JP2024069863A - 青色顔料、分散液、塗料、インク、並びに塗膜及びその製造方法 - Google Patents

青色顔料、分散液、塗料、インク、並びに塗膜及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粒子感がないシームレスな意匠性を有し、使用態様に関わらず(粉末状態、膜化状態など)、優れた青色系の色彩を実現できる青色顔料、分散液、塗料、インク、並びに塗膜及びその製造方法の提供。【解決手段】酸化チタンを含み、累積50%体積粒径(D50)が20μm以下、平均厚さが130nm以上170nm以下であり、エネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析したときの、Ti及びOの総原子数に対する、Tiの総原子数であるTiの原子濃度が25原子%以上50原子%以下、Oの総原子数であるOの原子濃度が50原子%以上75原子%以下である青色顔料である。【選択図】なし

Description

本発明は、青色顔料、分散液、塗料、インク、並びに塗膜及び塗膜の製造方法に関する。
従来より、光沢顔料は、華麗な装飾的効果と優れた意匠性が得られることから、工業的に自動車コーティング材、装飾用コーティング材、プラスチック、印刷インク、化粧用製剤等に広く用いられている。
特許文献1には、青色又は緑色を示す光輝性顔料の鮮やかさの向上が可能になる、フレーク状ガラスと、前記フレーク状ガラス上に形成された酸化チタン膜と、前記酸化チタン膜上に付着した、又は前記フレーク状ガラスと前記酸化チタン膜との間に配置された金微粒子とを備えた光輝性顔料が記載されている。
特許文献2には、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できる金色顔料が記載されている。
特開2020-76071号公報 特開2021-85001号公報
前記特許文献1に記載の顔料は、フレーク状ガラス上に酸化チタン膜が形成されていることから、厚みが厚く、顔料として塗膜にした際に粒子感が現れてしまい、シームレスな金属光沢の輝きをもつメタリック調に仕上げることが難しいという問題がある。
前記特許文献2には、青色顔料について記載されていない。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、使用態様に関わらず(粉末状態、膜化状態など)、優れた青色系の色彩を実現できる青色顔料、前記青色顔料を含む、分散液、塗料、インク、並びに塗膜及び塗膜の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
<1> 酸化チタンを含み、
累積50%体積粒径(D50)が20μm以下、平均厚さが130nm以上170nm以下であり、
エネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析したときの、Ti及びOの総原子数に対する、
Tiの総原子数であるTiの原子濃度が25原子%以上50原子%以下、
Oの総原子数であるOの原子濃度が50原子%以上75原子%以下であることを特徴とする青色顔料である。
<2> 単層構造である前記<1>に記載の青色顔料である。
<3> 真密度が3.2g/cm以上である前記<1>又は<2>に記載の青色顔料である。
<4> 鱗片状粒子である前記<1>から<3>のいずれかに記載の青色顔料である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の青色顔料を含有することを特徴とする分散液である。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の青色顔料を含有することを特徴とする塗料である。
<7>前記<1>から<4>のいずれかに記載の青色顔料を含有することを特徴とするインクである。
<8> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の青色顔料を含有することを特徴とする塗膜である。
<9> 基材に塗膜を付与したときの、全反射スペクトルの、bが-17以下、aが5以下である、前記<8>に記載の塗膜である。
<10> 前記<5>に記載の分散液を基材上に付与する工程を含むことを特徴とする塗膜の製造方法である。
<11> 前記<6>に記載の塗料を基材上に付与する工程を含むことを特徴とする塗膜の製造方法である。
<12> 前記<7>に記載のインクを基材上に付与する工程を含むことを特徴とする塗膜の製造方法である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、使用態様に関わらず(粉末状態、膜化状態など)、優れた青色系の色彩を実現できる青色顔料、前記青色顔料を含む、分散液、塗料、インク、並びに塗膜及び塗膜の製造方法を提供することができる。
図1は、実施例1~5及び比較例1~4における分散液の写真である。 図2Aは、実施例1における青色顔料の長辺面についてのSEM写真である。 図2Bは、実施例1における青色顔料の断面についてのSEM写真である。 図3Aは、実施例2における青色顔料の長辺面についてのSEM写真である。 図3Bは、実施例2における青色顔料の断面についてのSEM写真である。 図4Aは、実施例3における青色顔料の長辺面についてのSEM写真である。 図4Bは、実施例3における青色顔料の断面についてのSEM写真である。 図5Aは、実施例4における青色顔料の長辺面についてのSEM写真である。 図5Bは、実施例4における青色顔料の断面についてのSEM写真である。 図6Aは、比較例1における酸化チタン顔料の長辺面についてのSEM写真である。 図6Bは、比較例1における酸化チタン顔料の断面についてのSEM写真である。 図7Aは、比較例2における酸化チタン顔料の長辺面についてのSEM写真である。 図7Bは、比較例2における酸化チタン顔料の断面についてのSEM写真である。 図8Aは、比較例3における青色顔料の長辺面についてのSEM写真である。 図8Bは、比較例3における青色顔料の断面についてのSEM写真である。 図9Aは、比較例4における青色顔料の長辺面についてのSEM写真である。 図9Bは、比較例4における青色顔料の断面についてのSEM写真である。 図10Aは、実施例1の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真である。 図10Bは、実施例2の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真である。 図10Cは、実施例3の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真である。 図10Dは、実施例4の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真である。 図10Eは、実施例5の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真である。 図10Fは、比較例1の酸化チタン顔料を用いて形成した塗膜の写真である。 図10Gは、比較例2の酸化チタン顔料を用いて形成した塗膜の写真である。 図10Hは、比較例3の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真である。 図10Iは、比較例4の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真である。 図11は、実施例1から5及び比較例1から4の顔料を用いて形成した塗膜の、アピアランスのSG(粒子輝度感)を示した図である。 図12は、実施例1から5及び比較例1から4の顔料を用いて形成した塗膜の、アピアランスのCV(粒子発色感)を示した図である。 図13は、実施例4の青色顔料を含む塗膜のSEM写真である。 図14は、比較例3の青色顔料を含む塗膜のSEM写真である。 図15は、比較例4の青色顔料を含む塗膜のSEM写真である。
(青色顔料)
本発明の青色顔料は、酸化チタンを含み、累積50%体積粒径(D50)が20μm以下、平均厚さが130nm以上170nm以下であり、エネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析したときの、Ti及びOの総原子数に対する、Tiの総原子数であるTiの原子濃度が25原子%以上50原子%以下、Oの総原子数であるOの原子濃度が50原子%以上75原子%以下である。
本発明においては、従来に比べて薄く、小粒径である、酸化チタンを含む青色顔料によって、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、使用態様に関わらず(粉末状態、膜化状態など)、優れた青色系の色彩を実現することができる。
酸化チタンは高屈折率材料であり、薄膜の場合、反射光による干渉色を示す。干渉色は酸化チタンの膜厚や屈折率等によって変化するが、例えば、酸化チタン薄膜が空気に挟まれて存在し、酸化チタンの屈折率が2.3程度の場合、130nm~160nm程度の厚みで青色の干渉色を示す。
本発明の青色顔料は、鱗片状粒子であることが好ましい。前記鱗片状粒子は、薄片状粒子、平板状粒子、フレーク状粒子などと称されることもある。
本発明において、鱗片状粒子とは、略平坦な面を有し、かつ該略平坦な面に対して垂直方向の厚さが略均一である粒子を意味する。また、前記鱗片状粒子とは、前記厚さが非常に薄く、略平坦な面の長さが非常に長い形状の粒子を意味する。なお、略平坦な面の長さは、前記鱗片状粒子の投影面積と同じ投影面積を持つ円の直径である。
略平坦な面の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、略長方形、略正方形、略円形、略楕円形、略三角形、略四角形、略五角形、略六角形、略七角形、略八角形等の多角形、ランダムな不定形などが挙げられる。
前記青色顔料は、単層構造であることが好ましい。前記青色顔料は単層構造であることによって、従来の積層構造の青色顔料に比べて薄く、小粒径化することができ、インクジェット印刷等の各種印刷方式に汎用的に使用することができる。また、高アスペクト比のため、粒子感のないシームレスな塗膜外観を要する塗装用として使用することができる。
前記青色顔料は、エネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析したときの、Ti及びOの総原子数に対する、Tiの総原子数であるTiの原子濃度が、25原子%以上50原子%以下であり、25原子%以上45原子%以下が好ましく、26原子%以上44原子%以下がさらに好ましい。
前記青色顔料は、エネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析したときの、Ti及びOの総原子数に対する、Oの総原子数であるOの原子濃度が、50原子%以上75原子%以下であり、55原子%以上75原子%以下が好ましく、56原子%以上74原子%以下がさらに好ましい。
上記組成比率の範囲を満たすことにより、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、使用態様に関わらず(粉末状態、膜化状態など)、優れた青色系の色彩を実現できる青色顔料が得られる。
前記青色顔料における、Ti及びOの総原子数に対する、Tiの総原子数であるTiの原子濃度、及び前記青色顔料における、Ti及びOの総原子数に対する、Oの総原子数であるOの原子濃度は、以下のようにして測定する。
SEM試料台へ直接、顔料の10質量%酢酸ブチル分散液をスポイトで3~5滴を滴下後、試料台上で乾燥させて鱗片状粒子のSEM観察を行い、鱗片状粒子の長辺面にピントを合わせた後、以下の条件のEDX分析により、TiとOの原子濃度を測定する。
[条件]
・エネルギー分散型X線分析装置(EDX:Energy dispersive X-ray spectrometry、株式会社堀場製作所製)
・観察サンプル前処理:Ptスパッタ/10秒間
・分析条件:加速電圧25kV、電流10~20μA(デッドタイムが20~30%になるように調整)、倍率×100k、WD12mm、読み取り時間120秒間
・検出した元素についてTi K線、O K線のピークからTiとOの総量(総原子数)を100%としたときのTiとOの原子濃度を求める
・上記測定条件において10箇所で測定を行い、その平均値を原子濃度とする
前記青色顔料は、酸化チタンを含み、さらに、炭化チタンを含むことができる。
前記酸化チタンの純度は、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
前記青色顔料は、微量の不純物を含んでいてもよい。
前記青色顔料の累積50%体積粒径D50の上限値としては、20μm以下である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、18μm以下が好ましく、16μm以下がより好ましい。
前記青色顔料の累積50%体積粒径D50の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm以上が好ましい。
これらの中でも、0.5μm以上20μm以下が好ましく、0.5μm以上18μm以下がより好ましく、0.5μm以上16μm以下がさらに好ましい。
累積50%体積粒径D50が20μm以下であると、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、使用態様に関わらず(粉末状態、膜化状態など)、優れた青色系の色彩を実現できる青色顔料が得られる。
前記累積50%体積粒径D50は、レーザー回折法により得られる粒径分布曲線の体積分布累積量の50%に相当する粒径であり、非球形の青色顔料粒子を完全な球体と仮定して測定した場合の、青色顔料粒子の長径及び短径を平均化した長さである。しかし、実際の青色顔料粒子は、球形ではなく、長辺及び短辺を有する鱗片状である。したがって、前記D50は、青色顔料粒子の実際の長辺方向の長さ(長径)及び短辺方向の長さ(短径)とは異なる値である。
前記累積50%体積粒径D50は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(装置名:レーザーマイクロンサイザーLMS-2000e、株式会社セイシン企業製、湿式分散ユニット)を用いて、溶剤にエキネンF-1(日本アルコール販売製)を使用して、レーザー回折法により、フラウンホーファーの近似法を用いて測定する。
前記青色顔料の平均厚さは、130nm以上170nm以下であり、140nm以上169nm以下が好ましく、142nm以上168nm以下がさらに好ましい。前記平均厚さが130nm以上170nm以下であると、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、使用態様に関わらず(粉末状態、膜化状態など)、優れた青色系の色彩を実現できる青色顔料が得られる。
前記青色顔料の平均厚さとは、鱗片状の青色顔料粒子の三次元方向において、最も短い部分の長さと定義する。
前記平均厚さは、以下のようにして、走査型電子顕微鏡(SEM)観察、原子間力顕微鏡(AFM)、又は触針式段差計から求める。青色顔料の平均厚さは酸化チタン蒸着膜の平均蒸着厚さと同じである。
走査型電子顕微鏡(SEM)観察を用いる場合、ガラス板上に顔料の10質量%酢酸ブチル分散液をスポイトで3~5滴を滴下して乾燥させ、塗膜を形成して、顔料の断面が出るようにガラス板をカットしてサンプルとする。作製したサンプルを塗膜の断面が測定面となるように90°の傾斜型試料台にセットして以下の条件で測定する。顔料の断面部分(厚さ)を合計60点観察し、その平均値を平均厚さとする。
[条件]
・走査型電子顕微鏡(SEM: Scanning Electron Microscope)HITACHI S-4700(株式会社日立製作所製)
・観察サンプル前処理:Ptスパッタ/10秒間~20秒間
・観察条件:加速電圧10kV、各種倍率
原子間力顕微鏡(AFM)を用いる場合、ナノサイズのとがった針(プローブ)を塗膜に近づけ、針先と塗膜(顔料)の間に働く原子間力を検出することで塗膜上に並んだ顔料の厚さを検出することができる。
触針式段差計を用いる場合、低濃度の分散液をガラスに滴下して針を接触させ、直線的に走査することで、顔料の厚みによる凹凸に追従するため厚さを測定することができる。
前記青色顔料の真密度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3.2g/cm以上が好ましく、3.3g/cm以上がより好ましく、3.4g/cm以上がさらに好ましく、3.4g/cm以上5g/cm以下が特に好ましい。
前記真密度は、以下のようにして測定サンプルを作製して測定する。
顔料の10質量%分散液30gをシャーレに入れる。自然沈降後、上澄みを除去する。乾燥機へ投入し、120℃で2時間乾燥する。溶剤揮発後、常温まで冷やし、乾燥粉を回収する。メノウ乳鉢を使って解砕処理を行い、ふるい(目開き 180μm)で粗大粒子を除去した顔料を以下の条件で測定する。
[条件]
・測定器:連続自動粉体真密度測定器 MAT-7000(株式会社セイシン企業製)
前記連続自動粉体真密度測定器 MAT-7000は、液相置換法(ピクノメーター法)により粉粒体の真密度を測定する装置である。
・サンプル:2.2~2.4g
・溶剤:n-ブタノール
・脱気時間:10分間
・Wait時間:3分間
・乾燥時間:0分間
・測定回数:1回
<青色顔料の製造方法>
前記青色顔料の製造方法は、剥離層形成工程と、蒸着工程と、剥離工程と、を含み、さらに必要に応じて、その他の工程Aを含む。
<<剥離層形成工程>>
前記剥離層形成工程は、基材上に剥離層を設ける工程であり、剥離層形成手段により実施される。
-基材-
基材としては、平滑な表面を有するものであれば特に制限はなく、各種のものを用いることができる。これらの中でも、可撓性、耐熱性、耐溶剤性、及び寸法安定性を有する樹脂フィルム、金属、金属と樹脂フィルムの複合フィルムを適宜使用できる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。また金属としては、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、鉄箔、合金箔などが挙げられる。また金属と樹脂フィルムの複合フィルムとしては、上記樹脂フィルムと金属をラミネートしたものが挙げられる。
-剥離層-
剥離層としては、後の剥離工程で溶解可能な各種の有機物を用いることができる。また、剥離層を構成する有機物材料を適切に選択すれば、酸化チタン蒸着膜に付着・残留した有機物を、鱗片状酸化チタン粒子の保護層として機能させることができるので、好適である。
保護層とは、鱗片状酸化チタン粒子の凝集、酸化、溶媒への溶出等を抑制する機能を有する。特に、剥離層に用いた有機物を保護層として利用することにより、表面処理工程を別途設ける必要がなくなるので好ましい。
保護層として利用可能な剥離層を構成する有機物としては、例えば、セルロースアセテートブチレート(CAB)、その他のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アクリル酸共重合体、変性ナイロン樹脂、ロジン樹脂、ポリ乳酸、セラック樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保護層としての機能の高さから、セルロースアセテートブチレート(CAB)が好ましい。
前記剥離層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクジェット法、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本ロールコート法、5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレー法、有機蒸着法などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<蒸着工程>>
前記蒸着工程は、前記剥離層上に蒸着材料として、Ti(チタン)、TiO、TiO、Ti、Tiなどを蒸着する工程であり、蒸着手段により実施される。蒸着材料は適宜選択することができるが、生産性の面でTiが好ましい。本発明においては、Ti(チタン)を酸化させるため、酸素ガスを導入して酸素雰囲気下で蒸着を行うことが好ましい。なお、Ti(チタン)が25原子%以上50原子%以下、O(酸素)が50原子%以上75原子%以下である組成比率の範囲を満たすことができれば、酸素ガスを導入しないで蒸着を行う方法を採用してもよい。
酸素ガスの導入量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1L/min以上10L/min以下であることが好ましい。
酸化チタン蒸着膜の平均蒸着厚さは130nm以上170nm以下が好ましく、140nm以上169nm以下がより好ましく、142nm以上168nm以下がさらに好ましい。なお、酸化チタン蒸着膜の平均蒸着厚さは、青色顔料粒子の平均厚さと同じである。
酸化チタン蒸着膜の平均蒸着厚さが130nm以上170nm以下であると、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、使用態様に関わらず(粉末状態、膜化状態など)、優れた青色系の色彩を実現できるという利点がある。
前記平均蒸着厚さは、上述の(青色顔料)における青色顔料の平均厚さと同様にして求める。
蒸着法は、樹脂製基材にも成膜可能である点、廃液が出ない点等においてめっき法より好ましく、真空度を高くできる点、成膜速度(蒸着レート)が大きい点から、スパッタリング法より好ましい。
蒸着法における蒸着レートは、100Å/sec以上で大きければ大きい方が好ましい。
最終的に得られる青色顔料粒子の形状や累積50%体積粒径、平均厚さに影響する操業要因としては、成膜方法、基材に飛来するTiのエネルギー(運動エネルギー・温度など)、剥離層の表面自由エネルギー、酸素ガスとの衝突頻度、材質・温度、基材の冷却方法・温度、成膜速度などが挙げられる。
<<剥離工程>>
前記剥離工程は、前記剥離層を溶解する工程であり、剥離手段により実施される。前記剥離工程により、前記酸化チタン蒸着膜(青色顔料を含有する層)が剥離される。
前記剥離層を溶解可能な溶剤としては、剥離層を溶解可能な溶剤であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、青色顔料分散液の溶媒としてそのまま用いることができるものが好ましい。水性塗料や水性インクの場合には、水との相溶性を有することが好ましい。
前記剥離層を溶解可能な溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、ドデカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニル等のエステル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類;フェノール、クレゾール等のフェノール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、オクタデセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメシン、ニトロベンゼン、アニリン、メトキシベンゼン等の脂肪族もしくは芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の脂肪族もしくは芳香族塩化炭化水素;ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等の含窒素化合物、水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
剥離層を溶解することによって、基材から青色顔料含有膜が剥離し、青色顔料粒子となる。これにより、特に粉砕工程を経ることなく青色顔料分散液が得られるが、必要に応じて粉砕、分級を行ってもよい。また、青色顔料粒子の一次粒子が凝集している場合には、必要に応じてこれを解砕してもよい。
さらに必要に応じて、青色顔料粒子の回収や物性の調整のために種々の処理を行ってもよい。例えば、分級によって青色顔料粒子の粒度を調整してもよいし、遠心分離、吸引ろ過などの方法で青色顔料粒子を回収することや、青色顔料分散液の固形分濃度を調整してもよい。また、溶媒置換を行ってもよいし、添加剤を用いて粘度調整等を行ってもよい。なお、分散剤を添加してもよいが、本発明では、剥離層として適切な有機物を選択しておけば分散性のよい青色顔料粒子からなる青色顔料分散液が得られるので、新たに分散剤を添加しなくてもよい。
<<その他の工程A>>
前記その他の工程Aとしては、例えば、剥離した青色顔料粒子を分散液として取り出す工程、分散液から青色顔料粒子として回収する工程などが挙げられる。
(分散液)
本発明の分散液は、本発明の青色顔料を含有する。
本発明の分散液は、有機溶剤を含有することが好ましく、さらに必要に応じて、その他の成分を含有することができる。
前記分散液の一例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗料、インク、などが挙げられる。
-青色顔料-
前記青色顔料の含有量は、分散液の全量に対して、0.1質量%以上50質量%以下が好ましい。
なお、分散液ではなく、青色顔料を乾燥した乾燥粉を用いることもできる。
-有機溶剤-
有機溶剤としては、特に制限はなく、剥離時に使用する有機溶剤を用いることができ、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、ケトン類、エステル類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、ドデカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニル等のエステル類、が挙げられ、多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
-その他の成分-
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、緩衝液、架橋剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、重合禁止剤、表面調整剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
前記緩衝液としては、例えば、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水、マッキルベイン緩衝液、を用いることができる。
前記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエンのような芳香族化合物や、ゼラチンのようなアミノ酸のポリマーを用いることができる。
(塗料)
本発明の塗料は、本発明の青色顔料を含有する。
本発明の塗料は、有機溶剤及びバインダーを含有することが好ましく、さらに必要に応じて、その他の成分を含有することができる。
-青色顔料-
前記青色顔料の含有量は、塗料の全量に対して、0.1質量%以上50質量%以下が好ましい。
なお、前記塗料には、必要に応じて前記青色顔料以外の光輝性顔料を含んでいてもよい。他の光輝性顔料としては、金属製の顔料(例えば、アルミニウム顔料、インジウム顔料)や、天然マイカから得られる顔料(例えば、パール顔料)や、ガラスフレーク顔料などが挙げられる。
-有機溶剤-
前記塗料における有機溶剤としては、上述の(分散液)における有機溶剤と同様である。
-バインダー-
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル-スチレン系樹脂、アクリル-シリコーン系樹脂などが挙げられる。
前記塗料が前記バインダーを含むと、定着性や分散性に優れた塗料が得られる。
前記バインダーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塗料全量に対して、0.1質量%以上50質量%以下が好ましい。
-その他の成分-
前記塗料におけるその他の成分としては、上述の(分散液)におけるその他の成分と同様である。
(インク)
本発明のインクは、本発明の青色顔料を含有する。
本発明のインクは、有機溶剤及びバインダーを含有することが好ましく、さらに必要に応じて、その他の成分を含有することができる。
-青色顔料-
前記青色顔料の含有量は、インクの全量に対して、0.1質量%以上50質量%以下が好ましい。
なお、前記インクには、必要に応じて前記青色顔料以外の光輝性顔料を含んでいてもよい。他の光輝性顔料としては、金属製の顔料(例えば、アルミニウム顔料、インジウム顔料)や、天然マイカから得られる顔料(例えば、パール顔料)や、ガラスフレーク顔料などが挙げられる。
-有機溶剤-
前記インクにおける有機溶剤としては、上述の(分散液)における有機溶剤と同様である。
-バインダー-
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル-スチレン系樹脂、アクリル-シリコーン系樹脂などが挙げられる。
前記インクが前記バインダーを含むと、定着性や分散性に優れたインクが得られる。
前記バインダーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インク全量に対して、0.1質量%以上50質量%以下が好ましい。
-その他の成分-
前記インクにおけるその他の成分としては、上述の(分散液)におけるその他の成分と同様である。
(塗膜)
本発明の塗膜は、本発明の青色顔料を含有する。
基材に塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのLとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40以上80以下が好ましく、40以上70以下がより好ましく、40以上65以下がさらに好ましく、40以上60以下が特に好ましい。
基材に塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのaとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、-20以上5以下が好ましく、-20以上2以下がより好ましく、-18以上1以下がさらに好ましい。
基材に塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのbとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、-10以下が好ましく、-15以下がより好ましく、-18以下がさらに好ましく、-40以上-18以下が特に好ましく、-35以上-18以下が最も好ましい。
基材に塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのCとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10以上が好ましく、15以上がより好ましく、18以上がさらに好ましく、18以上40以下が特に好ましく、18以上35以下がさらに好ましい。
ABS黒色基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのLとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40以上80以下が好ましく、40以上70以下がより好ましく、40以上60以下がさらに好ましく、40以上55以下が特に好ましい。
ABS黒色基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのaとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、-20以上0以下が好ましく、-18以上-2以下がより好ましい。
ABS黒色基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのbとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、-10以下が好ましく、-15以下がより好ましく、-18以下がさらに好ましく、-40以上-18以下が特に好ましく、-35以上-18以下が最も好ましい。
ABS黒色基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのCとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10以上が好ましく、15以上がより好ましく、18以上がさらに好ましく、18以上50以下が特に好ましく、18以上40以下がさらに好ましい。
アクリル透明基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのLとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40以上80以下が好ましく、40以上70以下がより好ましく、40以上65以下がさらに好ましく、40以上60以下が特に好ましい。
アクリル透明基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのaとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、-20以上5以下が好ましく、-10以上5以下がより好ましい。
アクリル透明基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのbの上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、-10以下が好ましく、-15以下がより好ましく、-20以下がさらに好ましい。アクリル透明基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのbの下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、-40以上が好ましく、-35以上がより好ましい。これらの中でも、-40以上-15以下が好ましく、-35以上-15以下がより好ましい。
アクリル透明基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜の全反射スペクトルのCとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10以上が好ましく、15以上がより好ましく、20以上がさらに好ましく、20以上50以下が特に好ましく、20以上40以下がさらに好ましい。
前記塗膜の前記全反射スペクトルは、バーコート面を測定面とし、紫外可視近赤外分光光度計(株式会社島津製作所製、SolidSpec-3700)を用い、波長領域300nm~800nmの範囲において、硫酸バリウムで形成した標準白色板を使用してベースラインを測定後、各塗板の全反射スペクトルを測定し、L、a、b、Cを求める。
前記Cは、下記の式1により算出する。
前記ABS黒色基材は、黒色のABS(A(アクリロニトリル)・B(ブタジエン)・S(スチレン))樹脂フィルムであり、スーパーシートHA-ABS(昭和電工マテリアルズ社製)などの市販品を使用することができる。
前記アクリル透明基材は、透明のアクリル樹脂フィルムであり、アクリライト(三菱ケミカル社製)などの市販品を使用することができる。
ABS黒色基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜の入射角20°の鏡面光沢度Gs(20°)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3以上30以下が好ましく、5以上30以下がより好ましく、7以上30以下がさらに好ましい。
ABS黒色基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜の入射角60°の鏡面光沢度Gs(60°)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20以上60以下が好ましく、30以上50以下がより好ましく、33以上50以下がさらに好ましい。
前記塗膜の鏡面光沢度は、バーコート面を測定面とし、光沢計(日本電色工業株式会社製、VG-7000)を用い、JIS Z8741「鏡面光沢度-測定方法」に準拠した平行光方式で、入射角を20°及び60°として測定する。
ABS黒色基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜のアピアランス(SG:粒子輝度感)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0以上10以下が好ましく、0以上5以下がより好ましく、0以上3以下がさらに好ましい。
ABS黒色基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜のアピアランス(CV:粒子発色感)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0以上10以下が好ましく、0以上5以下がより好ましく、1以上5以下がさらに好ましい。
ABS黒色基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜のアピアランス(C:粒子感)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0以上10以下が好ましく、0以上5以下がより好ましく、0以上3以下がさらに好ましい。
ABS黒色基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜のカラー(L)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10以上30以下が好ましく、10以上25以下がより好ましく、12以上25以下がさらに好ましい。
ABS黒色基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜のカラー(C)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5以上30以下が好ましく、10以上30以下がより好ましく、10以上25以下がさらに好ましく、10以上20以下がさらに好ましく、10以上17以下が特に好ましい。
ABS黒色基材にバーコート法により塗膜を付与したときの、前記塗膜のカラー(h)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200以上300以下が好ましく、210以上290以下がより好ましく、220以上280以下がさらに好ましく、230以上270以下がさらに好ましい。
前記塗膜のアピアランス及びカラーは、バーコート面を測定面とし、ポータブル多角度分光測色計(エックスライト社製、 MA-T6)を用いて測定する。アピアランスは、指定のポータブル多角度分光測色計において定められた光学幾何条件に基づき、光源角度:15°、受光角度:15°(15as15)、カラーは、指定のポータブル多角度分光測色計において定められた光学幾何条件に基づき、光源角度:45°、受光角度:45°(45as45)の時の測定値である。
(塗膜の製造方法)
本発明の塗膜の製造方法は、本発明の分散液、本発明の塗料、又は本発明のインクを基材上に付与する工程を含み、さらにその他の工程Bを含むことができる。
前記基材としては、特に制限はなく、各種のものを用いることができ、例えば、ABS(A(アクリロニトリル)・B(ブタジエン)・S(スチレン))、アクリルなどの、樹脂フィルム、ガラス、金属、金属と樹脂フィルムの複合フィルムなどが挙げられる。
本発明の塗膜は、本発明の分散液、本発明の塗料、又は本発明のインクを用いて製造することができる。
前記基材上に青色顔料を含む分散液、塗料、又はインクの付与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、インクジェット法、スプレー法、スクリーンコート法、オフセットコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本ロールコート法、5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、ドリップコート法などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた青色系の色彩を実現できる点から、スピンコート法、インクジェット法、バーコート法、及びドリップコート法が特に好ましい。
<その他の工程B>
前記その他の工程Bとしては、例えば、本発明の分散液、本発明の塗料、又は本発明のインクを基材上に付与する工程後の乾燥工程などが挙げられる。
<用途>
本発明の青色顔料は、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、使用態様に関わらず(粉末状態、膜化状態など)、優れた青色系の色彩を実現できるので、各種分野に幅広く用いられ、例えば、インクジェット用又はその他の印刷用光輝性インク、自動車内外装部材、家電、建材等の用途における塗装用光輝性塗料、導電性ペーストの導電性顔料、加飾フィルムに金属調意匠性を付与する光輝性顔料、3Dプリンタ用金属調フィラメントに使用される光輝性顔料、溶融押し出し、及びキャスティング工法における金属調意匠性シートやフィルムの練り込み光輝性顔料などに適用される。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
平均厚さが12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、5質量%のセルロースアセテートブチレート(CAB)を含む溶液をグラビアコート法で塗工し、110℃以上120℃以下で乾燥して、剥離層を形成した。セルロースアセテートブチレート(CAB)の塗工量は0.06g/m±0.01g/mであった。剥離層上に、Tiを蒸着レート385Å/secで蒸着し、Tiが基材へ到達するまでの空間に酸素ガスを5.51L/minで導入し、酸素雰囲気下で、平均蒸着厚さが143nmの酸化チタン蒸着膜を形成した。
次に、剥離層及び酸化チタン蒸着膜を形成したPETフィルム面に酢酸ブチルをスプレーして剥離層を溶解し、酸化チタン蒸着膜をドクターブレードで掻き落とした。得られた酸化チタン粒子は鱗片状であった。
次に、得られた酸化チタン粒子と酢酸ブチルの混合物に対して、微粉砕機を用いて粉砕した。以上により、青色顔料としての単層構造である鱗片状酸化チタン粒子を得た。
実施例1の青色顔料の10質量%分散液の写真を図1の左側に示した。
(実施例2~5及び比較例1~2)
表1に示す蒸着条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~5の青色顔料としての鱗片状酸化チタン粒子、及び比較例1~2の酸化チタン顔料を得た。
実施例5の顔料は実施例4の顔料を湿式微粒化装置にてさらに粉砕し、粒径を小さくしたものである。
なお、実施例2~5及び比較例1~2の鱗片状酸化チタン粒子はいずれも単層構造であった。
実施例2の青色顔料の10質量%分散液の写真を図1の左側から2番目に示した。
実施例3の青色顔料の10質量%分散液の写真を図1の左側から3番目に示した。
実施例4の青色顔料の10質量%分散液の写真を図1の左側から4番目に示した。
実施例5の青色顔料の10質量%分散液の写真を図1の左側から5番目に示した。
比較例1の酸化チタン顔料の10質量%分散液の写真を図1の左側から6番目に示した。
比較例2の酸化チタン顔料の10質量%分散液の写真を図1の左側から7番目に示した。
(比較例3)
青色顔料として、東洋アルミニウム株式会社製のChromashine(登録商標)MBL20-Xを比較例3として用いた。
前記Chromashine(登録商標)MBL20-Xは、フレーク状のアルミニウム粉を基材として、その表層をシリカで覆い、さらに銀でメッキした、積層構造の顔料である。
比較例3の青色顔料の10質量%分散液の写真を図1の左側から8番目に示した。
(比較例4)
青色顔料として、日本板硝子株式会社製のMetashine(登録商標)GT1080RB(Blue)を比較例4として用いた。
前記Metashine(登録商標)GT1080RB(Blue)は、フレーク形状のガラスを基材として、その表面に金属や金属酸化物をコーティングした、積層構造の無機顔料である。
比較例4の青色顔料の10質量%分散液の写真を図1の左側から9番目に示した。
次に、実施例1~5及び比較例1~4の顔料について、以下のようにして、平均厚さ、及び累積50%体積粒径(D50)を測定した。なお、顔料の厚さは蒸着膜の厚さと同じである。結果を表1に示した。
<平均厚さ>
ガラス板上に各顔料の10質量%酢酸ブチル分散液をスポイトで3~5滴を滴下して乾燥させ、顔料の断面が出るようにガラス板をカットしてサンプルとした。作製したサンプルを断面が測定面となるように90°の傾斜型試料台にセットして以下の条件で測定した。鱗片状粒子(顔料)の断面(厚さ)を合計60点観察し、その平均値を平均厚さとした。
[条件]
・走査型電子顕微鏡(SEM: Scanning Electron Microscope)HITACHI S-4700(株式会社日立製作所製)
・観察サンプル前処理:Ptスパッタ/10秒間~20秒間
・観察条件:加速電圧10kV、各種倍率
実施例1の青色顔料の、長辺面についての走査型電子顕微鏡写真を図2Aに示し、断面についての走査型電子顕微鏡写真を図2Bに示した。
実施例2の青色顔料の、長辺面についての走査型電子顕微鏡写真を図3Aに示し、断面についての走査型電子顕微鏡写真を図3Bに示した。
実施例3の青色顔料の、長辺面についての走査型電子顕微鏡写真を図4Aに示し、断面についての走査型電子顕微鏡写真を図4Bに示した。
実施例4の青色顔料の、長辺面についての走査型電子顕微鏡写真を図5Aに示し、断面についての走査型電子顕微鏡写真を図5Bに示した。
比較例1の酸化チタン顔料の、長辺面についての走査型電子顕微鏡写真を図6Aに示し、断面についての走査型電子顕微鏡写真を図6Bに示した。
比較例2の酸化チタン顔料の、長辺面についての走査型電子顕微鏡写真を図7Aに示し、断面についての走査型電子顕微鏡写真を図7Bに示した。
比較例3の青色顔料の、長辺面についての走査型電子顕微鏡写真を図8Aに示し、断面についての走査型電子顕微鏡写真を図8Bに示した。
比較例4の青色顔料の、長辺面についての走査型電子顕微鏡写真を図9Aに示し、断面についての走査型電子顕微鏡写真を図9Bに示した。
<累積50%体積粒径(D50)>
レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(装置名:レーザーマイクロンサイザーLMS-2000e、株式会社セイシン企業製、湿式分散ユニット)を用いて、レーザー回折法により、フラウンホーファーの近似法を用いて、鱗片状粒子(顔料)の累積50%体積粒径(D50)を測定した。
次に、実施例1~5及び比較例1~2の顔料について、以下のようにして、真密度の測定、EDX(エネルギー分散型X線分析)による原子濃度の測定を行った。結果を表1に示した。
<真密度>
以下のとおり測定サンプルを作製した。
各顔料の10質量%酢酸ブチル分散液30gをシャーレに入れた。自然沈降後、上澄みを除去した。乾燥機へ投入し、120℃で2時間乾燥した。溶剤揮発後、常温まで冷やし、乾燥粉を回収した。メノウ乳鉢を使って解砕処理を行った。ふるい(目開き 180μm)で粗大粒子を除去してした顔料を以下の条件で測定した。
[条件]
・測定器:連続自動粉体真密度測定器 MAT-7000(株式会社セイシン企業製)
前記連続自動粉体真密度測定器 MAT-7000は、液相置換法(ピクノメーター法)により粉体の真密度を測定する装置である。
・サンプル:2.2~2.4g
・溶剤:n-ブタノール
・脱気時間:10分間
・Wait時間:3分間
・乾燥時間:0分間
・測定回数:1回
<EDX(エネルギー分散型X線分析)による原子濃度(TiとOの組成比率)の測定>
SEM試料台へ直接、顔料の10質量%酢酸ブチル分散液をスポイトで3~5滴を滴下後、試料台上で乾燥させて鱗片状粒子のSEM観察を行い、鱗片状粒子の長辺面にピントを合わせた後、以下の条件のEDX分析により、TiとOの原子濃度を測定した。
[条件]
・エネルギー分散型X線分析装置(EDX:Energy dispersive X-ray spectrometry、株式会社堀場製作所製)
・観察サンプル前処理:Ptスパッタ/10秒間
・分析条件:加速電圧25kV、電流10~20μA(デッドタイムが20~30%になるように調整)、倍率×100k、WD12mm、読み取り時間120秒間
・検出した元素についてTi K線、O K線のピークからTiとOの総量(総原子数)を100%としたときのTiとOの原子濃度を求めた。
・上記測定条件において10箇所で測定を行い、その平均値を原子濃度とする
(塗膜の形成)
-黒色ABS基材ヘのバーコート塗膜の形成-
実施例1~実施例5、及び比較例1~比較例3の各顔料を10質量%酢酸ブチル分散液に調製し、3mmの黒色ABS基材上に、バーコーター(#8、株式会社丸協技研製)を用い、各分散液を常温(25℃)にて塗布し、常温(25℃)にて乾燥することでバーコート塗膜を形成した。
比較例4は、バーコーター(#20、株式会社丸協技研製)で塗膜を形成した。
実施例1の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真を図10Aに示した。
実施例2の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真を図10Bに示した。
実施例3の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真を図10Cに示した。
実施例4の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真を図10Dに示した。
実施例5の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真を図10Eに示した。
比較例1の酸化チタン顔料を用いて形成した塗膜の写真を図10Fに示した。
比較例2の酸化チタン顔料を用いて形成した塗膜の写真を図10Gに示した。
比較例3の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真を図10Hに示した。
比較例4の青色顔料を用いて形成した塗膜の写真を図10Iに示した。
-透明なアクリル基材へのバーコート塗膜の形成-
実施例1~実施例4、及び比較例1~比較例2の各顔料を10質量%酢酸ブチル分散液に調製し、3mmの透明なアクリル基材上に、バーコーター(#8、株式会社丸協技研製)を用い、各分散液を常温(25℃)にて塗布し、常温(25℃)にて乾燥することでバーコート塗膜を形成した。
得られた塗膜について、以下のようにして、全反射、鏡面光沢度、アピアランス、及びカラーの測定、並びに、官能評価を行った。結果を表2及び表3、並びに図11(アピアランス(SG:粒子輝度感))及び図12(アピアランス(CV:粒子発色感))に示した。
<全反射の測定>
バーコート面を測定面とし、紫外可視近赤外分光光度計(株式会社島津製作所製、SolidSpec-3700)を用い、波長領域300nm~800nmの範囲において、硫酸バリウムで形成した標準白色板を使用してベースラインを測定後、各塗板の全反射スペクトルを測定し、L、a、b、Cを求めた。
前記Cは、下記の式1により算出する。
<鏡面光沢度の測定>
バーコート面を測定面とし、光沢計(日本電色工業株式会社製、VG-7000)を用い、JIS Z8741「鏡面光沢度-測定方法」に準拠した平行光方式で、入射角20°の鏡面光沢度Gs(20°)及び入射角60°の鏡面光沢度Gs(60°)を測定した。
<アピアランス及びカラーの測定>
バーコート面を測定面とし、ポータブル多角度分光測色計(エックスライト社製、 MA-T6)を用いてアピアランス測定(SG:粒子輝度感、CV:粒子発色感、C:粒子感)及びカラー測定(L、C、h)を行った。
表2のアピアランス(SG:粒子輝度感、CV:粒子発色感)は、指定のポータブル多角度分光測色計において定められた光学幾何条件に基づき、光源角度:15°、受光角度:15°(15as15)、カラーは指定のポータブル多角度分光測色計において定められた光学幾何条件に基づき、光源角度:45°、受光角度:45°(45as45)の時の測定値を示す。
図11に、アピアランスのSG(粒子輝度感)についての角度依存性(光源角度を変動、受光角度は固定)を示した。なお、図11のアピアランス(SG:粒子輝度感)は、指定のポータブル多角度分光測色計において定められた光学幾何条件に基づき、光源角度:-45°、-30°、-15°、15°、45°、又は80°、受光角度:15°の時の測定値を示す。
図12に、アピアランスのCV(粒子発色感)についての角度依存性(光源角度を変動、受光角度は固定)を示した。なお、図12のアピアランス(CV:粒子発色感)は、指定のポータブル多角度分光測色計において定められた光学幾何条件に基づき、光源角度:-45°、-30°、-15°、15°、45°、又は80°、受光角度:15°の時の測定値を示す。
<官能評価>
各塗膜について、5名の評価者により、下記基準により粒子感を評価した。
[粒子感(シームレス感)の評価基準]
〇:目視にて、粒子の存在が認められない
×:目視にて、粒子の存在が認められる
次に、実施例4、比較例3、及び比較例4の顔料を含む塗膜について、以下のようにして、ガラス板上での配向性を観察した。
<ガラス板上での配向性>
実施例4、比較例3、及び比較例4の顔料を10質量%酢酸ブチル分散液に調整し、ガラス板上に、バーコーター(#8、株式会社丸協技研製)を用い、各分散液を常温(25℃)にて塗布し、常温(25℃)にて乾燥することでバーコート塗膜を形成した。比較例4は、バーコーター(#20、株式会社丸協技研製)で塗膜を形成した。
形成した塗膜について、鱗片状粒子の断面が出るようにガラス板をカットしてサンプルとした。作製したサンプルを断面が上面となるように90°の傾斜型試料台にセットし、測定時は試料台を30°傾けて以下の条件で測定した。
[条件]
・走査型電子顕微鏡(SEM: Scanning Electron Microscope)HITACHI S-4700(株式会社日立製作所製)
・観察サンプル前処理:Ptスパッタ/10秒間~20秒間
・観察条件:加速電圧10kV、倍率×2k
実施例4の青色顔料を含む塗膜の走査型電子顕微鏡写真を図13に示した。
比較例3の青色顔料を含む塗膜の走査型電子顕微鏡写真を図14に示した。
比較例4の青色顔料を含む塗膜の走査型電子顕微鏡写真を図15に示した。
図13から図15の写真からも、実施例4は厚みが薄く、高アスペクト比であるため、膜厚が厚い顔料(比較例3及び4)よりも塗膜表面が平滑になっており、実施例の方が粒子感を感じにくくなっていることが分かった。
表2の結果より、実施例1~5と、比較例3及び4と、を比較すると、粒子感の根拠となるデータ(アピアランス SG:粒子輝度感、CV:粒子発色感、C:粒子感、官能評価 粒子感)に基づき、平均厚さが薄い実施例1~5は粒子感がないシームレスな意匠性を有することが示され、平均厚さが厚い比較例3及び4は粒子感があることが示された。
表2及び表3の結果より、実施例と、比較例1と、を比較すると、青色の色彩の根拠となるデータ(全反射 L,a,b,C、カラー L,C,h(色相角度))に基づき、実施例は平均厚さが青色を示す干渉領域であること、及び酸素原子濃度が低い(酸素欠損が多い)ことによる光の吸収により、塗膜が青色を示し、比較例1は平均厚さが青色の干渉領域でないこと、及び酸素濃度が高い(酸素欠損が少ない)ことにより、塗膜が青色ではないことが分かる。また、実施例と、比較例2と、を比較すると、青色の色彩の根拠となるデータ(全反射 L,a,b,C、カラー L,C,h(色相角度))に基づき、比較例2は平均厚さは青色の干渉領域であるが、酸素濃度が高い(酸素欠損が少ない)ことにより実施例と比べると光の吸収が小さく、透過と反射が増える。その影響で散乱が増えるため、白さが増し、干渉色の青色と合わさって、塗膜が白っぽい青色を示すことが分かる。
表2の結果より、前記鏡面光沢度を確認することにより、塗膜の色が同じような青色であっても、実施例1~5と、比較例3及び4と、を比較すると、実施例1~5の方が鏡面光沢度が高いことが分かる。これは、実施例1~5が、厚みが薄い高アスペクト比の鱗片状粒子を顔料として用いたことによる効果であると考える。
上述の図13から図15の写真に示したとおり、厚みが薄い高アスペクト比の鱗片状粒子を顔料として用いた場合は、塗膜表面が比較例3及び4より平滑になるため、粒子感がないシームレスな塗膜が得られており、鏡面光沢度の高い塗膜が得られると考える。
図11の結果より、実施例1~5及び比較例1~2と、比較例3及び4と、を比較すると、角度によるSG(粒子輝度感)のバラつきが小さいことが示された。すなわち、実施例1~5及び比較例1~2は、比較例3及び4と比べると、様々な角度から塗膜を見たときのSG(粒子輝度感)の変化が小さい(角度依存性が小さい)ということであり、これは、実施例1~5及び比較例1~2が、粒径が小さく厚みの薄い高アスペクト比の鱗片状粒子を顔料として用いたことによる効果であると考える。上述の図13から図15の写真に示したとおり、厚みが薄い高アスペクト比の鱗片状粒子を顔料として用いた場合は、塗膜表面が比較例3及び4より平滑になるため、粒子感のないシームレスな塗膜が得られることから、様々な角度から塗膜を見てもSGの変化が小さくなると考える。
図12の結果より、実施例1~5と、比較例1~4と、を比較すると、角度によるCV(粒子発色感)のバラつきが小さいことが示された。すなわち、実施例1~5は、比較例1~4と比べると、様々な角度から塗膜を見たときのCV(粒子発色感)の変化が小さい(角度依存性が小さい)ということであり、これは、実施例1~5が、厚みが薄い高アスペクト比の鱗片状粒子であることに加えて、酸化チタンの干渉及び酸化チタンの酸素欠損による光吸収の影響で、比較例1~2よりも光散乱を抑えて青色が発現していることに起因していると考える。比較例3~4に対しては、上述の図13から図15の写真に示したとおり、厚みが薄い高アスペクト比の鱗片状粒子を顔料として用いた場合、塗膜表面が比較例3及び4より平滑になるため、粒子感のないシームレスな塗膜が得られることから、様々な角度から塗膜を見てもCVの変化が小さくなると考える。
以上より、本発明の顔料を用いることにより、SG(粒子輝度感)、CV(粒子発色感)の角度依存性が小さい塗膜が得られることが分かった。
表1から表3の結果から、「酸化チタンを含み、累積50%体積粒径(D50)が20μm以下、平均厚さが130nm以上170nm以下であり、エネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析したときの、Ti及びOの総原子数に対する、Tiの総原子数であるTiの原子濃度が25原子%以上50原子%以下、Oの総原子数であるOの原子濃度が50原子%以上75原子%以下である」という要件をすべて満たす実施例1~5は、前記要件の少なくともいずれかを満たさない比較例1~4に比べて、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、使用態様に関わらず(粉末状態、膜化状態など)、優れた青色系の色彩を実現できる青色顔料が得られていることがわかった。

Claims (12)

  1. 酸化チタンを含み、
    累積50%体積粒径(D50)が20μm以下、平均厚さが130nm以上170nm以下であり、
    エネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析したときの、Ti及びOの総原子数に対する、
    Tiの総原子数であるTiの原子濃度が25原子%以上50原子%以下、
    Oの総原子数であるOの原子濃度が50原子%以上75原子%以下
    であることを特徴とする青色顔料。
  2. 単層構造である請求項1に記載の青色顔料。
  3. 真密度が3.2g/cm以上である請求項1に記載の青色顔料。
  4. 鱗片状粒子である請求項1に記載の青色顔料。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の青色顔料を含有することを特徴とする分散液。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載の青色顔料を含有することを特徴とする塗料。
  7. 請求項1から4のいずれかに記載の青色顔料を含有することを特徴とするインク。
  8. 請求項1から4のいずれかに記載の青色顔料を含有することを特徴とする塗膜。
  9. 基材に塗膜を付与したときの、全反射スペクトルの、bが-17以下、aが5以下である、請求項8に記載の塗膜。
  10. 請求項5に記載の分散液を基材上に付与する工程を含むことを特徴とする塗膜の製造方法。
  11. 請求項6に記載の塗料を基材上に付与する工程を含むことを特徴とする塗膜の製造方法。
  12. 請求項7に記載のインクを基材上に付与する工程を含むことを特徴とする塗膜の製造方法。

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