JP5824865B2 - 粉末、紫外線硬化型インクジェット組成物および記録物 - Google Patents
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Description
しかし、これらの方法では、微細なパターンを形成することや、曲面部への適用が困難であるといった問題があった。
他方、顔料または染料を含む組成物による記録媒体への記録方法として、インクジェット法による記録方法が用いられている。インクジェット法では、微細なパターンの形成や、曲面部への記録にも好適に適用できるという点で優れている。また、近年、インクジェット法において、耐擦性、耐水性、耐溶剤性等を特に優れたものとするため等に、紫外線を照射すると硬化する組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
本発明の粉末は、重合性化合物を含み、インクジェット方式により吐出される紫外線硬化型インクジェット組成物の製造に用いられる粉末であって、
少なくとも表面付近が金属材料で構成された複数の粒子を含むものであり、
所定の平均粒径を有する第1の粒子群と、前記第1の粒子群よりも小さい平均粒径を有する第2の粒子群とを含むことを特徴とする。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される印刷物において、第1の粒子群を構成する第1の粒子同士の隙間に、第2の粒子群を構成する第2の粒子をより効率よく配置させることができ、印刷部の光沢感を特に優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の耐擦性、ラメ感を特に優れたものとすることができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される印刷物において、第1の粒子群を構成する第1の粒子同士の隙間に、第2の粒子群を構成する第2の粒子をさらに効率よく配置させることができ、印刷部の光沢感をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出安定性をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の耐擦性、ラメ感をさらに優れたものとすることができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される印刷物において、第1の粒子群を構成する第1の粒子同士の隙間に、第2の粒子群を構成する第2の粒子をさらに効率よく配置させることができ、印刷部の光沢感をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出安定性をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の耐擦性、ラメ感をさらに優れたものとすることができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される印刷物において、第1の粒子群を構成する第1の粒子同士の隙間に、第2の粒子群を構成する第2の粒子をさらに効率よく配置させることができ、印刷部の光沢感をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出安定性をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の耐擦性、ラメ感をさらに優れたものとすることができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部のラメ感をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成されるべき印刷部の色調を好適に調整することができる。
前記第2の粒子は、少なくとも表面付近がAl合金で構成されたものであることが好ましい。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成されるパターン(印刷部)の光沢感、高級感を特に優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性、硬化性、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成されるパターン(印刷部)の耐擦性を特に優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の耐擦性、ラメ感をさらに優れたものとすることができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成されるパターン(印刷部)の光沢感、高級感をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性、硬化性、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成されるパターン(印刷部)の耐擦性をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の耐擦性、ラメ感をさらに優れたものとすることができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成されるパターン(印刷部)の光沢感、高級感をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性、硬化性、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成されるパターン(印刷部)の耐擦性をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の耐擦性、ラメ感をさらに優れたものとすることができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成されるパターン(印刷部)の光沢感、高級感をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性、吐出安定性、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成されるパターン(印刷部)の耐擦性をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の耐擦性、ラメ感をさらに優れたものとすることができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成されるパターン(印刷部)の光沢感、高級感をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性、吐出安定性、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成されるパターン(印刷部)の耐擦性をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の耐擦性、ラメ感をさらに優れたものとすることができる。
これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される印刷物において、第1の粒子群を構成する第1の粒子同士の隙間に、第2の粒子群を構成する第2の粒子をさらに効率よく配置させることができ、印刷部の光沢感をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出安定性をさらに優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の耐擦性、ラメ感をさらに優れたものとすることができる。
重合性化合物と、少なくとも表面付近が金属材料で構成された複数の粒子からなる粉末とを含み、
前記粉末は、所定の平均粒径を有する第1の粒子群と、前記第1の粒子群よりも小さい平均粒径を有する第2の粒子群とを含むものであることを特徴とする。
これにより、保存安定性、吐出安定性に優れ、光沢感、耐擦性に優れたパターン(印刷部)の形成に好適に用いることのできる紫外線硬化型インクジェット組成物を提供することができる。また、ラメ感のある外観を呈するパターン(印刷部)の形成に好適に用いることのできる紫外線硬化型インクジェット組成物を提供することができる。
これにより、光沢感、耐擦性に優れたパターン(印刷部)を備えた記録物を提供することができる。また、ラメ感のある外観を呈するパターン(印刷部)を備えた記録物を提供することができる。
《粉末》
まず、本発明の粉末(紫外線硬化型インクジェット組成物用粉末)について説明する。
本発明の粉末は、重合性化合物を含み、インクジェット方式により吐出される紫外線硬化型インクジェット組成物の製造に用いられるものであって、少なくとも表面付近が金属材料で構成された複数の粒子を含むものであり、所定の平均粒径を有する第1の粒子群と、前記第1の粒子群よりも小さい平均粒径を有する第2の粒子群とを含むものである。
しかし、これらの方法では、微細なパターンを形成することや、曲面部への適用が困難であるといった問題があった。また、箔押し印刷では、グラデーションのある金属調の印刷ができないという問題があった。
また、第1の粒子群を構成する第1の粒子および第2の粒子群を構成する第2の粒子は、それぞれ、少なくとも表面付近が金属材料で構成されたものであればよく、例えば、全体が金属材料で構成されたものであってもよいし、非金属材料で構成された基部の表面を金属材料で構成された層が被覆してなる構成のものであってもよい。
第1の粒子群は、少なくとも表面付近が金属材料で構成された複数個の粒子(第1の粒子)からなるものである。このように、紫外線硬化型インクジェット組成物用の粉末が、少なくとも表面付近が金属材料で構成された粒子を含むことにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の光沢感、高級感を優れたものとすることができる。特に、本発明では、紫外線硬化型インクジェット組成物用粉末が、第1の粒子とともに、後に詳述する第2の粒子を含むものであることにより、保存安定性、吐出安定性に優れ、光沢感、耐擦性に優れたパターン(印刷部)の形成に好適に用いることのできる紫外線硬化型インクジェット組成物を提供することができる。また、ラメ感のある外観を呈するパターン(印刷部)の形成に好適に用いることのできる紫外線硬化型インクジェット組成物を提供することができる。
第1の粒子は、いかなる形状のものであってもよいが、鱗片状をなすものであるのが好ましい。このように、形成されるパターン(印刷部)の光沢感、高級感を特に優れたものとすることができる。
また、前記粉砕は、液体中において、前記膜に超音波振動を付与することにより行われるものであるのが好ましい。これにより、上述したような粒径の第1の粒子を容易かつ確実に得ることができるとともに、各粒子間での大きさ、形状、特性のばらつきの発生を抑制することができる。
(式(1)中、R1は、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された炭化水素基を表し、X1は、加水分解基、エーテル基、クロロ基または水酸基を表し、R2は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、aは、1以上3以下の整数である。)
PORn(OH)3−n (2)
(式(2)中、Rは、CF3(CF2)m−、CF3(CF2)m(CH2)l−、CF3(CF2)m(CH2O)l−、CF3(CF2)mO−、または、CF3(CF2)m(CH2)lO−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。)
PORn(OH)3−n (3)
(式(3)中、Rは、CH3(CH2)m−、CH3(CH2)m(CH2O)l−、または、CH3(CH2)mO−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。)
本発明に係る粉末は、上述した第1の粒子群に加え、当該第1の粒子群よりも平均粒径が小さく、金属材料で構成された複数の粒子からなる第2の粒子群を含むものである。このように、平均粒径の異なる複数種の粒子群を含むことにより、比較的粒径の大きい粒子(第1の粒子)により印刷部全体としての光沢感を優れたものとしつつ、当該粒子(第1の粒子)同士の隙間に、比較的粒径の小さい粒子(第2の粒子)を効率よく配置させることができ、印刷部全体としての光沢感を向上させることができる。また、複数の第1の粒子の間に第2の粒子が配置されることにより、印刷部の耐擦性を優れたものとすることができる。また、複数の第1の粒子の間に第2の粒子が配置されることにより、印刷部における粉末の密度を高いものとすることができ、印刷部の耐擦性を優れたものとすることができる。また、平均粒径の異なる第1の粒子群と第2の粒子群とを含むことにより、これらが記録物の外観において異なる印象を与えることができ、記録物の外観をラメ感があるものとすることができる。また、平均粒径の異なる第1の粒子群と第2の粒子群とを含むことにより、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性(紫外線硬化型インクジェット組成物における粉末の分散安定性)を優れたものとすることができるとともに、インクジェット方式による紫外線硬化型インクジェット組成物の液切れを良好なものとすることができ、紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出安定性を優れたものとすることができる。
第2の粒子群はその平均粒径が前述した第1の粒子群の平均粒径よりも小さいものであればよいが、第2の粒子群の粒度分布の極大値(特に、存在比率が最大となる値)は、第1の粒子群の粒度分布の極大値(特に、存在比率が最大となる値)と異なるものであるのが好ましい。これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される印刷物において、第1の粒子群を構成する第1の粒子同士の隙間に、第2の粒子群を構成する第2の粒子をより効率よく配置させることができ、印刷部の光沢感を特に優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。また、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の耐擦性、ラメ感を特に優れたものとすることができる。
また、上記のように、Al−Mg−Cu合金中におけるCuの含有率は、1.3質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましいが、1.4質量%以上4.1質量%以下であるのがより好ましく、1.5質量%以上2.0質量%以下であるのがさらに好ましい。これにより、上述したような効果をより顕著に発揮させることができる。
また、第2の粒子は、いかなる方法で製造されたものであってもよく、例えば、インゴット等を粉砕することにより得られた粗大粉末を所望の粒径まで粉砕する粉砕法、蒸着等の気相成膜法等によりフィルム上に形成した金属膜を前記フィルムから剥離・粉砕させる方法(特に、液体中において剥離・粉砕を行い、前記液体中に分散させる方法)、化学的な造粒法等の方法により製造することができるが、第2の粒子は、水アトマイズ法により製造されたものを、鱗片化することにより得られたものであるのが好ましい。これにより、紫外線硬化型インクジェット組成物中における第2の粒子の分散安定性、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性、吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
(式(1)中、R1は、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された炭化水素基を表し、X1は、加水分解基、エーテル基、クロロ基または水酸基を表し、R2は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、aは、1以上3以下の整数である。)
PORn(OH)3−n (2)
(式(2)中、Rは、CF3(CF2)m−、CF3(CF2)m(CH2)l−、CF3(CF2)m(CH2O)l−、CF3(CF2)mO−、または、CF3(CF2)m(CH2)lO−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。)
PORn(OH)3−n (3)
(式(3)中、Rは、CH3(CH2)m−、CH3(CH2)m(CH2O)l−、または、CH3(CH2)mO−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。)
本発明の粉末は、上述したような第1の粒子と第2の粒子とを含むものであればよいが、さらに、その他の第3の粒子(例えば、表面が非金属材料で構成された第3の粒子)を含むものであってもよい。この場合、本発明に係る粉末中における第3の粒子の含有率は、10質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましい。
次に、本発明の紫外線硬化型インクジェット組成物について説明する。
本発明の紫外線硬化型インクジェット組成物は、インクジェット方式により吐出されるものであり、重合性化合物と、上述したような粉末とを含むものである。これにより、保存安定性、吐出安定性に優れ、光沢感、耐擦性に優れたパターン(印刷部)の形成に好適に用いることのできる紫外線硬化型インクジェット組成物を提供することができる。また、ラメ感のある外観を呈するパターン(印刷部)の形成に好適に用いることのできる紫外線硬化型インクジェット組成物を提供することができる。
本発明の紫外線硬化型インクジェット組成物中における前記粉末の含有率は、0.8質量%以上30質量%以下であるのが好ましく、1.0質量%以上15質量%以下であるのがより好ましい。
重合性化合物は、紫外線の照射により重合し、硬化する成分である。このような成分を含むことにより、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて製造される記録物の耐擦性、耐水性、耐溶剤性等を優れたものとすることができる。
重合性化合物は、液状をなすものであり、紫外線硬化型インクジェット組成物において、粉末を分散する分散媒として機能するものであるのが好ましい。これにより、別途、記録物の製造過程において除去される(蒸発する)分散媒を用いる必要がなく、記録物の製造においても、分散媒を除去する工程を設ける必要がないため、記録物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、分散媒として一般に有機溶媒として用いられているものを使用する必要がないため、揮発性有機化合物(VOC)の問題の発生を防止することができる。また、重合性化合物を含むことにより、様々な記録媒体(基材)に対する、紫外線硬化型インクジェット組成物を用いて形成される印刷部の密着性を優れたものとすることができる。すなわち、重合性化合物を含むことにより、紫外線硬化型インクジェット組成物は、メディア対応性に優れたものとなる。
本実施の形態に係る紫外線硬化型インクジェット組成物は、上述した以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、光重合開始剤、スリップ剤(レベリング剤)、分散剤、重合促進剤、重合禁止剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、着色剤、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、増感剤(増感色素)等が挙げられる。
これらの中でも、重合性化合物への溶解性および硬化性の観点から、アシルホスフィンオキサイド化合物およびチオキサントン化合物から選択される少なくとも1種が好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物およびチオキサントン化合物を併用することがより好ましい。
紫外線硬化型インクジェット組成物がスリップ剤を含むものであると、レベリング作用により記録物の表面が平滑になり、耐擦性が向上する。
紫外線硬化型インクジェット組成物が分散剤を含むものであると、粉末の分散性を優れたものとすることができ、紫外線硬化型インクジェット組成物の保存安定性、吐出安定性を特に優れたものとすることができる。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の紫外線硬化型インクジェット組成物の室温(20℃)での粘度は、20mPa・s以下であるのが好ましく、3mPa・s以上15mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェット法による液滴吐出を好適に行うことができる。
次に、本発明の記録物について説明する。
本発明の記録物は、上述したような紫外線硬化型インクジェット組成物を記録媒体上に付与し、その後、紫外線を照射することにより製造されたものである。このような記録物は、光沢感、耐擦性に優れたパターン(印刷部)を有するものである。また、このような記録物は、ラメ感のある外観を呈するパターン(印刷部)を有するものである。
インクジェット法による紫外線硬化型インクジェット組成物の吐出は、公知の液滴吐出装置を用いて行うことができる。
インクジェット法により吐出された紫外線硬化型インクジェット組成物は、紫外線の照射により硬化する。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[1]インクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)の製造
(実施例1)
第1の粒子は、以下のようにして製造した。
まず、表面が平滑なポリエチレンテレフタレート製のフィルム(三菱樹脂社製、ダイアホイルG440E)を用意した。次に、このフィルムの一方の面の全体にシリコーンオイルを塗布した。次に、シリコーンオイルを塗布した面側に、蒸着法により、Alで構成された膜を順次形成した。次に、Al膜が形成されたポリエチレンテレフタレート製のフィルム(基材)を、ジエチレングリコールジエチルエーテルで構成された液体中に入れ、超音波振動を付与した。これにより、Alで構成された鱗片状の粒子が得られた。当該粒子に対し、オクタデシルトリメトキシシランによる表面処理を施し、多数個の第1の粒子(第1の粒子群)を得た。第1の粒子群の平均粒径(D50)は1750nmであった。第1の粒子の最大粒径(Dmax)は2500nmであった。また、第1の粒子の平均厚さは、35nmであった。
まず、Al−Mg−Cu合金の溶湯を用いて、水アトマイズ法により、球形状をなし、平均粒径が9.2μmの金属粒子を製造した。本工程における合金溶湯の冷却速度(700℃から300℃までの冷却速度)は、1×106℃/秒であった。製造された金属粒子は、Al:90.65質量%、Mg:2.54質量%、Cu:1.60質量%、Zn:5.19質量%、Mn:0.02質量%の組成を有するものであった。次に、上記のようにして得られた略球形状の金属粒子を、ジルコニアビーズ(直径:5mm)を用いた遊星ボールミルにより、鱗片形状に異形化(鱗片化)した。本工程は、フェノキシエチルアクリレート中で行った。次に、鱗片化工程で得られた混合物を、超音波分散機に導入し、微細処理を行い、その後、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシランによる表面処理を施した。さらにその後、5μmメンブレンフィルターにて濾過を行い、ジルコニアビーズを除去するとともに、金属粒子の粗大粒子をカットして、平均粒子径D50が820nmの多数個の第2の粒子(第2の粒子群)が分散した分散体を得た。
上記のようにして得られた第1の粒子(第1の粒子群)および第2の粒子(第2の粒子群)を上記液体から分離し混合した。
インクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)の調製に用いる粉末の構成、原料の種類・比率を変更することにより、表1に示すような組成となるようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)を製造した。
粉末として、第2の粒子(第2の粒子群)を含まず、第1の粒子(第1の粒子群)のみで構成されたものを用いた以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)を製造した。
(比較例2)
第1の粒子として、ガスアトマイズ法により製造された球形状のAl粒子を用いた以外は、前記比較例1と同様にしてインクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)を製造した。
粉末として、第1の粒子(第1の粒子群)を含まず、第2の粒子(第2の粒子群)のみで構成されたものを用いた以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)を製造した。
(比較例4)
第2の粒子として、ガスアトマイズ法により製造された球形状のAl合金粒子(Al:90.65質量%、Mg:2.54質量%、Cu:1.60質量%、Zn:5.19質量%、Mn:0.02質量%)を用いた以外は、前記比較例3と同様にしてインクジェット組成物(紫外線硬化型インクジェット組成物)を製造した。
前記各実施例および比較例のインクジェット組成物を用いて、下記に示すような試験による評価を行った。
まず、チャンバー(サーマルチャンバー)内に設置した液滴吐出装置および前記実施例および比較例のインクジェット組成物を用意し、ピエゾ素子の駆動波形を最適化した状態で、25℃、55%RHの環境下で、各色のインクについて、液滴吐出ヘッドの各ノズルから、2000000発(2000000滴)の液滴の連続吐出を行った。その後、液滴吐出装置の運転を停止し、液滴吐出装置の流路に各インクが充填された状態で、25℃、55%RHの環境下に、120時間放置した。
B:ズレ量dの平均値が1.0μm以上1.7μm未満。
C:ズレ量dの平均値が1.7μm以上2.7μm未満。
D:ズレ量dの平均値が2.7μm以上3.3μm未満。
E:ズレ量dの平均値が3.3μm以上。
前記各実施例および比較例のインクジェット組成物について、35℃の環境下に、21日間放置した後、振動式粘度計を用いて、JIS Z8809に準拠して測定された前記各実施例のインクジェット組成物の40℃における粘度を測定し、製造直後からの粘度の上昇率を求め、以下の基準に従い、評価した。
B:粘度の上昇率が3%以上5%未満。
C:粘度の上昇率が5%以上10%未満。
D:粘度の上昇率が10%以上15%未満。
E:粘度の上昇率が15%以上、または、異物の発生が認められる。
前記各実施例および比較例のインクジェット組成物について、エプソン製インクジェットプリンター;PM800Cへ導入し、記録媒体として三菱樹脂(株)製、ダイアホイル G440E(厚さ38μm)を用いて、インク量wet 9g/m2にて、ベタ印刷を行い、印刷後、ただちにLED−UVランプ;フォセオン社製 RX firefly(ギャップ6mm 1000mW/cm2)を用いて紫外線の照射を行い、インクジェット組成物が硬化したか否かを確認し、以下の5段階の基準に従い、評価した。硬化したか否かは、綿棒にて表面をこすって、未硬化のインク組成物が付着しないか否かで判断した。なお、下記A〜Eの照射量に該当するかどうかは、ランプを何秒照射したかによって算出できる。
B:100mJ/cm2以上200mJ/cm2未満の紫外線照射量にて硬化した。
C:200mJ/cm2以上500mJ/cm2未満の紫外線照射量にて硬化した。
D:500mJ/cm2以上1000mJ/cm2未満の紫外線照射量にて硬化した。
E:1000mJ/cm2以上の紫外線照射量にて硬化する。もしくはまったく硬化
しない。
各実施例および比較例のインクジェット組成物を用いて、それぞれ、以下のようにして、記録物としてのインテリアパネルを製造した。
まず、インクジェット組成物をインクジェット装置に投入した。
その後、ポリカーボネート(旭硝子社製、カーボグラス ポリッシュ 2mm厚)を用いて成形した曲面部を有する基材(記録媒体)上に、所定のパターンで、インクジェット組成物を吐出した。
上記のような方法を用いて、各実施例および比較例のインクジェット組成物を用いて、それぞれ、10個のインテリアパネル(記録物)を製造した。
上記のようにして得られた各記録物について、以下のような評価を行った。
[6.1]記録物の光沢感評価
前記各実施例および比較例で製造した各記録物を目視により観察し、以下の7段階の基準に従い、評価した。
B:高級感に溢れる光沢感を有し、非常に優れた外観を有している。
C:高級感のある光沢感を有し、優れた外観を有している。
D:高級感のある光沢感を有し、良好な外観を有している。
E:光沢感に劣り、外観がやや不良。
F:光沢感に劣り、外観が不良。
G:光沢感に劣り、外観が極めて不良。
前記各実施例および比較例で製造した各記録物を目視により観察し、記録物のラメ感(キラキラした意匠性、パール調)を以下の5段階の基準に従い、評価した。
A:非常に優れたラメ感(キラキラ感)を有している。
B:優れたラメ感(キラキラ感)を有している。
C:良好なラメ感(キラキラ感)を有している。
D:ラメ感(キラキラ感)に劣り、やや均一性の高い光沢感を有している。
E:ラメ感(キラキラ感)に劣り、非常に均一性の高い光沢感を有している。また
は、光沢感が不十分である。
前記各実施例および比較例で製造した各記録物のパターン形成部について、光沢度計(MINOLTA MULTI GLOSS 268)を用い、煽り角度60°での光沢度を測定し、以下の基準に従い評価した。
A:光沢度が320以上。
B:光沢度が210以上320未満。
C:光沢度が100以上210未満。
D:光沢度が100未満。
前記各実施例および比較例に係る記録物について、記録物の製造から72時間経過した時点で、サウザーランドラブテスターを用い、JIS K5701に準じて耐擦性試験を行い、上記[6.3]で述べたのと同様の方法により、耐擦性試験後の記録物についても光沢度(煽り角度60°)を測定し、耐擦性試験前後での光沢度の低下率を求め、以下の基準に従い評価した。
B:光沢度の低下率が6%以上15%未満。
C:光沢度の低下率が15%以上25%未満。
D:光沢度の低下率が25%以上28%未満。
E:光沢度の低下率が28%以上、または、金属粒子が脱落して記録媒体の表面が
露出したもの。
Claims (14)
- 重合性化合物を含み、インクジェット方式により吐出される紫外線硬化型インクジェット組成物の製造に用いられる粉末であって、
少なくとも表面付近が金属材料で構成された複数の粒子を含むものであり、
所定の平均粒径を有する第1の粒子群と、前記第1の粒子群よりも小さい平均粒径を有する第2の粒子群とを含み、
前記複数の粒子は、下記式(1)で表されるフッ素系シラン化合物、下記式(2)で表されるフッ素系リン酸エステル、下記式(3)で表される長鎖アルキル系リン酸エステルのいずれかを用いて表面処理が施されたものであることを特徴とする粉末。
R 1 SiX 1 aR 2 (3−a) (1)
(式(1)中、R 1 は、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された炭化水素基を表し、X 1 は、加水分解基、エーテル基、クロロ基または水酸基を表し、R 2 は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、aは、1以上3以下の整数である。)
POR n (OH) 3−n (2)
(式(2)中、Rは、CF 3 (CF 2 ) m −、CF 3 (CF 2 ) m (CH 2 ) l −、CF 3 (CF 2 ) m (CH 2 O) l −、CF 3 (CF 2 ) m O−、または、CF 3 (CF 2 ) m (CH 2 ) l O−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。)
POR n (OH) 3−n (3)
(式(3)中、Rは、CH 3 (CH 2 ) m −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 O) l −、または、CH 3 (CH 2 ) m O−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。) - 前記第1の粒子群の粒度分布の極大値と前記第2の粒子群の粒度分布の極大値とが異なるものである請求項1に記載の粉末。
- 前記極大値のピークについての半値幅がいずれも500nm以下である請求項2に記載の粉末。
- 前記第1の粒子群の粒度分布の極大値と前記2の粒子群の粒度分布の極大値との差が500nm以上1000nm以下である請求項2または3に記載の粉末。
- 前記第1の粒子の平均粒径をD1[nm]、前記第2の粒子の平均粒径をD2[nm]としたとき、0.5≦D2/D1≦0.8の関係を満足する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の粉末。
- 前記第1の粒子群を構成する第1の粒子と前記第2の粒子群を構成する第2の粒子とは、組成の異なるものである請求項1ないし5のいずれか一項に記載の粉末。
- 前記第1の粒子は、少なくとも表面付近がAlで構成されたものであり、
前記第2の粒子は、少なくとも表面付近がAl合金で構成されたものである請求項1ないし6のいずれか一項に記載の粉末。 - 前記第2の粒子は、少なくとも表面付近がAl−Mg−Cu合金で構成されたものである請求項7に記載の粉末。
- 前記Al−Mg−Cu合金は、Alを主成分とし、0.4質量%以上3.0質量%以下のMg、および、1.3質量%以上5.0質量%以下のCuを含むものである請求項8に記載の粉末。
- 前記Al−Mg−Cu合金は、Znを含むものである請求項8または9に記載の粉末。
- 前記Al−Mg−Cu合金は、Mnを含むものである請求項8ないし10のいずれか一項に記載の粉末。
- 粉末中における前記第1の粒子群の含有率をX1[質量%]、粉末中における前記第2の粒子群の含有率をX2[質量%]としたとき、1.1≦X1/X2≦18の関係を満足する請求項1ないし11のいずれか一項に記載の粉末。
- インクジェット方式により吐出される紫外線硬化型インクジェット組成物であって、
重合性化合物と、少なくとも表面付近が金属材料で構成された複数の粒子からなる粉末とを含み、
前記粉末は、所定の平均粒径を有する第1の粒子群と、前記第1の粒子群よりも小さい平均粒径を有する第2の粒子群とを含み、
前記複数の粒子は、下記式(1)で表されるフッ素系シラン化合物、下記式(2)で表されるフッ素系リン酸エステル、下記式(3)で表される長鎖アルキル系リン酸エステルのいずれかを用いて表面処理が施されたものであることを特徴とする紫外線硬化型インクジェット組成物。
R 1 SiX 1 aR 2 (3−a) (1)
(式(1)中、R 1 は、水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された炭化水素基を表し、X 1 は、加水分解基、エーテル基、クロロ基または水酸基を表し、R 2 は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、aは、1以上3以下の整数である。)
POR n (OH) 3−n (2)
(式(2)中、Rは、CF 3 (CF 2 ) m −、CF 3 (CF 2 ) m (CH 2 ) l −、CF 3 (CF 2 ) m (CH 2 O) l −、CF 3 (CF 2 ) m O−、または、CF 3 (CF 2 ) m (CH 2 ) l O−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。)
POR n (OH) 3−n (3)
(式(3)中、Rは、CH 3 (CH 2 ) m −、CH 3 (CH 2 ) m (CH 2 O) l −、または、CH 3 (CH 2 ) m O−であり、nは1以上3以下の整数であり、mは5以上19以下の整数であり、lは2以上20以下の整数である。)
- 請求項13に記載の紫外線硬化型インクジェット組成物を記録媒体上に付与し、その後、紫外線を照射することにより製造されたこと特徴とする記録物。
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