JP2024069818A - 絶縁部材、コイルユニット、ステータ、モータおよびステータの製造方法 - Google Patents

絶縁部材、コイルユニット、ステータ、モータおよびステータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 コアの磁路の狭小化を防ぎ、モータの性能を高めるとともにステータの生産性、ひいてはモータの生産性を向上可能であり、部品点数の削減が可能な絶縁部材、コイルユニット、ステータ、モータおよびステータの製造方法を提供する。
【解決手段】 絶縁部材30は、コア51とコア51に取り付け可能なコイル10とを絶縁可能であり、コイル10とコア51の間に配置される絶縁本体部31と、コイル10に係合可能な第1係合部35と、絶縁本体部31からステータ50の径方向に延在または突出してコア51に係合可能な第2係合部36と、を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、集中巻きコイルとモータのコアの間に配置される絶縁部材、コイルユニット、ステータ、モータおよびステータの製造方法
に関する。
従来より、モータの構成要素であるステータは、コアとして環状のヨーク部と複数のティース部を備え、当該コアにコイルが取り付けられる。コイルはティース部に巻回されるなどし、隣り合うティース部間に創出されるスロットに収容される。このような構成において、スロットからコイルが飛び出すことを防止する手段としてウェッジ板を設ける構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図17は、従来のステータ200の一部を抜き出して示す図であり、モータの軸M0方向から見た平面図である。図17の例では、コア201は環状のヨーク部202と、ヨーク部202から径方向の内側(モータの軸方向)に向かって突出する複数のティース部203を有する。そして複数のティース部203のそれぞれには、絶縁シート204を介して例えば集中巻きのコイル205が取り付けられている。これにより隣り合うティース部203間に一のスロット206が区画され、当該スロット206には隣り合う2つのコイル205の一部分が収容される。
また、スロット206の開口部207側において、ウェッジ板208が取り付けられる。ウェッジ板208は、ティース部203の外周形状に沿う例えば略U字状または略矩形O字状の平板部材であり、対向する腕部分で各ティース部203の周方向Cの側面を挟むように各ティース部203に取り付けられる。
より詳細には、ウェッジ板208は周方向Cの両端側に係合凸部208cを有する。また各ティース部203の周方向Cの側面には係合凹部203rが設けられる。そして係合凸部208cと係合凹部203cを嵌合させるようにしてウェッジ板208がティース部203に固定される。これにより、コイル205がティース部203から離脱する(またはモータの径方向へ移動する)ことが規制される。
特開2016-158403号公報
しかしながら、モータの動作時においてティース部203は図17の破線で示すような磁束が生じるため、ティース部203に係合凹部203cが設けられていると、その部分において磁路が狭くなる。これにより磁束量が低減し、モータ特性が向上できない問題がある。
また、各ティース部203毎に、絶縁シート204の取り付け工程、コイル205の取り付け工程、さらにウェッジ板208の取り付け工程が必要である。この場合組立工数が多く、剛性が弱い絶縁シート204は取り扱いに手間がかかり、生産効率が悪い上に部品点数が多くなる問題がある。
本発明は、コアの磁路の狭小化を防ぎ、モータの性能を高めるとともにステータの生産性、ひいてはモータの生産性を向上可能であり、部品点数の削減が可能な絶縁部材、コイルユニット、ステータ、モータおよびステータの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ステータのコアと該コアに取り付け可能なコイルとを絶縁可能な絶縁部材であって、前記コイルと前記コアの間に配置される絶縁本体部と、前記コイルに係合可能な第1係合部と、前記絶縁本体部から前記ステータの径方向に延在または突出して該コアに係合可能な第2係合部と、を有する、ことを特徴とする絶縁部材に係るものである。
また、本発明は、ステータのコアと該コアに取り付け可能なコイルとを絶縁可能な絶縁部材であって、前記コイルと前記コアの間に配置される絶縁本体部と、前記コイルに係合可能な第1係合部と、前記コアの略環状のヨーク部の外周または内周を構成する面と係合可能な第2係合部と、を有する、ことを特徴とする絶縁部材に係るものである。
また、本発明は、上記の絶縁部材と、前記コアを構成するコア部材と、前記コイルと、を一体的に係合させた、ことを特徴とするコイルユニットに係るものである。
また、本発明は、上記の絶縁部材を前記コイルと前記コアの間に介装させてなるステータに係るものである。
また、本発明は、上記のステータを有するモータに係るものである。
また、本発明は、上記の絶縁部材を用いたステータの製造方法であって、前記コイルと前記第1係合部を係合させた後に、前記コアと前記第2係合部を係合させる、ことを特徴とするステータの製造方法に係るものである。
本発明によれば、コアの磁路の狭小化を防ぎ、モータの性能を高めるとともにステータの生産性、ひいてはモータの生産性を向上可能であり、部品点数の削減が可能な絶縁部材、コイルユニット、ステータ、モータおよびステータの製造方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るモータを示す断面図である。 第1実施形態に係るステータを示す図であり、(A)平面図、(B)外観斜視図である。 第1実施形態に係るコアを示す図であり、(A)平面図、(B)平面図、(C)外観斜視図である。 第1実施形態に係るコイルを示す図であり(A)正面図、(B)側面図、(C)底面図である。 第1実施形態に係るコイルユニットを示す図であり(A)断面図、(B)平面図、(C)正面図、(D)背面図、(E)側面図である。 第1実施形態に係る絶縁部材を示す図であり、(A)外観斜視図、(B)正面図、(C)背面図、(D)側面図、(E)平面図である。 第1実施形態に係るコイルユニットの製造方法を説明するフローチャートである。 第1実施形態に係るコイルユニットの製造方法を説明する図であり、(A)側面図、(B)~(E)平面概要図である。 第1実施形態に係るコイルユニットの製造方法を説明する側面図である。 第1実施形態に係るステータの製造方法を説明する斜視図である。 本発明の第2実施形態を示す図であり(A)コアの平面図、(B)絶縁部材の側面図、(C)絶縁部材の平面図である。 第2実施形態に係るコイルユニットの製造方法を示す図であり、(A)平面図、(B)平面図、(C)側面図、(D)平面図、(E)平面図、(F)側面図である。 第2実施形態に係るステータの製造方法を示す図であり、(A)平面図、(B)平面図、(C)側面図、(D)平面図である。 本発明の第3実施形態を示す図であり(A)コアの平面図、(B)絶縁部材の側面図、(C)絶縁部材の平面図である。 第3実施形態に係るコイルユニットの製造方法を示す図であり、(A)平面図、(B)平面図、(C)側面図である。 第3実施形態に係るステータの製造方法を示す図であり、(A)平面図、(B)側面図、(C)平面図、(C)側面図、(D)平面図である。 従来のモータを示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本図以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。また本図以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚み等を適宜誇張して表現する。
<第1実施形態>
<モータ>
まず、図1を参照して、本発明に係るモータ100について説明する。図1は、本実施形態のモータ100の概要を説明する断面図である。図1は、一例として、インナーロータ型のモータ100を示している。
本実施形態における方向はモータ100を基準に定義する。また、モータ100の軸中心を以下モータ軸M0と称する。具体的に、モータ軸M0を中心とした回転方向を(モータ100の)周方向Cといい、モータ軸M0の方向(図1では上下方向)から見た平面視においてモータ軸M0を通る線分の延在方向を(モータ100の)径方向Rといい、径方向Rにおいてモータ軸M0に近い側を径方向内側RIといい、モータ軸M0から遠い側を径方向外側ROという。
図1に示すように、モータ100は、例えば三相モータであり、ケース(ハウジング)90、シャフト80、ロータ70、ステータ50等を有し、ステータ50に対してロータ70が回転可能となるように組み付けられる。シャフト80は柱状部材であり、例えばベアリング82に支持されながら、その中心軸(モータ軸M0)の周りに(周方向Cに)回転する。シャフト80の一端には、ギア等の動力伝達機構を介して、駆動対象となる装置(不図示)が連結される。
ロータ70はその周方向Cにマグネット71が配置され、シャフト80とともに回転する。ステータ50はこの例では、ロータ70の径方向Rにおける外側に配置される。ステータ50は、周方向Cに並ぶようにコイル10が取り付けられ、当該コイル10によってロータ70を回転させるための力を発生させる。以下、詳細な図示は省略するが、ステータ50の外部端子は、例えばリード線などを介してモータ100へ電力を供給する駆動回路あるいは電源に接続される。同図に示すようにケース(ハウジング)90は、ステータ50およびロータ70を一体的に覆う略円筒形状である。ケース90は、シャフト80に固定される。
モータ100は、電源あるいは駆動回路から、バスバー(不図示)を介してコイル10に駆動電流を与える。これにより、ステータ50(のティース部54)に磁束が生じる。そして、ティース部54とマグネット71の間の磁束の作用により、周方向Cのトルクが発生する。その結果、ステータ50に対してロータ70、およびケース90がシャフト80の軸(モータ軸M0)を中心として回転する。
図2は、ステータ50を抜き出して示す図であり、図2(A)がモータ軸M0方向から見た平面図であり、図2(B)が斜視図である。また、図3は、コア51を示す図であり、図3(A)がモータ軸M0方向から見たコア51の平面図であり、図3(B)がコア51の一部(コア部材52)を示す平面図であり、図3(C)がコア51の一部(コア部材52)を示す外観斜視図である。
図2、図3を参照してステータ50は、略環状のコア51と、コア51に取り付けられる複数のコイル10を有する。詳細には、ステータ50のコア51は、略環状のヨーク部53と、ヨーク部53からモータ軸M0方向(径方向内側RI)に突出する複数のティース部54を有する。
また図3(A)に示すように、本実施形態のコア51は、複数のティース部54が個々に独立するように、周方向Cにおいて複数に分割されたコア部材52(分割コア)からなる。図3(B),同図(C)に示すようにコア部材52は、1つのティース部54と、分割ヨーク部53Pを有し、平面視において略T字状に構成された部材である。分割ヨーク部53Pは、ティース部54のモータの軸M0側(径方向内側RI)を突出方向の先端とした場合の基端側に連続する。分割ヨーク部53Pの径方向外側ROの面(外側面532)は、略環状のヨーク部53の外周面53Oを構成する面であり、その一部にはモータ軸M0方向に延びる凹部533が設けられている(図2(B)参照)。凹部533には、複数のコア部材52を周方向Cに並べる際の位置合わせ手段(不図示の治具など)が挿入または係合可能である。そして、一つの分割ヨーク部53Pを他の分割ヨーク部53Pと周方向Cに連結することで略環状のヨーク部53が構成される(図3(A))。
図4は、本実施形態のコイル10の一例を示す図である。図4(A)は、ステータ50に取り付ける場合のモータ軸M0方向から見た正面図であり、同図(B)が同図(A)を右方向から見た側面図であり、同図(C)が同図(A)を下方向から見た平面(底面)図である。
本実施形態のコイル10は、一例としてステータ50に取り付けられる。コイル10は、螺旋構造体であり、螺旋軸SCを中心に周回する1周分の領域(同図(A)に大破線矢印で示す領域、以下「1周分領域CR」という。)が複数、螺旋軸SC方向に略重畳するように巻回された、所謂、集中巻きのコイルである。
この例のコイル10は、エッジワイズコイルである。エッジワイズコイルは、帯状の複数の平導体(コイル片)を連続して接続し、螺旋構造体を形成した(完成した状態では平導体が巻回された構成となる)ものであってもよいし、長尺の平導体を巻回して螺旋構造体を形成したものであってもよい。また、これらの場合の平導体は丸(導)線をプレスしたものであってもよい。さらに丸(導)線を巻回して螺旋構造体を構成したものであってもよい。
図4に示すコイル10は、詳細な図示は省略するが、螺旋構造体を構成する導体(例えば平導体)の周囲に絶縁樹脂を付着させている。絶縁樹脂は螺旋の進行方向に沿って、コイル10の一端ST側から他端ET側まで連続して設けられており、螺旋構造体の1周分領域CRがそれぞれ絶縁樹脂によって絶縁されている。なお、コイル10の端部(一端STと他端ET)は、他の部材との接続部(端子)であり、絶縁樹脂は設けられていなくてもよい。
図5は、本実施形態のコイルユニット20を示す図である。図5(A)は、ステータ50を構成するコイルユニット20を示す図であり、モータ軸M0方向から見たステータ50の一部を抜き出して示す概要図であり、モータ軸M0に垂直な面を断面とする断面図である。図5(B)が一つのコイルユニット20をモータの軸M0方向から見た平面図であり、同図(C)がコイルユニット20を径方向内側RIから見た正面図、同図(D)がコイルユニット20を径方向外側ROから見た背面図、同図(E)が周方向C(同図(C)の左側)から見たコイルユニット20の側面図である。
本実施形態のコイルユニット20は、図3(B)、図3(C)に示すコア部材52と、図4に示すコイル10と、絶縁部材30とを一体化したものである。
一つのコイル10は、一つのコア部材52に取り付けられる。より詳細には本実施形態のコイル10は一つのティース部54の外側に取り付けられる。一つのコイル10は一つのティース部54の外側を周回する導体の1周分領域CRを、ティース部54の突出方向に複数重ねるように連続させて螺旋構造体を構成したものである。
図5(A)、同図(B)に示すように各コイル10は、ティース部54に取り付けた状態において、最も径方向内側RIの1周分領域CR(最内周1周分領域CRI)がロータ70と対向し、最も径方向外側ROの1周分領域CR(最外周1周分領域CRO)が、ティース部54の基端側に連続する分割ヨーク部53Pの内側面531と絶縁部材30を介して対向する。
分割ヨーク部53Pの外側面532は、略環状のヨーク部53の外周を構成する面(外周面53Oの一部)であって湾曲面であるが、分割ヨーク部53Pの内側面531はコイル10の1周分領域CRの面に沿うような平面となっている。
コイル10とコア部材52の間には絶縁部材30が介装される。詳細には、絶縁部材30は樹脂成型体であり、分割ヨーク部53Pの内側面531、およびティース部54の周方向側面541(コイル10の螺旋構造内周面との対向面)を覆うように構成されている。絶縁部材30によってコイル10とコア部材52が絶縁されるとともに一体的に固定されてコイルユニット20が構成される。
絶縁部材30は、第1係合部35と第2係合部を有する。第1係合部35は、コイル10の螺旋構造体の内周と係合する。また第2係合部36は、コア部材52の凹部533と係合する。これによりコイル10は、ティース部54からの離脱が規制される。したがって、隣り合うティース部54による区画されるスロットの開口部OPを塞ぐウェッジ板が不要となる。
図6は、絶縁部材30を示す図であり、図6(A)が周方向C側から見た外観斜視図であり、同図(B)が径方向内側RIから見た正面図であり、同図(C)が径方向外側ROから見た背面図であり、同図(D)が周方向C(同図(B)の左側)から見た側面図であり、同図(E)がモータ軸M0方向から見た平面図である。
絶縁部材30は、絶縁本体部31と、第1係合部35と、第2係合部36を有し、これらを絶縁樹脂材により一体成型した樹脂成型体であり、コア51(コア部材52)とコイル10とを絶縁可能である。
絶縁本体部31は、コイル10とコア51の間に配置される。詳細には、絶縁本体部31は、図6(A)に示すようにスリーブ部32と、フランジ部33を有する。スリーブ部32は、径方向Rの両端(ティース部54の先端側と基端側)を開口とする略角筒状であり、その内部にティース部54を挿通可能である。つまりスリーブ部32は、ティース部54の形状に沿う略角筒状であり、ティース部54の外側に(外表面と)近接または密着して配置可能である(図5参照)。
フランジ部33は、スリーブ部32の一方(径方向外側RO、ティース部54の基端側)の開口周囲に設けられ、コア部材52の分割ヨーク部53Pの内側面531の形状に対応した略矩形状であり(図6(B),同図(C))、当該内側面531と近接または密着して対向配置可能である(図5参照)。
以下、スリーブ部32をティース部54に対応させて、スリーブ部32の径方向内側RIを先端側、スリーブ部32の径方向外側ROを基端側、と称する。また、略角筒状のスリーブ部32を構成する4つの面について、周方向Cにおいて対向する2面を周方向側面321A,321Bといい、モータ軸M0方向において対向する2面を軸方向側面321C,321Dと称する。
第1係合部35は、コイル10に係合可能である。具体的に、図6(A)、同図(D),同図(E)に示すように第1係合部35は、第1アーム351とその端部に設けられた爪352を有する。第1アーム351は周方向Cに弾性的に撓むように(弾性変形可能に)構成されている。具体的に、この例では、図6(A),同図(D)に示すように第1アーム351は、スリーブ部32の周方向側面321A、321Bにそれぞれ設けた複数のスリット34によってスリーブ部32から舌片状に切り離された部位である。スリット34は、スリーブ部32の先端側から基端側に向かい、基端側には達しない径方向Rの中途位置までを切り欠いて設けられる。この例では、周方向側面321A、321Bにそれぞれ4本のスリット34が設けられ、これにより周方向側面321A、321Bにそれぞれ2つの第1アーム351が設けられる。
4つの第1アーム351はスリーブ部32の基端側ではスリーブ部32と一体となる片持ち梁状に構成され、スリーブ部32の先端側が自由端となる。第1アーム351は絶縁本体部31の一部を構成し(絶縁本体部31の一部を兼ね)、スリーブ部32の先端側では4つの第1アーム351は互いに独立し、周方向Cに弾性変形可能となる。また各第1アーム351の先端に爪352が設けられる。図6(A),同図(E)に示すように、爪352は先端側から基端側に向かうにつれ突出量が大きくなる傾斜面353と、径方向外側ROを向いた係合面354を有する。
周方向側面321Aにおける爪352と、周方向側面321Bにおける爪352とはそれぞれの傾斜面353が互いに背中合わせとなるように、第1アーム351から周方向Cの外向きに係合面354を張り出させている。
本実施形態では図5に示すようにスリーブ部32の外側にコイル10を取り付ける。その際、爪352の係合面354がコイル10の内周(詳細には、コイル10の径方向内側RIの1周分領域CRの内周)と係合するように構成されている。
絶縁部材30の第2係合部36は、ステータ50の径方向Rに延在または突出してコア51に係合可能である。あるいは第2係合部36は、ヨーク部53の外周または内周を構成する面と係合可能である。具体的に、図6(A)、同図(D),同図(E)に示すように第2係合部36は、第2アーム361とその端部に設けられた爪362を有する。第2アーム361はモータ軸M0方向に弾性的に撓むように(弾性変形可能に)構成されている。具体的に、この例では、第2アーム361は、図6(A),同図(D)に示すように絶縁本体部31、詳細には、スリーブ部32の軸方向側面321C、321Dの基端側からフランジ部33を介して径方向外側ROに延在または突出する部位である。この例では第2アーム361は軸方向側面321C、321Dと略水平に2つ設けられる。第2アーム361は、フランジ部33を基端側として片持ち梁状態で突出する舌片状部材であり、先端側が自由端となり、モータ軸M0方向に弾性変形可能となる。また各第2アーム361の先端側に爪362が設けられる。図6(A),同図(D)に示すように、爪362は先端側から基端側に向かうにつれ突出量が大きくなる傾斜面363と、径方向内側RIを向いた係合面364を有する。軸方向側面321Cにおける爪362と、軸方向側面321Dにおける爪362とはそれぞれの傾斜面363が互いに向かい合わせとなるように、第2アーム361からモータ軸M0方向の内向きに係合面364を張り出させている。
本実施形態では図5に示すようにフランジ部33と分割ヨーク部53Pの内側面531が対向し、ティース部54がスリーブ部32に収容されるように、コア部材52に絶縁部材30を取り付ける。その際、爪362の係合面364がコア51(詳細には、略環状のヨーク部53の外周を構成する面に設けられた凹部533)と係合するように構成されている。
<コイルユニットおよびステータの製造方法(組立方法)>
図7から図9を参照してコイルユニット20の製造方法について説明する。図7は、コイルユニット20の製造方法の一例を示すフロー図である。図8および図9は、コイルユニットの製造方法の一例を時系列で示す概要図である。図8(A)は、コイル10と絶縁部材30を周方向Cから見た側面図であり、図8(B)は、係合状態における絶縁部材30とコイル10の関係を示す概要図であり、モータ軸M0方向から見た平面図である。図8(C)~同図(E)は第1係合部35の変形状態を示すモータ軸M0方向から見た平面概要図である。
図9(A)は、絶縁部材30とコア部材52を周方向Cから見た側面図であり、図9(B)は、係合状態における絶縁部材30と分割ヨーク部53Pの関係を示す概要図であり、周方向Cから見た側面図である。図9(C)~同図(E)は第2係合部36の変形状態を示す周方向Cから見た側面概要図である。
まず、コイル10を形成する(図7、ステップS1)。コイル10は例えば、複数の帯状の導体片(コイル片)の端面同士を押圧し、継ぎ合わせることにより、螺旋構造体を形成する。または長尺の導線(丸線、平角線など)を巻回することによりして螺旋構造体を形成する。コイル10の形成方法は、集中巻きの螺旋構造体が形成されるものであれば、この例に限らない。
次に、図8(A)に示すように絶縁部材30のスリーブ部32の先端側にコイル10を配置し、コイル10と絶縁部材30を係合させる(図7、ステップS3)。
ここで、図8(B)に示すように絶縁部材30とコイル10の間には所定のクリアランスが確保され、且つコイル10に爪352が係合可能に構成されている。具体的に、絶縁部材30は、周方向側面321A、321Bにおいて対向位置にある2つの第1アーム351において、周方向Cにおける外側面同士の間隔(爪352先端部同士の間隔)L1は、コイル10の内周の周方向Cにおける間隔L2より小さく設定されている。
一方、対向位置にある2つの第1アーム351において、爪352(係合面354)同士の最大離間距離(最大突出部の距離)L3は、コイル10の内周の周方向Cにおける間隔L2より大きく設定されている。
また、コイル10の径方向Rの長さL4(螺旋軸方向の厚み)は、第1アーム351の基端側(フランジ部33)から係合面354までの長さL5より僅かに小さく設定されている。なお、図8(B)~同図(E)ではコイル10と絶縁部材30のクリアランスを大きく示しているが、実際は、コイル10と絶縁部材30を係合した場合に、コイル10は移動(がたつき)が不可になる程度に絶縁部材30と近接(密接)している。
このような構成により、図8(C)に示すようにコイル10の内周にスリーブ部32をその先端側(爪352側)から挿通させ、径方向外側ROから径方向内側RIに向かって押し込むと、次第に図8(D)に示すように爪352の傾斜面353がコイル10の内周に接触し、傾斜面353の突出量に伴って爪352が周方向Cに近接するように(コイル10の螺旋軸中心側に向かうように)第1アーム351が徐々に弾性変形する。そして図8(E)に示すように爪352がコイル10の最内周1周分領域CRIから突出すると、弾性変形していた第1アーム351が元に戻り、爪352の係合面354が、コイル10の最内周1周分領域CRIの内周に引っ掛かって係合する。このようにしてコイル10と、第1係合部35が係合する。
次に、図9(A)に示すようにティース部54の先端側に絶縁部材30を配置し、コア51(コア部材52)と絶縁部材30を係合させる(図7、ステップS5)。
ここで、図9(B)に示すように絶縁部材30とコア部材52(分割ヨーク部53P)の間には所定のクリアランスが確保され、且つ分割ヨーク部53Pに爪362が係合可能に構成されている。具体的に、絶縁部材30の2つの第2アーム361は、モータ軸M0方向における内側面同士の間隔(爪362先端部同士の間隔)L7が、分割ヨーク部53Pのモータ軸M0方向の長さ(高さ)L6より大きく設定されている。
一方、対向位置にある2つ爪362(係合面364)同士の最小離間距離(最大突出部の距離)L8は、分割ヨーク部53Pのモータ軸M0方向の長さL6より小さく設定されている。
また、分割ヨーク部53Pの径方向Rの長さ(厚み)L9(ここでは、分割ヨーク部53Pにおける最薄部、内側面531の延長線上から凹部533までの最短の長さ、図5(A)参照)は、第2アーム361の基端側(フランジ部33)から係合面364までの長さL10より僅かに小さく設定されている。なお、図9(B)~同図(E)では分割ヨーク部53Pと絶縁部材30のクリアランスを大きく示しているが、実際は、分割ヨーク部53Pと絶縁部材30を係合した場合に、分割ヨーク部53Pは移動(がたつき)が不可になる程度に絶縁部材30と近接(密接)している。
このような構成により、図9(C)に示すように、第2アーム361の間にティース部54をその先端側から挿通させ、コア部材52を径方向外側ROから径方向内側RIに向かって押し込むと、図9(D)に示すように爪362の傾斜面363がコア51のモータ軸M0方向の上下面にそれぞれ接触し、傾斜面363の突出量に伴って2つの爪362がモータ軸M0方向において離間するように第2アーム361が徐々に弾性変形する。そして図9(E)に示すように爪362が分割ヨーク部53P(凹部533)から突出すると、弾性変形していた第2アーム361が元に戻り、爪362の係合面364が、分割ヨーク部53Pの凹部533に引っ掛かって係合する。このようにしてコイル10、絶縁部材30とコア部材52とが一体的に係合し、コイルユニット20が組み立てられる。
絶縁部材30とコイル10、絶縁部材30とコア部材52は、必要最小限のクリアランスを有している。絶縁部材30の第1アーム351は、コイル10と係合する際に弾性変形する。つまり、爪352がコイル10と係合した後に、絶縁部材30をコイル10からら離脱させるには、第1アーム351の弾性変形(螺旋軸中心側に向かう弾性変形)が必要である。ところが、絶縁部材30とコイル10を係合させた後にスリーブ部32にコア部材52のティース部54を挿通し、爪362をコア部材52と係合させると、スリーブ部32においては第1アーム351の弾性変形が規制される。つまり、絶縁部材30をコア部材52に係合させることで、絶縁部材30とコイル10の離脱を防ぐことができる。また、絶縁部材30の第1係合部35、第2係合部36によってコイル10がティース部54から離脱する(径方向Rに移動する)ことを防止でき、モータ軸M0方向に移動することも規制される。
従来は、コイルの離脱を防止するため、スロット206の開口部207にウェッジ板208を固定する必要があり、ティース部203にはウェッジ板208を固定するための係合凹部203cが設けられていた。このため、係合凹部203c付近において磁路が狭くなり、磁束量が低減する結果、モータ特性が向上できない問題があった。また、各ティース部203毎に、絶縁シート204の取り付け工程、コイル205の取り付け工程、さらにウェッジ板208の取り付け工程が必要であり、組立工数が多く生産効率が悪い上に部品点数が多くなる問題があった。
本実施形態によれば、スロットの開口部OPを塞ぐウェッジ板が不要となり、ティース部54に、ウェッジ板を固定するための凹部を設ける必要がなくなる。このため、ティース部54における磁路の狭小化を防ぎ、モータの性能を高めることができる。また、樹脂成型品である絶縁部材30は絶縁シートに比べて剛性があり、取り扱いが容易である。またコア51とコイル10の絶縁手段とコア51からコイル10が離脱することを防止する手段とを1つの絶縁部材30で実現できるため、従来のウェッジ板が不要である。したがってステータの生産性、ひいてはモータの生産性を向上させることができ、部品点数の削減も可能となる。
次に、図10を参照してステータ50の製造方法を説明する。図10は、ステータ50の製造方法を時系列に示す外観斜視図である。本実施形態のステータ50の製造方法は、上述した本実施形態の絶縁部材30を用い、コイル10と絶縁部材30の第1係合部35を係合させた後に、コア51と絶縁部材30の第2係合部36を係合させるものである。
具体的に、図8に示すように絶縁部材30のスリーブ部32をコイル10の内周に挿通し、コイル10の内周と第1係合部35の爪352を係合させる。次に、図9に示すように、コア51を構成するコア部材52と絶縁部材30を係合する。詳細には、コア部材52の分割ヨーク部53P(凹部533)と第2係合部36の爪362を係合させる。
これによりコイルユニット20が組み立てられ、当該コイルユニット20を図10(A)に示すように複数準備し、環状に並べる(図10(B))。この時、図示を省略する治具の位置決め手段を、分割ヨーク部53Pの凹部533(例えば、凹部533のモータ軸M0方向の中央付近など)に係合させて、各コイルユニット20の周方向Cの位置決めを行う。そして締まり嵌めなどによりコイルユニット20を固定する。これにより、複数のコア部材52により略環状のコア51が構成される。詳細には、分割ヨーク部53Pにより略環状のヨーク部53が構成され、分割ヨーク部53Pの外側面532により、略環状のヨーク部53の外周が構成される。このようにして、図2に示すステータ50を組み立てる。
このように本実施形態では、コイルユニット20を環状に並べる際の位置決め手段を係合させる凹部533を用いて、絶縁部材30の第2係合部36(爪362)を係合させている(凹部533を兼用している)。したがって、本実施形態の絶縁部材30を固定するためにコア51(コア部材52)を新たに作り直す必要はなく、従来のコア51に容易に絶縁部材30を固定することができる。
以上、インナーロータ型のモータに採用されるステータ50を例に説明したが、アウターロータ型のモータであっても同様に実施できる。
<第2実施形態>
図11から図13を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態は、アウターロータ型のモータに採用されるステータ50について、本発明の絶縁部材30を適用する場合の一例である。
図11(A)はアウターロータ型のコア51の一部を示す概要図であり、モータ軸M0方向から見た平面図である。この場合、コア51は、略環状の(非分割の)ヨーク部53と、平面視において略I字状の複数のコア部材52からなる。コア部材52はティース部54であり、径方向内側RIにモータ軸M0方向に渡って突出するノッチ部58を有する。ヨーク部53は、その外周面に凹溝59を有する。それぞれの凹溝59は、モータ軸M0方向に切り欠かれ、周方向Cにおいて等間隔で複数配置される。またヨーク部53の内周面には凹部533が周方向Cに所定距離で離間して複数設けられる。
図11(B)は、絶縁部材30を周方向Cから見た側面図(図6(D)に対応する側面図)であり、図11(C)は絶縁部材30をモータ軸M0方向から見た平面図(図6(E)に対応する平面図)である。
絶縁部材30は、絶縁本体部31と、第1係合部35と、第2係合部36を有し、これらを絶縁樹脂材により一体成型した樹脂成型体であり、コア51(コア部材52)とコイル10とを絶縁可能である。
第1係合部35は、第1実施形態と同様であり、コイル10の内周と係合可能である。第2係合部36は、この場合、フランジ部33のモータ軸M0方向における一方(ここでは上方)に一つ設けられる。第2係合部36は、フランジ部33を基端として径方向内側RIに延在または突出する。また第1係合部35の爪352が径方向外側ROに位置し、第2係合部26の爪362が径方向内側RIに位置する。これ以外の構成は、第1実施形態と同様である。
図12を参照して、第2実施形態におけるコイルユニット20の製造方法について説明する。図12(A)、同図(B)、同図(D),同図(E)はコイル10と絶縁部材30をモータ軸M0方向から見た平面図である。図12(C)は、同図(B)を周方向C(同図(B)の右方向)から見た側面図、図12(F)は、同図(D)を周方向C(同図(D)の右方向)から見た側面図である。
まず、図12(A)に示すようにスリーブ部32の外側にコイル10を取り付ける。具体的には、コイル10(螺旋構造体)の内周にスリーブ部32をその先端側(第1係合部35の爪352側)から挿通させ、コイル10を径方向外側ROから径方向内側RIに向かって押し込む。第1係合部35は、第1実施形態と同様にコイル10の螺旋軸中心側に向かうように第1アーム351が徐々に弾性変形する。爪352がコイル10から突出すると、弾性変形していた第1アーム351が元に戻り、爪352の係合面354が、コイル10の最外周1周分領域CROの内周に引っ掛かって係合する。このようにして図12(B),同図(C)に示すようにコイル10と、第1係合部35が係合する。
次に、これらにコア部材52(ティース部54)を取り付ける。具体的には、図12(D)に示すようにティース部54のノッチ部58と、第1係合部35の爪352を対向させるように配置し、スリーブ部32の内側にティース部54をノッチ部58側から挿通させて径方向Rに押し込む。このようにして図12(E),同図(F)に示すようにコイル10とコア部材52(ティース部54)の間に絶縁部材30が介装されたコイルユニット20が組み立てられる。
第2実施形態の場合は、コイルユニット20を略環状のヨーク部53に固定する、すなわちステータ50を組み立てることにより、コイル10、絶縁部材30とコア51とが一体的に係合する。
図13を参照してステータ50の製造方法について説明する。図13(A)、同図(B)はモータ軸M0方向から見たコア51およびステータ50の平面図である。また図13(C)は、図13(B)のa-a線断面図である。また、図13(D)はモータ軸M0に直交する面(図13(C)に示す面bで切断した断面図である。
図13(A)に示すように、ヨーク部53はその外周面に凹溝59を有する。そしてこの凹溝59に対して、モータ軸M0の上方向からコイルユニット20(これに含まれるティース部54)のノッチ部58を係合させてモータ軸M0方向に押し込む。
これにより、コイルユニット20は、ティース部54が同図(B)に破線で示すようにヨーク部53と係合し、コイルユニット20がヨーク部53に固定される。
この例では、第2係合部36は、フランジ部33のモータ軸M0方向の上方にのみ設けられており(図12(F))、ノッチ部58を凹溝59に差し込む動作に干渉することはない。そしてコイルユニット20がヨーク部53に固定されると、第2係合部36の第2アーム361がヨーク部53を横断し、爪362の係合面364が、ヨーク部53の内周を構成する面(内周面53I)に設けられた凹部533に引っ掛かって係合する。つまりこの場合も、コイル10と第1係合部35を係合させた後に、コア51と第2係合部36を係合させる。このようにしてコイル10、絶縁部材30とコア51とが一体的に係合し、ステータ50が組み立てられる。
第1実施形態と同様に、絶縁部材30の第1係合部35は、爪352がコイル10の内周と係合し、離脱を防止可能となるように、そのサイズおよび形状が適宜選択されている。また、第2係合部36は、コイル10(コイルユニット20)のヨーク部53からの離脱(径方向Rへの移動)を防止可能となるように、そのサイズおよび形状が適宜選択されている。
ここでは、アウターロータ型のステータ50を例に説明したが、第2実施形態をインナーロータ型のステータに適用することもできる。その場合、ヨーク部53の凹溝59は、ヨーク部53の内周面53Iに周方向Cに所定距離で離間して複数設けられる。またヨーク部53の内周面53Iには凹部533が周方向Cに所定距離で離間して複数設けられる。そして第2係合部36の爪362の係合面364は、ヨーク部53の内周面53Iに設けられた凹部533に引っ掛かって係合する。なお、内周面53Iに凹部533は設けられず、爪362が内周面53Iに係合する構成であってもよい。
<第3実施形態>
図14から図16を参照して第3実施形態について説明する。第3実施形態は、アウターロータ型のモータに採用されるステータ50について、本発明の絶縁部材30を適用する場合の他の一例である。
図14(A)はコア51の一部を示す概要図であり、モータ軸M0方向から見た平面図である。この場合、コア51は、略環状の(非分割の)ヨーク部53と、ヨーク部53から径方向外側ROに突出する複数のティース部54を有する。ヨーク部53および複数のティース部54が一体的に設けられた非分割タイプのコア51である。
図14(B)は、絶縁部材30を周方向Cから見た側面図(図6(D)に対応する側面図)であり、図13(C)は絶縁部材30をモータ軸M0方向から見た平面図(図6(E)に対応する平面図)である。
絶縁部材30は、絶縁本体部31と、第1係合部35と、第2係合部36を有し、これらを絶縁樹脂材により一体成型した樹脂成型体であり、コア51とコイル10とを絶縁可能である。第1係合部35の爪352が径方向外側ROに位置し、第2係合部26の爪362が径方向内側RIに位置する以外は、第1実施形態と同様である。
図15から図16を参照して、第3実施形態におけるステータ50の製造方法について説明する。図15(A)、図15(B)はコイル10と絶縁部材30をモータ軸M0方向から見た平面図である。図15(C)は、同図(B)を周方向C(同図(B)の右方向)から見た側面図である。図16(A)、図16(C)、図16(E)はコイル10と絶縁部材30をモータ軸M0方向から見た平面図である。図16(B)は、同図(A)を周方向C(同図(A)の右方向)から見た側面図である。図16(D)は、図16(C)のc-c線断面図である。また、図16(E)はモータ軸M0に直交する面(図16(D)に示す面dで切断した断面図である。
まず、図15(A)に示すようにスリーブ部32の外側にコイル10を取り付ける。具体的には、コイル10(螺旋構造体)の内周にスリーブ部32をその先端側(第1係合部35の爪352側)から挿通させ、コイル10を径方向外側ROから径方向内側RIに向かって押し込む。第1係合部35は、第1実施形態と同様にコイル10の螺旋軸中心側に向かうように第1アーム351が徐々に弾性変形する。爪352がコイル10の最外周1周分領域CROから突出すると、弾性変形していた第1アーム351が元に戻り、爪352の係合面354が、コイル10の最外周1周分領域CROの内周に引っ掛かって係合する。このようにして図15(B),同図(C)に示すようにコイル10と、第1係合部35が係合する。
次に、これらをコア51のティース部54に取り付ける。具体的には、図16(A),同図(B)に示すように絶縁部材30の第2係合部36とティース部54の径方向外側ROを対向させ、スリーブ部32にティース部54を差し込み、径方向Rに押し込む。これにより図16(C)、同図(D)に示すようにスリーブ部32の内側にティース部54を挿通させる。
このとき第2アーム爪362の傾斜面363がコア51のモータ軸M0方向の上下面にそれぞれ接触し、2つの爪362がモータ軸M0方向において離間するように第2アーム361が徐々に弾性変形する。爪362がヨーク部53から突出すると、弾性変形していた第2アーム361が元に戻り、爪362の係合面364が、ヨーク部53の内周面53Iの凹部533に引っ掛かって係合する。このようにしてコイル10、絶縁部材30とコア部材52とが一体的に係合する(図16(D)。なお、この場合もヨーク部53の内周面53Iに凹部533が設けられず、爪362が内周面53Iに係合する構成であってもよい。
つまりこの場合も、コイル10と第1係合部35を係合させた後に、コア51と第2係合部36を係合させる。このようにしてコイル10、絶縁部材30とコア51とが一体的に係合し、ステータ50が組み立てられる。
絶縁部材30の第1係合部35は、爪352がコイル10の内周と係合し、離脱を防止可能となるように、また、第2係合部36は、コイル10のヨーク部53(ティース部54)からの離脱(径方向Rへの移動)を防止可能となるように、そのサイズおよび形状が適宜選択されている。
ここでは、アウターロータ型のステータ50を例に説明したが、第2実施形態をインナーロータ型のステータ(ティース部54がヨーク部53の内周面を基端として径方向内側RIに突出するコア51を有するステータ)に適用することもできる。
以上の実施形態で説明したステータ50を組み込み、図1に示すモータ100が構成される。
本実施形態によれば、コア51の磁路を狭めることなく、コイル10をコア51(ヨーク部53,ティース部54)に固定することができ、モータの性能十分に活用することができる。
また、コイル10とコア51を絶縁するための構成、およびステータ50の組立工数を簡素化でき、部品点数も削減できる。したがって、ステータ50ひいてはモータ100の生産性を向上させることができる。
なお、上記の実施形態ではコイル10として絶縁樹脂で導体を被覆した螺旋構造体を例に説明したが、コイル10は絶縁樹脂で被覆されていない導体で螺旋構造体を構成し、これを全体的に覆うとともに螺旋構造体の1周分領域CR間を絶縁するような絶縁樹脂層を設けたコイルであってもよい。この場合の絶縁樹脂層は例えば、絶縁樹脂の射出成型により構成される。
また、第1係合部35および第2係合部36の構成は、コア51の磁路を狭めることなく、コイル10をコア51に固定できる構成であれば上記の例に限らない。
以上、本発明は、上述した実施形態に限定せず、様々な実施形態で構成することができる。
10 コイル
20 コイルユニット
30 絶縁部材
31 絶縁本体部
32 スリーブ部
33 フランジ部
34 スリット
35 第1係合部
36 第2係合部
50 ステータ
51 コア
52 コア部材
53 ヨーク部
53P 分割ヨーク部
54 ティース部
58 ノッチ部
59 凹溝
70 ロータ
71 マグネット
80 シャフト
82 ベアリング
90 ケース(ハウジング)
100 モータ
321A、321B 周方向側面
321C、321D 軸方向側面
321D 軸方向側面
351 第1アーム
352 爪
353 傾斜面
354 係合面
361 第2アーム
362 爪
363 傾斜面
364 係合面
531 内側面
532 外側面
533 凹部

Claims (10)

  1. ステータのコアと該コアに取り付け可能なコイルとを絶縁可能な絶縁部材であって、
    前記コイルと前記コアの間に配置される絶縁本体部と、
    前記コイルに係合可能な第1係合部と、
    前記絶縁本体部から前記ステータの径方向に延在または突出して該コアに係合可能な第2係合部と、を有する、
    ことを特徴とする絶縁部材。
  2. ステータのコアと該コアに取り付け可能なコイルとを絶縁可能な絶縁部材であって、
    前記コイルと前記コアの間に配置される絶縁本体部と、
    前記コイルに係合可能な第1係合部と、
    前記コアの略環状のヨーク部の外周または内周を構成する面と係合可能な第2係合部と、を有する、
    ことを特徴とする絶縁部材。
  3. 第1係合部と前記絶縁本体部は樹脂材により一体成型される、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の絶縁部材。
  4. 第2係合部と前記絶縁本体部は樹脂材により一体成型される
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の絶縁部材。
  5. 前記絶縁本体部は、前記コアのティース部の外側に配置されるスリーブ部と該スリーブ部の一方の開口周囲に設けられるフランジ部を有し、
    前記第1係合部は前記スリーブ部の他方の開口の一部に設けられ前記コイルの内周に係合可能な爪を含み、
    前記第2係合部は、前記第1係合部から離れる方向に延在または突出するアーム部と該アーム部の先端に設けられ、前記コアに係合可能な爪を含む、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の絶縁部材。
  6. 前記コイルは、一つの前記ティース部の外側を周回する導体を複数重ねるように連続させて螺旋構造を構成した集中巻きコイルである、
    ことを特徴とする請求項5に記載の絶縁部材。
  7. 請求項1または請求項2に記載の絶縁部材と、
    前記コアを構成するコア部材と、
    前記コイルと、を一体的に係合させた、
    ことを特徴とするコイルユニット。
  8. 請求項1または請求項2に記載の絶縁部材を前記コイルと前記コアの間に介装させてなるステータ。
  9. 請求項8に記載のステータを有するモータ。
  10. 請求項1または請求項2に記載の絶縁部材を用いたステータの製造方法であって、
    前記コイルと前記第1係合部を係合させた後に、前記コアと前記第2係合部を係合させる、
    ことを特徴とするステータの製造方法。
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