比較例5及び6、実施例5及び6の調製物を65℃条件下で1日間保存した。保存後の固形組成物について、それぞれ組成物中の6-ギンゲロール含量を測定し残存率(65℃、1日間保存前を100%とした理論仕込み量に対する残存率)(%)を求め、各実施例、比較例について、対照例3のギンゲロール残存率に対する比率(%)を算出した。結果を表4に示した。
表4に示すように、比較例5において6-ギンゲロールの含量が低下した。また、比較例6では比較例5よりも6-ギンゲロールの含量が低下した。一方、実施例5では、比較例5と比較して6-ギンゲロールの含量低下を抑制することができ、実施例6では、比較例6と比較して6-ギンゲロールの含量低下を抑制することができた。
以上より、6-ギンゲロール及びイブプロフェン配合組成物、又はさらにシャクヤク配合組成物において、ボタンピを配合することにより、6-ギンゲロールの安定性が高まった組成物を製造することができた。
本発明により、6-ギンゲロールや6-ギンゲロールを含む生薬、及びイブプロフェンを含有し、6-ギンゲロールの安定性に優れた固形組成物の提供が可能となった。

Claims (6)

  1. (a)6-ギンゲロール、(b)イブプロフェン、及び(c)ボタンピを含有することを特徴とする固形組成物。
  2. (a)6-ギンゲロールが、ショウキョウ又はカンキョウに由来する請求項1に記載の固形組成物。
  3. さらに、(d)シャクヤクを含有する請求項1又は2に記載の固形組成物。
  4. 錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、丸剤、又はカプセル剤である請求項1又は2に記載の固形組成物。
  5. (a)6-ギンゲロール、及び(b)イブプロフェンを含有する固形組成物において、(c)ボタンピを配合することによって6-ギンゲロールの安定性を改善する方法。
  6. (a)6-ギンゲロール、(b)イブプロフェン、及び(d)シャクヤクを含有する固形組成物において、(c)ボタンピを配合することによって6-ギンゲロールの安定性を改善する方法。
JP2023191903A 2022-11-17 2023-11-10 固形組成物 Pending JP2024073379A (ja)

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