JP2024072799A - アイオノマー組成物およびそれから製造されたアイオノマーフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】混和性に優れ、透明性および機械的物性に優れたアイオノマー組成物を提供する。また、透明性などの表面外観、耐摩耗性などの機械的物性およびスリップ性に優れたアイオノマーフィルムを提供する。【解決手段】特定の式を満足し、水溶液状態で酸性を示すシリカ粒子を含むアイオノマー組成物およびこれから製造されたアイオノマーフィルムを提供する。【選択図】なし

Description

本開示は、アイオノマー組成物およびそれから製造されたアイオノマーフィルムに関する。
アイオノマーとは、共有結合とイオン結合の双方を有する熱可塑性プラスチックを意味し、代表的にエチレン-メタクリル酸共重合体やエチレン-アクリル酸共重合体などのエチレン系アイオノマーを例に挙げることができる。一般的に、アイオノマーは、食品包装フィルム、トレイ、ポーチおよび容器の接着、コーティングなどに使用されている。
従来のアイオノマーは、光学特性が悪く、外観上の欠陥のために外観に対する重要性が低い不透明容器の内部コーティング用に主に使用されているが、具体的にはアイオノマーは、ヘイズが高く透明性が不十分で、コーティングやフィルムで製造する際に表面が滑らかでなく、表面にフィッシュアイなどの不良要素が多数観察されるという問題点がある。
また、アイオノマーは、フィルムに加工する際、残留するアクリル酸によって巻き取られたフィルム間の強い相互作用が発生する。このような強い相互作用によって現れるフィルムブロッキング現象は、フィルムの後続加工時、フィルムの巻き戻しに大きな問題を引き起こす。これに対し、アンチブロッキング剤を投入してスリップ性を向上させるため、フィルム用に適用されるアイオノマーは透明性に優れたものを使用する。しかし、アンチブロッキング剤を適用する場合、ヘイズが増加し、製品の透明性を低下させる問題が発生する。
前記の問題を解決するために別の添加剤を投入して透明性向上を図ることも検討されたが、大きな効果を示すことができなかった。また、製品の外部に使用するためには透明性だけでなく、耐摩耗性などの外部刺激に対する抵抗性が必要だが、このような部分も満たされなかった。
したがって、安定的なフィルム加工性を確保するためにスリップ性に優れ、ヘイズの上昇を最小限に抑えて透明性が優れていると同時に表面外観が優秀で視覚的訴求力が重要な用途に適用可能であり、耐摩耗性などの機械的物性に優れ、外観にも適用可能なアイオノマー組成物に対する研究開発が必要な状況である。
本開示の目的は、混和性に優れ、透明性および機械的物性に優れたアイオノマー組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、透明性などの表面外観、耐摩耗性などの機械的物性およびスリップ性に優れたアイオノマーフィルムを提供することである。
本発明者らは、前記の問題点を解決するために、アイオノマー組成物に特定の式を満足し、水溶液状態で酸性を示すシリカ粒子を含む場合、アイオノマー組成物の混和性に優れ、フィルムに製造する際、透明性などの表面外観が顕著に改善されるだけでなく、前記フィルムの耐摩耗性および摩擦係数などのスリップ性が著しく向上することを発見し、本発明を完成した。
本開示は、エチレン-(メタ)アクリル酸アイオノマーおよびシリカ粒子を含み、前記シリカ粒子が50mg/mlの濃度で含まれる水溶液のpHが酸性であり、前記シリカ粒子は下記式1を満足するものである、アイオノマー組成物を提供する。
Figure 2024072799000001
(前記式1中、
poreは細孔容積(Pore volume)(ml/g)、Aは有効面積(Effective Area)(m/kg)、Dv(50)は粒度分布の体積累積50%に相当する粒径(μm)である。)
前記シリカ粒子は、粒度分布のFWHMとFWQMの比(FWQM/FWHM)が1.5以下であることが好ましい。
前記シリカ粒子のDv(50)は、1~10μmであることが好ましい。
前記シリカ粒子が50mg/mlの濃度で含まれる水溶液のpHは2~5であることが好ましい。
前記シリカ粒子は、細孔容積が0.2~5ml/gであることが好ましい。
前記シリカ粒子は、有効面積が2000~2500m/kgであることが好ましい。
前記シリカ粒子は、かさ密度が0.02~5g/mlであることが好ましい。
前記シリカ粒子は、前記アイオノマー組成物の全重量に対して0.1~0.5重量%含まれることが好ましい。
前記エチレン-(メタ)アクリル酸アイオノマーは、(メタ)アクリル酸繰り返し単位を5~15重量%含むことが好ましい。
前記エチレン-(メタ)アクリル酸アイオノマーは、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛および鉛などからなる群から選択される1つまたは2つ以上の金属による中和度が25~60%であることが好ましい。
前記エチレン-(メタ)アクリル酸アイオノマー組成物のISO 1133-1(2011)に従って測定されたメルトフローインデックスは、1~10g/10分であることが好ましい。
本開示は、前記のアイオノマー組成物から製造されたアイオノマーフィルムを提供することが好ましい。
前記フィルムは、ISO 8295に基づいて測定した最大静止摩擦係数(μ)が0.2以下であることが好ましい。
前記フィルムは、ASTM 4060に準拠して測定した耐摩耗性試験結果値が40mg以下であることが好ましい。
前記フィルムは、ASTM D1003に従って測定したヘイズが15%以下であることが好ましい。
本開示は、特定の式を満足し、水溶液状態で酸性を示すシリカ粒子を含むアイオノマー組成物に関するもので、組成物の混和性に優れ、フィルムに製造する際に透明性などの表面外観が顕著に改善されるだけでなく、前記フィルムの耐摩耗性および摩擦係数などが著しく向上する効果がある。
シリカ粒子[1]の粒度分布図でFWHMとFWQMを示したものである。 実施例9および比較例9のフィルム外観を観察した画像である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、以下の実施例または実施例は、本発明を詳細に説明するための一つの参考であって、本発明は、これに限定されるものではなく、複数の形態で実施することができる。
また、特に定義されていない限り、すべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。
本発明において説明に使用される用語は、特定の実施形態を効果的に説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
また、明細書および添付された特許請求の範囲に使用される単数形は、文脈から特別な指示がない限り、複数形も含むことを意図することができる。
また、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含めることができることを意味する。
また、本明細書の用語(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸またはアクリル酸を意味することができる。
また、本明細書で使用される数値範囲は、下限値と上限値とその範囲内のすべての値、定義される範囲の形と幅から論理的に誘導される増分、二重に限定されたすべての値、および異なる形で限定された数値範囲の上限と下限のすべての可能な組み合わせを含むことができる。本発明の明細書で特別な定義がない限り、実験誤差または値の丸めにより発生する可能性がある数値範囲外の値も定義された数値範囲に含まれる。
以下、本発明についてより具体的に説明する。
本開示は、エチレン-(メタ)アクリル酸アイオノマー(Ionomer)およびシリカ粒子を含むアイオノマー組成物を提供する。好ましくは、前記シリカ粒子は、50mg/mlの濃度で含まれる水溶液のpHが酸性であり、前記シリカ粒子は下記式1を満足する。
Figure 2024072799000002
(前記式1中、
poreは細孔容積(Pore volume)(ml/g)、Aは有効面積(Effective Area)(m/kg)、Dv(50)は粒度分布の体積累積50%に相当する粒径(μm)である。)
好ましくは、前記シリカ粒子は下記式2を満たす。
Figure 2024072799000003
より好ましくは、前記シリカ粒子は下記式3を満たす。
Figure 2024072799000004
(前記式2および3において、Vpore,AおよびDv(50)は前記式1と同じである。)
一実施形態によれば、前記式1、好ましくは式2、より好ましくは式3を満足するシリカ粒子を含むアイオノマー組成物の場合、アイオノマー組成物の混和性に優れ、フィルムに製造する際に透明性などの表面外観が顕著に改善されるだけでなく、前記フィルムの耐摩耗性および摩擦係数などが著しく向上する。
一実施形態によれば、前記シリカ粒子は、粒度分布のFWHM(Full Width Half Maximum)とFWQM(Full Width Quarter Maximum)の比(FWQM/FWHM)が1.7以下であることが好ましく、より好ましくは1.5以下であり、さらに好ましくは1~1.5であり、特に好ましくは1.2~1.4である。図1に示すように、FWHMは、粒度分布における最大値の50%における最大粒径と最小粒径の差の数値を意味し、FWQMは粒度分布における最大値の25%における最大粒径と最小粒径の差の数値を意味する。
一実施形態によれば、前記シリカ粒子のDv(10)は、0.1~5μm、好ましくは0.5~3μm、より好ましくは1~2μmである。Dv(10)は、粒度分布の体積累積10%に相当する粒径(μm)である。
一実施形態によれば、前記シリカ粒子のDv(50)は、1~10μm、好ましくは1~5μm、より好ましくは2~5μmである。
一実施形態によれば、前記シリカ粒子のDv(90)は、1~15μm、好ましくは3~10μm、より好ましくは5~8.5μmである。Dv(90)は、粒度分布の体積累積90%に相当する粒径(μm)である。
一実施形態によれば、前記シリカ粒子を50mg/mlの濃度で含む水溶液のpHは、1~7、好ましくは2~5、より好ましくは3~4とする。
一実施形態によれば、前記シリカ粒子は、細孔容積が0.2~5ml/g、好ましくは0.5~4ml/g、より好ましくは0.8~2ml/gである。
一実施形態によれば、前記シリカ粒子は、有効面積が1000~5000m/kg、好ましくは1500~3000m/kg、より好ましくは2000~2500m/kgである。
一実施形態によれば、前記シリカ粒子は、かさ密度が0.02~5g/ml、好ましくは0.02~3g/ml、より好ましくは0.05~1g/mlである。
一実施形態によれば、前記シリカ粒子は、前記アイオノマー組成物の全重量に対して0.01~5重量%、好ましくは0.05~2重量%、より好ましくは0.1~0.5重量%を含む。
一実施形態によれば、前記エチレン-(メタ)アクリル酸アイオノマーは、(メタ)アクリル酸繰り返し単位を1~30重量%、好ましくは5~25重量%、より好ましくは5~15重量%含むことができる。また、前記(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸であってもよい。
一実施形態によれば、前記エチレン-(メタ)アクリル酸アイオノマーは、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛および鉛などからなる群から選択される1種または2種以上の金属による中和度が5~60%、好ましくは25~60%、より好ましくは30~55%である。また、前記金属は、好ましくは亜鉛、ナトリウムまたはカリウムである。
一実施形態によれば、前記エチレン-(メタ)アクリル酸アイオノマー組成物のISO 1133-1(2011)に従って測定されたメルトフローインデックスは、0.5~10g/10分、好ましくは1~10g/10分、より好ましくは1~5g/10分である。
本開示は、前記のアイオノマー組成物から製造されたアイオノマーフィルムを提供することができる。前記アイオノマーフィルムは、厚さが1μm~500mmであることができ、10μm~10mmであることができるが、これに限定されない。
一実施形態によれば、前記フィルムは、ISO 8295に基づいて測定した最大静止摩擦係数(μ)が0.1~0.5、好ましくは0.2以下である。
一実施形態によれば、前記フィルムは、ISO 8295に従って測定された最大動摩擦係数(μ)が0.1~0.5、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.15以下である。
一実施形態によれば、前記フィルムは、ASTM 4060に従って測定した耐摩耗性試験結果値が40mg以下、好ましくは38mg以下、より好ましくは1~38mgである。
一実施形態によれば、前記フィルムは、厚さが100μmの場合、ASTM D1003に従って測定したヘイズが15%以下、好ましくは1~13%、より好ましくは5~12%または10%以下である。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、以下の実施例および比較例は、本発明をより詳細に説明するための一例であって、本発明が以下の実施例および比較例によって限定されるものではない。
以下の実施例および比較例の物性は、以下の方法で測定した。
[物性評価方法]
1.pH
シリカ粒子を水に50mg/mlの濃度に溶解させた後、フィルターで美容溶解分をろ過してサンプル溶液を調製し、サンプル溶液のpHをpHメーター(メトラトレド、S400)を用いて測定し、下記表1に示した。
2.細孔容積(Pore volume)[ml/g]およびかさ密度(bulk density)[g/ml]
シリカ粒子の細孔容積はBET窒素吸着法により測定し、下記表1に示した。
また、シリカ粒子2.5gを50mlのプラスチックチューブに投入して体積(ml)を測定し、前記g数(2.5g)を前記体積で除算し、かさ密度を計算し、計算値を下記表1に示した。
3.有効面積(Effective Area)[m/kg]
シリカ粒子の有効面積は、レーザー回折粒度分析器(Malvern.Mastersizer 3000)を用いて測定し、下記表1に示した。
4.粒度分布
レーザー回折粒度分析器(Malvern.Mastersizer 3000)を用いて1wt%シリカ粒子水溶液の粒度分布を測定し、分布図を得た。粒度分布の体積累積50%に相当する粒径をDv(50)とし、下記表1に示し、実施例1のシリカ粒子の粒度分布図を図1に示した。
前記粒度分布における最大値の50%における最大粒径と最小粒径の差値をFWHM(full width at half maximum)とし、粒度分布における最大値からの25%における最大粒径と最小粒径の差値をFWQM(full width at quarter maximum)と定義し、それらの比(FWQM/FWHM)を計算して下記表1に示した。
5.ヘイズ(Haze)および表面外観
ASTM D1003に基づき、Hazemeter(NDH8000, Nippon Denshoku)でフィルム(厚さ100μm)のヘイズを測定した。
また、アイオノマー組成物を溶融押出成形して製造したフィルム(厚さ100μm)の表面外観を肉眼で観察し、表面にゲル、フィッシュアイ、表面の凹凸などの不良要素を下記基準に従って評価し、その結果を下記表2に示した。
◎(優秀):フィッシュアイやゲルがほとんどなく、表面が滑らか。
○(良好):1cm面積でフィッシュアイやゲルが5個未満で観察され、表面に凹凸がない。
△(不十分):1cmの面積でフィッシュアイやゲルが5~20個程度観察され、表面がやや凹凸がある。
×(悪い):1cmの面積で20個超過のフィッシュアイやゲルが観察され、表面に非常に凹凸がある。
6.メルトフローインデックス(Melt Flow Index,MFI)[g/10分]
ASTM D1238に基づき、190℃温度および2.16kg荷重条件でメルトフロー指数(MFI)を測定した。測定値は下記表3に記載した。
7.摩擦係数(COF,coefficient of friction)
ISO 8295に基づき、最大静止摩擦係数(μ)および最大動摩擦係数(μ)を測定した。測定値は下記表3に記載した。
8.耐摩耗性試験
ASTM 4060に基づき耐摩耗性を測定し、400サイクルで失われた重量(mg)を測定し、下記表3に記載した。失われた重量が小さいほど耐摩耗性が優れていると評価した。
[実施例1~8および比較例1~8]アイオノマー組成物の製造
下記表2に従って、エチレンアクリル酸アイオノマー(EAA、アクリル酸9.7重量%)またはエチレンメタクリル酸アイオノマー(EMAA、アクリル酸9重量%)100重量部と下記表1の物性を有するシリカ粒子0.2重量部を含むアイオノマー組成物を二軸反応押出機に投入し、180℃、300rpmで溶融押出し、アイオノマーフィルムを製造した。
Figure 2024072799000005
Figure 2024072799000006
前記表1および表2に示すように、式1を満足するシリカ粒子を含む実施例のアイオノマー組成物の場合、比較例に比べ、低ヘイズおよび優れた表面外観の双方を具備することがわかる。これにより、一実施形態によるアイオノマー組成物を用いて製造されるフィルムは、透明性などの表面外観が顕著に改善されることを確認した。特に、式1、好ましくは式2、より好ましくは式3を満足するアイオノマー組成物のヘイズがより低く測定され、表面外観も優れていた。また、実施例5と比較例3の比較を通じて、同様の物性のシリカ粒子であっても、pHが酸性の場合、表面外観が優れていることを確認した。
[実施例9および比較例9]アイオノマー組成物の製造
エチレンアクリル酸アイオノマー(アクリル酸13.5重量%)96重量%、炭酸ナトリウム(NaCO)3重量%、オレイルパルミタミド(Oleyl Palmitamide)0.6重量%、ベヘンアミド(behenamide)0.2重量%および前記表1のシリカ粒子のうち[1]または[5]0.2重量%を含むアイオノマー組成物を二軸反応押出機に投入し、180℃、300rpmで溶融押出し、厚さ100μmのフィルムを製造した。
Figure 2024072799000007
前記シリカ粒子[1]を含む実施例9のアイオノマー組成物およびシリカ粒子[5]を含む比較例9のアイオノマー組成物を溶融押出し、100μmの厚さのアイオノマーフィルムを製造し、その表面を比較して図2に示した。図2を見ると、実施例9のフィルムは表面が滑らかで、フィッシュアイやシード、ゲルなどの不良要素が比較例9のフィルムに比べて著しく少なく観察された。また、前記実施例9および比較例9によるアイオノマーフィルムのGel area GI200(Gel Index、フィルム外観検査機(OCS GmBHのOCS)を用いて直径が200μm以上である全ての欠陥(defect)の面積の合計を測定した結果、実施例9は24.6、比較例9は105.8であったことから、一実施形態によるアイオノマー組成物を用いて製造したフィルムがより優れた表面外観を示すことができることを確認した。
また、前記表3から分かるように、実施例9のアイオノマーフィルムは、比較例9に比べて低いヘイズを有し、摩擦係数および耐摩耗性テスト結果値が全て優秀であることを確認することにより、一実施形態によるアイオノマー組成物を利用して製造したフィルムは、ヘイズの上昇を最小限に抑えて透明性が優れていると同時に、摩擦係数が低く、スリップ性が優れており、安定したフィルム加工性を容易に確保することができ、さらに表面外観が優れており、視覚的訴求力が重要な用途に適用可能であり、耐摩耗性などの機械的物性が優れており、外観の用途に使用できることを確認した。
以上のように、本発明では特定の事項と限定された実施例によって説明したが、これは本発明のより全体的な理解を助けるために提供されたものであり、本開示は前記の実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば、これらの記載から様々な修正および変形が可能である。
したがって、本発明の思想は、説明された実施例に限定して定められるものではなく、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等または等価な変形があるすべてのものは、本発明の思想の範疇に属するといえる。

Claims (15)

  1. エチレン-(メタ)アクリル酸アイオノマー(Ionomer)とシリカ粒子を含み、
    前記シリカ粒子が50mg/mlの濃度で含まれる水溶液のpHが酸性であり、
    前記シリカ粒子は、下記式1を満たすものである、アイオノマー組成物。
    Figure 2024072799000008
    (前記式1中、
    poreは細孔容積(Pore volume)(ml/g)、Aは有効面積(Effective Area)(m/kg)、Dv(50)は粒度分布の体積累積50%に相当する粒径(μm)である)。
  2. 前記シリカ粒子は、粒度分布のFWHMとFWQMの比(FWQM/FWHM)が1.5以下である、請求項1に記載のアイオノマー組成物。
  3. 前記シリカ粒子のDv(50)が1~10μmである、請求項1に記載のアイオノマー組成物。
  4. 前記シリカ粒子が50mg/mlの濃度で含まれる水溶液のpHが2~5である、請求項1に記載のアイオノマー組成物。
  5. 前記シリカ粒子は、細孔容積が0.2~5ml/gである、請求項1に記載のアイオノマー組成物。
  6. 前記シリカ粒子は、有効面積が2000~2500m/kgである、請求項1に記載のアイオノマー組成物。
  7. 前記シリカ粒子は、かさ密度が0.02~5g/mlである、請求項1に記載のアイオノマー組成物。
  8. 前記シリカ粒子は、前記アイオノマー組成物全体の重量に対して0.1~0.5重量%含まれる、請求項1に記載のアイオノマー組成物。
  9. 前記エチレン-(メタ)アクリル酸アイオノマーは、アクリル酸繰り返し単位が5~15重量%含まれる、請求項1に記載のアイオノマー組成物。
  10. 前記エチレン-(メタ)アクリル酸アイオノマーは、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛および鉛からなる群から選択される1種または2種以上の金属による中和度が25~60%である、請求項1に記載のアイオノマー組成物。
  11. 前記エチレン-(メタ)アクリル酸アイオノマー組成物のISO 1133-1(2011)に準拠して測定されたメルトフローインデックスが1~10g/10分である、請求項1に記載のアイオノマー組成物。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載のアイオノマー組成物から製造された、アイオノマーフィルム。
  13. ISO 8295に準拠して測定した最大静止摩擦係数(μ)が0.2以下である、請求項12に記載のアイオノマーフィルム。
  14. ASTM 4060に基づき測定した耐摩耗性試験結果値が40mg以下である、請求項12に記載のアイオノマーフィルム。
  15. ASTM D1003に準拠して測定したヘイズが15%以下である、請求項12に記載のアイオノマーフィルム。
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