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Abstract

【課題】光輝性に優れる印刷物を安定して得ることのできる、光硬化型インクの印刷方法を提供する。【解決手段】鱗片状金属顔料と重合性化合物と光重合開始剤を含む光硬化型インクの印刷方法であって、被印刷基体の最表層が表面調整剤を含まないか、あるいは0.10質量%以下の範囲内で含むことを特徴とする、印刷方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、鱗片状金属顔料を含む光硬化型インクの印刷方法に関し、光輝性に優れる印刷物を安定して得ることのできる、光硬化型インクの印刷方法に関するものである。
光輝性顔料を用いた塗膜形成は、見る角度によって光沢反射量が異なるキラキラとした金属光沢や、鏡のようなピカピカとした鏡面光沢、パール光沢等を被塗物に与えることができる、高級感のある多彩な意匠の形成方法として、車や電化製品、インテリア用品、文具用品等に広く利用されている。インクジェット印刷においても、金属光沢顔料等の光輝性顔料を用いたインクが検討されており、特に近年では、硬化時間が短く、生産性に優れる活性エネルギー線硬化型インクについて、プラスチックやガラス基材、セラミック、金属等の幅広い基材や製品に適用する検討が進められている。
特開平7-228807号公報(特許文献1)は、メタリック顔料および/またはマイカ顔料からなる光輝剤を含有する塗膜を補修する光輝性塗膜の補修において、補修対象塗料にフッ素系表面調整剤および/またはポリシロキサン系表面調整剤を含むことで、特に煩雑な調色をおこなう必要なしに非補修塗装面との色差を効果的に改善することができることが記載されている。
特開2020-76030号公報(特許文献2)は、優れた金属調を有する汎用性のある活性エネルギー線硬化型インク組成物に関する発明を記載し、液界面のL*値を30以上とすることで、金属調に優れた印刷物を印刷可能で、かつ長期保存安定性に優れる活性エネルギー線硬化型インク組成物が記載されている。
特開2019-43060号公報(特許文献3)は、優れた鏡面調あるいは金属調を有する印刷物を印刷することが可能な印刷方法に関する発明を記載し、具体的には、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物にわずかな非反応性溶剤を含有させ、そのインク組成物を被印刷物の表面に着弾させてから硬化させるまでの時間を被印刷物の温度に応じて調整することによって、優れた鏡面調あるいは金属調を有する印刷層を印刷できる発明が記載されている。
特開2012-245676号公報(特許文献4)は、基材とメタリックインク層との間に受理層を有する発明を記載しており、これは、一般的に紫外線硬化型インクにメタリック粒子を含有させたとしても、当該インクは揮発しにくく、体積変化が少ないため、メタリック粒子が配向せず、低輝度で不鮮明なグレー調の印刷物となってしまうところ、受理層を設け、メタリック粒子を寝かせた状態で整列させることができるように紫外線硬化型インクのモノマーを受理層へ浸透させることによって、メタリックインク層の輝度を向上させることが記載されている。
特開2012-206367号公報(特許文献5)は、光沢感、意匠性に優れたパターンを容易に形成することが可能なインクジェット描画方法に関する発明を記載し、インクジェット方式等によって表面に複数の凸部を有する記録媒体を用意し、その上に金属粒子含む紫外線硬化型インクジェット用組成物を用いてパターンを形成するインクジェット描画方法によって、微細なパターン形成、曲面部への適用、グラデーションのある金属調の印刷等、インクジェット描画の特徴を生かした印刷物が得られることが記載されている。
特開平7-228807号公報 特開2020-76030号公報 特開2019-43060号公報 特開2012-245676号公報 特開2012-206367号公報
鱗片状の金属顔料を用いた光硬化型インクは硬化時間が短く、生産性に優れる反面、極めて短い硬化までの時間の中で鱗片状金属顔料が表面に配向、平行配列する必要があるため、安定して高い意匠を有する印刷物を得ることが困難な課題がある。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、求める光輝性を有する印刷物を安定して得ることのできる、光硬化型インクの印刷方法を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、同じ光輝性インクを用いて同様に印刷を行った場合においても、被印刷基体によって得られる印刷物の光輝性や生産安定性が異なることを確認した。そこで、その原因を探るため更なる検討を行った結果、塗膜のレベリング性を向上させるために一般的に塗料に配合されている表面調整剤やプラスチックに含まれる可塑剤が光硬化型インクに溶出することで鱗片状金属顔料の配向が妨げられ、印刷後の印刷物の光輝性が損なわれており、被印刷基体にこれら表面調整剤を配合しないか、あるいは配合量を少なく調整することで、光輝性に優れる印刷物を安定して得られることを見出した。
即ち、本発明の印刷方法は、(A)鱗片状金属顔料と(B)重合性化合物と(C)光重合開始剤を含む光硬化型インクの印刷方法であって、被印刷基体の最表層が表面調整剤を含まないか、あるいは0.10質量%以下の範囲内で含むことを特徴とする。
本発明の印刷方法の好適例においては、23℃の室温環境下において、前記(B)重合性化合物の表面張力γと、前記被印刷基体の表面を(B)重合性化合物に1分間浸潤させた後の重合性化合物の表面張力γが以下の式(1)の範囲内である。
式(1) |γ-γ|≦3.0
本発明の印刷方法の他の好適例においては、前記(A)鱗片状金属顔料が、表面処理されていないアルミニウム顔料である。
本発明の印刷方法の他の好適例においては、前記(A)鱗片状金属顔料を含む光硬化型インクが、表面調整剤を含まない。
本発明の印刷方法の他の好適例においては、前記光硬化型インクに含まれる(B)重合性化合物が、23℃における表面張力が33~45mN/mの範囲内にある重合性化合物をインク組成物に含まれる全重合性化合物中に30~90質量%の範囲内で含む。
本発明の印刷方法の他の好適例においては、 前記光硬化型インクに含まれる(B)重合性化合物が、単官能重合性化合物を全重合性化合物中に30~90質量%の範囲内で含む。
本発明の印刷方法の他の好適例においては、前記光硬化型インクの液滴が被印刷基体の表面に付与されてから、光照射工程の開始までの時間が0.01~30.0秒の範囲内である。
本発明の印刷方法の他の好適例においては、前記被印刷基材が少なくとも1層以上のインク下地層を含み、鱗片状金属顔料含有インクと直接接するインク下地層1に表面調整剤を含まないか、あるいは0.10質量%以下の範囲内で含有する。
本発明の印刷方法の他の好適例においては、前記インク下地層1が光硬化型インクを基体表面に印刷し、光硬化した光硬化インク層である。
本発明の印刷方法の他の好適例においては、前記被印刷基材が少なくとも2層以上のインク下地層を含み、鱗片状金属顔料含有光硬化型インクに接触するインク下地層1には表面調整剤を含まないか、あるいは0.10質量%以下の範囲内で含み、鱗片状金属顔料含有光硬化型インクに接触しないインク下地層2に表面調整剤を含む。
本発明によれば、被印刷基体を選択することによって、光輝性に優れる印刷物を安定的に得られる、光硬化型インクの印刷方法を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の印刷方法は、被印刷基体に光硬化型インクを印刷する工程を含む。
本発明の被印刷基体の最表層は表面調整剤を含まないか、あるいは0.10質量%以下の範囲内で含むことを必須の要件とする。
<被印刷基体>
本発明の印刷方法において、基材は特に限定されるものではないが、工業ラインで用いられる基材が好適に挙げられる。また、被印刷物の形状としては、例えば、板状、棒状、円筒状、フィルム状および不定形状等がある。更に、被印刷物の材質としては、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチック、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、チタンやそれらの合金等の金属、セメント、コンクリート、石膏、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、大理石、人工大理石、ガラス、セラミック等が挙げられ、これら材料の2種以上を組み合わせたものでもよい。また、基材は、その表面に、脱脂処理、化成処理、研磨等の前処理や、シーラー、プライマー塗装等が施されていてもよい。基材表面は、平滑であってもよいし、凹凸を有するものや立体物であってもよい。
上記印刷基材は表面調整剤を含まない場合にはそのまま本発明の被印刷基体とすることができるが、インクの付着性を向上させる観点から1層以上のインク下地層を形成することが好ましい。
インク下地層は塗膜形成樹脂を含む。ここで、塗膜形成樹脂は、塗膜を構成する樹脂として残る成分であり、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ふっ素樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、ビニル樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等も含まれる)、ケチミン樹脂等が挙げられる。下塗塗膜層中において、塗膜形成樹脂の量は、例えば50~100質量%、好ましくは70質量%~100質量%の範囲内である。また、インク下地層が塗料で形成される場合、下塗り塗料中において塗膜形成樹脂の量は、例えば5~90質量%、好ましくは10~80質量%である。塗膜形成樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
インク下地層は、塗膜形成樹脂として、アクリル樹脂やイミノ基タイプのアミノ樹脂、好ましくはイミノ基タイプのメラミン樹脂を含むことがより好ましい。アクリル樹脂を用いることで活性エネルギー線硬化型インクとの付着性を向上できる。また、イミノ基タイプのアミノ樹脂を用いることで、活性エネルギー線硬化型インクから形成される印刷層との付着性を十分に確保しつつ、耐汚染性及び耐傷付き性に優れる下塗塗膜層を形成することができる。
アミノ樹脂は、一般に、アミノ基の形の窒素を多量に有する重合体の総称である。通常、アミノ基(-NH)を持つ出発原料をアルデヒド(主にホルムアルデヒド)と反応させ、反応性に富む単量体を生成させ、これを付加重合させる熱硬化性樹脂である。アミノ樹脂には、メラミン樹脂(出発原料がメラミン)、尿素樹脂(出発原料が尿素)、グアナミン樹脂(出発原料がベンゾグアナミン等のグアナミン類)の他、出発原料に応じて、チオ尿素樹脂、アニリン樹脂等も知られている。なお、一般に、ナイロン型ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルアミド樹脂等は、アミノ樹脂に分類されない。
また、アミノ基(-NH)を持つ出発原料とアルデヒドとの反応により生成する単量体は、アミノ基として、1つの水素を有するアミノ基(即ち、イミノ基-NHR;ここで、Rはメチロール基又はアルキルエーテル化されたメチロール基)、水素を有さず、メチロール基及びアルキルエーテル化メチロール基から選択される基を有するアミノ基(-NR;ここで、各Rはメチロール基又はアルキルエーテル化されたメチロール基)等を有しており、この単量体のアミノ基の種類に応じて、アミノ樹脂は分類されている。一般に、イミノ基-NHR(ここで、Rはメチロール基又はアルキルエーテル化されたメチロール基)を多く有するものをイミノ基タイプのアミノ樹脂と称し、アミノ基-NR(ここで、各Rはメチロール基又はアルキルエーテル化されたメチロール基)を多く有するものをメチロールタイプのアミノ樹脂と称し、また、アミノ基-NR(ここで、各Rはアルキルエーテル化されたメチロール基)を多く有するものをフルアルキルタイプのアミノ樹脂と称する。
イミノ基タイプのアミノ樹脂の具体例としては、サイメル202、207、213、253、254、325、327、701、703、712、マイコート508(いずれもオルネクス社製)、ニカラックBL-60、MS-001、MX-410、MX-706、MX-730、MX-750、MZ-351(いずれも三和ケミカル社製)等が挙げられる。この中で、特にサイメル325、327、703、ニカラックMX-730が好ましい。
インク下地層に含まれる全樹脂中においてイミノ基タイプのアミノ樹脂の量は、好ましくは3~20質量%、より好ましくは5~20質量%、さらに好ましくは5~15質量%の範囲内である。イミノ基タイプのアミノ樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
インク下地層は、更に、自己架橋型アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、及びポリエステルポリオール樹脂よりなる群から選ばれる1種類以上の塗膜形成樹脂を含むことが好ましい。これらの塗膜形成樹脂は、イミノ基タイプのアミノ樹脂と組み合わせることで、インクとの付着性を向上できる。特に、自己架橋型アクリル樹脂は、イミノ基タイプのアミノ樹脂と組み合わせることで、耐汚染性及び耐傷付き性(又は硬度)の向上効果も高くなる。
インク下地層に含まれる全樹脂中において、自己架橋型アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂及びポリエステルポリオール樹脂からなる塗膜形成樹脂の量は、合計で、好ましくは30~95質量%、より好ましくは50~90質量%の範囲内である。なお、自己架橋型アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、及びポリエステルポリオール樹脂のぞれぞれは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本明細書において、アクリル樹脂は、アクリル酸エステル類又はメタクリル酸エステル類の重合体であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸並びにそのエステル、アミド及びニトリル等から選択される(メタ)アクリルモノマーの1種又は複数種を重合させて得られる重合体が挙げられ、更には、(メタ)アクリルモノマーと、例えば、スチレン等の非(メタ)アクリルモノマーとを重合させて得られる重合体も含まれる。ここで、(メタ)アクリルモノマーの用語は、メタクリルモノマー又はアクリルモノマーを意味する。ここで、アクリルポリオール樹脂は、複数の水酸基を有するアクリル樹脂である。アクリルポリオール樹脂は、例えばアクリル樹脂の合成の際に水酸基を有するモノマーを用いることで容易に得ることができる。
本明細書において、ポリエステル樹脂は、主鎖の欠くことができない部分としてエステル結合が繰り返されている重合体から構成されている樹脂であり、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの反応によって得られる。ここで、ポリエステルポリオール樹脂は、複数の水酸基を有するポリエステル樹脂である。
自己架橋型アクリル樹脂は、自己架橋性官能基を基体となるアクリル樹脂骨格中に有する樹脂であり、これにより、インク下地層塗装後に施される焼付により当該自己架橋性官能基どうしが架橋を形成し(ここでの自己架橋性官能基どうしの架橋には、同一の官能基間での架橋や異種の官能基間での架橋がある)、それにより、硬度や耐傷付き性などに優れた硬化塗膜がインク下地層として形成できる。
自己架橋型アクリル樹脂は、自己架橋性官能基として、下記式(2):
Figure 2022156830000001
(式中、Rは、水素原子又は炭素数が1~8のアルキル基であり、記号*は、アクリル樹脂骨格への結合点である)で表される官能基を有することが好ましく、更には、式(2)で表される官能基に加えて、該官能基に対して反応性を示す官能基(例えば、水酸基、アミノ基、アミド基、イミド基、アルコキシメチル基等)を有していてもよい。この式(2)で表される自己架橋性官能基どうしの熱処理(焼付)による架橋の機序は公知の通りであり、熱処理により式中のR(水素原子又はアルキル基)の脱離や、それと同時に引き起こされる脱水や、それに引き続きホルムアルデヒド(CHO)が脱離されることにより、最終的に-NH-CH-NH-の結合が生じることによるものであることが確認されている。
上記式(2)において、Rは水素原子又は炭素数が1~8のアルキル基である。ここで、アルキル基は、直鎖でも枝分れ鎖でもよく、炭素数1~4のアルキル基が好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基等が挙げられる。アルキル基は、未置換でも置換されていてもよいが、未置換のアルキル基であることが好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン等が挙げられる。
自己架橋型アクリル樹脂に含まれる上記式(2)で表される官能基の量は、焼付により十分な硬化を行う観点から、例えば3~20質量%、好ましくは5~15質量%である。
自己架橋型アクリル樹脂は、下記式(1)
Figure 2022156830000002
(式中、Rは、水素原子又は炭素数が1~8のアルキル基であり、Rは、水素原子又はメチル基である)で表される(メタ)アクリルモノマーの重合体又は上記式(1)で表される(メタ)アクリルモノマーと該(メタ)アクリルモノマー以外のエチレン性不飽和基を有するモノマー及び/又はオリゴマーとを共重合させたアクリル樹脂共重合体のいずれか一方であるか、又はその両方からなることが好ましい。
上記式(1)において、Rは水素原子又は炭素数が1~8のアルキル基である。ここで、アルキル基は、直鎖でも枝分れ鎖でもよく、炭素数1~4のアルキル基が好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基等が挙げられる。アルキル基は、未置換でも置換されていてもよいが、未置換のアルキル基であることが好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン等が挙げられる。また、上記式(1)において、Rは、水素原子又はメチル基であり、水素であることが好ましい。
上記式(1)で表される(メタ)アクリルモノマーの具体例としては、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド、N-イソブトキシメチルアクリルアミド、N-メトキシメチルアクリルアミド及びN-メチロールアクリルアミド等が好適に挙げられる。
また、上記式(1)で表される(メタ)アクリルモノマー以外のエチレン性不飽和基を有するモノマー及び/又はオリゴマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、スチレン等が挙げられる。
自己架橋型アクリル樹脂の具体例としては、ダイヤナールSE5661、SE5456、SE5102、SE5482、RE1616、LR691(いずれも三菱レイヨン社製)等が挙げられる。
自己架橋型アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、及びポリエステルポリオール樹脂は、インクとの付着性や塗膜としての性能の観点から、その数平均分子量(Mn)は、好ましくは3000~50000、より好ましくは10000~30000であり、重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10000~200000、より好ましくは50000~150000であり、また、ガラス転移温度(Tg)は、好ましくは-30~90℃、より好ましくは-20~60℃である。
本明細書において、数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した値であり、標準物質にはポリスチレンが使用される。
本明細書において、ガラス転移温度(Tg)とは、次のFOX式を用いて計算されるものをいう。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wi/Tgi+・・・+Wn/Tgn
上記FOX式において、Tgは、n種類のモノマーからなるポリマーのガラス転移温度(K)であり、Tg(1、2、i、n)は、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(K)であり、W(1、2、i、n)は、各モノマーの質量分率であり、W1+W2+・・・+Wi+・・・+Wn=1である。
アクリルポリオール樹脂、及びポリエステルポリオール樹脂は、水酸基価が1~200mgKOH/gであることが好ましい。これら樹脂の水酸基価が上記特定した範囲内にあれば、良好な塗膜性能を示すのに十分な硬化性を確保することができる。なお、水酸基価は、JIS K 0070に準拠して測定できる。これら樹脂の水酸基価が1mgKOH/gより小さいと、十分な硬化性が得られない場合がある。一方、これら樹脂の水酸基価が200mgKOH/gより大きいと、架橋点が多くなり内部応力が増大するため、基材や塗膜との付着性が悪くなる場合がある。
インク下地層は、顔料を含むことができる。顔料の具体例としては、二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の着色顔料、シリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料、亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ハイドロカルマイト等の防錆顔料、アルミニウム、ニッケル、クロム、錫、銅、銀、白金、金、ステンレス等の光輝顔料や、ガラスフレーク、黒鉛等の鱗片状顔料等が挙げられる。
インク下地層において、顔料の量は、例えば0~50質量%の範囲内である。また、インク下地層中における顔料の量は、例えば0~50質量%、好ましくは1~30質量%の範囲内である。なお、顔料は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
インク下地層には、樹脂や顔料以外に、水、有機溶剤、乾燥剤、酸化防止剤、反応触媒、分散剤、消泡剤、脱水剤、レベリング剤、沈降防止剤、ダレ止め剤、シランカップリング剤等の付着性付与剤、防藻剤、防カビ剤、防腐剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤等を必要に応じて適宜配合してもよい。インク下地層が光硬化型インクまたは光硬化型塗料の場合は、後述するインク組成物に配合する配合成分を用いて形成することができる。
インク下地層の塗装手段は、特に限定されず、既知の塗装手段、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、カーテンフロー、ロールコーター、ローラーカーテン、ダイコーター、フローコーター、静電塗装の他、インクジェット印刷、オフセット印刷(平板印刷)、フレキソ印刷(凸版印刷)、グラビア印刷(凹版印刷)、スクリーン印刷(孔版印刷)等の各種印刷方法が利用できる。
インク下地層は、塗膜形成工程において、常温乾燥の他、加熱乾燥、焼付硬化乾燥、活性エネルギー線硬化乾燥によって塗膜を乾燥させることができる。
インク下地層は、1層で形成してもよく、2層以上の複数層で形成しても良い。その厚さは例えば5~100μmである。
インク下地層が2層以上より形成される場合は、光輝性顔料を含む光硬化型インクの被印刷面となる下地層に表面調整剤を含まないか、あるいは光硬化型インク中に0.10質量%以下の範囲内とすれば、それ以外の層を形成するインク下地層に表面調整剤を配合しても良い。表面調整剤を配合することで、塗料やインクのレベリング性が向上し、基材の表面が有する凹凸を減少させて得られる印刷物の意匠性を向上させることができる。
本発明における表面調整剤とは、被印刷基体の表面に存在し、インクの表面張力を変化させる成分である。具体的には、基体にインク下地層を形成し、被印刷基体とする際に、インク下地層形成成分に配合して塗着後のレベリング性を向上させるため、あるいはインク下地層塗着時の表面張力などの液物性を塗着方法に適した範囲に調整するためにインク下地層に配合される表面調整剤や、プラスチック基材の可塑剤として一般的に被印刷基体に配合、または塗着されている成分であり、シリコーン系表面調整剤、アクリル系表面調整剤、ビニル系化合表面調整剤物およびフッ素系表面調整剤等が挙げられる。被印刷基体の最表層の表面調整剤量を0.10質量%以下とすることで、(A)鱗片状金属顔料を含む光硬化型インクの表面張力の変化を抑え、鱗片状金属顔料の配列によって形成される任意の輝度感に影響を及ぼさないことから、意匠性に富んだ印刷物の形成が可能になる。被印刷基体の最表層の表面調整剤量は、0.05質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以下であることがさらに好ましく、含まないことが最も好ましい。
シリコーン系表面調整剤は、通常、シロキサン骨格を構造単位として有するオリゴマー又はポリマーである。このシロキサン構造は、主鎖として存在してもよいし、側鎖(例えばグラフト鎖)としていて存在してもよい。また、シリコーン系化合物は、これらオリゴマーまたはポリマーが変性された変性シリコーンであってもよい。変性シリコーンとしては、ポリエーテル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーンなどが挙げられる。
シリコーン系表面調整剤の市販品としては、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK-302、BYK-307、BYK-333、BYK-349、BYK-375、BYK-377や、共栄社化学株式会社製のポリフローKL-401、ポリフローKL-402、ポリフローKL-403、ポリフローKL-40、楠本化成株式会社製のディスパロン1711EF、1751N、1761、日信化学工業株式会社のシルフェイスシリーズ等を挙げることができる。
アクリル系表面調整剤としては、例えば、アクリル系モノマーを必須のモノマー成分として構成された重合体(アクリル系モノマー由来の構成単位を必須の構成単位として有するアクリル系重合体)が挙げられる。
アクリル系重合体はホモポリマーであってもよいし、コポリマーであってもよい。アクリル系重合体は、重合方法等により得ることができる。
アクリル系表面調整剤の市販品としては、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK-350、BYK-356、BYK-361N、BYK-3550や、共栄社化学株式会社製のポリフローNo.75、ポリフローNo.77、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95、ポリフローNo.99C、楠本化成株式会社製のディスパロン1970、ディスパロン230、ディスパロンLF-1980、1982等が挙げられる。
ビニル系表面調整剤としては、例えば、ビニルエステルポリマー等のビニル系重合体が挙げられる。
ビニル系表面調整剤の市販品としては、楠本化成株式会社製のディスパロンLHP-90、ディスパロンLHP-91等が挙げられる。
フッ素系化合物としては、例えば、フッ素原子を有するモノマーに由来する構造を含むポリマーまたはオリゴマーが挙げられる。そのようなポリマーまたはオリゴマーとしては、例えば、水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換されたフッ素化アルキル基(例えば、パーフルオロアルキル基)を有するアクリル系重合体(含フッ素アクリル系重合体)などが挙げられる。
また、水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換されたアルキル基(例えば、パーフルオロアルキル基)を有するポリエーテル系重合体(含フッ素ポリエーテル系重合体)を挙げることもできる。含フッ素ポリエーテル系重合体はホモポリマーであってもよいし、コポリマーであってもよい。含フッ素ポリエーテル系重合体は、例えば、対応する環状エーテル化合物を開環重合すること等により得ることができる。
フッ素系化合物の市販品としては、例えば、BYK-340(ビックケミー・ジャパン株式会社製)、メガファックF-410、メガファックF-444、メガファックF-430、メガファックF-552、メガファックF-553、メガファックF-556(以上、DIC株式会社製)などが挙げられる。
<光硬化型インク>
本発明の光硬化型インクは(a)鱗片状金属顔料と(b)重合性化合物と(c)光重合開始剤を含む。
<(A)鱗片状金属顔料>
本発明の活性エネルギー線硬化型インク組成物に用いる鱗片状金属顔料は、箔のような薄く平らな形状をした金属顔料であり、例えば、蒸着を利用した製法により得られる。鱗片状金属顔料としては、アルミニウム、マイカ、ニッケル、クロム、錫、銅、銀、白金、金等の金属顔料が挙げられ、アルミニウムまたはマイカが好ましい。平均粒径、アスペクト比は適宜選択して使用することができ、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明の印刷方法においては、インク組成物が被印刷基体に着弾した際に鱗片状金属顔料が表面配向しやすいことから、表面処理がなされていないアルミニウム顔料を用いることが好ましい。
本発明の鱗片状金属顔料の大きさは、特に限定されるものではないが、50%体積平均径が100nm以上800nm未満であることが好ましく、200nm以上600nm未満であることがより好ましい。平均厚みは5nm以上50nm未満であることが好ましく、10nm以上30nm未満であることがより好ましい。鱗片状金属顔料の大きさが100nm以上あることで意匠性に優れた光輝感のある印刷物を得ることができるが、800nm以上となった場合には鱗片状顔料の表面配向や印刷時の安定性の観点から好ましくない場合がある。鱗片状顔料の平均厚みが5nm以下となった場合にも、鱗片状金属顔料が薄すぎるため金属光沢が得られなくなる場合がある。
本発明において、50%体積平均径は、体積基準粒度分布の50%粒子径(D50)を指し、フロー式粒子像分析装置を用いて測定される粒度分布から求めることができる。
フロー式粒子像分析装置としては、シスメックス株式会社製の商品名「FPIA-3000S」を挙げることができる。また、フロー式粒子像分析装置での測定条件は下記の通りである。
撮像ユニット:高倍率撮像ユニット
倍率:40倍(接眼レンズ20倍×対物レンズ2倍)
測定モード:HPF測定モード
測定時間:約2分
測定溶媒:エタノール
二値化閾値設定係数:85%
測定時の溶媒による希釈率:2000倍
シース液:エタノール。
平均厚みは、下記のようにして求めた。
アセトンで希釈した鱗片状金属顔料をガラス基板上に数滴滴下し、自然乾固させる。次に、原子間力顕微鏡(商品名:「Nanopics 1000」、セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いてこのガラス基板上に強制配向させた鱗片状金属顔料を20点抽出し、タッピングモードによってそれぞれの厚みを測定する。そして、測定した20点の厚みのうち、上位値および下位値の各3点の厚みを除外した残りの14点の厚みの平均値を求め、その平均値を平均厚みとした。
本発明の鱗片状金属顔料アスペクト比(50%体積平均径/平均厚み)は、5以上50以下であることが好ましい。
本発明の鱗片状金属顔料は、公知の方法で作製することができる。例えば、フィルム支持体上に金属顔料と相溶性のある下引き層を設けたのち、その下引き層上に真空蒸着法等により金属層を設ける。この金属層の厚みが、ほぼ鱗片状金属顔料の厚みに相当する。ついで、下引き層を溶解する溶剤で満たした超音波分散装置内に金属層を設けたフィルム支持体を配置し、超音波分散処理を行う。この超音波分散処理により、金属層はフィルム支持体から剥離し、さらに分散時間を適宜選択することにより、平均径を調整することができる。
また、超音波分散する前に所定の粒子径に裁断し、その後同上の溶剤を満たした超音波分散装置で剥離する方法も適用することができる。さらに細かくするときは、高圧噴射することも効果的である。
こうして得られた鱗片状金属顔料分散液を乾燥し、または分散液調製後に一部の溶剤を重合性化合物と置換する等の方法で、インク組成物に使用することができる。
本発明のインク組成物中において、鱗片状金属顔料の含有量は、0.3~5.0質量%であることが好ましい。
≪光硬化≫
本発明においては、可視光線、紫外線、電子線等通常の光エネルギーを使用することができ、特に紫外線であることが好ましい。光エネルギー線源としては、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマレーザ、色素レーザ、LEDランプ等の紫外線源、並びに電子線加速装置等が使用できる。光エネルギー線の照射エネルギー量(積算光量)は、200~2,000mJ/cm2であることが好ましい。
<(B)重合性化合物>
本発明のインク組成物に用いる重合性化合物は、紫外線、可視光線、電子線等の光の照射によりラジカル重合、カチオン重合を起こすモノマーである。
これら重合性化合物は、単官能モノマー、多官能モノマー、オリゴマー、環状エーテル化合物、オキセタン化合物等を使用することができ、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインク組成物中において、重合性化合物の含有量は、70~90質量%であることが好ましい。
本発明の重合性化合物がラジカル重合性化合物の場合、メタクリレートも含むアクリレート系モノマーであることが好ましく、多官能モノマーを含むことがさらに好ましい。多官能モノマーは、2~6官能モノマーを使用することができる。多官能モノマーは、重合性化合物の5~50質量%含有することが好ましく、10~40質量%がさらに好ましい。
多官能モノマーの存在は、鱗片状金属顔料の印刷面での配向を促進し、1パス方式のような印刷方法で印刷する場合には鏡面調、マルチパス方式のような印刷方法で印刷する場合には金属調をより強く表現することができる。ここで「鏡面調」とは、粒状感のない緻密な金属光沢感をいい、「金属調」とは、粒状感のある金属光沢感をいう。
本発明においては多官能モノマーと単官能モノマーを組み合わせて用いることがより好ましい。単官能モノマーの存在によって被印刷基体との付着性が向上するとともに、被印刷基体が金属基材やプラスチック基材のような基材追従性を要する基材であった場合にも適した可撓性を得ることができる。単官能モノマーは、重合性化合物の30~90質量%含有することが好ましく、40~80質量%がさらに好ましい。
本発明においては表面張力値が33~45mN/mの範囲内にあるモノマー、エチレングリコールおよび/またはプロピレングリコールを構造単位に有する重合性化合物を配合することが好ましい。このような重合性化合物を配合することで、鱗片状金属顔料が気液界面に配向し易くなり、硬化後の印刷物の光輝感が良好になる。好ましい重合性化合物の例としては、例えば以下が挙げられる。(表面張力mN/m)。
単官能モノマー:フェノキシジエチレングリコールアクリレート(40.0)、カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(43.0)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(36.0)、フェノキシエチルアクリレート(39.7)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(38.8)
2官能モノマー:トリエチレングリコールジアクリレート(39.1)、1,4-ブタンジオールジアクリレート(34.6)、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(40.0)、1,9-ノナンジオールジアクリレート(34.8)、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(35.0)
3官能モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート(36.5)等が挙げられる。
<その他の活性エネルギー線硬化性化合物>
本発明の印刷層の強度を上げるためには、活性エネルギー線硬化性化合物として、アクリレートオリゴマーやアクリレートポリマー等を使用してもよい。これら活性エネルギー線硬化性化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
単官能重合性モノマーの具体例としては、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ-ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2-(2’-ビニルオキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、γ-ブチロラクトン(メタ)アクリレート、N-ビニルカプロラクタム、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、N-メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、1-アクリロイルピロリジン-2-オン、1-メタクリロイルピロリジン-2-オン、1-アクリロイルピペリジン-2-オン、1-メタクリロイルピペリジン-2-オン、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルイミダゾール、ジメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド、N-イソブトキシメチルアクリルアミド、N-メトキシメチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルジエチルメトキシシランβ-(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、β-(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、アルキル鎖やアルキレングリコール鎖を伸長した単官能重合性モノマーは、鎖の伸長前と比較して分子量増大により臭気が低減されるため好ましい。
多官能重合性モノマーのうち、ラジカル重合性を示す官能基を2つ有する多官能重合性モノマー(2官能重合性モノマー)の具体例としては、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7-ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO(プロピレンオキシド)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ラジカル重合性を示す官能基を3つ以上有する多官能重合性モノマー(3官能以上の多官能重合性モノマー)の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本明細書において、(メタ)アクリレートの用語は、メタクリレートまたはアクリレートを意味する。例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートは、2-ヒドロキシエチルアクリレートまたは2-ヒドロキシエチルメタクリレートである。また、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等のように、複数であることを示す接頭語が(メタ)アクリレートに付されている場合、各(メタ)アクリレートは同一でも異なっていてもよい。
重合性オリゴマーは、好ましくはアクリルオリゴマーである。アクリルオリゴマーとは、 ラジカル重合性を示す官能基としてアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するオリゴマーである。
重合性オリゴマーは、好ましくは多官能重合性オリゴマー、より好ましくは多官能アクリルオリゴマーである。重合性オリゴマーの官能基数は2~6であることが好ましく、4~6であることがより好ましく、重合性オリゴマーの分子量は2000~20000であることが好ましい。重合性オリゴマーの分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
アクリルオリゴマーの具体例としては、ポリウレタンアクリルオリゴマー[ウレタン結合(-NHCOO-)を複数持つアクリルオリゴマー]、ポリエステルアクリルオリゴマー[エステル結合(-COO-)を複数持つアクリルオリゴマー]、ポリアミノアクリルオリゴマー[アミノ基(-NH)を複数持つアクリルオリゴマー]、ポリエポキシアクリルオリゴマー[エポキシ基を複数持つアクリルオリゴマー]、シリコーンアクリルオリゴマー[シロキサン結合(-SiO-)を複数持つアクリルオリゴマー]、ポリブタジエンアクリルオリゴマー[ブタジエン単位を複数持つアクリルオリゴマー]等が挙げられる。
また、アクリルオリゴマーとして、以下のものが知られている。
ビームセット502H、ビームセット505A-6、ビームセット550B、ビームセット575、ビームセットAQ-17(荒川化学工業社製)、
AH-600、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H、UF-8001G(共栄社化学社製)、
CN910、CN959、CN963、CN964、CN965NS、CN966NS、CN969NS、CN980NS、CN981NS、CN982、CN983NS、CN985、CN991NS、CN996NS、CN2920、CN2921、CN8881NS、CN8883NS、CN9001NS、CN9004、CN9005、CN9009、CN9011、CN9021NS、CN9023、CN9028、CN9030、CN9178NS、CN9290、CN9893NS、CN929、CN989NS、CN968NS、CN9006NS、CN9010NS、CN9025、CN9026、CN9039、CN9062、CN9110NS、CN9029、CN8885NS、CN9013NS、CN973、CN978NS、CN992、CN9167、CN9782、CN9783、CN970、CN971、CN972、CN975NS、CN9165(サートマー社製)、
U-2PPA、U-6LPA、U-10HA、U-10PA、UA-1100H、U-15HA、UA-53H、UA-33H、U-200PA、UA-200PA、UA-160TM、UA-290TM、UA-4200、UA-4400、UA-122P(新中村化学工業社製)、
ニューフロンティアR-1235、R-1220、RST-201、RST-402、R-1301、R-1304、R-1214、R-1302XT、GX-8801A、R-1603、R-1150D(第一工業製薬社製)、
EBECRYL204、EBECRYL205、EBECRYL210、EBECRYL215、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL244、EBECRYL245、EBECRYL264、EBECRYL265、EBECRYL270、EBECRYL280/15IB、EBECRYL284、EBECRYL285、EBECRYL294/25HD、EBECRYL1259、EBECRYL1290、KRM8200、EBECRYL4820、EBECRYL4858、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8254、EBECRYL8301R、EBECRYL8307、EBECRYL8402、EBECRYL8405、EBECRYL8411、EBECRYL8465、EBECRYL8800、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL9270、EBECRYL7735、EBECRYL8296、EBECRYL8452、EBECRYL8904、EBECRYL8311、EBECRYL8701、EBECRYL8667(ダイセル・オルネクス社製)、
UV-1700B、UV-6300B、UV-7550B、UV-7600B、UV-7605B、UV-7610B、UV-7630B、UV-7640B、UV-7650B、UV-6630B、UV-7000B、UV-7510B、UV-7461TE、
UV-2000B、UV-2750B、UV-3000B、UV-3200B、UV-3300B、UV-3310B、UV-3700B、UV6640B(日本合成化学社製)
、アートレジンUN-333、UN-350、UN-1255、UN-2600、UN-2700、UN-5590、UN-6060PTM、UN-6200、UN-6202、UN-6300、UN-6301、UN-7600、UN-7700、UN-9000PEP、UN-9200A、UN-3320HA、UN-3320HC、UN-904、UN-906S(根上工業社製)、
アロニックスM-6100、M-6250、M-6500、M-7100、M-7300K、M-8030、M-8060、M-8100、M-8530、M-8560、M-9050(東亜合成社製)
<(C)光重合開始剤>
本発明のインク組成物に用いる光重合開始剤は、活性エネルギー線を照射することによって、重合性化合物やその他の活性エネルギー線硬化性化合物の重合を開始させる。本発明のインク組成物中において、光重合開始剤の含有量は、1~25質量%であり、3~20質量%であることが好ましく、3~15質量%であることがさらに好ましい。
上記光重合開始剤としては、市販の光重合開始剤を適宜選択して使用することができ、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物等が挙げられるが、硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光重合開始剤の吸収波長ができるだけ重複するものが好ましい。
インクの硬化性の観点から、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド及び2,4-ジエチルチオキサントンが好ましく、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイドが特に好ましい。これら光重合開始剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
≪非反応性溶剤≫
本発明のインク組成物は、重合に関与しない水、非反応性溶剤を含まないものであってもよいが、含有量が0.01質量%以上5.00質量%以下であってもよく、0.01質量%以上2.00質量%以下であることが好ましい。この範囲であれば硬化不良によるにじみの発生を大きく抑制することができ、全く含まれないものよりも金属調に勝るものとなる。
非反応性溶剤としては、水系インクや有機溶剤系インクに通常使用される有機溶剤が挙げられ、沸点は60~190℃であり、好ましくは70~150℃である。酢酸エチル、酢酸メチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、1-ブタノール、2-ブタノール、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。非反応性溶剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の鱗片状金属顔料は、この非反応性溶剤に分散した後、ロータリーエバポレーター等で重合性化合物と置換してもよい。その際、インク組成物中に0.01~5.00質量%未満含有されるものとすることが好ましい。
本発明の光硬化型インクは表面調整剤を含まないことがより好ましい。光硬化型インクに表面調整剤を含むことで鱗片状金属顔料の表面配向性が妨げられ、得られる印刷物の光輝感が損なわれる場合がある。インクに表面調整剤を配合する場合は、インク組成物中の配合量を0.05%以下とすることが好ましい。
<(D)ノニオン系分散剤>
本発明の光硬化型インクには、ノニオン系分散剤を使用してもよい。ノニオン系分散剤は、酸価、アミン価を実質的に有していないノニオン系分散剤である。ノニオン系分散剤としては、市販されているSOLSPERSE27000、SOLSPERSE54000(ルーブリゾール社製)、DISPERBYK-192(ビックケミー社製)等を用いることができる。
前記(A)鱗片状金属顔料に対する(D)ノニオン系分散剤の質量比(D/A)としては、0.1~2.0であることが好ましい。0.1より小さいと、貯蔵安定性が悪くなる場合がある。一方2.0より大きいと、インクの硬化性が悪くなる場合がある。
前記(B)重合性化合物に対する(D)ノニオン系分散剤の質量比(D/B)としては、0.001~0.02であることが好ましい。0.001より小さいと、貯蔵安定性が悪くなる場合がある。一方0.02より大きいと、インクの硬化性が悪くなる場合がある。
前記(D)ノニオン系分散剤の重量平均分子量としては500~5,000の範囲内であることが好ましく、800~3,500であることがより好ましく、1,000~2,000であることがさらに好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定される、ポリスチレン換算重量平均分子量である。
<その他の顔料、染料>
本発明のインク組成物は、鱗片状金属顔料以外に、顔料、染料等の色材を含有していてもよい。色材としては、本発明における組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀などの光沢色などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.1~20質量%であることが好ましい。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。染料としては、特に限定されることなく、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<インク組成物に含有されるその他の添加剤>
本発明のインク組成物は、光安定剤を含有してもよい。光安定剤としては、市販の光安定剤を使用することができ、シアノアクリレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンジリデンカンファー系化合物、無機微粒子等が挙げられ、中でも、紫外線吸収がより短波長にあるヒドロキシフェニルトリアジン系化合物がインクの硬化性の観点から好ましい。
硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光安定剤の吸収波長が出来るだけ重複しないものが好ましい。なお、光安定剤の含有量は、インク組成物の全質量中0.1~15質量%であることが好ましく、0.2~5質量%であることが更に好ましい。これら光安定剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインク組成物は、重合禁止剤を更に含有してもよい。含有量は、インク組成物の全質量中0.0001~5質量%であることが好ましく、0.05~1質量%であることが更に好ましい。
上記重合禁止剤としては、ハイドロキノン系化合物、フェノール系化合物、フェノチアジン系化合物、ニトロソ系化合物、N-オキシル系化合物等、市販の重合禁止剤を使用することができる。これら重合禁止剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインク組成物は、鱗片状金属顔料に起因するインク中でのゲル化を抑制するために、樹脂を含んでいてもよい。
本発明のインク組成物には、インク業界で通常使用される添加剤、例えば、酸化防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、防錆剤、非反応性ポリマー、pH調整剤、消泡剤、荷電制御剤、応力緩和剤、浸透剤、特開2017-52870号公報に記載の樹脂粒子等を本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合してもよい。
≪重量平均分子量が12,000以下でありかつ酸価が5~100である樹脂(P)≫
本発明のインク組成物は、重量平均分子量が12,000以下であり、かつ酸価が5~100である樹脂(P)を含有することが好ましい。
樹脂(P)は、酸価が5~100の範囲のカルボキシル基等の酸基を有し、該酸基が鱗片状金属顔料の表面と反応し、鱗片状金属顔料の表面を樹脂(P)で覆うことができる。このため、上記樹脂(P)の酸価が5~100であれば、インク中でのゲル化を効果的に抑制することができる。
また、上記樹脂(P)は、重量平均分子量が12,000以下であること、重量平均分子量が6,000以下であることが好ましい。樹脂(P)の重量平均分子量が12,000以下であれば、鱗片状金属顔料が本発明のインク組成物中で凝集することをより確実に防止することができ、インクジェット印刷時におけるノズル詰まりを防止することができる。
なお、鱗片状金属顔料の凝集が起きると、鱗片状金属顔料に由来の金属光沢が低下する。上記樹脂(P)の重量平均分子量は、3,000以上であることが好ましい。なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定した値であり、標準物質にはポリスチレンが使用される。
本発明の樹脂(P)は、酸価が5~100であり且つ重量平均分子量が12,000以下であるため、活性エネルギー線硬化型インク組成物において通常使用される活性エネルギー線硬化性化合物(例えば、後述の単官能性化合物及び多官能性化合物等)に溶解でき、インクの調製時に予め強溶剤に溶解させる必要がなく、上記樹脂(P)を直接配合させることができる。
本発明の樹脂(P)は、上記特定の酸価及び重量平均分子量を有する限り特に限定されるものではないが、印刷物の耐擦過性を向上させる観点から、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、フタル酸樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、尿素(ユリア)樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂の他、これら樹脂を変性させた樹脂等が挙げられ、ポリエステル樹脂であることが好ましい。樹脂(P)は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂(P)は、通常の合成方法に従って得られるが、一例として、ポリエステル樹脂の合成方法について説明する。ポリエステル樹脂は、単量体である多価カルボン酸とポリアルコールとを通常の方法により脱水重縮合させることにより得られる共重合体であり、単量体の種類や使用量、反応の進行度を調整することにより、所望の重量平均分子量及び酸価が得られる。
多価カルボン酸は、カルボキシル基を2個以上有するカルボン酸であり、具体例としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3-シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これら多価カルボン酸は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリアルコールは、水酸基(-OH基)を2個以上有するアルコールであり、具体例としては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジエタノール、1,10-デカメチレングリコール、1,12-ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。これらポリアルコールは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインク組成物においては、樹脂(P)が、例えば3.0質量%以上の高い含有量で配合されていても、鱗片状金属顔料が本発明のインク組成物中で凝集することを防止することができ、インクジェット印刷時におけるノズル詰まりを防止できるものの、優れた金属光沢を発揮する観点から、本発明のインク組成物中における樹脂(P)の含有量は、15.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以下が更に好ましい。一方、本発明のインク組成物中において、樹脂(P)の含有量は、印刷物の耐擦過性を向上させる観点から、3.0質量%以上が好ましく、5.0質量%以上が更に好ましい。
本発明のインク組成物においては、鱗片状金属顔料の表面を効率よく被覆する観点から、鱗片状金属顔料に対する樹脂(P)の質量比(樹脂P/鱗片状金属顔料)が0.05~50であることが好ましく、0.6~20であることが更に好ましい。
<インク組成物の調製>
本発明のインク組成物は、通常、少なくとも(A)鱗片状金属顔料、(B)重合性化合物および(C)光重合開始と、必要に応じて適宜選択される各種成分とを混合し、使用するインクジェットプリントヘッドのノズル径の約1/10以下のポアサイズを持つフィルターを用い濾過することによって調製する。
<インク組成物の物性>
本発明のインク組成物は、40℃における粘度が5.0~25.0mPa・sであることが好ましい。40℃におけるインクの粘度が上記特定した範囲内にあれば、良好な吐出安定性が得られる。なお、インクの粘度は、レオメーター(Antonpaar社製MCR301)を用いて40℃、ずり速度100s-1にて測定することができる。
本発明に用いられる光硬化型インクの表面張力は25~40mN/mであることが好ましい。表面張力は、白金プレート法(協和界面科学製自動表面張力計CBVP-Z)で測定した。
本発明の光硬化型インクは被印刷基体と接した際に表面張力が変化しないことが好ましい。具体的には、23℃の室温環境下において、(B)重合性化合物の表面張力γと、前記被印刷基体の表面を(B)重合性化合物に1分間浸潤させた後の重合性化合物の表面張力γが以下の式(1)の範囲内であることが好ましい。
式(1) |γ-γ|≦3.0
<γ、γの測定方法>
表面張力は協和界面科学社製自動表面張力計CBVP-Z型を用いて、wilhelmy法にて測定した。洗浄された100mL容量のガラスビーカーに測定対象のインクの(B)重合性化合物混合体を50g入れて試料台に静置し、赤熱洗浄した白金プレートを装置の秤量検出用フックに掛ける。
試料台を上昇させて、ビーカー内のインクに白金プレート下部を浸漬し、秤量が安定した際の秤量値から表面張力が算出される。 測定時の室温、液温は23℃である。得られた表面張力値をγとした。
続いて、洗浄されたガラスビーカーの下部全面に被印刷基体を静置し、上部に測定対象のインクの(B)重合性化合物混合体50gを静かに加えた後、1分間後の表面張力を同様に測定し、γとした。
|γ-γ|に差があると、被印刷基体の一部の成分が鱗片状金属顔料含有インクにブリードしていることを意味し、例えばインク中で鱗片状金属顔料の分散性が低下することで、印刷、光硬化された画像では鱗片状金属顔料の表面配向性が損なわれ、光輝感が低下したり、光輝感にムラが生じたりする不具合を生じる。|γ-γ|の値が小さいほど、鱗片状金属顔料の配向性が被印刷基体の影響を受けないことから|γ-γ|は3.0以下であることが好ましく、2.0以下、特には1.0以下であることがより好ましい。
印刷方法としては、インクジェット印刷、オフセット印刷(平板印刷)、フレキソ印刷(凸版印刷)、グラビア印刷(凹版印刷)、スクリーン印刷(孔版印刷)等の各種印刷方法が利用できるが、少量多品種の生産が可能で得られる意匠の自由度が高いことからインクジェット印刷を用いることがより好ましい。
本発明の印刷工程においては、マルチパス方式のような印刷方法を用い、印刷層の表面が平滑ではなくドット形状を維持する場合は、粒状感のある金属調を有する印刷画像が得られる。また、マルチパス方式でも印刷後光照射工程までの時間を置くような印刷方法や、1パス方式のような印刷方法を用い、特定の領域において基材を完全被覆し、印刷後の印刷層が平滑となる場合は、鏡面調を有する印刷画像が得られる。
インクを吐出する際の温度は、インクの粘度を下げ、吐出安定性や(A)鱗片状金属顔料の配向性を向上させる観点から20℃~60℃の範囲内であることが好ましい。また、光硬化型インクの液滴が被印刷基体の表面に付与されてから、光照射工程の開始までの時間は特に限定されるものではないが、生産性と得られる画像の光輝性を確保する観点から、0.01~30.0秒の範囲内であることが好ましい。
本発明の印刷方法によって得られた印刷物は、更に、カラーインクを用いた印刷層や表面保護層を備えていてもよい。ここで、表面保護層は、印刷層形成工程で得られた印刷層を覆うように表面保護層を形成する工程により形成できる。本明細書において、この工程を表面保護層形成工程という。
本発明の印刷物において、表面保護層は、少なくとも印刷層を覆うように形成されている。基材や下塗塗膜層などの表面の一部に印刷層が存在しない箇所がある場合には、表面保護層は、基材や下塗塗膜層などの表面に形成されてもよい。
表面保護層は、耐候性の観点から、紫外線吸収剤もしくはラジカル捕捉剤のいずれか一方、又は紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤の両方を含むことが好ましい。また、表面保護層は、必要に応じて、樹脂、着色剤、酸化防止剤、可塑剤、防錆剤、充填剤、荷電制御剤、導光材、光輝材、磁性材、蛍光体、ワックス等を含むことができる。
表面保護層は、例えば、塗料又はインクによって形成される。表面保護層用の塗料及びインクには、主溶媒として有機溶剤を用いる有機溶剤系塗料及びインク、主溶媒として水を用いる水系塗料及びインク、重合性化合物を用いる光硬化型塗料及びインク、粉体塗料等の各種塗料及びインクが利用可能である。本発明の印刷物において、表面保護層は、活性エネルギー線硬化型インクにより形成されることが好ましい。表面保護層用の活性エネルギー線硬化型インクに使用できる成分としては、上述した印刷層形成工程に用いる活性エネルギー線硬化型インクに使用できる成分等が挙げられる。表面保護層の形成には、上述した下塗塗膜層や印刷層の形成と同様に、各種塗装手段、印刷手段及び硬化手段を用いることができる。
表面保護層用の活性エネルギー線硬化型インクはクリアインクであることが好ましい。本明細書において、クリアインクは、厚さ30μmの膜を形成した際の波長380~800nmの範囲における光線透過率が80%以上である。本明細書において、光線透過率は、JIS K7361-1:1997「プラスチック-透明材料の全光線透過率の試験方法-第1部:シングルビーム法」に準拠して測定される。
表面保護層用の活性エネルギー線硬化型インクは、インクジェット印刷の吐出条件やその後の硬化条件を適宜選択することで、グロス調、マット調等の表面仕上げ加工を行うことができる。例えば、インクを吐出し、時間を置いてから(インクが拡がった後に)硬化すれば印刷物の表面をグロス調に仕上げることができ、また、インクドットがレンズ状のまま(インクドットが独立したまま)硬化すれば印刷物の表面をマット調に仕上げることができる。また、クリア層に厚盛部分を形成することで、下地に施された意匠に合わせて、質感や立体感を付与することも可能である。クリア層に厚盛部分を形成するためには、インクの吐出量を多くしたり、クリア層を積層したりする手法が挙げられる。更に、レンチキュラー印刷を行うことも可能である。例えば、2色以上からなる印刷層上にドーム状にクリアインクを吐出し、クリア層を形成することで、見る角度により画像が変化する印刷物を提供することができる。
表面保護層は、クリア層であることが好ましく、その厚さが30μmである場合に波長380~800nmの範囲の光線透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましい。表面保護層は、その厚さが5~400μmの範囲内にあることが好ましい。
本発明の印刷方法は、更に、得られた印刷層を備える印刷物を加熱する工程(加熱処理工程)を含むことができる。これにより、印刷層や表面保護層の臭気やべたつきの問題を解決することができ、また、印刷層や表面保護層の付着性も改善することができる。ここで、加熱処理は、例えば70℃~300℃の範囲内で行われる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<アクリル樹脂の合成>
(樹脂1)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下槽が備わった反応容器に、ブタノール 20部、T-SOL100FLUID(東燃ゼネラル石油社製、芳香族系混合溶剤) 5部、及びキシレン 5.75部を入れ、加熱撹拌し、110℃に達してから、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド 7.5部、スチレン 21.3部、アクリル酸ブチル 13.2部、メタクリル酸メチル 7部、アクリル酸 1部、及びナイパーBMT-K40(日油社製、有機過酸化物の混合物) 0.9部を予め混合した混合物を滴下槽に入れ、4時間かけて滴下した。
滴下終了後、滴下槽をT-SOL100FLUID 1部で洗浄し、110℃を保持したまま、ナイパーBMT-K40 1部、及びT-SOL100FLUID 1.5部を予め混合した混合物を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、滴下槽をT-SOL100FLUID 0.5部で洗浄し、更に、110℃で1.5時間撹拌を続けた後、冷却した。その後、T-SOL100FLUID 14.35部を加えて攪拌し、式(2)で表される官能基を有する自己架橋型アクリル樹脂1(以下、これを単に「樹脂1」などと表わす場合がある。)を得た(表1)。
Figure 2022156830000003
<下塗り塗料の調製>
以下の表2に示した配合に従って、撹拌しながら混合物を調製し、充分均質にして、下塗り塗料1~7(以下、これを単に「塗料1」~「塗料7」等と表す場合がある。)を得た。
Figure 2022156830000004
<クリアインクの調製>
以下の表3に示すインク配合処方に従って各原料を混合して均質にした。最後にフィルターで濾過して、活性エネルギー線硬化型インクジェットクリアインク1~3を得た。表3中の配合処方は質量部で示される。
得られたインクについて、粘度、表面張力、4℃の水に対する比重を測定した。
Figure 2022156830000005
<カラーインクの調製>
以下の表4に示す各色のインク配合処方に従って各原料を混合し、得られた混合物をビーズミルで練合して均質にし、最後にフィルターで濾過して、活性エネルギー線硬化型カラーインクセット1、および2を得た。表4中の配合処方は質量部で示される。
得られたインクについて、粘度、表面張力、4℃の水に対する比重を測定した。
Figure 2022156830000006
<鱗片状金属顔料分散液の調製>
膜厚100μmのPETフィルム上に、セルロースアセテートブチレート(ブチル化度37%)を酢酸エチルに溶解した3.0質量%下引き液を均一に塗布し、PETフィルム上に下引き層を形成した。
次いで、真空蒸着により、上記下引き層上に平均膜厚25nmのアルミニウム蒸着層を形成し積層体を得た。
上記積層体を、酢酸エチル中、超音波分散機を用いて剥離・微細化・分散処理を同時に行い、鱗片状金属顔料分散液を作製した。
得られた鱗片状金属顔料分散液を、開き目5μmのSUSメッシュフィルターにてろ過処理を行い、粗大粒子を除去しD50=0.40μm、平均厚み=14nmの鱗片状金属顔料分散液1(以下、分散液1ということもある)を得た。
インク組成物の調製においては、鱗片状金属顔料分散液1を使用し、途中エバポレーターにより溶剤を留去、あるいは溶剤を添加することで、所定の非反応性溶剤濃度に調整した。
<樹脂(P)の合成>
温度計、攪拌器、窒素導入管及びパーシャルコンデンサー付き流出管を搭載したフラスコに、イソフタル酸320質量部、無水マレイン酸5質量部、ネオペンチルグリコール200質量部を入れ、所定の酸価になるまで240℃で脱水縮合反応させた。その後、パーシャルコンデンサーを分水器付き還流冷却管に取り替え、キシレンを加えてさらに脱水縮合反応させた。目的の酸価と重量平均分子量となったことを確認した後、エバポレーターでキシレンを除去することで、ポリエステル樹脂を得た。
<メタリックインクの調製>
以下の表5に示すインク配合処方に従って、鱗片状金属顔料分散液を使用してインク組成物として100質量%となるように調製した。最後にフィルターで濾過して、活性エネルギー線硬化型インクジェットメタリックインク1~8を得た。表5中の配合処方は質量部で示される。
Figure 2022156830000007
<印刷物の形成>
以下の表6に従って印刷物の作成を行った。
<下塗り塗膜層>
実施例4~19、比較例1~7の各基材に、表2に示す塗料1~7をエアスプレー塗装法で塗布した後、80℃、30分間乾燥し、膜厚15μmの下塗り塗膜層を形成した。
<カラーインク/クリアインク層>
実施例14~19、比較例5~7の各基材、もしくは下塗り塗膜層に、クリアインク1~3、およびインクセット1~2を使用し、インクジェットプリンタ(プリントヘッドノズル径30μm、ヘッド内フィルター#2300メッシュ)とUV-LED(照射強度500mW/cm、積算光量500mJ/cm)を使用し、プリントヘッドを40℃に加温して、基材温度は室温23℃で絵と文字を含む画像を印刷し、膜厚10μmのインク塗膜層を得た。実施例18は、インクセット2、クリアインク1の順に印刷し塗り重ねた。なお、マット調は印刷と同時にUVランプを照射し、インクの着弾から0.05秒後に硬化させた。また、グロス調は印刷後レベリングさせてからUVランプを照射し、インクの着弾から10秒後に硬化させた。
<メタリックインク層>
実施例1~19、比較例1~7の各基材、下塗り塗膜層、もしくはクリアインク層に、メタリックインク1~8を使用し、インクジェットプリンタ(プリントヘッドノズル径30μm,ヘッド内フィルター#2300メッシュ)とUV-LED(照射強度500mW/cm、積算光量500mJ/cm)を使用し、プリントヘッドを40℃に加温して、基材温度は室温23℃で絵と文字を含む画像を印刷し、膜厚10μmのメタリックインク塗膜層を得た。なお、マット調は印刷と同時にUVランプを照射し、インクの着弾から0.05秒後に硬化させた。また、グロス調は印刷後レベリングさせてからUVランプを照射し、インクの着弾から10秒後に硬化させた。
<|γ-γ|の測定>
メタリックインクに使用した重合性化合物混合体の表面張力を白金プレート法によって測定し、この値をγとした。
続いて、メタリックインクに使用した重合性化合物混合体に被印刷基体を1分間浸漬させたのちの表面張力を測定し、この値をγとした。これらの値から計算によって|γ-γ|を求めた。
<評価>
実施例1~19、比較例1~7で得られた印刷物について、下記の評価を行った。評価は特に断りのない限り23℃55RH%の雰囲気下で行った。結果を表6に示す。
<光沢>
印刷物のメタリックインク画像部の光沢をマイクロ-グロス60°(BYK社製)を用いて測定を行い、下記の基準に従って、光沢を評価した。
◎:200以上
○:150~199
△:149~120
×:119以下
<鉛筆硬度>
印刷物のメタリックインク画像部に対して、JIS K5600-5-4(鉛筆法)に準拠して試験を行い、下記の基準に従って、鉛筆硬度を評価した。
◎:F以上
○:HB
△:B以下
<付着性>
印刷物のメタリックインク画像部に対して、JIS K5600-5-6(クロスカット法)に準拠し、それぞれの印刷層を1mm間隔100マスの碁盤目状にカットし、粘着テープを用いて剥離試験を行い、剥離試験後の残存率を求め、下記の基準に従って、付着性を評価した。
◎:100/100(試験後に残ったカット部分の数/試験前のカット部分の総数)
○:95/100~99/100
△:85/100~94/100
×:84/100以下
<評価結果>
上記の評価結果を、表6に示した。


Figure 2022156830000008
表6の結果より、メタリックインク、およびメタリックインクが接触する被印刷基体の最表層が表面調整剤を含まないか、あるいは0.10質量%以下の範囲内で含む実施例1~19については、光沢のある印刷物が得られた。一方、メタリックインク、およびメタリックインクが接触する被印刷基体の最表層が表面調整剤を0.10質量%以上含む比較例1~7では十分な光沢が得られなかった。
<オーバーコート層の形成>
表7に従い、実施例4と同様の方法で作成した印刷物に対して、オーバーコート層としてアクリタンSSCM-200(以下、これを単に「塗料9」と表す場合がある。)、粘度調整用シンナーとしてプラニット#210シンナー(大日本塗料(株)製)を使用し、エアスプレー塗装法で塗布し80℃、30分乾燥して膜厚15μmのオーバーコート層を形成し、実施例20の試験板を得た。オーバーコート層の形成後、上記に記載の方法で光沢を評価した。
表面保護機能を有するオーバーコート層形成後も十分な光沢が得られた。
Figure 2022156830000009

Claims (10)

  1. (A)鱗片状金属顔料と(B)重合性化合物と(C)光重合開始剤を含む光硬化型インクの印刷方法であって、被印刷基体の最表層が表面調整剤を含まないか、あるいは0.10質量%以下の範囲内で含むことを特徴とする、印刷方法。
  2. 23℃の室温環境下において、前記(B)重合性化合物の表面張力γと、前記被印刷基体の表面を(B)重合性化合物に1分間浸潤させた後の重合性化合物の表面張力γが以下の式(1)の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の印刷方法。
    式(1) |γ-γ|≦3.0
  3. 前記(A)鱗片状金属顔料が、表面処理されていないアルミニウム顔料であることを特徴とする、請求項1または2に記載の印刷方法。
  4. 前記(A)鱗片状金属顔料を含む光硬化型インクが、表面調整剤を含まないことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の印刷方法。
  5. 前記光硬化型インクに含まれる(B)重合性化合物が、23℃における表面張力が33~45mN/mの範囲内にある重合性化合物をインク組成物に含まれる全重合性化合物中に30~90質量%の範囲内で含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の印刷方法。
  6. 前記光硬化型インクに含まれる(B)重合性化合物が、単官能重合性化合物を全重合性化合物中に30~90質量%の範囲内で含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の印刷方法。
  7. 前記光硬化型インクの液滴が被印刷基体の表面に付与されてから、光照射工程の開始までの時間が0.01~30.0秒の範囲内であることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の印刷方法。
  8. 前記被印刷基材が少なくとも1層以上のインク下地層を含み、鱗片状金属顔料含有インクと直接接する下地層1に表面調整剤を含まないか、あるいは0.10質量%以下の範囲内で含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の印刷方法。
  9. 前記インク下地層1が光硬化型インクを基体表面に印刷し、光硬化した光硬化インク層であることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の印刷方法。
  10. 前記被印刷基材が少なくとも2層以上のインク下地層を含み、鱗片状金属顔料含有光硬化型インクに接触するインク下地層1には表面調整剤を含まないか、あるいは0.10質量%以下の範囲内で含み、鱗片状金属顔料含有光硬化型インクに接触しないインク下地層2には表面調整剤を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の印刷方法。

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