JP2024069049A - 反応性ホットメルト接着剤及び構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化後の弾性率が低く優れた防湿性を示す反応性ホットメルト接着剤、及び硬化後の弾性率が低く優れた防湿性を示す反応性ホットメルト接着剤を用いて得られる構造体の提供。【解決手段】ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含み、前記ポリオールはポリエステルポリオールを含み、前記ポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオールの割合は70質量%以上であり、前記芳香族ポリエステルポリオールのガラス転移温度は-10℃以下である、反応性ホットメルト接着剤。【選択図】なし

Description

本発明は、反応性ホットメルト接着剤及び構造体に関する。
ホットメルト接着剤は常温で固体であり、加熱により液状化した状態で被着体に接触させ、冷却固化によって接着力を発現する接着剤である。ホットメルト接着剤は主成分として熱可塑性樹脂を含むものと反応性樹脂を含むものとの2種に大別できる。反応性樹脂を含むホットメルト接着剤(以下、反応性ホットメルト接着剤ともいう)としては、ウレタンプレポリマーを含むホットメルト接着剤が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。ウレタンプレポリマーを含むホットメルト接着剤は、冷却固化により短時間である程度の接着力を発現するのに加え、ウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基が空気中又は被着体の表面に存在する水分と反応して硬化する。その結果、熱可塑性樹脂を含むホットメルト接着剤では達成できない強固な接着力を発現する。
特開平06-122860号公報 特開昭64-054089号公報 特開昭52-037936号公報
近年、スマートフォン、ウェアラブル端末等の電子機器の筐体にFPD(フラットパネルディスプレイ)モジュールのような部品を接着するために反応性ホットメルト接着剤を使用することが検討されている。電子機器用の接着剤には、温度変化による筐体の膨張収縮に対応でき(すなわち、弾性率が低い)、かつ優れた防湿性を示すことが求められる。
従来の反応性ホットメルト接着剤においてこれらの特性には未だ改善の余地がある。特に、電子機器のディスプレイ面積の拡大等に伴って接着剤の塗布面積や塗布厚が小さくなると従来の反応性ホットメルト接着剤では充分な防湿性が確保できないおそれがある。
上記事情に鑑み、本開示の一態様は、硬化後の弾性率が低く優れた防湿性を示す反応性ホットメルト接着剤、及び硬化後の弾性率が低く優れた防湿性を示す反応性ホットメルト接着剤を用いて得られる構造体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施形態が含まれる。
<1>ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含み、前記ポリオールはポリエステルポリオールを含み、前記ポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオールの割合は70質量%以上であり、前記芳香族ポリエステルポリオールのガラス転移温度は-10℃以下である、反応性ホットメルト接着剤。
<2>前記ポリオールの水酸基(OH)に対するポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)の当量比(NCO/OH)は1.6~2.2である、<1>に記載の反応性ホットメルト接着剤。
<3>前記ポリオールはポリエーテルポリオールをさらに含む、<1>に記載の反応性ホットメルト接着剤。
<4>前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量が500~2000であり、前記ポリエーテルポリオールの含有量はポリエステルポリオール100質量部に対して30質量部以下である、<3>に記載の反応性ホットメルト接着剤。
<5>2以上の物体と、前記2以上の物体を接着している<1>~<4>のいずれか1項に記載の反応性ホットメルト接着剤の硬化物と、を備える構造体。
<6>前記2以上の物体の少なくとも1つが金属製である、<5>に記載の構造体。
<7>電子機器である、<5>に記載の構造体。
以下、本開示の実施形態について説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
本開示において「ポリオール」は分子内に水酸基を2個以上有する化合物を意味する。
本開示において「ポリイソシアネート」は、分子内にイソシアネート基を2個以上有する化合物を意味する。
本開示において「ウレタンプレポリマー」は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物であり、分子の末端にイソシアネート基を有する化合物を意味する。すなわち、「ウレタンプレポリマー」はポリオールに由来する構造単位及びポリイソシアネートに由来する構造単位を含む重合鎖を含み、重合鎖の末端基としてイソシアネート基を有する化合物を意味する。
<反応性ホットメルト接着剤>
本開示の反応性ホットメルト接着剤は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含み、前記ポリオールはポリエステルポリオールを含み、前記ポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオールの割合は70質量%以上であり、前記芳香族ポリエステルポリオールのガラス転移温度は-10℃以下である、反応性ホットメルト接着剤である。
本開示の反応性ホットメルト接着剤は、反応性成分としてウレタンプレポリマーを含む。このため、加熱溶融後の冷却固化に起因する接着性とともにウレタンプレポリマーと水分との硬化反応に起因する接着性を発現し、優れた接着強度を示す。
さらに、本開示の反応性ホットメルト接着剤では、ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオール(すなわち、芳香環を含むポリエステルポリオール)の割合が70質量%以上である。このため、本開示の反応性ホットメルト接着剤の硬化物は透湿度が低く、優れた防湿性を示す。
ここで、ポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオールの割合を高くすると硬化物の弾性率が高くなる傾向にある。本開示の反応性ホットメルト接着剤では、芳香族ポリエステルポリオールのガラス転移温度を-10℃以下とすることで、ポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオールの割合を高めつつも硬化物の弾性率を低く抑えている。
硬化物の防湿性向上の観点からは、ポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオールの割合は75質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることがさらに好ましい。
ポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオールの割合の上限値は特に制限されない。例えば、ポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオールの割合は100質量%であってもよく、95質量%以下であってもよい。
本開示において「芳香族ポリエステルポリオールのガラス転移温度が-10℃以下である」とは、ウレタンプレポリマーの原料として使用する芳香族ポリエステルポリオールが全体としてガラス転移温度が-10℃以下であるという条件を満たすことを意味する。
すなわち、ウレタンプレポリマーの原料として複数種の芳香族ポリエステルポリオールを使用する場合は、これらの芳香族ポリエステルポリオールの混合物のガラス転移温度が-10℃以下である。
硬化物の弾性率低減の観点からは、芳香族ポリエステルポリオールのガラス転移温度は-15℃以下であることが好ましく、-20℃以下であることがより好ましい。
芳香族ポリエステルポリオールのガラス転移温度の下限値は特に制限されない。例えば、芳香族ポリエステルポリオールのガラス転移温度は-40℃以上であってもよく、-30℃以上であってもよい。
本開示において芳香族ポリエステルポリオールのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により昇温速度:2.0℃/分、試料質量:10mgの条件で測定される。測定装置としては、例えば、「DSC-60A Plus」(島津製作所社製)を使用できる。
本開示において、ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールとポリカルボン酸との重縮合反応によって生成する化合物を用いることができる。ポリエステルポリオールは、例えば、2~15個の炭素原子及び2又は3個の水酸基を有する多価アルコールと、2~14個の炭素原子(カルボキシル基中の炭素原子を含む)を有し、2~6個のカルボキシル基を有するポリカルボン酸との重縮合物であってもよい。
ポリエステルポリオールとしては、ジオールとジカルボン酸とから生成する直鎖ポリエステルジオールであってもよく、トリオールとジカルボン酸とから生成する分岐ポリエステルトリオールであってもよい。また、分岐ポリエステルトリオールは、ジオールとトリカルボン酸との反応によって得ることもできる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオールの各異性体、ペンタンジオールの各異性体、ヘキサンジオールの各異性体、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-メチルプロパンジオール、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族又は脂環族ジオール;4,4’-ジヒドロキシジフェニルプロパン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の芳香族ジオールなどが挙げられる。多価アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、好ましくは脂肪族ジオール、より好ましくは2~6個の炭素原子を有する脂肪族ジオールである。
ポリカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、1,2,3-プロパントリカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジエン-1,2-ジカルボン酸等の脂肪族又は脂環族ポリカルボン酸などが挙げられる。ポリカルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述したポリカルボン酸に代えて、カルボン酸無水物、カルボキシル基の一部がエステル化された化合物等のポリカルボン酸誘導体を用いることもできる。ポリカルボン酸誘導体としては、例えば、ドデシルマレイン酸及びオクタデセニルマレイン酸が挙げられる。
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリエステルポリオールは1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
ポリエステルポリオールの数平均分子量(Mn)は、反応性ホットメルト接着剤の硬化物の防水性及び接着強度を向上させる観点から、好ましくは500~10000の範囲、より好ましくは800~6000の範囲、さらに好ましくは1000~4000の範囲である。
本開示においてポリオールの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定され、標準ポリスチレン換算した値である。GPCの測定は、以下の条件で行うことができる。カラム:「Gelpack GLA130-S」、「Gelpack GLA150-S」及び「Gelpack GLA160-S」(昭和電工マテリアルズ株式会社製、HPLC用充填カラム)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
カラム温度:40℃
検出器:RI
反応性ホットメルト接着剤の塗布時の作業性並びに硬化後の接着性、防水性及び柔軟性の観点からは、ウレタンプレポリマーの原料はポリオールとしてポリエーテルポリオールを含むことが好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ビスフェノール骨格を有するポリエーテルポリオール等の芳香族ポリエーテルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド変性ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリエーテルポリオールは1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
ポリエーテルポリオールのMnは、初期接着強度、硬化後の接着強度、及び塗布後の適度なオープンタイムの観点から、好ましくは500~2000の範囲、より好ましくは700~2000の範囲、さらに好ましくは1000~2000の範囲である。
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリエーテルポリオールの量は、例えば、ポリエステルポリオール100質量部に対して30質量部以下であってもよく、5質量部~30質量部であってもよい。
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリイソシアネートは、特に制限されない。ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネートなどが挙げられる。反応性及び接着性の観点からは、ポリイソシアネートとしては芳香族ジイソシアネートが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリイソシアネートは1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリオールの水酸基(OH)に対するポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)の当量比(NCO/OH)は、2.2以下であることが好ましい。NCO/OHの比が2.2以下であると、反応性ホットメルト接着剤の湿気硬化反応の際に発泡が生じにくくなり、接着強さの低下を抑制し易くなる傾向にある。
ウレタンプレポリマーの原料として使用するポリオールの水酸基(OH)に対するポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)の当量比(NCO/OH)は、1.6以上であることが好ましい。NCO/OHの比が1.6以上であると、得られるウレタンプレポリマーの溶融時の粘度が高くなり過ぎず、作業性が良好に維持される傾向にある。
ポリオールとポリイソシアネートとを反応させる際の温度及び時間は、例えば、85℃~120℃及び1分間~48時間であってよい。ポリオールとポリイソシアネートとを混合する際は、減圧脱泡を行ってもよい。
反応性ホットメルト接着剤は、ウレタンプレポリマーの硬化反応を促進する観点から、触媒をさらに含有していてもよい。触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチルチオンオクテート、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリオクチルアミン等が挙げられる。
反応性ホットメルト接着剤は、硬化物のゴム弾性を高め、耐衝撃性をより向上させる観点から、熱可塑性ポリマーをさらに含有していてもよい。熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリウレタン、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、塩化ビニル系共重合体、アクリル共重合体、スチレン-共役ジエンブロック共重合体等が挙げられる。
反応性ホットメルト接着剤は、硬化物により強固な接着性を付与する観点から、粘着付与樹脂をさらに含有していてもよい。粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
反応性ホットメルト接着剤は、必要に応じて、酸化防止剤、顔料、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、シランカップリング剤、充填剤等の成分を含有していてもよい。
反応性ホットメルト接着剤の硬化物を得る方法は、特に制限されない。例えば、温度20℃~30℃、相対湿度40%~60%の環境下で24時間以上かけてウレタンプレポリマーの硬化反応を生じさせ、硬化物を得てもよい。
塗布時の作業性の観点からは、反応性ホットメルト接着剤の120℃における回転粘度計を用いて測定される粘度は5Pa・s以下であることが好ましく、4Pa・s以下であることがより好ましく、3.5Pa・s以下であることがさらに好ましい。反応性ホットメルト接着剤の120℃における回転粘度計を用いて測定される粘度の下限値は限定されないが、例えば、1Pa・s以上であってよい。
本開示の反応性ホットメルト接着剤は、使用前は固体の状態である。固体の状態である反応性ホットメルト接着剤の形態は、特に制限されない。例えば、ペレット状、ブロック状、粉末状、シート状等であってもよい。
本開示の反応性ホットメルト接着剤は、常温で固体であり、使用の際に加熱して液状化させる。液状化した反応性ホットメルト接着剤を対象物に付与する方法は、特に制限されない。例えば、液状化した反応性ホットメルト接着剤をディスペンサー等を用いて対象物に接触させてもよく、接着剤シートなどの液状化していない反応性ホットメルト接着剤を対象物に接触させた状態で加熱して液状化させてもよい。
本開示の反応性ホットメルト接着剤は、硬化後の弾性率が低く、基材の膨張収縮への追従性及び耐衝撃性に優れている。さらに、本開示の反応性ホットメルト接着剤は、硬化後に優れた防水性を示す。したがって、本開示の反応性ホットメルト接着剤は電子機器類用の接着剤として有用である。
本開示の反応性ホットメルト接着剤を適用する物体の材質は特に制限されない。例えば、金属、ガラス、セラミック等の無機材料であってもよく、プラスチック等の有機材料であってもよい。
基材の膨張収縮への追従性及び耐衝撃性を達成する観点からは、反応性ホットメルト接着剤の硬化物の弾性率は50MPa以下であることが好ましく、40MPa以下であることがより好ましく、30MPa以下であることがさらに好ましい。反応性ホットメルト接着剤の硬化物の弾性率の下限値は特に制限されないが、10MPa以上であってもよい。
反応性ホットメルト接着剤の硬化物の弾性率は、実施例に記載した方法で測定される。
優れた防湿性を達成する観点からは、反応性ホットメルト接着剤の硬化物の透湿度は70(g/m×24h)以下であることが好ましく、60(g/m×24h)以下であることがより好ましく、50(g/m×24h)以下であることがさらに好ましい。
反応性ホットメルト接着剤の硬化物の透湿度は、実施例に記載した方法で測定される。
<構造体>
本開示の構造体は、2以上の物体と、前記2以上の物体を接着している上述した反応性ホットメルト接着剤の硬化物と、を備える構造体である。
本開示の構造体において、2以上の物体の材質は特に制限されない。例えば、金属、ガラス、セラミック等の無機材料であってもよく、プラスチック等の有機材料であってもよい。2以上の物体の材質は同じであっても互いに異なっていてもよい。
ある実施態様では、2以上の物体の少なくとも1つが金属製であってもよく、構造体は電子機器であってもよい。
本開示の構造体を作製する方法は、特に制限されない。例えば、一方の物体の所定の領域に加熱した反応性ホットメルト接着剤を接触させ、もう一方の物体を反応性ホットメルト接着剤に接触させ、この状態で反応性ホットメルト接着剤を冷却固化させる。次いで、反応性ホットメルト接着剤に含まれるウレタンプレポリマーの硬化反応を生じさせる。これにより、2以上の物体が反応性ホットメルト接着剤の硬化物で接着された構造体を得ることができる。
以下に、本開示を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<組成物の調製>
あらかじめ脱水処理したポリオールを表1に示す配合量(質量部)で反応容器に加えて混合した。次いで、ポリイソシアネートを表1に示す配合量(質量部)で反応容器にさらに加えて混合し、110℃で1時間反応させた。その後、さらに110℃で1時間減圧脱泡撹拌することによって、ウレタンプレポリマーを含む組成物を得た。表1に示すポリオール及びポリイソシアネートの詳細は、下記の通りである。
(ポリエステルポリオール(A))
A1:アジピン酸及び1,6-ヘキサンジオールを主成分とする脂肪族ポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量:3000)
A2:セバシン酸及び1,6-ヘキサンジオールを主成分とする脂肪族ポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量5000)
A3:アジピン酸、ネオペンチルグリコール及びエチレグリコールを主成分とする脂肪族ポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量:2000)
A4:イソフタル酸、アゼライン酸、ネオペンチルグリコール及びエチレングリコールを主成分とする芳香族ポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量2000、Tg:-26℃)
A5:イソフタル酸、アジピン酸、ネオペンチルグリコール及びエチレングリコールを主成分とする芳香族ポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量2000、Tg:-22℃)
A6:フタル酸、ジエチレングリコール及びネオペンチルグリコールを主成分とする芳香族ポリエステルポリオール(水酸基数:2、数平均分子量3000、Tg:27)
(ポリエーテルポリオール(B))
B1:ポリプロピレングリコール(水酸基数:2、数平均分子量:2000)
(ポリイソシアネート(C))
C1:ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート基数:2)
<弾性率の評価>
調製した組成物の硬化後の弾性率を評価するために、JIS K 7127(1999)の「プラスチックフィルム及びシートの引張り試験方法」に基づく試験を実施した。
厚み150μmにフィルム化した組成物の硬化物を用いて試験片(形状:ダンベル形1号)を作製した。引張試験機(AUTOGRAPH AGS-X、株式会社島津製作所社製)を用いて10mm/分(一定)の速度のもとに試験片を引っ張り、応力-ひずみ曲線の初期の傾きから引張弾性率(MPa)を求めた。結果を表1に示す。
<防湿性の評価>
調製した組成物の硬化後の防湿性を評価するために、JIS Z 0208(1976)の「防湿包装材料の透過湿度試験方法」に基づく試験を実施した。
透湿カップに、塩化カルシウムを入れ、厚み150μmにフィルム化した組成物の硬化物を用いて蓋をした。その後、封ろう剤にて透湿カップとフィルム化した組成物の硬化物との隙間を塞いで試験体を作製した。この試験体を、40℃、90%RHの恒温恒湿装置中に16時間以上置いた。その後試験体を取り出して室温と平衡させ、その質量を測定した(秤量1)。再び試験体を40℃、90%RHの恒温恒湿槽に置き、24時間後に取り出して質量を測定した(秤量2)。透湿度を次の式によって算出した。結果を表1に示す。
透湿度(g/m×24h)=240×m/(t×s)
s:透湿面積(cm
t:二つの秤量間隔の時間の合計(h)
m:二つの秤量間隔の増加質量(mg)
<接着強度の評価>
調製した組成物を100℃で溶融させ、温度23℃、湿度50%の環境下で、縦25mm×横75mm×厚さ2mmのポリカーボネート(PC)基材上に、縦1mm×横25mm×厚さ150μmの接着剤層を形成した。その後、接着剤層の上に縦25mm×横75mm×厚さ2mmのPC基材を圧着して試験片を作製した。試験片を温度23℃、湿度50%の環境下で1日間静置して接着剤組成物を硬化させた。その後、せん断試験(引張速度:10mm/分)を行い、接着強度(MPa)を測定した。結果を表1に示す。
表1に示すように、ポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオールの割合が70質量%以上であり、かつ芳香族ポリエステルポリオールのガラス転移温度が-10℃以下である実施例の組成物は、硬化後の引張弾性率及び透湿度がともに低かった。
ポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオールの割合が50質量%である又は0質量%である比較例1、2の組成物は、硬化後の弾性率は低いが透湿度が高かった。
ポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオールの割合は70質量%以上であるが芳香族ポリエステルポリオールのガラス転移温度が11℃である比較例3の組成物は、硬化後の透湿度が低いが引張弾性率が高かった。

Claims (7)

  1. ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーを含み、前記ポリオールはポリエステルポリオールを含み、前記ポリエステルポリオールに占める芳香族ポリエステルポリオールの割合は70質量%以上であり、前記芳香族ポリエステルポリオールのガラス転移温度は-10℃以下である、反応性ホットメルト接着剤。
  2. 前記ポリオールの水酸基(OH)に対するポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)の当量比(NCO/OH)は1.6~2.2である、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤。
  3. 前記ポリオールはポリエーテルポリオールをさらに含む、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤。
  4. 前記ポリエーテルポリオールの数平均分子量が500~2000であり、前記ポリエーテルポリオールの含有量はポリエステルポリオール100質量部に対して30質量部以下である、請求項3に記載の反応性ホットメルト接着剤。
  5. 2以上の物体と、前記2以上の物体を接着している請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の反応性ホットメルト接着剤の硬化物と、を備える構造体。
  6. 前記2以上の物体の少なくとも1つが金属製である、請求項5に記載の構造体。
  7. 電子機器である、請求項5に記載の構造体。

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