JP6822034B2 - 安定性及び速効性の高いイブプロフェン含有固形製剤 - Google Patents

安定性及び速効性の高いイブプロフェン含有固形製剤 Download PDF

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Description

本発明は、固形製剤の分野に関し、詳しくは、有効成分としてイブプロフェン及びエテンザミドを含有する固形製剤に関する。
イブプロフェンはプロピオン酸系の非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)である。イブプロフェンは全ての非選択性NSAIDsの中で最も胃腸障害が少ないことが知られており、医療用医薬品だけでなく一般用医薬品の解熱鎮痛薬の有効成分として広く利用されている。 一方、エテンザミドはサリチル酸系の非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)として解熱鎮痛薬や総合感冒薬に汎用されている。
イブプロフェンは低融点(融点75〜77℃)の薬物であり、さらに種々の薬物や賦形剤と配合すると高温条件下において融点降下を生じることが知られている。特に解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、消化薬と配合すると溶融や湿潤化といった外観変化を認めるものが多い(非特許文献1参照)。 特にイブプロフェンとエテンザミドの混合物では大幅な融点降下を生じることが知られており、これらを含む製剤では高温条件下において薬物の融解に伴う製剤の湿潤や固結、斑点の発生や色調変化、ビンの曇りといった商品性を著しく低下させる懸念があることが報告されている(特許文献1参照)。
今まで、イブプロフェン及びエテンザミドを配合した錠剤を製造する場合、これらを異なる層に配合し、二重錠や多層錠として提供すれば、これら成分が同一の製剤中に配合されていても、直接の接触を回避してイブプロフェンの融点降下を防止することが可能であった(非特許文献2参照)。
また、イブプロフェンとエテンザミドを含有する顆粒を製造する場合は、単にこれらを異なる造粒物に配合しただけでは相互作用を充分に抑制することができなかった。これに対し、常套手段としてはイブプロフェンとエテンザミドを異なる造粒物に配合した後、少なくともその何れかをフィルムコーティングすることが考えられる(特許文献2〜3)。また、同一造粒物に配合する方法として、イブプロフェン含有層とエテンザミド含有層の間にヒプロメロースを含む中間層を配し、融点降下を抑制したレイヤリング粒子が報告されている(特許文献4)。
一方、イブプロフェンと酸化マグネシウムにさらに膨潤剤を加え押出造粒することで製剤の外観変化を抑制する手法が報告されている(特許文献5)。さらに関連して酸化マグネシウムをイブプロフェンの吸収速度促進剤に活用する手法が報告されている(特許文献6)。
しかし、これら二重錠や多層錠は層間剥離などの打錠障害の問題や、製造面においても専用の設備が必要であり、また造粒物の被覆やレイヤリング粒子の製造はコストの増大、製造の複雑化に繋がり易いという問題がある(特許文献1、7)。一方、酸化マグネシウムをイブプロフェンの吸収速度促進剤に活用する手法ではイブプロフェンの半量以上の添加が必要とされるが、酸化マグネシウムは打錠時の黒ずみの要因となり易く、多量の添加は避けることが望ましい。また膨潤剤で安定化する手法にはイブプロフェンとエテンザミドに関する課題を述べられておらず、また膨潤剤とその他多量の賦形剤を要するため服用コンプライアンに課題がある。
このように、イブプロフェン及びエテンザミドを含有する固形製剤における安定性及び即効性の確保については未だ改善の余地がある。
WO2014/017507号 特許3713722号 特許第4853818号 特開2014−141469号公報 特許5490347号 特許5519890号 特許第3796562号
第十六改正日本薬局方解説書 医薬品各条、広川書店、C-576〜C-577 粉体工学会 製剤と粒子設計部会編「すぐに役立つ粒子設計・加工技術」じほう、P288-291
本発明は、イブプロフェン及びエテンザミドを含有する固形製剤において、高温保存時におけるイブプロフェンとエテンザミドとの相互作用による製剤の湿潤を抑制し、製剤の外観変化が抑制され、かつ製剤の崩壊性及び溶出性に優れた固形製剤を提供することを課題とする。
そこで、本発明者らは、このような事情を鑑み鋭意検討した結果、イブプロフェンとエテンザミドを含有する固形製剤に特定の制酸剤を配合すると、驚くべきことに製剤の湿潤が抑制し、外観変化が抑制されることを見出した。さらに、イブプロフェンとエテンザミドの比率を特定の範囲とすることで、製剤の速やかな崩壊性と薬物の優れた溶出性も確保された固形製剤が得られることを見出した。
かかる知見により得られた本発明の様態は次のとおりである。
(1)(a)イブプロフェン、(b)エテンザミド、及び(c)酸化マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、及び水酸化アルミナ・マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の制酸剤を含有することを特徴とする固形製剤、
(2)(a)イブプロフェン、及び(b)エテンザミドを同時配合かつ共存させたことを特徴とする、(1)に記載の固形製剤、
(3)(a)イブプロフェンと(b)エテンザミドを別々の造粒物中に配合し、これら造粒物を同時配合かつ共存させたことを特徴とする、(1)に記載の固形製剤、
(4)酸化マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、及び水酸化アルミナ・マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の制酸剤がイブプロフェン含有造粒粒子に含まれる、(3)に記載の固形製剤、
(5)カプセル剤、丸剤、顆粒剤、錠剤、または散剤である(1)〜(4)のいずれかに記載の固形製剤、
(6)錠剤が単層錠である、(5)に記載の固形製剤、
(7)エテンザミドの含有量が、イブプロフェン1質量部に対して2質量部以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の固形製剤、
である。
本発明により、イブプロフェンとエテンザミドを含有する固形製剤において、高温保存時の製剤の湿潤・溶融が抑えられ、安定性の高い製剤を提供することが可能となった。また、製剤の崩壊性及び薬物の溶出性に優れることから、薬物の速効性が高い製剤を提供することが可能となった。
本発明の固形製剤は、(a)イブプロフェン、(b)エテンザミド、及び(c)酸化マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム又は水酸化アルミナ・マグネシウムから選ばれる1種以上を含有する。これら3種の成分が配合されていることにより、イブプロフェンとエテンザミドを混合した際の湿潤、及びそれに伴う製剤の外観変化を抑制できる。
本発明の固形製剤に用いられるイブプロフェンは、日本薬局方に準拠したイブプロフェンであり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明の固形製剤中に含まれるイブプロフェンの割合は、固形製剤全体に対してイブプロフェンとして10〜80質量%、好ましくは15〜60質量%である。本発明のイブプロフェンは原末のまま配合してもよいが、本発明の効果の点から、造粒粒子として配合するのが好ましい。イブプロフェン含有造粒粒子には、造粒粒子を製造する際に通常使用される賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤などを配合することができる。
イブプロフェン含有造粒粒子は、公知の製造方法にて製造することができる。造粒方法としては、例えば湿式造粒法、直接打錠法、乾式造粒法もしくは溶融造粒法などが挙げられるが、特に湿式造粒法が好ましい。これらは一般的な製剤機器を用いて一般的な方法で製剤化を行うことができる。
本発明の固形製剤に用いられるエテンザミドは、日本薬局方に準拠したエテンザミドであり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明の固形製剤中に含まれるエテンザミドの割合は、固形製剤全体に対してエテンザミドとして5〜70質量%、好ましくは10〜60質量%である。本発明のエテンザミドは原末のまま配合してもよいが、本発明の効果の点から、造粒粒子として配合するのが好ましい。エテンザミド含有造粒粒子には、造粒粒子を製造する際に通常使用される賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤などを配合することができる。
また、本発明のイブプロフェンとエテンザミドの配合比は、イブプロフェン1質量部に対し、エテンザミドを0.1〜10質量部が好ましく、特に好ましくは0.42〜5質量部である。本発明では、エテンザミドの配合割合をイブプロフェン1質量に対して2質量部以上とすると、製剤の崩壊性及び薬物の溶出性も向上出来るため、本発明においてはこの配合割合がより好ましい。
本発明の「同時配合かつ共存させた」とは、イブプロフェンとエテンザミド、又はイブプロフェンを含む造粒物とエテンザミドを含む造粒物とが物理的/又は化学的に隔離されることなく混在している状態のことである。ただし、イブプロフェンとエテンザミド以外の成分の配合を排除するものではなく、他の成分の共存は許容される。
本発明の固形製剤に用いられる酸化マグネシウムは、日本薬局方に準拠した酸化マグネシウムであり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明の固形製剤中に含まれる酸化マグネシウムの割合は、固形製剤全体に対して酸化マグネシウムとして1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%である。
本発明の固形製剤に用いられる合成ケイ酸アルミニウムは、日本薬局方に準拠した合成ケイ酸アルミニウムであり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明の固形製剤中に含まれる合成ケイ酸アルミニウムの割合は、固形製剤全体に対して合成ケイ酸アルミニウムとして10〜60質量%、好ましくは20〜50質量%である。
本発明の固形製剤に用いられる水酸化アルミナ・マグネシウムは、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明の固形製剤中に含まれる水酸化アルミナ・マグネシウムの割合は、固形製剤全体に対して水酸化アルミナ・マグネシウムとして10〜60質量%、好ましくは25〜50質量%である。
本発明の酸化マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミナ・マグネシウムは原末のまま配合してもよい。これらはイブプロフェンとエテンザミドと共に混合してもよく、イブプロフェン含有造粒物、エテンザミド含有造粒物、又はイブプロフェンとエテンザミド含有する造粒物中に配合してもよく、造粒物の外に配合してもよい。本発明の効果の点から、これらはイブプロフェン造粒粒子中に配合するのが特に好ましい。
本発明の固形製剤には、本発明の効果を損なわない質的、量的範囲で、イブプロフェン、エテンザミド、制酸剤以外の他の有効成分、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、甘味剤、香料などを配合することができる。他の有効成分としては、アセトアミノフェン、アスピリンまたはその塩、イソプロピルアンチピリン、ロキソプロフェンナトリウム等の解熱鎮痛剤、クロルフェニラミンマレイン酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、クレマスチンフマル酸塩、メキタジン等の抗ヒスタミン剤、チペピジンヒベンズ酸塩、クロペラスチン塩酸塩、コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジメモルファンリン酸塩、ノスカピン等の鎮咳剤、dl−メチルエフェドリン塩酸塩等の気管支拡張剤、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、ブロムヘキシン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩、L-カルボシステイン等の去痰剤、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロモバレリル尿素等の催眠鎮静剤、ビタミン類、トラネキサム酸、グリチルリチン酸及びその塩類等の抗炎症剤、グリシン、合成ケイ酸アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル等の胃粘膜保護剤、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ショウキョウ等の生薬類、葛根湯、麻黄湯、麦門冬湯、小青竜湯等の漢方処方、無水カフェイン等のカフェイン類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を配合しても良い。賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン類、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、軽質無水ケイ酸、ショ糖、糖アルコール等、崩壊剤としては、カルメロース、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン等、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、プルラン等、滑沢剤としては、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等、着色剤としては、リボフラビン、銅クロロフィル及びその塩、カルミン、三二酸化鉄、食用青色1号や食用黄色5号、食用赤色3号等の食用タール色素、矯味矯臭剤としてはl−メントール、dl−カンフル、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸等、甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリン及びその塩、スクラロース、アセスルファムカリウム、カンゾウ、ステビアエキス、グリチルリチン酸二カリウム、精製白糖、キシリトール、ソルビトール、マルチトール,マンニトール等、香料としては、オレンジ油、レモン油、ユーカリ油、ハッカ油、ラベンダー油、ベルガモット油、バニリン、エチルバニリン、バニラフレーバー、チェリーフレーバー、ミントフレーバー、フルーツフレーバー、l−メントール、dl−カンフル等が挙げられる。
本発明の固形製剤は、今までイブプロフェンとエテンザミドを安定に配合するために必要であったフィルムコーティング操作、多層錠化、又はレイヤリング粒子化を必要としないため、これら操作に必要な賦形剤を使用する必要がない。そのため、本願発明の固形製剤は、製剤を小型化することができる上、製造法も簡便であり、利点が大きい。よって、本発明の固形製剤中のイブプロフェンとエテンザミドの合計量は固形製剤全体に対して高濃度配合することが可能である。これらの合計量は、固形製剤全体に対し45質量%以上が好ましく、60質量部以上が特に好ましく、最も好ましくは70質量部以上である。
本発明の固形製剤の剤形としては、例えば、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、錠剤、散剤等が挙げられ、特に錠剤が好ましい。なお、固形製剤はフィルムコーティングや糖衣による剤皮を施しても良い。錠剤としては、単一の層である単層錠、複数の層が積層され積層錠であってもよいが、製造の容易さや小型化できる観点などから単層錠が好ましい。本発明においては、特に、イブプロフェンとエテンザミドと制酸剤は同一層に含まれるのが好ましい。これらを同一層に含んでも、配合変化は生じず、製剤の外観変化は生じない。
本発明の固形製剤の製造方法は、特に制限はなく、公知の製造方法にて製造することができる。例えば、粉砕、混合、造粒、圧縮、乾燥などを必要に応じて行なうことができる。造粒の方法としては、例えば湿式造粒法、直接打錠法、乾式造粒法もしくは溶融造粒法などが挙げられるが、特に湿式造粒法が好ましい。これらは一般的な製剤機器を用いて一般的な方法で製剤化を行うことができる。得られた造粒粒子は、必要に応じて圧縮処理を行ない、成型することができる。圧縮処理は一般的な成型機を用いて、所望の圧縮成型圧にて行なうことができる。
以下に、実施例、比較例及び試験例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。
[制酸剤のスクリーニング]
実施例1 (酸化マグネシウム)
表1中の実施例1に示す各成分を混合後、水を添加して造粒した湿粒を乾燥皿に広げ60℃の温風乾燥機にて乾燥し造粒物を調製した。
実施例2 (合成ケイ酸アルミニウム)
表1中の実施例2に示す各成分について実施例1と同様の手法にて造粒物を調製した。
実施例3 (水酸化アルミナ・マグネシウム)
表1中の実施例3に示す各成分について実施例1と同様の手法にて造粒物を調製した。
比較例1 (制酸剤無し)
表1中の比較例1に示す各成分について実施例1と同様の手法にて造粒物を調製した。
比較例2 (アミノ酢酸)
表1中の比較例2に示す各成分について実施例1と同様の手法にて造粒物を調製した。
比較例3 (ケイ酸マグネシウム)
表1中の比較例3に示す各成分について実施例1と同様の手法にて造粒物を調製した。
比較例4 (合成ヒドロタルサイト)
表1中の比較例4に示す各成分について実施例1と同様の手法にて造粒物を調製した。
比較例5 (乾燥水酸化アルミニウムゲル)
表1中の比較例5に示す各成分について実施例1と同様の手法にて造粒物を調製した。
比較例6 (メタケイ酸アルミン酸マグネシウム)
表1中の比較例6に示す各成分について実施例1と同様の手法にて造粒物を調製した。
Figure 0006822034
試験例1(外観評価)
実施例1〜3並びに比較例1〜6で調製した造粒物について、目視観察により60℃で乾燥した後の各造粒物の溶融や湿潤の有無など、外観の状態を評価した。
結果
結果を表2に示す。
Figure 0006822034
[製造例]
製造例1 イブプロフェンおよび酸化マグネシウム含有造粒粒子の調製
表3中の製造例1に示す各成分を秤量後、混合して造粒用粉末を得た。造粒用粉末により、混練機(NW10;パウレック社製)および流動層造粒乾燥機(FD-WSG-2;パウレック社製)を用いて水・アルコール混液にヒプロメロースを溶解させた造粒液を添加し、常法により造粒、乾燥した後22Mの篩で整粒を行い、造粒粒子Aを得た。
製造例2 イブプロフェンおよび酸化マグネシウム含有造粒粒子の調製2
表3中の製造例2に示す各成分を秤量後、混合して造粒用粉末を得た。造粒用粉末により、混練機(NW50;パウレック社製)および流動層造粒乾燥機(FD-WSG-2;パウレック社製)を用いて水・アルコール混液にヒプロメロースを溶解させた造粒液を添加し、常法により造粒、乾燥した後22Mの篩で整粒を行い、造粒粒子Bを得た。
製造例3 イブプロフェン含有造粒粒子の調製
表3中の製造例3に示す処方により、流動層造粒乾燥機(FD-WSG-2;パウレック社製)を用いて水・アルコール混液にヒプロメロースを溶解させ軽質無水ケイ酸を分散させた造粒液を添加し、常法により造粒、乾燥した後22Mの篩で整粒を行い、造粒粒子Cを得た。
製造例4 エテンザミド含有造粒粒子の調製
表3中の製造例4に示す処方により、高速攪拌造粒機(VG-25;パウレック社製)および流動層造粒乾燥機(FD-WSG-2;パウレック社製)を用いて水・アルコール混液を造粒液として添加し、常法により造粒、乾燥した後22M篩で整粒を行い、造粒粒子Dを得た。
製造例5 エテンザミド含有造粒粒子の調製2
表3中の製造例5に示す処方により、高速攪拌造粒機(VG-25;パウレック社製)および流動層造粒乾燥機(FD-WSG-2;パウレック社製)を用いて水・アルコール混液を造粒液として添加し、常法により造粒、乾燥した後22M篩で整粒を行い、造粒粒子Eを得た。
Figure 0006822034
実施例4
造粒粒子A 39.3質量部、造粒粒子D 55.0質量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−21(以下、L−HPCと略す)5.2質量部及びステアリン酸マグネシウム0.5質量部を混合して打錠用粉末を調製し、その後卓上錠剤成型機(HANDTAB-200;市橋精機社製)により1錠437mgの錠剤を製した。
実施例5
造粒粒子A 28.4質量部、造粒粒子D 66.2質量部、L−HPC 5.0質量部及びステアリン酸マグネシウム 0.5質量部を混合して打錠用粉末を調製し、その後卓上錠剤成型機(HANDTAB-200;市橋精機社製)により1錠454mgの錠剤を製した。
実施例6
造粒粒子A 67.0質量部、造粒粒子D 27.3質量部、L−HPC 5.1質量部及びステアリン酸マグネシウム 0.6質量部を混合して打錠用粉末を調製し,その後卓上錠剤成型機(HANDTAB-200;市橋精機社製)により1錠370mg(外観評価試験、崩壊試験用)及び1錠185mg(溶出試験用)の錠剤を製した。
実施例7
造粒粒子A 37.5質量部、造粒粒子D 52.5質量部、乾燥水酸化アルミニウムゲル2.0質量部、クロスカルメロースナトリウム 5.2質量部、軽質無水ケイ酸 2.3質量部及びステアリン酸マグネシウム 0.5質量部を混合して打錠用粉末を調製し、その後ロータリー式打錠機(VIRGO19;菊水製作所社製)を用いて1錠458mgの素錠を製した。
実施例8
造粒粒子B 32.0質量部、造粒粒子E 62.0質量部、クロスカルメロースナトリウム 4.5質量部、軽質無水ケイ酸 1.0質量部及びステアリン酸マグネシウム 0.5質量部を混合して打錠用粉末を調製し、その後ロータリー式打錠機(VIRGO19;菊水製作所社製)を用いて1錠485mgの素錠を製した。
比較例7
造粒粒子C 27.2質量部、造粒粒子D 67.2質量部、L−HPC 5.0質量部及びステアリン酸マグネシウム 0.5質量部を混合して打錠用粉末を調製し、その後卓上錠剤成型機(HANDTAB-200;市橋精機社製)により1錠446mgの錠剤を製した。
比較例8
造粒粒子A 94.5質量部、L−HPC 5.0質量部及びステアリン酸マグネシウム 0.6質量部を混合して打錠用粉末を調製し、その後卓上錠剤成型機(HANDTAB-200;市橋精機社製)により1錠182mg(崩壊試験用)及び1錠136mg(溶出試験用)の錠剤を製した。
実施例4〜8、及び比較例7〜8の処方を表4に示す。
Figure 0006822034
[製剤の外観変化の確認]
試験例2(高温保存後の外観評価)
実施例4〜6、及び比較例7で調製した錠剤をガラス瓶に入れ金属キャップで密封し、65℃下に3日間保存した後、目視観察により各錠剤の湿潤の有無などの外観の状態を評価した。結果を表5に示す。
Figure 0006822034
表5から明らかな通り、酸化マグネシウムを含まない錠剤(比較例7)では薬物の溶融と推測される錠剤の湿潤が認められた。一方、製剤中に酸化マグネシウムを含有する製剤(実施例4、5、6)では65℃保存後においても錠剤の外観変化は認められず、高温保存後においても当初の外観を維持可能であることが明らかとなった。
[製剤の崩壊性の確認]
試験例3(崩壊試験)
実施例6〜8、及び比較例7〜8で調製した錠剤の崩壊性を第16改正日本薬局方崩壊試験に基づき、試験液に水を用いて評価した。結果を表6に示す。
[薬物の溶出性の確認]
試験例4(溶出試験)
実施例6〜8、及び比較例7〜8で調製した錠剤からのイブプロフェンの溶出性を第16改正日本薬局方溶出試験法パドル法に基づき、試験液に溶出試験第1液を用いパドル回転数50rpm、試験錠数1錠/ベッセルにて溶出濃度の確認を行った。結果を表6に示す。
Figure 0006822034
崩壊試験結果より、イブプロフェンとエテンザミドを含み、酸化マグネシウムを含まない錠剤では崩壊性に問題は認められなかったが(比較例7)、イブプロフェンと酸化マグネシウムを含み、エテンザミドを含まない錠剤では、60分以上経過しても崩壊が完了せず崩壊性に難があることが明らかとなった(比較例8)。
一方、イブプロフェン、エテンザミド、及び酸化マグネシウムを含む固形製剤はすべて崩壊したが(実施例6〜8)、特に、エテンザミドの配合量がイブプロフェンの2倍以上となる実施例7、8については崩壊時間15分以下と優れた崩壊性を有することが確認された。
以上の結果より、イブプロフェンを含む製剤に酸化マグネシウムを配合した錠剤は崩壊性に課題があり、その改良のためには崩壊剤の増量が必要となり主薬濃度の低下に伴う製剤の大型化が避けられないが、エテンザミドを配合すると主薬濃度を下げることなく崩壊性を改善可能であることが明らかとなった。特に、エテンザミドをイブプロフェンの2倍量以上配合すると効果が高まった。
さらに溶出試験結果より、エテンザミドがイブプロフェンの2倍以上配合された錠剤(実施例7、8)では、試験開始5分後にはpH1.2におけるイブプロフェン飽和溶解度(53μg/mL)の半分以上、30分の時点で飽和溶解度に達しており、イブプロフェンの溶解度が低い低pH領域において素早い溶出性を有することが確認された。
一方、酸化マグネシウムを含まない比較例7においては良好な崩壊性を有するにもかかわらず実施例7、8の半分程度の溶出濃度に留まり、30分においても飽和溶解度に達しなかった。またエテンザミドを含まない比較例8では、5分時点で全く溶出しておらず、30分においても飽和溶解度の20%以下に留まる結果となった。
以上の結果より、イブプロフェン含有製剤において、酸化マグネシウムに代表される特定の制酸剤を含み、さらにエテンザミドがイブプロフェンの2倍以上配合することにより、外観変化が抑制されるだけでなく、少量の制酸剤、賦形剤の配合でも製剤の崩壊性及びイブプロフェンの素早い溶出性をも確保可能であり、イブプロフェンの速効性が高まることが明らかとなった。
Figure 0006822034

Claims (6)

  1. (a)イブプロフェン、(b)エテンザミド、及び(c)酸化マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、及び水酸化アルミナ・マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の制酸剤を含有し、(a)イブプロフェン、及び(b)エテンザミドを同時配合かつ共存させたことを特徴とする固形製剤。
  2. (a)イブプロフェン、(b)エテンザミド、及び(c)酸化マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、及び水酸化アルミナ・マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の制酸剤を含有し、(a)イブプロフェンと(b)エテンザミドを別々の造粒物中に配合し、これら造粒物を同時配合かつ共存させたことを特徴とする固形製剤。
  3. 酸化マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、及び水酸化アルミナ・マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の制酸剤がイブプロフェン含有造粒粒子に含まれる、請求項に記載の固形製剤。
  4. カプセル剤、丸剤、顆粒剤、錠剤、または散剤である請求項1〜のいずれかに記載の固形製剤。
  5. 錠剤が単層錠である、請求項に記載の固形製剤。
  6. エテンザミドの含有量が、イブプロフェン1質量部に対して2質量部以上である、請求項1又は2に記載の固形製剤。
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