JP2024068717A - 保護シート、及び、電子部品装置の製造方法 - Google Patents

保護シート、及び、電子部品装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水を含む液体によって容易に除去される保護層を備え、且つ、加熱されても被保護面と保護層との間におけるボイドの発生を抑制できる保護シートなどを提供することを課題としている。【解決手段】水溶性高分子化合物を含む保護層と、該保護層の一方の面に重なる基材層と、を備え、前記基材層のガラス転移点が、200℃以上である、保護シートなどを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、保護対象面を有する電子部品の保護対象面に貼り合わされる保護層を有する保護シートに関する。また、本発明は、例えば、製造工程中に前記保護シートを用いて電子部品装置を製造する電子部品装置の製造方法に関する。
従来、電子部品装置を製造する工程中に、保護対象面を保護するために用いられる保護シートが知られている。この種の保護シートは、例えば、保護対象面に貼り合わされる保護層と、保護層に重なった基材層とを備える。
この種の保護シートは、例えば、少なくとも1つの電子部品を有する電子部品装置を製造するために用いられる。例えば、電子部品装置の製造方法は、被加工材としての電子部品を支持基板の一方の面に搭載して仮固定する工程と、支持基板の他方の面に保護シートを貼り付ける工程と、支持基板上で電子部品を加工する工程と、支持基板から電子部品を取り外す工程と、支持基板から保護シートを除去する工程とを備える。
上記のような電子部品装置の製造方法で用いる保護シートとしては、例えば、けん化度が55mol%以下のオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂組成物で形成された保護層と、基材層とを備える保護シートが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の保護シートは、例えば支持用基板に貼り付けて使用され得る。
特許文献1に記載の保護シートによれば、仮固定時に保護層が良好な粘着性を有し、しかも、仮固定後に保護層を水で除去できる。
特開2021-161735号公報
ところが、特許文献1に記載の保護シートは、例えば電子部品の加工時に比較的高温で加熱されると、基材層が変形すること等によって、保護層と支持用基板の被保護面との間で部分的な剥離が生じ、保護層と支持用基板との間でボイドが発生する場合がある。ボイドが発生すると、保護層と支持用基板の被保護面との間でさらに剥離が進行するおそれがある。
このような問題を防ぐべく、水を含む液体によって容易に除去される保護層を備え、しかも、支持用基板の被保護面と保護層との間でボイドが発生することが抑制された保護シートが要望されている。
しかしながら、水を含む液体によって容易に除去される保護層を備え、且つ、加熱されても、被保護面と保護層との間におけるボイドの発生を抑制できる保護シートについては、未だ十分に検討されているとはいえない。
そこで、本発明は、水を含む液体によって容易に除去される保護層を備え、且つ、加熱されても被保護面と保護層との間におけるボイドの発生を抑制できる保護シートを提供することを課題とする。また、保護シートを用いることによって、保護層とガラス製支持基板の被保護面との間で加熱後にボイドが発生することを抑制でき、しかも、水を含む液体によって保護層を容易に除去できる電子部品装置の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る保護シートは、
水溶性高分子化合物を含む保護層と、該保護層の一方の面に重なる基材層と、を備え、
前記基材層のガラス転移点が、200℃以上であることを特徴とする。
本発明に係る電子部品装置の製造方法は、
ガラス製支持基板の一方の面に保護シートを貼り合わせる工程と、
ガラス製支持基板の他方の面に少なくとも1つの電子部品を搭載する工程と、
前記他方の面に搭載された前記電子部品に対して少なくとも加熱処理を施す工程と、
前記他方の面に搭載された前記電子部品を取り外す工程と、
前記一方の面から前記保護シートを除去する工程と、を備え、
前記保護シートが保護層と基材層とを有し、前記保護層が水溶性高分子化合物を含み、前記基材層のガラス転移点が200℃以上であり、
前記除去する工程は、水を含む液体で前記保護層の少なくとも一部を溶解させることによって前記一方の面から前記保護層を取り除くことを含むことを特徴とする。
本発明に係る保護シートは、水を含む液体によって容易に除去される保護層を備え、且つ、加熱されても被保護面と保護層との間におけるボイドの発生を抑制できる。
本発明に係る電子部品装置の製造方法では、上記の保護シートを用いるため、ガラス製支持基板の被保護面と保護層との間における加熱後のボイドの発生を抑制でき、且つ、水を含む液体によって保護シートが容易に除去される。
本実施形態の保護シートを厚さ方向に切断した模式断面図。 電子部品装置の製造方法で用いるガラス製支持基板を厚さ方向に切断した模式断面図。 電子部品装置の製造方法における貼合工程後の様子を表す模式図。 電子部品装置の製造方法における搭載工程後の様子を表す模式図。 電子部品装置の製造方法における加工工程の加熱処理後の様子を表す模式図。 電子部品装置の製造方法におけるデボンド工程の様子の一例を表す模式図。 電子部品装置の製造方法における除去工程の一例の様子を表す模式図。 電子部品装置の製造方法における除去工程の他例の様子を表す模式図。
以下、本発明に係る保護シートの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、図面における図は模式図であり、実物における縦横の長さ比と必ずしも同じではない。
本実施形態の保護シート1は、図1に示すように、
水溶性高分子化合物を含む保護層12と、保護層12の一方の面に重なる基材層11と、を備える。
本実施形態の保護シート1では、基材層11のガラス転移点が、200℃以上である。
本実施形態の保護シート1は、例えば、ガラス製支持基板G(後に詳述)の保護される一方の面(以下、被保護面とも称する)に貼り付けられて使用される。具体的には、保護層12がガラス製支持基板Gの一方の面に貼り付けられて使用される。
保護シート1は、例えば、被着体である基板の被保護面を一時的に保護するために使用される。被着体である基板としては、例えば、ガラス製支持基板、シリコンウエハ、ステンレス鋼(SUS)基板、又は、セラミック製基板などが挙げられる。
保護層12は、被着体である基板の被保護面に密着できる密着性を有する。保護シート1の保護層12を被着体である基板の被保護面に重ねることによって、被保護面に重なった保護層12を除去するまで、被保護面に異物が付着することなどを防止できる。
保護シート1は、例えば電子部品装置を製造する工程中で使用される。この工程中において、保護シート1は、例えば200℃以上の比較的高温で加熱される場合がある。このような高温環境下では、基材層11及び保護層12が軟化すること等によって、被着体である基板と保護層12との間にボイドが発生しやすい状況になり得る。本実施形態の保護シート1は、このようなボイドの発生が抑制されている。
また、保護シート1は、例えば上記のごとく被保護面を一時的に保護するために使用された後、水を含む液体によって容易に除去される。
なお、保護シート1を被着体である基板(具体的にはガラス製支持基板G)に貼り合わせて使用する保護シート1の使用方法については、後に詳しく説明する。
[保護シートの基材層]
基材層11は、例えば樹脂フィルムで構成されている。基材層11は、1種の樹脂を含んでもよく、複数種の樹脂を含んでもよい。基材層11は、樹脂を95質量%以上含むことが好ましく、98質量%以上含むことがより好ましい。
基材層11に含まれる樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂(熱可塑性ポリイミド樹脂)(ガラス転移点:約200℃~約300℃の範囲)、ポリアミドイミド樹脂(ガラス転移点:約275℃)、又は、ポリエーテルサルホン樹脂(ガラス転移点:約230℃)などが挙げられる。斯かる樹脂としては、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂のうち少なくとも一方が好ましい。
例えば、基材層11は、ポリイミド樹脂フィルムであってもよく、ポリアミドイミド樹脂フィルムであってもよく、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂の混合樹脂フィルムであってもよい。
基材層11のガラス転移点は、200℃以上である。基材層11のガラス転移点は、230℃以上であってもよい。斯かるガラス転移点がより高くなることにより、基材層11の耐熱性がより高まる。そのため、例えば上記のごとく被保護面を保護シート1で保護しているときに加熱されても、基板の被保護面と保護層12との間のボイド発生を抑制できる。
なお、基材層11のガラス転移点は、300℃以下であってもよい。
上記のガラス転移点は、基材層11に含まれる樹脂として、よりガラス転移点の低い樹脂を採用することによって、低くできる。一方、基材層11に含まれる樹脂として、よりガラス転移点の高い樹脂を採用することによって、上記のガラス転移点を高くできる。
上記のガラス転移点Tgは、動的粘弾性測定の結果から求められる。具体的な測定条件は、以下の通りである。
(動的粘弾性測定条件)
・装置:動的粘弾性測定装置
(例えば、レオメトリックサイエンティフィック社製「機器名:RSAIII」)
・測定モード:引張り
・測定周波数:1Hz
・測定温度範囲:0℃から300℃へ昇温
・昇温速度:10℃/min
上記の測定条件で、経時的に貯蔵弾性率E’及び損失弾性率E”を測定する。そして、損失正接(tanδ=E”/E’)がピーク形状を示したピーク頂点での温度をガラス転移点Tgとする。
基材層11の厚さは、特に限定されないが、例えば1μm以上100μm以下である。斯かる厚さは、3μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。また、斯かる厚さは、40μm以下であってもよい。なお、基材層11が積層体である場合、上記の厚さは、積層体の総厚さである。
[保護シートの保護層]
保護層12は、水溶性高分子化合物を含む。水溶性高分子化合物は、親水基を分子中に有する。保護層12は、水溶性高分子化合物を90質量%以上含むことが好ましく、95質量%以上含むことがより好ましく、99質量%以上含むことがさらに好ましい。これにより、水を含む液体によって、保護層12がより容易に除去され得る。
水溶性高分子化合物は、斯かる水溶性高分子化合物の薄膜(厚さ50μm以下)を40℃の水に浸漬するとすべて溶解するような水溶性を有する。
保護層12は、所定以上の親水性を有する。保護層12が所定以上の親水性を有すると、通常、上記の保護層12の少なくとも一部は、水を含む液体に溶解する。保護層12は、所定以上の親水性を有するため、水を含む液体と接触したときに少なくとも一部が溶解して、被着体である基板の被保護面から除去されるように構成されている。
保護層12の親水性として、保護層12の吸水率が指標となり得る。保護層12の吸水率は、2.0質量%以上であることが好ましい。これにより、保護層12が、水を含む液体にさらに溶解しやすくなる。上記吸水率は、例えば、水溶性高分子化合物中の親水基の含有割合を高めることによって、高めることができる。保護層12の吸水率は、例えば10.0質量%以下であってもよい。
上記の保護層12の吸水率は、カールフィッシャー法の電量滴定法を用いた測定値から求められる。具体的には、温度23℃、湿度50RH%の環境下で定常状態となった試験サンプルを、水分気化装置によって150℃で3分間加熱しつつ、気化された水分について測定を行う。上記加熱後の試験サンプルの質量に対する、測定された水分量の割合から、上記吸水率を求める。
保護層12の300℃における質量減少率は、5質量%以下であることが好ましい。これにより、保護層12がより耐熱性を有し得る。そのため、保護層12が比較的高温の加熱処理を経た後でも水溶性高分子化合物の分子構造の変化が抑制され得る。従って、上記の加熱処理後でも、被着体である基板の被保護面と保護層12との間のボイド発生をより抑制できる。
なお、上記の質量減少率は、4質量%以下であってもよく、3質量%以下であってもよい。また、上記の質量減少率は、0.1質量%以上であってもよい。
上記の質量減少率は、例えば、保護層12に含まれる上記水溶性高分子化合物が親水基としてポリオキシエチレン基(後述)を含有することによって、より低くできる。換言すると、例えば、上記水溶性高分子化合物の親水基としてポリオキシエチレン基(後述)を採用することによって、保護層12の耐熱性をより高めることができる。また、例えば、上記水溶性高分子化合物の分子間における化学的相互作用がより高まるような親水基を選択すること、又は、上記水溶性高分子化合物の分子間(例えば側鎖同士)で架橋反応させること等によって、上記の質量減少率をより低くすることができる。
上記の質量減少率は、以下の測定条件で、熱重量示差熱分析(TG-DTA)によって測定される。なお、25℃のときの質量を基準にして、質量減少率を算出する。
測定試料量:約10mg秤量
昇温速度:10℃/分(25℃から400℃まで昇温)
測定環境:窒素ガス中
上記の保護シート1において、保護層12の厚さは、特に限定されないが、例えば1μm以上100μm以下である。斯かる厚さは、3μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。また、斯かる厚さは、40μm以下であってもよい。なお、保護層12が積層体である場合、上記の厚さは、積層体の総厚さである。
本実施形態において、保護層12に含まれる上記水溶性高分子化合物の親水基は、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ピロリドン基、及びポリオキシエチレン基(ポリオキシエチレン構造)からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
上記の水溶性高分子化合物としては、少なくともポリエチレンオキシド構造を分子中に有する水溶性高分子化合物、ビニルアセテートの重合体におけるエステル結合の一部を加水分解して得られるポリビニルアルコール、及び、ポリビニルアルコールにアルデヒドを反応させて得られるポリビニルアセタールのうちの少なくとも1種が好ましい。なお、ポリビニルアセタールとしては、例えばポリビニルホルマール又はポリビニルブチラールが挙げられる。
上記の水溶性高分子化合物は、好ましくは、分子中に親水基としてポリオキシエチレン構造を有する。上記の水溶性高分子化合物が、分子中に親水基としてポリオキシエチレン構造を有することにより、保護層12は、基板の被保護面に対してより十分に密着できる。従って、比較的高温で加熱されても、基材層11と保護層12との間でボイドが発生することがより十分に抑制される。
例えば、保護層12は、ポリオキシエチレン構造のみを分子中に有するポリエチレンオキシド(PEO)(例えば分子量5万以上)を上記の水溶性高分子化合物として含んでもよい。一方、保護層12は、ポリオキシエチレン構造とポリオキシプロピレン構造とを分子中に有する、ポリアルキレンオキシド共重合体(例えば分子量5万以上)を上記の水溶性高分子化合物として含んでもよい。
ポリアルキレンオキシド共重合体は、ポリオキシエチレン構造のブロックと、ポリオキシプロピレン構造のブロックとを分子中に有するブロック共重合体であってもよく、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合体であってもよい。
上記の水溶性高分子化合物が、ポリオキシエチレン構造に加え、ポリオキシプロピレン構造を分子中に有することにより、保護層12の被着体への密着性がより高まり、上記のボイドの発生がより抑制され得る。また、保護層12の耐熱性がより高まり得る。
上記のポリオキシエチレン構造を分子中に有する水溶性高分子化合物の質量平均分子量Mwは、1,000,000(100万)以下であることが好ましい。質量平均分子量Mwが1,000,000以下であることにより、上記の水溶性高分子化合物は、十分に低い軟化点を有することができる。これにより、低温における保護層12の被着体に対する密着性がより良好になり得る。また、水を含む液体によって、被着体である基板の被保護面から保護層12をより短時間で効率良く除去できる。なお、質量平均分子量Mwは、例えば5万以上であってもよい。
上記の水溶性高分子化合物がポリビニルアルコール(PVA)である場合、ポリビニルアルコールのけん化度(モル%)は、70以上100以下であってもよい。
ポリビニルアルコールのけん化度(モル%)は、80以上であることが好ましく、90以上であることがより好ましい。ポリビニルアルコールのけん化度がより大きくなることによって、上記の保護層12が、より高い親水性を有することとなる。従って、水を含む液体によって保護層12をより簡便に除去できる。
一方、被着体に対する密着力をより向上できるという点で、ポリビニルアルコールのけん化度は、98以下であることが好ましく、95以下であることがより好ましい。
<けん化度の測定方法、測定条件>
上記のけん化度は、以下の分析条件で実施するプロトン磁気共鳴分光法(H MNR)によって測定される。
なお、保護層12がPVA以外の成分を含む場合、測定チャートにおけるピークの重なりを避けるため、メタノール抽出等によってPVAの分離抽出処理を行った後、測定を実施する。
分析装置:FT-NMR
(例えばBrukerBiospin社製、「AVANCEIII-400」)
観測周波数:400MHz(1H)
測定溶媒:重水、または、重ジメチルスルホキシド(重DMSO)
測定温度:80℃
化学シフト基準:外部標準TSP-d4(0.00ppm)(重水測定時)
:測定溶媒(2.50ppm)(重DMSO測定時)
上記のポリビニルアルコールの平均重合度は、好ましくは100以上であり、より好ましくは200以上である。また、上記平均重合度は、好ましくは1000以下であり、より好ましくは800以下である。
ポリビニルアルコールの平均重合度が100以上であることによって、上記の保護層12をより形成しやすくなる。一方、ポリビニルアルコールの平均重合度が1000以下であることによって、ポリビニルアルコールの親水性がより高まり、水を含む液体に、上記の保護層12がより溶解しやすくなる。
上記の平均重合度は、以下の測定方法及び測定条件によって求められる。
<平均重合度の測定方法、測定条件>
・分析装置:ゲル浸透クロマトグラフィー分析装置
(例えば、Agilent社製 装置名「1260Infinity」)
・カラム:TSKgel G6000PWXL及びTSKgel G3000PWXL(東ソー社製 直列接続)
・カラム温度:40℃
・溶離液:0.2Mの硝酸ナトリウム水溶液
・流速:0.8mL/min
・注入量:100μL
・検出器:示差屈折率計(RI)
・標準試料:PEG標準試料及びPVA標準試料
PEG標準試料を用いたGPC測定によって、被測定試料(PVA)、及び、平均重合度が既知のPVA標準試料の質量平均分子量Mwをそれぞれ算出する。PVA標準試料の平均重合度と、算出したPVA標準試料の質量平均分子量Mwとから検量線を作成する。この検量線を用いて、被測定試料(PVA)の質量平均分子量Mwから被測定試料(PVA)の平均重合度を求める。
本実施形態の保護層12は、上述した配合成分の他に、例えば界面活性剤、又は、可塑剤などをさらに含んでもよい。
本実施形態の保護シート1は、使用される前の状態において、保護層12の一方の面(基材層11と重なっていない保護層12の片面)を覆うはく離ライナーを備えてもよい。はく離ライナーは、保護層12を保護するために用いられ、保護層12を例えば被着体に貼り付ける直前に剥離される。
本実施形態の保護シート1は、例えば以下のようにして、一般的な方法によって製造できる。
まず、水を含む溶媒に、水溶性高分子化合物を溶解させる。溶解させるときに、加熱してもよい。溶媒としては、水以外に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒としては、任意の割合で水に溶解する水性有機溶媒が好ましい。斯かる水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
次に、上記のごとく調製した高分子溶液を基材層11に塗布(塗工)する。塗布した後、溶媒が揮発する温度で加熱することにより、基材層11に重なった保護層12を形成する。
このようにして保護シート1を製造できるが、保護シートの製造方法は、上記のごとく例示した方法に限定されない。
保護シート1は、例えば、電子部品装置を製造するための補助用具として使用される。保護シート1は、例えば、電子部品装置を製造する工程中で一時的に使用される。そのため、製造された電子部品装置は、保護シート1の基材層11又は保護層12を備えないこととなり得る。
電子部品装置は、例えば、半導体チップを備える半導体集積回路などの半導体装置であってもよく、相補型MOS(CMOS)を有するシステムLSIを備える装置であってもよく、又は、機械要素部品、センサ、アクチュエータ、若しくは電子回路を1つのシリコン基板、ガラス基板、若しくは有機材料基板などの上に微細加工技術によって集積化したデバイス(MEMS Micro Electro Mechanical Systems)などを備える装置であってもよい。なお、製造される電子部品装置は、配線基板を備える装置であってもよい。
<電子部品装置を製造するときの保護シートの使用方法>
続いて、本実施形態の保護シート1の使用方法について説明する。具体的には、上記の保護シート1を使用して、電子部品装置を製造する方法の実施形態の例について説明する。換言すると、上記のごとき電子部品装置を製造するために使用される保護シート1の使用方法の具体例について説明する。
本実施形態の電子部品装置の製造方法は、
ガラス製支持基板の一方の面に保護シートを貼り合わせる工程(貼合工程)と、
ガラス製支持基板の他方の面に少なくとも1つの電子部品を搭載する工程(搭載工程)と、
前記他方の面に搭載された前記電子部品に対して少なくとも加熱処理を施す工程(加熱工程)と、
前記他方の面に搭載された前記電子部品を取り外す工程(デボンド工程)と、
前記一方の面から前記保護シートを除去する工程(除去工程)と、を備え、
前記保護シート1が保護層12と基材層11とを有し、前記保護層12が水溶性高分子化合物を含み、前記基材層11のガラス転移点が200℃以上であり、
前記除去する工程は、水を含む液体で前記保護層12の少なくとも一部を溶解させることによって前記一方の面から前記保護層12を取り除くことを含む。
本実施形態の電子部品装置の製造方法では、上述した保護シート1を用いて電子部品装置を製造する。例えば、一般的にファンアウト型パッケージ技術と称される技術を利用して、電子部品装置を製造する。斯かる製造方法では、チップを先に作製する、いわゆるチップファースト方式を採用できる。
貼合工程では、例えば図2及び図3に示すように、ガラス製支持基板Gの片面の少なくとも一部に、保護シート1の保護層12を貼り合わせる。
ガラス製支持基板Gは、例えば無アルカリガラス(二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、アルカリ土類金属酸化物などが主成分)、石英ガラス、又は、結晶化ガラスなどであってもよい。ガラス製支持基板Gの厚さは、例えば、20μm以上10,000μm以下であってもよい。
搭載工程では、例えば図4に示すように、仮接着層Kを介して少なくとも1つの電子部品Dをガラス製支持基板Gの片面側に搭載する。電子部品Dを搭載する面は、ガラス製支持基板Gにおいて保護シート1が貼り合わされた面とは反対側の面である。なお、電子部品Dの搭載において、ガラス製支持基板Gと電子部品Dとは直接接触しなくてもよい。
電子部品Dとしては、例えば、半導体素子を含む部品、液晶表示素子を含む部品、又は、太陽電池素子(セル)を含む部品などが挙げられる。
半導体素子としては、例えば、半導体集積回路、大規模集積回路、ディスクリート、発光ダイオード、又は、受光素子などが挙げられる。
電子部品Dは、例えば図4に示すように、半導体チップC、半導体チップCに貼り付いたダイボンド層S、回路配線H、及び、回路配線Hと電気的に接続された端子Tなどを有する。
仮接着層Kは、例えば、活性エネルギー線の照射によって架橋反応を起こすアクリル樹脂などを含む。これにより、仮接着層Kは、粘着性が低下するように構成されている。
搭載工程では、例えば、仮接着層Kをガラス製支持基板Gに貼り付けてから、仮接着層Kを介してガラス製支持基板Gに電子部品Dを搭載してもよい。また、搭載工程では、例えば、液状の仮接着層用組成物の塗布によってガラス製支持基板Gの表面上に仮接着層Kを成膜してから、成膜された仮接着層Kを介してガラス製支持基板Gに電子部品Dを搭載してもよい。
加熱工程では、例えば図5に示すように、電子部品Dを覆うように熱硬化性樹脂J(モールド樹脂)を塗布した後、加熱処理によって熱硬化性樹脂Jの硬化反応を進行させ、電子部品Dの少なくとも表面部分を封止する加熱処理を実施する。
上記のごとき加熱処理が実施されると、保護シート1の基材層11が変形すること等によって、保護層12とガラス製支持基板Gの被保護面との間で部分的な剥離が生じ、保護層12とガラス製支持基板Gとの間でボイドが発生し得る。ボイドが発生すると、保護層12とガラス製支持基板Gの被保護面との間でさらに剥離が進行し得る。また、上記のごときボイドが発生すると、基材層11の外側表面にも凹凸が生じ得る。基材層11の外側表面に比較的大きい凹凸が存在すると、硬化した樹脂の厚さがばらつく原因となる。
上記の加熱処理では、熱硬化性樹脂Jとして、例えばエポキシ樹脂などを用いる。加熱処理は、例えば100℃以上250℃以下の温度で実施される。加熱処理の継続時間は、例えば10分間以上10時間以下である。
デボンド工程では、例えば、仮接着層Kの接着力を弱めた後に、例えば図6に示すように、仮接着層Kとガラス製支持基板Gとの間で剥離する。その後、例えば、取り出した電子部品Dに対して加工工程(後に詳述)を実施できる。
デボンド工程では、上記のごとく仮接着層Kの接着力を弱めるために、例えば、活性エネルギー線(例えば赤外線)の照射によってアブレーションを起こすように設計された仮接着層Kを用いる。この場合、活性エネルギー線(例えば赤外線)を仮接着層Kに照射すると、仮接着層Kに含まれる成分の少なくとも一部が昇華又は蒸発する。
詳しくは、ガラス製支持基板Gの一方の面に保護シート1が重なった状態で、赤外線等が少なくとも仮接着層Kに照射される。例えば、保護シート1が配置されている方から赤外線等を照射して、保護シート1を経た赤外線等が仮接着層Kに届く。これにより、仮接着層Kに対してアブレーション加工を施す。アブレーション加工された仮接着層Kの接着力は、弱まるため、仮接着層Kとガラス製支持基板Gとの間で容易に剥離することができる。
なお、上記のごとき活性エネルギー線の照射を行う場合、保護シート1の保護層12とガラス製支持基板Gとの間にボイドが存在すると、活性エネルギー線が仮接着層Kに届きにくくなる。上述した実施形態の保護シート1は、保護層12とガラス製支持基板Gとの間でボイドが発生することが抑制されていることから、上記のごとく仮接着層Kの接着力を弱める操作を確実に実施できる。
除去工程では、例えば図7に示すように、保護層12をガラス製支持基板Gの表面から取り除く前に、剥離によって基材層11を保護層12の表面から取り除いてもよい。
除去工程では、例えば図8に示すように、水を含む液体と接触したときに保護層12の少なくとも一部が溶解することにより、ガラス製支持基板Gの表面から保護層12が除去される。
除去工程では、上述したように剥離によって基材層11を取り除いてから、保護層12を除去してもよい。一方、基材層11と保護層12とが積層した状態で、少なくとも保護層12と、水を含む液体とを接触させることによって、基材層11及び保護層12の両方を除去してもよい。
除去工程では、撹拌されている上記液体のなかに保護層12を浸積して、保護層12に液体を接触させてもよい。又は、ノズル等から噴射された液体を、保護層12に接触させてもよい。上記液体の温度は、特に限定されず、例えば10℃以上90℃以下に設定されてもよい。
水を含む液体は、水を含む液状物質であれば、特に限定されない。斯かる液体は、水を30質量%以上含んでもよく、50質量%以上含んでもよく、70質量%以上含んでもよく、80質量%以上含んでもよく、90質量%以上含んでもよい。
上記液体は、水の他に、水に溶解する成分を含んでもよい。斯かる成分としては、例えば、水溶性有機溶媒が挙げられる。斯かる水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのプロパノール、又は、t-ブタノールなどのブタノールといった、炭素数4以下の1価アルコールが挙げられる。
除去工程によって保護シート1が除去されたガラス製支持基板Gは、例えば上述した工程を繰り返して実施するために再利用され得る。
本実施形態の電子部品装置の製造方法は、デボンド工程によってガラス製支持基板Gから取り外された電子部品Dに対して加工を施す工程(加工工程)をさらに備える。
加工工程では、電子部品Dの構成部材などに対して加工を施す。加工工程では、例えば、切断加工、研削加工、研磨加工、穴あけ加工といった加工処理を実施できる。例えば、加熱処理によって硬化した樹脂に対して研削加工(グラインド加工)を施すことができる。これにより、封止樹脂(硬化樹脂)の一部を削って、電子部品の端子Tを露出させることができる。
その後、加工工程では、再配線を形成する再配線加工処理、及び、形成した再配線上にバンプを形成するバンプ形成加工といった各加工をさらに実施することができる。さらに、ダイジング加工を実施して、チップ領域の外側に配線を引き出した電子部品装置を得ることができる。
本実施形態の保護シート及び電子部品装置の製造方法は上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の保護シート及び電子部品装置の製造方法に限定されない。
即ち、一般的な保護シート及び電子部品装置の製造方法において用いられる種々の形態が、本発明の効果を損ねない範囲において、採用され得る。
本明細書によって開示される事項は、以下のものを含む。
(1)
水溶性高分子化合物を含む保護層と、該保護層の一方の面に重なる基材層と、を備え、
前記基材層のガラス転移点が、200℃以上である、保護シート。
(2)
前記保護層の300℃における質量減少率が5質量%以下である、上記(1)に記載の保護シート。
(3)
前記水溶性高分子化合物が、少なくともポリエチレンオキシド構造を分子中に有する水溶性高分子化合物、ポリビニルアルコール、及び、ポリビニルアセタールのうちの少なくとも1種である、上記(1)又は(2)に記載の保護シート。
(4)
前記水溶性高分子化合物が、ポリオキシエチレン構造を分子中に有する、上記(3)に記載の保護シート。
(5)
前記基材層は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、及びポリエーテルサルホン樹脂のうち少なくとも1種を含む、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の保護シート。
(6)
ガラス製支持基板の一方の面に保護シートを貼り合わせる工程と、
ガラス製支持基板の他方の面に少なくとも1つの電子部品を搭載する工程と、
前記他方の面に搭載された前記電子部品に対して少なくとも加熱処理を施す工程と、
前記他方の面に搭載された前記電子部品を取り外す工程と、
前記一方の面から前記保護シートを除去する工程と、を備え、
前記保護シートが保護層と基材層とを有し、前記保護層が水溶性高分子化合物を含み、前記基材層のガラス転移点が200℃以上であり、
前記除去する工程は、水を含む液体で前記保護層の少なくとも一部を溶解させることによって前記一方の面から前記保護層を取り除くことを含む、電子部品装置の製造方法。
次に、実験例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
以下のようにして、保護シートを製造した。
<基材層の材質>
[A-1]
ポリイミド樹脂フィルム 厚さ25μm
製品名「カプトン」東レ・デュポン社製 ガラス転移点:300℃よりも高い
[A-2]
表面未処理ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム 厚さ38μm
製品名「ルミラー #38-S10」東レ社製 ガラス転移点:100℃
<保護層の配合原料>
(水溶性高分子化合物)
[B-1]
ポリエチレンオキサイド単独重合体
製品名「アルコックス R-150」明成化学工業社製
(質量平均分子量Mw=約20万)
[B-2]
ポリエチレンオキサイド単独重合体
製品名「アルコックス L-11」明成化学工業社製
(質量平均分子量Mw=約11万)
[B-3]
ポリエチレンオキサイド-ポリプロピレンオキサイド ランダム共重合
製品名「アルコックス EP1010N」明成化学工業社製
(質量平均分子量Mw=約10万)
[B-4]
ポリビニルアルコール
製品名「JMR-3M」日本酢ビ・ポバール社製
(けん化度:60、重合度:100)
(非水溶性高分子化合物)
[b-1]
ポリエステル系はく離ライナー/シリコーン系粘着剤/ポリイミドフィルムの積層構造
製品名「TRM6250L」 日東電工社製
各実施例及び各比較例における保護シートの構成を表1にそれぞれ示す。
(実施例1~4)
各水溶性高分子化合物を水に分散させ、さらに90℃に加熱し、撹拌することによって高分子溶液を調製した。
次に、アプリケータを用いて、各基材層の片面に、上記の高分子溶液を塗工した。110℃で2分間乾燥することにより、基材層上に保護層を形成した。
このようにして、表1に示す構成の保護シート(10μm厚さ)を製造した。
なお、実施例4については、有機溶媒にポリビニルアルコールを溶解させた後、実施例1と同様にして保護層を形成し、保護シートを製造した。
(比較例1、2)
比較例1については、実施例1と同様にして保護シートを製造した。
比較例2については、基材層と保護層とを貼り合わせて保護シートを製造した。
[基材層の物性(ガラス転移点Tg)測定]
上述した測定方法に従って、基材層のガラス転移点を評価した。
[保護層の物性(質量減少率)測定]
上述した測定方法に従って、保護層の300℃における質量減少率を評価した。
<塗工性>
高分子溶液を基材層に塗工したときに、塗工が可能であるか否かを目視によって確認した。結果を表1に示す。
<ボイドの発生の有無の確認>
大ささが76mm×52mmであり、厚さが0.9mm程度のガラス製支持基板(松浪硝子社製)を用意した。
上記のガラス製支持基板の片面に対して、各保護シートの保護層を、90℃、10mm/秒の条件で貼り付けた。
ガラス製支持基板に保護シート(基材層及び保護層)を貼り付けた状態で、220℃で1時間の加熱処理を行った。
加熱処理の後、ガラス製支持基板と保護層との間に、多数のボイドが発生した場合を「ボイドの発生有」と判定し、ボイドが全く発生しなかった場合を「ボイドの発生無」と判定した。なお、わずかにボイド(2~3程度のボイド)が発生した場合を「ボイドの発生僅かに有」と判定した。結果を表1に示す。
<水洗後の糊残りの有無の確認>
製造された各保護シートの保護層を上記のガラス製支持基板に貼り付け、次に、基材層を剥離して取り除いた。その後、25℃の水で5分間、高圧洗浄法によって保護層を取り除く処理を行った。
その結果、保護層の一部がガラス製支持基板上に残った場合を「糊残り有」と判定し、保護層が残らなかった場合を「糊残り無」と判定した。なお、わずかに保護層が残った場合を「僅かに有」と判定した。結果を表1に示す。
上記の結果から把握されるように、実施例の保護シートは、比較例の保護シートに比べて、ボイドの発生がより抑制されていた。また、保護層がより簡便に除去できた。
実施例の保護シートは、水溶性高分子化合物を含む保護層と、ガラス転移点が200℃以上の基材層とを備える。
このような実施例の保護シートを、電子部品装置の製造において使用することによって、電子部品装置を効率良く製造することができる。
例えば、実施例のごとき保護シートは、片面に電子部品を搭載したガラス製支持基板のもう一方の片面を保護するために使用され、ガラス製支持基板との間で発生し得るボイドの発生を抑制し、しかも、保護した後に、水を含む液体によって容易に除去される。よって、実施例のごとき保護シートを使用することにより、電子部品装置を効率良く製造することができる。
本発明の保護シートは、例えば、半導体装置などの電子部品装置を製造するときの補助用具として、好適に使用される。
本発明の電子部品装置の製造方法は、例えば、半導体装置などの電子部品装置を製造するときに、好適に使用される。
1:保護シート、
11:基材層、 12:保護層、
G:ガラス製支持基板、 D:電子部品、 K:仮接着層、 J:封止用の熱硬化性樹脂。

Claims (4)

  1. 水溶性高分子化合物を含む保護層と、該保護層の一方の面に重なる基材層と、を備え、
    前記基材層のガラス転移点が、200℃以上である、保護シート。
  2. 前記保護層の300℃における質量減少率が5質量%以下である、請求項1に記載の保護シート。
  3. 前記水溶性高分子化合物が、ポリオキシエチレン構造を分子中に有する、請求項1又は2に記載の保護シート。
  4. ガラス製支持基板の一方の面に保護シートを貼り合わせる工程と、
    ガラス製支持基板の他方の面に少なくとも1つの電子部品を搭載する工程と、
    前記他方の面に搭載された前記電子部品に対して少なくとも加熱処理を施す工程と、
    前記他方の面に搭載された前記電子部品を取り外す工程と、
    前記一方の面から前記保護シートを除去する工程と、を備え、
    前記保護シートが保護層と基材層とを有し、前記保護層が水溶性高分子化合物を含み、前記基材層のガラス転移点が200℃以上であり、
    前記除去する工程は、水を含む液体で前記保護層の少なくとも一部を溶解させることによって前記一方の面から前記保護層を取り除くことを含む、電子部品装置の製造方法。



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