JP7128524B2 - 活性エネルギー線硬化型インク及び硬化塗膜 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インク及び硬化塗膜 Download PDF

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型インク及び硬化塗膜に関する。
近年、光輝感を有する塗膜を得るため、金属顔料をインク組成物中に配合する手法が開発されており、水系インク、有機溶剤系インク、及び活性エネルギー線硬化型インク等の様々なインクの形態に対して金属顔料を配合することが試みられている。
例えば、光輝感を有しかつ耐擦性に優れた硬化塗膜を得るため、光輝性金属顔料として鱗片状アルミニウム粒子を用いた活性エネルギー線硬化型組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-52870号公報
前記特許文献1では、鱗片状アルミニウム粒子を含有する活性エネルギー線硬化型インクを用いて、吐出安定性及び耐擦性を評価しているが、金属調意匠性(高グロス値)については評価していない。また、特許文献1には、鱗片状インジウム粒子を用いること、鱗片状インジウム粒子を含有する活性エネルギー線硬化型インクが、鱗片状アルミニウム粒子を含有する活性エネルギー線硬化型インクに比べて優れた金属調意匠性(高グロス値)を実現できることについては記載も示唆もなく、本発明の特徴を何ら明らかにするものではない。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、従来の鱗片状アルミニウム粒子を用いた活性エネルギー線硬化型インクに比べて優れた金属調意匠性(高グロス値)を有する硬化塗膜が得られる活性エネルギー線硬化型インク及び硬化塗膜を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 鱗片状インジウム粒子を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクである。
<2> 前記鱗片状インジウム粒子の平均厚さが60nm以下である前記<1>に記載の活性エネルギー線硬化型インクである。
<3> 前記鱗片状インジウム粒子の累積50%体積粒子径D50が0.7μm以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクである。
<4> 重合性化合物を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクである。
<5> 前記重合性化合物が、単官能モノマー及び多官能モノマーを含む前記<4>に記載の活性エネルギー線硬化型インクである。
<6> 更に重合開始剤を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクである。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクを付与してなる塗膜の硬化物である硬化塗膜である。
<8> 入射角20°のグロス値(Gs20°)及び入射角60°のグロス値(Gs60°)において、これらの差(Gs20°-Gs60°)が150以上、及び比(Gs20°/Gs60°)が1.3以上の少なくともいずれかを満たす前記<7>に記載の硬化塗膜である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、従来の鱗片状アルミニウム粒子を用いた活性エネルギー線硬化型インクに比べて優れた金属調意匠性(高グロス値)を有する硬化塗膜が得られる活性エネルギー線硬化型インク及び硬化塗膜を提供することができる。
図1は、製造例2~6の鱗片状インジウム粒子、並びに比較製造例2の鱗片状アルミニウム粒子における体積基準の粒度分布の結果を示すグラフである。 図2は、実施例15の硬化塗膜の傾斜角度90°でのSEM写真である。 図3は、実施例15の硬化塗膜の傾斜角度60°でのSEM写真である。 図4は、比較例4の硬化塗膜の傾斜角度90°でのSEM写真である。 図5は、比較例4の硬化塗膜の傾斜角度60°でのSEM写真である。
(活性エネルギー線硬化型インク)
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、鱗片状インジウム粒子を含有し、重合性化合物及び重合開始剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明の鱗片状インジウム粒子を含有する活性エネルギー線硬化型インクによると、従来の鱗片状アルミニウム粒子を用いた活性エネルギー線硬化型インクに比べて、優れた金属調意匠性(高グロス値)を有する硬化塗膜が得られる。
本発明で用いられる鱗片状インジウム粒子は、従来の鱗片状アルミニウム粒子に比べて累積50%体積粒子径が小さく、超微小粒子と微小粒子の二つのピークを持つ二峰型分布が得られる(図1参照)。このような鱗片状インジウム粒子を活性エネルギー線硬化型インクに用いると、非常に密充填で表面粗さRaの低い硬化塗膜が得られる。充填度合いを示す空間率(粒子充填層内の粒子間に存在する空間の割合)は、超微小粒子と微小粒子の存在下において、微粒子間の隙間に超微小粒子が入り込むことで減少し、密充填されると考えられる。更に、塗膜の表面粗さRaについても、累積50%体積粒子径が小さいことに加え、前述の密充填により極めて低くすることができる。これらによって、金属調意匠性を示す指標となるグロス値を高くすることができ、優れた金属調意匠性を発現することができると考えられる。
<鱗片状インジウム粒子>
本発明の活性エネルギー線硬化型インクに用いられるインジウム粒子は、鱗片状粒子である。前記鱗片状粒子は、薄片状粒子、平板状粒子、フレーク状粒子などと称されることもある。
本発明において、鱗片状粒子とは、略平坦な面を有し、かつ該略平坦な面に対して垂直方向の厚さが略均一である粒子を意味する。また、前記鱗片状粒子とは、前記厚さが非常に薄く、略平坦な面の長さが非常に長い形状の粒子を意味する。なお、略平坦な面の長さは、前記鱗片状粒子の投影面積と同じ投影面積を持つ円の直径である。
略平坦な面の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、略長方形、略正方形、略円形、略楕円形、略三角形、略四角形、略五角形、略六角形、略七角形、略八角形等の多角形、ランダムな不定形などが挙げられる。これらの中でも、略円形や略楕円形であることが好ましい。
鱗片状インジウム粒子は、1層であってもよいし、2層以上が積層して一次粒子となっていてもよい。また、鱗片状インジウムの一次粒子が凝集し、二次粒子を形成していてもよい。
なお、鱗片状インジウム粒子は純度95%以上のインジウムからなり、微量の不純物を含んでいてもよいが、他の金属との合金については含まれない。
前記鱗片状インジウム粒子の累積50%体積粒子径D50としては、0.7μm以下が好ましく、0.6μm以下がより好ましく、0.5μm以下が更に好ましく、0.4μm以下が特に好ましい。
累積50%体積粒子径D50が0.7μm以下であると、塗膜の表面粗さRaが下がり、金属調意匠性を示す指標となるグロス値を高くすることができ、優れた金属調意匠性を発現できる。という利点がある。
前記累積50%体積粒子径(D50)は、レーザー回折法により得られる粒径分布曲線の体積分布累積量の50%に相当する粒径であり、非球形のインジウム粒子を完全な球体と仮定して測定した場合の、インジウム粒子の粒径である。しかし、実際のインジウム粒子は、球形ではなく、長辺及び短辺を有する鱗片状である。したがって、前記D50は、鱗片状インジウム粒子の実際の長辺方向の長さ(長径)及び短辺方向の長さ(短径)とは異なる値である。
前記レーザー回折法を用いた手段としては、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器などが挙げられる。
前記鱗片状インジウム粒子の平均厚さは60nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、45nm以下が更に好ましい。前記平均厚さが60nm以下であると、塗膜の表面粗さRaが下がり、金属調意匠性を示す指標となるグロス値を高くすることができ、優れた金属調意匠性を発現できるという利点がある。
本発明における鱗片状インジウム粒子の平均厚さとは、鱗片状のインジウム粒子の3次元方向において、最も短い部分の長さと定義する。
前記平均厚さは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)観察、蛍光X線分析法(XRF)、紫外可視分光法などから求めることができ、インジウム粒子の平均厚さはインジウム蒸着膜の平均蒸着厚さと同じである。
走査型電子顕微鏡(SEM)観察を用いる場合、インジウム粒子の平均厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、断面観察を行い5~10箇所のインジウム粒子の厚さを計測し、平均した値である。
蛍光X線分析法(XRF)を用いる場合、厚みとインジウムのX線強度における検量線を作成することで、XRFの定量分析によりインジウム蒸着膜の厚さを測定することができる。即ち、簡易的にインジウム粒子の平均厚みを測定することができる。
紫外可視分光法を用いる場合、紫外可視分光光度計によりインジウム蒸着膜の反射率を測定し、得られたスペクトルから膜厚を算出することができる。
前記累積50%体積粒子径(D50)(nm)と平均厚さ(nm)との比(D50(nm)/平均厚さ(nm))としては、50以上が好ましく、100以上がより好ましい。
なお、本発明における「D50(nm)/平均厚さ(nm)」の比は、レーザー回折法を用いて測定したD50を、走査型電子顕微鏡(SEM)観察、又は蛍光X線分析法から求めた平均厚さで除することにより算出した比率である。したがって、前記「D50(nm)/平均厚さ(nm)」の比は、一般的にアスペクト比と呼ばれるパラメーターとは異なる比である。
鱗片状インジウム粒子は、その表面の少なくとも一部に、好ましくは剥離層側の一面に有機物層を有することが好ましい。有機物層は、鱗片状インジウム粒子の製造方法で剥離層として用いた有機物の層である。この有機物層は、鱗片状インジウム粒子が凝集することを抑制する機能を有しており、鱗片状インジウム粒子の表面全体でなくその一部に形成されていても十分に機能を発揮する。
鱗片状インジウム粒子の表面の少なくとも一部に、有機物層を有することは、ガスクロマトグラフィー-質量分析法(Gas Chromatography-Mass spectrometry:GC/MS)やTG-DTA/DSC、走査透過型電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope-Energy Dispersive X-ray Analysis:STEM-EDX)により分析することができる。
有機物層の材質としては、後述する剥離層を構成する有機物と同じものが挙げられる。
<鱗片状インジウム粒子の製造方法>
鱗片状インジウム粒子の製造方法は、剥離層形成工程と、真空蒸着工程と、剥離工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
<<剥離層形成工程>>
前記剥離層形成工程は、基材上に剥離層を設ける工程であり、剥離層形成手段により実施される。
-基材-
基材としては、平滑な表面を有するものであれば特に制限はなく、各種のものを用いることができる。これらの中でも、可撓性、耐熱性、耐溶剤性、及び寸法安定性を有する樹脂フィルム、金属箔、金属箔と樹脂フィルムの複合フィルムを適宜使用できる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。また金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、鉄箔、合金箔などが挙げられる。また金属箔と樹脂フィルムの複合フィルムとしては、上記樹脂フィルムと金属箔をラミネートしたものが挙げられる。
-剥離層-
剥離層としては、後の剥離工程で溶解可能な各種の有機物を用いることができる。また、剥離層を構成する有機物材料を適切に選択すれば、島状構造膜の付着面に付着・残留した有機物を、鱗片状インジウム粒子の保護層として機能させることができるので、好適である。
保護層とは、鱗片状インジウム粒子の凝集、酸化、溶媒への溶出等を抑制する機能を有する。特に、剥離層に用いた有機物を保護層として利用することにより、表面処理工程を別途設ける必要がなくなるので好ましい。
保護層として利用可能な剥離層を構成する有機物としては、例えば、セルロースアセテートブチレート(CAB)、その他のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アクリル酸共重合体、変性ナイロン樹脂、ロジン樹脂、ポリビニルピロリドン、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保護層としての機能の高さから、セルロースアセテートブチレート(CAB)が好ましい。
前記剥離層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクジェット法、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本ロールコート法、5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法、有機蒸着法、CVD法などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<真空蒸着工程>>
前記真空蒸着工程は、前記剥離層上に鱗片状インジウム粒子を含有する金属層を真空蒸着する工程であり、真空蒸着手段により実施される。
鱗片状インジウム粒子を含有する金属層の平均蒸着厚さは60nm以下が好ましく、55nm以下がより好ましく、50nm以下が更に好ましく、45nm以下が特に好ましい。なお、鱗片状インジウム粒子を含有する金属層の平均蒸着厚さは、インジウム粒子の平均厚さと同じである。
前記金属層の平均蒸着厚さが60nm以下であると、塗膜の表面粗さRaが下がり、金属調意匠性を示す指標となるグロス値を高くすることができ、優れた金属調意匠性を発現できるという利点がある。
前記平均蒸着厚さは、例えば、蛍光X線分析法(XRF)や紫外可視分光光度計を用いる、もしくは鱗片状インジウム粒子にした後に走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて、断面観察を行い、5~10箇所の鱗片状インジウム粒子の厚さを計測し、平均した平均値である。
金属層は島状構造膜であることが好ましい。島状構造膜は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、めっき法などの各種の方法によって形成することができる。これらの中でも、真空蒸着法が好ましい。
真空蒸着法は、樹脂製基材にも成膜可能である点、廃液が出ない点等においてめっき法より好ましく、真空度を高くできる点、成膜速度(蒸着レート)が大きい点から、スパッタリング法より好ましい。
真空蒸着法における蒸着レートは、10nm/sec以上が好ましく、10nm/sec以上80nm/sec以下がより好ましい。
剥離層上にインジウム粒子の薄膜を成膜すると、蒸着源から飛来した個々のインジウム原子は、基材表面に到達すると、基材との相互作用によって、エネルギーを失って基材に吸着し、基材表面上で拡散、インジウム原子同士の衝突、結合し、三次元的な核が形成される。形成された三次元的な核は基材上の表面拡散原子の獲得により、原子数がある臨界値を超えると、隣接する三次元的な核と合体し島状に成長し島状構造膜を形成する。このような島状構造膜は、基材上にあるときは膜の形態を保持しているが、基材から剥がされると分裂して個々の島がインジウム粒子となる。
最終的に得られるインジウム粒子の形状や累積50%体積粒子径、超微小粒子と微小粒子の体積比率(V1/V2)×100は、島状構造膜の平均膜厚(以下単に「膜厚」ということがある)を変えることによって制御することができる。島状構造膜の平均膜厚は、成膜中に膜の干渉を利用して測定することができるので、インジウム粒子の形状や大きさとの関係を予め求めておくことにより、所望の形状と大きさを有するインジウム粒子を容易に得ることができる。また、インジウム粒子の形状や累積50%体積粒子径、超微小粒子と微小粒子の体積比率に影響する操業要因としては、成膜方法、基材に飛来するインジウムのエネルギー(運動エネルギー・温度など)、基材や剥離層の表面自由エネルギー、基材の冷却方法・温度、成膜速度、成膜時の圧力などが挙げられる。
<<剥離工程>>
前記剥離工程は、前記剥離層を溶解することにより前記金属層を剥離する工程であり、剥離手段により実施される。
前記剥離層を溶解可能な溶剤としては、剥離層を溶解可能な溶剤であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、活性エネルギー線硬化型インクの有機溶剤としてそのまま用いることができるものが好ましい。
前記剥離層を溶解可能な溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、ドデカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニル等のエステル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類;フェノール、クレゾール等のフェノール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、オクタデセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメシン、ニトロベンゼン、アニリン、メトキシベンゼン等の脂肪族もしくは芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の脂肪族もしくは芳香族塩化炭化水素;ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等の含窒素化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
剥離層を溶解することによって、基材から島状構造膜が剥離し、該島状構造膜が分裂して個々の島がインジウム粒子となる。これにより、特に粉砕工程を経ることなく鱗片状インジウム粒子分散液が得られるが、必要に応じて粉砕、分級を行ってもよい。また、鱗片状インジウム粒子の一次粒子が凝集している場合には、必要に応じてこれを解砕してもよい。
更に必要に応じて、鱗片状インジウム粒子の回収や物性の調整のために種々の処理を行ってもよい。例えば、分級によって鱗片状インジウム粒子の粒度を調整してもよいし、遠心分離、吸引ろ過などの方法で鱗片状インジウム粒子を回収することや、分散液の固形分濃度を調整してもよい。また、溶媒置換を行ってもよいし、添加剤を用いて粘度調整等を行ってもよい。なお、分散剤を添加してもよいが、剥離層として適切な有機物を選択しておけば分散性の良好な鱗片状インジウム粒子からなる光輝性顔料分散液が得られるので、新たに分散剤を添加しなくてもよい。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、例えば、剥離した金属層を分散液として取り出す工程、分散液から島状の金属層を鱗片状インジウム粒子として回収する工程などが挙げられる。
前記鱗片状インジウム粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましく、4質量%以上80質量%以下が特に好ましく、5質量%以上60質量%以下がより特に好ましく、5質量%以上40質量%以下が更に特に好ましく、5質量%以上20質量%以下が最も好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、硬化塗膜の光沢感が低下してしまうおそれがある。前記含有量が80質量%以下であると、印刷により適したインクになり得るので好ましい。
鱗片状インジウム粒子の好適なインク中の含有量は、活性エネルギー線硬化型インクの付与方法に応じて異なり適宜選定することができ、例えば、バーコート法及びスピンコート法の場合には、5質量%以上80質量%以下が好ましい。インクジェット法の場合には、1質量%以上20質量%以下が好ましい。
<重合性化合物>
前記重合性化合物は、活性エネルギー線(紫外線、電子線等)により重合反応を生起し、硬化する化合物である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、重合性化合物として、単官能モノマー及び多官能モノマーを含み、必要に応じてオリゴマーを含有することが好ましい。単官能モノマー及び多官能モノマーを含むことで、印刷に適した粘度と硬化速度との両立を図ることが可能となるので、好ましい。
-単官能モノマー-
前記単官能モノマーとは、エチレン性不飽和二重結合を1つ有する重合性モノマーを意味する。
前記エチレン性不飽和二重結合を1つ有する重合性モノマーとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジキシルエチル(メタ)アクリレート、エチルジグリコール(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルモノ(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、エトキシ化コハク酸(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、N-ビニルホルムアミド、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、エトキシ化トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化(4)ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(350)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(550)モノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記単官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量(単官能モノマーと多官能モノマーとの合計量)に対して、20質量%以上80質量%以下が好ましく、50質量%以上70質量%以下がより好ましい。前記含有量が、20質量%未満であると、粘度が高くなり、印刷に適さないことがある。一方、前記含有量が、80質量%を超えると、硬化速度が遅くなり、印刷に適さないことがある。
-多官能モノマー-
前記多官能モノマーとは、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上有するモノマーを意味し、エチレン性不飽和二重結合を2以上10以下有することが好ましい。
前記多官能モノマーとしては、例えば、ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2-n-ブチル-2-エチル1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化リン酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシレートグリセリルトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールオリゴ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールオリゴ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンオリゴ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールオリゴ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量(単官能モノマーと多官能モノマーとの合計量)に対して、20質量%以上80質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましい。前記含有量が20質量%未満であると、硬化速度が遅くなり、印刷に適さないことがある。一方、前記含有量が80質量%を超えると、粘度が高くなり、印刷に適さないことがある。
-オリゴマー-
前記オリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を持つものが挙げられ、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する多官能オリゴマーが好ましく、具体的には、芳香族ウレタンオリゴマー、脂肪族ウレタンオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、その他の特殊オリゴマーなどが挙げられる。
前記オリゴマーとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、日本合成化学工業株式会社製のUV-2000B、UV-2750B、UV-3000B、UV-3010B、UV-3200B、UV-3300B、UV-3700B、UV-6640B、UV-8630B、UV-7000B、UV-7610B、UV-1700B、UV-7630B,UV-6300B、UV-6640B、UV-7550B、UV-7600B、UV-7605B、UV-7610B、UV-7630B、UV-7640B、UV-7650B、UT-5449、UT-5454;サートマー社製のCN902、CN902J75、CN929、CN940、CN944、CN944B85、CN959、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J85、CN964、CN965、CN965A80、CN966、CN966A80、CN966B85、CN966H90、CN966J75、CN968、CN969、CN970、CN970A60、CN970E60、CN971、CN971A80、CN971J75、CN972、CN973、CN973A80、CN973H85、CN973J75、CN975、CN977、CN977C70、CN978、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN983、CN984、CN985、CN985B88、CN986、CN989、CN991、CN992、CN994、CN996、CN997、CN999、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9013、CN9018、CN9019、CN9024、CN9025、CN9026、CN9028、CN9029、CN9030、CN9060、CN9165、CN9167、CN9178、CN9290、CN9782、CN9783、CN9788、CN9893;ダイセル・オルネクス株式会社製のEBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、KRM8200、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260、KRM7735、KRM8296、KRM8452、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL9270、EBECRYL8311、EBECRYL8701などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<重合開始剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、重合開始剤を含有することが好ましい。
前記重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。
前記重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p-ジエチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルベンジルアミン及び4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン化合物が好ましく、その含有量は、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
<有機溶剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、有機溶剤を含有することが好ましい。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、鱗片状インジウム粒子を剥離時に使用する有機溶剤を用いることができ、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、ドデカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニル等のエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
<その他の成分>
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、必要に応じてその他の公知の成分を含んでもよい。前記その他成分としては、特に制限されないが、例えば、界面活性剤、重合禁止剤、色材、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、増粘剤などが挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、混合装置を用い、鱗片状インジウム粒子、重合性化合物、重合開始剤、及びその他の成分などを所定量添加し、混合させることにより調製することができる。
(硬化塗膜)
本発明の硬化塗膜は、本発明の活性エネルギー線硬化型インクを付与してなる塗膜の硬化物である。
前記硬化塗膜は、入射角20°のグロス値(Gs20°)及び入射角60°のグロス値(Gs60°)において、これらの差(Gs20°-Gs60°)が150以上、及び比(Gs20°/Gs60°)が1.3以上の少なくともいずれかを満たすことが好ましく、差(Gs20°-Gs60°)が250以上、及び比(Gs20°/Gs60°)が1.5以上の少なくともいずれかを満たすことがより好ましく、差(Gs20°-Gs60°)が350以上、及び比(Gs20°/Gs60°)が1.7以上の少なくともいずれかを満たすことが更に好ましい。
ここで、入射角20°のグロス値(Gs20°)は、正反射成分に近い反射強度を示す。入射角60°のグロス値(Gs60°)は、拡散成分に近い反射強度を示す。
差(Gs20°-Gs60°)は、写像性を示し、正反射成分(Gs20°)と拡散成分(Gs60°)の差(Gs20°-Gs60°)が大きければ大きいほど入射した光線はより正反射の光沢に寄与していると言えることから、差(Gs20°-Gs60°)が大きいほど印刷表面で得られる像は正反射し、写像性が高くなるので好ましい。
比(Gs20°/Gs60°)は、鏡面光沢性を示し、平滑なフィルム又はガラスにアルミニウム・銀等の金属を蒸着すると鏡面が得られるが、このとき光沢度の正反射成分(G20)は大きく、拡散反射成分(Gs20°)は小さくなることから、比(Gs20°/Gs60°)は概ね2となる。
一方、鏡面光沢性の低いものは光沢度の正反射成分(Gs20°)と拡散反射成分(Gs20°)はともに小さくなるが、正反射成分(Gs20°)がより小さくなり、比(Gs20°/Gs60°)は概ね1となる。換言すると、鏡面光沢性が高いものほど比(Gs20°/Gs60°)は大きくなり、鏡面光沢性が低いものほど比(Gs20°/Gs60°)が小さくなると言える。
ここで、前記硬化塗膜のグロス値は、例えば、光沢計を用い、JIS Z8741「鏡面光沢度-測定方法」に準拠した平行光方式で、入射角を20°及び60°として測定することができる。
前記硬化塗膜は、CIE Lab表色系において、L値(全反射)が75以上、L値(拡散反射)が40以下、L値(正反射)が35以上であることが好ましくい。
CIE Lab表色系の、L値(全反射)、L値(拡散反射)、及びL値(正反射)が、上記の数値範囲であると、優れた金属調意匠性(高グロス値)を奏することができる。
CIE Lab表色系のL値(全反射)、L値(拡散反射)、及びL値(正反射)は、分光測色計を用い、波長領域360nm~740nmの範囲、入射角8°の反射スペクトルより算出することができる。
本発明の硬化塗膜は、基材上に本発明の活性エネルギー線硬化型インクを付与して塗膜を形成し、前記塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させることによって形成される。
-基材-
基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられる。これらの中でも、加工性の観点から、プラスチックが好ましい。
-付与方法-
本発明の活性エネルギー線硬化型インクの付与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、インクジェット法、スプレー法、スクリーンコート法、オフセットコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本ロールコート法、5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、ドリップコート法などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、優れた金属調の色彩を実現できる点から、スピンコート法、インクジェット法、バーコート法、及びドリップコート法が特に好ましい。
-硬化-
硬化は、前記塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させる工程である。
活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、インク中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。
前記活性エネルギー線の光源としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、UV-LEDランプなどが挙げられる。
前記水銀ランプとしては、石英ガラス製の発光管の中に高純度の水銀(Hg)と少量の希ガスが封入されたもので、365nmを主波長とし、254nm、303nm、313nmの紫外線を効率よく放射し、短波長紫外線の出力が高いのが特徴である。
前記メタルハライドランプとしては、発光管の中に水銀に加えて金属をハロゲン化物の形で封入したもので、200nmから450nmまで広範囲にわたり活性エネルギー線スペクトルを放射し、水銀ランプに比べ、300nm以上450nm以下の長波長紫外線の出力が高いのが特徴である。
前記UV-LEDランプとしては、長寿命、及び低消費電力のLED方式により、環境負荷を低減でき、オゾン発生がなく装置もコンパクトにできる特徴があり、本発明の活性エネルギー線硬化型インクを硬化する際に用いるランプとして好ましい。
<用途>
本発明の活性エネルギー線硬化型インク及び硬化塗膜は、従来の鱗片状アルミニウム粒子を用いた活性エネルギー線硬化型インクに比べて優れた金属調意匠性(高グロス値)を有しているので、各種分野に幅広く用いられ、例えば、インクジェット用又はその他の印刷用光輝性インク、自動車内外装部材、家電、建材等の用途における塗装用光輝性塗料、導電性ペースト、加飾フィルム、3Dプリンタ用金属調フィラメント、溶融押し出し、及びキャスティング工法における金属調意匠性シートやフィルムなどに適用される。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(比較製造例1)
<鱗片状アルミニウム粒子の作製>
平均厚さが12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、5質量%のセルロースアセテートブチレート(CAB)を含む溶液をグラビアコート法で塗布し、110℃以上120℃以下で乾燥して、剥離層を形成した。セルロースアセテートブチレート(CAB)の塗布量は0.06g/m±0.01g/mであった。剥離層上に、高周波誘導加熱・真空蒸着法によって、蒸着レート40nm/secで平均蒸着厚さが20nmのアルミニウム蒸着膜を形成した。
次に、剥離層及びアルミニウム蒸着膜を形成したPETフィルム面に酢酸ブチルをスプレーして剥離層を溶解し、アルミニウム蒸着膜をドクターブレードで掻き落とした。得られたアルミニウム粒子は鱗片状であった。
次に、得られた鱗片状アルミニウム粒子と酢酸ブチルの混合物に対して、微粉砕機を用いて一次粒子になるまで粉砕した。以上により、比較製造例1の鱗片状アルミニウム粒子を得た。
(比較製造例2)
比較製造例1において、蒸着レート40nm/secで平均蒸着厚さが40nmのアルミニウム蒸着薄膜を形成した以外は、比較製造例1と同様にして、比較製造例2の鱗片状アルミニウム粒子の分散液を得た。
(製造例1)
<鱗片状インジウム粒子の作製>
平均厚さが12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、5質量%のセルロースアセテートブチレート(CAB)を含む溶液をグラビアコート法で塗布し、110℃以上120℃以下で乾燥して、剥離層を形成した。セルロースアセテートブチレート(CAB)の塗布量は0.06g/m±0.01g/mであった。
次に、剥離層上に、高周波誘導加熱・真空蒸着法によって、蒸着レート30nm/secで平均蒸着厚さが35nmのインジウム蒸着膜を形成した。インジウム蒸着薄膜の平均蒸着厚さは、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて、断面観察を行い5箇所のインジウム蒸着薄膜の厚さを計測し、平均した値である。結果を表1に示した。この平均蒸着厚さはインジウム粒子の平均厚さと同じである(以下、同様である)。
次に、剥離層及びインジウム蒸着膜を形成したPETフィルム面にプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)をスプレーして剥離層を溶解し、インジウム蒸着膜をドクターブレードで掻き落とした。得られたインジウム粒子は鱗片状であった。
次に、得られた鱗片状インジウム粒子とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)の混合物に対して、超音波ホモジナイザーを用いて一次粒子になるまで解砕した。以上により、製造例1の鱗片状インジウム粒子を得た。
(製造例2)
製造例1において、蒸着レート30nm/secで平均蒸着厚さが37nmのインジウム蒸着薄膜を形成した以外は、製造例1と同様にして、製造例2の鱗片状インジウム粒子の分散液を得た。
(製造例3)
製造例1において、蒸着レート35nm/secで平均蒸着厚さが43nmのインジウム蒸着薄膜を形成した以外は、製造例1と同様にして、製造例3の鱗片状インジウム粒子の分散液を得た。
(製造例4)
製造例1において、蒸着レート35nm/secで平均蒸着厚さが51nmのインジウム蒸着薄膜を形成した以外は、製造例1と同様にして、製造例4の鱗片状インジウム粒子の分散液を得た。
(製造例5)
製造例1において、蒸着レート35nm/secで平均蒸着厚さが55nmのインジウム蒸着薄膜を形成した以外は、製造例1と同様にして、製造例5の鱗片状インジウム粒子の分散液を得た。
(製造例6)
製造例1において、蒸着レート30nm/secで平均蒸着厚さが66nmのインジウム蒸着薄膜を形成した以外は、製造例1と同様にして、製造例6の鱗片状インジウム粒子の分散液を得た。
<塗膜の形成>
得られた各鱗片状粒子を、分散溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)と水を質量比1:1)に分散させ、固形分を2.5質量%に調整して、鱗片状粒子分散液を調製した。
各鱗片状粒子分散液を、ミカサ株式会社製スピンコーター(MS-A150)を使用して、回転数500rpmの条件でガラス基板上に塗膜を形成した。
次に、得られた各鱗片状粒子及び塗膜について、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表1から表3に示した。
<各鱗片状粒子の累積50%体積粒子径(D50)、粒径のピークトップ、及び体積比率>
各鱗片状粒子の累積50%体積子粒径(D50)は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(装置名:レーザーマイクロンサイザーLMS-2000e、株式会社セイシン企業製、湿式分散ユニット)を用いて、エタノール(商品名:エキネンF-1、日本アルコール販売株式会社製、屈折率:1.360)を分散媒とし、スターラーで撹拌しながら、鱗片状粒子を含むサンプルを測定セルへ送り、鱗片状粒子の体積粒度分布を測定し、各ピークの体積を求め、体積比率(V1/V2)×100を求めた。図1に、製造例2~6の鱗片状インジウム粒子、及び比較製造例2の鱗片状アルミニウム粒子における体積基準の粒度分布の結果を示した。なお、製造例1~6の鱗片状インジウム粒子は二峰型分布を有しているが、比較製造例1及び2の鱗片状アルミニウム粒子は、一つのピークだけを有し、二峰型分布を有していない。
<ピークの面積及び面積比率>
各鱗片状粒子について、X軸が粒径、Y軸が体積%で示される粒度分布のグラフの定積分として各部分区間における台形の総和で近似した。即ち、グラフ上の各点を(xi,yi)0≦i≦nとして、S=Σ1/2×{y(i)+y(i+1)}×{log(x(i+1))-log(xi)}から、各ピークの面積を求め、面積比率(S1/S2)×100を求めた。
<グロス値>
各塗膜について、鏡面光沢度を測定した。グロス値の測定は、光沢計(日本電色工業株式会社製、VG-7000)を用い、JIS Z8741「鏡面光沢度-測定方法」に準拠した平行光方式で、入射角20°(Gs20°)及び入射角60°(Gs60°)で測定した。
<色相(L値、a値、b値)>
各塗膜について、紫外可視近赤分光光度計(株式会社島津製作所製、SolidSpec-3700)、波長領域300nm~800nmの範囲、入射角5°の反射スペクトルより算出した。ここでいうL値は、全反射のL値のことを示す。
<表面粗さ(Ra)>
各塗膜について、走査型プローブ顕微鏡(AFM、株式会社島津製作所製、SPM-9600)を用い、30μm×30μmの範囲の算術平均表面粗さRaを算出した。
<保存安定性>
作製した各鱗片状粒子を、分散溶剤(PM(プロピレングリコールモノメチルエーテルと水を質量比1:1)に分散させ、固形分を2.5質量%に調整した鱗片状粒子分散液を調製した。得られた鱗片状粒子分散液を、容量30mLのガラス瓶(規格瓶No.5、アズワン株式会社製)に入れ、密封し、60℃環境下にて30日間静置し、外観及び差圧を測定し、下記の基準で保存安定性を評価した。なお、「差圧」は(試験後のガラス瓶の内圧)-(大気圧)から求めた。
[評価基準]
○:外観変化なし、かつ差圧5kPa未満
×:外観変化あり、かつ差圧5kPa以上
Figure 0007128524000001
*表1中の製造例1の「-」は未測定であることを示す。
Figure 0007128524000002
*表2中の製造例1の「-」は未測定であることを示す。
Figure 0007128524000003
*表3中の製造例1及び比較製造例1の「-」は未測定であることを示す。
ここで、鱗片状インジウム粒子の粒径と、該粒径における鱗片状インジウム粒子の体積割合との関係を示す体積基準の粒度分布において、第1のピークと、該第1のピークよりも粒径が大きい第2のピークとを有し、前記第1のピークにおける鱗片状インジウム粒子の体積V1と、前記第2のピークにおける鱗片状インジウム粒子の体積V2とは、次式、(V1/V2)×100≧25%、を満たし、次式、(V1/V2)×100≧35%、を満たすことが好ましく、次式、(V1/V2)×100≧50%、を満たすことがより好ましい。
次式、(V1/V2)×100≧25%、を満たすことにより、塗膜の表面粗さRaが下がり、金属調意匠性を示す指標となるグロス値を高くすることができ、優れた金属調意匠性を発現できるという利点がある。
また、鱗片状インジウム粒子の粒径と、該粒径における鱗片状インジウム粒子の体積割合との関係を示す体積基準の粒度分布において、第1のピークにおける鱗片状インジウム粒子の粒径P1と、第2のピークにおける鱗片状インジウム粒子の粒径P2とが、次式、P2/P1≦12、を満たすことが好ましく、P2/P1≦10がより好ましく、P2/P1≦8が更に好ましく、P2/P1≦7が特に好ましい。
次式、P2/P1≦12、を満たすことにより、塗膜の表面粗さRaが下がり、金属調意匠性を示す指標となるグロス値を高くすることができ、優れた金属調意匠性を発現できるという利点がある。
前記第1のピークにおける鱗片状インジウム粒子の粒径P1は0.075μm以下が好ましい。
前記第2のピークにおける鱗片状インジウム粒子の粒径P2は0.75μm以下が好ましく、0.6μm以下がより好ましく、0.5μm以下が更に好ましい。
上記(V1/V2)×100、及びP2/P1は、鱗片状インジウム粒子の粒径と、該粒径における鱗片状インジウム粒子の体積割合との関係を示す体積基準の粒度分布を測定することにより求めることができる。体積基準の粒度分布は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器などにより測定することができる。
鱗片状インジウム粒子の粒径と、該粒径における鱗片状インジウム粒子の体積割合との関係を示す体積基準の粒度分布において、第1のピークにおける鱗片状インジウム粒子の面積S1と、第2のピークにおける鱗片状インジウム粒子の面積S2とは、次式、(S1/S2)×100≧20%、を満たすことが好ましく、次式、(S1/S2)×100≧30%、を満たすことがより好ましく、次式、(S1/S2)×100≧50%、を満たすことが更に好ましく、次式、(S1/S2)×100≧70%、を満たすことが特に好ましい。
次式、(S1/S2)×100≧20%、を満たすことにより、塗膜の表面粗さRaが下がり、金属調意匠性を示す指標となるグロス値を高くすることができ、優れた金属調意匠性を発現できるという利点がある。
表1から表3の結果から、平均厚さが60nm以下であり、かつ累積50%体積粒子径D50が0.7μm以下を満たす製造例1~5の鱗片状インジウム粒子は、平均厚さが66nmであり、かつ累積50%体積粒子径D50が0.78μmである製造例6の鱗片状インジウム粒子に比べて、塗膜の表面粗さRaが下がり、金属調意匠性を示す指標となるグロス値を高くすることができ、優れた金属調意匠性を発現できることが明らかである。
このように平均厚さ及び累積50%体積粒子径D50を最適化した製造例1~5の鱗片状インジウム粒子の中から、製造例1の鱗片状インジウム粒子を選択し、比較製造例1の鱗片状アルミニウム粒子と共に、以下の実施例及び比較例で使用した。なお、製造例2~5の鱗片状インジウム粒子についても製造例1の鱗片状インジウム粒子と同様な結果が得られた。
(実施例1~17及び比較例3~5)
<活性エネルギー線硬化型インクの調製>
表4-1から表4-4の組成及び含有量に基づき、常法により、実施例1~17及び比較例3~5の活性エネルギー線硬化型インクを作製した。
Figure 0007128524000004
Figure 0007128524000005
Figure 0007128524000006
Figure 0007128524000007
表4-1から表4-4中の各成分の詳細については、以下のとおりである。
・フェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)
・トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)
・Omnirad184(BYK Additives & Instruments社製)
・BYK-UV3576(BYK Additives & Instruments社製)
・酢酸ブチル(大伸化学株式会社製)
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)(ダイセル化学工業株式会社製)
・鱗片状インジウム粒子:製造例1で作製した鱗片状インジウム粒子
・鱗片状アルミニウム粒子:比較製造例1で作製した鱗片状アルミニウム粒子
次に、得られた実施例1~17、及び比較例3~5の活性エネルギー線硬化型インクを用い、以下のようにして、各硬化塗膜を形成した。
比較例1はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ75μm、東洋紡株式会社製)上に形成したインジウム蒸着膜である。
比較例2はローランドD.G.社製の塩化ビニル印刷メディア(光沢塩化ビニル、MV-G-18G)上に形成したインジウム蒸着膜である。
比較例6はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ75μm、東洋紡株式会社製)上に形成したアルミニウム蒸着膜である。
<バーコート硬化塗膜の形成>
実施例1~16、及び比較例3~5の活性エネルギー線硬化型インクを用い、ローランドD.G.社製の塩化ビニル印刷メディア(光沢塩化ビニル、MV-G-18G)上に、バーコーター(#4、株式会社丸協技研製)を用い、各インクを常温(25℃)にて塗布し、EYE INVERTOR GRANDAGE(アイグラフィックス株式会社製、紫外線照射装置)にて、86.96W・min/mの放電量で硬化させて、平均厚さ3.0±1.0μmの実施例1~16、及び比較例3~5のバーコート硬化塗膜を形成した。
なお、図2に実施例15の鱗片状インジウム粒子を含む硬化塗膜の傾斜角度90°でのSEM写真、図3に実施例15の鱗片状インジウム粒子を含む硬化塗膜の傾斜角度60°でのSEM写真、図4に比較例4の鱗片状アルミニウム粒子を含む硬化塗膜の傾斜角度90°でのSEM写真、図5に比較例4の鱗片状アルミニウム粒子を含む硬化塗膜の傾斜角度60°でのSEM写真をそれぞれ示した。
図2~図5から、実施例15の鱗片状インジウム粒子を含む硬化塗膜は、比較例4の鱗片状アルミニウム粒子を含む硬化塗膜に比べて高充填でありかつ粒子の傾き、カールがない硬化塗膜であることがわかる。
<インクジェット硬化塗膜の形成>
実施例17の活性エネルギー線硬化型インクを用い、富士フィルム株式会社製マテリアルプリンターにて印刷し、UV-LEDランプで硬化させて、平均厚さ3.0μm±1.0μmの実施例17のインクジェット硬化塗膜を形成した。
次に、得られた各硬化塗膜及び蒸着膜について、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表5から表7に示した。
<光沢感(目視)>
得られた各硬化塗膜について、鏡面具合などを目視にて観察し、以下の基準により光沢感を評価した。
[評価基準]
5:強い映り込みがある光沢感
4:映り込みがある光沢感
3:やや映り込みがある光沢感
2:金属調であるが光沢感なし
1:金属調なし
<グロス値>
得られた各硬化塗膜及び蒸着膜について、塗膜面及び蒸着面を測定面とし、グロス値を測定した。グロス値の測定は、光沢計(日本電色工業株式会社製、VG-7000)を用い、JIS Z8741「鏡面光沢度-測定方法」に準拠した平行光方式で、入射角20°のグロス値(Gs20°)及び入射角60°のグロス値(Gs60°)を測定し、これらの値から、差(Gs20°-Gs60°)、比(Gs20°/Gs60°)を算出した。
<L値(全反射)、L値(拡散反射)、L値(正反射)>
得られた各硬化塗膜及び蒸着膜について、塗膜面及び蒸着面を測定面とし、分光測色計(コニカミノルタジャパン株式会社製、CM-3600A)を用い、波長領域360nm~740nmの範囲で、入射角8°(全反射)、入射角8°(拡散反射)、入射角8°(正反射)の反射スペクトルを測定し、L値(全反射)、L値(拡散反射)、及びL値(正反射)を求めた。
Figure 0007128524000008
Figure 0007128524000009
Figure 0007128524000010
表5から表7の結果から、実施例1~17の鱗片状インジウム粒子を含有する活性エネルギー線硬化型インクを用いて形成した硬化塗膜は、比較例3~5の鱗片状アルミニウム粒子を含有する活性エネルギー線硬化型インクを用いて形成した硬化塗膜に比べて、優れた金属調意匠性(高グロス値)を有していることがわかった。
なお、実施例1~17では、製造例1の鱗片状インジウム粒子を用いたが、製造例2~5の鱗片状インジウム粒子を含有する活性エネルギー線硬化型インクを用いて形成した硬化塗膜についても製造例1の鱗片状インジウム粒子と同様な結果が得られた。

Claims (8)

  1. インジウム粒子の粒径と、該粒径におけるインジウム粒子の体積割合との関係を示す体積基準の粒度分布において、第1のピークにおけるインジウム粒子の粒径P1と、第2のピークにおけるインジウム粒子の粒径P2とが、次式、P2/P1≦12を満たす鱗片状インジウム粒子を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク。
  2. 前記鱗片状インジウム粒子の平均厚さが60nm以下である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  3. 前記鱗片状インジウム粒子の累積50%体積粒子径D50が0.7μm以下である請求項1から2のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  4. 重合性化合物を含有する請求項1から3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  5. 前記重合性化合物が、単官能モノマー及び多官能モノマーを含む請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  6. 更に重合開始剤を含有する請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型インクを付与してなる塗膜の硬化物である硬化塗膜。
  8. 入射角20°のグロス値(Gs20°)及び入射角60°のグロス値(Gs60°)において、これらの差(Gs20°-Gs60°)が150以上、及び比(Gs20°/Gs60°)が1.3以上の少なくともいずれかを満たす請求項7に記載の硬化塗膜。
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